JP5047160B2 - 4−[[5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル]アミノ]−5−メチル−N−プロピルピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボキサミドの塩の製造法、および該製造法において製造される新規の安定なフォーム - Google Patents
4−[[5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル]アミノ]−5−メチル−N−プロピルピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボキサミドの塩の製造法、および該製造法において製造される新規の安定なフォーム Download PDFInfo
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Description
Xは、−O−、−OC(=O)−、−S−、−S(=O)−、−SO2−、−C(=O)−、−CO2−、−NR8−、−NR8C(=O)−、−NR8C(=O)NR9−、−NR8CO2−、−NR8SO2−、−NR8SO2NR9−、−SO2NR8−、−C(=O)NR8−、ハロゲン、ニトロ、もしくはシアノから選ばれるか、またはXは存在せず;
Zは、−C(=O)NR10−Bb、−(CH2)−C(=O)NR10−Bc、−NR10aC(=O)−Ba、−(CH2)−NR10aC(=O)−Bc、−NR10aC(=O)NR10−B、−NR10SO2−B、−SO2NR10−B、−C(=O)−Ba、−CO2−Be、−OC(=O)−Ba、−C(=O)NR10−NR10a−Bd、−NR10CO2−Ba、または−C(=O)NR10−(CH2)C(=O)Baであり;
Bは、
(a)場合により置換されたシクロアルキル、場合により置換されたヘテロシクロ、もしくは場合により置換されたヘテロアリール;または、
(b)1個のR11および0〜2個のR12で置換されたアリール、
であり;
Baは、場合により置換されたアルキル、場合により置換されたシクロアルキル、場合により置換されたヘテロシクロ、場合により置換されたアリール、または場合により置換されたヘテロアリールであり;
Bbは、
(a)場合により置換されたシクロアルキル、場合により置換されたヘテロシクロ、または場合により置換されたヘテロアリールであり;
(b)1個のR11および0〜2個のR12で置換されたアリール;または、
(c)−C(=O)R13、−CO2R13、−C(=O)NR13R13a、
であり;
Bcは、場合により置換されたアルキル、場合により置換されたアルコキシ、場合により置換されたシクロアルキル、場合により置換されたヘテロシクロ、場合により置換されたアリール、または場合により置換されたヘテロアリール、
であり;
Bdは、水素、−C(=O)R13、または−CO2R13であり;
Beは、水素、場合により置換されたアルキル、場合により置換されたシクロアルキル、場合により置換されたヘテロシクロ、場合により置換されたアリール、または場合により置換されたヘテロアリールであり;
R1およびR5は独立して、水素、アルキル、置換されたアルキル、−OR14、−SR14、−OC(=O)R14、−CO2R14、−C(=O)NR14R14a、−NR14R14a、−S(=O)R14、−SO2R14、−SO2NR14R14a、−NR14SO2NR14aR14b、−NR14aSO2R14、−NR14C(=O)R14a、−NR14CO2R14a、−NR14C(=O)NR14aR14b、ハロゲン、ニトロ、またはシアノから選ばれ;
R2は、水素またはC1〜4アルキルであり;
R3は、水素、メチル、ペルフルオロメチル、メトキシ、ハロゲン、シアノ、NH2、またはNH(CH3)であり;
R4は、
(a)Xが−S(=O)−、−SO2−、−NR8CO2−、もしくは−NR8SO2−である場合には、R4は水素でないという条件で、水素であり;
(b)場合によりケトおよび/または1〜4個のR17で置換された、アルキル、アルケニル、またはアルキニル;
(c)アリールもしくはヘテロアリール(これらのいずれかは場合により独立して、1〜3個のR16で置換され得る);
(d)ヘテロシクロまたはシクロアルキル(これらのいずれかは場合により独立して、ケトおよび/または1〜3個のR16で置換され得る);または、
(e)Xがハロゲン、ニトロ、もしくはシアノである場合には、R4が存在しない、
から選ばれ;
R6は、フェニル環Aのいずれかの利用可能な炭素原子と結合し、そして各々は独立して、アルキル、ハロゲン、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルカノイル、アルカノイルオキシ、チオール、アルキルチオ、ウレイド、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルボキシアルキル、カルバミル、アルコキシカルボニル、アルキルチオノ、アリールチオノ、アリールスルホニルアミン、アルキルスルホニルアミン、スルホン酸、アルキルスルホニル、スルホンアミド、フェニル、ベンジル、アリールオキシ、またはベンジルオキシから選ばれ、ここで、各R6基は更に1〜2個のR18によって置換され得て;
R8およびR9は独立して、水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロ、またはヘテロアリールから選ばれ;
R10およびR10aは独立して、水素、アルキル、置換されたアルキル、アルコキシ、またはアリールから選ばれ;
R11は、
(a)アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、−SO2アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロ、もしくはヘテロアリール(これらのいずれかは場合により置換され得る);または、
(b)ハロ、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、もしくはジアルキルアミノ、
から選ばれ;
R12は、アルキル、R17、またはケト(=O)および/もしくは1〜3個のR17で置換されたC1〜4アルキルから選ばれ;
R13およびR13aは独立して、水素、場合により置換されたアルキル、場合により置換されたシクロアルキル、または場合により置換されたアリールから選ばれ;
R14が−S(=O)R14、−SO2R14および−NR14aSO2R14の通りスルホニル基と結合する場合には、R14は水素ではないということを除いて、R14、R14a、およびR14bは独立して、水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロ、またはヘテロアリールから選ばれ;
R16は、アルキル、R17、またはケト(=O)および/もしくは1〜3個のR17で置換されたC1〜4アルキルから選ばれ;
R17は、
(a)ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ニトロ、シアノ、−SR23、−OR23、−NR23R24、−NR23SO2R25、−SO2R25、−SO2NR23R24、−CO2R23、−C(=O)R23、−C(=O)NR23R24、−OC(=O)R23、−OC(=O)NR23R24、−NR23C(=O)R24、−NR23CO2R24;
(b)アリールもしくはヘテロアリール(これらのいずれかは場合により1〜3個のR26で置換され得る);または、
(c)場合によりケト(=O)および/もしくは1〜3個のR26で置換された、シクロアルキルまたはヘテロシクロ、
から選ばれ;
R18およびR26は独立して、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、C1〜4アルキルアミノ、アミノC1〜4アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシC1〜4アルキル、アルコキシ、C1〜4アルキルチオ、アリール、ヘテロシクロ、(アリール)アルキル、アリールオキシ、または(アリール)アルコキシから選ばれ;
R23およびR24は各々独立して、水素、アルキル、アルケニル、置換アルキル、置換アルケニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロシクロから選ばれ;
R25は、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロから選ばれ;そして、
mは、0、1、2または3である。
商業的に入手可能な化合物(1)は、加熱しながら塩化オキサリルと反応させ、次いで真空下で濃縮し、そして、有機溶媒(例えば、ジクロロメタン(DCM))中、塩基(例えば、ジイソプロピルアミン)の存在下でアミンB−NH2と反応させて、化合物(2)を得ることができる。化合物(2)を、アルコール性溶媒(例えば、エタノール(EtOH))中、室温で触媒(例えば、Pd)の存在下、水素と反応させて、化合物(3)を得ることができる。次いで、化合物(3)を反応式2に記載する通り使用して、反応式2の化合物(8)を得ることができる。
3−メチル−1−ピロール−2,4−ジエチルエステルを、エーテル中でクロルアミンと反応させて、化合物(4)を得ることができる。化合物(4)をホルムアミド中で酢酸と反応させることにより、化合物(5)を得る。化合物(5)を、トルエン中でDIPEAおよびPOCl3と反応させて、化合物(6)を得ることができる。化合物(6)を、DMF中でDIPEAおよび化合物(3)と反応させて、化合物(7)を得ることができる。化合物(7)をTHF中でNaOHを用いて加水分解して酸中間体7aを得て、このものをDMF中で、HOBt、EDCI、および適当なアミン7bを用いて処理することにより、化合物8を得る。
格子定数:
a=20.9498(5)Å;
b=13.8719(3)Å;
c=7.9133(2)Å;
α=90°;
β=100.052(1)°;
γ=90°;
空間群 P21/n;
分子/非対称ユニット 1
(ここで、結晶形は約+22℃のものである)。
格子定数:
a=9.818(1)Å;
b=11.127(1)Å;
c=13.004(1)Å;
α=97.32(1)°;
β=110.17(1)°;
γ=111.48(1)°;
空間群 P−1;
分子/非対称ユニット 1
(該結晶形は約+22℃でのものである)。
a)有機溶媒(テトラヒドロフランが好ましい)中に懸濁した、構造式I:
b)該遊離塩基Iを塩酸水溶液と反応させ;
c)b)由来の反応混合物に、遊離塩基Iの塩酸塩のフォームN−1種晶を入れ;そして、
d)フォームN−1結晶のフォームである塩酸塩を回収する、
工程を含む。
a)N,N−ジメチルホルムアミドまたはN,N−ジメチルアセトアミド中に懸濁または溶解した遊離塩基Iを供給し;
b)該遊離塩基Iを塩酸水溶液と反応させ;
c)b)由来の反応混合物に、遊離塩基Iの塩酸塩のフォームN−1種晶を入れ;
d)c由来の反応混合物に、アセトンまたはメチルエチルケトン(MEK)を加え;そして、
e)フォームN−1結晶のフォームである塩酸塩を回収する、
工程を含む。
a)遊離塩基Iを、有機溶液(例えば、テトラヒドロフランまたはアセトニトリル)中に懸濁し;
b)該遊離塩基Iを塩酸塩水溶液と反応させ;そして、
c)フォームN−1結晶のフォームである塩酸塩を回収する、
ことによって製造し得る。
a)N,N−ジメチルホルムアミド中の構造式I:
b)該遊離塩基をメタンスルホン酸と反応させ;
c)該反応混合物にアセトンを加え;
d)該反応混合物に、該遊離塩基IのフォームN−1メタンスルホン酸塩の結晶の種晶を入れ;そして、
e)フォームN−1メタンスルホン酸塩の結晶を回収する、
工程を含む。
a)有機溶媒(例えば、DMF、イソプロピルアルコール、エタノール、酢酸エチル、またはアセトニトリル(DMFまたはアセトニトリルが好ましい))中の遊離塩基Iの懸濁液を供給し;
b)該遊離塩基をメタンスルホン酸と反応させ;
c)該反応混合物に、遊離塩基IのフォームN−1メタンスルホン酸塩の結晶の種晶を入れ;そして、
d)フォームN−1メタンスルホン酸塩の結晶を回収する、
工程を含む。
a)遊離塩基Iを、有機溶媒(例えば、DMF、イソプロピルアルコール、エタノール、酢酸エチル、またはアセトニトリル(DMFまたはアセトニトリルが好ましい))中に懸濁し;
b)該遊離塩基Iをメタンスルホン酸と反応させ;そして、
c)フォームN−1結晶のフォームであるメタンスルホン酸塩を回収する、
ことによって製造し得る。
a)ギ酸とメチルエチルケトンまたはギ酸とアセトン中の構造式I:
b)塩酸水溶液を工程a)のスラリーと混合し;
c)場合により、工程b)の反応混合物をろ過し;
d)(いわゆる逆付加の方法において)c)のろ過した反応混合物を、メチルエチルケトンまたはアセトン(ここで、工程a)で使用するのと同一の溶媒を使用することが好ましい)中の遊離塩基IのフォームN−4塩酸塩の結晶の種晶のスラリーに加え;そして、
e)フォームN−4結晶のフォームである遊離塩基の塩酸塩を回収する、
工程を含む。
a)ギ酸とアセトンまたはギ酸とメチルエチルケトン(MEK)中の構造式I:
b)(いわゆる順付加の方法において)塩酸の水溶液を、工程a)のスラリーまたは溶液に加え;
c)場合により、該得られた反応混合物をろ過し;
d)場合により、ろ過した反応混合物にアセトンを加え;
e)遊離塩基IのフォームN−4塩酸塩の結晶の種晶およびアセトンまたはMEKを、工程b)、c)およびd)の反応混合物に加え;そして、
f)フォームN−4結晶のフォームである遊離塩基の塩酸塩を回収する、
工程を含む。
a)有機溶媒(エタノール、アセトン、またはテトラヒドロフランが好ましい)中の遊離塩基Iの懸濁液または溶液を供給し;
b)工程a)の懸濁液または溶液に、塩酸水溶液を加え;
c)工程b)の反応混合物に、遊離塩基IのフォームN−4塩酸塩の結晶の種晶を加え;そして、
d)フォームN−4結晶のフォームである遊離塩基Iの塩酸塩を回収する、
工程を含む。
a)N,N−ジメチルホルムアミド中の遊離塩基Iの懸濁液または溶液を供給し;
b)塩酸の水溶液を工程a)の懸濁液に加えて溶液を得て;
c)アセトンまたはMEKを工程b)の溶液に加え;
d)工程c)の混合物に、遊離塩基IのフォームN−4塩酸塩の種晶を加え;そして、
e)遊離塩基IのフォームN−4塩酸塩の結晶を回収する、
工程によって製造する。
a)N,N−ジメチルアセトアミド中の遊離塩基Iの溶液を供給し;
b)塩酸水溶液を工程a)の溶液に加え;
c)工程b)の反応混合物に、遊離塩基IのフォームN−4塩酸塩の結晶の種晶を加え;
d)工程c)の反応混合物に、アセトンまたはMEKを加え;そして、
e)フォームN−4結晶のフォームである遊離塩基Iの塩酸塩を回収する、
工程を含む。
a)有機溶媒(例えば、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、エタノール、またはアセトン)中のフォームN−1塩酸塩の結晶および遊離塩基IのフォームN−4塩酸塩の結晶の種晶のスラリーを供給し;
b)工程a)の得られた反応混合物を、約20〜約50℃の範囲内の温度で加熱し;そして、
c)フォームN−4結晶のフォームである遊離塩基Iの塩酸塩を回収する、
工程を含む。
a)約50℃〜約75℃の範囲内の温度でN,N−ジメチルアセトアセド中に溶解した構造式Iの遊離塩基の溶液を供給し;
b)塩酸水溶液および冷アセトンまたMEKの溶液を供給し;
c)アセトン/HCl溶液またはMEK/HCl溶液に、遊離塩基IのフォームN−4塩酸塩の種晶を加え;
d)温度を約60〜約65℃の範囲内に保った、工程a)由来のN,N−ジメチルアセトミド中の遊離塩基Iの溶液を、撹拌しながら、工程c)の種晶を入れた冷アセトン/HCl溶液またはMEK/HCl溶液に加えて、スラリーを得て;そして、
e)遊離塩基IのフォームN−4塩酸塩の結晶を回収する、
工程を含む。
a)N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド/アセトン(最も好ましい)、またはN,N−ジメチルホルムアミド/MEK中に溶解した構造式Iの遊離塩基のスラリーを供給し;
b)塩酸水溶液およびアセトンまたはMEKの溶液を工程a)のスラリーに加えて、溶液を得て;
c)場合により、不溶性固体を工程b)の溶液からろ過して除き;
d)工程b)またはc)のアセトン/HCl溶液に、アセトン中の遊離塩基IのフォームN−4塩酸塩の種晶を加え;そして、
e)遊離塩基IのフォームN−4塩酸塩の結晶を回収する、
工程を含む。
a)N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド/アセトン、またはN,N−ジメチルホルムアミド/MEK中に溶解した構造式Iの遊離塩基のスラリーを供給し;
b)塩酸水溶液およびアセトンまたはMEKの溶液を工程a)のスラリーに加えて、溶液を得て;
c)場合により、工程b)の溶液から不溶性の固体をろ過して除き;
d)アセトン中のスラリーとしてのフォームN−4塩酸塩の種晶を、工程c)で得た溶液に加え;そして、
e)遊離塩基IのフォームN−4塩酸塩の結晶を回収する、
工程を含む。
a)遊離塩基Iをエタノール中に懸濁し;
b)該遊離塩基Iの懸濁液を、塩酸水溶液と反応させ;そして、
c)フォームN−4塩酸塩の結晶を回収する、
ことによって製造し得る。
本発明は、少なくとも幾分、新規な物質、特に医薬的に許容し得るフォームとしての遊離塩基Iの結晶形を提供する。本明細書中に使用する用語「医薬的に許容し得る」は、正常な医学的な判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激作用、アレルギー性応答、または合理的な利点/危険率と釣り合った他の問題の合併症がなく、ヒトおよび動物の組織と接触するのに適当である、化合物、物質、組成物、および/または剤形について言及する。好ましい実施態様において、遊離塩基Iの結晶性塩フォームは本質的に純粋なフォームである。本明細書中で使用する用語「本質的に純粋な」とは、約90%以上(例えば、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、および約100%)の純度を有する化合物を意味する。
本発明の新規な塩フォーム(N−1およびN−4)(例えば、フォームN−1塩酸塩およびN−4塩酸塩、並びにフォームN−1メタンスルホン酸塩を含む)はp38キナーゼ(特に、イソ型p38αおよびp38β)活性の選択的なインヒビターである。従って、本発明の新規な塩フォームは、p38キナーゼ活性に関係する病気を処置する際に有用性を有する。疾患としては、サイトカインレベルがp38による細胞内情報伝達の結果として調整される疾患(特に、サイトカインIL−1、IL−4、IL−8、およびTNF−αの過剰産生に関係する疾患)を含む。本明細書中に使用する用語「処置する」または「処置」とは、応答および予防の方法のいずれかまたは両方(例えば、疾患もしくは障害の発症を阻害しもしくは遅延し、症状もしくは疾患状態の十分なもしくは部分的な軽減を達成し、および/または、該疾患もしくは障害および/またはその症状を緩和し、寛解し、和らげ、もしくは治癒する、ように設計された方法)を包含する。「p−38α/βキナーゼ」の阻害について本明細書中に言及する場合に、このことは、p38αおよび/またはp38βキナーゼのいずれかを阻害することを意味する。従って、p−38α/βキナーゼを阻害するためのIC50値についての言及は、該化合物がp38αおよびp38βキナーゼの少なくとも1つまたはその両方を阻害するための有効性を有することを意味する。
p38キナーゼの生成
ヒトp38α、βおよびγのイソ型のcDNAをPCRによってクローニングした。これらのcDNAを、pGEX発現ベクター(ファルマシア社製)中でサブクローニングした。GST−p38融合タンパク質を大腸菌中で発現させ、そしてアフィニティークロマトグラフィー(グルタチオンアガロースを使用する)によって細菌ペレットから精製した。p38融合タンパク質を、常時活性型MKK6と一緒にインキュベートすることによって活性化した。活性なp38を、アフィニティークロマトグラフィーによってMKK6から分離した。常時活性型MKK6は、Raingeaudらによる、[Mol. Cell. Biol., 1247-1255 (1996)]に従って生成した。
ヘパリン処置したヒト全血を健常者から得た。末梢血単核球(PBMCs)を、フィコール−ハイパック密度勾配遠心分離によってヒト全血から精製し、そしてこのものをアッセイ培地(10%ウシ胎児血清を含有するRPMI培地)中で5×106/mLの濃度で再懸濁した。細胞懸濁液(50μL)を、96ウェル組織培養プレート中で被験化合物(0.2%DMSOを含有するアッセイ培地中で4×の濃度)(50μL)と一緒にインキュベートした。次いで、LPS(200ng/ストックのmL)(100μL)を該細胞懸濁液に加え、そして該プレートを37℃で6時間インキュベートした。インキュベート後に、培地を集め、そして−20℃で保存した。該培地中のTNF−αの濃度を標準的なエライザキット(ファルミンゲン社製(Pharmingen-San Diego, CA))を用いて定量化した。TNF−αの濃度、および被験化合物についてのIC50値(LPS−刺激のTNF−α産生を50%だけ阻害する化合物の濃度)を、線形回帰分析によって算出した。
該アッセイは、V−底96ウェルプレート中で行なった。最終的なアッセイ容量は、アッセイ緩衝液(50mM トリス pH7.5、10mM MgCl2、50mM NaCl、および1mM DTT)中の3個の20μLの更なる酵素、基質(MBPおよびATP)、および被験化合物から調製した60μLとした。細菌的に発現する活性化されたp38は、基質との反応の開始前に、被験化合物と一緒に10分間予めインキュベートした。該反応液を25℃で45分間インキュベートし、そして各試料に0.5M EDTA(5μL)を加えることによって停止させた。該反応混合物を、スカトロン ミクロ(Skatron Micro)96細胞ハーベスター(スカトロン社製)を用いて、予め湿らせたフィルターマット上に吸引し、次いでPBSを用いて洗浄した。次いで、該フィルターマットをマイクロ波オーブン中で1分間乾燥し、メルチルレックス(MeltilLex)Aシンチレーションワックス(ワラック社製)を用いて処理し、そしてミクロベータシンチレーションカウンターモデル1450(ワラック社製)を用いてカウントした。阻害データは、プリズム(グラフパッドソフトウェア(GraphPadSoftware)社製)を用いる、非線形最小二乗回帰によって分析した。該アッセイ中の試薬の最終的な濃度は、ATPが1μM;[γ−33P]ATPが3nM;MBP(シグマ社製、番号M1891)が2μg/ウェル;p38が10nM;および、DMSOが0.3%である。
マウス(Balb/c雌性、6〜8週齢、ハーラン ラボ(Harlan Labs);n=8/処置群)に、滅菌生理食塩水中に懸濁したリポ多糖類(LPS;大腸菌0111:B4、シグマ社製)(50μg/kg)を腹腔内注射した。90分後に、マウスをCO2:O2の吸入によって鎮静し、そして血液試料を得た。血清を分離し、そして製造主の指示(R&D Systems, Minneapolis, MN)により商業的なエライザアッセイによって、TNF−アルファ濃度について分析した。
言及の容易さのために、以下の略号を本明細書(例えば、製造法および実施例を含む)中に使用する。
Ph=フェニル;
Bz=ベンジル;
t−Bu=tert−ブチル;
Me=メチル;
Et=エチル;
Pr=プロピル;
Iso−P=イソプロピル;
MeOH=メタノール;
EtOH=エタノール;
EtOAc=酢酸エチル;
Boc=tert−ブチルオキシカルボニル;
DCM=ジクロロメタン;
DCE=1,2−ジクロロエタン;
DMA=N,N−ジメチルアセトアミド;
DMF=N,N−ジメチルホルムアミド;
DMSO=ジメチルスルホキシド;
DTT=ジチオトレイトール;
TFA=トリフルオロ酢酸;
THF=テトラヒドロフラン;
HATU=O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート);
KOH=水酸化カリウム;
K2CO3=炭酸カリウム;
POCl3=オキシ塩化リン;
EDCまたはEDCI=1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド 塩酸塩;
DIPEA=ジイソプロピルエチルアミン;
HOBt=1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物;
m−CPBA=m−クロロ過安息香酸;
NaH=水素化ナトリウム;
NaOH=水酸化ナトリウム;
Pd=パラジウム;
Pd/C=炭素上のパラジウム;
min=分;
μL=マイクロリットル;
ng=ナノグラム;
μM=マイクロモル;
nM=ナノモル;
mM=ミリモル;
L=リットル;
mlまたはmL=ミリリットル;
μLまたはμl=マイクロリットル;
g=グラム;
mg=ミリグラム;
mol=モル;
mmol=ミリモル;
meq=ミリ当量;
RTまたはrt=室温(20〜25℃);
ret.t.=HPLC保持時間(分);
satまたはsat'd=飽和;
aq.=水性;
TLC=薄層クロマトグラフィー;
HPLC=高速液体クロマトグラフィー;
RP HPLC=逆相HPLC;
LC/MS=高速液体クロマトグラフィー/質量分析;
MS=質量分析;
NMR=核磁気共鳴;
mp=融点;
RH=相対湿度。
a.カラム:YMC ODSA S−5 5μ C18 4.6×50mm;溶媒:溶媒A=10%MeOH/90%水/0.1%THF、および溶媒B=90%MeOH/10%水/0.1%THF;方法:4分間の勾配;
b.カラム:YMC s5 ODS 4.6×50mm;溶媒:溶媒A=10%MeOH/90%水/0.2%H3PO4、および溶媒B=90%MeOH/10%水/0.2%H3PO4;方法:4分間の勾配。
THF(20mL/SMのg)のn−プロピルアミン(6.5当量)の溶液を〜−5℃まで冷却し、そしてこのものをn−ブチルリチウムの2.5M溶液(6.1当量)を用いてゆっくりと処理した。該混合物を10分間撹拌した。該期間の最後に、THF(14mL/SMのg)の実施例1の化合物(1当量)のスラリーを、予め調製したLi−NHPr溶液中にカニューレ挿入した。該反応混合物を25℃まで昇温させ、そして全ての実施例1の化合物が消費されるまで(〜3時間)、撹拌した。該反応がHPLCによって完結したと判断した後に、該反応混合物を〜0℃まで冷却し、そしてこのものを酢酸(5mL/SMのg)を用いてゆっくりと処理した。次いで、該スラリーを〜20℃まで昇温させ、そしてこのものを1時間撹拌した。該期間の最後に、該溶媒を真空下で留去して最少容量とし、そして該濃縮スラリーを、アセトン(10mL/SMのg)および水(20mL/SMのg)の溶液を用いて希釈した。該スラリーを1時間撹拌し、そして〜5℃まで冷却した。該スラリーをろ過し、そして該ケーキをアセトン(5mL/SMのg)を用いて洗浄した。該ケーキを乾燥して、アミド生成物(典型的には85%収率および99 APである)を得た。
2,2,2−トリフルオロエタノール(10mL/SMのg)中のn−プロピルアミン(20当量)の溶液を、n−ブチルリチウムの2.5M溶液(1.5当量)を用いてゆっくりと処理した。該混合物を5分間撹拌した。該期間の最後に、出発物質である実施例1の化合物(1当量)を加え、そして該反応混合物を90℃まで加温した。該反応混合物を90℃で24時間保ち、そしてこのものを〜20℃まで冷却した。次いで、該反応混合物をHPLCによって分析した。典型的には、分析は、出発物質のわずかに1.57A%が残っていることを示した。
20℃の塩化メチレン(10mL/SMのg)中のn−プロピルアミン(2当量)の溶液を、ヘキサン中のトリメチルアルミニウム(4当量)の2.0M溶液を用いてゆっくりと処理した。該混合物を15分間撹拌した。該期間の最後に、出発物質である実施例1の化合物(1当量)を加え、そして該反応混合物を60℃まで加温した。該反応混合物を60℃で24時間保ち、そしてこのものを〜20℃まで冷却した。次いで、該反応混合物をHCl水溶液を用いてゆっくりとクエンチし、そしてHPLCによって分析した。典型的には、分析は、ジプロピルアミド不純物の0.03A%を有する96.8A%のアミド生成物が存在することを示した。
実施例2の化合物のフォームN−1 HCl塩の種晶の製造
実施例2の遊離塩基(50〜60mg)を、THFまたはアセトニトリル(1mL)中に懸濁した。HCl溶液(37%水性)(15〜30μL)を実施例2の遊離塩基の上記懸濁液に加えた。該混合物は透明溶液に変化した。該溶液を20℃で15時間激しく撹拌した。該溶液は濁り、そして白色結晶スラリーに変化した。該スラリーをろ過し、そして冷THFを用いて洗浄し、次いで風乾しまたは真空下、40℃で乾燥して、白色粉末のフォームである生成物(これは、粉末X−線回折によって実施例2の遊離塩基のフォームN−1 HCl塩であると同定した)を得た。
THF由来の実施例2の化合物のフォームN−1 HCl塩
実施例2の遊離塩基(4g)をTHF(40mL)中に懸濁した。HCl溶液(37%水性)(2.2モル当量)(1.8mL)を、実施例2の遊離塩基の懸濁液に加えた。該混合物は透明溶液に変化した。該溶液に、少量(10〜50mg)の実施例2の化合物のHCl塩のN−1結晶の種晶を入れた。該溶液は濁り、そしてRTでスラリーに変化した。該スラリーを20℃で15時間撹拌し、ろ過し、そして冷THF(〜50mL)を用いて洗浄し、次いで真空下、45℃で乾燥して白色粉末のフォームである生成物(これは、実施例2の遊離塩基のフォームN−1 HCl塩であると同定した)を95%収率で得た。
1.フォームN−1 HCl塩のシミュレート、実験、およびハイブリッドのPXRDパターンを図1に示す。室温での特徴的なPXRDピークは、8.7±0.1、12.1±0.1、13.3±0.1、13.7±0.1、14.6±0.1、17.5±0.1、18.2±0.1、21.7±0.1、22.8±0.1、および24.3±0.1であった。
a:22.50(1)Å;
b:14.667(8)Å;
c:14.96(1)Å;
V:4405(9)Å3;
空間群:C2/c;
D計算値(g−cm−3):1.336;
α:90°;
β:116.78(5)°;
γ:90°;
Z:8;
V/Z:551Å3;
温度(℃):−50;
R:0.10;
R:剰余指標(residual index)(これは、構造因子の観察および算出の間での一致を評価するために算出し、そしてモデルの精度を解釈するのに使用する);
VまたはVc:単位格子体積;
Z:格子当たりの薬物分子の数。
上記の略号は、同様に実施例7および10における表に適用する。
a:22.73;
b:14.710;
c:15.04;
α:90;
p:117.13;
γ:90;
V(Å3):4475.02。
DMF/アセトン由来の実施例2のフォームN−1 HCl塩
実施例2の遊離塩基(1g)を、35〜40℃でDMF(約20mL)中に溶解した。得られた溶液に、HCl水溶液(37重量%)(約5モル当量)(1mL)を加えた。実施例2の化合物のHCl塩のフォームN−1種晶を該反応混合物に加え、そして該混合物を20℃で撹拌した。アセトン(10mL)を加え、そして該混合物を20℃で5〜15時間撹拌した。白色結晶スラリーを得て、このものをろ過し、そして該ろ過ケーキを冷アセトンを用いて洗浄した。該湿性ケーキを真空下、40〜45℃で乾燥して、白色粉末のフォームである生成物(これは、実施例2の遊離塩基のフォームN−1 HCl塩であると同定された)を得た。
DMF/アセトン中の実施例2の化合物のフォームN−1 MSA塩(好適)
実施例2の遊離塩基(2g)をRTでDMF(30mL)中に溶解した。メタンスルホン酸(MSA)(1.0mL)を加えた。最初の透明無色の遊離塩基の溶液は、透明黄色溶液に変化した。アセトン(50mL)を加えた。MSA塩のフォームである実施例2の化合物のフォームN−1の種晶を該溶液に加えた。該溶液は濁り、そしてRTでスラリーに変化した。該スラリーをRTで5時間撹拌し、ろ過し、そして冷アセトン(〜50mL)を用いて洗浄し、真空下、45℃で乾燥して白色粉末のフォームである生成物(これは、遊離塩基のフォームN−1 MSA塩(1:1塩)であると同定された)を95%収率で得た。
a:9.818(1)Å;
b:11.127(1)Å;
c:13.004(1)Å;
α:97.32(1)°;
β:110.17(1)°;
γ=111.48(1)°;
V:1187.5(2)Å3;
空間群:P1bar;
D計算値(g−cm3):1.403;
Z:2;
温度(℃):+22;
R:0.06。
1.フォームN−1 MSA塩の算出されたPXRDパターンを図3に示す。ディフラクトグラムは、室温での2θ値:10.7±0.1、11.7±0.1、13.3±0.1、14.0±0.1、15.2±0.1、19.8±0.1、21.0±0.1、22.0±0.1、23.0±0.1、および24.4±0.1を示す。
イソプロピルアルコール中での実施例2の化合物のフォームN−1 MSA塩の製造
実施例2の遊離塩基(4.3g)をイソプロプルアルコール(40mL)中に懸濁した。メタンスルホン酸(約1.3当量)(0.9mL)を撹拌しながら加えた。該懸濁液は透明になった。該溶液を20℃で撹拌し、そしてMSA塩のフォームである実施例2の化合物のフォームN−1結晶の種晶を該溶液に加えた。得られた曇った溶液は10〜20分間で濃厚なスラリーに変化した。該スラリーを20℃で終夜撹拌し、次いでろ過し、そして該ろ過ケーキを冷イソプロピルアルコールを用いて洗浄し、そして真空下、45℃で乾燥して実施例2の化合物のメタンスルホン酸塩のフォームN−1結晶(1:1塩)を得た。
エタノール中での実施例2の化合物のフォームN−1 MSA塩の製造
実施例2の遊離塩基(10g)をエタノール(20mL)中に懸濁した。メタンスルホン酸(約1.3当量)(2mL)を撹拌しながら加えた。該懸濁液は透明になった。該溶液を20℃で撹拌し、そしてMSA塩のフォームである実施例2の化合物のフォームN−1結晶の種晶を該溶液に加えた。得られた曇った溶液は10〜20分間で濃厚なスラリーに変化した。該スラリーを20℃で終夜撹拌し、次いでろ過し、そして該ろ過ケーキを冷エタノールを用いて洗浄し、そして真空下、45℃で乾燥して実施例2の化合物のフォームN−1メタンスルホン酸塩の結晶(1:1塩)を得た。
実施例2の化合物のフォームN−4 HCl塩の種晶の製造
実施例2の遊離塩基(59mg)を無水エタノール(約1mL)中に懸濁した。HCl水溶液(37重量%)(約1.3モル当量)(約15μL)を該懸濁液に加えた。該懸濁液は透明溶液となり、このものを20℃で少なくとも1日激しく撹拌した。白色結晶スラリーが形成し、このものをろ過して該ろ過ケーキを回収し、冷エタノールを用いて洗浄した。該湿性ケーキを真空乾燥しまたは40℃で風乾して、白色固体のフォームである生成物(1:1塩)を得た。
メチルエチルケトン−ギ酸中の実施例2の化合物のフォームN−4 HCl塩の結晶の製造−逆付加
塩酸溶液(〜37%、14.0g)を、ギ酸(51.2g、42mL)−メチルエチルケトン(MEK、56.4g、70mL)中の実施例2の遊離塩基(35.0g)のスラリーに室温で加えて、透明溶液を得た。該溶液をろ過して不溶性固体を除去し、そしてMEK−HCOOH(22mL−12mL)を用いたすすぎを行なった。該ろ液を、10〜12℃で57分間かけて撹拌しながら、MEK(665mL)中の実施例2の化合物のN−4 HCl塩の結晶の種晶(285mg)のスラリーにゆっくりと加えた。該混合物を11〜14℃で2時間撹拌した。該白色固体をろ過によって集め、そしてMEK(300mL)を用いて洗浄した。該湿性ケーキ(46g)を真空下、〜35℃で22時間、次いで50〜60℃で3日間乾燥して、オフホワイト色固体(HPLC AP:99.63)(35.2g、92%)を得た。X−線粉末パターンによるフォームN−4。残留溶媒:MEK(1.68%);HCOOH(0.08%)。粒子サイズ:D95(9.6μm)、D90(7.1μm)。D50(2.5μm)(1:1塩)。
1.フォームN−4 HCl塩の算出されたPXRDパターンを図2に示す。該ディフラクトグラムは、室温での2θ値:8.6±0.1、10.7±0.1、11.4±0.1、12.8±0.1、14.4±0.1、15.6±0.1、16.9±0.1、および23.4±0.1を示した。
a:20.9498(5)Å;
b:13.8719(3)Å;
c:7.9133(2)Å;
α:90°;
β:100.052(1)°;
γ:90°;
V:2264.4(1)Å3;
空間群:P21/n;
D計算値(g−cm3):1.2999;
Z:4;
温度(℃):+22;
R:0.06。
アセトン−ギ酸中の実施例2の化合物のフォームN−4 HCl塩の結晶の製造−逆付加
塩酸溶液(〜37%、9.9g)を、ギ酸(54.8g、45mL)−アセトン(71.2g、90mL)中の実施例2の遊離塩基(30.0g)のスラリーに室温で加えて、透明溶液を得た。該溶液をろ過して、不溶性固体を除去した。該ろ液を室温で20分間かけて撹拌しながら、アセトン(540mL)中の実施例2の遊離塩基のN−4 HCl塩の結晶の種晶(300mg)のスラリーにゆっくりと加えた。該混合物を室温で20時間撹拌した。該白色固体をろ過によって集めて、そしてアセトン(320mL)を用いて洗浄した。該湿性ケーキ(37g)を真空下、〜50℃で20時間乾燥して、オフホワイト色固体(HPLC AP:99.61)(30.95g、94%)を得た。X−線粉末パターンによるフォームN−4。残留溶媒:アセトン(1.1%):HCOOH(0.37%)。粒子サイズ:D95(76.4μm)、D90(50.8μm)、D50(6.1μm)(1:1塩)。
ギ酸とアセトンまたはギ酸とMEK中での実施例2の化合物のフォームN−4 HCl塩の結晶の製造
塩酸溶液(〜37%、14.0g)(1.6モル当量)を、ギ酸(52.5mL)−アセトン(115.5mL)(または、MEK)中の実施例2の遊離塩基(35g)の溶液に加えた。実施例2の遊離塩基のN−4 HCl塩の結晶の種晶を、該混合物に加えた。該溶液をろ過して、不溶性固体を除去した。アセトン(630mL)(または、MEK)を該混合物に加え、そして該混合物を10〜20℃で2〜10時間撹拌した。
実施例2の化合物のフォームN−4 HCl塩の製造
(DMA/アセトン、またはDMA/MEK系)
実施例2の遊離塩基(45g)を65℃でDMA(180mL)中に溶解した。HCl溶液(37%)(1.4モル当量)(15g)を加えた。実施例2のフォーム4 HCl塩の種晶(240mg)をHCl溶液に加えた。アセトンまたはMEK(900mL)を加え、そして該混合物を20℃で5〜6時間撹拌した。
実施例2の化合物のフォームN−4 HCl塩の製造
(DMF−アセトン系−最も好適)
塩酸溶液(〜37%、25.4g)を、20〜25℃でジメチルホルムアミド(DMF)(612g、648mL)中の実施例2の遊離塩基(81.0g)のスラリーに加えて、20〜30分間撹拌後に透明黄色溶液を得た。次いで、該溶液をポリッシュろ過して、不溶性固体を除去して、そしてろ紙をDMF(10〜20mL)を用いてすすいだ。次いで、アセトン(769g、972mL)中の実施例2のフォームN−4 HCl塩(1.6g)の種晶のスラリーを、2〜3分間かけて撹拌しながら該ろ液に加えた。添加の直後に、結晶化が開始した。該スラリーを20〜25℃で3.5時間撹拌した。該白色固体をろ過によって集めて、そしてアセトン(162mL)を用いて洗浄した。該湿性ケーキ(92g)を約40〜50℃で真空下、16時間乾燥して白色固体(85g、96%)(X−線粉末パターンによる、フォームN−4のHPLC AP:99.73)を得た。GCによる残留溶媒:DMF(1%)、アセトン(1%)。粒子サイズ:D90 30〜60μm(1:1塩)。
実施例2の化合物のフォームN−4 HCl塩の製造(アセトン中)
実施例2の遊離塩基(8.4g)をアセトン(126mL)中に溶解した。HCl溶液(37%)(2.2モル当量)(3.7mL)を加えた。実施例2のフォームN−4 HCl塩の種晶をアセトン/HCl溶液中に加え、そして該混合物を20〜40℃で少なくとも15時間撹拌した。白色結晶スラリーが形成し、このものをろ過し、そして該湿性ケーキを冷アセトンを用いて洗浄し、真空下、40〜45℃で乾燥して白色固体(1:1塩)を得た。
実施例2の化合物のフォームN−4 HCl塩の製造
(DMF−アセトン(最も好適)またはMEK系)
塩酸溶液(〜37%、1.4〜3.2mL)(1.1〜2.2モル当量)を、ジメチルホルムアミド(DMF)(5〜8mL/遊離塩基のg)(約40mL)中の実施例2の遊離塩基(7.3g)のスラリーに加えて、透明溶液を得た。アセトンまたはMEK(60〜80mL)を加えた。次いで、実施例2のフォームN−4 HCl塩の種晶を加え、そして該混合物を20℃で3〜15時間撹拌した。白色固体の結晶スラリーを得て、このものをろ過し、そして該ろ過ケーキをアセトンを用いて洗浄した。該湿性ケーキ(92g)を真空下、約40〜45℃で乾燥して、白色結晶性粉末(95〜96%収率)(1:1塩)を得た。
エタノール中の実施例2の化合物のフォームN−4 HCl塩の結晶の製造
塩酸溶液(〜37%、0.8mL)を、無水エタノール(約30mL)中の実施例2の遊離塩基(3g)のスラリーに加えて、透明溶液を得た。実施例2の遊離塩基のN−4 HCl塩の結晶の種晶(50mg)を該混合物に加えた。該混合物を20〜40℃で15時間撹拌した。白色結晶スラリーを得て、このものをろ過し、そして回収したケーキを冷エタノール(100mL)を用いて洗浄した。該湿性ケーキを真空下、40〜50℃で15時間乾燥して、白色固体(1:1塩)を得た。
THF中の実施例2の化合物のフォームN−4 HCl塩
実施例2の遊離塩基(1.2g)をTHF(約10mL)中に懸濁した。HCl水溶液(37重量%)(2.2モル当量)(0.5mL)を加えた。HCl塩のフォームである実施例2の化合物のフォームN−4の種晶を該混合物に加え、そして得られたスラリーを40℃で4日間または20℃で7日間撹拌した。得られた結晶スラリーをろ過し、そしてこのものを冷THFを用いて洗浄し、真空下、40〜45℃で乾燥して、白色粉末のフォームである生成物(これは、遊離塩基のフォームN−4 HCl塩(1:1塩)であると同定された)を95%収率で得た。
フォームN−1結晶のスラリー化による、実施例2の化合物のフォームN−4 HCl塩の結晶の製造
実施例4に記載する通り製造した乾燥フォームN−1結晶を、フォームN−4結晶の種晶と一緒にアセトニトリル、THF、またはエタノール中にスラリーとし、そして該懸濁液を40℃で4日間撹拌し、そして冷却した。該スラリーをろ過し、そしてろ過ケーキを冷THFまたはアセトンを用いて洗浄した。該湿性ケーキを真空下、40〜45℃で乾燥して、白色結晶性粉末(これは、フォームN−4結晶(1:1塩)であると同定された)を得た。
実施例2の遊離塩基のHCl塩の1.5水和物(sesquihydrate)のフォームの製造
実施例2の遊離塩基(60mg)をエタノール(1mL)中に懸濁した。HCl溶液(37%水性)(1.25モル当量)(15μL)を実施例2の遊離塩基の懸濁液に加えた。該混合物は濁った溶液に変化した。更なるHCl溶液(37%水性)(1.25モル当量)(15μL)を該懸濁液に加え、そして該濁った溶液は透明になった。該溶液を20℃で15時間撹拌した。白色スラリーを得た。該スラリーを周囲条件(約20%および1気圧)で風乾して標題の1.5水和物を得た。
実施例2の化合物のHCl塩のフォームSA−2溶媒和物の製造
実施例2の化合物のフォームN−4 HC塩の結晶(15mg)を、MEK/MeOH(1:1)(〜1/2mL)中に溶解した。該試料を、標題溶媒和物の結晶が出現するまで、室温で蒸発させた。
実施例2の化合物のHCl塩のフォームSB−2溶媒和物の製造
濃縮溶液は、実施例2の化合物のフォームN−4 HCl塩の結晶をイソプロピルアルコール中で加熱し、続いて周囲温度まで冷却し、そしてゆっくりと蒸発させることによって製造して、標題溶媒和物を得た。
上記の実施例で製造した結晶形の研究
X−線粉末回折(PXRD)データを、ブルカーC2 GADDS(全般的な領域検出器回折システム(General Area Detector Diffraction System))を用いて得た。該照射はCu Kα(40KV、50mA)とした。該試料−検出器の距離は15cmとした。粉末試料を直径が1mm以下の封したガラスキャピラリー中に置き;該キャピラリーをデータ収集の間回転した。データを3<2θ<35°で収集し、試料の曝露時間を少なくとも2000秒とした。得られた2次元回折アークを積分して、3〜35°の2θの範囲で0.02°の2θの段階的な大きさを有する通常の1−次元PXRDパターンを得た。
Claims (48)
- 125〜225℃の範囲での吸熱を有する示差走査熱量測定サーモグラムを特徴とする、請求項1に記載の結晶形。
- 100℃までの無視できる重量減少、および225℃までの8.2%の重量減少を有する熱重量分析曲線を特徴とする、請求項1に記載の結晶形。
- 以下の単位格子パラメータ:
格子定数:
a=9.818(1)Å;
b=11.127(1)Å;
c=13.004(1)Å;
α=97.32(1)°;
β=110.17(1)°;
γ=111.48(1)°;
空間群 P−1;
分子/非対称ユニット 1
(ここで、結晶形は+22℃のものである)
の単位格子パラメータを特徴とする、請求項8に記載の結晶形。 - ピーク開始が216℃である吸熱を有する示差走査熱量測定サーモグラムを特徴とする、請求項8に記載の結晶形。
- 150℃までの無視できる重量減少を有する熱重量分析曲線を特徴とする、請求項8に記載の結晶形。
- 以下の単位格子パラメータ:
格子定数:
a=20.9498(5)Å;
b=13.8719(3)Å;
c=7.9133(2)Å;
α=90°;
β=100.052(1)°;
γ=90°;
空間群 P21/n;
分子/非対称ユニット 1
(ここで、結晶形は+22℃のものである)
の単位格子パラメータを特徴とする、請求項15に記載の結晶形。 - 130〜220℃の範囲の吸熱を有する示差走査熱量測定サーモグラムを特徴とする、請求項15に記載の結晶形。
- 125℃までの無視できる重量減少を有する熱重量分析曲線を特徴とする、請求項15に記載の結晶形。
- 95%の平均粒子サイズ分布が<60μmを有する、請求項15に記載の結晶形。
- 該遊離塩基を、
a)テトラヒドロフラン;または、
b)N,N−ジメチルホルムアミド、
と一緒に混合し、そして、アセトンを種晶に入れた反応混合物と一緒に混合する、
請求項23に記載の製造法。 - 該有機溶媒は、N,N−ジメチルホルムアミド、イソプロピルアルコール、またはエタノールである、請求項26に記載の製造法。
- 該有機溶媒はN,N−ジメチルホルムアミドであって、種晶を入れる前に該反応混合物にアセトンを加えるという工程を含む、請求項26に記載の製造法。
- 請求項15に記載の結晶形の製造法であって、ここで、該製造法は、
a)60〜65℃の範囲内の温度でN,N−ジメチルアセトアミド中に溶解した構造式:
の遊離塩基の溶液を供給し;
b)水性塩酸と冷却したアセトンまたはメチルエチルケトンとの溶液を供給し;
c)アセトン/HCl溶液に、請求項15に記載の結晶形の種晶を加え;
d)10〜25℃で5〜15時間の期間、工程a)由来のN,N−ジメチルアセトアミド中の遊離塩基の溶液を、工程c)の種晶を入れた冷アセトンまたはメチルエチルケトン/HCl溶液中に撹拌しながら加えて、スラリーを得て;そして、
e)請求項15に記載の結晶形を回収する、
ことを含む、該製造法。 - 請求項15に記載の結晶形の製造法であって、該製造法は、
a)請求項1に記載の結晶形をアセトニトリル、THF、エタノール、またはアセトンである有機溶媒中で懸濁し;
b)該懸濁液を、請求項15に記載の結晶形の種晶を用いて処理し、25〜45℃で90〜120時間の期間攪拌し;そして、
c)請求項15に記載の結晶形を回収する、
ことを含む、該製造法。 - 請求項23に記載の製造法によって製造する、請求項1に記載の結晶形。
- 請求項26に記載の製造法によって製造する、請求項8に記載の結晶形。
- 請求項30に記載の製造法によって製造する、請求項15に記載の結晶形。
- 請求項31に記載の製造法によって製造する、請求項15に記載の結晶形。
- 請求項32に記載の製造法によって製造する、請求項15に記載の結晶形。
- 請求項33に記載の製造法によって製造する、請求項15に記載の結晶形。
- 請求項34に記載の製造法によって製造する、請求項15に記載の結晶形。
- 請求項35に記載の製造法によって製造する、請求項15に記載の結晶形。
- 請求項1に記載の結晶形および医薬的に許容し得る担体または希釈剤を含有する、医薬組成物。
- 請求項15に記載の結晶形および医薬的に許容し得る担体または希釈剤を含有する、医薬組成物。
- 処置が必要な患者における炎症性疾患を処置するための、請求項15に記載の結晶形および医薬的に許容し得る担体または希釈剤を含有する、医薬組成物。
- 炎症性疾患は、喘息、成人呼吸促迫症候群、慢性閉塞性肺疾患、慢性肺炎症性疾患、糖尿病、炎症性腸疾患、骨粗鬆症、乾癬、移植片対宿主病、アテローム硬化症、または関節炎から選ばれる、請求項46に記載の医薬組成物。
- 関節炎が、関節リウマチ、乾癬性関節炎、外傷性関節炎、風疹性関節炎、痛風性関節炎、および骨関節炎から選ばれる、請求項47に記載の医薬組成物。
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