JP5049084B2 - 負荷異常診断装置および負荷異常診断プログラム - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、工作機械の駆動軸に加わる負荷異常を検出する異常負荷検出方式において、工作機械の動作状態に応じて異常負荷検出レベルを切り換えて異常負荷検出を行う方法が開示されている。
そこで、本発明の目的は、負荷異常の検出に用いる測定値がアイドル変動する場合においても、負荷異常を精度よく検出することが可能な負荷異常診断装置および負荷異常診断プログラムを提供することである。
図1は、本発明の一実施形態に係る負荷異常診断装置が適用される工作機械の一例を示す斜視図である。
図1において、工作機械には、加工対象2を搬送するベルトコンベア1が設けられるとともに、加工対象2の穴あけに使用されるドリル7を回転させるモータ4が設置され、ドリル7は、チャック機構6を介して、モータ4の回転軸5に接続されている。そして、モータ4は、モータ4を前後または上下に移動させることで、ドリル7を位置決めする位置決め装置3上に配置されるとともに、インバータなどのモータ駆動装置12に接続され、モータ駆動装置12は、PWMなどの方式にてモータ駆動装置12を制御するモータ制御装置11に接続されている。
ここで、負荷異常診断装置14には、しきい値設定手段14a、検出レベル比較手段14bおよび異常負荷判断手段14cが設けられている。そして、モータ4に負荷がかかる加工動作とモータ4に負荷がかからないアイドル動作とをサイクリックに繰り返しながら加工対象2の加工が行われる場合、しきい値設定手段14aは、モータ4の電力量の上限しきい値、プレ上限しきい値、プレ下限しきい値をおよび下限しきい値を以下のように設定することができる。なお、プレ上限しきい値は上限しきい値よりも低めに設定し、上限しきい値に達する前に上限しきい値に近づいたことを警告するために用いることができる。また、プレ下限しきい値は下限しきい値よりも高めに設定し、下限しきい値に達する前に下限しきい値に近づいたことを警告するために用いることができる。
+(前回のサイクルにおける加工動作時のモータ4の電力量の平均値
−前々回のサイクルにおける加工動作時のモータ4の電力量の平均値) ・・・(1)
・今回のサイクルにおけるプレ上限しきい値=前回のサイクルにおけるプレ上限しきい値
+(前回のサイクルにおける加工動作時のモータ4の電力量の平均値
−前々回のサイクルにおける加工動作時のモータ4の電力量の平均値) ・・・(2)
・今回のサイクルにおけるプレ下限しきい値=前回のサイクルにおけるプレ下限しきい値
+(今回のサイクルにおけるアイドル動作時のモータ4の電力量の平均値
−前回のサイクルにおけるアイドル動作時のモータ4の電力量の平均値) ・・・(3)
・今回のサイクルにおける下限しきい値=前回のサイクルにおける下限しきい値
+(今回のサイクルにおけるアイドル動作時のモータ4の電力量の平均値
−前回のサイクルにおけるアイドル動作時のモータ4の電力量の平均値) ・・・(4)
そして、加工対象2の穴あけ加工を行う場合、モータ制御装置11はモータ駆動装置12にモータ4を駆動させることで、モータ4を回転させる。そして、ベルトコンベア1にて加工対象2が搬送されると、位置決め装置3はモータ4を前後または上下に移動させることでドリル7を位置決めし、加工対象2にドリル7を接触させることで、加工対象2の穴あけ加工を行う。
なお、しきい値設定手段14a、検出レベル比較手段14bおよび異常負荷判断手段14cは、これらの手段で行われる処理を遂行させる命令が記述されたプログラムをコンピュータに実行させることにより実現することができる。
また、しきい値設定手段14a、検出レベル比較手段14bおよび異常負荷判断手段14cで行われる処理を遂行させる命令が記述されたプログラムをコンピュータに実行させる場合、スタンドアロン型コンピュータで実行させるようにしてもよく、ネットワークに接続された複数のコンピュータに分散処理させるようにしてもよい。
図2において、図1のモータ4の電力量のアイドル変動前の波形をW1とすると、アイドル変動後の波形はW2となり、アイドル変動があると、モータ4の電力量は増大するようにシフトする。
ここで、加工対象2の穴あけ加工が行われる場合、モータ4に負荷がかかる加工動作とモータ4に負荷がかからないアイドル動作とがサイクリックに繰り返されるものとすると、モータ4の電力量の波形W1、W2は、モータ4で消費される電力量が比較的大きな加工領域R2とモータ4で消費される電力量が比較的小さなアイドル領域R1とがサイクリックに繰り返される。
そして、前回のサイクルにおける上限しきい値U1、プレ上限しきい値UP1、プレ下限しきい値LP1、下限しきい値L1に対し、モータ4の電力量のアイドル変動分をそれぞれ上乗せし、今回のサイクルにおける上限しきい値U2、プレ上限しきい値UP21、プレ下限しきい値LP2、下限しきい値L2を設定することにより、モータ4の電力量にアイドル変動が発生した場合においても、負荷異常を精度よく判断することができる。
なお、上述した実施形態では、前回および前々回のサイクルにおける加工動作時のモータ4の電力量の測定値の差分を上限しきい値の補正に使用し、今回および前回のサイクルにおけるアイドル動作時のモータ4の電力量の測定値の差分を下限しきい値の補正に使用する方法について説明したが、モータ4の電力量の初期値を設定し、モータ4の電力量の測定値と初期値との差分をしきい値の補正に使用するようにしてもよい。
・今回のサイクルにおける上限しきい値=予め設定された上限しきい値設定値
+(前回のサイクルにおける加工動作時のモータ4の電力量の平均値
−予め設定された加工動作時のモータ4の電力量の初期値) ・・・(5)
・今回のサイクルにおけるプレ上限しきい値=予め設定されたプレ上限しきい値設定値
+(前回のサイクルにおける加工動作時のモータ4の電力量の平均値
−予め設定された加工動作時のモータ4の電力量の初期値) ・・・(6)
・今回のサイクルにおけるプレ下限しきい値=予め設定されたプレ下限しきい値設定値
+(今回のサイクルにおけるアイドル動作時のモータ4の電力量の平均値
−予め設定されたアイドル動作時のモータ4の電力量の初期値) ・・・(7)
・今回のサイクルにおける下限しきい値=予め設定された下限しきい値設定値
+(今回のサイクルにおけるアイドル動作時のモータ4の電力量の平均値
−予め設定されたアイドル動作時のモータ4の電力量の初期値) ・・・(8)
これにより、加工サイクルを何度も繰り返した場合においても、測定誤差やバラツキが蓄積されるのを防止することができ、負荷異常を精度よく判断することができる。
2 加工対象
3 位置決め装置
4 モータ
5 回転軸
6 チャック機構
7 ドリル
11 モータ制御装置
12 モータ駆動装置
13 電力量計
14 負荷異常診断装置
14a しきい値設定手段
14b 検出レベル比較手段
14c 異常負荷判断手段
Claims (5)
- モータに負荷がかかる加工動作とモータに負荷がかからないアイドル動作とをサイクリックに繰り返しながら加工が行われる工作機械の負荷異常診断装置において、
前回のサイクルにおける加工動作時のモータの電力量の測定値と前々回のサイクルにおける加工動作時の前記モータの電力量の測定値との差分を、前回のサイクルにおける上限しきい値に加算することで、今回のサイクルにおける加工動作時のモータの電力量の上限しきい値を設定する上限しきい値設定手段と、
今回のサイクルにおけるアイドル動作時のモータの電力量の測定値と前回のサイクルにおけるアイドル動作時の前記モータの電力量の測定値との差分を、前回のサイクルにおける下限しきい値に加算することで、今回のサイクルにおける加工動作時のモータの電力量の下限しきい値を設定する下限しきい値設定手段と、
今回のサイクルにおける加工動作時のモータの電力量の測定値を、今回のサイクルにおける加工動作時のモータの電力量の上限しきい値および下限しきい値と比較する検出レベル比較手段と、
前記検出レベル比較手段による比較結果に基づいて、前記モータの負荷異常を判断する異常負荷判断手段とを備えることを特徴とする負荷異常診断装置。 - モータに負荷がかかる加工動作とモータに負荷がかからないアイドル動作とをサイクリックに繰り返しながら加工が行われる工作機械の負荷異常診断装置において、
前回のサイクルにおける加工動作時のモータの電力量の測定値と前記加工動作時の前記モータの電力量の初期値との差分を、予め設定された上限しきい値設定値に加算することで、今回のサイクルにおける加工動作時のモータの電力量の上限しきい値を設定する上限しきい値設定手段と、
今回のサイクルにおけるアイドル動作時のモータの電力量の測定値と前記アイドル動作時の前記モータの電力量の初期値との差分を、予め設定された下限しきい値設定値に加算することで、今回のサイクルにおける加工動作時のモータの電力量の下限しきい値を設定する下限しきい値設定手段と、
今回のサイクルにおける加工動作時のモータの電力量の測定値を、今回のサイクルにおける加工動作時のモータの電力量の上限しきい値および下限しきい値と比較する検出レベル比較手段と、
前記検出レベル比較手段による比較結果に基づいて、前記モータの負荷異常を判断する異常負荷判断手段とを備えることを特徴とする負荷異常診断装置。 - 前記サイクルにおける加工動作時のモータの電力量の測定値として、各サイクルにおける加工動作時のモータの電力量の平均値を使用し、前記サイクルにおけるアイドル動作時のモータの電力量の測定値として、各サイクルにおけるアイドル動作時のモータの電力量の平均値を使用することを特徴とする請求項1または2記載の負荷異常診断装置。
- モータに負荷がかかる加工動作とモータに負荷がかからないアイドル動作とをサイクリックに繰り返しながら加工を行わせるようにコンピュータに指示する負荷異常診断プログラムにおいて、
前回のサイクルにおける加工動作時のモータの電力量の測定値と前々回のサイクルにおける加工動作時の前記モータの電力量の測定値との差分を、前回のサイクルにおける上限しきい値に加算することで、今回のサイクルにおける加工動作時のモータの電力量の上限しきい値を設定するステップと、
今回のサイクルにおけるアイドル動作時のモータの電力量の測定値と前回のサイクルにおけるアイドル動作時の前記モータの電力量の測定値との差分を、前回のサイクルにおける下限しきい値に加算することで、今回のサイクルにおける加工動作時のモータの電力量の下限しきい値を設定するステップと、
今回のサイクルにおける加工動作時のモータの電力量の測定値を、今回のサイクルにおける加工動作時のモータの電力量の上限しきい値および下限しきい値と比較するステップと、
前記比較結果に基づいて、前記モータの負荷異常を判断するステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする負荷異常診断プログラム。 - モータに負荷がかかる加工動作とモータに負荷がかからないアイドル動作とをサイクリックに繰り返しながら加工を行わせるようにコンピュータに指示する負荷異常診断プログラムにおいて、
前回のサイクルにおける加工動作時のモータの電力量の測定値と前記加工動作時の前記モータの電力量の初期値との差分を、予め設定された上限しきい値設定値に加算することで、今回のサイクルにおける加工動作時のモータの電力量の上限しきい値を設定するステップと、
今回のサイクルにおけるアイドル動作時のモータの電力量の測定値と前記アイドル動作時の前記モータの電力量の初期値との差分を、予め設定された下限しきい値設定値に加算することで、今回のサイクルにおける加工動作時のモータの電力量の下限しきい値を設定するステップと、
今回のサイクルにおける加工動作時のモータの電力量の測定値を、今回のサイクルにおける加工動作時のモータの電力量の上限しきい値および下限しきい値と比較するステップと、
前記比較結果に基づいて、前記モータの負荷異常を判断するステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする負荷異常診断プログラム。
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