JP5051386B2 - 永久磁石モータ - Google Patents

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Description

本発明は、永久磁石式モータの改良に関する。
フェライトや希土類合金のような結晶磁気異方性材料を粉砕し、特定の磁場中でプレス成形を行って作製される異方性磁石は、スピーカ、モータ、計測器、その他の電気機器等に広く使用されている。このうち特にラジアル方向に異方性を有する磁石は、磁気特性に優れ、自由な着磁が可能であり、またセグメント磁石のような磁石固定用の補強の必要もないため、ACサーボモータ、DCブラシレスモータ等に使用されている。特に近年はモータの高性能化にともない、長尺のラジアル異方性磁石が求められてきた。
ラジアル配向を有する磁石は、垂直磁場垂直成形法又は後方押し出し法により製造される。垂直磁場垂直成形法は、プレス方向より、コアを介して磁場を対抗方向から印加し、ラジアル配向を得ることを特徴とするものである。即ち、垂直磁場垂直成形法は、図2に示されるように、配向磁場コイル2において発生させた磁場をコア4及び5を介して対抗させ、コアよりダイス3を通過し、成形機架台1を経て循環するような磁気回路にて、充填磁石粉8をラジアル配向させるものである。なお、図中6は上パンチ、7は下パンチである。
このように、この垂直磁場垂直成形装置において、コイルにより発生した磁界はコア、ダイス、成形機架台、コアとなる磁路を形成させている。この場合、磁場漏洩損失低下のため、磁路を形成する部分の材料には強磁性体を用い、主に鉄系金属が使われる。しかし、磁石粉を配向させるための磁場強度は、以下のようにして決まってしまう。コア径をB(磁石粉充填内径)、ダイス径をA(磁石粉充填外径)、磁石粉充填高さをLとする。上下コアを通過した磁束がコア中央でぶつかり対抗し、ダイスに至る。コアを通った磁束量はコアの飽和磁束密度で決定され、鉄製コアで磁束密度が20kG程度である。従って磁石粉充填内外径での配向磁場は、上下コアの通った磁束量を磁石粉充填部の内面積及び外面積で割ったものとなり、
2・π・(B/2)2・20/(π・B・L)=10・B/L…内周、
2・π・(B/2)2・20/(π・A・L)=10・B2/(A・L)…外周
となる。外周での磁場は内周より小さいので、磁石粉充填部すべてにおいて良好な配向を得るには、外周で10kOe以上必要であり、このため、10・B2/(A・L)=10となり、従って、L=B2/Aとなる。成形体高さは充填粉の高さの約半分で、焼結時、更に8割程度になるので、磁石の高さは非常に小さくなる。このようにコアの飽和が配向磁界の強度を決定するためコア形状により配向可能な磁石の大きさ即ち高さが決まってしまい、円筒軸方向に長尺品を製造することが困難であった。特に、径が小さな円筒磁石では非常に短尺品しか製造することができなかった。
また、後方押し出し法は設備が大掛かりで、歩留まりが悪く、安価な磁石を製造することが困難であった。
このようにラジアル異方性磁石は、いかなる方法においても製造が困難であり、安く大量に製造することは更に難しく、ラジアル異方性磁石を用いたモータも非常にコストが高くなってしまうという不利があった。
焼結磁石でラジアル異方性リング磁石を製造する場合、異方性化に伴い、焼結及び時効冷却過程において、磁石のC軸方向とC軸垂直方向との線膨張係数の差により発生する応力が磁石の機械的強度より大きい場合、割れやクラックが発生し問題となる。このため、R−Fe−B系焼結磁石では内外径比0.6以上の磁石形状でのみ製造が可能であった(日立金属技報Vol.6,p33〜36)。更に、R−(Fe,Co)−B系焼結磁石では、Feを置換したCoは合金組織中主相の2−14−1相に含まれるだけでなく、Rリッチ相中でR3Coを形成し、機械的強度を著しく低減する。しかもキュリー温度が高いため、冷却時のキュリー温度〜室温間におけるC軸方向及びC軸垂直方向の熱膨張率変化量も大きくなり、割れ、クラックの発生原因である残留応力が増大する。このためR−(Fe,Co)−B系ラジアル異方性リング磁石はCoの入らないR−Fe−B系磁石より更に形状制限が厳しく、内外径比0.9以上の形状でしか、安定した磁石生産が行えなかった。また、フェライト磁石、Sm−Co系磁石においても同じ理由により、割れ、クラックが発生し、安定生産できていない状態である。
ラジアル異方性化に伴う焼結及び時効冷却過程で発生する割れ又はクラックの原因となる周方向の残留応力は、フェライト磁石に関するKoolsの検討結果(F.Kools:Science of Ceramics.Vol.7,(1973),29−45)に示され、式(1)のように表される。
σθ=ΔTΔαEK2/(1−K2)・(KβKηK-1−Kβ-Kη-K-1−1) ‥‥‥(1)
σθ: 周方向の応力
ΔT: 温度差
Δα: 線膨張係数の差(α‖−α⊥)
E : 配向方向のヤング率
2 : ヤング率の異方性比(E⊥/E‖)
η : 位置(r/外径)
βk :(1−ρ1+K)/(1−ρ2K
ρ : 内外径比(内径/外径)
上記式のうち、割れ又はクラックの原因に最も大きな影響を与える項は、Δα:線膨張係数の差(α‖−α⊥)であり、フェライト磁石、Sm−Co系希土類磁石、Nd−Fe−B系希土類磁石では、結晶方向による熱膨張率の差(熱膨張異方性)はキュリー温度より発現し、冷却時の温度低下により増大する。このとき、残留応力が磁石の機械強度以上となり、割れに至る。
上記式による、配向方向と配向方向に垂直な方向における熱膨張の違いによる応力は、円筒磁石が、径方向にラジアル配向するがゆえに発生する。従って、一部がラジアル配向と異なる配向を有する円筒磁石を製造すれば割れが発生することはない。例えば、水平磁場垂直成形法によって作製された、円筒軸に垂直な一方向に配向された円筒磁石は、フェライト磁石、Sm−Co系希土類磁石、Nd−Fe(Co)−B系希土類磁石のどのタイプの磁石においても割れることはない。
個々のラジアル異方性磁石を用いずとも円筒磁石に多極着磁が行え、磁束密度が高く、かつ極間における磁束密度のばらつきが小さければ、高性能の永久磁石モータ用の磁石となりうる。水平磁場垂直成形法により円筒軸に垂直な一方向に配向させた磁石を、着磁のみを多極にすることにより、ラジアル異方性磁石を用いずに永久磁石モータ用円筒多極磁石を作製する方法が提案されている(電気学会マグネティクス研究会資料MAG−85−120、1985)。水平磁場垂直成形法により製造された、円筒軸に垂直な一方向に配向された磁石(以下、径方向配向円筒磁石と呼ぶ)は、プレス機のキャビティが許すかぎりの長尺化(50mm以上)に加えて多連プレスが行えるので、1度のプレスで多数個の成形体が得られ、高価なラジアル異方性磁石の代わりに廉価にモータ用円筒磁石を供給することができる。
しかし、実際には水平磁場垂直成形法により作製された径方向配向の円筒磁石に多極着磁を行った磁石は、配向磁場方向近傍の極では磁束密度が高く、配向磁場方向に垂直な極では磁束密度が小さいため、モータに組みモータを回転させると、極間の磁束密度のばらつきを反映したトルクむらが生じてしまい、実用に耐えうるモータ用磁石とはいえなかった。
この課題を解決するために、特許文献1では、水平磁場垂直成形法によって作製された、円筒軸に垂直な一方向に配向された円筒磁石における周方向の着磁極数が2n(nは1より大きく50より小さい正の整数)個のとき、この円筒磁石と組み合わせるステータの歯の数が3m(mは1より大きく33より小さい正の整数)個とする提案がなされている。特許文献2では、着磁極数がk(kは4以上の正の偶数)個のとき、この円筒磁石と組み合わせるステータの歯数が3k・j/2(jは1以上の正の整数)個とする提案がなされている。また、特許文献3では、円筒軸に垂直な一方向に配向された円筒磁石で角度をずらして段積みすることでトルクむらを軽減する提案がなされている。
しかし、特許文献1〜3とも、トルクむらは低減するものの、リング磁石内で径方向に配向した部分が少なく、同じ磁気特性を有するラジアル磁石に対し、モータにした際のトータルトルクが70%と小さく、実用化されていない。
特開2000−116089号公報 特開2000−116090号公報 特開2000−175387号公報 日立金属技報Vol.6,p.33−36 F.Kools:Science of Ceramics. Vol.7,(1973),p.29−45 電気学会マグネティクス研究会資料MAG−85−120,1985
従って、本発明の目的は、安価でかつ高性能の永久磁石モータを提供することにある
本発明は円筒状に形成され、ラジアル方向に対し30°以上傾いた方向に配向した部位を磁石体積の2%以上50%以下含有し、磁石体積の残りの部位がラジアル方向乃至ラジアル方向に対する傾きが30°未満に配向したものであることを特徴とする周方向に2n(nは2以上50以下の正の整数)の多極に着磁した異方性焼結磁石を提供する。また、かかる磁石を得る方法として、円筒磁石用成形金型のコアの少なくとも一部の材質に飽和磁束密度5kG以上を有する強磁性体を用い、金型キャビティ内に充填した磁石粉を水平磁場垂直成形法により磁石粉に0.5〜12kOeの磁場で配向磁界を印加して成形することを特徴とする異方性焼結磁石の製造方法を提供する。
即ち、本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意努力を重ねた結果、円筒磁石の径方向への配向を、全体的にラジアル配向とし、一部分意図的に乱すことで、焼結・時効時の冷却過程において、割れ・クラックの発生のない安定した生産を実現でき、尚且つモータに組み込んだ際、大きなトルクを得ることができることを見出したものである。
本発明によれば、磁場が均一で内外径比の小さな形状においても、焼結及び時効冷却時の割れ、クラックのない、優れた磁石特性を有するR−Fe(Co)−B系異方性焼結磁石を安定して生産でき、これはACサーボモータ、DCブラシレスモータ、スピーカ用磁石等の高性能化、ハイパワー化、小型化等に有用であり、特に、自動車用スロットルバルブ等に使用される径方向2極着磁磁石の生産においても有効であり、性能の優れた同期式磁石モータ用円筒磁石を安価かつ大量に供給することができる。
また、本発明は、上記製造方法として、金型キャビティ内に充填した磁石粉を水平磁場垂直成形法により磁石粉に配向磁界を印加して成形することにより、異方性焼結磁石を製造するに際し、金型キャビティ内に充填した磁石粉をコイルによる発生磁場方向に対し相対的に回転させる操作を、下記(i)〜(v)
(i)磁場印加中、磁石粉を金型周方向に所定角度回転させる、
(ii)磁場印加後、磁石粉を金型周方向に所定角度回転させ、その後再び磁場を印加する、
(iii)磁場印加中、磁場発生コイルを磁石粉に対し金型周方向に所定角度回転させる、
(iv)磁場印加後、磁場発生コイルを磁石粉に対し金型周方向に所定角度回転させ、その後再び磁場を印加する、
(v)磁場発生コイルを2対以上配置し、1対のコイルが磁場を印加した後、別のコイル対が磁場を印加する
の操作のうち少なくとも一の操作により行うことを特徴とする異方性焼結磁石の製造方法を提供する。ここで、充填磁石粉を回転させる際、コア、ダイス及びパンチのうち少なくとも1つを周方向に回転させることで充填磁石粉を回転せしめることができる。また、磁場印加後充填磁石粉を回転させる際、強磁性コア又は磁石粉の残留磁化の値が50G以上であり、コアを周方向に回転させることで磁石粉を回転せしめることができる。
この発明によれば、生産性が低く高価なラジアル異方性磁石を用いずに、多連、長尺品が容易に生産可能で、磁場が均一で安価で大量に安定して供給できる、水平磁場垂直成形法で製造される径方向配向円筒磁石を用いて高性能の永久磁石モータを実現することができ、ACサーボモータ、DCブラシレスモータ等の高性能モータの低価格化に有用である。
本発明は、上記目的を達成するため、複数個のステータ歯を有するモータに異方性円筒磁石を組み込んでなる永久磁石モータにおいて、前記円筒磁石が、上記製造方法(円筒磁石用成形金型のコアの少なくとも一部の材質に飽和磁束密度5kG以上を有する強磁性体を用い、金型キャビティ内に充填した磁石粉を水平磁場垂直成形法により磁石粉に0.5〜12kOeの磁場で配向磁界を印加して成形すること)によって成形作製された異方性円筒磁石であって、周方向の着磁極数が2n(nは2以上50以下の正の整数)個のとき、この円筒磁石と組み合わせるステータの歯数が3m(mは2以上33以下の正の整数)個であり、かつ2n≠3mであることを特徴とする周方向に多極に着磁した永久磁石モータを提供する。この場合、円筒磁石における周方向の着磁極数がk(kは4以上の正の偶数)個のとき、この円筒磁石と組み合わせるステータの歯数が3k・j/2(jは1以上の正の整数)個であることが好ましく、また、円筒磁石のN極とS極との境界がラジアル方向に対し30°以上傾いた方向に配向した部位の中央部に対し、10°以内にあることが好ましい。更に、円筒磁石のスキュー角度が円筒磁石の1極分の角度の1/10〜2/3で、多極スキュー着磁するのが好ましく、特にステータ歯のスキュー角度が円筒磁石の1極分の角度の1/10〜2/3のスキュー歯をもつことが好ましい。
本発明によれば、性能の優れた同期式磁石モータに用いる円筒磁石を、特に長尺でかつ廉価で大量に供給することができる。
本発明は、上記製造方法(円筒磁石用成形金型のコアの少なくとも一部の材質に飽和磁束密度5kG以上を有する強磁性体を用い、金型キャビティ内に充填した磁石粉を水平磁場垂直成形法により磁石粉に0.5〜12kOeの磁場で配向磁界を印加して成形すること)によって成形作製された異方性円筒磁石の複数個を軸方向に2段以上積み重ねてなることを特徴とする多段長尺多極着磁円筒磁石ロータを提供する。この場合、円筒磁石の積み重ね数をi(iは2以上10以下の正の整数)とするとき、各円筒磁石の配向磁場方向と同一方向を180/i°の角度だけずらしてi個積み重ねることが好ましく、また、多極着磁の極数をn(nは4以上50以下の正の整数)とするとき、積み重ね数iと極数nとがi=n/2の関係にあることが好ましい。更に、円筒磁石の外周面にn(nは4以上50以下の正の整数)極の多極着磁を行うに際し、1極の角度を360/n°とし、この角度の1/10〜2/3の角度でスキュー着磁されてなることが好ましい。本発明は、上記多段長尺多極着磁円筒磁石ロータを用いた永久磁石式モータをも提供する。
即ち、上記構成とすることにより、極間の磁束密度のばらつきを大きく軽減し、高トルクでトルクむらのないスムーズな回転を実現できるモータ用磁石、即ち、多段長尺多極着磁円筒磁石ロータ及びこれを用いた永久磁石式モータの製造を可能としたものである。
本発明の異方性焼結磁石は、内外径比の小さな形状においても焼結及び時効冷却時の割れ、クラックのない優れた磁石特性を有する。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明に係る異方性焼結磁石は、円筒磁石であって、全体的にはラジアル方向(径方向)に配向され、但し、磁石体積の2%以上50%以下の部位がラジアル方向に対し30°以上90°以下配向するようにしたものである。
本発明の異方性焼結磁石は、このようにラジアル方向に対し30〜90°傾いた方向に配向された部位が磁石体積の2〜50%であるものである。
即ち、上述した式(1)で示される応力は、径方向にラジアル配向した周方向への連続体、つまり、円筒磁石であるがゆえに発生する。従って、一部分連続的な配向が阻害されれば応力は減少する。そこで、ラジアル方向に対し30°以上傾いた方向に配向した部位を磁石体積の2%以上50%以下含有せしめることにより、割れずに生産できる磁石である。30°以上傾いた部分が2%より小さい場合、割れを防ぐ効果が小さく、30°以上傾いた部分が50%より多い場合は、モータ用ロータとした際のトルク不足を招き実用的でない。より好ましくは30°以上傾いた部分を5〜40%、更に好ましくは10〜40%含有することがよい。
なお、残りの磁石体積部位、即ち50〜98%、より好ましくは60〜95%の磁石体積の部分は、ラジアル方向乃至ラジアル方向に対する傾きが30°未満であるように配向せしめられているものである。
図1は、円筒磁石の成形時、磁場中配向を行うための水平磁場垂直成形装置の説明図であり、特にモータ用磁石の水平磁場垂直成形装置である。ここで、図2の場合と同様、1は成形機架台、2は配向磁場コイル、3はダイスを示し、また5aはコアを示す。6は上パンチ、7は下パンチ、8は充填磁石粉であり、また9はポールピースを示す。
本発明においては、上記コア5aの少なくとも一部、好ましくは全体を飽和磁束密度5kG以上、好ましくは5〜24kG、更に好ましくは10〜24kGの強磁性体にて形成する。かかるコア材質としては、Fe系材料、Co系材料及びそれらの合金材料等の素材を用いた強磁性体が挙げられる。
このように、飽和磁束密度5kG以上有する強磁性体をコアに使用すると、磁石粉に配向磁界を印加する場合、磁束は強磁性体に垂直に入ろうとするためラジアルに近い磁力線を描く。従って、図3aに示されるように、磁石粉充填部の磁界方向をラジアル配向に近づけることができる。これに対し、従来はコア5b全体を非磁性又は磁石粉と同等の飽和磁束密度を有した材料を用いており、この場合、磁力線は図3bに示したように、互いに平行で、図において中央付近はラジアル方向であるが、上側及び下側に向うにつれてコイルによる配向磁場方向となる。コアを強磁性体で形成してもコアの飽和磁束密度が5kG未満の場合、コアは容易に飽和してしまい、強磁性コアを用いたにもかかわらず、磁場は図3bに近い状態となる。加えて、5kG未満では充填磁石粉の飽和密度(磁石の飽和磁束密度×充填率)と等しくなり、充填磁石粉及び強磁性コア内での磁束の方向はコイルの磁界方向に等しくなってしまう。
また、コアの一部に5kG以上の強磁性体を用いた際も上記と同様な効果が得られ有効であるが、全体が強磁性体であることが好ましい。一部(中央部)が強磁性体及び外周部が弱い強磁性体(WC−Ni−Co系)である一例を図4に示す。図4において、5a’は弱い強磁性体超硬合金部、11はパーメンジュールを示す。
上記方法によると、円筒磁石内の径方向でのラジアル配向に対する乱れは、配向磁場方向に垂直な部分のみの配向の乱れとなるため、着磁後、各極の磁束量減少はわずかに抑えることができ、モータのトルクむら及びトルク劣化のないモータロータ用円筒磁石を製造することができる。
また、上記のように成形を行う際、水平磁場垂直成形装置で発生する磁場は0.5〜12kOeであることが好ましい。このように水平磁場垂直成形装置で発生する磁場を定めた理由としては、磁場が大きい場合、図3aのコア5aが飽和してしまい、図3bに近い状態になり、円筒磁石の磁場垂直方向での配向がラジアル配向とはならなくなるため、磁場は12kOe以下が好ましい。強磁性コアを用いると磁束がコアに集中するため、コア周辺では、コイルによる磁場より大きな磁場が得られる。しかし、磁場があまり小さいと、コア周辺においても配向に十分な磁場が得られなくなるため、0.5kOe以上が好ましい。前述のように強磁性体周辺では磁束が集まり、磁場が大きくなるため、ここでいう水平磁場垂直成形装置で発生する磁場とは、強磁性体から十分に離れた場所における磁場又は強磁性コアを取り除いて測定したときの磁場の値を意味する。従って、更に好ましくは1〜10kOeであることがよい。
更に、本発明においては、図2に示したような垂直磁場垂直成形装置において、円筒磁石用成形金型のダイス材に非磁性体をトータル角度20°以上180°以下、特に30〜120°の領域に亘り少なくとも1つ以上配することが好ましい。
図5は垂直磁場垂直成形装置における円筒磁石用成形金型のダイス材に非磁性体(例えば非磁性超硬材等)10を、角度θ=30°の領域(ダイス円筒360°のうち30°にあたる領域)で対称に2個配した垂直磁場垂直成形装置を示す。なお、非磁性体近傍の磁力線は強磁性体に向かって曲げられる。特に非磁性体と強磁性体の境に存在する強磁性体エッジの方向に曲げられる。磁石粉は曲げられた磁力線の方向に配向するため、求める磁石が得られる。このときの非磁性体配置角度が20°未満であると磁力線が曲げられる効果が小さく、加えて配向方向が径方向に対し30°以上傾いた領域が少なくなり、割れを抑える効果が小さい。また、180°より大きい場合はラジアル配向が阻害され、目的にたる磁石とはならない。
この場合、図5において、1は成形機架台、3はダイス、4はコア、8は充填磁石粉であることは、図2の場合と同様である。また、ダイス3における上記非磁性体10以外の材質は、5kG以上の強磁性体にて形成する。更に、コア材は10kG以上の強磁性体にて形成することができる。
ところで、金型のコア5aの少なくとも一部、好ましくは全体を飽和磁束密度5kG以上の強磁性体で形成し、上記のように水平磁場垂直成形を行う場合、なお、この方法では、コイルによる配向磁場方向に対し90°である方向では、ラジアル配向とならない場合がある。磁場中に強磁性体がある場合、磁束は強磁性体に垂直に入ろうとし強磁性体に引き寄せられるため、強磁性体の磁場方向面では磁束密度が上昇し、垂直方向では磁束密度が低下する。このため、金型内に強磁性コアを配した場合、充填磁石粉において強磁性コアの磁場方向部では強い磁場により良好な配向が得られ、垂直方向部ではあまり配向しない。これを補うために磁石粉をコイルによる発生磁場に対し相対的に回転させ、不完全配向部を磁場方向の強い磁場部で再度配向することで良好な磁石が得られる。
ここで、磁石粉をコイルによる発生磁場に対し、相対的に回転させる方法としては、下記(i)〜(v)
(i)磁場印加中、磁石粉を金型周方向に所定角度回転させる、
(ii)磁場印加後、磁石粉を金型周方向に所定角度回転させ、その後再び磁場を印加する、
(iii)磁場印加中、磁場発生コイルを磁石粉に対し金型周方向に所定角度回転させる、
(iv)磁場印加後、磁場発生コイルを磁石粉に対し金型周方向に所定角度回転させ、その後再び磁場を印加する、
(v)磁場発生コイルを2対以上配置し、1対のコイルが磁場を印加した後、別のコイル対が磁場を印加する
の操作のうち少なくとも一の操作を一回又は繰り返して複数回行うものである。
なお、充填磁石粉の回転については、図6で示すように磁石粉をコイルによる発生磁場方向に対し、相対的に回転できれば、コイル2、コア5a、ダイス3、パンチ6、7のいずれかを回転させてもよい。このうち特に、磁場印加後、充填磁石粉を回転させる際、強磁性コア又は磁石粉の残留磁化を50G以上、特に200G以上存在させておけば、磁石粉は強磁性コアとの間に磁気的な吸引力が発生するため、強磁性コアを回転させるだけで磁石粉も回転させることができる。
回転角度については適宜選定されるが、当初の位置を0°とした場合、好ましくは10〜170°、特に60〜120°の範囲、典型的には90°前後で、磁場印加中に回転させる場合は、徐々に所定角度回転させ、磁場印加後に回転させる場合は、所定角度回転させた後に再度磁場を印加するものである。
本発明は、上記のように成形するものであるが、それ以外は通常の垂直成形法により磁石粉に配向磁界を印加して、一般的な成形圧0.5〜2.0t/cm2で成形し、更に焼結、時効処理、加工処理等を施し、焼結磁石を得ることができる。
なお、磁石粉としては、特に制限されるものではなく、Nd−Fe−B系の円筒磁石を製造する場合に好適であるほか、フェライト磁石、Sm−Co系希土類磁石、各種ボンド磁石等の製造においても有効であるが、いずれも平均粒径0.1〜100μm、特に0.3〜50μmの合金粉を用いて成形するものである。
本発明においては、このようにして得られた円筒磁石に対し、その外周面を多極着磁する。ここで、図7は、着磁機22を用いて円筒磁石21の着磁を行う様子を示している。なお、符号23は着磁機磁極歯であり、符号24は着磁機コイルである。
本発明による水平磁場垂直成形にて製造されるラジアルライクな径方向配向円筒磁石を図7の着磁機にて6極着磁を行った際の表面磁束密度を図11に示す。また、図12は従来の製法で作られた径方向配向円筒磁石に図7の着磁機により6極着磁を行った際の表面磁束密度図である。従来の水平磁場垂直成形法により径方向配向円筒磁石を作製し、配向磁場方向がN、S極となるように6極着磁を行うと、配向方向のA、Dでは表面磁束密度が大きく、配向方向と90°の角度をなす方向に近いB、C、E、Fの配向方向では小さな表面磁束密度となる。そればかりか、同じ角度幅を持つ着磁機具を用いて着磁を行ったにもかかわらず、着磁幅は方向により大きく異なる。これに対し、本発明品では、B、C、E、Fのピーク値において上昇がみられ、表面磁束が0となるところでの着磁幅もほぼ一定となる。しかし、表面磁化が、ピークの位置でA、Dに比べB、C、E、Fはとがった形状となっている。磁束量はピーク面積が大きいほど大きいので、A、Dに比べB、C、E、Fは小さくなってしまう。各極間における磁束量のばらつきはモータに組みこまれた際の回転むらになり、振動、騒音の原因となる。従って、この各極間の磁束量のばらつきを低減することで、むらの無いスムーズな回転が行える。
図10は、9個のステータ歯(ステータティース)を有する3相モータの平面図を示したものである。3相モータ30はα、β、γのステータ歯31がα、β、γの順に配列し、その配線がステータ歯をコイル状に巻きながらつながり、U、V、W相としてモータの入力線となる。このU、V、W相に電流を流してコイル32に磁場を発生させ、コイルによる磁場と円筒磁石21との間に働く斥力及び引力によりモータは回転する。U−V、V−W、W−Uはそれぞれ総ステータ歯数の1/3の数の歯を周っており、U−Vに電流が流れるとステータコアのαより磁場が発せられ、同様にV−Wによりβ、W−Uによりγにそれぞれ磁場が発生する。図10は、このような歯数9個のステータを有する3相モータに、6極に着磁を行った径方向配向円筒磁石21を組み込んだものである。なお、図中33はモータロータ軸である。
図中において、U−V(α)が磁石の極の中心に位置し、モータトルクのピークとなる。この際、U−V(α)と作用し、回転力を生じる極はA、C、E極であり、A極は配向磁場方向極であり、磁束量が大きく、C及びEは配向磁場方向とはずれた角度に位置する極であり、磁束量は小さい。次に、磁石が回転し、U−V(α)にD、F、B極が近づく。D極は配向磁場方向の極であり、磁束量が大きく、F及びBは配向磁場方向とはずれた角度に位置する極であり、磁束量は小さい。しかし、磁石極数6の3/2倍の9個の歯を有するがために、U−V(α)のコイルに鎖交する磁束量はA、C、E極分合わせたものとD、F、B極分合わせたものでは常に等しくなる。この関係はV−W(β)、W−U(γ)においても同様である。この場合、円筒磁石における着磁極数がk(kは4以上の正の偶数)個のとき、この円筒磁石と組み合わせるステータの歯数が3k・j/2(jは1以上の正の整数)個であることがよく、特に上記のように、磁石の極とモータのステータの歯数の組み合わせを磁石極数k=6、歯数3k・j/2=9(k=6、j=1)の組み合わせとすることで、磁石に配向磁場方向の極と配向磁場方向からずれた極が存在し、磁束量にばらつきがある円筒磁石においても、磁束ばらつきが緩和され、回転むらのないモータを得ることができる。なお、kは好ましくは50以下、更に好ましくは40以下の偶数であり、jは好ましくは10以下、更に好ましくは5以下の整数である。極数kが多くなりすぎると、1極の幅が小さくなり、配向磁場方向に垂直方向では極が明確にならない場合がある。
このうち磁石極数2n(nは2以上50以下の正の整数)に対し、ステータ歯数を3m(mは2以上33以下の正の整数)とした際に、常に上記関係が維持され、回転むらのないモータを得ることができる。但し、2n≠3mである。特に、径方向配向円筒磁石に多極着磁を行い、ステータ歯数を着磁極数の3n倍としたものは、特に回転むらのない優れたモータ特性を有するモータを生産できる。
本発明に係る円筒磁石に多極着磁を行ったものは、ラジアル異方性リング磁石に多極着磁を行った場合に比べ、極間付近の着磁性及び磁気特性が低いので磁束密度の極間部の変化が滑らかであり、モータのコギングトルクは小さいが、スキュー着磁又はステータ歯にスキューを施すことで、更にコギングトルクを低減することができる。円筒磁石及びステータ歯のスキュー角度が、円筒磁石1極分の角度の1/10未満であるとスキュー着磁によるコギングトルク低下の効果が小さく、円筒磁石1極分の角度の2/3より大きいとモータのトルクの低下が大きくなるため、スキュー角度は円筒磁石1極分の角度の1/10〜2/3の角度が好ましく、特に1/10〜2/5の角度が好ましい。
なお、本発明の永久磁石モータは、上記した構成とする以外は、公知の構成として製造し得る。
この場合、図7は円筒磁石の配向方向を図8に対し90°回転させて着磁を行ったものであるが、図9に示されるように、円筒磁石のN極とS極の境界がラジアル方向に対し±30°以上傾いた方向に配向した部位の中央部40に対し、±10°以内にあることが好ましい。そして、このように設定したN極とS極との境界から周方向に互いに等間隔ずつ離間してN極とS極との境界を設けるように、周方向に多極に着磁することが好ましい。一方、図8による着磁に比べ、図7による着磁は、ラジアル方向からずれた部位を4極(片側2極ずつ)で分担するため、コギングが少なく、トルクが上昇する。
また、図8は、円筒磁石の配向方向を図7に対して90°回転させて着磁を行う様子を示す着磁模式図である。図7に対して配向方向を90°回転させて6極着磁を行った図8に示されるものは、配向磁場方向付近のB、C、E、F極からは比較的大きな磁束量が得られ、A、D極の配向方向に垂直な方向の部分では磁束量は小さくなる。図7及び8にて着磁した磁石を2段積みして90°ずらして着磁してモータ用ロータ磁石とすると、図7で着磁した大きな磁束量のA、Dが図8で着磁した場合は少ない磁束量となるため、合わせると図7での着磁ではやや小さな磁束量であるが、図8での着磁では比較的大きな磁束量が得られるB、C、E、F極とほぼ同じ磁束量となる。このため、各極間の磁束量のばらつきを低減することで、むらの無いスムーズな回転が行える。
同様に、水平磁場垂直成形装置にて製造されるラジアルライクな配向を有する円筒磁石を輪切りして円筒軸方向に2等分割し、一方に対しもう片方を徐々に回転させて段積みを行い、はじめは図7の配置で着磁されるが、徐々に向きが変わり、90°回転後は図8の配置での着磁となる。これを次々に90°まで回転させて段積みし、その後着磁をしていくと、A、D極では回転角が増えるにつれ徐々に総磁束量が減少し、B、C、E、F極では総磁束量は増加する。
このように該成形機にて製造されるラジアルライクな径方向配向円筒磁石を、軸方向に2段以上積み重ねて多極着磁を行うことにより、各極間の磁束量のばらつきを低減することができ、モータとして用いた際のトルクむらを抑えることができる。なお、積層数の上限は特に制限はないが、10段程度が好ましい。
分割した磁石の配向方向を相対的に所定の角度回転させて多段(2段以上)積みして多極着磁することにより、配向方向とこれに垂直な方向との磁束量のばらつきを均一化し、極間の磁束量のばらつきを低減させることができる。このとき、積み重ねる各磁石の配向方向を180/i°(iは積み重ね数)だけ角度をずらして積み重ね、多極着磁を行うことが好ましい。
また、分割数は配向方向を各極に均一に分布させるために、i=n/2段(nは極数)とすることで、配向方向の磁束量の多い部分と、これに垂直な方向で磁束量の少ない部分とをそれぞれ各極に均一に分布でき、これを180/i°だけ角度をずらして積み重ね、多極着磁することで各極の総磁束量を等しくすることができる。
なお、nは4〜50の正の整数で、nが多くなると着磁極間が狭くなり、十分な着磁が困難となるので、nは特に4〜30が好ましい。
また、iは2〜10の正の整数で、iが大きく積み重ね数が多くなると、コストが高くなるので、特に2〜6が好ましい。
水平磁場垂直成形装置により一方向異方性を有する円筒磁石に多極着磁を行ったものは、ラジアル異方性リング磁石に多極着磁を行った場合に比べ、極間付近の着磁性及び磁気特性が低いので磁束密度の極間部の変化が滑らかであり、モータのコギングトルクは小さい。なお、磁石をスキュー着磁するか、ステータ歯にスキューを施すことで更にコギングトルクを低減することができる。
スキュー角度は、磁石ステータともに磁石1極分(360/n°)の角度の1/10以下であると、スキュー着磁によるコギングトルク低下の効果が小さく、2/3より大きいと、モータのトルクの低下が大きくなるため、スキュー角は、磁石1極分の角度の1/10〜2/3の角度が好ましい。
本発明の永久磁石式モータは、例えば図10に示したように、モータ、特に複数個のステータ歯を有するモータにロータとして上記の多段長尺多極着磁円筒磁石ロータを組み込めばよく、この場合、該ステータ歯を有するモータの構成は公知のものとすることができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
それぞれ純度99.7重量%のNd、Dy、Fe、Co、M(MはAl、Si、Cu)と純度99.5重量%のBを用い、Nd29Dy2.5Fe64Co31Al0.2Cu0.1Si0.2の合金を真空溶解炉で溶解鋳造してインゴットを作製した。このインゴットをジョウクラッシャー及びブラウンミルで粗粉砕し、更に窒素気流中ジェットミル粉砕により平均粒径3.5μmの微粉末を得た。この粉末を飽和磁束密度20kGの強磁性体(S50C:Fe鋼)コアを配置した水平磁場垂直成形装置にて8kOeの磁場中において0.5t/cm2の成形圧にて成形した。このとき、磁石粉の充填密度は25%であった。この成形体はArガス中1090℃で1時間焼結を行い、引き続き580℃で1時間の時効熱処理を行った。その後加工を行い、φ30mm×φ25mm×L30mmの円筒磁石を得た。上記円筒磁石を図7の着磁機にて6極着磁し、着磁後の磁石を磁石と同一高さの図10に示す構成のステータ内に組み込んだモータを作製した。磁石内径にはモータ軸となる強磁性コアが挿入接着されている。銅細線を各歯それぞれ150ターン巻きとした。モータを1000rpmで回転させた際の誘起電圧及び同モータを1〜5rpmで回転させた際の荷重計によるトルクリップルの大きさを測定した。
[実施例2]
図8の着磁配置により着磁した以外は実施例1と同様にして得た磁石を同様にモータに組み込んだ際の誘起電圧とトルクリップルの大きさを測定した。結果を表1に示す。
[実施例3]
コア断面積の60%の面積を占める飽和磁束密度18kGの強磁性体(SK5:Fe鋼)をコア外周と同心円状に配置し、残りは非磁性体材で作成したコアを用い、その他は実施例1と同様にして作製した円筒磁石をモータに組み込み、モータ特性を測定した。
[実施例4]
実施例1と同じ成形機を用い、発生磁場を6kOeとし、他は実施例1の条件で磁石を作製し、モータに組み込みモータ特性を測定した。
[比較例1]
実施例1と同様の磁石粉を用い、図2に示される垂直磁場垂直成形装置を用い、コイルの発生磁界20kOeで磁石粉充填深さ30mmとし、磁場中成形後の成形体を下方に移動させ、成形体の上に先ほどと同様に30mm磁石粉を乗せ、磁場中成形後の磁石を実施例1と同様の条件で焼結時効を行い、φ30mm×φ25mm×L30mmの円筒磁石を得た。これをモータに組み込みモータ特性を測定した。
[比較例2]
非磁性体(非磁性超硬材WC−Ni−Co)をコア材に用いた以外は、実施例1と同じ条件で磁石を作製し、モータに組み込みモータ特性を測定した。
[比較例3]
飽和磁束密度2kGの強磁性体(磁性超硬材WC−Ni−Co)コアを配置した成形機にて、他は実施例1と同じ条件で磁石を作製し、モータに組み込みモータ特性を測定した。
[実施例5]
図5に示すように、非磁性体(非磁性超硬材WC−Ni−Co)をダイス内角度30°の部分で2個対称になるように配置し(トータル60°)、その他は比較例1と同様な条件で磁石を作製し、同様にモータ特性を測定した。
偏光顕微鏡観察により、ラジアル配向に対し、30°以上傾いた部分の体積(配向乱れ体積)を算出し、表2に示す。また、これらの円筒磁石をそれぞれの条件で100個製造した際の割れの数もあわせて記載する。
表2より、実施例は大きな起電力が得られ、かつトルクリップルが小さく、クラックの発生がないためモータ用磁石として優れた特性を有する磁石の量産化に有効である。
また、実施例4の条件で作製した磁石を偏光顕微鏡観察した結果を図13、14、15に示す。即ち、図13、14、15は強磁性材をコアとして用いた水平磁場垂直成形装置により作製された磁石において、配向磁場方向に対し、30°方向、60°方向、90°方向での磁石の配向の様子を示したもので、これらからわかるように本発明による円筒磁石では、配向磁場方向に対し60°方向で初めてラジアル方向とのずれが30°となり、これより30体積%で30°以上ずれていることがわかる。
[実施例6〜9、参考例1]
それぞれ純度99.7重量%のNd、Dy、Fe、Co、M(MはAl、Si、Cu)と純度99.5重量%のBを用い、Nd29Dy2.5Fe63.8Co31Al0.3Si0.3Cu0.1の合金を真空溶解炉で溶解鋳造してインゴットを作製した。このインゴットをジョウクラッシャー及びブラウンミルで粗粉砕し、更に窒素気流中ジェットミル粉砕により平均粒径3.5μmの微粉末を得た。この粉末を図1に示すような飽和磁束密度20kGの鉄製の強磁性体コアを配置した水平磁場垂直成形装置にて、コイルの発生磁場4kOeの磁場中において配向させた後、実施例6として、コイルを90°回転させ、次いで同様に4kOeの磁場中において再び配向させ、1.0t/cm2の成形圧にて成形した。
実施例7としては、水平磁場垂直成形装置にてコイルの発生磁場4kOeの磁場中において配向させた後、ダイスとコア及びパンチを90°回転させ、次いで同様に4kOeの磁場中において再び配向させ、1.0t/cm2の成形圧にて成形した以外は実施例6と同様に成形した。
実施例8としては、水平磁場垂直成形装置にてコイルの発生磁場4kOeの磁場中において配向させた後、残留磁化4kGのコアを90°回転させた。このときの磁石粉の残留磁化は800Gであった。次いで同様に4kOeの磁場中において再び配向させ、その後、1.0t/cm2の成形圧にて成形した以外は実施例6と同様に成形した。
これらの成形体はArガス中1090℃で1時間焼結を行い、引き続き580℃で1時間の時効熱処理を行った。その後、加工を行い、φ24mm×φ19mm×L30mmの円筒磁石を得た。なお、本円筒磁石と同一磁石粉を用い、水平磁場垂直成形装置にて12kOeの磁場中において1.0t/cm2の成形圧にて成形し、Arガス中1090℃で1時間焼結を行い、引き続き580℃で1時間の熱処理をして本円筒磁石と同一条件で作製したブロック磁石の特性は、Br:12.5kG、iHc:15kOe、(BH)max:36MGOeであった。上記の円筒磁石を、図7に示す着磁機にて6極、20°でスキュー着磁し、着磁後の磁石を磁石と同一高さの図10に示す構成のステータ内に組み込んだモータを作製した。また、上記実施例のモータを5000rpmで回転させた際の誘起電圧及び同モータを5rpmで回転させた際の荷重計によるトルクリップルの大きさを測定した。更に、上記と同様に成形、焼結、熱処理して得た円筒磁石を図8の着磁機にて着磁し、モータに組み込んで、誘起電圧及びトルクリップルを測定した(実施例8a)。表3に誘起電圧の絶対値の最大及びトルクリップルの最大最小の差を示す。
実施例9として、実施例6と同じ水平磁場垂直成形装置を用い、12kOeの磁場中において90°回転させながら配向を行い、1.0t/cm2の成形圧にて成形した。他は実施例6と同様にして作製した磁石を用いたモータのモータ特性を測定した。
一方、参考例1として、実施例6において4kOeの磁場で配向させた際、回転させずそのまま磁界中1.0t/cm2の成形圧にて成形した。他は実施例6と同様にして作製した磁石を用いたモータのモータ特性を測定した。これらの結果を表3に示す。
表3より、参考例に対し実施例ではトルクに相応する誘起電圧が大きく改善されており、本発明がモータ用磁石の製造方法として優れた方法であることがわかる。
なお、実施例6の着磁後のロータ磁石の表面磁束を測定した結果は図11と同様の結果で各極が均一化しており、かつ極の面積が大きくなっており、実施例は大きな磁場が均一に発生できることがわかる。
[実施例10]
それぞれ純度99.7重量%のNd、Dy、Fe、Co、M(MはAl、Si、Cu)と純度99.5重量%のBを用い、Nd29Dy2.5Fe64Co31Al0.2Si0.2Cu0.1の合金を真空溶解炉で溶解鋳造してインゴットを作製した。このインゴットをジョウクラッシャー及びブラウンミルで粗粉砕し、更に窒素気流中ジェットミル粉砕により平均粒径3.5μmの微粉末を得た。この粉末を飽和磁束密度20kGのFe製の強磁性体コアを配置した図1に示す水平磁場垂直成形装置にて10kOeの磁場中において1.0t/cm2の成形圧にて成形した。この成形体はArガス中1090℃で1時間焼結を行い、引き続き580℃で1時間の熱処理を行った。その後加工を行い、φ30mm×φ25mm×L30mmの円筒磁石を得た。本円筒磁石と同一磁石粉を用い、水平磁場垂直成形装置にて10kOeの磁場中において1.0t/cm2の成形圧にて成形し、Arガス中1090℃で1時間焼結を行い、引き続き580℃で1時間の熱処理をして、本円筒磁石と同一条件で作製したブロック磁石の特性は、Br:13.0kG、iHc:15kOe、(BH)max:40MGOeであった。
上記の径方向配向円筒磁石を、着磁機にて6極着磁し、着磁後の磁石を磁石と同一高さの図10に示す構成の9個のステータ内に組み込んだモータを作製した。磁石内径にはモータ軸となる強磁性コアが挿入接着されている。銅細線を各歯それぞれ100ターン巻きとした。U−V相間の磁束量をフラックスメータを用いて測定した。
[比較例4]
本ステータ歯のうちの一つだけに実施例10と同じ銅細線を100ターン巻き、磁束量をフラックスメータにて測定した。磁石を1周させたときのピークの値を表4に示す。表に示されるように、比較例ではピークによる磁束量が、小さいピークに対し大きなピークでは1.5倍程度と非常に大きいにもかかわらず、実施例10ではピーク値がほとんど変わらない。
[実施例11]
コア断面積の60%の面積を占める飽和磁束密度18kGの強磁性体をコア外周と同心円状に配置し、残りは非磁性体材で作製したコアを用い、その他は実施例10と同様にして作製したモータのU−V相間の磁束量を測定した。
[比較例5]
非磁性体(非磁性超硬材WC−Ni−Co)をコア材に用いた他は実施例10と同様にして作製したモータのU−V相間の磁束量を測定した。
[比較例6]
Fe製の強磁性体コアの飽和磁束密度を2kGとした他は実施例10と同様にして作製したモータのU−V相間の磁束量を測定した。配置した際のモータのU−V相間の磁束量をそれぞれフラックスメータを用いて測定した。
これらの結果を表4に示す。
[実施例12]
実施例10のモータを1000rpmで回転させた際の誘起電圧及び同モータを1〜5rpmで回転させた際の荷重計によるトルクリップルの大きさを測定した。表5に誘起電圧の絶対値の最大及びトルクリップルの最大最小の差を示す。表5より、本モータは使用上十分な誘起電圧量を有し、十分小さなトルクリップルであることがわかる。
[実施例13]
実施例10の径方向配向円筒磁石を着磁する際、スキュー角度を磁石1極分の角度の1/3の20°でスキュー着磁を行い、該磁石を実施例10のモータに組み込み、実施例12と同様に誘起電圧及びトルクリップルを測定した値を表5に示す。表5よりトルクリップルの量がスキュー無し品より更に小さく、誘起電圧の低下はわずかであることがわかる。
[参考例2]
実施例10の径方向配向円筒磁石を着磁する際、スキュー角度磁石1極分の角度の5/6の50°でスキュー着磁を行い、該磁石を実施例10のモータに組み込み、実施例12と同様に誘起電圧及びトルクリップルを測定した値を表5に示す。表5よりトルクリップルの量はスキュー無し品より小さいが、誘起電圧の低下が大きく、実用に適さない場合があることがわかる。
[実施例14]
径方向配向円筒磁石を実施例10と同様に着磁し、スキュー角度が磁石1極分の角度の1/3の20°であるステータ歯をもつ実施例10と同寸法のモータに組み込み、実施例12と同様に誘起電圧及びトルクリップルを測定した値を表5に示す。表5より、トルクリップルの量がスキュー無し品より更に小さく、誘起電圧の低下はわずかであることがわかる。
参考
それぞれ純度99.7重量%のNd、Dy、Fe、Co、M(MはAl、Si、Cu)と純度99.5重量%のBを用い、Nd29Dy2.5Fe64Co31Al0.2Si0.2Cu0.1の合金を真空溶解炉で溶解鋳造し、インゴットを作製した。このインゴットをジョウクラッシャー及びブラウンミルで粗粉砕し、更に、窒素気流中でのジェットミル粉砕により平均粒径3.5μmの微粉末を得た。この粉末を飽和磁束密度20kGのFe製の強磁性体コアを配置した図1に示す如き水平磁場垂直成形装置にて6kOeの磁場中において1.0t/cm2の成形圧にて成形した。この成形体は、Arガス中1090℃で1時間焼結を行い、引き続き580℃で1時間の熱処理を行った。その後、加工して外径30mm、内径25mm、厚さ15mmの円筒磁石を得た。
参考は、作製した円筒磁石を、配向方向を60°ずらして積み重ね、1段目の磁石配向方向が図8の関係(極AがN極となる)になるように配置し、6極着磁3段積みを行った。
参考
参考は、ずらし角を90°とし、参考と同様に6極着磁2段積みを行った。
[参考例
参考と同じ磁石粉末を用い、成形体高さを変え、段積みをしないこと以外は参考と同一条件で外径30mm、内径25mm、厚さ30mmの円筒磁石を作製し、6極着磁を行った。
参考
参考と同じ磁石粉末を用い、同一条件で外径30mm、内径25mm、厚さ10mmの円筒磁石を作製し、配向方向を60°ずらして3段積み重ね、各段の円筒磁石の配向方向がそれぞれ図7の配置になるようにし、6極着磁を行った。この様子を図16に示す。図中の大矢印は、円筒磁石の各段の配向時の磁場方向を示している。なお、符号33はモータロータ軸である。
これらの磁石を評価するために、横10.5mm、縦30mmの四角形に銅細線を50ターン巻き、コイルを作製した。このコイルを円筒磁石に接した状態から磁石の磁力の影響を受けない遠方まで遠ざけ、この間のコイルを横切る磁束量を円筒磁石の外周方向にフラックスメータを用いて測定し、ピーク値を表6に示す。
参考7〜9、比較例7]
図10は、9個のモータステータ歯31を有する3相の永久磁石モータ30の平面図を示したものである。着磁した円筒磁石をこの磁石と同一高さのステータ内に組み込んでモータを作製した。円筒磁石の内径部にはモータ軸となる強磁性コアが挿入接着されている。各ティースに銅細線をそれぞれ150ターン巻きした。このモータを1000rpmで回転させ、このときの誘起電圧の絶対値の最大で、かつ1〜5rpmで回転させ、荷重計を用いてトルクリップルの大きさを測定した。
ここで、参考は、参考と同様にずらし角90°で磁石を2段に重ね合わせ、スキュー角を磁石1極分の角度の1/3の20°でスキュー着磁を行い、この磁石をモータに組み込んだものである。
参考は、参考と同じ寸法の円筒磁石を用い、図16に示すようにずらし角60°で磁石を3段に重ねてスキューなしに着磁し、スキュー角が磁石1極分の角度の1/3の20°であるスキューステータ歯を有するモータに組み込んだものである。
また、段積みをしない円筒磁石を参考例とし、また成形金型のコアを非磁性(非磁性超硬材WC−Ni−Co)で作製して成形機に配置し、その他は参考と同様に磁石を作製し、これを参考と同様にしてモータに組み込み、比較例7とした。これらの誘起電圧、トルクリップルを測定し、誘起電圧とともにトルクリップルの最大最小の差を表7に示した。
表7から、各参考7,8は実用に十分耐える誘起電圧を有し、トルクリップルも十分小さいが、参考例はトルクリップルが大きいことが認められる。比較例7は誘起電圧が低く、実用に適さない。
[参考例10
参考の径方向配向円筒磁石を着磁する際、スキュー角磁石1極分の角度の5/6の50°でスキュー着磁を行い、この磁石を図10のモータに組み込み、参考と同様にして誘起電圧及びトルクリップルを測定し、表7に示した。
表7から、トルクリップルの量は小さいが、誘起電圧の低下が大きく実用に適さないことが認められる。
参考11、参考例12
参考のNd磁石合金を用いて、水平磁場垂直成形法により一軸配向のリング磁石を作製した。磁石寸法は外径25mm、内径20mm、厚さ15mmである。配向方向を60°ずつ変化させながら6段積み重ねて6極にストレート着磁し磁石ロータを作製した。これを7°のスキュー角のステータに組み込みモータにした。
更に参考例12として、参考11と同じ磁石を用いて配向方向を一方向にそろえ、6極にストレート着磁し磁石ロータを作製した。これを無スキューのステータに組み込みモータにした。これらにおいて誘起電圧とともにトルクリップルを測定した。
その結果は、表7に示したとおりであり、参考11では参考例12に比べてトルクリップルが大きく低下しており、本発明による磁石の配向方向分散の効果が顕著であることがわかる。
円筒磁石を製造する際に使用する水平磁場垂直成形装置の一実施例を示す説明図であり、(a)は平面図、(b)は縦断面図である。 方性円筒磁石を製造する際に使用する従来の垂直磁場垂直成形装置を示す説明図であり、(a)は縦断面図、(b)は(a)図におけるA−A’線の断面図である。 円筒磁石を製造する際に使用する水平磁場垂直成形装置で磁場発生時の磁力線の様子を模式的に示す説明図であり、(a)は本発明に係る成形装置の場合、(b)は従来の成形装置の場合である。 円筒磁石を製造する際に使用する水平磁場垂直成形装置の他の実施例を示す説明図であり、(a)は平面図、(b)は縦断面図である。 方性円筒磁石を製造する際に使用するダイス部に一部非磁性材を配置した垂直磁場垂直成形装置を示す説明図であり、(a)は図2(b)と同様の断面図、(b)は(a)図におけるB1〜B4部の拡大図である。 円筒磁石を製造する際に使用する成形装置で、回転式水平磁場垂直成形装置の一例を示す説明図である。 着磁機を用いて円筒磁石の着磁を行う様子を示す着磁模式図である。 着磁機を用いて円筒磁石の着磁を行う様子を示す着磁模式図で、円筒磁石の配向方向を図7に対して90°回転させて着磁を行う様子を示す。 円筒磁石のN極とS極との境界を説明する平面図である。 6極に多極着磁した円筒磁石と9個のステータ歯を組み合わせた3相モータの平面図を示したものである。 本発明に係る水平磁場垂直成形装置により作製したNd−Fe−B系円筒磁石に6極着磁を行った際の表面磁束密度を示した図である。 従来の水平磁場垂直成形装置(コア材として非磁性材を使用)により作製したNd−Fe−B系円筒磁石に6極着磁を行った際の表面磁束密度を示した図である。 円筒磁石を製造する際に使用する強磁性材をコアとして用いた水平磁場垂直成形装置により作製された磁石の配向磁場方向に対し、30°方向での磁石の配向を示す顕微鏡写真である。 円筒磁石を製造する際に使用する強磁性材をコアとして用いた水平磁場垂直成形装置により作製された磁石の配向磁場方向に対し、60°方向での磁石の配向を示す顕微鏡写真である。 円筒磁石を製造する際に使用する強磁性材をコアとして用いた水平磁場垂直成形装置により作製された磁石の配向磁場方向に対し、90°方向での磁石の配向を示す顕微鏡写真である。 径方向配向円筒磁石を各60°ずらして3段に積層した本発明の永久磁石式モータ用ロータを示す斜視図である。
符号の説明
1 成形機架台
2 配向磁場コイル
3 ダイス
4 コア
5 コア
5a コア
5a’ 弱い強磁性体超硬合金部
6 上パンチ
7 下パンチ
8 充填磁石粉
9 ポールピース
10 ダイス非磁性体
11 パーメンジュール
21 円筒磁石
22 着磁機
23 着磁機磁極歯
24 着磁機コイル
30 3相モータ
31 ステータ歯
32 コイル
33 モータロータ軸

Claims (5)

  1. 複数個のステータ歯を有するモータに異方性円筒磁石を組み込んでなる永久磁石モータにおいて、前記円筒磁石が、円筒磁石用成形金型のコアの少なくとも一部の材質に飽和磁束密度5kG以上を有する強磁性体を用い、金型キャビティ内に充填した磁石粉を水平磁場垂直成形法により磁石粉に0.5〜12kOeの磁場で配向磁界を印加して成形することによって成形作製され、ラジアル方向(径方向)に対し30°以上傾いた方向に配向した部位を磁石体積の2%以上50%以下含有し、磁石体積の残りの部位がラジアル方向乃至ラジアル方向に対する傾きが30°未満に配向した異方性円筒磁石であって、周方向の着磁極数が2n(nは2以上50以下の正の整数)個のとき、この円筒磁石と組み合わせるステータの歯数が3m(mは2以上33以下の正の整数)個であり、かつ2n≠3mであることを特徴とする周方向に多極に着磁した永久磁石モータ。
  2. 円筒磁石における周方向の着磁極数がk(kは4以上の正の偶数)個のとき、この円筒磁石と組み合わせるステータの歯数が3k・j/2(jは1以上の正の整数)個であることを特徴とする請求項1記載の永久磁石モータ。
  3. 円筒磁石のN極とS極との境界が、ラジアル方向に対し30°以上傾いた方向に配向した部位の中央部に対し、10°以内にあることを特徴とする請求項1又は2記載の永久磁石モータ。
  4. 円筒磁石のスキュー角度が円筒磁石の1極分の角度の1/10〜2/3で、多極スキュー着磁することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の永久磁石モータ。
  5. ステータ歯のスキュー角度が円筒磁石の1極分の角度の1/10〜2/3のスキュー歯をもつことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の永久磁石モータ。
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