JP5053310B2 - 送受信回路及びその信号受信方法 - Google Patents

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本発明は送受信回路及びその信号受信方法に関し、特にRFID(Radio Frequency IDentification)タグとの間で搬送波の送信とASK(Amplitude Shift Keying)変調信号の受信とを同時に行う送受信回路及びその信号受信方法に関する。
近年、RFID(Radio Frequency IDentification)タグを用いた入退場管理システムや商品管理システムが多くの分野で利用されている。RFIDタグを用いたシステムでは、管理対象にRFIDタグを設け、リーダライターでRFIDタグの情報の読み出し、又は、RFIDタグへの情報の書き込みを行う。
このRFIDタグシステムでは、リーダライターが送信する搬送波をRFIDタグが内部のメモリの情報に基づき反射又は吸収することでリーダライターとRFIDタグとの間の通信を行う。そのため、RFIDタグからリーダライターに送られるタグ応答信号は、振幅によりデータ1(例えば、ハイレベルのデータ)とデータ0(例えば、ロウレベルのデータ)とを区別する信号となる。このように、振幅によりデータを伝送する信号をASK(Amplitude Shift Keying)変調信号と称す。そして、リーダライターは、ASK変調信号を受信し、ASK変調信号を復調することでRFIDタグから送信されたデータを認識する。そのため、リーダライターには、ASK変調信号を復調するASK復調回路が実装される。
このASK復調回路の一例が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されているASK復調回路100のブロック図を図12に示す。図12に示すように、ASK復調回路100は、入力端子131、133、分配器132、134、180°位相器135、第1の直交復調器310、第2の直交復調器330、復調出力回路350〜380、ベースバンド部を有する。入力端子131には、ASK応答信号(以下の説明ではタグ応答信号と称す)SRが入力される。また、入力端子133には、図12には図示しない局部発振器からの局部発振信号S0が入力される。
ASK復調回路100では、タグ応答信号SRを分配器132により、第1の直交復調器310と第2の直交復調器330とに分配する。第1の直交復調器310では、タグ応答信号SRを分配器313により第1復調器311と第2復調器312に分配する。また、第2の直交復調器330では、タグ応答信号SRを分配器333により、第3復調器331と第4復調器332に分配する。
第1復調器311には、入力端子133より入力される局部発振信号S0が分配器134、314を介して与えられる。そして、第1の復調器311は、局部発振信号S0によりタグ応答信号SRを復調する。復調された信号は、復調出力回路350のローパスフィルタ351を介して出力される。ローパスフィルタ351を介して出力される信号が第1の復調出力信号E1Iである。また、復調出力回路350の判定回路354は、第1の復調出力信号E1Iの極性と大きさを表す復調判定出力E1IDを出力する。
第2復調器312には、局部発振信号S0と位相が90°異なる局部発振信号S1が分配器134、314及び90°位相器315を介して与えられる。そして、第2の復調器312は、局部発振信号S1によりタグ応答信号SRを復調する。復調された信号は、復調出力回路360のローパスフィルタ361を介して出力される。ローパスフィルタ361を介して出力される信号が第2の復調出力信号E1Qである。また、復調出力回路360の判定回路364は、第2の復調出力信号E1Qの極性と大きさを表す復調判定出力E1QDを出力する。
第3復調器331には、局部発振信号S0と位相が180°異なる局部発振信号S2が分配器134、334及び180°位相器135を介して与えられる。そして、第3の復調器331は、局部発振信号S2によりタグ応答信号SRを復調する。復調された信号は、復調出力回路370のローパスフィルタ371を介して出力される。ローパスフィルタ371を介して出力される信号が第3の復調出力信号E2Iである。また、復調出力回路370の判定回路374は、第3の復調出力信号E2Iの極性と大きさを表す復調判定出力E2IDを出力する。
第4復調器332には、局部発振信号S0と位相が270°異なる局部発振信号S3が分配器134、334及び180°位相器135、90°位相器335を介して与えられる。そして、第4の復調器332は、局部発振信号S3によりタグ応答信号SRを復調する。復調された信号は、復調出力回路380のローパスフィルタ381を介して出力される。ローパスフィルタ381を介して出力される信号が第4の復調出力信号E2Qである。また、復調出力回路380の判定回路384は、第4の復調出力信号E2Qの極性と大きさを表す復調判定出力E2QDを出力する。
このように、ASK復調回路100では、第1復調器〜第4復調器によりASK変調信号を復調することで、リーダライターから送信される搬送波とタグ応答信号SRとの送受信位相差が180°、270°の場合を含め、常に十分な大きさの正の復調出力を得る。
特開2006−229286号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、リーダライターが搬送波の送信及びタグ応答信号の受信を行う場合に生じる送信リーク信号の影響が考慮されていない。より具体的には、RFIDタグシステムでは、リーダライターが搬送波の送信とタグ応答信号の受信とを同時に行う。そのため、リーダライターは、アンテナと送信回路との間及びアンテナと受信回路との間で信号経路をカップラー等の結合器で切り替えるRFフロントエンド部を有する。そして、RFフロントエンド部では、アンテナにおいて発生する搬送波の反射搬送波信号と、結合器において発生する搬送波信号の漏れ搬送波信号と、を含む送信リーク信号が発生する。送信リーク信号は、タグ応答信号と合成された状態で受信回路に到達する。タグ応答信号と合成された送信リーク信号は、受信回路で実行されるASK復調処理におけるノイズとなる。送信リーク信号の影響が大きい場合、ASK復調回路がASK復調処理により受信データを正しく再生できない問題が発生する。特許文献1では、この送信リーク信号に起因するASK復調処理の不具合については開示されておらず、送信リーク信号に起因する通信の不具合を解決することができない問題がある。つまり、特許文献1に記載の技術では、タグ応答信号の受信精度を高めることができない問題がある。
本発明にかかる送受信回路の一態様は、RFIDタグに対する搬送波信号の送信動作とRFIDタグから送信されるタグ応答信号の受信動作を同時に行う送受信回路であって、パワーアンプから出力される搬送波信号を結合器及びアンテナから出力し、かつ、前記アンテナ及び前記結合器を介して伝達される前記タグ応答信号と、前記アンテナにおいて反射される前記搬送波信号に起因して発生する反射搬送波信号と、前記結合器において漏れた前記搬送波信号により発生する漏れ搬送波信号と、を含む中間信号を出力するRFフロントエンド部と、前記中間信号をIローカル信号に基づき復調して前記タグ応答信号を出力し、かつ、前記中間信号を前記Iローカル信号と90°の位相差を有するQローカル信号に基づき復調して前記反射搬送波信号と前記漏れ搬送波信号とを含む送信リーク信号を出力する直交復調器と、を有し、前記RFフロントエンド部は、前記中間信号に含まれる前記タグ応答信号の位相と前記Iローカル信号の位相とを実質的に同じ位相とし、かつ、前記中間信号の包絡線波形をほぼ一定の電圧レベルとする。
本発明にかかる信号受信方法の一態様は、パワーアンプから出力される搬送波信号を結合器に伝達する第1の伝送路と、前記搬送波信号を前記結合器からアンテナに伝達し、かつ、RFIDタグから送信されるタグ応答信号を前記アンテナから前記結合器に伝達する第2の伝送路と、前記タグ応答信号を前記結合器から出力端子に伝達する第3の伝送路と、を備えるRFフロントエンド部と、前記RFフロントエンド部を介して得られる中間信号をIローカル信号に基づき復調してI信号を出力し、かつ、前記Iローカル信号と90°の位相差を有するQローカル信号に基づき復調してQ信号を出力する直交復調器と、を有し、前記RFIDタグに対する前記搬送波信号の送信動作と前記RFIDタグからのタグ応答信号の受信動作を同時に行う送受信回路における信号受信方法であって、前記中間信号の包絡線波形をモニタし、前記第1の伝送路における位相シフト量と前記第2の伝送路における位相シフト量とのうち少なくとも一方の位相シフト量を調節して前記中間信号の包絡線波形の信号レベルを実質的に一定に設定し、前記第3の伝送路における位相シフト量を調節して前記I信号の信号レベルを最大化し、かつ、前記Q信号の信号レベルを最大化し、前記I信号として、前記タグ応答信号を受信する。
本発明にかかる信号受信方法の別の態様は、パワーアンプから出力される搬送波信号を結合器に伝達する第1の伝送路と、前記搬送波信号を前記結合器からアンテナに伝達し、かつ、RFIDタグから送信されるタグ応答信号を前記アンテナから前記結合器に伝達する第2の伝送路と、前記タグ応答信号を前記結合器から出力端子に伝達する第3の伝送路と、を備えるRFフロントエンド部と、前記RFフロントエンド部を介して得られる中間信号をIローカル信号に基づき復調してI信号を出力し、かつ、前記Iローカル信号と90°の位相差を有するQローカル信号に基づき復調してQ信号を出力する直交復調器と、を有し、前記RFIDタグに対する前記搬送波信号の送信動作と前記RFIDタグからのタグ応答信号の受信動作を同時に行う送受信回路における信号受信方法であって、前記第1の伝送路における位相シフト量と前記第2の伝送路における位相シフト量とのうち少なくとも一方の位相シフト量を調節して、前記タグ応答信号と、前記アンテナにおいて反射される前記搬送波信号に起因して発生する反射搬送波信号及び前記結合器において漏れた前記搬送波信号により発生する漏れ搬送波信号を含む送信リーク信号との位相差を実質的に90°とし、前記第3の伝送路における位相シフト量を調節して前記中間信号に含まれる前記タグ応答信号と前記Iローカル信号とを実質的に同じ位相とし、前記タグ応答信号を主成分とする前記I信号を復調し、前記送信リーク信号を主成分とする前記Q信号を復調する。
本発明にかかる送受信回路及びその信号受信方法によれば、RFフロントエンド部において中間信号に含まれるタグ応答信号と送信リーク信号との位相差をIローカル信号とQローカル信号との位相差に合わせる。また、RFフロントエンド部は、中間信号に含まれるタグ応答信号とIローカル信号との位相を実質的に同じにする。これにより、本発明にかかる送受信回路及びその信号受信方法では、直交復調器においてタグ応答信号と送信リーク信号とを分離することが可能になる。
本発明にかかる送受信回路及びその信号受信方法によれば、タグ応答信号の受信精度を高めることが可能になる。
実施の形態1にかかる送受信回路のブロック図である。 実施の形態1にかかるRFフロントエンド部においてカップラーから第1の移相器に伝達される信号の位相関係を示す概念図である。 実施の形態1にかかるRFフロントエンド部が出力する中間信号の位相関係を示す概念図である。 実施の形態1にかかる送受信回路で用いられるタグ応答信号の信号波形の一例を示す図である。 実施の形態1にかかる送受信回路において発生する送信リーク信号の信号波形の一例を示す図である。 図4に示すタグ応答信号と図5に示す送信リーク信号との位相差が90°であった場合の中間信号の信号波形を示す図である。 図4に示すタグ応答信号と図5に示す送信リーク信号との位相差が0°であった場合の中間信号の信号波形を示す図である。 図4に示すタグ応答信号と図5に示す送信リーク信号との位相差が180°であった場合の中間信号の信号波形を示す図である。 実施の形態1にかかる送受信回路においてタグ応答信号と送信リーク信号との位相差を操作する手順を示す概念的なフローチャートである。 図9で示した概念的なフローチャートの具体的な例を示すフローチャートである。 図9で示した概念的なフローチャートの具体的な別の例を示すフローチャートである(実施の形態2)。 特許文献1に記載のASK復調回路のブロック図である。
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態にかかる送受信回路1のブロック図を図1に示す。本実施の形態にかかる送受信回路は、RFID(Radio Frequency IDentification)タグを用いたRFIDタグシステムにおいて、RFIDタグと通信を行うリーダライター内に設けられるものである。そのため、図1では、送受信回路1に加えてRFIDタグ40を示した。また、本実施の形態におけるRFIDタグシステムでは、RFIDタグとして電池等の電源を内蔵しないパッシブ型のRFIDタグを用いる。
図1に示すように、本実施の形態にかかる送受信回路1は、送信回路10、RFフロントエンド部20、直交復調器30を有する。
送信回路10は、パワーアンプ11と出力端子OUTを有する。パワーアンプ11は、図示しない他の回路(例えば、発振器)等で生成された搬送波信号TXを増幅して出力する。また、パワーアンプ11は、増幅した搬送波信号TXによりアンテナ25を駆動する。出力端子OUTは、パワーアンプ11が出力する搬送波信号TXをRFフロントエンド部20に伝達する。
RFフロントエンド部20は、第1の移相器21、結合器(例えば、カップラー)22、第2の移相器23、第3の移相器24、アンテナ25、内部入力端子IIN、内部出力端子IOUTを有する。第1の移相器21は、高周波信号(例えば、2.4GHz帯の周波数を有する信号)を伝達する経路を構成し、かつ、伝達経路の長さ(例えば、伝達経路長、又は、配線インピーダンス)を外部から制御することができる構成を有する。伝達経路の長さを制御することで、高周波信号の位相シフト量を制御することができる。つまり、第1の移相器21は、搬送波信号の位相を制御する移相器としての機能と、パワーアンプ11からカップラー22に搬送波信号TXを伝達する伝送路(例えば、第1の伝送路)としての機能を有する。第1の移相器は、一端が内部入力端子IINに接続され、他端がカップラー22に接続される。
カップラー22は、パワーアンプ11から出力された搬送波信号TXをアンテナ25に伝達し、アンテナ25を介してRFIDタグ40が送信したタグ応答信号RXを受信して直交復調器30に伝達する。なお、カップラー22に代えてサーキュレーターなどを用いても良い。
第2の移相器23は、第1の移相器21と同様に伝達する信号に与える所定の位相シフト量を制御する移相器としての機能と、伝送路(例えば、第2の伝送路)としての機能を有する。より具体的には、第2の移相器23は、アンテナ25とカップラー22との間に設けられる。そして、第2の移相器23は、搬送波信号TXをカップラー22からアンテナ25に伝達すると共に、アンテナ25から入力されるタグ応答信号RXとカップラー22に伝達する。このとき、第2の移相器23は、主にアンテナ25からカップラー22に向かって伝達される信号に対して所定の位相シフト量を与える。本実施の形態では、アンテナ25において搬送波信号TXが反射されることに起因して反射搬送波信号TXdが生成される。そのため、第2の移相器23は、タグ応答信号RXと反射搬送波信号TXdに対して所定の位相シフト量を与えることになる。
第3の移相器24は、第1の移相器21と同様に伝達する信号に与える所定の位相シフト量を制御する移相器としての機能と、伝送路(例えば、第3の伝送路)としての機能を有する。より具体的には、第3の移相器24は、カップラー22と内部出力端子IOUTとの間に設けられる。そして、第3の移相器24は、タグ応答信号RXをカップラー22から直交復調器30に伝達すると共に、反射搬送波信号TXd及びカップラー22において搬送波信号TXが漏れることに起因して発生する漏れ搬送波信号TXlを直交復調器30に伝達する。なお、第3の移相器24では、タグ応答信号RX、反射搬送波信号TXd、及び漏れ搬送波信号TXlは、合成信号として伝達される。第3の移相器24を介して内部出力端子IOUTに出力される合成信号を以下の説明では中間信号Sinと称す。また、以下の説明では、反射搬送波信号TXdと漏れ搬送波信号TXlとを含む信号を送信リーク信号と称す。
アンテナ25は、カップラー22から出力される搬送波信号TXをRFIDタグ40に送信する。また、アンテナ25は、RFIDタグ40から送信されるタグ応答信号RXを受信してカップラー22に与える。なお、本実施の形態にかかる送受信回路1では、RFIDタグに対する搬送波信号TXの送信動作とRFIDタグ40から送信されるタグ応答信号RXの受信動作とを同時に行うため、アンテナ25は、送信動作と受信動作とを同時に行うことになる。
直交復調器30は、第1のミキサ31、第2のミキサ32、信号処理部33、入力端子IN、第1のモニタ端子MoI、第2のモニタ端子MoQを有する。第1のミキサ31は、入力端子INを介して受信した中間信号SinをIローカル信号に基づき復調してI信号SIを出力する。より具体的には、第1のミキサ31は、Iローカル信号と同位相の信号をI信号SIとして出力する。本実施の形態では、I信号SIとしてタグ応答信号RXが出力される。第2のミキサ32は、入力端子INを介して受信した中間信号SinをQローカル信号に基づき復調してQ信号SQを出力する。より具体的には、第2のミキサ32は、Qローカル信号と同位相の信号をQ信号SQとして出力する。本実施の形態では、Q信号SQとして送信リーク信号が出力される。信号処理部33は、I信号SIとQ信号SQとに基づきタグ応答信号からデータ信号を再生し、図示しない他の回路に再生したデータ信号を出力する。
第1のモニタ端子MoIは、第1のミキサ31の出力ノードに接続される。つまり、第1のモニタ端子MoIから出力される信号をモニタすることでI信号SIの信号波形を確認することができる。第2のモニタ端子MoQは、第2のミキサ32の出力ノードに接続される。つまり、第2のモニタ端子MoQから出力される信号をモニタすることでQ信号SQの信号波形を確認することができる。
なお、本実施の形態において用いられるIローカル信号とQローカル信号は、図示しない局部発振器等において生成される信号である。Iローカル信号とQローカル信号は、位相が90°異なる信号である。また、Iローカル信号とQローカル信号は、搬送波信号TXlと同じ周波数を有する信号である。
ここで、RFフロントエンド部20において伝達される信号についてより詳細に説明する。まず、RFフロントエンド部20では、内部入力端子IINから入力された搬送波信号TXが、第1の移相器21、カップラー22、第2の移相器23、アンテナ25を介してRFIDタグ40に送信される。このとき、アンテナ25では、アンテナ25のインピーダンスのミスマッチに起因して搬送波信号TXの一部が反射され、反射搬送波信号TXdが発生する。この反射搬送波信号TXdは、第2の移相器23を介してカップラー22に到達する。また、アンテナ25を介してRFIDタグ40が送信するタグ応答信号RXがRFフロントエンド部20に入力される。タグ応答信号RXは、第2の移相器23を介してカップラー22に到達する。
カップラー22では、第1の移相器21から第2の移相器23に伝達される搬送波信号TXの一部が第2の移相器23と第3の移相器24とを接続する伝送経路に漏れる。この漏れにより生じる信号が漏れ搬送波信号TXlとして第3の移相器24に伝達される。また、カップラー22に入力されたタグ応答信号RXと反射搬送波信号TXdも、第3の移相器24に伝達される。
このようなことから、第3の移相器24には、反射搬送波信号TXdと漏れ搬送波信号TXlとを含む送信リーク信号及びタグ応答信号RXの合成信号が入力されることになる。この合成信号が中間信号Sinとして内部出力端子IOUTから出力される。
このとき、本実施の形態にかかるRFフロントエンド部20では、第1の移相器21、第2の移相器23、第3の移相器24の各伝送路において信号に与えられる位相シフト量を操作する。これにより、RFフロントエンド部20は、タグ応答信号RXと送信リーク信号との位相差を90°とし、かつ、中間信号Sinに含まれるタグ応答信号RXの位相をIローカル信号と実質的に同じ信号とする。
タグ応答信号RX及び送信リーク信号の位相のシフト量は、第1の移相器21、第2の移相器23及び第3の移相器24により決定される。より具体的には、第1の移相器21は、搬送波信号TXの位相をシフトさせることができる。なお、搬送波信号TXの位相は、タグ応答信号RX、反射搬送波信号TXd及び漏れ搬送波信号TXlのいずれにも影響を及ぼす。第2の移相器23は、反射搬送波信号TXd及びタグ応答信号RXに与える同じ位相シフト量を与えることができる。第3の移相器24は、タグ応答信号RX、反射搬送波信号TXd及び漏れ搬送波信号TXlに同じ位相シフト量を与えることができる。
このようなことから、本実施の形態では、第1の移相器21及び第2の移相器23の少なくとも一方の移相器により設定される位相シフト量を調節することで、タグ応答信号RXと送信リーク信号との位相差を90°とする。また、第3の移相器24により設定される位相シフト量を調節することで、中間信号Sinに含まれるタグ応答信号RXの位相をIローカル信号と実質的に同じ信号とする。
ここで、RFフロントエンド部20において伝達される信号の位相関係の概念図を図2、図3に示す。図2に示す関係図は、カップラー22から第3の移相器24に伝達される信号の位相関係を示したものである。図2に示すように、TXd+TXlで示される送信リーク信号に対して、タグ応答信号RXは90°の位相差を有する。また、図3に示す関係図は、中間信号Sinに含まれる信号の位相関係を示したものである。図3に示すように、中間信号Sinでは、タグ応答信号RXはIローカル信号と同一の位相を有し、TXd+TXlで示される送信リーク信号は、Iローカル信号と90°の位相差を有するQローカル信号と同じ位相を有する。
タグ応答信号RX及び送信リーク信号の位相とIローカル信号及びQローカル信号との位相関係を中間信号Sinの状態で図3に示す関係とすることで、第1のミキサ31はタグ応答信号RXのみをI信号SIとして出力し、第2のミキサ32は送信リーク信号のみをQ信号SQとして出力することができる。つまり、本実施の形態にかかるRFフロントエンド部20を介して得られる中間信号Sinに基づき直交復調器30が復調処理を行うことで、信号精度の高いタグ応答信号RXを得ることが可能になる。
続いて、RFフロントエンド部20における信号の調整操作手順について説明する。図4に本実施の形態にかかる送受信回路における信号調節手順の概念的なフローチャートを示す。図4に示すように、位相調整動作が開始されると、まず、RFIDタグ40に対して搬送波信号TXを出力する(ステップS1)。ステップS1において開始した搬送波信号TXの出力は、位相調整動作が完了するまで続けられる。
続いて、ステップS2において第1の移相器21及び第2の移相器23の少なくとも一方の移相器を操作する。そして、ステップS3において、タグ応答信号RXと送信リーク信号との位相差が90°となっているかを確認する。ステップS3においてタグ応答信号RXと送信リーク信号との位相差が90°になっていなければ(ステップS3のNOの枝)、さらにステップS2の操作を行う。一方、ステップS3においてタグ応答信号RXと送信リーク信号との位相差が90°になっていれば(ステップS3のYESの枝)、ステップS4の手順に進む。
ステップS4では、第3の移相器24を操作する。そして、ステップS5においてタグ応答信号RXとIローカル信号との位相が同位相となっているかを確認する。ステップS5においてタグ応答信号RXとIローカル信号との位相が異なるものである場合(ステップS5のNOの枝)、さらにステップS4の操作を繰り返す。一方、ステップS5においてタグ応答信号RXとIローカル信号との位相が同位相となっている場合(ステップS5のYESの枝)、位相調整動作を終了する。
上記位相調整動作の具体的な手順を具体的な信号波形の例を参照しながら説明する。まず、図5に図4において示した概念的なフローチャートの具体的な手順を示すフローチャートを示す。
図5に示す具体的なフローチャートにおいても、まず、RFIDタグ40に対して搬送波信号TXが出力される(ステップS11)。このステップS11において出力される搬送波信号TXに対応して生成されるタグ応答信号RXと送信リーク信号の具体例をそれぞれ図6及び図7に示す。
図6には、タグ応答信号RXの信号波形の具体例を示す。図6に示すように、タグ応答信号RXは、振幅を有する信号が重畳される第1の期間と、振幅を有しない第2の期間を有する。タグ応答信号RXは、第1の期間において例えばデータ1を伝達し、第2の期間においてデータ0を伝達する。例えば、データ1は、RFIDタグ40のメモリに格納されたデータがハイレベルであることを意味し、データ0は、RFIDタグ40のメモリに格納されたデータロウレベルであることを意味する。このように、信号振幅の大小によりデータを伝達する信号をASK変調信号と称す。
図7には、送信リーク信号の信号波形の具体例を示す。図7に示すように、送信リーク信号は振幅に変化のない信号が連続する。これは、送信リーク信号が、信号振幅に変化がない搬送波信号TXに対応して生成される信号であることに起因する。
また、図6、図7に示すように、本実施の形態においては、タグ応答信号RXの信号振幅は、送信リーク信号の信号振幅に比べて極めて小さい。図6、図7に示す例では、タグ応答信号RXの信号振幅は、送信リーク信号の信号振幅の比べ10分の1程度の大きさである。
これは、本実施の形態で用いられるRFIDタグがパッシブ型のRFIDタグであることに起因する。パッシブ型のRFIDタグは、リーダライターから送信される搬送波信号に基づき動作電源を生成する。また、パッシブ型のRFIDタグは、内蔵メモリに格納されたデータに基づきアンテナのインピーダンスを切り替える。より具体的には、パッシブ型のRFIDタグは、読み出し対象となっているデータがデータ1である場合はアンテナのインピーダンスを搬送波信号にマッチングしない状態として搬送波信号を反射する。一方、読み出し対象となっているデータがデータ0である場合はアンテナのインピーダンスを搬送波信号にマッチングさせる状態として搬送波信号を吸収する。そのため、本実施の形態におけるタグ応答信号RXにおいて振幅を有する信号成分は、RFIDタグ40が反射した信号であるため非常に小さくなる。一方、送信リーク信号は、パワーアンプ11が搬送波信号TXに基づき大きな出力電流でアンテナ25を駆動することにより発生するものであり、RFIDタグ40による反射よりも損失が小さくなるため、大きな信号振幅となる。
図6に示すタグ応答信号RX及び図7に示す送信リーク信号の合成信号として中間信号Sinが生成される。このとき、本実施の形態では、図5に示すステップS12の操作を行う。ステップS12では、第1の移相器21及び第2の移相器23の少なくとも一方を操作する。これにより、中間信号Sinにおけるタグ応答信号RXと送信リーク信号の位相関係が変化する。そして、ステップS13において中間信号の包絡線波形の段差の有無が判断される。
ここで、タグ応答信号RXと送信リーク信号との位相関係が変化した場合の中間信号Sinの信号波形の具体例を図8〜図10に示す。なお、図8〜図10に示す波形例は、図6で示したタグ応答信号RXと図7で示した送信リーク信号とに基づくものである。図8に示す例は、タグ応答信号RXと送信リーク信号との位相差が90°となった場合の信号波形である。図8に示すように、タグ応答信号RXと送信リーク信号との位相差が90°であった場合、中間信号Sinの包絡線波形は、ほぼ一定の信号レベルを保つ。図9に示す例は、タグ応答信号RXと送信リーク信号との位相差が0°となった場合の信号波形である。図9に示すように、タグ応答信号RXと送信リーク信号との位相差が0°であった場合、中間信号Sinの包絡線波形は、タグ応答信号RXが振幅を有さない第2の期間において段差(ディップ)が生じる。図10に示す例は、タグ応答信号RXと送信リーク信号との位相差が180°となった場合の信号波形である。図10に示すように、タグ応答信号RXと送信リーク信号との位相差が180°であった場合、中間信号Sinの包絡線波形は、タグ応答信号RXが振幅を有さない第2の期間において段差(ピーク)が生じる。
図8〜図10において示した信号波形の例より、ステップS13において中間信号Sinの包絡線波形の段差の有無を確認することで、タグ応答信号RXと送信リーク信号との位相差が確認できることがわかる。つまり、ステップS13において中間信号Sinの包絡線波形の段差があることが確認された場合(ステップS13のNOの枝)、第1の移相器21又は第2の移相器23による位相調整が不十分で有ることがわかるため、ステップS12の操作を繰り返す。一方、ステップS13において中間信号Sinの包絡線波形の段差がないことが確認された場合(ステップS13のYESの枝)、第1の移相器21又は第2の移相器23による位相調整によりタグ応答信号RXと送信リーク信号との位相差が実質的に90°となっていることがわかるため、ステップS14の操作に進む。なお、ステップS12における操作では、タグ応答信号RXと送信リーク信号との位相差が厳密に90°となっている必要はなく、5°〜10°のずれが生じていても構わない。
続いて、ステップS14において第3の移相器24を操作して、中間信号Sinの位相シフト量を調節する。そして、ステップS15において第1のモニタ端子MoIを介して第1のミキサ31が出力するI信号SIの振幅をモニタする。このステップS14とステップS15とを繰り返し行う。そして、I信号SIの振幅が最大値となるように第3の移相器24を操作する。I信号SIとしてタグ応答信号RXが出力されている状態において、I信号SIの振幅が最大となる状態は、中間信号Sinに含まれるタグ応答信号RXの位相がIローカル信号と同位相となる状態である。すなわち、第3の移相器24の位相シフト量調整動作(ステップS14)に基づきステップS15でI信号SIとして出力されるタグ応答信号RXの振幅が最大となる状態は、送信リーク信号の影響が最も少ないタグ応答信号RXがI信号SIとして出力されている状態を示す。そのため、ステップS15において、I信号SIの振幅が最大となる条件を満たした時点(ステップS15のYESの枝)で位相調整動作を終了する。
なお、ステップS13までの処理により、タグ応答信号RXと送信リーク信号との位相差は90°となっている。そのため、I信号SIとしてタグ応答信号RXの振幅が最大となる点は、Q信号SQとして出力される送信リーク信号が最大となる点と同じになる。そこで、ステップS15において、第2のモニタ端子MoQから出力される信号をモニタしても良い。
上記説明より、本実施の形態にかかる送受信回路1は、アンテナ25及びカップラー22を介して伝達されるタグ応答信号RXと、アンテナ25において反射される搬送波信号TXに起因して発生する反射搬送波信号TXdと、カップラー22において漏れた搬送波信号TXにより発生する漏れ搬送波信号TXlと、を含む中間信号Sinを出力するRFフロントエンド部20とを有する。このとき、RFフロントエンド部20は、中間信号Sinに含まれるタグ応答信号RXの位相とIローカル信号の位相とを実質的に同じ位相とし、かつ、中間信号Sinの包絡線波形をほぼ一定の電圧レベルとする。中間信号Sinの包絡線波形をほぼ一定の電圧レベルとすることで、中間信号Sinに含まれるタグ応答信号RXと反射搬送波信号TXd及び漏れ搬送波信号TXlを含む送信リーク信号との位相差が90°に設定される。
そして、このような中間信号SinをIローカル信号及びSローカル信号により直交復調処理することで送受信回路1は、I信号SIとして送信リーク信号の影響を最大限に小さくしたタグ応答信号RXを出力し、Q信号SQとして含まれるタグ応答信号RXの成分が最も小さくなる送信リーク信号を出力することができる。つまり、本実施の形態にかかる送受信回路1によれば、送信リーク信号の振幅がタグ応答信号RXの振幅よりも大きな状態であっても、送信リーク信号がタグ応答信号RXに及ぼす影響を小さくし、高精度なタグ応答信号RXを得ることが可能になる。
特に、RFIDタグ40として、パッシブ型のRFIDタグを用いた場合、タグ応答信号RXの振幅は、送信リーク信号の振幅の2〜10%程度となることが多い。そのため、本実施の形態にかかるRFフロントエンド部20により直交復調器30に入力される中間信号Sinに含まれる信号の位相を制御することで、直交復調器30が送信リーク信号の影響を受けないタグ応答信号RXを復調できるようにすることの効果は大きい。
また、パッシブ型のRFIDタグは、リーダライターとRFIDタグの距離が近づいた状態(例えば、10cm以下の距離、又は、数cm程度の近接距離)で通信を行う。そのため、RFフロントエンド部20から出力される搬送波信号TXとタグ応答信号RXとの位相差は、RFIDタグとリーダライターとの距離によらずほぼ一定に保たれる。
本実施の形態にかかるRFフロントエンド部20では、図4、図5に示す手順に従って、第1〜第3の移相器による位相シフト量の調整を行う。このとき、本実施の形態にかかるRFフロントエンド部20では、図4、図5に示す手順に沿った位相シフト量の調節をリーダライターの使用開始前に一度だけ行う。つまり、本実施の形態にかかるRFフロントエンド部20は、第1〜第3の移相器により設定した位相シフト量が固定される。従って、本実施の形態にかかる送受信回路1は、搬送波信号TXとタグ応答信号RXとの位相差がほぼ一定に保たれるパッシブ型のRFIDタグを用いたシステムにおいて、タグ応答信号RXの信号精度が最も高い状態を維持することができる。また、位相シフト量が固定されることより、送受信回路1は、運用状態において高速な動作を妨げることがない。
本実施の形態における第1の移相器21と第2の移相器23と第3の移相器24との移相シフト量の調整機構、及び、第1のモニタ端子MoIと第2のモニタ端子MoQは、RFフロントエンド部20における中間信号Sinの位相調整動作に必要なものである。つまり、本実施の形態における送受信回路1では、これらを設けることで、送信リーク信号の影響を受けないタグ応答信号RXの復調を実現している。
本実施の形態における第1〜第3の移相器は、位相シフト量の調整機構を有する移相器として実装されていても良いし、移相器として算出された伝送経路長を再現した単なる伝送路として実装されていても良い。特に、送受信回路1を量産する状態においては、第1〜第3の移相器を単なる伝送路として実装した方が、位相シフト量の安定性及び生産性を向上させることができる。また、第1のモニタ端子MoI及び第2のモニタ端子MoQは、送受信回路1の運用状態においては、必要のない端子であるため、直交復調器30を有するパッケージの外部出力端子として設けられる必要はない。
実施の形態2
実施の形態2では、図5において示した具体的な位相調整動作の別の手順を示す。実施の形態2にかかる送受信回路1の位相調整動作のフローチャートを図11に示す。図11に示すように、実施の形態2にかかる位相調整動作では、中間信号Sinをモニタすることなく中間信号Sinの位相調整を行う。
図11に示すように、実施の形態2において説明する手順においても、まず、RFIDタグ40に対して搬送波信号TXが出力される(ステップS21)。このステップS21において出力される搬送波信号TXに対応して生成されるタグ応答信号RXと送信リーク信号の具体例は、それぞれ図6及び図7に示すものである。
続いて、第1の移相器21と第2の移相器23とのうち少なくとも一方の移相器を操作して(ステップS22)、第1のモニタ端子MoI及び第2のモニタ端子MoQから出力されるI信号SI及びQ信号SQをモニタする。そして、I信号SI及びQ信号SQの振幅の差が最大値であるかを確認する(ステップS23)。I信号SIはIローカル信号と同位相の成分が出力される信号であり、Q信号SQはQローカル信号と同位相の成分が出力される信号である。また、Iローカル信号とQローカル信号との位相差は90°に設定されている。そのため、ステップS23において、I信号SI及びQ信号SQの振幅の差が最大値であるかを確認することで、中間信号Sinに含まれるタグ応答信号RXの位相と送信リーク信号の位相との関係が90°となっているか否かを判断することができる。タグ応答信号RXの位相と送信リーク信号の位相との関係が90°となっていれば、I信号SIとQ信号SQとの振幅は最大となるためである。ステップS22とステップS23の処理を繰り返し(ステップS23のNOの枝)、ステップS23の条件を満たしたら(ステップS23のYESの枝)ステップS24の処理に進む。
ステップS24及びステップS25の処理は、図5において説明したステップS14及びステップS15の処理に対応するものであるため、ここでは説明を省略する。
上記説明より、中間信号Sinに含まれるタグ応答信号RXと送信リーク信号との位相関係は、中間信号Sinの振幅による判断のみならず、第1のモニタ端子MoI及び第2のモニタ端子MoQから出力されるI信号SI及びQ信号SQだけでも判断することが可能である。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、タグ応答信号RXと送信リーク信号との振幅比が小さい(例えば、1:1)である場合、タグ応答信号RXと送信リーク信号と位相差が90°のときの中間信号Sinの包絡線波形は一定の電圧レベルとはならない。このような場合であっても、タグ応答信号RXと送信リーク信号と位相差が90°のときの中間信号Sinの包絡線波形はタグ応答信号RXと送信リーク信号との振幅比に応じて算出することができる。つまり、タグ応答信号RXと送信リーク信号と位相差が90°となる中間信号Sinの包絡線波形は、タグ応答信号RXと送信リーク信号と振幅比に応じて決定されるものであれば良い。
1 送受信回路
10 送信回路
11 パワーアンプ
20 フロントエンド部
21、23、24 移相器
22 カップラー
25 アンテナ
30 直交復調器
31、32 ミキサ
33 信号処理部
40 タグ
IIN 内部入力端子
IOUT 内部出力端子
IN 入力端子
OUT 出力端子
MoI、MoQ モニタ端子
SI I信号
SQ Q信号

Claims (20)

  1. RFIDタグに対する搬送波信号の送信動作とRFIDタグから送信されるタグ応答信号の受信動作を同時に行う送受信回路であって、
    パワーアンプから出力される搬送波信号を結合器及びアンテナから出力し、かつ、前記アンテナ及び前記結合器を介して伝達される前記タグ応答信号と、前記アンテナにおいて反射される前記搬送波信号に起因して発生する反射搬送波信号と、前記結合器において漏れた前記搬送波信号により発生する漏れ搬送波信号と、を含む中間信号を出力するRFフロントエンド部と、
    前記中間信号をIローカル信号に基づき復調して前記タグ応答信号を出力し、かつ、前記中間信号を前記Iローカル信号と90°の位相差を有するQローカル信号に基づき復調して前記反射搬送波信号と前記漏れ搬送波信号とを含む送信リーク信号を出力する直交復調器と、を有し、
    前記RFフロントエンド部は、前記中間信号に含まれる前記タグ応答信号の位相と前記Iローカル信号の位相とを実質的に同じ位相とし、かつ、前記中間信号の包絡線波形をほぼ一定の電圧レベルとする送受信回路。
  2. 前記RFフロントエンド部は、
    前記パワーアンプから出力される搬送波信号を前記結合器に伝達する第1の伝送路と、
    前記パワーアンプから出力される搬送波信号を前記結合器から前記アンテナに伝達し、かつ、前記RFIDタグから送信される前記タグ応答信号を前記アンテナから前記結合器に伝達する第2の伝送路と、
    前記タグ応答信号を前記結合器から出力端子に伝達する第3の伝送路と、
    を有する請求項1に記載の送受信回路。
  3. 前記第1の伝送路は、前記パワーアンプから出力される搬送波信号の位相をシフトさせ、
    前記第2の伝送路は、前記反射搬送波信号及び前記タグ応答信号の位相をシフトさせ、
    前記第3の伝送路は、前記漏れ搬送波信号と、前記反射搬送波信号と、前記タグ応答信号と、の位相をシフトさせる請求項2に記載の送受信回路
  4. 前記第1、第2の伝送路の少なくとも一方の伝送路、及び、前記第3の伝送路は、経路長を調整することにより伝達する信号の位相のシフト量を制御する移相器をそれぞれ有する請求項3に記載の送受信回路
  5. 前記RFフロントエンド部は、前記タグ応答信号の位相と、前記反射搬送波信号及び前記漏れ搬送波信号を含む前記送信リーク信号の位相と、の位相差は90°付近に設定する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の送受信回路
  6. 前記タグ応答信号の振幅は、前記送信リーク信号の振幅の10分の1以下である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の送受信回路
  7. 前記直交復調器は、前記中間信号を前記Iローカル信号により復調して前記タグ応答信号を出力する第1のミキサと、前記中間信号を前記Qローカル信号により復調して前記送信リーク信号を出力する第2のミキサと、を有する請求項1乃至6のいずれか1項に記載の送受信回路
  8. 前記直交復調器は、前記第1のミキサが出力する信号の波形をモニタする第1のモニタ端子と、前記第2のミキサが出力する信号の波形をモニタする第2のモニタ端子と、を有する請求項7に記載の送受信回路
  9. 前記アンテナは、前記アンテナとの距離が10cm以下にある前記RFIDタグと通信を行う請求項1乃至8のいずれか1項に記載の送受信回路
  10. パワーアンプから出力される搬送波信号を結合器に伝達する第1の伝送路と、
    前記搬送波信号を前記結合器からアンテナに伝達し、かつ、RFIDタグから送信されるタグ応答信号を前記アンテナから前記結合器に伝達する第2の伝送路と、
    前記タグ応答信号を前記結合器から出力端子に伝達する第3の伝送路と、
    を備えるRFフロントエンド部と、
    前記RFフロントエンド部を介して得られる中間信号をIローカル信号に基づき復調してI信号を出力し、かつ、前記Iローカル信号と90°の位相差を有するQローカル信号に基づき復調してQ信号を出力する直交復調器と、を有し、
    前記RFIDタグに対する前記搬送波信号の送信動作と前記RFIDタグからの前記タグ応答信号の受信動作を同時に行う送受信回路における信号受信方法であって、
    前記中間信号の包絡線波形をモニタし、
    前記第1の伝送路における位相シフト量と前記第2の伝送路における位相シフト量とのうち少なくとも一方の位相シフト量を調節して前記中間信号の前記包絡線波形の信号レベルを実質的に一定に設定し、
    前記第3の伝送路における位相シフト量を調節して前記I信号の信号レベルを最大化し、かつ、前記Q信号の信号レベルを最大化し、
    前記I信号として、前記タグ応答信号を受信する信号受信方法。
  11. 前記第1乃至第3の伝送路における位相シフト量は、伝送路における信号経路長の長さに応じて決定される請求項10に記載の信号受信方法。
  12. 前記中間信号は、前記アンテナ及び前記結合器を介して伝達される前記タグ応答信号と、前記アンテナにおいて反射される前記搬送波信号に起因して発生する反射搬送波信号と、前記結合器において漏れた前記搬送波信号により発生する漏れ搬送波信号と、を含み、
    前記包絡線波形の信号レベルが一定の状態において、前記タグ応答信号と、前記反射搬送波信号及び前記漏れ搬送波信号を含む送信リーク信号と、の位相差が実質的に90°となる請求項10又は11に記載の信号受信方法。
  13. 前記I信号が最大化した状態においては、前記タグ応答信号と前記Iローカル信号との位相が実質的に同位相となる請求項10乃至12にいずれか1項に記載の信号受信方法。
  14. 前記タグ応答信号の振幅は、前記送信リーク信号の振幅の10分の1以下である請求項12に記載の信号受信方法
  15. パワーアンプから出力される搬送波信号を結合器に伝達する第1の伝送路と、
    前記搬送波信号を前記結合器からアンテナに伝達し、かつ、RFIDタグから送信されるタグ応答信号を前記アンテナから前記結合器に伝達する第2の伝送路と、
    前記タグ応答信号を前記結合器から出力端子に伝達する第3の伝送路と、
    を備えるRFフロントエンド部と、
    前記RFフロントエンド部を介して得られる中間信号をIローカル信号に基づき復調してI信号を出力し、かつ、前記Iローカル信号と90°の位相差を有するQローカル信号に基づき復調してQ信号を出力する直交復調器と、を有し、
    前記RFIDタグに対する前記搬送波信号の送信動作と前記RFIDタグからの前記タグ応答信号の受信動作を同時に行う送受信回路における信号受信方法であって、
    前記第1の伝送路における位相シフト量と前記第2の伝送路における位相シフト量とのうち少なくとも一方の位相シフト量を調節して、前記タグ応答信号と、前記アンテナにおいて反射される前記搬送波信号に起因して発生する反射搬送波信号及び前記結合器において漏れた前記搬送波信号により発生する漏れ搬送波信号を含む送信リーク信号との位相差を実質的に90°とし、
    前記第3の伝送路における位相シフト量を調節して前記中間信号に含まれる前記タグ応答信号と前記Iローカル信号とを実質的に同じ位相とし、
    前記タグ応答信号を主成分とする前記I信号を復調し、
    前記送信リーク信号を主成分とする前記Q信号を復調する信号受信方法。
  16. 前記第1乃至第3の伝送路における位相シフト量は、伝送路における信号経路長の長さに応じて決定される請求項15に記載の信号受信方法。
  17. 前記中間信号は、前記タグ応答信号と前記送信リーク信号との位相差が実質的に90°となる状態において包絡線波形の信号レベルが実質的に一定となる請求項15又は16に記載の信号受信方法。
  18. 前記I信号と前記Q信号の振幅の差は、前記タグ応答信号と前記送信リーク信号との位相差が実質的に90°となる状態において最大値となる請求項15乃至17のいずれか1項に記載の信号受信方法。
  19. 前記I信号の振幅は、前記タグ応答信号と前記Iローカル信号とが実質的に同じ位相となる状態において最大値となる請求項15乃至18のいずれか1項に記載の信号受信方法。
  20. 前記タグ応答信号の振幅は、前記送信リーク信号の振幅の10分の1以下である請求項15乃至19のいずれか1項に記載の信号受信方法
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