JP5048707B2 - 被研削基材を含む積層体、その製造方法並びに積層体を用いた極薄基材の製造方法及びそのための装置 - Google Patents
被研削基材を含む積層体、その製造方法並びに積層体を用いた極薄基材の製造方法及びそのための装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5048707B2 JP5048707B2 JP2009087422A JP2009087422A JP5048707B2 JP 5048707 B2 JP5048707 B2 JP 5048707B2 JP 2009087422 A JP2009087422 A JP 2009087422A JP 2009087422 A JP2009087422 A JP 2009087422A JP 5048707 B2 JP5048707 B2 JP 5048707B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- substrate
- conversion layer
- support
- photothermal conversion
- light
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Adhesive Tapes (AREA)
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
Description
を含み、
但し、前記光熱変換層は、前記接合層とは反対側の前記被研削基材の表面を研削した後に、放射エネルギーが照射されたときに分解して、研削後の基材と前記光透過性支持体とを分離するものである、積層体が提供される。
このような積層体では、非常に低い肉厚まで研削された基材を、破損することなく支持体から剥離することが可能である。
減圧下において、接合層を介して被研削基材を光透過性支持体に接合することにより、積層体内に気泡や塵などが混入することを防止し、それにより、均一な被研削面を形成することができる。このため、被研削基材の研削後の厚さ均一性を保つことができる。
(1)所定の圧力にまで減じられる真空チャンバー、(2)前記真空チャンバー内にあり、被研削基材又は光熱変換層が形成された光透過性支持体のいずれか一方を配置するための支持部、(3)前記真空チャンバー内にありかつ前記支持部の上方において鉛直方向に移動することが可能であり、被研削基材又は光熱変換層が形成された光透過性支持体の他方をその周縁部で保持するとともに、被研削基材と光熱変換層との近接時に開放することができる保持/開放手段、
を含む、積層体の製造装置が提供される。
上記の装置を用いると、減圧下に積層体を製造することで、積層体内に気泡や塵などの混入を防止することができるとともに、保持/開放手段により、積層されるべき表面に損傷を与えない。
このような方法では、まず、支持体上で被研削基材を所望の厚さ(例えば、150μm以下、好ましくは50μm以下、より好ましくは25μm以下)にまで研削した後に、放射エネルギーにより、研削後の基材から支持体が分離されるので、研削後の基材上に残った接合層は基材からピールにより容易に剥離することが可能になる。
被研削基材
被研削基材としては薄肉化されることが期待される基材である。例えば、従来の方法では薄肉化が困難される脆性材料は被研削基材として考えられる。例えば、シリコンやガリウムヒ素(GaAs)などの半導体ウェハ、水晶ウェハ、サファイヤ又はガラスなどが挙げられる。
光透過性支持体は本発明において使用されるレーザー光などの放射エネルギーを透過することができるものであり、被研削体を平坦な状態に維持し、研削作業・搬送時に破損しない材料であることが求められる。支持体の光透過性は、光熱変換層への放射エネルギーの透過を妨げずに、実用的な強度の放射エネルギーで光熱変換層の分解を行うことができるものであればよいが、透過率は、例えば、50%以上であることが望ましい。また、研削時の被研削体の反りを防止するために十分な剛性を有することが望ましく、支持体の曲げ剛性は好ましくは2×10-3(Pam3 )以上であり、より好ましくは3×10-2(Pam3 )以上である。有用な支持体としては、ガラス板、アクリル板などが挙げられる。また、光熱変換層などの隣接層との接着力を高めるために、支持体は必要に応じてシランカップリング剤などで表面処理されてもよい。さらに、UV硬化型の光熱変換層や接合層を用いる場合には、支持体が紫外線透過性であることも望ましい。
光熱変換層は光吸収剤及び熱分解性樹脂を含む。光熱変換層にレーザー光などの形態で照射された放射エネルギーは、光吸収剤によって吸収され、熱エネルギーに変換される。発生した熱エネルギーは光熱変換層の温度を急激に上昇させ、やがてその温度は光熱変換層中の熱分解性樹脂(有機成分)の熱分解温度に達し、樹脂が熱分解する。熱分解によって発生したガスは光熱変換層内でボイド層(空隙)となり、光熱変換層を2つに分離し、支持体と基材は分離される。
光熱変換層は、必要に応じて、透明フィラーを含むこともできる。透明フィラーは、熱分解性樹脂の熱分解によりボイド層を形成して分離した光熱変換層が再接着しないように作用する。このため、被研削基材の研削後に放射エネルギーを照射した後に、基材と支持体との分離のための剥離力をさらに低くすることができる。また、再接着を防止することができるので、熱分解性樹脂の選択の幅も広がる。透明フィラーとしては、シリカ、タルク、硫酸バリウムが挙げられる。透明フィラーの使用は、特に、UV硬化型接着剤を接合層として使用した場合に特に有利である。というのは、カーボンブラックなどの粒状の光吸収剤を使用した場合に、剥離力を低下させる作用があるが、紫外線の透過を妨げる作用もある。このため、接合層としてUV硬化型接着剤を用いた場合には、その硬化が十分に行えないか、又は、非常に長時間を要することがある。このような場合には、透明フィラーを添加することにより、UV硬化型接着剤の硬化を妨げることなく、放射エネルギー照射後の基材と支持体との剥離容易性を上げることができる。透明フィラーの量は、カーボンブラックなどの粒状光吸収剤を用いる場合には、それとの合計量で決めることができる。光熱変換層中の粒状光吸収剤(例えば、カーボンブラック)と透明フィラーとの総量は光熱変換層の体積を基準にして、5体積%〜70体積%であることが望ましい。このような場合には、基材と支持体との分離のための剥離力が十分に低くなるからである。しかしながら、このような剥離力は粒状光吸収剤及び透明フィラーの粒子形態によっても影響を受ける。すなわち、粒子形態が球形に近い場合よりも、複雑な粒子形態(ストラクチャーの発達した粒子形態)の場合のほうが、少量でも剥離力が有効に低下されることがある。このため、粒状光吸収剤と透明フィラーとの総量は「臨界フィラー体積濃度」を基準に規定されることもある。用語「臨界フィラー体積濃度」とは、粒状光吸収剤と透明フィラーとの混合物が乾燥状態で静置されたときに、その空隙体積をちょうど満たす量の熱分解性樹脂とフィラーが混合されたときのフィラーの体積濃度(CFVC)を意味する。すなわち、粒状光吸収剤と透明フィラーとの混合物の空隙体積をちょうど満たす量の熱分解性樹脂とフィラーが混合されたときのフィラーの体積濃度(CFVC)は臨界フィラー体積濃度の100%であるという。光熱変換層中の粒状光吸収剤と透明フィラーとの総量は、好ましくは、臨界フィラー体積濃度の80%以上であり、より好ましくは90%以上である。このような場合には、エネルギー照射後に、基材と支持体とは容易に剥離される。
接合層は被研削基材を光熱変換層を介して支持体に固定するために用いられる。光熱変換層における分解による基材と支持体との分離の後には、接合層が付着した基材が得られる。このため、接合層はピールにより基材から容易に剥離されうるものであることが必要である。したがって、接合層は基材を支持体に固定するためには十分な接着力を有するが、ピールにより剥離されうるために十分に低い接着力を有するものである。本発明において、接合層として使用可能な接着剤としては、ゴム、エラストマーなどを溶剤に溶解したゴム系接着剤、エポキシ、ウレタンなどをベースとする一液熱硬化型接着剤、エポキシ、ウレタン、アクリルなどをベースとする二液混合反応型接着剤、ホットメルト型接着剤、アクリル、エポキシなどをベースとする紫外線(UV)もしくは電子線硬化型接着剤、水分散型接着剤が挙げられる。(1)ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート又はポリエステルアクリレートなどの重合性ビニル基を有するオリゴマー及び/又は(2)アクリルもしくはメタクリルモノマーに光重合開始剤、及び、場合により、添加剤を添加したUV硬化型接着剤は好適に使用される。添加剤としては、増粘剤、可塑剤、分散剤、上記透明フィラー以外のフィラー、難燃剤及び熱老化防止剤などが挙げられる。
また、溶媒系の接着剤では接着剤の溶媒除去後、硬化型接着剤では硬化後、ホットメルト型接着剤では、常温固化後の使用に供される状況において、25℃での接着剤の弾性率が100MPa以上であり、また、50℃での弾性率が10MPa以上であることが望ましい。被研削基材の研削時にかかる応力によって、歪むことがなく、そのため、極薄基材まで均一に被研削基材を研削することが可能になるからである。
本発明の積層体の被研削基材は、回路形成したウェハであることが想定されるので、光透過性支持体、光熱変換層、接合層を透過してウェハに達するレーザー光などの放射エネルギーにより、ウェハ回路がダメージを受けることが考えられる。このような回路ダメージを回避するために、放射エネルギーの波長の光を吸収する染料や反射する顔料を積層体を形成するいずれかの層に含ませるか、或いは、光熱変換層とウェハとの間に新たに設ける層に含ませることもできる。レーザーを吸収する染料としては、使用するレーザー光の波長付近に吸収ピークを持つ染料(例えば、フタロシアニン系染料、シアニン系染料)が挙げられる。レーザー光を反射する顔料としては、酸化チタンなどの無機白色顔料が挙げられる。
積層体の製造にあたって、層間に空気などの異物を混入させないことは肝要である。層間に空気が混入すると、積層体の厚さ均一性が妨げられ、結果として被研削基材を薄肉まで研削することができない。図1(a)に示すような積層体を製造する場合には、例えば以下の方法が考えられる。まず、光熱変換層の前駆体塗布液を上記の塗布方法のいずれかにより支持体上に塗布し、乾燥し、紫外線を照射するなどして硬化させる。次に、硬化した光熱変換層の表面、又は、基材の研削されない側の面のいずれか一方又は両方に接合層を塗布する。これらの光熱変換層と基材とを接合層を介して貼り合わせ、支持体側から紫外線を照射するなどして接合層を硬化させることにより積層体を形成することができる。このような積層体の形成は層間への空気の混入を防止するために真空下で行なわれることが望ましい。これは、例えば、特開平11−283279号公報に記載されている真空接着装置に変更を加えたものを用いて行うことができる。また、図1(b)〜(e)に示すような積層体を製造する場合には、まず、通常の方法により事前に形成された両面テープを用いて被研削基材と支持体とを貼り合わせることにより容易に積層体を形成することができる。これも上記の場合と同様に真空下に行なわれることが望ましい。なお、積層体を形成するために使用できる真空接着装置については後述する。
上記のように形成された積層体を用意すること、
被研削基材を所望の厚さまで研削すること、
光透過性支持体を介して光熱変換層に放射エネルギーを照射して、光熱変換層を分解し、被研削基材と光透過性支持体とを分離すること、及び、
研削後の基材から接合層を剥離すること、
の工程を含む方法により、薄肉化された基材を製造することができる。
この真空接着装置20を用いて、具体的には、以下のとおりに積層体が製造できる。まず、上記のとおりに、支持体上に光熱変換層を形成し、光熱変換層が形成された支持体5を用意する。一方、積層しようとするウェハ2を用意する。ここで、支持体5の光熱変換層及びウェハ2のいずれか一方又は両方の上に接合層を形成するための接着剤を適用する。このように、用意された支持体5及びウェハ2を上記のとおりに真空接着装置20の真空チャンバー21内に図2(a)のように配置し、減圧装置で減圧し、その後、シャフト26を押し下げて、図2(b)に示すように積層し、大気開放した後に、さらに、必要に応じて、接着剤を硬化させることにより積層体が得られる。
レーザー照射によって、積層体1のウェハへのダメージが懸念される場合には、隣接領域へのダメージを抑制するために、急峻なエネルギー分布をもち、隣接領域への漏れエネルギーが僅かであるように、トップハット形状(図6(f)参照)にすることが望ましい。そのようにビーム形状を変える方法として、(a)音響・光学素子によりビームを偏向させる方法、屈折・回折を利用してビームを成型する方法、(b)アパチャー、スリットなどを使って、ビームの両端の広がり部分をカットする方法などがある。
また、光熱変換層は上記のとおり、ガラス転移温度(Tg)が室温(20℃)以上であることが望ましいことを記述した。これは、分解した樹脂の冷却時に、分離された亀裂部同士が再接着することにより、剥離できなくなることがあるからである。再接着は支持体の自重により、光熱変換層の亀裂部同士が付着することにより生じるものと考えられる。このため、レーザー照射は鉛直方向下方から上方に向けて行うか(すなわち、支持体が下側になるような配置でレーザー照射する)、或いは、ウェハと光熱変換層との間に端部からフックを挿入して上方に引き上げるなどして、支持体の自重がかからないように工夫することにより再接着を防止することができる。
本発明は、例えば、以下の用途に用いる場合に有効である。
1.高密度実装を目指した積層型CSP(Chip Size Package)
これは複数のLSIや受動部品を単一のパッケージに収め、多機能化や高性能化を実現するシステムインパッケージと呼ばれるデバイス形態の1つで、スタックドマルチチップパッケージと呼ばれるものである。本発明によれば、25μm以下のウェハを安定的に歩留まりよく、製造することができるので、この用途に有効である。
2.高機能化・高速化を要求する貫通型CSP
これは貫通電極により、チップ間を接続することで、配線長さを短縮して電気的特性を向上させるものである。貫通電極を形成するための貫通孔の形成、貫通孔への銅(Cu)の埋め込みなどの技術的課題からチップ厚をさらに薄くすることが望まれている。このような構成のチップを本発明の積層体を用いて順次形成していく場合には、ウェハの裏面に絶縁膜及びバンプ(電極)を形成する必要があり、積層体に耐熱性及び耐薬品性が要求される。このような場合にも、上記のような支持体、光熱変換層及び接合層の選択を行えば、本発明を有効に応用することが可能である。
3.放熱効率を改善し、電気特性・安定性を向上させた極薄化合物半導体(GaAsなど)
ガリウムヒ素などの化合物半導体はシリコンよりも優れた電気特性(高い電子移動度、直接遷移型バンド構造)から、高性能ディスクリートチップ、レーザーダイオードなどに用いられている。それらの性能は本発明の積層体を用いることで、チップを薄くし、放熱効率を上げることにより改善される。現状では、グリースやレジスト材で支持体であるガラス基板に半導体ウェハを接合させて、薄研削及び電極形成を行っている。このため、プロセス終了後のガラス基板からのウェハの剥離には溶剤などによる接合材の溶解が必要である。したがって、剥離に要する時間が数日以上といった長時間にわたることに加えて、廃液処理の問題がある。本発明の積層体を用いた場合には、このような問題を解決することができる。
4.生産性改善のための大型ウェハへの応用
大型ウェハ(例えば、12インチ直径のシリコンウェハ)では、ウェハと支持体との剥離の容易性が非常に重要であり、本発明の積層体を用いた場合には、容易に剥離が可能であるため、この分野にも応用ができる。
5.極薄水晶ウェハ
水晶デバイスの分野では、発振周波数を高めるために、ウェハの薄型化が求められている。本発明の積層体を用いた場合には、容易に剥離が可能であるため、この分野にも応用ができる。
予備試験
まず、種々のレーザー光照射条件を用いて、支持体とウェハとの剥離性を評価した。剥離性は、レーザー光照射による光熱変換層の分解の程度に依存するので、薄肉化されたウェハの代わりにガラス基板を用いた。光透過性支持体として、127mm×94mm×0.7mmのガラス基板を用い、ウェハの代わりとして上記と同一のガラス基板を用いた。先ず、ガラス基板に下記の表1に記載される組成の光熱変換層前駆体の10%溶液(プロピレングリコールメチルエーテルアセテート溶剤中)をスピンコートにより塗布する。
このようにレーザー照射した積層体のガラス基板に粘着テープ(Scotch粘着テープ#3303、3M社製)を付着させ、それを引き上げた。
光透過性支持体として、直径220mm×厚さ1.0mmのガラス基板を用い、ウェハとして、直径200mm×厚さ750μmのシリコンウェハを用いた。ガラス基板に上記の表1に記載される組成の光熱変換層前駆体の10%溶液(プロピレングリコールメチルエーテルアセテート溶剤中)をスピンコートにより塗布する。これを加熱により乾燥し、紫外線(UV)照射して硬化させて支持体上に光熱変換層を形成した。一方、ウェハに上記の表2に記載される組成の接合層前駆体を同様にスピンコートにより塗布し、図2に示すような真空接着装置内でガラス基板とウェハとを貼り合せて、それにUV照射して接合層前駆体を硬化させて、積層体を得た。この積層体はガラス基板/光熱変換層/接合層/シリコンウェハの構成であり、光熱変換層の厚さは0.9μmであり、接合層の厚さは100μmであり、接着面積は314cm2であった。
本例において、実施例1と同様に試験したが、以下の変更を加えた。光熱変換層前駆体として、下記表3に記載される組成の固形分比を有する20%溶液(プロピレングリコールメチルエーテルアセテート中)を用いた。また、レーザー光照射時にガラス基板の自重による再接着を防止するために、ガラス基板の端部にL字型フックを挿入し、ばねで上方に吊り上げるようにして、レーザー光照射時のガラス基板の自重による再接着を防止した。実施例1と同様に、50μmの厚さのシリコンウェハを損傷させることなく得ることができた。
本例において、実施例2と同様に試験したが、光熱変換層前駆体として、下記表4に記載される組成の固形分比を有する10%溶液(プロピレングリコールメチルエーテルアセテート中)を用いた。光熱変換層前駆体はカーボンブラックを含むポリマー溶液であり、従って、乾燥のみにより光熱変換層を形成した。
光熱変換層を用いず、接合層の代わりに、両面粘着テープ(Scotch両面粘着テープ、3M社製、75μm厚さで、軽剥離粘着層/PET(ポリエチレンテレフタレート)基材/重剥離粘着層)を用いて、シリコンウェハ/粘着テープ/ガラス基板からなる積層体とした以外は実施例1と同様に試験した。シリコンウェハは剥離することができなかった。
以下において、種々の組成及び厚さの光熱変換層を用い、そして接合層として、上記の実施例1〜3で用いたのと同一の組成の接着剤(高弾性率型接着剤)及び下記の組成の接着剤(低弾性率型接着剤)を用いて、上記実施例1〜3と同様に試験した。なお、接合層の厚さは50μmとした。また、シリコンウェハの研削は25μmまで行った。以下に、各実施例での光熱変換層の組成と厚さ及び接合層の組成を表5及び6に示す。実施例4〜6においては、透明フィラーとしてシリカを含有させた。
1. 被研削基材と、
前記被研削基材と接している接合層と、
光吸収剤及び熱分解性樹脂を含む光熱変換層と、
光透過性支持体と、
を含み、
但し、前記光熱変換層は、前記接合層とは反対側の前記被研削基材の表面を研削した後に、放射エネルギーが照射されたときに分解して、研削後の基材と前記光透過性支持体とを分離するものである、積層体。
2. 前記被研削基材は脆性材料である、態様1記載の積層体。
3. 前記被研削基材はシリコンウェハである、態様1記載の積層体。
4. 前記光吸収剤はカーボンブラックを含む、態様1〜3のいずれか1項記載の積層体。
5. 前記光熱変換層は透明フィラーをさらに含む、態様1〜4のいずれか1項記載の積層体。
6. 前記透明フィラーはシリカである、態様5記載の積層体。
7. 前記光吸収剤はカーボンブラックであり、前記光熱変換層中の前記カーボンブラックと前記透明フィラーとの総量は前記光熱変換層の体積を基準にして、5体積%〜70体積%である、態様5又は6記載の積層体。
8. 前記光吸収剤はカーボンブラックであり、前記光熱変換層中の前記カーボンブラックと前記透明フィラーとの総量は臨界フィラー体積濃度の80%以上である、態様5又は6記載の積層体。
9. 前記光熱変換層は前記光熱変換層の体積を基準にして5〜70体積%のカーボンブラックを含む、態様1記載の積層体。
10. 前記支持体はガラスである、態様1〜9のいずれか1項記載の積層体。
11. 前記接合層は光硬化型接着剤である、態様1〜10のいずれか1項記載の積層体。
12. 光吸収剤及び、熱分解性樹脂の溶液又は熱分解性樹脂の原料となるモノマーもしくはオリゴマーを含む光熱変換層前駆体を光透過性支持体上に塗布すること、
前記光熱変換層前駆体を乾燥固化又は硬化させて、前記光透過性支持体上に光熱変換層を形成させること、
被研削基材又は光熱変換層上に接着剤を適用して、接合層を形成すること、及び、
減圧下において、前記被研削基材と前記光熱変換層とを前記接合層を介して接合して、積層体を形成すること、
の工程を含む、態様1〜11のいずれか1項記載の積層体の製造方法。
13. 減圧下において、光透過性支持体上に形成された光熱変換層を、接合層を介して被研削基材に積層する、態様1〜11のいずれか1項記載の積層体の製造装置であって、
(1)所定の圧力にまで減じられる真空チャンバー、
(2)前記真空チャンバー内にあり、被研削基材又は光熱変換層が形成された光透過性支持体のいずれか一方を配置するための支持部、
(3)前記真空チャンバー内にありかつ前記支持部の上方において鉛直方向に移動することが可能であり、被研削基材又は光熱変換層が形成された光透過性支持体の他方をその周縁部で保持するとともに、被研削基材と光熱変換層との近接時に開放することができる保持/開放手段、
を含む、積層体の製造装置。
14. 態様1〜11のいずれか1項記載の積層体を用意すること、
前記被研削基材を所望の厚さまで研削すること、
前記光透過性支持体を介して前記光熱変換層に放射エネルギーを照射して、前記光熱変換層を分解し、研削後の基材と光透過性支持体とを分離すること、及び、
前記研削後の基材から接合層を剥離すること、
の工程を含む、薄肉化された基材の製造方法。
15. 態様1〜11のいずれか1項記載の積層体の被研削基材を研削するための手段、
前記光透過性支持体を介して前記光熱変換層に放射エネルギーを照射して、前記光熱変換層を分解し、研削後の基材と光透過性支持体とを分離するために十分な放射エネルギーを放射することができる、放射エネルギー照射手段、及び、
前記研削後の基材から接合層を剥離するための手段、
を含む、薄肉化された基材の製造装置。
2 被研削基材
3 接合層
4 光熱変換層
5 支持体
20 真空接着装置
30 研削装置
50 積層体固定装置
60 レーザー照射装置
70 ピックアップ
80 接合層除去用粘着テープ
Claims (3)
- 光吸収剤、熱分解性樹脂の溶液又は熱分解性樹脂の原料となるモノマーもしくはオリゴマー、及び透明フィラーを含む、研削によって薄肉化された被研削基材の製造に使用される光熱変換層前駆体であって、熱分解性樹脂のガラス転移温度は20℃以上であり、且つ光熱変換層前駆体により形成される光熱変換層は、放射エネルギーの照射による熱分解性樹脂の熱分解により光熱変換層内で空隙が生じる、光熱変換層前駆体。
- 前記光吸収剤はカーボンブラックである、請求項1記載の光熱変換層前駆体。
- 前記透明フィラーはシリカである、請求項1又は2記載の光熱変換層前駆体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009087422A JP5048707B2 (ja) | 2002-06-03 | 2009-03-31 | 被研削基材を含む積層体、その製造方法並びに積層体を用いた極薄基材の製造方法及びそのための装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002161846 | 2002-06-03 | ||
JP2002161846 | 2002-06-03 | ||
JP2009087422A JP5048707B2 (ja) | 2002-06-03 | 2009-03-31 | 被研削基材を含む積層体、その製造方法並びに積層体を用いた極薄基材の製造方法及びそのための装置 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002350247A Division JP4565804B2 (ja) | 2002-06-03 | 2002-12-02 | 被研削基材を含む積層体、その製造方法並びに積層体を用いた極薄基材の製造方法及びそのための装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009155652A JP2009155652A (ja) | 2009-07-16 |
JP5048707B2 true JP5048707B2 (ja) | 2012-10-17 |
Family
ID=35632710
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009087422A Expired - Lifetime JP5048707B2 (ja) | 2002-06-03 | 2009-03-31 | 被研削基材を含む積層体、その製造方法並びに積層体を用いた極薄基材の製造方法及びそのための装置 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5048707B2 (ja) |
CN (1) | CN1703773B (ja) |
Families Citing this family (28)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4565804B2 (ja) * | 2002-06-03 | 2010-10-20 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 被研削基材を含む積層体、その製造方法並びに積層体を用いた極薄基材の製造方法及びそのための装置 |
JP2011040419A (ja) * | 2008-05-22 | 2011-02-24 | Fuji Electric Systems Co Ltd | 半導体装置の製造方法及びそのための装置 |
JP4725638B2 (ja) * | 2008-12-09 | 2011-07-13 | カシオ計算機株式会社 | 半導体装置の製造方法 |
WO2010121068A2 (en) * | 2009-04-16 | 2010-10-21 | Suss Microtec, Inc. | Improved apparatus for temporary wafer bonding and debonding |
WO2012077471A1 (ja) * | 2010-12-06 | 2012-06-14 | 株式会社きもと | レーザーダイシング用補助シート |
CN102307040A (zh) * | 2011-05-03 | 2012-01-04 | 铜陵市三科电子有限责任公司 | 一种smd石英晶片晶砣的制备方法 |
KR101403863B1 (ko) * | 2011-11-14 | 2014-06-09 | 제일모직주식회사 | 이방성 도전 필름 |
JP2013107168A (ja) * | 2011-11-21 | 2013-06-06 | Toyo Quality One Corp | ガラス研磨方法及びこれに用いる積層シート |
KR101525999B1 (ko) * | 2011-12-16 | 2015-06-04 | 제일모직주식회사 | 열전사 필름 |
JP6006569B2 (ja) * | 2012-07-23 | 2016-10-12 | 東京応化工業株式会社 | 積層体及び積層体の製造方法 |
US20140144593A1 (en) * | 2012-11-28 | 2014-05-29 | International Business Machiness Corporation | Wafer debonding using long-wavelength infrared radiation ablation |
JP5610328B1 (ja) | 2013-03-14 | 2014-10-22 | 富士電機株式会社 | 半導体デバイスの製造方法 |
JP5967211B2 (ja) | 2013-04-04 | 2016-08-10 | 富士電機株式会社 | 半導体デバイスの製造方法 |
CN103192199B (zh) * | 2013-04-18 | 2015-04-29 | 苏州光韵达光电科技有限公司 | 一种用于光纤激光切割陶瓷的吸收剂 |
TWI576190B (zh) * | 2013-08-01 | 2017-04-01 | Ibm | 使用中段波長紅外光輻射燒蝕之晶圓剝離 |
CN104979262B (zh) * | 2015-05-14 | 2020-09-22 | 浙江中纳晶微电子科技有限公司 | 一种晶圆分离的方法 |
TW201707959A (zh) * | 2015-08-21 | 2017-03-01 | Jsr Corp | 基材的處理方法、暫時固定用組成物及半導體裝置 |
JP6859729B2 (ja) * | 2016-07-05 | 2021-04-14 | 昭和電工マテリアルズ株式会社 | 仮固定用樹脂組成物、仮固定用樹脂フィルム、仮固定用樹脂フィルムシート及び半導体装置の製造方法 |
CN108231646A (zh) * | 2016-12-13 | 2018-06-29 | 中芯国际集成电路制造(上海)有限公司 | 一种半导体器件的制造方法 |
KR102652732B1 (ko) * | 2016-12-15 | 2024-03-28 | 쓰리엠 이노베이티브 프로퍼티즈 컴파니 | 점착 필름 |
JP6558355B2 (ja) * | 2016-12-19 | 2019-08-14 | 信越半導体株式会社 | Soiウェーハの製造方法 |
JP6908379B2 (ja) * | 2016-12-27 | 2021-07-28 | リンテック株式会社 | 粘着シートおよび液晶表示部材 |
TW201837009A (zh) * | 2017-03-30 | 2018-10-16 | 日商日本碍子股份有限公司 | 暫時固定基板及電子元件的模塑方法 |
CN108335994A (zh) * | 2017-12-28 | 2018-07-27 | 大族激光科技产业集团股份有限公司 | 晶片接合结构、晶片接合方法、晶片剥离方法及装置 |
TWI665281B (zh) | 2018-03-23 | 2019-07-11 | 台虹科技股份有限公司 | 暫時性接著用組成物以及暫時性接著用溶液 |
US20230193090A1 (en) * | 2020-05-21 | 2023-06-22 | Denka Company Limited | Composition |
CN111834280A (zh) * | 2020-07-24 | 2020-10-27 | 武汉新芯集成电路制造有限公司 | 临时键合方法 |
CN112428165B (zh) * | 2020-10-22 | 2021-10-22 | 德阳展源新材料科技有限公司 | 一种阻尼布抛光垫的制备方法 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5476566A (en) * | 1992-09-02 | 1995-12-19 | Motorola, Inc. | Method for thinning a semiconductor wafer |
JP3535318B2 (ja) * | 1996-09-30 | 2004-06-07 | 富士通株式会社 | 半導体装置およびその製造方法 |
US6114088A (en) * | 1999-01-15 | 2000-09-05 | 3M Innovative Properties Company | Thermal transfer element for forming multilayer devices |
US6849328B1 (en) * | 1999-07-02 | 2005-02-01 | Ppg Industries Ohio, Inc. | Light-transmitting and/or coated article with removable protective coating and methods of making the same |
JP2001185519A (ja) * | 1999-12-24 | 2001-07-06 | Hitachi Ltd | 半導体装置及びその製造方法 |
US6284425B1 (en) * | 1999-12-28 | 2001-09-04 | 3M Innovative Properties | Thermal transfer donor element having a heat management underlayer |
JP4565804B2 (ja) * | 2002-06-03 | 2010-10-20 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 被研削基材を含む積層体、その製造方法並びに積層体を用いた極薄基材の製造方法及びそのための装置 |
JP4405246B2 (ja) * | 2003-11-27 | 2010-01-27 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 半導体チップの製造方法 |
-
2003
- 2003-06-02 CN CN03812196.4A patent/CN1703773B/zh not_active Expired - Lifetime
-
2009
- 2009-03-31 JP JP2009087422A patent/JP5048707B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2009155652A (ja) | 2009-07-16 |
CN1703773B (zh) | 2011-11-16 |
CN1703773A (zh) | 2005-11-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5048707B2 (ja) | 被研削基材を含む積層体、その製造方法並びに積層体を用いた極薄基材の製造方法及びそのための装置 | |
JP4565804B2 (ja) | 被研削基材を含む積層体、その製造方法並びに積層体を用いた極薄基材の製造方法及びそのための装置 | |
JP4405246B2 (ja) | 半導体チップの製造方法 | |
US7534498B2 (en) | Laminate body, method, and apparatus for manufacturing ultrathin substrate using the laminate body | |
WO2010025047A2 (en) | Layered body and method for manufacturing thin substrate using the layered body | |
US20090017323A1 (en) | Layered body and method for manufacturing thin substrate using the layered body | |
KR20140128355A (ko) | 임시 기판 지지체를 위한 장치, 하이브리드 적층체, 방법 및 재료 | |
US9184083B2 (en) | Apparatus, hybrid laminated body, method and materials for temporary substrate support |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120327 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120530 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120619 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120719 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150727 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5048707 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |