以下、この発明のいくつかの実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明のサービス提供方法を実施する支援システムの概略構成図であり、CMはユーザシステム、CCはカスタマセンタ、CRはクレジット会社、PNOは回線事業者をそれぞれ示している。
ユーザシステムCMは、ボタン電話装置BTと、保守用のパーソナル・コンピュータPCとを備えている。ボタン電話装置BTは、発着信に応じて図示しない複数の内線端末相互間及びこれらの内線端末と公衆網PNWの加入者線との間を交換接続する機能を基本機能とし、その他にこの交換接続処理に関係する複数のオプションサービス機能を有する。このオプションサービス機能としては、例えばコールピックアップ機能やコールフォワード機能、マルチアピアランス機能等がある。
保守用のパーソナル・コンピュータPCは、プロバイダISPを介してインターネットINWに接続され、このインターネットINWからさらにカスタマセンタCCに接続される。
カスタマセンタCCは、受付/課金サーバCSV1と、ライセンスサーバCSV2と、ルータCRTと、回線サービスデータベースDBとを備え、これらをLANを介して相互に接続している。受付/課金サーバCSV1は、ルータCRTを介してインターネットINWに接続され、上記ユーザシステムCMの保守用パーソナル・コンピュータPCから到来するサービス要求を受信する。また受付/課金サーバCSV1は、例えば専用線を介してクレジット会社CRに接続され、クレジット会社CRとの間で機能追加に要した代金の決済処理を行う。さらに受付/課金サーバCSV1は、例えば専用線を介して回線事業者PNOに接続され、回線事業者PNOとの間でサービスに関する情報の送受信を行う。
ライセンスサーバCSV2は、公衆網PNWを介してユーザシステムCMのボタン電話装置BTに接続される。ライセンスサーバCSV2は、ボタン電話装置BTから、ボタン電話装置ごとにユニークに付与された機器識別番号(システムID)と、ボタン電話装置BTに記憶された通信履歴情報及び工注データとをそれぞれ取得する機能と、ボタン電話装置BTに対しライセンスコードを送って機能の追加設定を行う機能とを有する。
(第1の実施形態)
この第1の実施形態は、図1に示したユーザシステムCMとカスタマセンタCCと回線事業者PNOとに関する。
図2はこの第1の実施形態においてボタン電話装置BTに最適な回線事業者のサービスを提案する場合の手順を説明するためのシーケンス図である。
本提案のサービスをユーザが受けるために、サービスの提供者とユーザの間で契約を行っておく。その契約には、提案の期間の決定、ユーザの通信履歴情報を入手してよい事や、入手した情報を外部に漏らさない等が含まれる。
カスタマセンタCCでは、契約で決められた期日がくると、公衆網PNW経由でユーザシステムCMのボタン電話装置BTにアクセスする。ボタン電話装置BTはカスタマセンタCCから通信履歴情報読み出し要求が到来した場合に、自装置に蓄積した通信履歴情報と工注データとをカスタマセンタCCに通知する。
そして、カスタマセンタCCとユーザのボタン電話装置BTとの間で正常に情報のやり取りが出来た時点で、通信回線を切断する。
一方、カスタマセンタCCでは、ユーザシステムCMの通信履歴情報と工注データとに基づいて、ユーザの使用している回線がより料金の安価な回線を使用しているか、また回線業者の提供するサービスにより更なる経費の節約が可能か、ユーザの使用環境で端末、回線が不足している事による呼損が発生していないか等の点について解析し、顧客に対する提案を作成する。
そして、作成した提案内容を顧客に対してメールで通知するとともに、提案内容を回線サービスデータベースDBに書き込む。
顧客はカスタマセンタCCから送られてきた提案内容を検討し、カスタマセンタCCからの提案が必要と判断されれば、カスタマセンタCCにシステムの拡張、サービスの提供を要求する。なお、カスタマセンタCCでは、回線業者PNOの料金体系をタイムリーに切り替えるため、回線サービス情報テーブルの記憶内容を常に最新の情報にしておくようにしている。
なお、以上述べたサービス提供方法を実現する支援システム各部の構成を次のようになっている。
図3は、保守用パーソナル・コンピュータPC、ボタン電話装置BT及びカスタマセンタCCの機能構成を示すブロック図である。
ボタン電話装置BTは、通話履歴情報記憶手段11と、工注データ記憶手段12と、ボタン電話システム接続受信手段13と、ボタン電話システム応答送信手段14と、通話履歴送信手段15と、工注データ送信手段16と、正常終了送信手段17とを備えている。
このうち、通話履歴情報記憶手段11は、図4及び図5に示すように、システム内の通信した発信時間、通話時間、発信ダイヤル、システム内から発信しようとしたが回線の塞がりで発信不可となった事を示す情報、網から着信してきた場合の着信時間、不応答呼となった事を示す情報等を記憶する。工注データ記憶手段12は、図6〜図9に示すように、システム運用のための工注データを記憶する。
ボタン電話システム接続受信手段13及びボタン電話システム応答送信手段14は、カスタマセンタCCからの着信が到来した場合にその受信と応答を行う。通話履歴送信手段15は、カスタマセンタCCから通信履歴情報の取得要求が到来した場合に、カスタマセンタCCに通話履歴情報記憶手段11に記憶された情報を送信する。工注データ送信手段16は、カスタマセンタCCから工注データの取得要求が到来した場合に、カスタマセンタCCに工注データ記憶手段12に記憶された情報を送信する。正常終了送信手段17は、カスタマセンタCCに対して、通信履歴情報、工注データが正しく送られた事を通知する。
保守用パーソナル・コンピュータPCは、電子メール受信手段21を備えている。この電子メール受信手段21は、カスタマセンタCCからのシステム拡張、サービス提案を電子メールで受信する。
カスタマセンタCCは、定期起動手段31と、ボタン電話システム接続手段32と、ボタン電話システム応答受信手段33と、通信履歴読み取り手段34と、工注データ受信手段35と、正常終了受信手段36と、最適回線サービス選択手段37と、最適構成決定手段38と、提案メール送信手段39とを備える。
このうち、定期起動手段31は、顧客との間で結んだ定期調査日時になった際、顧客への通信履歴情報読み出しを起動する。ボタン電話システム接続手段32及びボタン電話システム応答受信手段33は、ボタン電話装置BTとの通信リンクを確立し、ボタン電話装置BTとの間で通信履歴情報を通知してもらう為の準備を行なう。通信履歴読み取り手段34は、ユーザシステムCMからの通信履歴情報を受信する。工注データ受信手段35は、ボタン電話装置BTの工注データを受信する。正常終了受信手段36は、ユーザシステムCMが正常に通信履歴情報及び工注データを送り終えた事を通知する信号を受信する。
最適回線サービス選択手段37は、ユーザシステムCMから取得した通信履歴情報、工注データに基づきユーザに提供するための最適な回線、網のサービスを選択する。最適構成決定手段38は、ユーザシステムCMから取得した通信履歴情報、工注データに基づき、ユーザシステムCMの設備で不足していると判断できる端末、回線、等のシステム構成の拡張を判断する。提案メール送信手段39は、上記最適回線サービス選択手段37及び最適構成決定手段38により求められた顧客への提案を電子メールにて送信する。
一方、回線サービスデータベースDBには、基本顧客情報テーブル41と、回線サービス情報テーブル42と、パスワード対応提案記憶内容テーブル43とが設けられている。
基本顧客情報テーブル41は、図10に示すように、自動サービスを行う為に必要な顧客情報を記録したテーブルを格納している。すなわち、このテーブルには、顧客とアクセスするために必要な電話番号、自動サービスを起動するタイミングなどが含まれる。
回線サービス情報テーブル42は、図11に示すように、顧客に最適の回線、サービスを検索するために必要な、回線業者毎の比較データを一元的に纏めたテーブルを格納している。
パスワード対応提案記憶内容テーブル43は、図12に示すように、顧客に提案した内容を記憶するテーブルを格納している。
図13は、上記カスタマセンタCCの動作を示すフローチャートであり、ステップ13aからステップ13eに示す手順に従って、ボタン電話装置BTから通信履歴情報及び工注データを取得するための処理動作が行われる。また、図14は、上記カスタマセンタCCの処理動作に対するボタン電話装置BTの動作を示すフローチャートである。
すなわち、カスタマセンタCCは、タイマ(図示せず)によるタイムアウトを受信した時点で(ステップ13a)、回線サービスデータベースDB2の基本顧客情報テーブル41から該当する顧客情報を読み出し(ステップ13b)、この読み出し情報に含まれる電話番号またはメールアドレスを使用して、該顧客のボタン電話装置BTに公衆網PNWを介してアクセスする(ステップ13c)。そして、ボタン電話装置BTが応答した場合に、該ボタン電話装置BTから通信履歴情報及び工注データを取得し(ステップ13d)、これら通信履歴情報及び工注データを図示しない記憶部に記憶する(ステップ13e)。
一方、ボタン電話装置BTは、カスタマセンタCCからの着信が到来した場合にその受信と応答を行い(ステップ14a)、その後に、カスタマセンタCCから通話履歴情報及び工注データの取得要求が到来した場合に、自装置に記憶された通信履歴情報及び工注データを読み出し、カスタマセンタCCに送信する(ステップ14b)。
続いてカスタマセンタCCは、図15に示すような処理動作を行なう。
すなわち、カスタマセンタCCは、回線サービス情報テーブル42に記憶された各回線事業者のサービスの中から1つの回線事業者のサービスを選択し(ステップ15a)、この選択したサービス内容に従い、ボタン電話装置BTから取得した通信履歴情報を使用して料金がいくらになるかを計算する(ステップ15b)。そして、この計算した料金を図示しない記憶部に記憶しておく(ステップ15c)。
続いてカスタマセンタCCは、回線サービス情報テーブル42に記憶された全ての回線事業者に対する料金計算が完了したか否かの判断を行ない、完了するまでステップ15a乃至ステップ15dの処理を繰り返し実行する。
そしてカスタマセンタCCは、全ての回線事業者に対する料金計算が完了したならば、計算した料金の中から最低料金の回線事業者を検索し(ステップ15e)、さらに全トランクに対してステップ15a乃至ステップ15fの処理を繰り返し実行する。
さらにカスタマセンタCCは、図16に示すような処理動作を行なう。
すなわち、カスタマセンタCCは、ボタン電話装置BTから取得した通信履歴情報から、不完了呼の数や、空き待ち時間を読み出して、トラフィック計算を行なうとともに(ステップ16a)、目標とする呼損率に合わせるためのトランク数をトラフィック理論により算出し(ステップ16b)、さらにトランクの数を増減させた場合の呼損数等をトラフィック理論により算出し(ステップ16c)、この算出結果をトランク提案数情報として記憶しておく(ステップ16d)。
さらに、カスタマセンタCCは、内線提案数情報を得るために、ステップ16e乃至ステップ16hの処理を実行する。なお、ステップ16e乃至ステップ16hの処理については、上記ステップ16a乃至ステップ16dと同様であるので説明を省略する。
そして、提案内容が決った時点でカスタマセンタCCは、図17に示すような処理動作を実行する。
すなわち、カスタマセンタCCは、提案すべき内容ができたと判断した場合に(ステップ17a)、基本顧客情報テーブル41から該当する保守用パーソナル・コンピュータPCのメールアドレスを読み出し(ステップ17b)、さらにランダムにパスワードを決定し、このパスワードを提案内容と合わせて図示しない記憶部に記憶しておくとともに(ステップ17c)、該当する保守用パーソナル・コンピュータPCに対して、提案がある旨と、そのためのパスワードを添付した電子メールを送信する(ステップ17d)。
以上述べたように第1の実施形態のサービス提供方法によれば、ボタン電話装置BTの通信履歴状況がカスタマセンタCCにより定期的に監視され、この通信履歴状況に基づいて当該ボタン電話装置BTにとって最適と思われる回線事業者のサービスの提案があることを、人手を要することなくインターネットINWを介して保守用パーソナル・コンピュータPCに通知されることになる。このため、ユーザによる公衆回線業者のサービス選択作業や販売員の出張による公衆回線業者のサービス提案が一切不要となる。従って、ユーザにとっては手間や費用をかけることなく最適な公衆回線業者のサービスを選択することが可能となり、一方カスタマセンタCCにとってはサービス提案に必要な労力とコストを大幅に低減することが可能となる。また、カスタマセンタCCでは、ボタン電話装置BTから取得した工注データに基づいて、ボタン電話装置BTに応じた木目細かな回線事業者のサービスを提案することができ、これにより提案における確実性を向上できる。
また、この第1の実施形態では、カスタマセンタCCにおいて、通信履歴状況から判定された通信トラフィックの状態に基づいて、ボタン電話装置BTにとって最適と思われる内部構成の提案があることを、人手を要することなくインターネットINWを介して保守用パーソナル・コンピュータPCに通知されることになるので、ユーザは手間や費用負担をかけることなく最適なボタン電話装置BTの内部構成を選択することが可能となり、一方カスタマセンタCCにとってはボタン電話装置BTの内部構成の提案に必要な労力とコストを大幅に低減することが可能となる。
さらに、この第1の実施形態では、回線事業者のサービスの提案内容を表す情報がユーザシステムCMに通知される前に、カスタマセンタCCへアクセスするためのパスワードが通知される。このため、カスタマセンタCCでは、ユーザの要/不要に応じて提案内容を提供することができ、ユーザシステムCMへ転送する情報量を大幅に少なくできる。また、他のユーザが故意に契約を結んだ正当なユーザ宛ての回線事業者のサービスの提案内容を表す情報を盗用することを防ぐこともできる。
(第2の実施形態)
この第2の実施形態は、図1に示したユーザシステムCMとカスタマセンタCCと回線事業者PNOとに関する。
図18乃至図20はこの第2の実施形態においてユーザにより選択された最適な回線事業者に対する契約、及び各業者への手配を行なう場合の手順を説明するためのシーケンス図である。なお、ここでは保守用パーソナル・コンピュータPCからカスタマセンタCCへ提案内容を参照するためのパスワードが通知された後の処理動作について説明する。
ユーザは、保守用パーソナル・コンピュータPCを使用してインターネットINW経由でカスタマセンタCCのホームページにアクセスし、カスタマセンタCCからダウンロードされる画面の案内に従い、「提案内容」表示を選択する。そして、「提案内容」表示が選択されるとカスタマセンタCCは、提案内容を提示するのに必要な情報(パスワード、クレジット番号等)の入力を依頼する。
そして、これらの必要な情報の入力が終了すると保守用パーソナル・コンピュータPCは、これらの情報を含む提案内容表示要求をカスタマセンタCCに向け送信する。
上記提案内容表示要求を受信するとカスタマセンタCCは、パスワードによりユーザの正当性を判断し、ここで正当である場合に、クレジット会社CRに対し専用線を介してアクセスし、ユーザのクレジット番号をもとにユーザの信用について問い合わせる。この問い合わせに対しクレジット会社CRは、クレジット番号に対応する口座の有無と、当該クレジットの使用期限が有効期限内かどうかと、使用停止が設定されていないかどうかを判定する。そして、その回答をカスタマセンタCCに返送する。
カスタマセンタCCは、クレジット会社CRからの回答をもとにユーザの信用を判断し、問題がなければ回線サービスデータベースDBから提案情報を読み出し、この提案情報をその契約に要する費用と共に上記提案内容表示要求に含まれているメールアドレスをもとにインターネットINWを介してユーザの保守パーソナル・コンピュータPCに通知する。
そして、この通知に対しユーザから選択内容を受信すると、カスタマセンタCCは記憶しておいた工注データと、選択された要求内容とに従い、具体的なサービス内容や、発注内容を決定し、この内容をもとに、専用線を介して回線事業者PNO、物品業者及び工事業者(図示せず)に対し局サービス変更、物品手配、工事手配のそれぞれを依頼する。
カスタマセンタCCは、それぞれの業者から得られた内容からスケジュールを決定し、保守パーソナル・コンピュータPCにアクセスして工事日を通知する。
そして、この通知に対しユーザから確認の応答を受信すると、カスタマセンタCCは、公衆回線業者、物品工場、工事業者へ日時等の本手配を行う。以後、カスタマセンタCCがユーザへ最終連絡を行うとともに、カスタマセンタCCが契約した内容及び必要な工注データを回線サービスデータベースDBに記憶する。
なお、以上述べた方法を実現する支援システム各部の構成は次のようになっている。
図21は、保守用パーソナル・コンピュータPC、カスタマセンタCC及び回線サービスデータベースDBの機能構成を示すブロック図である。
保守用パーソナル・コンピュータPCは、カスタマセンタCCから送られてくる情報を受信する電子メール受信手段22及び画面情報受信手段23と、要求情報をカスタマセンタCCへ送信する要求情報送信手段24とを備えている。
カスタマセンタCCは、提案内容を電子メールにより送信する提案メール送信手段51と、画面情報を保守用パーソナル・コンピュータPCへ送信する画面情報送信手段52と、保守用パーソナル・コンピュータPCからの要求情報を受信する要求情報受信手段53と、顧客の工注内容から、具体的なサービス内容、システム構成を決定する手段54と、局サービス変更を依頼する局サービス変更手段55と、物品手配を依頼する物品手配手段56と、工事手配を依頼する工事手配手段57と、スケジュール調整を行うためのスケジュール調整手段58と、パスワード毎に該当の提案情報を記憶するための手段59とを備えている。
回線サービスデータベースDBには、料金テーブル61と、工注変更情報テーブル62と、パスワード対応工事情報記録テーブル63とが設けられている。
このうち料金テーブル61は、図22に示す如く工注対象毎の料金情報を記憶している。
工注変更情報テーブル62は、図23に示す内線追加データテーブルと、図24に示すトランク追加データテーブルとにより構成されている。内線追加データテーブルは、内線工事番号と、内線番号と、内線グループと、発信に使用するトランクとの対応関係を表すデータを記憶している。トランク追加データテーブルは、トランク工事番号と、トランク番号と、トランクグループと、着信先の内線代表との対応関係を表すデータを記憶している。
パスワード対応工事情報記録テーブル63は、図25に示すように、パスワードと、顧客番号と、工事予定日と、内線工事番号と、トランク工事番号との対応関係を表すデータを記憶している。
次に以上のように構成された支援システムの処理動作について説明する。
図26は、上記カスタマセンタCCの動作を示すフローチャートである。
すなわちカスタマセンタCCは、ユーザからの要求に従い、まず図27(1)に示すホームページの画面をユーザに送り、ユーザにより提案内容確認が選択されたことにより、図27(2)に示すようなパスワード、クレジット番号の入力要求画面をユーザに送る(ステップ22a)。ここで、ユーザにより保守用パーソナル・コンピュータPCを使用してパスワードが入力された場合に、このパスワードが正しいか否かを、パスワード対応提案情報記憶手段59の記憶内容から参照し(ステップ22b)、正しい場合に入力されたクレジット番号を使用してクレジット会社CRにアクセスしてユーザの正当性を判断し(ステップ22c)、正当である場合に、パスワード対応提案情報記憶手段59により、関連づけられた提案の種類を判断し、保守用パーソナル・コンピュータPCに図27(3)に示すような選択画面を表示させ、選択を促す(ステップ22d)。そして、選択された内容に従い、カスタマセンタCCは、図28(4)、(5)及び図29(6)に示すように、それぞれの提案内容情報テーブルの内容を保守用パーソナル・コンピュータPCに表示させて選択を促す。ここで提案内容情報テーブルの内容が選択された場合に、カスタマセンタCCは、その選択された内容と、料金テーブル61の記憶内容とに基づいて、トータルの料金を算出して、図29(7)に示すような画面を表示させ、確認を促す(ステップ22f)。続いて、カスタマセンタCCは、図30(8)に示すような画面を表示させて、増設した内線、トランクに対する具体的な情報の入力を促し(ステップ22g)、次にそれぞれ発注先についての情報を収集し、全ての発注について、可能な日時をまとめて、図30(9)に示すような画面を表示して選択を促す(ステップ22h)。そして、選択された日時を記憶して新たなパスワードを作成し、図31(10)に示すような終了画面を表示させる(ステップ22i)。
これに対しユーザは、保守用パーソナル・コンピュータPCを使用して図32のステップ32a乃至ステップ32gの手順に従って入力操作を行なう。
以上述べたように第2の実施形態のサービス提供方法によれば、ユーザは保守用パーソナル・コンピュータPCを使用してカスタマセンタCCに対しサービス変更要求を送出することで、カスタマセンタCCに公衆回線業者PNOが接続されていれば、カスタマセンタCCで最適な公衆回線業者PNOとの契約からサービス変更まで自動的に行われることになる。このため、ユーザによる作業が一切不要となり、最適な公衆回線業者のサービスを短時間の内にしかも少ない費用負担で受けることができる。
また、カスタマセンタCCに部品業者及び工事業者とが通信ネットワークを介して接続されている場合に、ユーザはカスタマセンタCCに対しサービス変更要求を送出するだけで、ボタン電話装置BTに対する部品交換の手配や工事手配をカスタマセンタCC側で自動的に行われることになる。このため、ユーザ側で各事業者の手配を行なう必要がなくなり、これによりサービスの利用効率を向上させることができる。さらに、カスタマセンタCCと、公衆回線業者PNO、部品業者及び工事業者との間が例えば専用線を介して接続されている場合に、ユーザはカスタマセンタCCに対しサービス変更要求を送出することで、カスタマセンタCCで各事業者の手配を同時にできる日時を決定するようにしているので、ユーザにとってはボタン電話装置BTのサービス変更を短時間のうちに済ませることができる。
また、この第2の実施形態では、カスタマセンタCCとクレジット会社CRとが接続されているので、サービス実行に要した代金の決済についても、カスタマセンタCCとクレジット会社CRとの間で、通信ネットワークを利用して自動的に行なうことができる。さらに、クレジット会社CRが保有するユーザのクレジット番号を利用して、サービス実行に先立ち、口座の残高や有効期限等はもちろんのこと、ユーザの存在の有無についてもチェックされ、これによりユーザの正当性を事前に判断することが可能となる。
(第3の実施形態)
この第3の実施形態は、図1に示したユーザシステムCMとカスタマセンタCCと回線事業者PNOとに関する。
図33及び図34はこの第3の実施形態においてユーザにより工注データの変更要求があった際のユーザシステムCMとカスタマセンタCCとの間の処理手順を説明するためのシーケンス図である。なお、ここでは上記第2の実施形態において発注等を終了した後の動作について説明する。
ボタン電話装置BTの工注データの変更を行なう場合にユーザは、保守用パーソナル・コンピュータPCを使用してインターネットINW経由でカスタマセンタCCのホームページにアクセスし、カスタマセンタCCからダウンロードされる画面の案内に従い、工注変更に関する必要事項を入力する。入力する必要事項は、変更したい工注内容を表す情報と、ユーザIDと、ボタン電話装置BTに割り当てられた電話番号、パスワードである。そして、これらの必要事項の入力が終了すると、これらの情報を含む工注変更要求をカスタマセンタCCに向け送信する。
上記工注変更要求を受信するとカスタマセンタCCは、ユーザの認証ができ、かつ、顧客から工注変更の要求が行われたと認識した時点で、回線サービスデータベースDBから、工注データ、変更したサービス内容、システム構成を読み出す。読み出した内容から、具体的な工注データの変更内容を決定する。
カスタマセンタCCは上記回線サービスデータベースDBから読み出した電話番号をもとに公衆網PNWを介してユーザのボタン電話装置BTに対し発信を行なう。そして、この発信に対してボタン電話装置BTが応答すると、工注コマンドを送信する。
ボタン電話装置BTは、受信した工注コマンドに従って、内部のシステム構成を変更し、変更後の内容によって動作を開始する。
この際、変更したシステム構成の動作を自動的に試験する機能や、試験を行った結果、問題があると判明した場合には、変更された構成を元に戻す機能を、ボタン電話装置BTに持たせることにより、信頼性を向上させることが可能である。
カスタマセンタCCは、ボタン電話装置BTから上記工注変更が正常に終了した通知を受信すると、ボタン電話装置BTとの間の回線を切断したのち、クレジット会社CRに対しアクセスして工注変更料金の決済を依頼する。その際カスタマセンタCCは、ユーザが変更を希望しこれに対し実際に工注設定した各機能についてその請求金額を計算し、電子請求明細書を作成する。
クレジット会社CRは、この決済依頼情報を受信すると、先ずこの決済依頼情報に含まれるユーザのクレジット番号をもとにユーザ認証と取引の可否判定を行う。そして、取引が可能であれば、上記決済依頼情報に含まれる電子請求明細書をもとに代金の決済受付処理を行う。そして、この決済受付処理の終了後に依頼元のカスタマセンタCCに対し決済依頼を受付けた旨の応答を返送する。
カスタマセンタCCは、クレジット会社CRから上記決済依頼の受信応答を受け取ると、工注変更処理が終了した旨の情報をユーザの保守用パーソナル・コンピュータPCに送信し、表示させる。
かくして、ユーザが変更を希望した工注データがボタン電話装置BTに使用可能な状態に設定され、以後ユーザのボタン電話装置BTではこの変更した新たな工注データを使用可能となる。
なお、以上述べた工注変更方法を実現する支援システム各部の構成は次のようになっている。
図35は、保守用パーソナル・コンピュータPC、ボタン電話装置BT及びカスタマセンタCCの機能構成を示すブロック図である。
保守用パーソナル・コンピュータPCは、画面情報受信手段71と、要求情報送信手段72と、外部出力手段73と、外部入力手段74と、入力情報記憶手段75とを備えている。
このうち画面情報受信手段71は、工注変更手順の実行中にカスタマセンタCCからダウンロードされる種々画面情報を受信し表示する。要求情報送信手段72は、ユーザが入力した工注変更内容を表す情報、クレジット番号、及びボタン電話装置BTの電話番号又はIPアドレスを要求情報に挿入してカスタマセンタCCへ送信する。
ボタン電話装置BTは、この発明に係わる機能として、ボタン電話システム接続受信手段81と、ボタン電話システム応答送信手段82と、工注データ受信手段83と、工注データ設定手段84と、正常終了送信手段85とを備えている。
ボタン電話システム接続受信手段81及びボタン電話システム応答送信手段82は、カスタマセンタCCからの着信が到来した場合にその受信と応答を行う。工注データ受信手段83及び工注データ設定手段84は、カスタマセンタCCから工注データが到来した場合に、その受信と設定を行う。
カスタマセンタCCは、画面情報送信手段91と、要求情報受信手段92と、ボタン電話システム接続手段93と、ボタン電話システム応答受信手段94と、工注データ送信手段95と、正常終了受信手段96と、料金請求手段97とを備えている。
このうち、画面情報送信手段91は、ユーザの保守用パーソナル・コンピュータPCからアクセスがあった場合に、この保守用パーソナル・コンピュータPCに対し工注変更の要求を入力し送信させるための画面情報を送信する。要求情報受信手段92は、保守用パーソナル・コンピュータPCから送られた工注変更要求の情報を受信する。
ボタン電話システム接続手段93及びボタン電話システム応答受信手段94は、受信された工注変更要求情報に含まれる電話番号をもとにボタン電話装置BTに対し公衆網PNWを介してアクセスし、その応答を受信する。
工注データ送信手段95は、変更した新たな工注データをボタン電話装置BTに送信する。
正常終了受信手段96は、工注変更処理後にボタン電話装置BTから送られる正常終了信号を受信し、その旨を保守用パーソナル・コンピュータPCへ送信する。料金請求手段97は、上記正常終了信号の受信後に、先に算出した料金の請求をクレジット会社CRに対し送信する。
図36は、上記カスタマセンタCCの動作を示すフローチャートである。
すなわちカスタマセンタCCは、ユーザからの要求に従い、まず図27(1)に示すホームページの画面をユーザの保守用パーソナル・コンピュータPCに送り、ユーザにより工注のダウンロードが選択されたことにより、図37(11)に示すようなパスワードの入力要求画面をユーザの保守用パーソナル・コンピュータPCに送る(ステップ36a)。ここで、ユーザにより保守用パーソナル・コンピュータPCを使用してパスワードが入力された場合に、このパスワードが正しいか否かを、パスワード対応工事情報記憶手段98の記憶内容から参照し(ステップ36b)、正しい場合に、図37(12)に示すような工注内容確認か、ダウンロードかの選択画面をユーザの保守用パーソナル・コンピュータPCに送って表示させ、選択を促す(ステップ36c)。そして、工注内容の確認であればカスタマセンタCCは、図38(13)に示すように、それぞれの工注変更情報テーブルの内容を保守用パーソナル・コンピュータPCに表示させる(ステップ36d)。一方、ダウンロードが要求された場合には、カスタマセンタCCは、基本顧客情報テーブルから顧客の電話番号を読み出し、この電話番号をもとに公衆網PNWを介してユーザのボタン電話装置BTに対しアクセスする(ステップ36e)。そして、ボタン電話装置BTが応答した後で、ボタン電話装置BTに工注コマンドを送信し(ステップ36f)、以後、ボタン電話装置BTから工注変更正常終了を受信した後で、ボタン電話装置BTとの間の回線を切断したのち(ステップ36g)、ユーザの保守用パーソナル・コンピュータPCに図38(14)に示すようなダウンロードの終了画面を送る(ステップ36h)。
これに対しユーザは、保守用パーソナル・コンピュータPCを使用して図39のステップ39a乃至ステップ39dの手順に従って入力操作を行なう。また、ボタン電話装置BTは、図40のステップ40a乃至ステップ40cの手順に従って、カスタマセンタCCから到来した工注コマンドに従い、自装置に記憶された工注データの内容を変更する。
以上第3の実施形態のサービス提供方法によれば、ユーザによる工注データの変更要求から当該ユーザのボタン電話装置BTに対し最適な公衆回線業者のサービスを受けるための新たな運用データを提供するまでの工程が、人手を要することなく全て通信ネットワークを介して自動的に行われることになる。従ってユーザにとっては最適な公衆回線業者のサービスを自ら選択する必要がなく、カスタマセンタCCで提案された公衆回線業者のサービスを選択するだけで、その選択した公衆回線業者のサービスに対応する新たな工注データを短時間の内にしかも少ない費用負担で受け取って新たな工注データに書き替えることが可能となる。
また、ボタン電話装置BTの内部構成を選択する場合も、ユーザにとっては自己のボタン電話装置BTの最適な内部構成を自ら選択する必要がなく、カスタマセンタCCで提案されたボタン電話装置BTの内部構成を選択するだけで、その選択した内部構成に対応する新たな工注データを短時間の内にしかも少ない費用負担で受け取ることが可能となり、しかも手間がかからずに済む。
また、第3の実施形態では、カスタマセンタCCにおいて、新たな工注データを送信する際に、ユーザシステムCMからカスタマセンタCCに対し当該ユーザシステムCMに予め付与されたパスワードが到来した場合に、該当するボタン電話装置BTへの新たな工注データを送信するようにしているので、誤って運用データの提供や不正なユーザへの運用データの提供といった事態を防ぐことができる。
さらに、第3の実施形態では、カスタマセンタCCとクレジット会社CRとが接続されているので、工注データの変更に要した代金の決済についても、カスタマセンタCCとクレジット会社CRとの間で、通信ネットワークを利用して自動的に行なうことができる。さらに、クレジット会社CRが保有するユーザのクレジット番号を利用して、サービス実行に先立ち、口座の残高や有効期限等はもちろんのこと、ユーザの存在の有無についてもチェックされ、これによりユーザの正当性を事前に判断することが可能となる。
なお、上記第3の実施形態では、カスタマセンタCCからボタン電話装置BTに対し新たな工注データが送信された場合に、自動的に新たな工注データに変更する例について説明したが、これ以外にも新たな工注データを別のメモリに保存しておいて、必要に応じて書きかえるといった手法をとるようにしてもよい。
(第4の実施形態)
この第4の実施形態は、図1に示したユーザシステムCMとカスタマセンタCCとクレジット会社CRと回線業者PNOとに関する。
図41はこの第4の実施形態においてボタン電話装置BTの回線ユニットを増設する際のユーザシステムCMとカスタマセンタCCとの間の処理手順を説明するためのシーケンス図である。
すなわち、ユーザシステムCM内のボタン電話装置BTでは、回線ユニットの増設が必要となった場合に、自動的にカスタマセンタCCに対し公衆網PNWを介してアクセスし、増設したい回線ユニットを表す情報と保守用パーソナル・コンピュータPCのメールアドレスとを含む設定要求を送信する。
カスタマセンタCCでは、設定要求に含まれる回線ユニットを表す情報に基づいて、ユニットの変更もしくは増設を依頼するために必要な提案情報を作成し、設定要求に含まれるメールアドレスをもとにインターネットINWを介してユーザの保守パーソナル・コンピュータPCに送信する。
ユーザは、カスタマセンタCCから送られてきた提案内容を検討し、同意したときに、保守用パーソナル・コンピュータPCを使用してカスタマセンタCCに依頼情報をインターネットINWを介して送信する。
すると、カスタマセンタCCでは、到来した依頼情報の内容をもとに、専用線を介して回線事業者PNOに対しボタン電話装置BTの回線ユニットの増設工事の仮依頼を行なう。この仮依頼に対し回線業者PNOは、工事にかかる費用を計算し、この結果を工事費見積情報としてカスタマセンタCCに送信する。
カスタマセンタCCは、回線事業者PNOから到来した工事費見積情報をインターネットINWを介して依頼元のユーザの保守パーソナル・コンピュータPCに送信する。
工事費見積情報の内容に対し承諾したユーザは、保守用パーソナル・コンピュータPCを使用して応答をカスタマセンタCCにインターネットINWを介して返送する。
この応答を受信したカスタマセンタCCは、ユーザに対しインターネットINWを介して必要な情報(パスワード、クレジット番号等)の入力を依頼する。
そして、これらの必要な情報の入力が終了すると保守用パーソナル・コンピュータPCは、これらの情報をカスタマセンタCCに向け送信する。
上記情報を受信するとカスタマセンタCCは、パスワードによりユーザの正当性を判断し、ここで正当である場合に、クレジット会社CRに対し専用線を介してアクセスし、ユーザのクレジット番号をもとにユーザの信用について問い合わせる。この問い合わせに対しクレジット会社CRは、クレジット番号に対応する口座の有無と、当該クレジットの使用期限が有効期限内かどうかと、使用停止が設定されていないかどうかを判定する。そして、その回答をカスタマセンタCCに返送する。
カスタマセンタCCは、クレジット会社CRからの回答をもとにユーザの信用を判断し、問題がなければ、回線業者PNOに対し依頼元のボタン電話装置BTに対する回線ユニットの変更もしくは増設の工事を依頼する。
以後、ボタン電話装置BTに対する回線ユニットの変更もしくは増設の工事が終了した後に、カスタマセンタCCとクレジット会社CRとの間で専用線を介してユニット変更またはユニット増設に要した代金をユーザの口座から引き落とすための決済処理を実行する。
なお、以上述べた方法を実現する支援システム各部の構成は次のようになっている。
図42は、ボタン電話装置BTの要部構成を示すブロック図である。
ボタン電話装置BTは、制御部101と、複数の回線ユニット201〜206とを備え、制御バス140及び音声バス141を介して互いに接続されている。ここで、回線ユニット201〜206には、自ユニットを識別するためのユニットコードが付与されている。
このうち回線ユニット201〜203には、公衆回線や専用線などの局線が必要に応じて接続される。回線ユニット201〜203は、接続された局線に関する局線インタフェース動作を行なう。
回線ユニット204〜206には、内線端末が必要に応じて接続される。回線ユニット204〜206は、接続された内線端末に関する内線インタフェース動作を行なう。
また、制御部101は、CPU110と、フラッシュメモリ(FLASH)111と、S−RAM112と、D−RAM113と、P/S変換部と、タイムスイッチ130とを備え、これらをアドレスバス121及びデータバス120を介して相互に接続している。
CPU110は、フラッシュメモリ111、D−RAM113及びS−RAM112に格納された制御データに基づいてボタン電話装置BTの各部を総括制御することでボタン電話装置BTとしての動作を実現する。
フラッシュメモリ111は、それぞれ所定量毎(一定量である必要はない)のデータを記憶可能な複数の記憶ブロックを有し、かつこの記憶ブロックの単位で格納しているデータの書き替えを行なうことができる周知のデバイスであって、CPU101が使用する制御プログラムデータ等を格納する。
D−RAM113は、CPU110が各種の処理を行なう上で必要となる各種のデータを一時的に記憶しておく。S−RAM112は、カスタマーデータやシステム設定データ等を記憶している。ここでは、図43に示すような、回線ユニット201〜206を識別するためのユニットコードに対応づけて、ユニット種別及び回線数を表す情報を記憶している。
P/S変換部114は、制御バス140とデータのやりとりを行なうものである。
タイムスイッチ130は、CPU110の制御に基づいて音声バス141上のタイムスロットの入れ替えを行なうことによって、回線ユニット201〜206相互間を任意に交換接続する。
次に以上のように構成されたボタン電話装置BTの処理動作について説明する。
図44は、上記ボタン電話装置BTの動作を示すフローチャートである。
まず、CPU101は、フラッシュメモリ111に記憶された制御プログラムデータに基づく周知の動作処理を実行し、回線ユニットを使用するか否かの判断を行なう(ステップ44a)。
ここで、使用すると判断したならばCPU110は、各回線ユニット201〜206からユニットコードを順次読み出し(ステップ44b)、このユニットコードに基づきS−RAM112の記憶内容を参照し、この参照結果に基づきステップ44d乃至ステップ44fの処理を順次実行する。
まず、CPU110は、回線毎の使用時間を計測する。これについては料金管理で使用される通信開始時刻と通信終了時刻から計算できる。これを回線種別毎に集計することにより、回線種別毎の述べ使用時間が算出される。この値を用いて、下記演算を行うことにより回線毎の使用率が算出できる。
ここで、ステップ44gにより何れかの回線種別の使用率があらかじめ設定された指標値を越えたならばCPU110は、ボタン電話装置BTが有する外部サーバ接続機能により、公衆網PNWを介してカスタマセンタCCに対してその旨自動通知する(ステップ44h)。ここで使用率については一律同じ値を使用することも、回線毎に異なる値を使用することも可能である。この際あわせて顧客を特定する情報、顧客通信機器のユニット構成、ユニット種別とその使用率データを送信する。本機能については動作不動作の設定はプログラムで容易であり、顧客の事前の依頼により動作させる。
以後、カスタマセンタCCは、あらかじめ組み込まれたプログラムにより顧客通信機器より発信された情報から顧客のユニット増設プランと取り付け工事費を含んだ見積を作成し、電子メールにて自動送信する。顧客メールアドレスについては顧客の事前の依頼があった時点で事業者のサーバに記録されている。
事業者からのユニット増設プランと見積を受信した顧客はオンラインにて事業者サーバに接続し、事業者サーバからの内容に対して、受諾もしくは部分変更による依頼を行う。これを受けて事業者サーバは顧客に対し発注内容に対する部材費と工事費を提示し、顧客はこれが適正であると判断することにより例えばクレジットNo.の入力により電子決済を行う。事業者サーバは顧客の決済完了により工事部門に対し顧客依頼内容の指示を例えばe−mailにより行う。これを受けて工事部門は顧客に対し、指定されたユニットの増設工事を実施する。
このようにすれば事業者は顧客に対して販売後の人力による営業活動をすること顧客の受注が可能となり、また、顧客としては定量的測定に基づくユニット増設の実施が可能となる。
以上第4の実施形態のサービス提供方法では、ボタン電話装置BTで回線ユニット201〜206毎の使用率が基準値を超えたと判断した場合に、超えたと判断された例えば回線ユニット201を表す情報とこのボタン電話装置BTを所有するユーザに割り当てられたメールアドレスを含む設定要求が公衆網PNWを介して自動的にカスタマセンタCCに送信される。そして、カスタマセンタCCではボタン電話装置BTから送信された設定要求内容から回線ユニット201の種類や使用頻度等が解析され、この解析結果から変更もしくは増設を依頼するために必要な提案情報を作成して、設定要求に含まれるメールアドレスをもとに該当するユーザシステムCMに対し提案情報をインターネットINWを介して送信するようにしている。
このため、ユーザにとっては自己のボタン電話装置BTの回線ユニット201〜206の使用状況及び動作状態を常に監視しておく必要がなく、またボタン電話装置BT運用時に不具合が生じる前にカスタマセンタCCから自動的に回線ユニット変更もしくは増設の提案内容が送られてくるので、手間が大幅に省けてさらにニーズに応じた使用ができる。一方、カスタマセンタCCにとっては、コストと労力とを大幅に低減した上で、ユーザのニーズや使用状況に応じたユニット変更もしくはユニット増設を提案することができる。
また、この第4の実施形態によれば、カスタマセンタCCにおいて、ユーザからユニット変更もしくはユニット増設の依頼があった際に、クレジット会社CRが保有するユーザのクレジット番号を利用して、回線事業者PNOへの依頼に先立ち、口座の残高や有効期限等はもちろんのこと、ユーザの存在の有無についてもチェックされ、これによりユーザの正当性を事前に判断することができ、この判断結果によりユーザが正当である場合に、カスタマセンタCCでその依頼内容に応じたユニット変更もしくはユニット増設を回線事業者PNOに専用線を介して自動的に依頼するようにしているので、ユーザにとっては提案情報を見て一々工事業者に依頼する旨を連絡する必要がなく、自身のボタン電話装置BTの回線ユニット変更もしくは回線ユニット増設を短時間の内に行なうことが可能となる。
(その他の実施形態)
上記第2乃至第4の実施形態では、カスタマセンタCCからのサービス提供時にユーザからクレジット番号を送信するようにした。しかし、それに限らずクレジット番号を回線サービスデータベースDBにユーザIDに対応付けて格納しておき、ユーザから送られたユーザIDをもとにカスタマセンタCCが回線サービスデータベースDBをアクセスしてクレジット番号を取得するようにしてもよい。このようにすると、ユーザのクレジット番号は回線サービスデータベースDBにユーザ情報を登録する時にのみ伝送すればよいことになり、この結果要求送信時に通信ネットワーク上でクレジット番号が盗み見られる心配がなくなってセキュリティを高めることができる。
その他、サービス提案や工注データ変更の手順やその内容、支援システムの構成やその動作内容、電子機器の種類等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。