JP5049759B2 - 放射線検出器 - Google Patents

放射線検出器 Download PDF

Info

Publication number
JP5049759B2
JP5049759B2 JP2007310669A JP2007310669A JP5049759B2 JP 5049759 B2 JP5049759 B2 JP 5049759B2 JP 2007310669 A JP2007310669 A JP 2007310669A JP 2007310669 A JP2007310669 A JP 2007310669A JP 5049759 B2 JP5049759 B2 JP 5049759B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
radiation
detection unit
radiation detection
light
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007310669A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009133748A (ja
Inventor
宏隆 酒井
修治 山本
俊一郎 牧野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2007310669A priority Critical patent/JP5049759B2/ja
Publication of JP2009133748A publication Critical patent/JP2009133748A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5049759B2 publication Critical patent/JP5049759B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measurement Of Radiation (AREA)

Description

本発明は、特に低バックグラウンドでの放射線測定を必要とする平面形の放射線検出器に関する。
衣服や物品などにおける放射性汚染を検査する表面汚染検査装置等に用いられている平面形の放射線検出器は、その有感面積が大きくなるにつれ、バックグラウンドが大きくなり、これにより検出限界が悪化する。そして、バックグラウンドの成分のうち、宇宙線成分の占める割合が大きく、特に、連続的にエネルギを付与するμ粒子は、0.02個/秒/cm程度の強度があるため、2000cm2程度の有感面積を有する平面形の放射線検出器では、400カウント/秒程度のバックグラウンド計数を生じてしまう。一方、このバックグラウンド成分は、放射線検出器の有感面積に比例して増加するため、有感面積が大きければ大きいほど、放射線検出器の検出限界を悪化させてしまう。
そのため、被測定対象を囲うように複数の放射線検出器を配置し、各放射線検出器の検出パルス信号を用い、アンチコインシデンスによりバックグラウンドを除去することでバックグラウンド成分の低減を行うようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、比較的大きな間隔を設けて配置した各放射線検出器間のアンチコインシデンスであるため、隙間が大きく立体角が大きくなり、コインシデンスを生じる確率は小さくならざるを得ず、効率は必ずしも充分ではない。
また、同一の放射線の検査装置内に異なる放射線にそれぞれ高感度を有する2つの放射線検知部を設け、各放射線検知部で生じた電気パルスを用い、アンチコインシデンスによりバックグラウンドを除去することでバックグラウンド成分の低減を行うようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。しかし、各放射線検知部に、放射線との相互作用による発光を捉える集光系を設ける必要がある。
特開平11−44766号公報 特開平06−18669号公報
上記のような状況に鑑みて本発明はなされたもので、その目的とするところは簡単な構成で、検出対象の放射線に対するバックグラウンド成分の例えば宇宙線による影響を低減することができる放射線検出器を提供することにある。
本発明の放射線検出器は、ベータ線宇宙線のそれぞれとの相互作用によって発光し、ベータ線は不貫通、宇宙線は貫通する厚みを有する平板状の第1の放射線検出部と、前記第1の放射線検出部の背面側に平行に設けられ、該第1の放射線検出部とは異なる時間応答性を持ち、前記第1の放射線検出部を貫通した前記宇宙線との相互作用によって発光する平板状の第2の放射線検出部と、前記第1の放射線検出部及び第2の放射線検出部の各発光を検知して電気信号に変換する前記第2の放射線検出部の背面側または前記第1の放射線検出部と前記第2の放射線検出部の間に設置された光検出部と、前記光検出部の出力した電気信号をデジタル変換するデジタル変換部と、前記デジタル変換部から出力された数値化した電気信号波形を、前記第1の放射線検出部のみでの相互作用に基づく結果と前記第1の放射線検出部と前記第2の放射線検出部の双方での相互作用に基づく結果とに弁別する波形弁別部を具備することを特徴とするものである。
また、本発明の放射線検出器は、ベータ線宇宙線のそれぞれとの相互作用によって発光し、ベータ線は不貫通、宇宙線は貫通する厚みを有する平板状の第1の放射線検出部と、この第1の放射線検出部の背面側に平行に設けられ、該第1の放射線検出部とは異なる時間応答性を持ち、前記第1の放射線検出部を貫通した前記宇宙線との相互作用によって発光する平板状の第2の放射線検出部と、前記第1の放射線検出部及び第2の放射線検出部の各発光を検知して電気信号に変換する前記第2の放射線検出部の背面側または前記第1の放射線検出部と前記第2の放射線検出部の間に設置された複数の光検出部と、前記複数の光検出部の出力した電気信号をそれぞれデジタル変換する複数のデジタル変換部と、前記複数のデジタル変換部から出力された数値化した各電気信号波形を加算する加算部と、前記加算部から出力された数値化した加算電気信号波形を、前記第1の放射線検出部のみでの相互作用に基づく結果と前記第1の放射線検出部と前記第2の放射線検出部の双方での相互作用に基づく結果とに弁別する波形弁別部を具備することを特徴とするものである。
本発明によれば、簡単な構成としながら、バックグラウンド成分である例えば宇宙線による影響を低減して検出対象の放射線の検出精度を向上させることができる等の効果を奏する。
以下本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
先ず第1の実施形態を図1乃至図3により説明する。図1は構成図であり、図2は光検知部の出力波形を示す模式図で、図2(a)はベータ線による出力波形の模式図、図2(b)は宇宙線による出力波形の模式図であり、図3は変形形態を示す構成図である。
図1において、1は放射線検出器である。放射線検出器1は、第1の放射線と第2の放射線との相互作用によって蛍光を発光すると共に、第1の放射線は不貫通、第2の放射線は貫通させる所定厚さを有する平板状の第1の放射線検出部2と、第1の放射線検出部2の背面側に平行に設けられ、第2の放射線との相互作用によって蛍光を発光する所定厚さを有する平板状の第2の放射線検出部3を備えている。
さらに、放射線検出器1は、第2の放射線検出部3の背面側に、第1の放射線検出部2と第2の放射線検出部3で発光した蛍光を検出し電気信号に変換して出力する、例えば光電子増倍管(PMT)等の時間応答性が充分に速い光検出部4を構成する光センサ4aが設けられている。なお、光検出部4は、光センサ4aの他に、光センサ4aの出力を増幅し、増幅した電気信号を出力する増幅器4bを備えている。
またさらに、放射線検出器1は、光検出部4が出力した電気信号をアナログ/デジタル変換し数値化した電気信号波形として出力するデジタル変換部5と、デジタル変換部5が出力した数値化した電気信号波形を、第1の放射線検出部2のみでの相互作用に基づく結果と第1の放射線検出部2と第2の放射線検出部3の双方での相互作用に基づく結果とに弁別する波形弁別部6を備えて構成されている。なお、複数の数値化した電気信号波形の弁別を行う波形弁別部6については、例えば公知の技術である特許第3980451号に示されているように構成すればよい。
第1の放射線検出部2は、外部から放射線が入射する表面部分を、例えば第1の放射線のベータ線と第2の放射線の宇宙線によって、数ナノ秒(3〜5×10−9秒)程度の発光時間だけ発光する薄厚のプラスチックシンチレータ2aで形成し、さらに、その支持体としての発光光に対し吸光が少ない透明な材料で形成した導光板2bを、背面部分に設けた構成となっている。また、第2の放射線検出部3は、第2の放射線の宇宙線によって発光し、発光時間が数百ナノ秒(3×10−7秒)程度と、プラスチックシンチレータ2aとは大きく異なるNaI(Tl)シンチレータ3aを第1の放射線検出部2の背面側に設け、NaI(Tl)シンチレータ3aの背面部分に、同じく支持体である発光光に対し吸光が少ない透明な材料で形成された導光板3bを設けた構成となっている。
そして、上記のように構成したものでは、例えば放射性汚染された衣服や物品など検査対象から放射された、例えば第1の放射線のベータ線7は、第1の放射線検出部2のプラスチックシンチレータ2aに入射し相互作用を起こして、例えば模式的に示すように発光位置8で蛍光を発光し、貫通力が弱いことから第1の放射線検出部2で吸収されて消滅し、第2の放射線検出部3には到達しない。一方、例えば第2の放射線である外部から来る宇宙線9は、貫通力が強いことから、先ず第1の放射線検出部2のプラスチックシンチレータ2aに入射し相互作用を起こして、例えば模式的に示すように発光位置10aで蛍光を発光する。さらに、第1の放射線検出部2を貫通した後、第2の放射線検出部3に入射し相互作用を起こして、例えば模式的に示すように発光位置10bで蛍光を発光する。
ベータ線7による第1の放射線検出部2と第2の放射線検出部3での発光光と、宇宙線9による第2の放射線検出部3での発光光は、それぞれ発光光に透明な各部位を通して光検出部4の光センサ4aで検知され、その検知出力が増幅器4bで増幅されて電気信号として出力される。続いて、光検出部4から出力されたアナログの電気信号は、デジタル変換部5でアナログ/デジタル変換され、数値化した電気信号波形として出力される。
その後、数値化した電気信号波形は、波形弁別部6に入力され、第1の放射線検出部2のみでの相互作用に基づく結果と第1の放射線検出部2と第2の放射線検出部3の双方での相互作用に基づく結果とに弁別される。この数値化した電気信号波形の弁別は、図2に光検知部4の出力波形を横軸に時間を取り模式的に示すように、ベータ線7による出力波形は図2(a)の通り立上がりの速い成分のみからなり、宇宙線9による出力波形は図2(b)の通り立上がりの速い成分と遅い成分とからなることから、このように違いのある電気信号をアナログ/デジタル変換し数値データとすることで、波形の弁別ができる。そして、図示しないが波形弁別部6の出力として、ベータ線7との相互作用による信号だけを選択的に出力させることで、1つの光センサ4aを設けるだけの簡単な構成で、宇宙線9によるバックグラウンド成分の影響を低減して、検出対象とする放射線のベータ線7の検出を精度よく行うことができる。
なお、上記の実施形態では、第1の放射線検出部2を、薄厚のプラスチックシンチレータ2aの背面部分に支持体として透明な導光板2bを設けた構成としたが、プラスチックシンチレータ2aの背面部分に、直接第2の放射線検出部3のNaI(Tl)シンチレータ3aを設け、プラスチックシンチレータ2aの支持体を兼ねるように構成するようにしてもよい。さらに、このときに第2の放射線検出部3を、導光板3bを設けずにNaI(Tl)シンチレータ3aのみで構成するようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、光検知部4の光センサ4aを第2の放射線検出部3の背面側に設けるようにしたが、図3に示す変形形態のように構成してもよい。以下、上記実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、上記実施形態と異なる本変形形態の構成について説明する。
すなわち、図3において、11は放射線検出器である。放射線検出器11は、第1の放射線と第2の放射線との相互作用によって蛍光を発光すると共に、第1の放射線は不貫通、第2の放射線は貫通させる平板状の第1の放射線検出部12と、第1の放射線検出部12の背面側に平行に設けられ、第2の放射線との相互作用によって蛍光を発光する平板状の第2の放射線検出部13を備えている。
そして、第1の放射線検出部12は、外部から放射線が入射する表面部分を、例えば第1の放射線のベータ線と第2の放射線の宇宙線によって発光する薄厚のプラスチックシンチレータ2aで形成し、その支持体として発光光に対し吸光が少ない透明な材料で形成した導光板12aを背面部分に設けた構成となっている。また、第2の放射線検出部13は、上記実施形態の第2の放射線検出部3と異なり、第1の放射線検出部12の背面側に、例えば第2の放射線の宇宙線によって発光するNaI(Tl)シンチレータ3aだけを設け、導光板を背面部分に設けない構成となっている。
さらに、放射線検出器11は、第1の放射線検出部12のプラスチックシンチレータ2aと第2の放射線検出部13のNaI(Tl)シンチレータ3aとの間に、例えば第1の放射線検出部12の導光板12a部分に、第1の放射線検出部12のプラスチックシンチレータ2aと、第2の放射線検出部13のNaI(Tl)シンチレータ3aで発光した蛍光を検出し電気信号に変換して出力する、時間応答性が充分に速い光検出部4を構成する光センサ4aが設けられている。なお、光検出部4は、光センサ4aの他に、光センサ4aの出力を増幅し、増幅した電気信号を出力する増幅器4bを備えている。
またさらに、放射線検出器11は、光検出部4が出力した電気信号をアナログ/デジタル変換し数値化した電気信号波形として出力するデジタル変換部5と、デジタル変換部5が出力した数値化した電気信号波形を、第1の放射線検出部12のみでの相互作用に基づく結果と第1の放射線検出部12と第2の放射線検出部13の双方での相互作用に基づく結果とに弁別する波形弁別部6を備えて構成されている。
そして、このように構成された変形形態においては、より簡単な構成で上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
次に第2の実施形態を図4及び図5により説明する。図4は構成図であり、図5は変形形態を示す構成図である。なお、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、第1の実施形態と異なる本実施形態の構成について説明する。
図4において、21は放射線検出器である。放射線検出器21は、第1の放射線と第2の放射線との相互作用によって蛍光を発光すると共に、第1の放射線は不貫通、第2の放射線は貫通させる平板状の第1の放射線検出部2と、第1の放射線検出部12の背面側に平行に設けられ、第2の放射線との相互作用によって蛍光を発光する平板状の第2の放射線検出部3を備えている。
第1の放射線検出部2は、外部から放射線が入射する表面部分を、例えば第1の放射線のベータ線と第2の放射線の宇宙線によって発光する薄厚のプラスチックシンチレータ2aで形成し、さらに背面部分に発光光に透明な導光板2bを設けた構成となっている。また、第2の放射線検出部3は、第2の放射線の宇宙線によって発光するNaI(Tl)シンチレータ3aを第1の放射線検出部2の背面側に設け、さらにその背面部分に発光光に透明な導光板3bを設けた構成となっている。
さらに、放射線検出器21は、第1の放射線検出部2と第2の放射線検出部3で発光した蛍光を検出するように複数、例えば2つの光検出部22a,22bを備えている。各光検出部22a,22bは、発光光を検出するため、例えば光電子増倍管(PMT)等の時間応答性が充分に速い光センサ23a,23bを第2の放射線検出部3の背面側に所定間隔を設けて配置させており、さらに両光センサ23a,23bの出力をそれぞれ増幅し、増幅した電気信号として出力する増幅器24a,24bを備えている。
またさらに、放射線検出器21は、各光検出部22a,22bの増幅器24a,24bが出力した電気信号をアナログ/デジタル変換し数値化した電気信号波形として出力するため、複数の光検出部に対応して、例えば2つのデジタル変換部25a,25bを備えており、また、各デジタル変換部25a,25bが出力した数値化した電気信号波形を加算演算する加算部26を備えており、さらに、加算部26で加算演算され出力された数値化した電気信号波形を、第1の放射線検出部2のみでの相互作用に基づく結果と第1の放射線検出部2と第2の放射線検出部3の双方での相互作用に基づく結果とに弁別する波形弁別部6を備えている。
また、第2の放射線検出部3の背面側には、各光検出部22a,22bの光センサ23a,23bから略等距離の位置に校正光源27が設けられており、校正光源27の発光はゲイン調整部28のゲイン調整信号によって調整できるようになっている。またこれと共に、ゲイン調整部28は、校正光源27の調整と共に、加算部26で加算演算する各デジタル変換部25a,25bの出力に各光センサ23a,23b毎の特性のばらつき等を補正するために乗じる重み係数を、校正用光源27を用いて求められた各光検出部22a,22bの出力応答値に基づいて算出し、記憶するよう構成されている。
そして、上記のように構成したものでは、放射性汚染の検査等に先立って、ゲイン調整部28に記憶させる各光センサ23a,23b毎の特性のばらつき等を補正するために乗じる重み係数の算出が行なわれる。
重み係数の算出は、先ずゲイン調整部28を一定周期で作動させるか、あるいは外部からの校正モード信号を入力させることにより、校正光源27のパルス状の発光を開始させる。この校正光源27のパルス状発光光は各光センサ23a,23bで検知され、その各検知出力が増幅器24a,24bで増幅されて電気信号として出力される。続いて、各光検出部22a,22bから出力されたアナログの電気信号は、各デジタル変換部25a,25bでアナログ/デジタル変換され、数値化した電気信号波形として出力される。各デジタル変換部25a,25bからの出力は加算部26に入力される。その後、ゲイン調整部28では、加算部26から各デジタル変換部25a,25bの出力である数値化した電気信号波形を得て、数値化した電気信号波形間の差異を検出し、検出した差異に基づき、両デジタル変換部25a,25bの出力が同一となるよう出力に乗じる重み係数が算出され、記憶保存される。
このようにして重み係数が得られた後、所定の放射性汚染の検査が開始され、例えば放射性汚染された衣服や物品など検査対象から放射された第1の放射線のベータ線7は、第1の放射線検出部2のプラスチックシンチレータ2aに入射し相互作用を起こして、例えば発光位置8で蛍光を発光し、第2の放射線検出部3には到達しない。一方、外部から来る第2の放射線である宇宙線9は、貫通力が強いことから、先ず第1の放射線検出部2のプラスチックシンチレータ2aに入射し相互作用を起こして、例えば発光位置10aで蛍光を発光し、さらに第1の放射線検出部2を貫通して第2の放射線検出部3に入射し相互作用を起こして、例えば発光位置10bで蛍光を発光する。
ベータ線7による第1の放射線検出部2と第2の放射線検出部3での発光光と、宇宙線9による第2の放射線検出部3での発光光は、それぞれ発光光に透明な各部を通して光検出部22a,22bの光センサ23a,23bで同時に検知され、その各検知出力が増幅器24a,24bで増幅されて電気信号として出力される。続いて、光検出部22a,22bから出力されたアナログの電気信号は、各デジタル変換部25a,25bでアナログ/デジタル変換され、数値化した電気信号波形として出力される。
その後、2つの数値化した電気信号波形は、加算部26に入力され、加算部26でゲイン調整部28に記憶保存された重み係数が乗じられ、光センサ23a,23bの特性ばらつき等の補正がなされた後、加算演算される。さらに、加算部26から出力された数値化した加算電気信号波形は波形弁別部6に入力され、第1の放射線検出部2のみでの相互作用に基づく結果と第1の放射線検出部2と第2の放射線検出部3の双方での相互作用に基づく結果とに弁別される。
なお、加算部26は、各デジタル変換部25a,25bの双方からの同時の出力がない限り、加算演算結果を波形弁別部6に出力しないように構成されており、光検出部が3つ以上あり、対応してデジタル変換部が同数ある場合には、少なくとも2つのデジタル変換部からの同時の出力がない限り、加算演算結果を波形弁別部6に出力しないように構成されている。
そして、上記のように数値化した加算電気信号波形を波形弁別部6で弁別し出力されたものから、図示しないがベータ線7との相互作用による信号だけの結果を選択的に出力させることで、宇宙線9によるバックグラウンド成分の影響を低減して、検出対象とする放射線のベータ線7の検出を精度よく行うことができる。
また、通常、光センサについては、熱雑音などに起因したノイズ成分を含んでいるが、こうしたノイズ成分による信号は、個々の光センサでの独立な事象である。一方、放射線に起因する事象に基づく信号は、両方の光センサから同時に発出される。そのため、光センサの同時性を判断することで、熱雑音などに起因したノイズ成分を除去することが可能となる。ところが、光センサそれぞれの光/電気変換効率等にばらつきがあり、また、そのばらつきは時間変動を起こすこともある。
こうした状況から、本実施形態のように構成することで、光センサ23a,23bの光/電気変換効率等にばらつきを簡単な構成で補正することができ、その結果、加算部26から出力された数値化した加算電気信号波形の波形データは、光センサ23a,23bの特性ばらつきに左右されるものでなくなり、波形弁別部6で第1の放射線検出部2のみでの相互作用に基づく結果と第1の放射線検出部2と第2の放射線検出部3の双方での相互作用に基づく結果とに正確に弁別することができることになる。
なお、上記の実施形態では、第1の放射線検出部2を、薄厚のプラスチックシンチレータ2aの背面部分に支持体として透明な導光板2bを設けた構成としたが、プラスチックシンチレータ2aの背面部分に、直接第2の放射線検出部3のNaI(Tl)シンチレータ3aを設け、プラスチックシンチレータ2aの支持体を兼ねるように構成するようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、光検出部22a,22bの光センサ23a,23bと校正光源27を第2の放射線検出部3の背面側に設けるようにしたが、図5に示す変形形態のように構成してもよい。以下、上記実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、上記実施形態と異なる本変形形態の構成について説明する。
すなわち、図5において、31は放射線検出器である。放射線検出器31は、第1の放射線と第2の放射線との相互作用によって蛍光を発光すると共に、第1の放射線は不貫通、第2の放射線は貫通させる平板状の第1の放射線検出部32と、第1の放射線検出部32の背面側に平行に設けられ、第2の放射線との相互作用によって蛍光を発光する平板状の第2の放射線検出部33を備えている。
そして、第1の放射線検出部32は、外部から放射線が入射する表面部分を、例えば第1の放射線のベータ線と第2の放射線の宇宙線によって発光する薄厚のプラスチックシンチレータ2aで形成し、その支持体として発光光に対し吸光が少ない透明な材料で形成した導光板32aを背面部分に設けた構成となっている。また、第2の放射線検出部33は、上記実施形態の第2の放射線検出部3と異なり、第1の放射線検出部32の背面側に、例えば第2の放射線の宇宙線によって発光するNaI(Tl)シンチレータ3aだけを設け、導光板を背面部分に設けない構成となっている。
さらに、放射線検出器31は、第1の放射線検出部32のプラスチックシンチレータ2aと第2の放射線検出部33のNaI(Tl)シンチレータ3aとの間に、例えば第1の放射線検出部32の導光板12a部分に、第1の放射線検出部32のプラスチックシンチレータ2aと、第2の放射線検出部33のNaI(Tl)シンチレータ3aで発光した蛍光を検出し電気信号に変換して出力する、時間応答性が充分に速い光検出部22a,22bを構成する光センサ23a,23bが、所定間隔を設けて配置されている。なお、光検出部22a,22bは、両光センサ23a,23bの他に、各光センサ23a,23bの出力をそれぞれ増幅し、増幅した電気信号として出力する増幅器24a,24bを備えている。
またさらに、放射線検出器31は、各光検出部22a,22bの増幅器24a,24bが出力した電気信号をアナログ/デジタル変換し数値化した電気信号波形として出力するデジタル変換部25a,25bと、各デジタル変換部25a,25bが出力した数値化した電気信号波形を加算演算する加算部26を備えており、さらに、加算部26で加算演算され出力された数値化した電気信号波形を、第1の放射線検出部32のみでの相互作用に基づく結果と第1の放射線検出部32と第2の放射線検出部33の双方での相互作用に基づく結果とに弁別する波形弁別部6を備えている。
また、第1の放射線検出部32と第2の放射線検出部33との間には、各光検出部22a,22bの光センサ23a,23bから略等距離の位置に、発光がゲイン調整部28によって調整される校正光源27が設けられている。ゲイン調整部28は、校正光源27の調整の他に、加算部26で加算演算する各デジタル変換部25a,25bの出力に各光センサ23a,23b毎の特性のばらつき等を補正するために乗じる重み係数を、校正用光源27を用いて得た各光検出部22a,22bの出力応答値に基づいて算出し、記憶するよう構成されている。
そして、上記のように構成したものでは、上記の実施形態と同様に、放射性汚染の検査等に先立って、各光センサ23a,23b毎の特性のばらつき等を補正するために乗じる重み係数の算出が、校正光源27をパルス状に発光させることで行なわれる。この校正光源27のパルス状発光光は各光センサ23a,23bで検知され、増幅器24a,24bで増幅されて電気信号として出力される。
また、各光検出部22a,22bから出力されたアナログの電気信号は、各デジタル変換部25a,25bでアナログ/デジタル変換され、数値化した電気信号波形として出力される。さらに、各デジタル変換部25a,25bからの出力は加算部26に入力される。その後、ゲイン調整部28では、各デジタル変換部25a,25bの出力の数値化した電気信号波形を加算部26から得て、数値化した電気信号波形間の差異を検出し、検出した差異に基づき、両デジタル変換部25a,25bの出力が同一となるよう出力に乗じる重み係数が算出され、記憶保存される。
このようにして重み係数が得られた後、所定の放射性汚染の検査が開始され、例えば放射性汚染された衣服や物品など検査対象から放射された第1の放射線のベータ線7は、第1の放射線検出部32のプラスチックシンチレータ2aに入射し相互作用を起こして、例えば発光位置8で蛍光を発光し、第2の放射線検出部33には到達しない。一方、外部から来る第2の放射線である宇宙線9は、貫通力が強いことから、先ず第1の放射線検出部32のプラスチックシンチレータ2aに入射し相互作用を起こして、例えば発光位置10aで蛍光を発光し、さらに第1の放射線検出部32を貫通して第2の放射線検出部33に入射し相互作用を起こして、例えば発光位置10bで蛍光を発光する。
ベータ線7による第1の放射線検出部32と第2の放射線検出部33での発光光と、宇宙線9による第2の放射線検出部33での発光光は、それぞれ光検出部22a,22bの光センサ23a,23bで同時に検知され、増幅器24a,24bで増幅されて電気信号として出力される。続いて、光検出部22a,22bから出力されたアナログの電気信号は、各デジタル変換部25a,25bでアナログ/デジタル変換され、数値化した電気信号波形として出力される。
その後、2つの数値化した電気信号波形は、加算部26に入力され、加算部26でゲイン調整部28に記憶保存された重み係数が乗じられ、光センサ23a,23bの特性ばらつき等の補正がなされた後、加算演算される。さらに、加算部26から出力された数値化した加算電気信号波形は波形弁別部6に入力され、第1の放射線検出部32のみでの相互作用に基づく結果と第1の放射線検出部32と第2の放射線検出部33の双方での相互作用に基づく結果とに弁別される。
そして、図示しないが、波形弁別部6の出力として、ベータ線7との相互作用による信号だけを選択的に出力させることで、宇宙線9によるバックグラウンド成分の影響を低減して、検出対象とする放射線のベータ線7の検出を、より簡単な構成で、正確かつ精度よく行うことができる。
本発明の第1の実施形態を示す構成図である。 本発明の第1の実施形態における光検知部の出力波形を示す模式図で、図2(a)はベータ線による出力波形の模式図、図2(b)は宇宙線による出力波形の模式図である。 本発明の第1の実施形態の変形形態を示す構成図である。 本発明の第2の実施形態を示す構成図である。 本発明の第2の実施形態の変形形態を示す構成図である。
符号の説明
2…第1の放射線検出部
3…第2の放射線検出部
4…光検出部
5…デジタル変換部
6…波形弁別部

Claims (6)

  1. ベータ線宇宙線のそれぞれとの相互作用によって発光し、ベータ線は不貫通、宇宙線は貫通する厚みを有する平板状の第1の放射線検出部と、前記第1の放射線検出部の背面側に平行に設けられ、該第1の放射線検出部とは異なる時間応答性を持ち、前記第1の放射線検出部を貫通した前記宇宙線との相互作用によって発光する平板状の第2の放射線検出部と、前記第1の放射線検出部及び第2の放射線検出部の各発光を検知して電気信号に変換する前記第2の放射線検出部の背面側または前記第1の放射線検出部と前記第2の放射線検出部の間に設置された光検出部と、前記光検出部の出力した電気信号をデジタル変換するデジタル変換部と、前記デジタル変換部から出力された数値化した電気信号波形を、前記第1の放射線検出部のみでの相互作用に基づく結果と前記第1の放射線検出部と前記第2の放射線検出部の双方での相互作用に基づく結果とに弁別する波形弁別部を具備することを特徴とする放射線検出器。
  2. ベータ線宇宙線のそれぞれとの相互作用によって発光し、ベータ線は不貫通、宇宙線は貫通する厚みを有する平板状の第1の放射線検出部と、この第1の放射線検出部の背面側に平行に設けられ、該第1の放射線検出部とは異なる時間応答性を持ち、前記第1の放射線検出部を貫通した前記宇宙線との相互作用によって発光する平板状の第2の放射線検出部と、前記第1の放射線検出部及び第2の放射線検出部の各発光を検知して電気信号に変換する前記第2の放射線検出部の背面側または前記第1の放射線検出部と前記第2の放射線検出部の間に設置された複数の光検出部と、前記複数の光検出部の出力した電気信号をそれぞれデジタル変換する複数のデジタル変換部と、前記複数のデジタル変換部から出力された数値化した各電気信号波形を加算する加算部と、前記加算部から出力された数値化した加算電気信号波形を、前記第1の放射線検出部のみでの相互作用に基づく結果と前記第1の放射線検出部と前記第2の放射線検出部の双方での相互作用に基づく結果とに弁別する波形弁別部を具備することを特徴とする放射線検出器。
  3. 前記複数の光検出部の出力を補正するための校正用光源を備えていることを特徴とする請求項2記載の放射線検出器。
  4. 前記加算部は、前記複数の光検出部の少なくとも2つからの出力が入力することにより加算演算を行うものであることを特徴とする請求項2記載の放射線検出器。
  5. 前記加算部は、前記複数の光検出部からの出力に、予め算出したそれぞれの重み係数を乗じてから加算演算を行うものであることを特徴とする請求項2または請求項4記載の放射線検出器。
  6. 前記複数の光検出部の出力に乗じる重み係数が、前記校正用光源を用いて求められた各光検出部の出力応答値に基づき算出したものであることを特徴とする請求項5記載の放射線検出器。
JP2007310669A 2007-11-30 2007-11-30 放射線検出器 Expired - Fee Related JP5049759B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007310669A JP5049759B2 (ja) 2007-11-30 2007-11-30 放射線検出器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007310669A JP5049759B2 (ja) 2007-11-30 2007-11-30 放射線検出器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009133748A JP2009133748A (ja) 2009-06-18
JP5049759B2 true JP5049759B2 (ja) 2012-10-17

Family

ID=40865760

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007310669A Expired - Fee Related JP5049759B2 (ja) 2007-11-30 2007-11-30 放射線検出器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5049759B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5376623B2 (ja) * 2008-04-25 2013-12-25 国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学 放射線検出器

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05341047A (ja) * 1991-05-22 1993-12-24 Japan Atom Energy Res Inst 効果的なα及びβ(γ)線同時測定法及びその検出器
JPH05297142A (ja) * 1992-04-21 1993-11-12 Toshiba Corp シンチレ―ションカメラ
JPH09230052A (ja) * 1996-02-26 1997-09-05 Fuji Electric Co Ltd 異線種弁別放射線検出器
JPH09304538A (ja) * 1996-05-10 1997-11-28 Aloka Co Ltd 放射線検出装置
JPH10232284A (ja) * 1997-02-19 1998-09-02 Toshiba Corp 波長シフト型放射線センサおよび放射線検出装置
JP3980451B2 (ja) * 2002-08-30 2007-09-26 株式会社東芝 波形弁別装置
JP2004163352A (ja) * 2002-11-15 2004-06-10 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 放射線弁別装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009133748A (ja) 2009-06-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8389942B2 (en) Photomultiplier and detection systems
US8084748B2 (en) Radioactive material detecting and identifying device and method
JP2011508201A5 (ja)
US7064333B2 (en) Direction sensitive detector of radiation
WO2005116691A8 (en) Gamma ray detectors
US8466417B2 (en) Radiometric level or density measurement
JPH07146371A (ja) 信号処理方法とシンチレーション・カメラ
US10473797B2 (en) Radiation detection apparatus and method
EP0893705B1 (en) Method and system for reading data signal emitted by an active pixel in a sensor
US8766206B2 (en) Neutron detection based on energy spectrum characteristics
JP5049759B2 (ja) 放射線検出器
KR101672874B1 (ko) 휴대용 방사선 검출장치 및 그 방법
JP4758943B2 (ja) 放射線測定装置
JP2008122088A (ja) 放射能測定装置
JP7039448B2 (ja) 中性子検出装置および中性子検出方法
Langeveld et al. Implementation of Noise Spectroscopy using biased large-area photodiodes
JP4184635B2 (ja) 陽電子消滅γ線測定方法および装置
JP4643809B2 (ja) 放射線測定装置
KR102185940B1 (ko) 양방향 방사성물질 감시시스템 및 이의 동작 방법
RU83624U1 (ru) Призматический спектрометр
US10866329B2 (en) System and method to unpile overlapping pulses
JP2017090214A (ja) 放射線撮像装置、その制御方法及びプログラム
Masek et al. Improved fast neutron detector based on timepix and plastic scintillating converter
Kang et al. Dual-ended readout PET detector module based on GAPD having large-area microcells
Zalesak Calibration issues for the CALICE 1m3 AHCAL

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100310

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20110420

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120207

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120406

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120626

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120723

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150727

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5049759

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees