以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。まず、本発明の第1の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態のタグテープロール製造装置の全体概略構造を表す概念図である。図1において、このタグテープロール製造装置は、第2テープ200A(詳細構造は後述)と第1テープ200B(詳細構造は後述)とを貼り合わせ、かつその貼り合わせるそれら2つのテープの間に無線タグ回路素子Toを備えた無線タグTgを挿入することにより基材テープ210(タグテープ)を作成し、この基材テープ210を巻回して基材テープロール215(タグテープロール)を製造するようになっている。
すなわち、タグテープロール製造装置は、上記第2テープ200Aが巻回された第2テープロール211と、この第2テープロール211を駆動する第2テープ軸駆動モータ212と、上記第1テープ200Bが巻回された第1テープロール213と、この第1テープロール213を駆動する第2テープ軸駆動モータ214と、上記第2及び第1テープロール213,211から繰り出された第2テープ200A及び第1テープ200Bを貼り合わせたテープのうち、セパレータ209(詳細は後述)を除く他の層からなる上記基材テープ210をリール部材215aの外周に沿って巻き取る基材テープロール215と、このリール部材215aを駆動する基材テープ軸駆動モータ216と、上記セパレータ209をリール部材217aの外周に沿って巻き取るセパレータロール217と、このリール部材217aを駆動するセパレータ軸駆動モータ218と、上記第1及び第2テープ200B,200Aのテープ搬送経路に沿って上記第1及び第2テープロール211,213と上記基材テープロール215及びセパレータロール217との間に設けられ、上記第1及び第2テープロール211,213から上記第1及び第2テープ200B,200Aを繰り出すためにそれらテープ200B,200Aに駆動力を付与する搬送ローラ219A(駆動側)及び搬送ローラ219B(従動側)と、駆動側搬送ローラ219Aを駆動する搬送ローラ軸駆動モータ220とを有する。
また、このタグテープロール製造装置はさらに、第2テープ200Aのテープ搬送経路に沿って第2テープロール211と搬送ローラ219A,219Bとの間に設けられ、繰り出される第2テープ200Aのテープ搬送方向と交差する(この例では直交)交差方向に進退可能に設けた第1ダンサローラ221と、上記第2テープ200Aに基づき生成された基材テープ210のテープ搬送経路に沿って搬送ローラ219A,219Bと基材テープロール215との間に設けられ、基材テープ210のテープ搬送方向と交差する(この例では直交)交差方向に進退可能に設けた第2ダンサローラ222と、第1テープ200Bのテープ搬送経路に沿って第1テープロール213と搬送ローラ219A,219Bとの間に設けられ、繰り出される第1テープ200Bのテープ搬送方向と交差する(この例では直交)交差方向に進退可能に設けた第3ダンサローラ223と、上記第1テープ200Bに基づき生成されたセパレータ209のテープ搬送経路に沿って搬送ローラ219A,219Bとセパレータロール217との間に設けられ、セパレータ209のテープ搬送方向と交差する(この例では直交)交差方向に進退可能に設けた第4ダンサローラ224と、上記第1〜第4ダンサローラ221〜224をそれぞれ上記交差方向(この例ではテープ搬送路と直交方向)に進退させるエアシリンダ262A,262B,262C,262Dと、上記第2テープロール211から繰り出された第2テープ200A及び上記第1テープロール213から繰り出された第1テープ200Bとを押圧し貼り合わせる貼り合わせローラ225A,225Bとを有する。
さらに、このタグテープロール製造装置は、上記貼り合わせローラ225A,225Bによって貼り合わせられる第2テープ200A及び第1テープ200Bの間に、情報を記憶するIC回路部151(図示せず)とこのIC回路部151に接続され情報の送受信を行うタグ側アンテナ152(アンテナ)とを備えた無線タグ回路素子Toを含む無線タグTgを、所定間隔で取り付けるタグ挿入器226と、このタグ挿入器226により取り付けられる無線タグTgに備えられる無線タグ回路素子Toが正常であるか否かを判定するために、当該無線タグ回路素子Toのタグ特性値を取得するタグチェッカー270と、上記タグ挿入器226により無線タグTgが取り付けられる第1テープ200Bの取付部200B1を平坦な状態に支持するテープ保持部材274と、上記基材テープ210を所定長さに切断するためのカッタ227と、コントローラ230と、搬送ローラ219A,219Bの上記テープ搬送方向下流側に、その搬送経路(図1中水平方向)に臨むように(この例ではテープの図示上側の面に正対するように)設けられ、対応する検出信号をコントローラ230へ入力するフォトセンサ228と、カッタ227の上記基材テープ210の搬送方向上流側に、その搬送経路(図1中水平方向)に臨むように(この例ではテープの図示下側の面に正対するように)設けられ、レーザーにより基材テープ210に図示しないエンドマークを設けるレーザーマーカー271と、上記搬送ローラ219A,219B及びローラ240A(後述)の近傍に設けられ、搬送ローラ219A,219B及び上記セパレータ209を剥離された基材テープ210に生成した静電気を除去する複数の除電ブラシ275とを有する。
またさらに、このタグテープロール製造装置は、前述した第2テープ軸駆動モータ212の駆動制御を行う第2テープ駆動回路231と、前述した第1テープ軸駆動モータ214の駆動制御を行う第1テープ駆動回路232と、前述した基材テープ軸駆動モータ216の駆動制御を行う基材テープ駆動回路233と、前述したセパレータ軸駆動モータ218の駆動制御を行うセパレータ駆動回路234と、前述した搬送ローラ軸駆動モータ220の駆動制御を行う搬送ローラ駆動回路235と、上記カッタ227を駆動して切断動作を行わせるソレノイド236と、そのソレノイド236を制御するソレノイド駆動回路237と、上記レーザーマーカー271のレーザーの出力の制御を行うレーザー駆動回路272と、コントローラ230から入力された電気信号に応じた開度に制御される開閉弁(図示せず)を備え、図示しない気体源からの気体を上記電気信号に対応した圧力の作動ガスとしてエアシリンダ262A,262B,262C,262Dへとそれぞれ供給する電気−空気変換手段として機能する電空レギュレータ265A,265B,265C,265Dと、上記電空レギュレータ265A,265B,265C,265Dの上記開閉弁をそれぞれ制御する図示しないレギュレータ駆動回路と、上記ダンサローラ221,222,223,224をその先端部に回転可能に支持し、上記エアシリンダ262A,262B,262C,262Dによって回動支点周りに回動可能なテンションアーム267A,267B,267C,267Dと、この例では上記回動支点近傍に設けられ、上記テンションアーム267A,267B,267C,267Dの角度を検出することで対応するテープ200A,210,200B,209の張力をそれぞれ検出する角度センサ268A,268B,268C,268Dとを有する。
第2テープロール211は、上記第2テープ軸駆動モータ212により駆動されるリール部材211aの周りに、第2テープ200Aが巻回されている。同様に、第1テープロール213は、上記第1テープ軸駆動モータ214により駆動されるリール部材213aの周りに、第1テープ200Bが巻回されている。また、基材テープロール215は、リール部材215aが上記基材テープ軸駆動モータ216により駆動されることにより、基材テープ210がその周りに巻回される。同様に、セパレータロール217は、リール部材217aが上記セパレータ軸駆動モータ218により駆動されることにより、セパレータ209がその周りに巻回される。
第2テープ200Aは、図1中の拡大図に示すようにこの例では2層構造となっており、第2テープロール211の内側に巻かれる側(拡大図中上側)よりその反対側(拡大図中下側)へ向かって、適宜の粘着剤からなる粘着剤層200Ac(貼り付け用粘着剤層、アンテナ基材用粘着剤層)、伸縮性材料(詳細は後述)からなるセパレータ層200Ad(剥離材層、伸縮層)の順序で積層され構成されている。なお、このセパレータ層200Adは、最終的にラベル状に完成した無線タグラベルが所定の商品等に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着剤層200Acにより当該商品等に接着できるようにしたものである。
第1テープ200Bは、図1中の拡大図に示すようにこの例では4層構造となっており、内側に巻かれる側(拡大図中下側)よりその反対側(拡大図図中上側)へ向かって、適宜の粘着剤からなる粘着剤層200Ba(アンテナ基材用粘着剤層)、伸縮性材料(詳細は後述)からなるテープ基材層200Bb(タグテープ基材層、伸縮層)、適宜の粘着剤からなる粘着剤層200Bc(貼り合わせ用粘着剤層)、セパレータ層200Bdの順序で積層され構成されている。なお、このセパレータ層200Bdは、最終的に上記リール部材217aに巻回され、セパレータロール217として回収される。
上記エアシリンダ262A〜Dのそれぞれは、ピストン262aと、シリンダ本体262bとを備えており、シリンダ本体262bに内包されたピストン262aが電空レギュレータ265A〜Dからそれぞれ供給される作動ガスによって進退されることにより、ピストン262aに連結された上記テンションアーム267A〜Dを回動支点まわりに回動させ、これによってダンサローラ221,222,223,224の位置を変化させテープ200A,210,200B,209の張力を制御するようになっている。
なお進退アクチュエータとして、エアシリンダ262に代えてソレノイドの電磁力を用いた直接駆動や、電動モータ(リニアモータ、パルスモータを含む各種モータ)等を用いてもよい。
コントローラ230は、いわゆるマイクロコンピュータであり、詳細な図示を省略するが、中央演算処理装置であるCPU、ROM、及びRAM等から構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うようになっている。
上記構成において、主として搬送ローラ219A,219Bの搬送駆動力により、第2テープ200Aが上記第2テープロール211より繰り出され、ダンサローラ221を経て、貼りあわせローラ225A,225Bへと供給される。同様に、第1テープロール213より繰り出された第1テープ200Bも、ダンサローラ223及びローラ273を経て、貼りあわせローラ225A,225Bへと供給される。そして、これら第2テープ200A及び第1テープ200Bが貼り合わせローラ225A,225Bで貼り合わされる貼り合わせ位置のテープ搬送方向上流側に位置し、上記テープ保持部材274により支持され平坦な状態となっている上記第1テープ取付部200B1において、タグ挿入器226により無線タグTgが順次第1テープ200Bに取り付けられる。その後、貼り合わせローラ225A,225Bにより第2テープ200A及び無線タグTgが取り付けられた第1テープ200Bが貼り合わされる。なお、上記タグ取り付けは、所定の挿入箇所(例えば等間隔配置)になったら第2テープ200A及び第1テープ200Bの搬送駆動を停止して挿入を行う、いわゆる間欠搬送駆動方式となっている(このときの位置決めはセンサ228の検出信号に応じて制御する。詳細は後述)。
このようにして貼り合わされさらにタグが挿入されたテープは、搬送ローラ219A,219Bの下流側に位置するローラ240A,240Bにおいて、第1テープ200Bに備えられていたセパレータ層200Bdからなるセパレータ209と、それ以外の部分からなる基材テープ210とに分離される。基材テープ210はリール部材215aに巻き取られていき、所定の長さになったらカッタ227によって切断を行う。なおこのとき、カッタ227による切断位置のテープ搬送方向上流側において、レーザーマーカー271で基材テープ210にエンドマークを設ける。一方、セパレータ209は、リール部材217aによって巻き取られ回収される。以上の結果、長手方向に複数の無線タグ回路素子Toが所定の等間隔で順次形成された上記基材テープ210がリール部材215aに巻回され、基材テープロール215が作製される。
図2は、上記のようにして、上記第1テープ200Bと第2テープ200Aとが、無線タグTgを介在させて貼り合わされる様子を表す概念的側面図である。図2において、無線タグTgは、略シート状のアンテナ基材(アンテナパターンシート)160と、このアンテナ基材160の裏側(図2中下側)に設けられ、情報の送受信を行うタグ側アンテナ152と、このタグ側アンテナ152に接続するように情報を更新可能に(書き換え可能rewritableに)記憶するIC回路部151(図示せず)を備えたICチップ保持部材161とを備えている。なお、上記タグ側アンテナ152及びIC回路部151によって無線タグ回路素子Toが構成されている。
基材テープ210は、上記2層構造の第2テープ200Aと4層構造の第1テープ200Bとの間に無線タグTgが挿入配置された後、前述のようにセパレータ層200Bdがリール部材217aで巻き取られて除去されることでこの例では8層構造となっている(再下段の図参照。また図1中の拡大図も参照)。すなわち、リール部材215aの外側に巻かれる側(図2中上側)よりその反対側(図2中下側)へ向かって、上記伸縮性材料からなるセパレータ層200Ad、粘着剤層200Ac、アンテナ基材160、タグ側アンテナ152、ICチップ保持部材161、粘着剤層200Ba、伸縮性材料からなるテープ基材層200Bb、粘着剤層200Bcの順序で積層され構成されている。
なお、図2及び図1において第2テープ200Aの粘着剤層200Ac及び第1テープ200Bの粘着剤層200Baで無線タグTgを両側から挟む構造としたが、いずれか1つの粘着剤層のみとして他方を省略し7層構造としてもよい。また、上記のセパレータ層200Ad及びテープ基材層200Abの両方を伸縮性材料とする必要はなく、いずれか一方が伸縮性材料であれば足りる。
図3は、上記コントローラ230で実行される制御手順を表すフローチャートである。
この図3において、まずステップS501において、基材テープ210の上記リール部材215aへの巻き回し作業が完了したかどうかを判定する。この判定は、例えば上記巻き回し作業を終えた操作者により、図示しない操作手段等を介し巻き回し作業が完了した旨の操作信号が入力されたかどうかを判定することにより行われる。巻き回し作業が完了した場合には判定が満たされて次のステップS505に移る。
ステップS505では、図示しない操作手段等を介し入力された基材テープの作成開始の旨の操作信号に応じ、テープ駆動を開始する。すなわち、搬送ローラ駆動回路235に制御信号を出力し、搬送ローラ軸駆動モータ220の駆動力によって第2テープ200A、第1テープ200Bを第2テープロール211及び第1テープロール213から繰り出し駆動させる。なおこのとき併せて、第2及び第1テープ駆動回路231,232と基材テープ駆動回路233及びセパレータ駆動回路234にも制御信号が出力され、第2及び第1テープ軸駆動モータ212,214と基材テープ軸駆動モータ216及びセパレータ軸駆動モータ218も駆動される。これにより、第2テープロール211から第2テープ200Aが繰り出されるとともに第1テープロール213から第1テープ200Bが繰り出されて、貼り合わせローラ225A,225Bで貼り合わされて一体化され、搬送ローラ219A,219B側へと搬送される。
なお、本フロー中には特に記載していないが、上記ステップS505でテープ駆動を開始する際には、第2及び第1テープ軸駆動モータ212,214と基材テープ軸駆動モータ216及びセパレータ軸駆動モータ218のモータ速度を制御すると共に、エアシリンダ262A〜Dでテンションアーム267A〜Dを回動させ、角度センサ268A〜Dで検出したテンションアーム267A〜Dの角度から算出したテープ搬送時における各テープ200A,200B,209,210の張力が適宜の値となるように張力制御(以下適宜、「駆動時テープ張力制御」と記載する)を行う。なお、この駆動時テープ張力制御は、テープ駆動中において常時行われるようになっている。
次のステップS510では、リール部材215aで巻き取られていく基材テープ210が、所定の巻取終了位置に達したかどうかを判定する。具体的には、基材テープ210中の無線タグTgの取り付け個数が所定の個数に達したかどうかによって判定を行う。例えば40個の無線タグTgが取り付けられたかどうかによって判定を行う。通常の巻取開始直後はこの判定が満たされず、次のステップS515に移る。
ステップS515では、上記のようにして搬送されるテープが無線タグTgを挿入されるべき所定の位置になったかどうかを判定する。このときの判定は、前述した第2テープ200Aのセパレータ層200Ad表面の所定箇所に例えば等ピッチで設けられた図示しないマークのフォトセンサ228による検出結果に基づき行えばよい。判定が満たされたら、ステップS520に移る。
ステップS520では、搬送ローラ駆動回路235に再び制御信号を出力し、搬送ローラ軸駆動モータ220の駆動を停止させて第2テープロール211及び第1テープロール213からの第2テープ200A、第1テープ200Bの繰り出し駆動を停止させる。なおこのとき、第2及び第1テープ軸駆動モータ212,214と基材テープ軸駆動モータ216及びセパレータ軸駆動モータ218については、上記駆動時テープ張力制御によって自動的に駆動停止することとなる。
なお、本フロー中には特に記載していないが、上記ステップS520でテープ駆動を停止する際には、このようにしてテープ駆動が停止した際にテープの位置ずれが生じないようにするために、供給側である第2テープ200A及び第1テープ200Bの張力の和が、巻取側である基材テープ210とセパレータ209の張力の和と略等しくなるように張力制御(以下適宜、「停止時テープ張力制御」と記載する)を行う。
次のステップS525では、タグチェッカー270により取得された、タグ挿入器226により取り付けられる無線タグTgに備えられる無線タグ回路素子Toのタグ特性値(タグ感度情報等)を入力する。
次のステップS530では、上記ステップS525で入力したタグ特性値が所定の正常な範囲値内であるかどうかを判定する。タグ特性値が正常な範囲値内でない場合には、判定が満たされずにステップS535に移り、タグ挿入器226に制御信号を出力して、上記正常でないと判定された無線タグ回路素子Toを備えた無線タグTgの次の無線タグTgの取付準備を行わせる。そして、先のステップS525に移る。なお、上記正常でないと判定された無線タグTgについては例えばタグ挿入器226の外部に自動的に(又は操作者の操作により)排出され、第1テープ200Bに取り付けられないようになっている。一方、タグ特性値が所定の正常な範囲値内である場合には、判定が満たされて次のステップS540に移る。
ステップS540では、上述したように所定のタグ挿入位置においてテープ駆動が停止した状態で、タグ挿入器226に制御信号を出力し、前述したIC回路部151及びタグ側アンテナ152からなる無線タグ回路素子Toを備えた無線タグTgを第1テープ200Bの取付部200B1に取り付ける。なおこのとき、上記のようにタグが正常であれば自動的に無線タグTgを挿入するのではなく、挿入を行うかどうかを操作者に確認する表示を行い、これに対応した指示入力が操作者からなされた場合にのみ無線タグTgの挿入を行うようにしてもよい。その後、ステップS545に移り、ステップS505と同様、搬送ローラ駆動回路235に制御信号を出力し、搬送ローラ軸駆動モータ220の駆動力によって第2テープ200A、第1テープ200Bの搬送駆動を再開する。
なおこの場合にも、上記ステップS505の場合と同様にして、テープ搬送時において各テープ200A,200B,209,210の張力を調整する駆動時テープ張力制御を行う。
次のステップS550では、タグ挿入器226により取り付けた無線タグTgの数がN以上であるかどうかを判定する。この無線タグTgの取り付け個数は、例えば上記ステップS540でタグ挿入器226に出力した制御信号の出力回数をカウントすることにより数えるようにしてもよいし、無線タグTgを取り付ける度にタグ挿入器226から取付信号を入力して積算するようにしてもよい。なお、上記Nは、製造される基材テープロールの1巻きに備えられる無線タグTgの個数であり、例えば40個程度に設定されている。無線タグTgの取り付け個数がNより少ない場合には、判定が満たされずにステップS510に戻る。一方、無線タグTgの取り付け個数がN以上である場合には、判定が満たされて次のステップS555に移る。
ステップS555では、基材テープ210に適宜の長さの余白(ここでは無線タグTgが挿入されていない部分)が設けられたかどうかを判定する。具体的には、タグ挿入器226に制御信号を出力して無線タグTgの取り付けを停止させ、上記ステップS515,S520,S545を適宜の回数繰り返すことにより、適宜の数の無線タグTg取付分の余白が形成されたかどうかを判定する。なお、この余白の長さとしては、例えば3個分の無線タグTg取付分の長さが設定される。余白が形成された場合には判定が満たされて先のステップS510に戻る。
上記のようにしてステップS510〜ステップS550を繰り返し、無線タグTgがN個取り付けられ、さらにステップS555において余白が形成された上で、リール部材215aで巻き取られた基材テープロール215中の無線タグTgの取り付け個数が所定の個数に達したら、先のステップS510の判定が満たされ、次のステップS565に移る。
ステップS565では、上記ステップS520と同様、搬送ローラ駆動回路235に再び制御信号を出力し、搬送ローラ軸駆動モータ220の駆動を停止させて第2テープロール211及び第1テープロール213からの第2テープ200A、第1テープ200Bの繰り出し駆動を停止させる。なおこのとき、上記ステップS520の場合と同様に、テープ駆動が停止した際における供給側である第2テープ200A及び第1テープ200Bの張力が巻取側である基材テープ210とセパレータ209の張力と略等しくなるように停止時張力制御を行う。
次のステップS570では、ソレノイド駆動回路237に制御信号を出力してソレノイド236を駆動し、カッタ227を用いて基材テープ210を切断(分断)する。これにより、所定の長さの基材テープ210が巻回されたロールが完成する。なお、上記カッタ227による切断位置は、例えば先のステップS555において3個分の無線タグTg取付分の長さの余白が設けられている場合、その余白のうち無線タグ1個取付分の長さの余白が切除され無線タグ2個取付分の長さの余白が切断後に残るような位置に設定される。
その後、ステップS575に移り、レーザー駆動回路272に制御信号を出力してレーザーマーカー271よりレーザーを発振し、このレーザーにより基材テープ210のセパレータ200Adの上記カッタ227による切断位置のテープ搬送方向上流側にエンドマーク(図示せず)を設ける。なお、このエンドマークは、上述した切断後に残される無線タグ2個取付分の長さの余白中に設けられる。そして、ステップS501に戻る。
なお、上記では特に説明しなかったが、通常、最初に基材テープロールの製造作業を開始する際には、タグ挿入器226による無線タグTgの取り付け位置からリール部材215aによる基材テープ210の巻取り位置までには無線タグTgが取り付けられない余白部分(例えば10個程度の無線タグTg取付分の長さである)が存在する。この余白部分については、その余白部分が終了する位置(最初に無線タグTgが取り付けられた位置のややテープ搬送方向下流側位置)がカッタ227のところにきたとき、カッタ227で切断することにより、切除されるようになっている。その後、上記余白部分を切除された基材テープ210がリール部材215aに巻き回されると、ステップS501の判定が満たされてステップS505以降の手順により基材テープロールの製造が開始される。
なお、上記フローは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、例えば上記ステップS570とステップS575の順番を反対にする等、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順を変更してもよい。
次に、本実施形態の作用効果を以下に説明する。
上記構成の本実施形態のタグテープロール製造装置において、基材テープ210の製造時には、主として搬送ローラ219A,219Bの搬送駆動力により、第2テープ200Aが上記第2テープロール211より繰り出され貼り合わせローラ225A,225Bへと供給される。同様に、第1テープロール213より繰り出された第1テープ200Bも貼り合わせローラ225A,225Bへと供給される。そして、これら第2テープ200A及び第1テープ200Bが所定量搬送されるごとに一旦搬送が停止され、これら第2テープ200A及び第1テープ200Bが貼り合わせローラ225A,225Bで貼り合わされる上流側において、第1テープ200Bの取付部200B1にタグ挿入器226により無線タグTgが取り付けられる。取付後、再び搬送が開始される。このようなテープの搬送及び停止を繰り返す間欠搬送駆動を行うことにより、無線タグTgが所定の間隔ごとに挿入される。そして、このような多層積層構造のテープが搬送ローラ219A,219Bよりさらに下流側に搬送されてローラ240A,240Bにおいてセパレータ209が分離除去され、それ以外の部分からなる基材テープ210がリール部材215aに巻き取られる。このようにして、無線タグ回路素子Toをテープ長手方向に所定等間隔で備えた基材テープロール215を製造する。
ここで、このように基材テープ210をロール状に巻き回した場合、ロールの曲率によってテープの厚さ方向の一方側(例えば径方向外側)と他方側(例えば径方向内側)とに周長の差が生じ、この周長の差により基材テープ210に「しわ」が発生することがある。このような「しわ」は、基材テープ210や基材テープロール215の美観を損なうだけでなく、「しわ」が無線タグTg(具体的にはタグ側アンテナ152及びIC回路部151によって構成される無線タグ回路素子To)に無用のストレスを与えて無線タグTgを破損してしまうといったおそれがある。
本実施形態では、前述したように、基材テープ210に含まれるセパレータ層200Ad及びテープ基材層200Bbの少なくとも一方を伸縮性材料で構成することにより、しわの発生を防止し上記の不具合を解決することができる。このことを図4を用いてさらに詳細に説明する。
図4は、基材テープ210がリール部材215aに巻き回される状態を示す概念図である。このとき図中のtは無線タグTg及び粘着剤層(粘着剤層200Ac及び粘着剤層200Ba)からなる層の厚さ(距離)を表している。また、R1はリール部材215aの中心215bから第2テープ200A(具体的にはセパレータ層200Ad)までの厚さ(距離)、R2はリール部材215aの中心215bから第1テープ200B(具体的にはテープ基材層200Bb)までの厚さ(距離)を表している。
このように基材テープ210をロール状に巻き回した場合、ロールの曲率(曲がりの度合い)によって径方向外側(この場合は第2テープ200A)と径方向内側(この場合は第1テープ200B)とで周長の差が生じる。具体的には、基材テープ210がリール部材215aに巻回される場合、第2テープ200Aは2πR1、第1テープ200Bは2π(R1−t)の長さでそれぞれ巻き回されることになる。このため、第2テープ200A側の長さ(周長)に比べて第1テープ200B側の長さ(周長)が短くなり(この場合2πt分周長が短くなる)、リール部材215aにロール状に巻き回される際に内周側である第1テープ200B側にしわが発生することになる。
そこで、本実施形態では、第2テープ200A(具体的にはセパレータ層200Ad)及び第1テープ200B(具体的にはテープ基材層200Bb)のうち、少なくとも1つは伸縮性材料からなる伸縮層を有する構成とする。このような伸縮性材料としては、ポリウレタンフィルムやラテックスフィルム、CPP(無延伸ポリプロピレン)、ポリオレフィン、PE(ポリエチレン)、ポリアミド、軟質ポリエステル、PLA(ポリ乳酸フィルム)、シリコン樹脂、あるいは略網目状に形成したフィルム等を用いることができる。これにより、ロールの曲率によって径方向外側と径方向内側との周長の差が生じたとしても、上記伸縮性材料による伸縮性を用いて径方向外側部分を伸長させたり、径方向内側部分を縮短させたりすることができる。これにより上記周長の差を吸収し、しわが発生するのを未然に防止することができる。また、このような基材テープ210を、上記粘着剤層200Bcを介し貼り合わせ対象である被印字テープ(後述の図39参照)と貼り合わせ(さらに所定の長さに切断して)無線タグラベルを作成する際に、その貼り合わせ時における基材テープ210側の浮きの発生を抑制できる効果もある。
例えば第2テープ200A側(具体的にはセパレータ層200Ad)を伸縮性材料からなる構成とした場合には、基材テープ210をロール状に巻き回した際に生じる上記周長の差を、上記セパレータ層200Adの伸縮性を用いて径方向外側部分を伸長させることで吸収し、しわが発生するのを未然に防ぐことができる。またこの場合、このような構造の基材テープ210を用いて上記のようにして作成した無線タグラベルでは、貼り付け対象物の凸形状の部分に貼り付けようとするときに、その凸形状の曲率によって曲率径方向外側と曲率径方向内側との周長の差が生じたとしても、上記セパレータ層200Adが伸長することで、上記周長の差を吸収することができ、周長の差によりしわが発生するのを未然に防止することができる。
また例えば第1テープ200B側(具体的にはテープ基材層200Bb)を伸縮性材料からなる構成とした場合には、基材テープ210をロール状に巻き回した際に生じる上記周長の差を、テープ基材層200Bbの伸縮性(収縮性)を用いて径方向内側部分で縮短させることで吸収し、しわが発生するのを未然に防止することができる。またこの場合、このような構造の基材テープ210を用いて上記のようにして作成した無線タグラベルでは、貼り付け対象物の凹形状の部分に貼り付けようとするときに、その凹形状の曲率によって曲率径方向外側と曲率径方向内側との周長の差が生じたとしても、上記テープ基材層200Bbが縮短することで、上記周長の差を吸収することができ、周長の差によりしわが発生するのを未然に防止することができる。
このようにして、本実施形態によれば、基材テープ210をロール形状に巻回した場合や、当該基材テープ210を用いて作成された無線タグラベルを凹凸部に貼り付けた場合等におけるしわの発生を防止することにより、基材テープ210、基材テープロール215及びこれらを用いて生成された無線タグラベルの健全性を維持することができる。
また、本実施形態では特に、前述の張力制御(駆動時テープ張力制御、停止時テープ張力制御、図3参照)により、例えばテープ基材層200Bbの周長を2π(R1−t)から2πR1に伸ばされつつリール部材215aに巻き回されるように、第1テープ200Bの張力を適宜の値(テープ基材層200Bbを2πt分だけ伸長させる適宜の値)に制御する(例えばエアシリンダ262Cのピストン262aを相対的に伸長側に駆動する)ようにしてもよい。これにより、基材テープロール215として基材テープ210が巻回されるときに、上記収縮方向応力をテープ基材層200Bbに作用させ、このテープ基材層200Bbの伸縮性(収縮性)を用いて径方向内側部分で縮短させることで上記2πtの周長の差を吸収し、しわが発生するのを未然に防止することができる。
また、基材テープロール215の形成が進展するほど、ロール状に巻回される基材テープ210の径方向寸法が増大し曲率が小さくなっていくこととなる。したがって、巻回時の径方向位置が基材テープロール215の径方向中心より遠くなるほど、上記張力制御において引張方向(テープ基材層200Bbに対し略テープ面方向に沿った方向)への張力を小さくする張力の制御を行うようにしてもよい。これにより、上記曲率の増大に対応して引張方向への張力を小さくし、加える張力の大きさの適正化を図りしわの発生を確実に防止することができる。
さらに、第1テープ200Bの厚さの寸法設定においてその厚さが厚いほど同一外径の条件下では曲率が大きくなり内径側の曲がりの度合いが急になる。したがって、第1テープ200Bの厚さが厚いほど、上記張力制御において引張方向(テープ基材層200Bbに対し略テープ面方向に沿った方向)への張力を大きくする張力の制御を行うようにしてもよい。これにより、上記曲率の増大に対応して引張方向への張力を大きくし、加える張力の大きさの適正化を図り、しわの発生を確実に防止することができる。
また、本実施形態では特に、第1テープ200B及び第2テープ200Aがアンテナ基材160(無線タグTg)に隣接した粘着剤層200Ba,200Acをそれぞれ有する。これにより、アンテナ基材160(無線タグTg)を第1テープ200B及び第2テープ200Aの両方に定置させることができるので、アンテナ基材160(無線タグTg)を所定間隔でテープ長手方向に連続して安定的に配置させた基材テープ210を構成することができる。
また、本実施形態では特に、第2テープ200Aが、アンテナ基材160(無線タグTg)に隣接して設けたアンテナ基材用粘着剤層としての機能と第1テープ200Bを貼り付け対象に貼り付けるための貼り付け用粘着剤層としての機能を兼用する粘着剤層200Acを有する。これにより、例えば後述する図5に示す変形例1のように、アンテナ基材用粘着剤層(200Aa)と貼り付け用粘着剤層(200Ac)とが別構成である基材テープに比べ、それらの間に別途基材層を設けなくとも基材テープを構成することができるので、テープの厚さを低減でき、これによってもしわの発生を防止できる効果がある。
なお、セパレータ層200Ad及びテープ基材層200Bbのいずれも伸縮性材料からなる構成とする場合には、両者の効果を合わせてしわが発生するのを未然に防止することができる。
なお、本発明は、上記実施形態で説明した層構成に限られるものではなく、その趣旨と技術思想の範囲を逸脱しない範囲でさらに種々の層構成に対して適用可能である。以下、そのような変形例を説明する。
(1)第1テープにテープ基材層(中間基材層)を含む構成の場合
上記実施形態においては、第2テープ200Aを粘着剤層200Ac、セパレータ層200Adからなる2層構造としたが、これに限られず、例えば適宜の粘着剤からなる粘着剤層200Aa及びPET(ポリエチレンテレフタラート)等から成る色付きのテープ基材層200Abを含めた4層構造としてもよい。図5は、本変形例1における第2テープ200A−1と第1テープ200B−1とが、無線タグTgを介在させて貼り合わされる様子を表す概念的側面図であり、前述の図2に対応する図である。なお、この図5において前述の図2と同様の部分には同符号を付し、説明を省略する。
この図5に示すように、本変形例1の第2テープ200A−1は粘着剤層200Aa、テープ基材層200Ab、粘着剤層200Ac及び伸縮性材料からなるセパレータ層200Adからなる4層構造となっている。なお、無線タグTg及び第1テープ200B−1の構成は図2に示す無線タグTg及び第1テープ200Bの構成と同様である。このような構成の本変形例1においては、上記構成の第1テープ200B−1の取付部200B1にタグ挿入器226により無線タグTgが取り付けられた後、第2テープ200A−1の粘着剤層200Aa及び第1テープ200B−1の粘着剤層200Baが貼り合わせローラ225A,225Bで貼り合わされ、下流側に搬送されてローラ240A,240Bにおいてセパレータ209(セパレータ層200Bd)が分離除去され、それ以外の部分からなる基材テープ210−1(図示せず)がリール部材215aに巻き取られる。このようにして、無線タグ回路素子Toをテープ長手方向に所定等間で備えた基材テープ210−1を巻回した基材テープロールを製造する。
上記構成の本変形例1においては、上記本実施形態と同様の効果に加えて、10層からなる多層構造の基材テープ210−1を生成することができる。また、テープ基材層200Abを色付きのものとすることで、この色を背景色として、基材テープ210−1の表側からの視覚効果(印字の見やすさ等)や装飾効果(ユーザの好みの色等)を高めたりすることも可能である。
また、本変形例1では特に、第1テープ200B及び第2テープ200Aがアンテナ基材160(無線タグTg)をテープ基材層に定置させるための粘着剤層200Ba,200Aaをそれぞれ有する。これにより、アンテナ基材160(無線タグTg)を第1テープ200Bのテープ基材層200Bb及び第2テープ200Aのテープ基材層200Abにそれぞれ定置させることができるので、アンテナ基材160(無線タグTg)を所定間隔でテープ長手方向に連続してさらに安定的に配置させることができる。
以上説明した変形例1の構成以外にも、本発明は種々の層構成のテープに適用可能である。以下、それらの変形例を順を追って説明する。なお、以下の変形例においては、第2テープのセパレータ層200Adに伸縮性材料を用いない場合を例に挙げて説明するが、各変形例の構成においてセパレータ層200Adに伸縮性材料を用いるようにしてもよい。
例えば図6に示す変形例2においては、第2テープ200A−2は、テープ基材層200Ab、粘着剤層200Ac及びセパレータ層200Adからなる3層構造となっている。なお、この第2テープ200A−2では上記第2テープ200A−1と異なり、セパレータ層200Adが伸縮性材料で構成されていない。また、本変形例2の第1テープ200B―2及び無線タグTgの構成は図2に示す上記実施形態の構成と同様である。このような構成の本変形例2においては、上記構成の第1テープ200B−2の取付部200B1にタグ挿入器226により無線タグTgが取り付けられた後、第2テープ200A−2のテープ基材層200Ab及び第1テープ200B−2の粘着剤層200Baが貼り合わせローラ225A,225Bで貼り合わされ、下流側に搬送されてローラ240A,240Bにおいてセパレータ209(セパレータ層200Bd)が分離除去され、それ以外の部分からなる基材テープ210−2(図示せず)がリール部材215aに巻き取られる。このようにして、無線タグ回路素子Toをテープ長手方向に所定等間で備えた基材テープ210−2を巻回した基材テープロールを製造する。
上記構成の変形例2においては、基材テープ210―2をロール状に巻き回した際に生じる周長の差を、第1テープ200B―2のテープ基材層200Bbの伸縮性(収縮性)を用いて径方向内側部分で縮短させることで吸収し、しわが発生するのを未然に防止することができる。さらに、本変形例2においては、第1テープ200B−2及び第2テープ200A―2のうち一方側(ここでは第1テープ200B―2)にのみ無線タグTgを定置させるための粘着剤層200Baを設けるので、上記変形例1のように第1テープ及び第2テープの両方に設ける場合に比べてテープ全体の厚みを低減することができる。その結果、これによってもしわの発生を防止できる効果がある。
また例えば図7に示す変形例3においては、第2テープ200A−3は、粘着剤層200Aa、伸縮性材料で構成されたテープ基材層200Ab(伸縮層)、粘着剤層200Ac及びセパレータ層200Adからなる4層構造となっている。また、第1テープ200B−3は、粘着剤層200Ba、テープ基材層200Bb、粘着剤層200Bc及びセパレータ層200Bdからなる4層構造となっている。このとき、この第1テープ200B−3ではテープ基材層200Bbが伸縮性材料で構成されていない。なお、無線タグTgの構成は図2に示す上記実施形態の構成と同様である。このような構成の本変形例3においては、上記構成の第1テープ200B−3の取付部200B1にタグ挿入器226により無線タグTgが取り付けられた後、第2テープ200A−3の粘着剤層200Aa及び第1テープ200B−3の粘着剤層200Baが貼り合わせローラ225A,225Bで貼り合わされ、下流側に搬送されてローラ240A,240Bにおいてセパレータ209(セパレータ層200Bd)が分離除去され、それ以外の部分からなる基材テープ210−3(図示せず)がリール部材215aに巻き取られる。このようにして、無線タグ回路素子Toをテープ長手方向に所定等間で備えた基材テープ210−3を巻回した基材テープロールを製造する。
上記構成の変形例3においては、基材テープ210―3をロール状に巻き回した際に生じる周長の差を、第2テープ200A―3のテープ基材層200Abの伸縮性を用いて径方向外側部分で伸長させることで吸収し、しわが発生するのを未然に防止することができる。
また例えば図8に示す変形例4においては、第2テープ200A−4は、伸縮性材料で構成されたテープ基材層200Ab、粘着剤層200Ac及びセパレータ層200Adからなる3層構造となっている。なお、第1テープ200B−4の構成は上記変形例3の第1テープ200B―3の構成と同様であり、無線タグTgの構成は図2に示す上記実施形態の構成と同様である。このような構成の本変形例4においては、上記構成の第1テープ200B−4の取付部200B1にタグ挿入器226により無線タグTgが取り付けられた後、第2テープ200A−4のテープ基材層200Ab及び第1テープ200B−4の粘着剤層200Baが貼り合わせローラ225A,225Bで貼り合わされ、下流側に搬送されてローラ240A,240Bにおいてセパレータ209(セパレータ層200Bd)が分離除去され、それ以外の部分からなる基材テープ210−4(図示せず)がリール部材215aに巻き取られる。このようにして、無線タグ回路素子Toをテープ長手方向に所定等間で備えた基材テープ210−4を巻回した基材テープロールを製造する。
上記構成の変形例4においては、基材テープ210―4をロール状に巻き回した際に生じる周長の差を、第2テープ200A―4のテープ基材層200Abの伸縮性を用いて径方向外側部分で伸長させることで吸収し、しわが発生するのを未然に防止することができる。
また例えば図9に示す変形例5においては、第2テープ200A−5は、粘着剤層200Aa、伸縮性材料で構成されたテープ基材層200Ab、粘着剤層200Ac及びセパレータ層200Adからなる4層構造となっている。また、第1テープ200B−5は、粘着剤層200Ba、伸縮性材料で構成されたテープ基材層200Bb、粘着剤層200Bc及びセパレータ層200Bdからなる4層構造となっている。なお、無線タグTgの構成は図2に示す上記実施形態の構成と同様である。このような構成の本変形例5においては、上記構成の第1テープ200B−5の取付部200B1にタグ挿入器226により無線タグTgが取り付けられた後、第2テープ200A−5の粘着剤層200Aa及び第1テープ200B−5の粘着剤層200Baが貼り合わせローラ225A,225Bで貼り合わされ、下流側に搬送されてローラ240A,240Bにおいてセパレータ209(セパレータ層200Bd)が分離除去され、それ以外の部分からなる基材テープ210−5(図示せず)がリール部材215aに巻き取られる。このようにして、無線タグ回路素子Toをテープ長手方向に所定等間で備えた基材テープ210−5を巻回した基材テープロールを製造する。
上記構成の変形例5においては、基材テープ210−5をロール状に巻き回した際に生じる周長の差を、第2テープ200A−5のテープ基材層200Ab及び第1テープ200B−5のテープ基材層200Bbの双方の伸縮性を用いて径方向外側及び内側部分で伸長・縮短させることで吸収し、しわが発生するのを未然に防止することができる。このように、本変形例5では第1テープ及び第2テープの両方のテープ基材層を伸縮させることができるので、周長の差が大きい場合であっても十分に吸収し、しわの発生を確実に防止することができる。
また例えば図10に示す変形例6においては、第2テープ200A−6は、伸縮性材料で構成されたテープ基材層200Ab、粘着剤層200Ac及びセパレータ層200Adからなる3層構造となっている。また、第1テープ200B−6は、粘着剤層200Ba、伸縮性材料で構成されたテープ基材層200Bb、粘着剤層200Bc及びセパレータ層200Bdからなる4層構造となっている。なお、無線タグTgの構成は図2に示す上記実施形態の構成と同様である。このような構成の本変形例6においては、上記構成の第1テープ200B−6の取付部200B1にタグ挿入器226により無線タグTgが取り付けられた後、第2テープ200A−6のテープ基材層200Ab及び第1テープ200B−6の粘着剤層200Baが貼り合わせローラ225A,225Bで貼り合わされ、下流側に搬送されてローラ240A,240Bにおいてセパレータ209(セパレータ層200Bd)が分離除去され、それ以外の部分からなる基材テープ210−6(図示せず)がリール部材215aに巻き取られる。このようにして、無線タグ回路素子Toをテープ長手方向に所定等間で備えた基材テープ210−6を巻回した基材テープロールを製造する。
上記構成の変形例6においては、基材テープ210―6をロール状に巻き回した際に生じる周長の差を、第2テープ200A―6のテープ基材層200Ab及び第1テープ200B―6のテープ基材層200Bbの双方の伸縮性を用いて径方向外側及び内側部分で伸長・縮短させることで吸収し、しわが発生するのを未然に防止することができる。これにより、周長の差が大きい場合であっても十分に吸収し、しわの発生を確実に防止することができる。
また例えば図11に示す変形例7においては、第2テープ200A−7は、粘着剤層200Aa、伸縮性材料で構成されたテープ基材層200Ab、粘着剤層200Ac及びセパレータ層200Adからなる4層構造となっている。また、第1テープ200B−7は、粘着剤層200Bc及びセパレータ層200Bdからなる2層構造となっている。なお、無線タグTgの構成は図2に示す上記実施形態の構成と同様である。このような構成の本変形例7においては、上記構成の第1テープ200B−7の取付部200B1にタグ挿入器226により無線タグTgが取り付けられた後、第2テープ200A−7の粘着剤層200Aa及び第1テープ200B−7の粘着剤層200Bcが貼り合わせローラ225A,225Bで貼り合わされ、下流側に搬送されてローラ240A,240Bにおいてセパレータ209(セパレータ層200Bd)が分離除去され、それ以外の部分からなる基材テープ210−7(図示せず)がリール部材215aに巻き取られる。このようにして、無線タグ回路素子Toをテープ長手方向に所定等間で備えた基材テープ210−7を巻回した基材テープロールを製造する。
上記構成の変形例7においては、基材テープ210―7をロール状に巻き回した際に生じる周長の差を、第2テープ200A―7のテープ基材層200Abの伸縮性を用いて径方向外側部分で伸長させることで吸収し、しわが発生するのを未然に防止することができる。さらに、本変形例7においては、第1テープ200B―7が、アンテナ基材160(無線タグTg)に隣接して設けたアンテナ基材用粘着剤層としての機能と被印字テープと第2テープ200A―7とを貼り合わせる貼り合わせ用粘着剤層としての機能を兼用する粘着剤層200Bcを有する。これにより、上記実施形態のようにアンテナ基材用粘着剤層(200Ba)と上記貼り合わせ用粘着剤層(200Bc)とが別構成である基材テープに比べ、それらの間に別途基材層を設けなくとも基材テープを構成することができるので、テープの厚さを低減でき、これによってもしわの発生を防止できる効果がある。
また例えば図12に示す変形例8においては、第2テープ200A−8は、伸縮性材料で構成されたテープ基材層200Ab、粘着剤層200Ac及びセパレータ層200Adからなる3層構造となっている。また、第1テープ200B−8は、粘着剤層200Bc及びセパレータ層200Bdからなる2層構造となっている。なお、無線タグTgの構成は図2に示す上記実施形態の構成と同様である。このような構成の本変形例8においては、上記構成の第1テープ200B−8の取付部200B1にタグ挿入器226により無線タグTgが取り付けられた後、第2テープ200A−8のテープ基材層200Ab及び第1テープ200B−8の粘着剤層200Bcが貼り合わせローラ225A,225Bで貼り合わされ、下流側に搬送されてローラ240A,240Bにおいてセパレータ209(セパレータ層200Bd)が分離除去され、それ以外の部分からなる基材テープ210−8(図示せず)がリール部材215aに巻き取られる。このようにして、無線タグ回路素子Toをテープ長手方向に所定等間で備えた基材テープ210−8を巻回した基材テープロールを製造する。
上記構成の変形例8においては、基材テープ210―8をロール状に巻き回した際に生じる周長の差を、第2テープ200A―8のテープ基材層200Abの伸縮性を用いて径方向外側部分で伸長させることで吸収し、しわが発生するのを未然に防止することができる。さらに、上記変形例2と変形例7で説明した両方の相乗効果により、テープの厚さをさらに低減できる効果がある。
以上の変形例1〜8では、第1テープが無線タグTg側に粘着剤層(200Ba又は200Bc)を有する場合の構成を示したが、これに限られず、第1テープが無線タグTg側に粘着剤層を有しない構成も考えられる。以下、そのような変形例を説明する。なお、この場合には、タグ挿入器226により第2テープ200A側の取付部200A1に無線タグTgが取り付けられる(後述の図14参照)。
例えば図13に示す変形例9においては、第2テープ200A−9は、粘着剤層200Aa、テープ基材層200Ab、粘着剤層200Ac及びセパレータ層200Adからなる4層構造となっている。また、第1テープ200B−9は、伸縮性材料で構成されたテープ基材層200Bb、粘着剤層200Bc及びセパレータ層200Bdからなる3層構造となっている。なお、無線タグTgの構成は図2に示す上記実施形態の構成と同様である。
図14は本変形例9の基材テープを巻回した基材テープロールを製造するためのタグテープロール製造装置の全体概略構造を表す概念図であり、前述の図1に対応する図である。図1と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。
この図14に示すように、タグ挿入器226、タグチェッカー270及びテープ保持部材274は、第2テープ200A側に設置されている。これにより、本変形例9においては、上記構成の第2テープ200A−9の取付部200A1にタグ挿入器226により無線タグTgが取り付けられた後、第1テープ200B−9のテープ基材層200Bb及び第2テープ200A−9の粘着剤層200Aaが貼り合わせローラ225A,225Bで貼り合わされ、下流側に搬送されてローラ240A,240Bにおいてセパレータ209(セパレータ層200Bd)が分離除去され、それ以外の部分からなる基材テープ210−9がリール部材215aに巻き取られる。このようにして、無線タグ回路素子Toをテープ長手方向に所定等間で備えた基材テープ210−9を巻回した基材テープロールを製造する。
上記構成の変形例9においては、基材テープ210−9をロール状に巻き回した際に生じる周長の差を、第1テープ200B−9のテープ基材層200Bbの伸縮性(収縮性)を用いて径方向内側部分で縮短させることで吸収し、しわが発生するのを未然に防止することができる。
また例えば図15に示す変形例10においては、第2テープ200A−10は、粘着剤層200Aa、伸縮性材料で構成されたテープ基材層200Ab、粘着剤層200Ac及びセパレータ層200Adからなる4層構造となっている。また、第1テープ200B−10は、テープ基材層200Bb、粘着剤層200Bc及びセパレータ層200Bdからなる3層構造となっている。なお、無線タグTgの構成は図2に示す上記実施形態の構成と同様である。このような構成の本変形例10においては、上記構成の第2テープ200A−10の取付部200A1にタグ挿入器226により無線タグTgが取り付けられた後、第1テープ200B−10のテープ基材層200Bb及び第2テープ200A−10の粘着剤層200Aaが貼り合わせローラ225A,225Bで貼り合わされ、下流側に搬送されてローラ240A,240Bにおいてセパレータ209(セパレータ層200Bd)が分離除去され、それ以外の部分からなる基材テープ210−10(図示せず)がリール部材215aに巻き取られる。このようにして、無線タグ回路素子Toをテープ長手方向に所定等間で備えた基材テープ210−10を巻回した基材テープロールを製造する。
上記構成の変形例10においては、基材テープ210―10をロール状に巻き回した際に生じる周長の差を、第2テープ200A―10のテープ基材層200Abの伸縮性を用いて径方向外側部分で伸長させることで吸収し、しわが発生するのを未然に防止することができる。
また例えば図16に示す変形例11においては、第2テープ200A−11は、粘着剤層200Aa、伸縮性材料で構成されたテープ基材層200Ab、粘着剤層200Ac及びセパレータ層200Adからなる4層構造となっている。また、第1テープ200B−11は、伸縮性材料で構成されたテープ基材層200Bb、粘着剤層200Bc及びセパレータ層200Bdからなる3層構造となっている。なお、無線タグTgの構成は図2に示す上記実施形態の構成と同様である。このような構成の本変形例11においては、上記構成の第2テープ200A−11の取付部200A1にタグ挿入器226により無線タグTgが取り付けられた後、第1テープ200B−11のテープ基材層200Bb及び第2テープ200A−11の粘着剤層200Aaが貼り合わせローラ225A,225Bで貼り合わされ、下流側に搬送されてローラ240A,240Bにおいてセパレータ209(セパレータ層200Bd)が分離除去され、それ以外の部分からなる基材テープ210−11(図示せず)がリール部材215aに巻き取られる。このようにして、無線タグ回路素子Toをテープ長手方向に所定等間で備えた基材テープ210−11を巻回した基材テープロールを製造する。
上記構成の変形例11においては、基材テープ210−11をロール状に巻き回した際に生じる周長の差を、第2テープ200A−11のテープ基材層200Ab及び第1テープ200B−11のテープ基材層200Bbの双方の伸縮性を用いて径方向外側及び内側部分で伸長・縮短させることで吸収し、しわが発生するのを未然に防止することができる。
(2)第1テープが被印字層(感熱層;転写層;受像層)を有する場合
上記実施形態においては、製造された基材テープロールを用いて無線タグラベル作成する際に、その基材テープロールから繰り出した基材テープ210の第1テープ側の粘着剤層200Bcに所定の印字が行われた被印字テープ(カバーフィルム)が貼り付けられてタグラベルが作成される、いわゆるラミネートタイプの基材テープ210を製造する例を説明したが、これに限られず、例えば第1テープ200Bを被印字層(感熱層;転写層;受像層)を有するテープとして構成し、いわゆる感熱、レセプタ、インクジェットタイプの基材テープを製造するようにしてもよい。
(2−1)感熱テープ
図17は、感熱タイプの基材テープを製造する場合の変形例12における第2テープ200A−12と第1テープ200B−12とが、無線タグTgを介在させて貼り合わされる様子を表す概念的側面図であり、前述の図2等に対応する図である。なお、この図17において前述の図2等と同様の部分には同符号を付し、説明を省略する。
この図17に示すように、本変形例12の第1テープ200B−12は、粘着剤層200Ba、伸縮性材料で構成されるテープ基材層200Bb、及び熱により発色する感熱剤で構成される感熱層200Be(被印字層)からなる3層構造となっている。なお、第2テープ200A及び無線タグTgの構成は図2に示す上記実施形態の構成と同様である。
上記構成の第2テープ200A―12及び第1テープ200B―12を貼り合せた基材テープ210―12を巻回した基材テープロールを製造するタグテープロール製造装置の全体概略構造の概念図を図18に示す。この図18に示す本変形例12のタグテープロール製造装置と前述の図1に示すタグテープロール製造装置との構成で異なる点は、第1テープ200B―12のセパレータ分離工程、すなわちローラ240B、第4ダンサローラ224、エアシリンダ262D、セパレータロール217、このセパレータロール217を駆動するセパレータ軸駆動モータ218、及びこのセパレータ軸駆動モータ218の駆動制御を行うセパレータ駆動回路234等を省いた点と、セパレータの剥離がなくなったためセパレータ剥離位置後段に設けた除電ブラシ275を省いた点である。その他の構成については図1に示す構成と同様である。
上記構成のタグテープロール製造装置においては、上記構成の第1テープ200B―12の取付部200B1にタグ挿入器226により無線タグTgが取り付けられた後、第2テープ200A―12の粘着剤層200Ac及び第1テープ200B―12の粘着剤層200Baが貼り合わせローラ225A,225Bで貼り合わされ基材テープ210―12がリール部材215aに巻き取られる。このようにして、無線タグ回路素子Toをテープ長手方向に所定等間隔で備えた基材テープ210―12を巻回した基材テープロールを製造する。
上記構成の変形例12においては、上記実施形態と同様の効果に加えて、基材テープ210―12に直接印字可能となるので、印字形成用の被印字テープを別途貼り合わせなくても、印字つき無線タグラベルを作成することができ、テープ及びラベル全体の厚さを低減できる効果がある。
以上説明した変形例12の層構成以外にも種々の構成が考えられる。なお、以下の変形例においては、第2テープのセパレータ層200Adに伸縮性材料を用いない場合を例に挙げて説明するが、各変形例の構成においてセパレータ層200Adに伸縮性材料を用いるようにしてもよい。また、以下の変形例において、第2テープがテープ基材層Abを有する場合、第1テープ側のテープ基材層200Bbを伸縮性材料で構成する代わりに第2テープ側のテープ基材層200Abを伸縮性材料で構成してもよいし、テープ基材層200Bb、200Abの両方を伸縮性材料で構成してもよい。
例えば図19に示す変形例13においては、第2テープ200A−13は、粘着剤層200Aa、テープ基材層200Ab、粘着剤層200Ac及びセパレータ層200Adからなる4層構造となっている。また、第1テープ200B−13は、粘着剤層200Ba、伸縮性材料で構成されたテープ基材層200Bb、及び熱により発色する感熱剤で構成される感熱層200Beからなる3層構造となっている。なお、無線タグTgの構成は図2に示す上記実施形態の構成と同様である。このような構成の本変形例13においては、上記構成の第1テープ200B−13の取付部200B1にタグ挿入器226により無線タグTgが取り付けられた後、第2テープ200A−13の粘着剤層200Aa及び第1テープ200B−13の粘着剤層200Baが貼り合わせローラ225A,225Bで貼り合わされ、生成された基材テープ210−13がリール部材215aに巻き取られる。このようにして、無線タグ回路素子Toをテープ長手方向に所定等間で備えた基材テープ210−13を巻回した基材テープロールを製造する。
上記構成の変形例13においては、基材テープ210−13をロール状に巻き回した際に生じる周長の差を、第1テープ200B−13のテープ基材層200Bbの伸縮性(収縮性)を用いて径方向内側部分で縮短させることで吸収し、しわが発生するのを未然に防止することができる。
また例えば図20に示す変形例14においては、第2テープ200A−14は、テープ基材層200Ab、粘着剤層200Ac及びセパレータ層200Adからなる3層構造となっている。また、第1テープ200B−14は、粘着剤層200Ba、伸縮性材料で構成されたテープ基材層200Bb、及び熱により発色する感熱剤で構成される感熱層200Beからなる3層構造となっている。なお、無線タグTgの構成は図2に示す上記実施形態の構成と同様である。このような構成の本変形例14においては、上記構成の第1テープ200B−14の取付部200B1にタグ挿入器226により無線タグTgが取り付けられた後、第2テープ200A−14のテープ基材層200Ab及び第1テープ200B−14の粘着剤層200Baが貼り合わせローラ225A,225Bで貼り合わされ、生成された基材テープ210−14がリール部材215aに巻き取られる。このようにして、無線タグ回路素子Toをテープ長手方向に所定等間で備えた基材テープ210−14を巻回した基材テープロールを製造する。
上記構成の変形例14においては、基材テープ210−14をロール状に巻き回した際に生じる周長の差を、第1テープ200B−14のテープ基材層200Bbの伸縮性(収縮性)を用いて径方向内側部分で縮短させることで吸収し、しわが発生するのを未然に防止することができる。
以上の変形例12〜14では、第1テープが無線タグTg側に粘着剤層200Baを有する場合の構成を示したが、これに限られず、第1テープが無線タグTg側に粘着剤層を有しない構成も考えられる。なお、この場合には、タグ挿入器226により第2テープ200A側の取付部200A1に無線タグTgが取り付けられる(後述の図22参照)。
例えば図21に示す変形例15においては、第2テープ200A−15は、粘着剤層200Aa、テープ基材層200Ab、粘着剤層200Ac及びセパレータ層200Adからなる4層構造となっている。また、第1テープ200B−15は、伸縮性材料で構成されたテープ基材層200Bb、及び熱により発色する感熱剤で構成される感熱層200Beからなる2層構造となっている。なお、無線タグTgの構成は図2に示す上記実施形態の構成と同様である。
図22は本変形例15の基材テープを巻回した基材テープロールを製造するためのタグテープロール製造装置の全体概略構造を表す概念図であり、前述の図1等に対応する図である。図1等と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。
この図22に示すように、タグ挿入器226、タグチェッカー270及びテープ保持部材274は、第2テープ200A側に設置されている。これにより、本変形例15においては、上記構成の第2テープ200A−15の取付部200A1にタグ挿入器226により無線タグTgが取り付けられた後、第1テープ200B−15のテープ基材層200Bb及び第2テープ200A−15の粘着剤層200Aaが貼り合わせローラ225A,225Bで貼り合わされ、生成された基材テープ210−15がリール部材215aに巻き取られる。このようにして、無線タグ回路素子Toをテープ長手方向に所定等間で備えた基材テープ210−15を巻回した基材テープロールを製造する。
上記構成の変形例15においては、基材テープ210−15をロール状に巻き回した際に生じる周長の差を、第1テープ200B−15のテープ基材層200Bbの伸縮性(収縮性)を用いて径方向内側部分で縮短させることで吸収し、しわが発生するのを未然に防止することができる。
なお、上記ではテープ基材層200Bbに感熱層200Beを積層する構成としたが、これに限られず、感熱基材層と感熱層とからなる感熱シートを粘着剤を介して上記テープ基材層200Bbに設けるようにしてもよい。以下、そのような変形例を説明する。
例えば図23に示す変形例16においては、第2テープ200A−16は、粘着剤層200Aa、テープ基材層200Ab、粘着剤層200Ac及びセパレータ層200Adからなる4層構造となっている。一方、第1テープ200B−16は、粘着剤層200Ba、伸縮性材料で構成されたテープ基材層200Bb、粘着剤層200Bc、及び感熱基材層200Bf(被印字基材)と熱により発色する感熱剤で構成された感熱層200Bg(被印字層)とからなる感熱シート200Bhからなる4層構造となっている。なお、無線タグTgの構成は図2に示す上記実施形態の構成と同様である。このような構成の本変形例16においては、上記構成の第1テープ200B−16の取付部200B1にタグ挿入器226により無線タグTgが取り付けられた後、第2テープ200A−16の粘着剤層200Aa及び第1テープ200B−16の粘着剤層200Baが貼り合わせローラ225A,225Bで貼り合わされ、生成された基材テープ210−16がリール部材215aに巻き取られる。このようにして、無線タグ回路素子Toをテープ長手方向に所定等間で備えた基材テープ210−16を巻回した基材テープロールを製造する。
上記構成の変形例16においては、基材テープ210−16をロール状に巻き回した際に生じる周長の差を、第1テープ200B−16のテープ基材層200Bbの伸縮性(収縮性)を用いて径方向内側部分で縮短させることで吸収し、しわが発生するのを未然に防止することができる。さらに、本変形例16によれば、感熱シート200Bhの感熱基材層200Bfを色付きのものとすることで、この色を背景色として、基材テープの表側からの視覚効果(印字の見やすさ等)や装飾効果(ユーザの好みの色等)を高めたりすることが可能である。
また例えば図24に示す変形例17においては、第2テープ200A−17は、テープ基材層200Ab、粘着剤層200Ac及びセパレータ層200Adからなる3層構造となっている。また、第1テープ200B−17は、上記変形例16と同様の構成であり、無線タグTgの構成は図2に示す上記実施形態の構成と同様である。このような構成の本変形例17においては、上記構成の第1テープ200B−17の取付部200B1にタグ挿入器226により無線タグTgが取り付けられた後、第2テープ200A−17のテープ基材層200Ab及び第1テープ200B−17の粘着剤層200Baが貼り合わせローラ225A,225Bで貼り合わされ、生成された基材テープ210−17がリール部材215aに巻き取られる。このようにして、無線タグ回路素子Toをテープ長手方向に所定等間で備えた基材テープ210−17を巻回した基材テープロールを製造する。
上記構成の変形例17においては、基材テープ210−17をロール状に巻き回した際に生じる周長の差を、第1テープ200B−17のテープ基材層200Bbの伸縮性(収縮性)を用いて径方向内側部分で縮短させることで吸収し、しわが発生するのを未然に防止することができる。
また例えば図25に示す変形例18においては、第2テープ200A−18は、粘着剤層200Ac及びセパレータ層200Adからなる2層構造となっている。また、第1テープ200B−18は、上記変形例16,17と同様の構成であり、無線タグTgの構成は図2に示す上記実施形態の構成と同様である。このような構成の本変形例18においては、上記構成の第1テープ200B−18の取付部200B1にタグ挿入器226により無線タグTgが取り付けられた後、第2テープ200A−18の粘着剤層200Ac及び第1テープ200B−18の粘着剤層200Baが貼り合わせローラ225A,225Bで貼り合わされ、生成された基材テープ210−18がリール部材215aに巻き取られる。このようにして、無線タグ回路素子Toをテープ長手方向に所定等間で備えた基材テープ210−18を巻回した基材テープロールを製造する。
上記構成の変形例18においては、基材テープ210−18をロール状に巻き回した際に生じる周長の差を、第1テープ200B−18のテープ基材層200Bbの伸縮性(収縮性)を用いて径方向内側部分で縮短させることで吸収し、しわが発生するのを未然に防止することができる。
また例えば図26に示す変形例19においては、第2テープ200A−19は、粘着剤層200Aa、テープ基材層200Ab、粘着剤層200Ac及びセパレータ層200Adからなる4層構造となっている。一方、第1テープ200B−19は、伸縮性材料で構成されたテープ基材層200Bb、粘着剤層200Bc、及び感熱基材層200Bfと熱により発色する感熱剤で構成された感熱層200Bgとからなる感熱シート200Bhからなる3層構造となっている。なお、無線タグTgの構成は図2に示す上記実施形態の構成と同様である。
このような構成の本変形例19においては、前述の変形例15と同様に、タグ挿入器226、タグチェッカー270及びテープ保持部材274が、第2テープ200A側に配置されたタグテープロール製造装置が用いられる。すなわち、上記構成の第2テープ200A−19の取付部200A1にタグ挿入器226により無線タグTgが取り付けられた後、第1テープ200B−19のテープ基材層200Bb及び第2テープ200A−19の粘着剤層200Aaが貼り合わせローラ225A,225Bで貼り合わされ、生成された基材テープ210−19がリール部材215aに巻き取られる。このようにして、無線タグ回路素子Toをテープ長手方向に所定等間で備えた基材テープ210−19を巻回した基材テープロールを製造する。
上記構成の変形例19においては、基材テープ210−19をロール状に巻き回した際に生じる周長の差を、第1テープ200B−19のテープ基材層200Bbの伸縮性(収縮性)を用いて径方向内側部分で縮短させることで吸収し、しわが発生するのを未然に防止することができる。
(2−2)レセプタ(インクジェット)テープ
上記では、第1テープが被印字層として感熱層を有する場合を説明したが、被印字層としてはインクリボンからの熱転写により印字形成可能な被転写材料により構成された転写層、又はインクを塗布することで印字形成可能な受像材料により構成された受像層を有する構成としてもよい。なお、以下、第1テープが被印字層として転写層を有する(すなわちレセプタタイプ)場合を例にとって説明するが、各変形例において上記転写層に代えて上記受像層(いわゆるインクジェットタイプ)を設けるようにしてもよい。また、以下の各変形例の構成においてセパレータ層200Adに伸縮性材料を用いるようにしてもよい。
図27は、いわゆるレセプタタイプの基材テープを製造する場合の変形例20における第2テープ200A−20と第1テープ200B−20とが、無線タグTgを介在させて貼り合わされる様子を表す概念的側面図であり、前述の図2等に対応する図である。なお、この図27において前述の図2等と同様の部分には同符号を付し、説明を省略する。
この図27に示すように、本変形例20の第1テープ200B−20は、粘着剤層200Ba、伸縮性材料で構成されるテープ基材層200Bb、及び転写層200Be’(被印字層)からなる3層構造となっている。なお、第2テープ200A及び無線タグTgの構成は図2に示す上記実施形態の構成と同様である。
上記構成の第2テープ200A―20及び第1テープ200B―20を貼り合せた基材テープ210―20を巻回した基材テープロールは、特に図示はしないが、前述の図18とほぼ同様の構成であるタグテープロール製造装置で製造される。このタグテープロール製造装置においては、上記構成の第1テープ200B―20の取付部200B1にタグ挿入器226により無線タグTgが取り付けられた後、第2テープ200A―20の粘着剤層200Ac及び第1テープ200B―20の粘着剤層200Baが貼り合わせローラ225A,225Bで貼り合わされ基材テープ210―20がリール部材215aに巻き取られる。このようにして、無線タグ回路素子Toをテープ長手方向に所定等間隔で備えた基材テープ210―20を巻回した基材テープロールを製造する。
上記構成の変形例20においては、上述した感熱テープの場合と同様に、上記実施形態と同様の効果に加えてテープ及びラベル全体の厚さを低減できる効果がある。
また例えば図28に示す変形例21においては、第2テープ200A−21は、粘着剤層200Aa、テープ基材層200Ab、粘着剤層200Ac及びセパレータ層200Adからなる4層構造となっている。また、第1テープ200B−21は、粘着剤層200Ba、伸縮性材料で構成されたテープ基材層200Bb、及び転写層200Be’からなる3層構造となっている。なお、無線タグTgの構成は図2に示す上記実施形態の構成と同様である。このような構成の本変形例21においては、上記構成の第1テープ200B−21の取付部200B1にタグ挿入器226により無線タグTgが取り付けられた後、第2テープ200A−21の粘着剤層200Aa及び第1テープ200B−21の粘着剤層200Baが貼り合わせローラ225A,225Bで貼り合わされ、生成された基材テープ210−21がリール部材215aに巻き取られる。このようにして、無線タグ回路素子Toをテープ長手方向に所定等間で備えた基材テープ210−21を巻回した基材テープロールを製造する。
上記構成の変形例21においては、基材テープ210−21をロール状に巻き回した際に生じる周長の差を、第1テープ200B−21のテープ基材層200Bbの伸縮性(収縮性)を用いて径方向内側部分で縮短させることで吸収し、しわが発生するのを未然に防止することができる。
また例えば図29に示す変形例22においては、第2テープ200A−22は、テープ基材層200Ab、粘着剤層200Ac及びセパレータ層200Adからなる3層構造となっている。また、第1テープ200B−22は、粘着剤層200Ba、伸縮性材料で構成されたテープ基材層200Bb、及び転写層200Be’からなる3層構造となっている。なお、無線タグTgの構成は図2に示す上記実施形態の構成と同様である。このような構成の本変形例22においては、上記構成の第1テープ200B−22の取付部200B1にタグ挿入器226により無線タグTgが取り付けられた後、第2テープ200A−22のテープ基材層200Ab及び第1テープ200B−22の粘着剤層200Baが貼り合わせローラ225A,225Bで貼り合わされ、生成された基材テープ210−22がリール部材215aに巻き取られる。このようにして、無線タグ回路素子Toをテープ長手方向に所定等間で備えた基材テープ210−22を巻回した基材テープロールを製造する。
上記構成の変形例22においては、基材テープ210−22をロール状に巻き回した際に生じる周長の差を、第1テープ200B−22のテープ基材層200Bbの伸縮性(収縮性)を用いて径方向内側部分で縮短させることで吸収し、しわが発生するのを未然に防止することができる。
以上の変形例20〜22では、第1テープが無線タグTg側に粘着剤層200Baを有する場合の構成を示したが、これに限られず、第1テープが無線タグTg側に粘着剤層を有しない構成も考えられる。なお、この場合には、タグ挿入器226により第2テープ200A側の取付部200A1(前述の図22参照)に無線タグTgが取り付けられる。
例えば図30に示す変形例23においては、第2テープ200A−23は、粘着剤層200Aa、テープ基材層200Ab、粘着剤層200Ac及びセパレータ層200Adからなる4層構造となっている。また、第1テープ200B−23は、伸縮性材料で構成されたテープ基材層200Bb、及び転写層200Be’からなる2層構造となっている。なお、無線タグTgの構成は図2に示す上記実施形態の構成と同様である。このような構成の本変形例23においては、上記構成の第2テープ200A−23の取付部200A1にタグ挿入器226により無線タグTgが取り付けられた後、第1テープ200B−23のテープ基材層200Bb及び第2テープ200A−23の粘着剤層200Aaが貼り合わせローラ225A,225Bで貼り合わされ、生成された基材テープ210−23がリール部材215aに巻き取られる。このようにして、無線タグ回路素子Toをテープ長手方向に所定等間で備えた基材テープ210−23を巻回した基材テープロールを製造する。
上記構成の変形例23においては、基材テープ210−23をロール状に巻き回した際に生じる周長の差を、第1テープ200B−23のテープ基材層200Bbの伸縮性(収縮性)を用いて径方向内側部分で縮短させることで吸収し、しわが発生するのを未然に防止することができる。
なお、上記ではテープ基材層200Bbに転写層200Be’を積層する構成としたが、これに限られず、転写基材層と転写層とからなる転写シート(レセプタシート)を粘着剤を介して上記テープ基材層200Bbに設けるようにしてもよい。以下、そのような変形例を説明する。なお、以下の各変形例において上記転写基材層と転写層とからなる転写シートに代えて上記受像基材層と受像層とからなる受像シート(インクジェットシート)を設けるようにしてもよい。
例えば図31に示す変形例24においては、第2テープ200A−24は、粘着剤層200Aa、テープ基材層200Ab、粘着剤層200Ac及びセパレータ層200Adからなる4層構造となっている。一方、第1テープ200B−24は、粘着剤層200Ba、伸縮性材料で構成されたテープ基材層200Bb、粘着剤層200Bc、及び転写基材層200Bf’(被印字基材)と転写層200Bg’(被印字層)とからなる転写シート200Bh’からなる4層構造となっている。なお、無線タグTgの構成は図2に示す上記実施形態の構成と同様である。このような構成の本変形例24においては、上記構成の第1テープ200B−24の取付部200B1にタグ挿入器226により無線タグTgが取り付けられた後、第2テープ200A−24の粘着剤層200Aa及び第1テープ200B−24の粘着剤層200Baが貼り合わせローラ225A,225Bで貼り合わされ、生成された基材テープ210−24がリール部材215aに巻き取られる。このようにして、無線タグ回路素子Toをテープ長手方向に所定等間で備えた基材テープ210−24を巻回した基材テープロールを製造する。
上記構成の変形例24においては、基材テープ210−24をロール状に巻き回した際に生じる周長の差を、第1テープ200B−24のテープ基材層200Bbの伸縮性(収縮性)を用いて径方向内側部分で縮短させることで吸収し、しわが発生するのを未然に防止することができる。
また例えば図32に示す変形例25においては、第2テープ200A−25は、テープ基材層200Ab、粘着剤層200Ac及びセパレータ層200Adからなる3層構造となっている。また、第1テープ200B−25は、上記変形例24と同様の構成であり、無線タグTgの構成は図2に示す上記実施形態の構成と同様である。このような構成の本変形例25においては、上記構成の第1テープ200B―25の取付部200B1にタグ挿入器226により無線タグTgが取り付けられた後、第2テープ200A−25のテープ基材層200Ab及び第1テープ200B−25の粘着剤層200Baが貼り合わせローラ225A,225Bで貼り合わされ、生成された基材テープ210−25がリール部材215aに巻き取られる。このようにして、無線タグ回路素子Toをテープ長手方向に所定等間で備えた基材テープ210−25を巻回した基材テープロールを製造する。
上記構成の変形例25においては、基材テープ210−25をロール状に巻き回した際に生じる周長の差を、第1テープ200B−25のテープ基材層200Bbの伸縮性(収縮性)を用いて径方向内側部分で縮短させることで吸収し、しわが発生するのを未然に防止することができる。
また例えば図33に示す変形例26においては、第2テープ200A−26は、粘着剤層200Ac及びセパレータ層200Adからなる2層構造となっている。また、第1テープ200B−26は、上記変形例24,25と同様の構成であり、無線タグTgの構成は図2に示す上記実施形態の構成と同様である。このような構成の本変形例26においては、上記構成の第1テープ200B−26の取付部200B1にタグ挿入器226により無線タグTgが取り付けられた後、第2テープ200A−26の粘着剤層200Ac及び第1テープ200B−26の粘着剤層200Baが貼り合わせローラ225A,225Bで貼り合わされ、生成された基材テープ210−26がリール部材215aに巻き取られる。このようにして、無線タグ回路素子Toをテープ長手方向に所定等間で備えた基材テープ210−26を巻回した基材テープロールを製造する。
上記構成の変形例26においては、基材テープ210−26をロール状に巻き回した際に生じる周長の差を、第1テープ200B−26のテープ基材層200Bbの伸縮性(収縮性)を用いて径方向内側部分で縮短させることで吸収し、しわが発生するのを未然に防止することができる。
また例えば図34に示す変形例27においては、第2テープ200A−27は、粘着剤層200Aa、テープ基材層200Ab、粘着剤層200Ac及びセパレータ層200Adからなる4層構造となっている。一方、第1テープ200B−27は、伸縮性材料で構成されたテープ基材層200Bb、粘着剤層200Bc、及び転写基材層200Bf’と転写層200Bg’とからなる転写シート(レセプタシート)200Bh’からなる3層構造となっている。なお、無線タグTgの構成は図2に示す上記実施形態の構成と同様である。
このような構成の本変形例27においては、前述の変形例23と同様に、タグ挿入器226、タグチェッカー270及びテープ保持部材274が、第2テープ200A側に配置されたタグテープロール製造装置が用いられる。すなわち、上記構成の第2テープ200A−27の取付部200A1にタグ挿入器226により無線タグTgが取り付けられた後、第1テープ200B−27のテープ基材層200Bb及び第2テープ200A−27の粘着剤層200Aaが貼り合わせローラ225A,225Bで貼り合わされ、生成された基材テープ210−27がリール部材215aに巻き取られる。このようにして、無線タグ回路素子Toをテープ長手方向に所定等間で備えた基材テープ210−27を巻回した基材テープロールを製造する。
上記構成の変形例27においては、基材テープ210−27をロール状に巻き回した際に生じる周長の差を、第1テープ200B−27のテープ基材層200Bbの伸縮性(収縮性)を用いて径方向内側部分で縮短させることで吸収し、しわが発生するのを未然に防止することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、上述した第1の実施形態が第1テープ及び第2テープのうち少なくとも一方が有する伸縮層の伸縮性により周長の差を吸収してしわの発生を防止するものであり、第1テープへの張力付与は適宜行うものであったのに対し、第1テープ及び第2テープの双方とも伸縮性材料で構成された伸縮層を有さないが、第1テープに張力を付与する(又は第2テープより大きな張力を第1テープに付与する)ことで当該第1テープが通常有する伸縮性(収縮性)を用いて径方向内側部分で縮短させ、しわの発生を防止するものである。すなわち、第1テープへの張力付与(又は第1テープへの第2テープより大きな張力の付与)を必ず行うものである。
本実施形態のタグテープロール製造装置の構成は、前述の第1の実施形態の図1と同様であるので説明を省略する。
図35は、本実施形態の第1テープ200Bと第2テープ200Aとが、無線タグTgを介在させて貼り合わされる様子を表す概念的側面図であり、前述の図2に対応する図である。図2と同様の部分には同符号を付して説明を省略する。
図35において、第2テープ200Aは、この例では2層構造となっており、第2テープロール211の外側に巻かれる側(図中上側)よりその反対側(図中下側)へ向かって、セパレータ層200Ad’(剥離材層)、適宜の粘着剤からなる粘着剤層200Ac(貼り付け用粘着剤層)の順序で積層され構成されている。なお、前述の第1の実施形態と異なり、本実施形態ではセパレータ層200Ad’は伸縮性材料で構成されていない。
第1テープ200Bは、この例では4層構造となっており、外側に巻かれる側(図中上側)よりその反対側(図中下側)へ向かって、適宜の粘着剤からなる粘着剤層200Ba、テープ基材層200Bb’(タグテープ基材層)、適宜の粘着剤からなる粘着剤層200Bc(貼り合わせ用粘着剤層)、セパレータ層200Bdの順序で積層され構成されている。なお、前述の第1の実施形態と異なり、本実施形態ではテープ基材層200Bb’は伸縮性材料で構成されていない。また、上記セパレータ層200Bdは、最終的に上記リール部材217aに巻回され、セパレータロール217として回収される。
基材テープ210は、上記2層構造の第2テープ200Aと4層構造の第1テープ200Bとの間に無線タグTgが挿入配置された後、前述のようにセパレータ層200Bdがリール部材217aで巻き取られて除去されることでこの例では8層構造となっている。すなわち、リール部材215aの外側に巻かれる側(図35中上側)よりその反対側(図35中下側)へ向かって、上記セパレータ層200Ad’、粘着剤層200Ac、アンテナ基材160、タグ側アンテナ152、ICチップ保持部材161、粘着剤層200Ba、テープ基材層200Bb’、粘着剤層200Bcの順序で積層され構成されている。
図36は、本実施形態のコントローラ230で実行される制御手順を表すフローチャートであり、前述の図3に対応する図である。図3と同様の手順には同符号を付し説明を省略する。
この図36と前述の図3とが異なる点は、ステップS505及びステップS545でのテープ駆動開始後に第1テープ200Bへ引張方向張力を付加する張力制御を行う手順であるステップS507及びステップS547を加えた点である。すなわち、ステップS501において、基材テープ210の上記リール部材215aへの巻き回し作業が完了すると、次のステップS505において、搬送ローラ219A,219Bを駆動させ、第2テープ200A、第1テープ200Bを第2テープロール211及び第1テープロール213から繰り出し駆動させる。これにより、第2テープロール211から第2テープ200Aが繰り出されるとともに第1テープロール213から第1テープ200Bが繰り出されて、貼り合わせローラ225A,225Bで貼り合わされて一体化され、搬送ローラ219A,219B側へと搬送される。
次のステップS507では、第2及び第1テープ軸駆動モータ212,214と基材テープ軸駆動モータ216及びセパレータ軸駆動モータ218のモータ速度を制御すると共に、エアシリンダ262A〜Dでテンションアーム267A〜Dを回動させ、角度センサ268A〜Dで検出したテンションアーム267A〜Dの角度から算出したテープ搬送時における各テープ200A,200B,209,210の張力が適宜の値となるように張力制御(以下適宜、「駆動時テープ張力制御」と記載する)を行う。本実施形態では、第1テープ200Bの周長を2π(R1−t)から2πR1(前述の図4参照)に伸ばされつつリール部材215aに巻き回されるように、第1テープ200Bに対して付加する引張方向張力を適宜の値(第1テープ200Bを2πt分だけ伸長させる適宜の値)に制御する。なお、本実施形態では第1テープ200Bは伸縮材で構成された伸縮層を有しないが、第1テープ200Bが通常有する伸縮性を利用して、上記長さ分だけ伸長するように張力を制御する。また、この駆動時テープ張力制御は、テープ駆動中において常時行われるようになっている。
その後のステップS510〜ステップS545は前述の図3と同様であり、テープの駆動により無線タグTgの挿入位置に到達するとテープの駆動を停止させ、タグチェッカー270で無線タグ回路素子Toが正常か否かを判定し、正常である場合にはタグ挿入器226で無線タグTgを第1テープ200Bの取付部200B1に取り付ける。そして、搬送ローラ219A,219Bを駆動させ、第2テープ200A、第1テープ200Bを第2テープロール211及び第1テープロール213から繰り出し駆動させる。
次のステップS547では、上記ステップS507と同様に、第1テープ200Bに対して付加する引張方向張力を適宜の値(第1テープ200Bを2πt分だけ伸長させる適宜の値)に制御する。その後のステップS550〜ステップS575は前述の図3と同様である。
なお、上記フローは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、例えば上記ステップS570とステップS575の順番を反対にする等、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順を変更してもよい。
以上のような構成である本実施形態においては、無線タグTgを配置するためのテープ基材層200Bb’を含む第1テープ200Bを、予め引張方向張力を付加した状態で第2テープ200Aと接着して基材テープ210を構成する。そして、引張方向張力を付加して収縮方向応力が作用している第1テープ200Bが径方向内側となるように、基材テープ210をリール部材215a周りに巻回する。これにより、当該第1テープ200Bが通常有する伸縮性(収縮性)を用いて径方向内側部分で縮短させることができる。その結果、ロールの曲率によってテープ厚さ方向他方側(ロール径方向内側)と一方側(ロール径方向外側)との周長の差が生じたとしても、上記周長の差を吸収し、しわが発生するのを未然に防止することができる。このようにして、本実施形態によれば、基材テープ210、基材テープロール215及びこれらを用いて生成された無線タグラベルの健全性を維持することができる。
なお、上記では、張力制御により第1テープ200Bに対して引張方向張力を付加するようにしたが、これに限られず、第1テープ200B及び第2テープ200Aの双方に張力を付加し、第1テープ200Bに付加する張力と第2テープ200Aに付加する張力との間で張力差を設けるようにしてもよい。この場合、第1テープ200Bに付加する張力は、第2テープ200Aに付加する張力よりも大きくなり、第1テープ200Bを第2テープ200Aよりも2πt分だけ長くなるように伸長させる適宜の値となるように制御する。この場合にも、上記第2の実施形態と同様の効果を得る。
また、本実施形態においても、前述の第1の実施形態と同様に、ロール径方向位置が径方向中心より遠くなるほど引張方向への張力を小さくする張力制御や、第1テープ200Bの厚さが厚いほど引張方向への張力を大きくする張力制御を行うようにしてもよい。
また、本発明は、上記第2の実施形態で説明した層構成に限られるものではなく、その趣旨と技術思想の範囲を逸脱しない範囲でさらに種々の構成に対して適用可能である。例えば、前述の第1の実施形態の図2に示す構成のように、セパレータ層200Ad’及びテープ基材層200Bb’のうち少なくとも1つを伸縮性材料で構成するようにしてもよいし、第1の実施形態において図5〜13、図15〜17、図19〜21、図23〜34に示した変形例1〜27の層構成のテープを用いて基材テープを製造するようにしてもよい。またこのとき、各変形例中の伸縮性材料で構成される伸縮層(セパレータ層200Ad、テープ基材層200Bb、テープ基材層200)について、伸縮性材料ではなく通常の材料で構成した層構成の場合に適用してもよい。これらの場合には、本実施形態の効果に加え、上記第1の実施形態の効果や各変形例に固有の効果等をも得ることができる。
なお、以上説明した第1の実施の形態及び第2の実施の形態においては、第1テープ及び第2テープのうち少なくとも一方に伸縮性材料で構成された伸縮層を設ける、又は第1テープに張力を付与する(又は第2テープより大きな張力を第1テープに付与する)ことでしわの発生を防止するものであったが、本願発明者等は、テープ基材、IC回路部、及びアンテナのテープ厚み方向寸法を適宜の値に設定することによっても、しわの発生を抑制し、テープ、ロール又はラベルの健全性を維持できることを見出した。以下、その詳細内容について、第3の実施の形態で説明する。
次に、本発明の第3の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図37は、本実施形態のタグテープロール製造装置の全体概略構造を表す概念図であり、前述の図1に対応する図である。また、図38は、本実施形態における第1テープ200Bと第2テープ200Aとが無線タグTgを介在させて貼り合わされる様子を表す概念的側面図であり、前述の図2及び図5に対応する図である。これら図37及び図38において、図1、図2及び図5と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。
これら図37及び図38において、第2テープ200Aは、前述の図5と同様の4層構造となっており、セパレータ層200Ad(剥離材層)、適宜の粘着剤からなる粘着剤層200Ac(貼り付け用粘着剤層、アンテナ基材用粘着剤層)テープ基材層200Ab、粘着剤層200Aa(アンテナ基材用粘着剤層)の順序で積層され構成されている。また第1テープ200Bも、前述の図5と同様の4層構造となっており、適宜の粘着剤からなる粘着剤層200Ba(アンテナ基材用粘着剤層)、伸縮性材料からなるテープ基材層200Bb(タグテープ基材層、伸縮層)、適宜の粘着剤からなる粘着剤層200Bc(貼り合わせ用粘着剤層)、セパレータ層200Bdの順序で積層され構成されている。
また、無線タグTgも、前述の図5と同様の構成となっており、略シート状のアンテナ基材(アンテナパターンシート)160と、このアンテナ基材160の裏側(図2中下側)に設けられ、情報の送受信を行うタグ側アンテナ152と、このタグ側アンテナ152に接続するように情報を更新可能に(書き換え可能rewritableに)記憶するIC回路部151(図示せず)を備えたICチップ保持部材161とを備えている。
本実施形態では、上記第1テープ200Bのテープ基材層200Bbと、無線タグTgのICチップ保持部材161と、無線タグTgのタグ側アンテナ152及びアンテナ基材160のテープ厚み方向寸法とが、適宜の関係式を満たすような範囲の値となるように構成されている(詳細は後述)。
そして、タグテープロール製造装置で、上記構成の第2テープ200Aと第1テープ200Bとを貼り合わせ、かつその貼り合わせるそれら2つのテープの間に無線タグ回路素子Toを備えた上記構成の無線タグTgを、ICチップ保持部材161がアンテナ基材160に対しロール巻回時に外周側となる側(図37拡大図中左側、図38中上側)により突出する向きに挿入することにより、基材テープ210(タグテープ)を作成し、この基材テープ210を巻回して基材テープロール215を製造するようになっている。なお、その他のタグテープロール製造装置の構成は、前述の第1の実施形態と同様である。
以上のようにして製造した基材テープロール215を用いて無線タグラベルTを作成する際には、例えば上記基材テープロール215を内蔵したカートリッジを用い、そのカートリッジをタグラベル作成装置に装着してラベル作成を行うことができる。
図39は、そのような無線タグ回路素子カートリッジの構造の一例を表す図である。図39に示す無線タグ回路素子カートリッジ100は、筐体100Aと、この筐体100A内に配置され帯状の上記基材テープ210が巻回された第1ロール102(上記の基材テープロール215と同等)と、上記基材テープ210と略同じ幅である透明なカバーフィルム103(被印字テープ)が巻回された第2ロール104と、インクリボン105(熱転写リボン、但しカバーフィルムが感熱テープの場合は不要)を繰り出すリボン供給側ロール111と、印字後のリボン105を巻取るリボン巻取りローラ106と、上記基材テープ210と上記カバーフィルム103とを押圧し接着させ印字済タグラベル用テープ110としつつ矢印Aで示す方向にテープ送りをする(=テープ送りローラとしても機能する)圧着ローラ107とを有する。
第2ロール104は、リール部材104aの周りに上記カバーフィルム103を巻回している。第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103は、その裏面側(すなわち上記基材テープ210と接着される側)に配置されたリボン供給側ロール111及びリボン巻取りローラ106で駆動されるリボン105が、タグラベル作成装置(全体の図示は省略)の印字ヘッド10に押圧されることで当該カバーフィルム103の裏面に当接させられるようになっている。
リボン巻取りローラ106及び圧着ローラ107はそれぞれ、タグラベル作成装置側に設けた(例えばパルスモータである)カートリッジ用モータ(図示せず)の駆動力が上記リボン巻取りローラ駆動軸11及び上記テープ送りローラ駆動軸12に伝達されることによって回転駆動される。
上記構成のカートリッジ100において、上記第1ロール102より繰り出された基材テープ210は、圧着ローラ107へと供給される。一方、第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103は、その裏面側(すなわち上記基材テープ210と接着される側)に配置されたリボン供給側ロール111及びリボン巻取りローラ106で駆動されるインクリボン105が、上記印字ヘッド10に押圧されることで当該カバーフィルム103の裏面に当接させられるようになっている。
そして、カートリッジ100がラベル作成装置のカートリッジホルダ部に装着されロールホルダ(図示せず)が離反位置から当接位置に移動されると、カバーフィルム103及びインクリボン105が印字ヘッド10とプラテンローラ108との間に狭持されるとともに、基材テープ210及びカバーフィルム103が圧着ローラ107とサブローラ109との間に狭持される。そして、カートリッジ用モータ23の駆動力によってリボン巻取りローラ106及び圧着ローラ107が矢印B及び矢印Dで示す方向にそれぞれ同期して回転駆動される。このとき、前述のテープ送りローラ駆動軸12と上記サブローラ109及びプラテンローラ108はギヤ(図示せず)にて連結されており、テープ送りローラ駆動軸12の駆動に伴い圧着ローラ107、サブローラ109、及びプラテンローラ108が回転し、第1ロール102から基材テープ210が繰り出され、上述のように圧着ローラ107へ供給される。一方、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出されるとともに、上記印刷駆動回路25により印字ヘッド10の複数の発熱素子が通電される。この結果、カバーフィルム103の裏面に印字Rが印刷される。そして、上記基材テープ210と上記印刷が終了したカバーフィルム103とが上記圧着ローラ107及びサブローラ109により接着されて一体化され、印字済タグラベル用テープ110として形成され、矢印Cで示す方向にカートリッジ100外へと搬出される。なお、カバーフィルム103への印字が終了したインクリボン105は、リボン巻取りローラ駆動軸11の駆動によりリボン巻取りローラ106に巻取られる。
そして、カートリッジ100外へ搬出された印字済みタグラベル用テープ110に備えられた上記無線タグ回路素子ToのIC回路部151に対しタグラベル作成装置側に設けたアンテナ(図示せず)から無線通信を介して情報の送受信が行われた後、タグラベル作成装置側に設けたカッタ(図示せず)により設定された長さに切断されて、無線タグラベルTが作成される。
図40(a)及び図40(b)は、上述のように無線タグ回路素子Toの情報書き込み(又は読み取り)及び印字済タグラベル用テープ109の切断が完了し形成された無線タグラベルTの外観の一例を表す図であり、図40(a)は上面図、図40(b)は下面図である。また図41は、図40中XXXXI−XXXXI′断面による横断面図を反時計方向に90°回転させた図である。なお、この図41は層構成を概念的に示したものであり、実際には無線タグTgの配置部位は後述の図42に示すように無線タグTgの厚みによりテープ厚さ方向にやや膨らんだ形状となっている。
これら図40(a)、図40(b)、及び図41において、無線タグラベルTは、前述したように図38に示した(無線タグTgを除いて)7層構造の基材テープ210にカバーフィルム103が加わった8層構造となっており、カバーフィルム103側(図41中上側)よりその反対側(図41中下側)へ向かって、カバーフィルム103、粘着剤層200Bc、テープ基材層200Bb、粘着剤層200Ba、粘着剤層200Aa、テープ基材層200Ab、粘着剤層200Ac、セパレータ層(剥離紙)200Adで8層を構成している。そして、前述のようにアンテナ基材160、タグ側アンテナ152及びICチップ保持部材161からなる無線タグTgが粘着剤層200Baと粘着剤層200Aaとの間に備えられるとともに、カバーフィルム103の裏面に印字R(この例では無線タグラベルTの種類を示す「RF−ID」の文字)が印刷されている。
上記基本構成において、本実施形態の特徴は、前述したようにテープ基材(テープ基材層200Bb)、IC回路部(本実施形態ではICチップ保持部材161)、アンテナ(タグ側アンテナ152及びアンテナ基材160)のテープ厚み方向寸法を後述する適宜の関係式を満たす値に設定することで、しわの発生を抑制したことにある。以下、その詳細について説明する。
図42は、図37中XXXXII−XXXXII′断面による基材テープ210の横断面図である。この図42に示すように、テープ基材層200Bbのテープ厚み方向寸法(以下「テープ基材厚み」と記載)をtj、無線タグTgのうちアンテナ基材160及びタグ側アンテナ152のテープ厚み方向寸法(以下「アンテナ厚み」と記載)をta、ICチップ保持部材161のテープ厚み方向寸法(以下「ICチップ厚み」と記載)をtiとする。
この図42に示すように、基材テープ210中における各無線タグTgの配置部位では、無線タグTgが存在する分その周囲部(テープ基材層200Bb等)が無線タグTgを迂回するように厚さ方向に曲がって延設されることとなり、無線タグTgを配置しない部位に比べてテープ全体の厚さ方向寸法が増大する。この無線タグTgを迂回するための曲がり具合が大きくなるほど、言い換えれば無線タグTgの厚さ方向寸法(アンテナ厚みta+ICチップ厚みti)に対するテープ全体の厚さ方向寸法の割合が減少するほど、タグテープ各部にしわが発生しやすくなる傾向となる。
そこで本願発明者等は、ICチップ厚みti及びアンテナ厚みtaの組み合わせを変更しつつ無線タグTgの厚さを変更し、これら各組み合わせに対しテープ基材層200Bbの厚さであるテープ基材厚みを変更することでテープ全体の厚さを変更することにより、多数のケースについてしわの発生の有無を評価した。なお、この評価試験は、アンテナ厚みtaとICチップ厚みtiの合計(すなわち無線タグTgの厚み)が300μm以下の範囲であり、且つアンテナ厚みtaが150μm以下となる範囲で行った。またこのときに用いたICチップ保持部材161の平面寸法は1.5mm×1.5mm〜2mm×3mm程度であり、アンテナ基材160の平面寸法は15mm×24mm〜18mm×44mm程度である。
図43は、上記評価試験を行った多数のケースのうちしわの発生がなかったケースを抽出し、各ICチップ厚みti及びアンテナ厚みtaの組み合わせに対するテープ基材厚みtjの下限値を示した表である。この表に示すように、ケース1(アンテナ厚みta=50μm、ICチップ厚みti=220μm)の場合にはしわの発生しない範囲のテープ基材厚みtjの下限値は50μm、ケース2(アンテナ厚みta=60μm、ICチップ厚みti=210μm)の場合にはしわの発生しない範囲のテープ基材厚みtjの下限値は50μm、ケース3(アンテナ厚みta=100μm、ICチップ厚みti=170μm)の場合にはしわの発生しない範囲のテープ基材厚みtjの下限値は60μm、ケース4(アンテナ厚みta=150μm、ICチップ厚みti=150μm)の場合にはしわの発生しない範囲のテープ基材厚みtjの下限値は80μmとなった。
本願発明者等は、上記結果から、アンテナ厚みtaとICチップ厚みtiの合計(すなわち無線タグTgの厚み)に対するテープ基材厚みtjの割合(=tj/(ta+ti))に着目し、この値がケース1では0.19、ケース2では0.19、ケース3では0.22、ケース4では0.27であることから、最小値である0.19に本願発明者等の経験による余裕値を減じた0.15以上であれば、しわの発生を防止できることを見出した。
一方で、基材テープ210は、上述したようにロール製造時にはタグテープロール製造装置においてロール状に巻回され、またタグラベル作成時にはタグラベル作成装置においてロールから繰り出されて搬送経路を転向されながら搬送される。このため、テープ全体の厚さがあまりに大きくなりすぎると、剛性が強すぎて上記のロール状の巻回作業や搬送経路の転向等が困難となる。
そこで本願発明者等が種々の検討を行った結果、アンテナ厚みtaとICチップ厚みtiの合計(すなわち無線タグTgの厚み)が270μmの場合に、基材テープ210のロール巻回が可能であるテープ基材厚みtjの最大値は200μmであった。このときの、上記アンテナ厚みtaとICチップ厚みtiの合計に対するテープ基材厚みtjの割合(=tj/(ta+ti))の値は、200/270≒0.74となる。したがって、アンテナ厚みtaとICチップ厚みtiの合計に対するテープ基材厚みtjの割合を0.74以下とすることにより、上記厚さ方向寸法増大により剛性が過剰となるのを防止し、円滑に巻回や搬送を行うことができる。
以上から、本実施形態によれば、アンテナ厚みtaとICチップ厚みtiの合計に対するテープ基材厚みtjの割合(=tj/(ta+ti))の値を0.15以上0.74以下とすることで、しわが発生しにくく現実に使用可能な基材テープ210及び無線タグラベルTを実現することができる。
なお、本願発明者等の検討の結果、テープ基材厚みtjが100μm以下である場合に基材テープ210のロール巻回をより好適に行えた。このときの、上記アンテナ厚みtaとICチップ厚みtiの合計に対するテープ基材厚みtjの割合(=tj/(ta+ti))の値は、100/270≒0.37となる。したがって、アンテナ厚みtaとICチップ厚みtiの合計に対するテープ基材厚みtjの割合(=tj/(ta+ti))の値を0.15以上0.37以下とすることで、しわが発生しにくく品質をさらに向上した基材テープ210及び無線タグラベルTを実現することができる。
また本願発明者等は、上記図43に示す結果から、アンテナ厚みtaに対するテープ基材厚みtjの割合(=tj/ta)に着目し、この値がケース1では1.0、ケース2では0.83、ケース3では0.60、ケース4では0.53であることから、最小値である0.53に本願発明者等の経験による余裕値を減じた0.50以上であれば、しわの発生を防止できることを見出した。
一方で、基材テープ210は、上述したようにロール製造時にはタグテープロール製造装置においてロール状に巻回され、またタグラベル作成時にはタグラベル作成装置においてロールから繰り出されて搬送経路を転向されながら搬送される。このため、テープ全体の厚さがあまりに大きくなりすぎると、剛性が強すぎて上記のロール状の巻回作業や搬送経路の転向等が困難となる。
そこで本願発明者等が種々の検討を行った結果、アンテナ厚みtaが50μmの場合に、基材テープ210のロール巻回が可能であるテープ基材厚みtjの最大値は200μmであった。このときの、上記アンテナ厚みtaに対するテープ基材厚みtjの割合(=tj/ta)の値は、200/50≒4.0となる。したがって、アンテナ厚みtaに対するテープ基材厚みtjの割合を4.0以下とすることにより、上記厚さ方向寸法増大により剛性が過剰となるのを防止し、円滑に巻回や搬送を行うことができる。
以上から、本実施形態によれば、アンテナ厚みtaに対するテープ基材厚みtjの割合(=tj/ta)の値を0.50以上4.0以下とすることで、しわが発生しにくく現実に使用可能な基材テープ210及び無線タグラベルTを実現することができる。
なお、上述したように、本願発明者等の検討の結果、テープ基材厚みtjが100μm以下である場合に基材テープ210のロール巻回をより好適に行えた。このときの、上記アンテナ厚みtaに対するテープ基材厚みtjの割合(=tj/ta)の値は、100/50≒2.0となる。したがって、アンテナ厚みtaに対するテープ基材厚みtjの割合(=tj/ta)の値を0.50以上2.0以下とすることで、しわが発生しにくく品質をさらに向上した基材テープ210及び無線タグラベルTを実現することができる。
また本願発明者等は、上記図43に示す結果から、ICチップ厚みtiに対するテープ基材厚みtjの割合(=tj/ti)に着目し、この値がケース1では0.23、ケース2では0.24、ケース3では0.35、ケース4では0.53であることから、最小値である0.23に本願発明者等の経験による余裕値を減じた0.20以上であれば、しわの発生を防止できることを見出した。
一方で、基材テープ210は、上述したようにロール製造時にはタグテープロール製造装置においてロール状に巻回され、またタグラベル作成時にはタグラベル作成装置においてロールから繰り出されて搬送経路を転向されながら搬送される。このため、テープ全体の厚さがあまりに大きくなりすぎると、剛性が強すぎて上記のロール状の巻回作業や搬送経路の転向等が困難となる。
そこで本願発明者等が種々の検討を行った結果、ICチップ厚みtiが220μmの場合に、基材テープ210のロール巻回が可能であるテープ基材厚みtjの最大値は200μmであった。このときの、上記ICチップ厚みtiに対するテープ基材厚みtjの割合(=tj/ti)の値は、200/220≒0.91となる。したがって、ICチップ厚みtiに対するテープ基材厚みtjの割合を0.91以下とすることにより、上記厚さ方向寸法増大により剛性が過剰となるのを防止し、円滑に巻回や搬送を行うことができる。
以上から、本実施形態によれば、ICチップ厚みtiに対するテープ基材厚みtjの割合(=tj/ti)の値を0.20以上0.91以下とすることで、しわが発生しにくく現実に使用可能な基材テープ210及び無線タグラベルTを実現することができる。
なお、上述したように、本願発明者等の検討の結果、テープ基材厚みtjが100μm以下である場合に基材テープ210のロール巻回をより好適に行えた。このときの、上記ICチップ厚みtiに対するテープ基材厚みtjの割合(=tj/ti)の値は、100/220≒0.45となる。したがって、ICチップ厚みtiに対するテープ基材厚みtjの割合(=tj/ti)の値を0.20以上0.45以下とすることで、しわが発生しにくく品質をさらに向上した基材テープ210及び無線タグラベルTを実現することができる。
以上のような構成である本実施形態においては、無線タグTgの厚さ方向寸法(アンテナ厚みtaとICチップ厚みtiの合計)ta+tiに対するテープ基材層200Bbの厚さ方向寸法であるテープ基材厚みtjの割合を0.15以上として、無線タグTgに対し相対的に基材テープ全体を厚くすることにより、無線タグTgの配置部位における無線タグTgによる寸法増大の影響を低減し、しわの発生を防止することができる。
一方、このようなテープ基材層200Bbを備えた積層構造の基材テープ210は、ロール製造時にはロール状に巻回され、またタグラベル作成時にはタグラベル作成装置においてロールから繰り出されて搬送経路を転向されながら搬送される。このため、テープ全体の厚さがあまりに大きくなりすぎると、剛性が強すぎて上記のロール状の巻回作業や搬送経路の転向等が困難となる。本実施形態においては、無線タグTgの厚さ方向寸法(アンテナ厚みta+ICチップ厚みtiの合計)ta+tiに対するテープ基材厚みtjの割合を0.74以下とすることにより、上記厚さ方向寸法増大により剛性が過剰となるのを防止し、円滑に巻回や搬送を行うことができる。
以上のようにして、本実施形態においては、無線タグTgの厚さ方向寸法ta+tiに対するテープ基材層200Bbの厚さ方向寸法tjの割合を適正範囲に設定することにより、しわが発生しにくく現実に使用可能な基材テープを実現することができる。このようにして、本実施形態によれば、基材テープ210、基材テープロール215及びこれらを用いて生成された無線タグラベルの健全性を維持することができる。
また、本実施形態においては、無線タグTgのアンテナ厚みtaに対するテープ基材厚みtjの割合を0.50以上として、無線タグTgのアンテナ基材160及びタグ側アンテナ152に対し相対的にテープ基材層200Bbを厚くすることにより、上記無線タグTgの配置部位における無線タグTgによる寸法増大の影響を低減し、しわの発生を防止することができる。一方で、無線タグTgのアンテナ厚みtaに対するテープ基材厚みtjの割合を4.0以下とすることにより、上記厚さ方向寸法増大により剛性が過剰となるのを防止し、円滑に巻回や搬送を行うことができる。
以上のようにして、本実施形態においては、無線タグTgのアンテナ厚みtaに対するテープ基材厚みtjの割合を適正範囲に設定することにより、しわが発生しにくく現実に使用可能な基材テープを実現することができる。このようにして、本実施形態によれば、基材テープ210、基材テープロール215及びこれらを用いて生成された無線タグラベルの健全性を維持することができる。
また、本実施形態では特に、テープ基材層200Bbを伸縮性材料で構成する。これにより、基材テープ210を基材テープロール215として巻回した場合に、ロールの曲率によって径方向外側と径方向内側との周長の差が生じたとしても、上記テープ基材層200Bbの伸縮性材料による伸縮性を用いて径方向内側部分を縮短させることで、上記周長の差を吸収することができる。この結果、周長の差により基材テープ210にしわが発生するのを防止することができるので、さらにしわの発生防止効果を高めることができる。
また、本実施形態では特に、ICチップ保持部材161(IC回路部151)を、アンテナ基材160に対し、ロール巻回時に外周側となる側により突出するように配置する。ここで、一般に基材テープを軸周りに巻回して基材テープロールとした際、ロール内径側であるほど基材テープの曲率が大きく(曲がりの度合いがきつく)なり、ロール外径側であるほど基材テープの曲率が小さく(曲がりの度合いが緩く)なる。そして、基材テープの厚みが変化する場合、基材テープの曲率が小さい場合の方が大きい場合よりもそのテープの厚みの変化がロール全体に与える影響が小さい。本実施形態の基材テープ210においては、上述したようにICチップ保持部材161(IC回路部151)をアンテナ基材160に対しロール巻回時に外周側となる側により突出するように配置する。これにより、曲率が比較的小さいロール外径側にICチップ保持部材161(IC回路部151)を配置することができ、その結果、ICチップ保持部材161(IC回路部151)の厚みによるテープ厚みの変化の影響を小さくすることができる。したがって、これによってもロール巻回時のしわの発生の防止効果を得ることができる。
さらに、本実施形態では特に、ICチップ保持部材161(IC回路部151)を、伸縮性材料で構成されたテープ基材層200Bbとは反対側に突出するように配置する。これによってもロール巻回時のしわの発生の防止効果を得ることができる。
なお、本発明は、上記第3の実施形態で説明した層構成に限られるものではなく、その趣旨と技術思想の範囲を逸脱しない範囲でさらに種々の構成に対して適用可能である。例えば、前述の第1の実施形態の図2に示す層構成や、当該第1の実施形態において図5〜13、図15〜17、図19〜21、図23〜34に示した変形例1〜27の層構成としてもよい。この場合、無線タグTgを、前述の図38に示すようにICチップ保持部材161がアンテナ基材160に対しロール巻回時に外周側となる側(図38中上側)により突出する向きに配置するのが好ましい。これらの場合には、本実施形態の効果に加え、上記第1の実施形態の効果や各変形例に固有の効果等をも得ることができる。
なお、以上説明した第3の実施形態においては、テープ基材(テープ基材層200Bb)、IC回路部(ICチップ保持部材161)、及びアンテナ(タグ側アンテナ152及びアンテナ基材160)のテープ厚み方向寸法を適宜の値に設定することによってしわの防止を図ったが、本願発明者等は、IC回路部のアンテナ基材に対する平面位置を適宜の位置に設定することによっても、第1テープと第2テープとを無線タグを挟むように貼り合わせて基材テープを生成する際のしわの発生を抑制し、テープ、ロール又はラベルの健全性を維持できることを見出した。以下、その詳細内容について、第4の実施の形態で説明する。
次に、本発明の第4の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
本実施形態のタグテープロール製造装置、基材テープ210及び基材テープロール215、これらを用いて作成される無線タグラベルT等の構成は、前述の第3の実施の形態の図37〜図41に示す構成と同様であるので説明を省略する。
上記基本構成において、本実施形態の特徴は、上記したようにIC回路部(本実施形態ではICチップ保持部材161)のアンテナ基材160に対する平面位置を適宜の位置に配置することによって、第1テープ200Bと第2テープ200Aとのテープ貼り合わせ時(以下、適宜「テープ貼り合わせ時」と記載)におけるしわの発生を抑制したことにある。以下、その詳細について説明する。
図44は、無線タグ回路素子カートリッジ100において、基材テープ210を巻回した第1ロール102(基材テープロール215と同等)から基材テープ210が繰り出される様子を示す図であり、併せて本実施形態の無線タグTgにおけるアンテナ基材160に対するICチップ保持部材161の位置関係を表す無線タグTgの拡大図を示している。なお、この図44ではタグ側アンテナ152の図示を省略している。
この図44に示すように、無線タグTgを構成するアンテナ基材160のテープ長手方向(図44中左右方向)寸法は2L、テープ幅方向(図44中上下方向)寸法は2Mである。そして、アンテナ基材160の中心位置160aとICチップ保持部材161の中心位置161aとが距離Hだけ偏差するように、ICチップ保持部材161がアンテナ基材160に対し配置されている。このとき、ICチップ保持部材161のテープ長手方向中心位置と、アンテナ基材160のテープ長手方向中心位置との距離はHa、ICチップ保持部材161のテープ幅方向中心位置と、アンテナ基材160のテープ幅方向中心位置との距離はHbである。なお、上記距離Haは、基材テープの繰り出し方向(図44中左方向)を負の値、繰り出し方向と反対方向(ロール巻芯方向。図44中右方向)を正の値とする。また、上記距離Hbについては上記距離Haと異なり、基材テープ210のテープ幅方向一方側(図44中上側)及び他方側(図44中下側)の両方向について正の値で表すものとする。
なお、上記距離H及び距離Haが、特許請求の範囲各項記載のIC回路部の中心位置と対応するアンテナ基材の中心位置との所定距離H及びIC回路部のテープ長手方向中心位置と対応するアンテナ基材のテープ長手方向中心位置との所定距離Haに相当する。
本実施形態では、上記距離Ha及び距離Hbの値が後述の図46に示す範囲内となるようにICチップ保持部材161がアンテナ基材160に対し偏差されて配置されている。その詳細について次に説明する。
本願発明者等は、上記アンテナ基材160のテープ長手方向寸法2L及びテープ幅方向寸法2Mが異なる複数の無線タグTgについて、上記距離Ha及び距離Hbの組み合わせを変更しつつアンテナ基材160の中心位置160aとICチップ保持部材161の中心位置161aとの距離Hを変更することにより、多数のケースについてしわの発生の有無を評価した。なお、この評価試験は、図45(a)に示すように、ICチップ保持部材161がアンテナ基材160のロール巻回方向外周側により突出するように無線タグTgを配置した場合と、図45(b)に示すように、ICチップ保持部材161がアンテナ基材160のロール巻回方向内周側により突出するように無線タグTgを配置した場合との両方において行った。その結果、テープ長手方向寸法については上記距離Lに対する距離Haの割合が所定の範囲内であれば、テープ幅方向寸法については上記距離Mに対する距離Hbの割合が所定の範囲内であればテープ貼り合わせ時のしわの発生を抑制できることを見出した。
図46は、上記評価試験結果を示す表である。なお、この表において、距離Lに対する距離Haの割合(Ha/L)が負の値である範囲は、上述したようにICチップ保持部材161が基材テープの繰り出し方向(図44中左方向)に距離Ha偏差して配置されている場合を指しており、Ha/Lが正の値である範囲は、ICチップ保持部材161が基材テープのロール巻芯方向(図44中右方向)に距離Ha偏差して配置されている場合を指している。また、距離Mに対する距離Hbの割合(Hb/M)については、上述したように上記Ha/Lと異なり、その値の範囲内でテープ幅方向一方側及び他方側の両側に距離Hb偏差して配置されている場合を含むものである。
この図46に示すように、テープ長手方向寸法については、上記距離Lに対する距離Haの割合(Ha/L)が、−0.9以上0.2以下(但し0は除く)の範囲内であれば、テープ貼り合わせ時における基材テープ210のしわの発生を最低限抑制することができる。また、上記Ha/Lが、−0.8以上且つ0より小さい範囲内であれば、テープ貼り合わせ時における基材テープ210のしわの発生をより効果的に抑制することができる。さらに、上記Ha/Lが、−0.7以上−0.2以下の範囲内であれば、テープ貼り合わせ時における基材テープ210のしわの発生を最も効果的に抑制することができる。
また、テープ幅方向については、上記距離Mに対する距離Hbの割合(Hb/M)が、0より大きく0.9以下の範囲内であれば、テープ貼り合わせ時における基材テープ210のしわの発生を最低限抑制することができる。また、上記Hb/Mが、0より大きく0.5以下の範囲内であれば、テープ貼り合わせ時における基材テープ210のしわの発生をより効果的に抑制することができる。さらに、上記Hb/Mが、0より大きく0.3以下の範囲内であれば、テープ貼り合わせ時における基材テープ210のしわの発生を最も効果的に抑制することができる。
さらに、上記結果は、ICチップ保持部材161がアンテナ基材160のロール巻回方向外周側及び内周側のどちらの側に突出するように無線タグTgを配置した場合においても適用可能な値であるが、本願発明者等は、特にICチップ保持部材161がアンテナ基材160のロール巻回方向外周側により突出するように無線タグTgを配置した場合の方が、基材テープ210をロール状に巻回するロール巻回時においてしわの発生の抑制効果がより大きいことを見出した。
以上のような構成である本実施形態によれば、ICチップ保持部材161の中心位置161aが対応するアンテナ基材160の中心位置160aに対し、図46に示す条件を満たす所定距離Hだけ離れるように、ICチップ保持部材161をアンテナ基材160に対し配置することによって、第1テープ200Bと第2テープ200Aとのテープ貼り合わせ時におけるしわの発生の抑制効果を得ることができる。この詳細について、次に述べる。
すなわち、本実施形態のように、テープ基材層200Bb等を含む第1テープ200Bと、無線タグTgと、テープ厚み方向において複数の無線タグTgを挟むように上記第1テープ200Bと反対側に設けられた第2テープ200Aとから構成された多層構造である基材テープ210は、無線タグTgがタグ挿入器226により上記第1テープ200Bに配置され、この無線タグTgが配置された第1テープ200Bがその挿入位置よりテープ搬送方向下流側において無線タグTgを挟むように上記第2テープ200Aと貼り合わされることにより生成される。そして、この基材テープ210がテープ長手方向と略直交するリール部材215aの外周に沿って巻き取られ基材テープロール215が生成される。
ここで本実施形態においては、各無線タグTgにおいて、ICチップ保持部材161の中心位置161aが対応するアンテナ基材160の中心位置160aに対し図46の条件を満たす所定距離H(距離Ha,Hb)だけ離れるように配置されている。これにより、ICチップ保持部材161をテープ繰り出し方向側に偏差させて配置することによって、テープ長手方向における各無線タグTgのテープ厚さ方向の厚みが、図45に示すようにロール巻芯側からテープ繰り出し方向に向かって、「アンテナ基材」の厚み→「アンテナ基材+アンテナ」の厚み→「アンテナ基材+アンテナ+IC回路部」の厚みというように段階的に緩やかに増大するように無線タグTgを構成することが可能となる。その結果、図47に示すように、第1テープ200Bと第2テープ200Aとが無線タグTgを挟んで貼り合わされ基材テープ210が生成される際に、無線タグTgの厚みの薄い部分から貼り合わさっていくことになるため、段差の発生や無線タグTgの剛性による影響を低減し、基材テープ210のしわの発生を防止することができる。このようにして、本実施形態によれば、基材テープ210及びこの基材テープ210をリール部材215aに巻回して生成した基材テープロール215の健全性を維持することができる。
また、本実施形態によれば、例えばICチップ保持部材161のテープ繰り出し方向と反対側(ロール巻芯方向側)端部のテープ長手方向位置が、アンテナ基材160のテープ長手方向中心位置よりも繰り出し方向側に位置するように、ICチップ保持部材161をアンテナ基材160に対し配置することによっても、しわの発生の防止効果を得ることが可能である。これは、前述したように本願発明者等が用いたICチップ保持部材161の平面寸法は1.5mm×1.5mm〜2mm×3mm程度であり、アンテナ基材160の平面寸法は15mm×24mm〜18mm×44mm程度であることから、上記配置とすることにより、距離Lに対する距離Haの割合(Ha/L)を−0.8以上且つ0より小さい範囲、又は−0.7以上−0.2以下の範囲とすることができるからである。
また、本実施形態では特に、ICチップ保持部材161をアンテナ基材160のロール巻回方向外周側により突出するように配置した場合をより好ましい構成とする。ここで、一般に基材テープを軸周りに巻回して基材テープロールとした際、ロール内径側であるほど基材テープの曲率が大きく(曲がりの度合いがきつく)なり、ロール外径側であるほど基材テープの曲率が小さく(曲がりの度合いが緩く)なる。そして、基材テープの厚みが変化する場合、基材テープの曲率が小さい場合の方が大きい場合よりもそのテープの厚みの変化がロール全体に与える影響が小さい。本実施形態の基材テープ210においては、上述したようにICチップ保持部材161(IC回路部151)をアンテナ基材160に対しロール巻回時に外周側となる側により突出するように配置することにより、曲率が比較的小さいロール外径側にICチップ保持部材161(IC回路部151)を配置することができ、その結果、ICチップ保持部材161(IC回路部151)の厚みによるテープ厚みの変化の影響を小さくすることができる。したがって、ロール巻回時におけるしわの発生の防止効果を得ることができる。
また、本実施形態では特に、ICチップ保持部材161をアンテナ基材160のロール巻回方向内周側により突出するように配置した場合でも、ロール巻回時におけるしわの発生の防止効果を得ることができる。これは、一般に基材テープを軸周りに巻回して基材テープロールを構成する際には、ロールの曲率によって基材テープ径方向外側と径方向内側との周長の差が生じ、径方向内側に弛みが生じてその部分がしわになりやすいが、ICチップ保持部材161をロール巻回方向内周側に突出するように配置することにより、基材テープ210の径方向内側においてはICチップ保持部材161の厚みを覆うための余分な周長が必要となり、上記径方向内側の弛みの発生を防止することができるからである。
なお、本発明は、上記第4の実施形態で説明した層構成に限られるものではなく、その趣旨と技術思想の範囲を逸脱しない範囲でさらに種々の構成に対して適用可能である。例えば、前述の第1の実施形態の図2に示す層構成や、当該第1の実施形態において図5〜13、図15〜17、図19〜21、図23〜34に示した変形例1〜27の層構成としてもよい。この場合、無線タグTgを、前述の図38及び図45(a)に示すようにICチップ保持部材161がアンテナ基材160に対しロール巻回時に外周側となる側により突出する向きに配置するのが好ましい。これらの場合には、本実施形態の効果に加え、上記第1の実施形態の効果や各変形例に固有の効果等をも得ることができる。
なお、上記第1〜第4の実施形態においては、しわの発生を防止することにより基材テープ210、基材テープロール215及びこれらを用いて生成された無線タグラベルの健全性の維持を図るようにしたが、本願発明者等は、無線タグTgに隣接する粘着剤層200Aa,200Baに所定の微速接着力を有する粘着剤を用いることにより第1テープ200Bと第2テープ200Aとの層間剥離の発生を防止し、これによってもテープ、ロール又はラベルの健全性を維持できることを見出した。以下、その詳細内容について、第5の実施の形態で説明する。
次に、本発明の第5の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
本実施形態のタグテープロール製造装置、基材テープ210及び基材テープロール215、これらを用いて作成される無線タグラベルT等の構成は、前述の第3の実施の形態の図37〜図41に示す構成と同様であるので説明を省略する。
上記基本構成において、本実施形態の特徴は、上述したように、無線タグTgをテープ基材層200Abに定置させるための粘着剤層200Aa、及び無線タグTgをテープ基材層200Bbに定置させるための粘着剤層200Baに所定の微速接着力を有する粘着剤を用いることによって、第1テープ200Bと第2テープ200Aとの層間剥離の発生を防止したことにある。以下、その詳細について説明する。
本願発明者等は、上記粘着剤層200Aa,200Baに対し、微速接着力が異なる種々の粘着剤を使用して層間剥がれの評価試験を行った。このときに用いた粘着剤の微速接着力の測定は、日本工業規格の粘着テープ・粘着シート試験方法(JIS Z0237)に基づき行った。具体的には、測定対象である粘着剤を幅20mm、長さ160mmのシートに設けた粘着シートを、ステンレス板に対し2kgのゴムローラを1往復させることで貼り付け、この貼り付けた粘着シートがステンレス板と平行になるように折り返し、当該折り返した粘着シートをステンレス板から5mm/minの速さで連続して引きはがす際の抵抗力を測定することにより、微速粘着力の測定を行った。
また、層間剥がれの評価方法は、粘着剤層200Aa,200Baに上記微速接着力が異なる複数の粘着剤をそれぞれ用いて作成した各無線タグラベルTを、曲率φ25mmの曲面を有する円筒及び曲率φ15mmの曲面を有する円筒に貼り付け、1週間経過後における第1テープ200Bと第2テープ200Aとの層間剥がれを見ることにより行った。このとき、各円筒に対し、図48(a)に示すようにラベル長手方向が筒軸方向と略平行となる向きにラベルを貼り付けた場合と(以下「縦貼り」と記載)、図48(b)に示すようにラベル長手方向が筒軸方向と略直角となる向きにラベルを貼り付けた場合と(以下「横貼り」と記載)の2通りの貼り付け方法で評価を行った。
図49は上記評価試験結果のうち結果が良好であったものを抽出して示す表である。なお、この図において、○は層間剥がれが生じていない場合、△は層間剥がれが生じているがその大きさが許容範囲である3mm未満である場合、×は層間剥がれが生じておりその大きさが3mm以上である場合を示している。
この図49に示すように、微速接着力が5.0(N/20mm)の粘着剤を用いた場合には、曲率φ25mmの円筒に対しては横貼り及び縦貼りのどちらの場合でも層間剥がれは生じなかったが、曲率φ15mmの円筒に対しては横貼りの場合は層間剥がれが生じなかったものの、縦貼りの場合には3mm以上の層間剥がれが生じた。また、微速接着力が6.4(N/20mm)の粘着剤を用いた場合には、曲率φ25mmの円筒に対する横貼り・縦貼り、及び曲率φ15mmの円筒に対する横貼りの場合にはいずれにおいても層間剥がれは生じなかったが、曲率φ15mmの円筒に対する縦貼りの場合には3mm未満の層間剥がれが生じた。なお、微速接着力が6.7〜25.0(N/20mm)の粘着剤を用いた場合には、曲率φ25mm及び曲率φ15mmの円筒に対する横貼り・縦貼りのいずれの場合においても層間剥がれは生じなかった。
以上の結果から、本願発明者等は次の結論に想到した。すなわち、無線タグラベルTの通常の使用形態を考慮すれば、曲率φ15mmの円筒に対する横貼りの場合に層間剥がれが生じなければ十分であり、したがって層間剥がれを防止できる微速接着力の下限値は5.0(N/20mm)である。一方、一般的に多層構造のラベルの作成に用いられる粘着剤の微速接着力は最大25.0(N/20mm)程度であり、本願発明者等が評価試験を行ったのも25.0(N/20mm)の微速接着力までであることから、微速接着力の上限値は25.0(N/20mm)である。したがって、微速接着力が5.0(N/20mm)以上25.0(N/20mm)以下である粘着剤を用いることにより、第1テープ200Bと第2テープ200Aとの層間剥がれを防止することができる。
また、曲率φ15mmの円筒に対する縦貼りの場合に3mm未満の層間剥がれが生じたのが微速接着力6.4(N/20mm)の場合であり、層間剥がれが生じなかったのが微速接着力6.7(N/20mm)の場合であることから、本願発明者等の経験に基づき微速接着力が6.5(N/20mm)以上であればさらに確実に第1テープ200Bと第2テープ200Aとの層間剥がれを防止することができる。
以上のような構成である本実施形態においては、粘着剤層200Bc、テープ基材層200Bb、粘着剤層200Ba、粘着剤層200Aa、テープ基材層200Ab、粘着剤層200Ac、セパレータ層(剥離紙)200Adからなる多層構造の基材テープ210において、上記粘着剤層200Ba及び粘着剤層200Aaに、5.0[N/20mm]以上25[N/20mm]以下の微速接着力を備えた粘着剤を用いる。これにより、第1テープ200Bと第2テープ200Aとを強固に接着することができ、これら第1テープ200Bと第2テープ200Aとの層間剥がれを防止することができる。このようにして、本実施形態によれば、基材テープ210、基材テープロール215及びこれらを用いて生成された無線タグラベルの健全性を維持することができる。
また、本実施形態では特に、粘着剤層200Ba及び粘着剤層200Aaに、6.5[N/20mm]以上25[N/20mm]以下の微速接着力を備えた粘着剤を用いることにより、第1テープ200Bと第2テープ200Aとをさらに強固に接着することができ、これら第1テープ200Bと第2テープ200Aとの層間剥がれをより一層防止することができる。
また、本実施形態では特に、第1テープ200Bと第2テープ200Aとの両方が無線タグTgを定置させるための粘着剤層200Aa,200Baをそれぞれ有する。これにより、第1テープ200Bと第2テープ200Aとを、粘着剤層200Aa,200Baの粘着剤層同士の接着によって強固に接着することができるので、これら第1テープ200Bと第2テープ200Aとの層間剥がれをより一層防止することができる。また、粘着剤層200Aa,200Baを用いて無線タグTgをテープ基材層200Ab及びテープ基材層200Bbの両方にそれぞれ定置させることができるので、無線タグTgを所定間隔でテープ長手方向に連続して安定的に配置させることができる。
なお、上記実施形態では、無線タグTgに隣接する粘着剤層200Aa,200Baの両方に対し5.0[N/20mm]以上25[N/20mm]以下の微速接着力を備えた粘着剤を用いるようにしたが、一方側の粘着剤層のみでもよい。
また、本発明は、上記第5の実施形態で説明した層構成に限られるものではなく、その趣旨と技術思想の範囲を逸脱しない範囲でさらに種々の構成に対して適用可能である。例えば、前述の第1の実施形態の図2に示す層構成や、当該第1の実施形態において図5〜13、図15〜17、図19〜21、図23〜34に示した変形例1〜27の層構成としてもよい。なお、上記図12に示す変形例8においては粘着剤層200Aa,200Baがない層構成であるが、この場合には粘着剤層200Bcに本実施形態の粘着剤を用いればよい。これらの場合には、本実施形態の効果に加え、上記第1の実施形態の効果や各変形例に固有の効果等をも得ることができる。
なお、上記第5の実施形態においては、無線タグTgに隣接する粘着剤層200Aa,200Baに所定の微速接着力を有する粘着剤を用いることにより第1テープ200Bと第2テープ200Aとの層間剥離の発生を防止するようにしたが、本願発明者等は、基材テープにカバーフィルム(被印字テープ)を貼り合わせてラベルを構成するいわゆるラミネートタイプのテープ構成である場合には、カバーフィルム103を接着するための粘着剤層200Bcに所望の微速接着力を有する粘着剤を用いることによっても、カバーフィルム103と粘着剤層200Bcとの層間剥離の発生を防止し、作成されたタグラベルの健全性を維持できることを見出した。以下、その詳細内容について、第6の実施の形態で説明する。
次に、本発明の第6の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
本実施形態のタグテープロール製造装置、基材テープ210及び基材テープロール215、これらを用いて作成される無線タグラベルT等の構成は、前述の第3の実施の形態の図37〜図41に示す構成と同様であるので説明を省略する。
上記基本構成において、本実施形態の特徴は、上述したように、カバーフィルム103を接着するための粘着剤層200Bcに所望の微速接着力を有する粘着剤を用いることによって、カバーフィルム103と粘着剤層200Bcとの層間剥離の発生を防止したことにある。以下、その詳細について説明する。
本願発明者等は、上記粘着剤層200Bcに対し、微速接着力が異なる種々の粘着剤を使用して層間剥がれの評価試験を行った。このときに用いた粘着剤の微速接着力の測定方法は、前述の第5の実施の形態と同様である。また、層間剥がれの評価方法は、粘着剤層200Bcに上記微速接着力が異なる複数の粘着剤をそれぞれ用いて24mm×24mmの略正方形形状に形成した各無線タグラベルTを、曲率φ8mmの曲面を有する円筒に貼り付け、1週間経過後におけるカバーフィルム103と粘着剤層200Bcとの層間剥がれを見ることにより行った。
図50(a)は上記評価試験結果を示す表であり、図50(b)はこの評価試験結果を示すグラフである。
この図50に示すように、微速接着力が1.8〜4.9(N/20mm)の粘着剤を用いた場合には、層間剥がれが生じその剥がれ量も大きいが、微速接着力が5.4(N/20mm)以上の粘着剤を用いた場合には、層間剥がれが生じた場合でも剥がれ量を小さく抑えることができる。また、微速接着力が8.2(N/20mm)以上の粘着剤を用いた場合には、層間剥がれが生じていない。
以上の結果から、本願発明者等は次の結論に想到した。すなわち、無線タグラベルTの通常の使用形態を考慮すれば、本評価試験における0.5mmの剥がれ量は許容範囲であることから、層間剥がれを防止できる微速接着力の下限値は上記5.4(N/20mm)に本願発明者等の経験による安全値を加えた6.0(N/20mm)である。一方、一般的に多層構造のラベルの作成に用いられる粘着剤の微速接着力は最大25.0(N/20mm)程度であり、本願発明者等が評価試験を行ったのも25.0(N/20mm)の微速接着力までであることから、微速接着力の上限値は25.0(N/20mm)である。したがって、微速接着力が6.0(N/20mm)以上25.0(N/20mm)以下である粘着剤を用いることにより、カバーフィルム103と粘着剤層200Bcとの層間剥がれを防止することができる。
また、上述したように微速接着力が8.2(N/20mm)以上の粘着剤を用いた場合には、層間剥がれが生じていないことから、本願発明者等の経験による余裕値を減じた8.0(N/20mm)以上であればさらに確実にカバーフィルム103と粘着剤層200Bcとの層間剥がれを防止することができる。
以上のような構成である本実施形態においては、粘着剤層200Bc、テープ基材層200Bb、粘着剤層200Ba、粘着剤層200Aa、テープ基材層200Ab、粘着剤層200Ac、セパレータ層(剥離紙)200Adからなる多層構造の基材テープ210において、上記粘着剤層200Acに、6.0[N/20mm]以上25[N/20mm]以下の微速接着力を備えた粘着剤を用いる。これにより、基材テープ210にカバーフィルム103を貼り合わせて作成された無線タグラベルTにおいて、カバーフィルム103と粘着剤層200Bcとを強固に接着することができ、これらカバーフィルム103と粘着剤層200Bcとの層間剥がれを防止することができる。このようにして、本実施形態によれば、基材テープ210を用いて生成された無線タグラベルTの健全性を維持することができる。
また、本実施形態では特に、粘着剤層200Acに、8.0[N/20mm]以上25[N/20mm]以下の微速接着力を備えた粘着剤を用いることにより、カバーフィルム103と粘着剤層200Bcとをさらに強固に接着することができ、これらカバーフィルム103と粘着剤層200Bcとの層間剥がれをより一層防止することができる。
また、本発明は、上記第6の実施形態で説明した層構成に限られるものではなく、その趣旨と技術思想の範囲を逸脱しない範囲でさらに種々の構成に対して適用可能である。例えば、前述の第1の実施形態の図2に示す層構成や、当該第1の実施形態において図5〜13、図15〜16、図23〜26、図31〜34に示した変形例1〜11,16〜19,24〜27の層構成としてもよい。これらの場合には、本実施形態の効果に加え、上記第1の実施形態の効果や各変形例に固有の効果等をも得ることができる。さらには、これらは無線タグTgを含むタグテープとして構成されているが、これに限られず、無線タグTgを有さない通常のラベル用テープに対しても適用可能である。
なお、以上説明した第1〜第6実施形態の他にも、本願発明者等は、タグ挿入器による無線タグの挿入時にアンテナ基材のテープ搬送方向前端部(貼り合わせ位置側端部)近傍を押し付けて取り付けることにより、第1テープと第2テープとの貼り合わせ時のしわの発生を抑制し、テープ、ロール又はラベルの健全性を維持できることを見出した。以下、その詳細内容について、第7の実施の形態で説明する。
次に、本発明の第7の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図51は、本実施形態のタグテープロール製造装置の全体概略構造を表す概念図であり、前述の図1等に対応する図である。
この図51において、本実施形態のタグテープロール製造装置は、第1テープ200Bと第2テープ200Aとが貼り合わせローラ225A,225Bによって貼り合わされる位置(所定の貼り合わせ位置)に搬送されて互いに貼り合わされる前に、第1テープ200Bに備えられた粘着剤層200Baに対し、無線タグTgに備えられるアンテナ基材160の少なくとも上記貼り合わせ位置側端部近傍(言い換えればテープ搬送方向前端部近傍)を押し付けることで、無線タグTgを所定間隔で取り付けるタグ挿入器226A(無線タグ供給装置)を有している。なお、タグテープロール製造装置のその他の構成、及び生成される基材テープ210及び基材テープロール215、これらを用いて作成される無線タグラベルT等の構成は、前述の第3の実施の形態の図37〜図41に示す構成と同様であるので説明を省略する。
図52は、上記タグ挿入器226Aによる無線タグTgの取り付けの様子を表す図51中P部の拡大図である。なお、この図においては煩雑防止のため無線タグTgのタグ側アンテナ152及びICチップ保持部材161の図示を省略している。また、以下、本実施形態で使用する図面においては、同様に適宜タグ側アンテナ152及びICチップ保持部材161の図示を省略する。
この図52において、タグ挿入器226Aは、第1テープ200Bに対し進退方向に移動可能な押圧部251を備えた図示しない押し付け器250(後述の図53等参照)を有している。この押し付け器250は、図示しないスタッカ280(後述の図53等参照)から1枚ずつ供給される無線タグTgを、押圧部251で第1テープ200Bの粘着剤層200Baに押し付ける。この際、押圧部251は、無線タグTgのアンテナ基材160(以下、適宜、単に「アンテナ基材160」と記載)の貼り合わせ位置側(図52中右側)端部近傍を押し付けるようになっている。
図53(a)〜(c)は、上記タグ挿入器226Aの押し付け器250による第1テープ200Bへの無線タグTgの取り付け手順を表す図である。
図53(a)に示すように、押し付け器250(押し付け手段)は、まず押圧部251をスタッカ280から供給される無線タグTgに押し付け、図示しないバキューム手段で吸引することにより無線タグTgを押圧部251に吸着させる。なおこのとき、押圧部251はアンテナ基材160の貼り合わせ位置側(図53中右側)端部近傍を吸着するようになっている。次に図53(b)に示すように、押し付け器250は押圧部251にアンテナ基材160を吸着させた状態でタグ取り付け位置に移動する。
この状態で、無線タグTgの取り付け位置となると、搬送ローラ219A(テープ搬送手段)の駆動が停止されて第1テープ200B(及び第2テープ200A。以下同様)のテープ搬送が停止される。そして、図53(c)に示すように、押し付け器250は押圧部251を第1テープ200B方向に移動させて、アンテナ基材160の貼り合わせ位置側端部近傍を第1テープ200Bの粘着剤層200Baに対し押し付ける。これにより、無線タグTgが第1テープ200Bに取り付けられる。その後は特に図示はしないが、バキューム手段による吸引を停止するとともに、押圧部251を第1テープ200Bから退かせて押圧部251による押し付けを解除し、搬送ローラ219Aの駆動が開始されて第1テープ200Bのテープ搬送が再開される。
なお、以上の搬送ローラ219Aによるテープ搬送・停止動作とタグ挿入器226Aの押し付け器250による無線タグTgの押し付け動作との連携制御は、コントローラ230(連携制御手段)によって行われる。
図54は上記スタッカ280の全体構造を表す斜視図である。
この図54において、スタッカ280(向き規制手段、収納部)は複数の無線タグTgを収納可能な収納容器であり、図示しない底部が上方に持ち上がることにより収納された無線タグTgを一枚ずつ上記押し付け器250に供給する。ここで、本実施形態の無線タグTgのアンテナ基材160にはその中心位置からずれた位置に孔162が穿設されており、スタッカ280はそのアンテナ基材160に設けられた孔162に挿通させるための突部281を有している。これにより、スタッカ280は無線タグTgの向きを所望の向きに規制して押し付け器250に供給することが可能であり、その結果、押し付け器250は無線タグTgを一定の向きで第1テープ200Bに取り付けることができるようになっている。
なお、この図54に示すように、本実施形態では押圧部251のテープ長手方向(図54中左右方向)の長さはアンテナ基材160の略半分程度となっており、また押圧部251のテープ幅方向(図54中奥行き方向)の長さはアンテナ基材160の幅方向長さとほぼ同程度となっている。これにより、押圧部251は、アンテナ基材160の貼り合わせ位置側(図54中右側)端部近傍を含む貼り合わせ位置側の約半分について、そのテープ幅方向一方側端部から他方側端部に到る全域を第1テープ200Bに押し付けることが可能な構成となっている。
以上のような構成である本実施形態においては、タグ挿入器226Aで、互いに貼り合わされる第1テープ200Bと第2テープ200Aとの間に無線タグ回路素子Toを配置したアンテナ基材160を有する無線タグTgを供給する。そして、これら第1テープ200Bと第2テープ200Aとが貼り合わせローラ225A,225Bによる貼り合わせ位置に搬送されて貼り合わされることで、基材テープ210が生成される。
このとき、本実施形態においては、第1テープ200Bに備えられた粘着剤層200Baに対し、タグ挿入器226Aの押し付け器250でアンテナ基材160の貼り合わせ位置側端部近傍を含む貼り合わせ位置側を押し付ける。これにより、図55(a)に示すように、アンテナ基材160の貼り合わせ位置側の端部を第1テープ200Bに対ししっかりと貼り付けることができる。その結果、図55(b)に示すように、アンテナ基材160の貼り合わせ位置側端部が粘着剤200Baから浮いてカール等が生じるのを防止できるので、貼り合わせ位置において第1テープ200Bと第2テープ200Aとが貼り合わされる際に基材テープ210にしわが発生するのを防止することができる。したがって、基材テープ210及びこれを巻回して生成された基材テープロール215の健全性を維持することができる。
また、本実施形態では特に、押し付け器250の押圧部251でアンテナ基材160のテープ幅方向一方側端部から他方側端部に到る全域を第1テープ200Bに押し付ける。これにより、アンテナ基材160のテープ幅方向全域を粘着剤層200Baに対ししっかりと貼り付けることができる。
また、本実施形態では特に、スタッカ280で無線タグTgの向きを所望の向きに規制して押し付け器250に供給する。これにより、押し付け器250は無線タグTgを一定の向きで第1テープ200Bに取り付けることができる。特に、前述した第4の実施形態や後述する変形例(6)の図62に示す場合のように、ICチップ保持部材161の中心位置がアンテナ基材160の中心位置に対しテープ長手方向にずらして配置された無線タグTgを取り付けるような場合には、無線タグTgの取り付け向きがテープ長手方向反対向きとなるとICチップ保持部材161が所望のずらし方向の反対方向にずれて無線タグTgが取り付けられることになるため、このような場合に特に有効であり、この場合でも確実に所望の方向にICチップ保持部材161をずらして配置した状態で無線タグTgを取り付けることができる。
なお、本発明は、上記第7の実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
(1)アンテナ基材の搬送方向全域を押し付ける場合
上記実施形態では、押し付け器250の押圧部251でアンテナ基材160の貼り合わせ位置側略半分(搬送方向前方側略半分)を押し付けるようにしたが、これに限られない。すなわち、例えば図56に示すように、押圧部251Aをアンテナ基材160の貼り合わせ位置側端部(図56中右端部)からそのテープ搬送方向反対側端部(図56中左端部)に到る全域を押し付けることが可能な大きさとし、この押圧部251Aを用いて無線タグTgを押し付けるようにしてもよい。
これにより、アンテナ基材160の貼り合わせ位置側端部からそのテープ搬送方向反対側端部に到るテープ搬送方向全域を粘着剤層200Baに対ししっかりと貼り付けることができる。その結果、アンテナ基材160の貼り合わせ位置側端部だけでなくその反対側端部についても粘着剤200Baからの浮き・カール等を防止できるので、貼り合わせ位置において第1テープ200Bと第2テープ200Aとが貼り合わされる際に基材210テープにしわが発生するのを確実に防止することができる。また、本変形例のように、アンテナ基材160のテープ搬送方向全域を押し付けるとともにテープ幅方向についても全域を押し付けることが可能な構成とすることで、アンテナ基材160の全面について粘着剤200Baからの浮き・カール等を防止できるので、貼り合わせ位置において第1テープ200Bと第2テープ200Aとが貼り合わされる際に基材テープ210にしわが発生するのをさらに確実に防止することができる。
(2)アンテナ基材を押し付けながらテープ搬送を再開する場合
上記実施形態では、押し付け器250の押圧部251でアンテナ基材160の貼り合わせ位置側端部近傍を第1テープ200Bの粘着剤層200Baに対し押し付け、その押し付けを解除した後に、第1テープ200Bのテープ搬送を再開するようにしたが、これに限られない。すなわち、例えば押し付けた状態で第1テープ200Bのテープ搬送を再開し、押圧部251をアンテナ基材160上で滑らせながらアンテナ基材160を第1テープ200Bの粘着剤層200Baに取り付けるようにしてもよい。
図57(a)〜(d)は本変形例におけるタグ挿入器226Aの押し付け器250による第1テープ200Bへの無線タグTgの取り付け手順を表す図である。
図57(a)に示すように、無線タグTgの取り付け位置になると、搬送ローラ219A(テープ搬送手段)の駆動が停止されて第1テープ200Bのテープ搬送が停止される。そして、図57(b)に示すように、押し付け器250は押圧部251を第1テープ200B方向に移動させて、アンテナ基材160の貼り合わせ位置側(図57中右側)端部近傍を第1テープ200Bの粘着剤層200Baに対し押し付ける。そして、バキューム手段による吸引を停止して押圧部251とアンテナ基材160との吸着を解除する。
次に図57(c)に示すように、押圧部251による押し付けを継続した状態(あるいは少し弱めにした状態でもよい)で、搬送ローラ219Aの駆動が開始されて第1テープ200Bのテープ搬送が再開される。これにより、押圧部251は押し付け状態のままアンテナ基材160上を滑る。そして、図57(d)に示すように、押圧部251がアンテナ基材160の貼り合わせ位置側と反対側(図57中左側)の端部に到達したときに、押圧部251を第1テープ200Bから退かせて押圧部251による押し付けを解除する。なおこのとき、テープ搬送を停止してもしなくてもどちらでもよい。これにより、無線タグTgが第1テープ200Bに取り付けられる。
なお、以上の搬送ローラ219Aによるテープ搬送・停止動作とタグ挿入器226Aの押し付け器250による無線タグTgの押し付け動作との連携制御は、コントローラ230(連携制御手段)によって行われる。
以上説明した変形例によれば、押し付け器250の押圧部251をアンテナ基材160に当接させた状態で、アンテナ基材160の貼り合わせ位置側からその反対側の端部まで滑らせることができる。その結果、アンテナ基材160の貼り合わせ位置側端部からその反対側端部に到る全域(すなわちテープ搬送方向全域)を粘着剤層200Baに対ししっかりと貼り付けることができる。したがって、アンテナ基材160の全面について粘着剤200Baからの浮き・カール等を防止できるので、貼り合わせ位置において第1テープ200Bと第2テープ200Aとが貼り合わされる際に基材テープ210にしわが発生するのを確実に防止することができる。
(3)前端と後端でアンテナ基材を押し付ける場合
上記実施形態では、押し付け器250の押圧部251でアンテナ基材160の貼り合わせ位置側端部近傍を第1テープ200Bの粘着剤層200Baに対し押し付け、その押し付けを解除した後は再度の押し付けを行わずに第1テープ200Bと第2テープ200Aとの貼り合わせを行うようにしたが、これに限られない。すなわち、例えばテープ搬送によりアンテナ基材160の貼り合わせ位置側と反対側の端部に到達したら再度押し付けを行うようにしてもよい。
図58(a)〜(f)は本変形例におけるタグ挿入器226Aの押し付け器250による第1テープ200Bへの無線タグTgの取り付け手順を表す図である。
図58(a)に示すように、無線タグTgの取り付け位置になると、搬送ローラ219A(テープ搬送手段)の駆動が停止されて第1テープ200Bのテープ搬送が停止される。そして、図58(b)に示すように、押し付け器250は押圧部251を第1テープ200B方向に移動させて、アンテナ基材160の貼り合わせ位置側(図58中右側)端部近傍を第1テープ200Bの粘着剤層200Baに対し押し付ける。
次に、図58(c)に示すように、バキューム手段による吸引を停止するとともに、押圧部251を第1テープ200Bから退かせて押し付けを解除する。そして、図58(d)に示すように、搬送ローラ219Aの駆動が開始されて第1テープ200Bのテープ搬送が再開され、押圧部251がアンテナ基材160の貼り合わせ位置側と反対側(図58中左側)の端部に到達したときに、テープ駆動を停止する。
その後、図58(e)に示すように、押圧部251を第1テープ200B方向に移動させて、アンテナ基材160の貼り合わせ位置側と反対側(図58中左側)端部近傍を第1テープ200Bの粘着剤層200Baに対し押し付ける。そして、図58(f)に示すように、押圧部251を第1テープ200Bから退かせて押し付けを解除する。これにより、無線タグTgが第1テープ200Bに取り付けられる。
なお、以上の搬送ローラ219Aによるテープ搬送・停止動作とタグ挿入器226Aの押し付け器250による無線タグTgの押し付け動作との連携制御は、コントローラ230(連携制御手段)によって行われる。
以上説明した変形例によれば、アンテナ基材160の貼り合わせ位置側端部及びその反対側端部を第1テープ200Bの粘着剤層200Baに対ししっかりと貼り付けることができる。その結果、アンテナ基材160の貼り合わせ位置側端部だけでなくその反対側端部についても粘着剤200Baからの浮き・カール等を防止できるので、貼り合わせ位置において第1テープ200Bと第2テープ200Aとが貼り合わされる際に基材テープ210にしわが発生するのを確実に防止することができる。
(4)粘着剤層との貼り付き防止を図った押圧部を用いる場合
上記実施形態では特に考慮しなかったが、押し付け器250の押圧部251でアンテナ基材160を第1テープ200Bの粘着剤層200Baに押し付けた際における、押圧部251の粘着剤層200Baに対する貼り付きを抑制可能な構成としてもよい。
例えば、図59に示すように、アンテナ基材160と当接する側の貼り合わせ位置側(図59中右側)端部の角が面取りされた押圧部251Bを用いるようにしてもよい。これにより、この押圧部251Bをアンテナ基材160の貼り合わせ位置側端部に当接させて粘着剤層200Baに押し付けた際に、押圧部251Bの貼り合わせ位置側端部の角が粘着剤層200Baに貼り付くのを防止することができる。また、この例では貼り合わせ位置側(図59中右側)端部の角のみを面取りした構成としたが、その反対側(図59中左側)端部の角についても面取りした構成としてもよい。さらには、テープ搬送方向(図59中左右方向)のみでなくテープ幅方向(図59中奥行き方向)両側端部についてもその角を面取りした構成としてもよい。これらの場合、押圧部251の各側の端部の角についても粘着剤層200Baに貼り付くのを防止することができる。なお、図59では角を平らに面取りした場合を例示したが、これに限られず曲面形状に面取りしてもよい。
また例えば、図60に示すように、少なくともアンテナ基材160と当接する側に剥離処理が施されたコーティング部252を有する押圧部251Cを用いるようにしてもよい。これにより、押圧部251Cをアンテナ基材160の貼り合わせ位置側端部に当接させて粘着剤層200Baに押し付けた際に、押圧部251Cの貼り合わせ位置側端部の角等が粘着剤層200Baに貼り付くのを抑制することができる。また、このようにコーティング部252を設けることにより、例えば前述の図57のように押圧部251をアンテナ基材160に当接させた状態で滑らせてテープ搬送を行う場合に、押圧部とアンテナ基材160との滑りを良くする効果もある。
(5)アンテナ基材の取り付け向きを規制する向き規制手段の変形例
上記実施形態では、スタッカ280が突部281を有しており、これにアンテナ基材160に設けられた孔162に挿通させることにより、無線タグTgの向きを所望の向きに規制して押し付け器250に供給することが可能な構成としたが、アンテナ基材160の向き規制手段としては他の構成も考えられる。
図61は本変形例のスタッカ280Aの全体構造を表す斜視図である。この図61に示すように、本変形例では無線タグTgのアンテナ基材160が少なくとも1つの角に面取り部163を有しており、スタッカ280A(向き規制手段、収納部)は、そのアンテナ基材160の面取り部163に係合可能な係合部282を有している。これにより、スタッカ280Aは無線タグTgの向きを所望の向きに規制して押し付け器250に供給することが可能であり、その結果、押し付け器250は無線タグTgを一定の向きで第1テープ200Bに取り付けることができるようになっている。
(6)IC回路部をアンテナ基材の貼り合わせ位置側に偏差配置する場合
上記実施形態では、IC回路部(本実施形態ではICチップ保持部材161)のアンテナ基材160に対する配置について特に触れなかったが、本願発明者等は、上記実施形態のようにタグ挿入器226Aによる無線タグTgの挿入時にアンテナ基材160のテープ搬送方向前端部(貼り合わせ位置側端部)近傍を押し付けて取り付ける場合には、IC回路部のアンテナ基材160に対する平面位置を適宜の位置に配置することによって、しわの発生の抑制効果を高めることができることを見出した。以下、その詳細について説明する。
図62は、無線タグ回路素子カートリッジ100において、基材テープ210を巻回した第1ロール102(基材テープロール215と同等)から基材テープ210が繰り出される様子を示す図であり、併せて本実施形態の無線タグTgにおけるアンテナ基材160に対するICチップ保持部材161の位置関係を表す無線タグTgの拡大図を示す、前述の図44に対応する図である。この図62において、前述の図44と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。
この図62において、本変形例では、距離Ha及び距離Hbの値が後述の図64に示す範囲内となるようにICチップ保持部材161がアンテナ基材160に対し偏差されて配置されている。すなわち、この図62に示すように、本変形例では前述の図44に示す場合と反対側、すなわち主にテープ繰り出し方向と反対側(ロール巻芯側)に、アンテナ基材160の中心位置160aとICチップ保持部材161の中心位置161aとが距離Hだけ偏差するように、ICチップ保持部材161がアンテナ基材160に対し配置されている。
本願発明者等は、上記実施形態のようにタグ挿入器226Aによる無線タグTgの挿入時にアンテナ基材160のテープ搬送方向前端部(貼り合わせ位置側端部)近傍を押し付けて基材テープ210を生成する条件の下で、上記アンテナ基材160のテープ長手方向寸法2L及びテープ幅方向寸法2Mが異なる複数の無線タグTgについて、上記距離Ha及び距離Hbの組み合わせを変更しつつアンテナ基材160の中心位置160aとICチップ保持部材161の中心位置161aとの距離Hを変更することにより、多数のケースについて、第1テープ200Bと第2テープ200Aとの貼り合わせ時におけるしわの発生の有無を評価した。なお、この評価試験は、図63(a)に示すように、ICチップ保持部材161がアンテナ基材160のロール巻回方向外周側により突出するように無線タグTgを配置した場合と、図63(b)に示すように、ICチップ保持部材161がアンテナ基材160のロール巻回方向内周側により突出するように無線タグTgを配置した場合との両方において行った。その結果、テープ長手方向寸法については上記距離Lに対する距離Haの割合が所定の範囲内であれば、テープ幅方向寸法については上記距離Mに対する距離Hbの割合が所定の範囲内であれば第1テープ200Bと第2テープ200Aとの貼り合わせ時(以下、適宜「テープ貼り合わせ時」と記載)のしわの発生を抑制できることを見出した。
図64は、上記評価試験結果を示す表である。なお、この表において、距離Lに対する距離Haの割合(Ha/L)が負の値である範囲は、前述したようにICチップ保持部材161が基材テープの繰り出し方向(図62中左方向)に距離Ha偏差して配置されている場合を指しており、Ha/Lが正の値である範囲は、ICチップ保持部材161が基材テープのロール巻芯方向(図62中右方向)に距離Ha偏差して配置されている場合を指している。また、距離Mに対する距離Hbの割合(Hb/M)については、前述したように上記Ha/Lと異なり、その値の範囲内でテープ幅方向一方側及び他方側の両側に距離Hb偏差して配置されている場合を含むものである。
この図64に示すように、テープ長手方向寸法については、上記距離Lに対する距離Haの割合(Ha/L)が、−0.2以上0.9以下(但し0は除く)の範囲内であれば、テープ貼り合わせ時における基材テープ210のしわの発生を最低限抑制することができる。また、上記Ha/Lが、0より大きく0.8以下の範囲内であれば、テープ貼り合わせ時における基材テープ210のしわの発生をより効果的に抑制することができる。さらに、上記Ha/Lが、0.2以上0.7以下の範囲内であれば、テープ貼り合わせ時における基材テープ210のしわの発生を最も効果的に抑制することができる。
なお、テープ幅方向についての結果は、前述の図46で示した結果と同等であり、上記距離Mに対する距離Hbの割合(Hb/M)が、0より大きく0.9以下の範囲内であれば、テープ貼り合わせ時における基材テープ210のしわの発生を最低限抑制することができる。また、上記Hb/Mが、0より大きく0.5以下の範囲内であれば、テープ貼り合わせ時における基材テープ210のしわの発生をより効果的に抑制することができる。さらに、上記Hb/Mが、0より大きく0.3以下の範囲内であれば、テープ貼り合わせ時における基材テープ210のしわの発生を最も効果的に抑制することができる。
さらに、上記結果は、ICチップ保持部材161がアンテナ基材160のロール巻回方向外周側及び内周側のどちらの側に突出するように無線タグTgを配置した場合においても適用可能な値であるが、本願発明者等は、特にICチップ保持部材161がアンテナ基材160のロール巻回方向外周側により突出するように無線タグTgを配置した場合の方が、ロール巻回時においてしわの発生の抑制効果がより大きいことを見出した。
以上のような構成である本変形例によれば、ICチップ保持部材161の中心位置161aが対応するアンテナ基材160の中心位置160aに対し、図64に示す条件を満たす所定距離Hだけ離れるように、ICチップ保持部材161をアンテナ基材160に対し配置することによって、しわの発生の抑制効果を得ることができる。この詳細について、次に述べる。
すなわち、本実施形態においては、各無線タグTgにおいて、ICチップ保持部材161の中心位置161aが対応するアンテナ基材160の中心位置160aに対し図64の条件を満たす所定距離H(距離Ha,Hb)だけ離れるように配置されている。これにより、ICチップ保持部材161をアンテナ基材160の貼り合わせ位置側端部近傍に位置させることが可能である。その結果、アンテナ基材160の貼り合わせ位置側端部部分のテープ厚さ方向の厚みが増大するので、当該端部近傍を押し付け器250の押圧部251で押し付けることで、アンテナ基材160の貼り合わせ位置側の端部を粘着剤層に対し上記実施形態よりもさらにしっかりと貼り付けることができる。したがって、しわ発生の防止効果をさらに高めることができる。
また、本実施形態によれば、例えばICチップ保持部材161のテープ繰り出し方向側端部のテープ長手方向位置が、アンテナ基材160のテープ長手方向中心位置よりも繰り出し方向と反対側(ロール巻芯方向側)に位置するように、ICチップ保持部材161をアンテナ基材160に対し配置することによっても、しわの発生の防止効果を得ることが可能である。これは、前述したように本願発明者等が用いたICチップ保持部材161の平面寸法は1.5mm×1.5mm〜2mm×3mm程度であり、アンテナ基材160の平面寸法は15mm×24mm〜18mm×44mm程度であることから、上記配置とすることにより、距離Lに対する距離Haの割合(Ha/L)を0より大きく0.8以下の範囲、又は0.2以上0.7以下の範囲とすることができるからである。
また、本実施形態では特に、ICチップ保持部材161をアンテナ基材160のロール巻回方向外周側により突出するように配置した場合をより好ましい構成とする。これは、前述の第4の実施形態で説明したように、ICチップ保持部材161(IC回路部151)をアンテナ基材160に対しロール巻回時に外周側となる側により突出するように配置することにより、曲率が比較的小さいロール外径側にICチップ保持部材161(IC回路部151)を配置することができ、その結果、ICチップ保持部材161(IC回路部151)の厚みによるテープ厚みの変化の影響を小さくすることができるからである。したがって、しわの発生の防止効果をさらに高めることができる。
また、本実施形態では特に、ICチップ保持部材161をアンテナ基材160のロール巻回方向内周側により突出するように配置した場合でも、しわの発生の防止効果を得ることができる。これも、前述の第4の実施形態で説明したことと同様の理由によるものであり、ICチップ保持部材161をロール巻回方向内周側に突出するように配置することにより、基材テープ210の径方向内側においてはICチップ保持部材161の厚みを覆うための余分な周長が必要となり、上記径方向内側の弛みの発生を防止することができるからである。
(7)その他
上記実施形態では、タグ挿入器226Aで無線タグTgを第1テープ200Bに取り付ける場合を例にとって説明したが、これに限られず、前述した図14等に示す場合のように、無線タグTgを第2テープ200A側(例えば粘着剤層200Aa)に取り付ける場合にも適用可能である。
また、本発明は、上記第7の実施形態で説明した層構成に限られるものではなく、その趣旨と技術思想の範囲を逸脱しない範囲でさらに種々の構成に対して適用可能である。例えば、前述の第1の実施形態の図2に示す層構成や、当該第1の実施形態において図5〜13、図15〜17、図19〜21、図23〜34に示した変形例1〜27の層構成としてもよい。この場合、無線タグTgを、前述の図63(a)に示すようにICチップ保持部材161がアンテナ基材160に対しロール巻回時に外周側となる側により突出する向きに配置するのが好ましい。これらの場合には、本実施形態の効果に加え、上記第1の実施形態の効果や各変形例に固有の効果等をも得ることができる。
また、以上既に述べた以外にも、上記各実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。