JP5050859B2 - 分注方法および分注装置 - Google Patents
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Description
リザーバ流路および当該リザーバ流路から分岐する複数の分岐流路を有する分注チップから、試料を複数の試料受け部に分注する分注方法であって、
前記試料を前記リザーバ流路に所定量導入する試料導入工程と、
前記リザーバ流路における前記試料の上流側と下流側との間に差圧を発生させ、当該差圧によって、前記リザーバ流路に導入した前記試料を前記リザーバ流路に沿って各分岐流路の分岐位置を経由して移動させることにより、各分岐位置から前記各分岐流路に前記試料を充填する試料充填工程と、
前記分岐流路の先端が外部に連通された状態で前記リザーバ流路を加圧し、前記各分岐流路に充填されている試料を、前記各分岐流路の先端から対応する前記試料受け部に向けて吐出させる試料吐出工程を行うことを特徴とする。
リザーバ流路および当該リザーバ流路から分岐する複数の分岐流路を有する分注チップと、
前記リザーバ流路に設けられた試料供給口または前記リザーバ流路における前記試料供給口の上流側に接続可能な加圧手段と、
前記リザーバ流路における各分岐流路の分岐位置よりも下流側に設けられた外部との連通部分を開閉する開閉手段を備え、
前記複数の分岐流路のそれぞれの先端を外部に連通可能であり、且つ、当該先端を前記複数の試料受け部に対応して配置可能であることを特徴とする。
図1は、本実施形態の分注装置1の斜視図、図2は分注装置1の断面図である。分注装置1は、分注チップ10と、その一端に着脱可能な加圧用のシリンダ機構20(加圧手段)と、分注チップ10の他端に着脱可能な流路閉鎖用のストッパ30(開閉手段)を備えている。
次に、上記構成の分注装置1を用いた分注方法について、図3、図4を参照しながら説明する。
(1)試料導入工程
まず、図3(a)に示すように、分注チップ10からシリンダ機構20とストッパ30をとり外しておく。そして、リザーバ流路12に、開口12aから、血液などの試料2を所定量導入する。例えば、試料2が血液である場合には、患者の皮膚上にランセットなどにより血液を滲出させ、滲出した液滴に開口12aを接触させて、毛細管力により試料2をリザーバ流路12内に吸い込ませる。
続いて、図3(b)に示すように、シリンダ機構20のソケット部26に、分注チップ10における開口12aが形成された側の端部をはめ込んで、開口12aと空気排出孔27とを連通させる。なお、この段階では、下流側の開口12bは外部と連通させておく。この状態でピストン22をシリンダ21内にゆっくりと押し込むと、リザーバ流路12における試料2の上流側にシリンダ21内の気体が徐々に導入される。これにより、試料2の上流側が加圧されるので、試料2の液滴は、下流側に向かって移動開始する。
次に、図3(c)に示すように、ストッパ30のソケット部31に、分注チップ10における開口12bが形成された側の端部をはめ込んで、開口12bを閉鎖する。なお、図3(c)では、充填されずに余った試料2がリザーバ流路12の下流側に残っているが、ストッパ30を取り付ける前にこれをリザーバ流路12から排出しておいてもよい。そして、リザーバ流路12の下流側を閉鎖した状態で、さらにシリンダ機構20を作動させる。上記試料充填工程では、ピストン22をゆっくり押し込んでリザーバ流路12に微圧を加えたが、上記試料充填工程よりも強い圧力でリザーバ流路12を加圧する。そのため、ピストン22を、上記試料充填工程よりも高速で作動させる。これにより、各キャピラリ流路13から試料2が一気に吐出されて各ノズル14の先端面から飛び出し、試料受け部4まで飛ばされる。
以上説明したように、本実施形態では、リザーバ流路12に試料2を導入し、その後にシリンダ機構20を作動させて試料2の上流側に微圧を加えることにより試料2の液滴をリザーバ流路12内で走行させ、各キャピラリ流路13とリザーバ流路12との分岐位置13cを順次通過させる。これにより、各キャピラリ流路13に、各キャピラリ流路13の容積分の試料2を充填できる。そして、充填後にリザーバ流路12の下端側を閉鎖してリザーバ流路12をさらに加圧することにより、充填された試料をキャピラリ流路の先端から一気に吐出させて試料受け部4に向けて飛ばすことができる。つまり、キャピラリ流路13の容積を分注量や分注精度に対応させるだけで、高精度な分注を簡易に行うことができる。このような簡易な構成で、例えば、20nl程度の分注量ずつ試料2を分注できるので、ランセットなどで採血可能な数μl程度の血液を、少なくとも十数項目の検査用に分注できる。また、計量部であるキャピラリ流路13から試料受け部4に非接触で試料を飛ばすことができるので、分注経路における試料2の汚染を抑制できる。
次に、第2実施形態の分注装置および分注方法について説明する。なお、第1実施形態と同一の部分については説明を省略し、異なる部分のみ説明する。図5は、本実施形態の分注装置100により行われる分注方法の説明図である。本実施形態の分注装置100における分注チップ110の外形は上記分注チップ10とほぼ同じであるが、この分注チップには、リザーバ流路112と、リザーバ流路112から分岐する複数の分岐流路113が形成されている。本実施形態における分岐流路113の内面およびノズル114の先端面には、親水処理あるいは撥水処理が施されていない。その代わりに、本実施形態の分注チップ110は、各ノズル14の先端を閉鎖するための閉鎖部材であるPTFE膜(ポリテトラフルオロエチレン膜)115を備えている。PTFE膜115は、分注チップ110の使用開始前に、予めチップ本体111におけるノズル突出面(本実施形態では、下面)側に取り付けられており、全てのノズル114の先端面に貼り付けられて分岐流路113を閉鎖している。このPTFE膜115は、チップ本体111から取り外し可能になっている。
(1)試料導入工程
まず、図5(a)に示すように、PTFE膜115が全ノズル14の先端面を塞いでいる状態で、第1実施形態と同様に、リザーバ流路112に試料2を充填する。
続いて、図5(b)に示すように、シリンダ機構20を実施形態1と同様に分注チップ110の上流側の端部に装着し、リザーバ流路112とシリンダ機構20とを連通させる。そして、密閉部117によって全ノズル14の先端を囲んで密閉し、密閉部117により囲まれた密閉領域に減圧装置118を接続する。なお、リザーバ流路112の下流側は、第1実施形態と同様に外部と連通させておく。
本工程では、図5(c)に示すように、PTFE膜115をノズル14の先端からはがして除去する。そして、第1実施形態と同様に、ストッパ30によりリザーバ流路112の下流側を閉鎖し、シリンダ機構20を作動させてリザーバ流路12を加圧する。これにより、図5(d)に示すように、各分岐流路113から試料2が吐出され、試料受け部4に非接触で分注される。
(1)上記各実施形態では、複数のキャピラリ流路13あるいは113の断面形状を同一にして流路長を変えることにより各キャピラリ流路における試料2の充填量を調整していたが、断面積を変えることにより充填量を調整してもよい。
Claims (3)
- 試料を分注する分注装置であって、
試料供給口を有するリザーバ流路と、前記リザーバ流路から分岐する第1の分岐流路及び第2の分岐流路と、前記リザーバ流路において前記第1の分岐流路及び第2の分岐流路よりも下流側に設けられた開口とを含む分注チップと、
前記試料供給口に接続可能なソケット部と、
前記ソケット部に前記分注チップを接続した場合に、前記試料供給口を介して前記リザーバ流路を加圧する加圧機構と、
前記開口を開閉可能な開閉手段と、を含み、
前記第1の分岐流路及び第2の分岐流路はキャピラリ流路であり、
前記第1の分岐流路及び第2の分岐流路の先端を閉鎖する閉鎖部材をさらに含み、
前記閉鎖部材は、前記先端から取り外し可能であり、気体を透過しかつ前記試料を透過させない材料から構成されている、
分注装置。 - 請求項1に記載の分注装置において、さらに、
前記閉鎖部材により前記先端を閉鎖した状態において、閉鎖された前記先端側から前記第1の分岐流路及び第2の分岐流路を吸引する吸引手段を含む、
分注装置。 - 試料を分注する分注方法であって、
前記試料を試料供給口からリザーバ流路に導入することと、
前記試料供給口を介して前記リザーバ流路を所定の圧力で加圧することによって分岐流路に前記試料を充填することと、
前記試料供給口を介して前記リザーバ流路を前記所定の圧力よりも強い圧力で加圧して、前記分岐流路から前記試料を吐出させることを含み、
前記試料を充填することは、さらに、
気体を透過しかつ前記試料を透過させない閉鎖部材によって前記分岐流路の先端を閉鎖した状態で、前記分岐流路を前記閉鎖部材側から吸引することを含み、
前記試料を吐出させることは、前記閉鎖部材を前記先端から取り外した状態で前記リザーバ流路を加圧する、
分注方法。
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Family
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