JP5046638B2 - 断熱屋根材の連結構造 - Google Patents

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Description

本発明は、施工機能、防水機能、断熱機能、結露防止機能、等を向上した断熱屋根材の連結構造に係るものである。
一般に、金属製板材をロール成形、プレス成形等して加工した断熱屋根材は数多く上市されている。(例えば、特許文献1、2参照)。
実開昭55−117522号公報 特開平9−195451号公報
特許文献1、2は裏面に断熱材を形成し、左右端部を重ねて縦目地を形成する金属製屋根材である。しかしながら、特許文献1、2は左右端部を重ね合わせることにより、横方向を連結する構造であるが、防水性に劣り、万が一の場合には漏水の危険性があった。また、特許文献1は突出部、特許文献2は排水溝により防水性を強化しているが、成型により歪みが発生すると共に、成型が複雑であった。
本発明はこのような欠点を解決するために、上下端に雄雌連結構造を形成し、左右方向の一端縁には端部を内側方に折り返して折り返し片を形成し、途中に凹溝を形成することにより、防水空隙を連結部内に形成した折り返し片を形成し、折り返し片の先端よりも化粧面中央方向の化粧面上に、化粧面水上側から水下側へ突出した凸部を形成した下連結部を形成すると共に、他端縁には端部を下連結部よりも長く外側方に突出する共に、途中に化粧面水上側から水下側へ内方に窪ませて形成した凹部とから上連結部を形成した金属製屋根材と、金属製屋根材の上連結部以外の裏面に断熱材を形成した断熱屋根材を屋根下地上に施工する構造において、断熱屋根材の上下端部は雄雌連結構造により連結され、断熱屋根材の左右端部は、固定された断熱屋根材の下連結部上に、施工する断熱屋根材の上連結部を重合し、断熱材の左右端部は当接されて連結されている断熱屋根材の連結構造を提供するものである。
以上説明したように、本発明に係る断熱屋根材の連結構造によれば、(1)断熱材の形成により、夏涼しく冬暖かい。(2)断熱材の形成により、冷暖房のコスト低減が図られる。(3)断熱材の形成により、防音性が向上し雨音の低減が図られる。(4)目地ジョイントが要らないので施工性が向上する。(5)化粧面端部に凸部と凹部を形成したために、凸部と凹部が嵌合し、防水性、施工性が強化される。(6)縦目地部分が差込式の連結構造であるために、屋根材間の断熱材欠損部分が発生せず、断熱性能を維持出来る。等の特徴、効果がある。
以下に図面を用いて本発明に係る断熱屋根材の連結構造について詳細に説明する。図1(a)〜(c)、図2(a)〜(c)は本発明に係る断熱屋根材の連結構造の施工順序を示す説明図、図3は施工状態を示す説明図である。さらに、図4(a)〜(c)は金属製屋根材Bと断熱材C、裏面材Dよりなる断熱屋根材Aの代表的一例を示す説明図、図5〜図7は断熱屋根材Aの施工状態を示す説明図、図8〜図11は断熱屋根材Aの左右端部を示す説明図、図12(a)〜(c)において、(a)図は図6のa−a部端面図、(b)図は図8のb−b部端面図、(c)図は図9のc−c部端面図である。また、図13(a)〜(c)において、(a)図は図11のd−d部断面図、(b)図は図11のe−e部断面図、(c)図は図8のf−f部断面図である。図中、αは屋根下地、βは釘等の固定具、γは縦目地、γ1は横目地、Kは家屋、Mは窓、Yは屋根を示している。
下地αは、新築の際は図5に示すように垂木1、野地板2、防水シート3から構成した木造下地を示したものである。すなわち、垂木1上に野地板2を敷設し、野地板2上に防水シート3(アスファルトフェルト)を配設した一般的な構造の下地αである。また、下地αとしてH形鋼、I形鋼、ミゾ形鋼、軽量ミゾ形鋼、リップ溝形鋼、等辺山形鋼、不等辺山形鋼、角形鋼(角パイプ)、円形鋼(円形パイプ)、等を使用した鉄骨下地でも良いものである。勿論、既存の屋根をそのまま改修する屋根の際には、これら下地α上に金属横葺き屋根、金属瓦棒葺き屋根、新生瓦(コロニアル)、瓦屋根、等の既存屋根(図示せず)が形成された既存屋根構造が下地αとなるものである。勿論、防水シート3を形成しない下地αでも良いものである。
金属製屋根材Bは、例えば金属板(カラー鋼板、銅板、アルミニウム板、チタン板、ステンレス板、サンドイッチ鋼板、クラッド鋼板等)等をロール成形、プレス成形、押出成形、等によって形成したものである。
さらに説明すると、金属製屋根材Bは長尺板状であり、図4(a)〜(c)に示すように、略水平面状の化粧面4と、裏面5と、化粧面4の水下側端部を下方に垂下した段差化粧面6と、水上側に開口するように略コ字状に屈曲して差込縁7を形成し、化粧面4と段差化粧面6と差込縁7とから略U字状の引っ掛け溝8を形成して雄型連結部9としたものである。
また、図4(a)〜(c)に示すように、化粧面4の水上側端部には化粧面4の先端を水下側に開口して断面略U字状に形成した前記差込縁7と嵌合する嵌合溝10と、嵌合溝10の上縁となる嵌合縁11と、固定面12を形成し雌型連結部13としたものである。
さらに、図8、図12(b)に示すように、金属製屋根材Bの一端縁の下端部14aを内側方に突出して折り返し片15と、折り返し片15に形成した凹溝16と、凹溝16により形成した防水空隙17と、折り返し片15の先端よりも外方の化粧面4上に、化粧面4水上側から水下側へ突出した凸部18とから形成した下連結部14と、図9、図12(c)に示すように、金属製屋根材Bの他端縁の上端部19aを外側方に突出した突出片20と、突出した部分の雌型連結部13部分を切断した切り欠き21と、突出片20の先端を内側に折り返した空隙防止片22と、化粧面4水上側から水下側へ内方に窪ませて形成した凹部23と、突出片20の裏面部分の切り欠き24と、差込縁7の上端部19a近傍を切り欠いた水抜き孔25、第2水抜き孔26と、位置決め片27と、空隙防止片22より形成される防水空隙28とから形成した上連結部19を形成したものである。
下連結部14は、図6、図7、図12(a)〜(c)に示すように連結され、上連結部19が覆い被さると共に、凸部18と凹部23が嵌合して連結されることにより、防水性、施工性を発揮する部分である。
折り返し片15は、下端部14aを折り返して形成することにより、突出片20の裏面5に当接して防水性を強化すると共に、途中に凹溝16を形成することにより、防水空隙17を連結部内に形成し、さらに防水性を向上するものである。
凸部18は、図5に示すように化粧面4水上側から水下側へ突出したものであり、内部に浸入しようとする雨水、風等を図6に点線矢印で示すように外部に排出すると共に、凹部23、折り返し片15、凹溝16、防水空隙17、空隙防止片22、防水空隙28との相乗効果により、さらに、防水性、気密性を向上するものである。
凸部18の形成位置は、下端部14aから凸部18形成位置までの幅をw、図9に示すように上端部19aから突出片20の先端までの幅(切り欠き23の幅)をWとすると、W>wの関係である。また、図8に示すように下端部14aから凸部18間までの距離をX、図9に示すように上端部19aから凹部23間までの距離をYとすると、X=Yの関係である。
凹部23は、図9、図12(c)に示すように化粧面4水上側から水下側へ内方に窪ませたものであり、内部に浸入しようとする雨水、風等を図6に点線矢印で示すように外部に排出すると共に、凸部18との嵌合、凸部18、折り返し片15、凹溝16、防水空隙17、空隙防止片22、防水空隙28との相乗効果により、さらに、防水性、気密性を向上するものである。
上連結部19は、図6、図7、図12(a)〜(c)に示すように、下連結部14上に連結されることにより、防水機能を発揮する部分である。
突出片20は、図12(a)に示すように、切り欠き21を介して下連結部14上に形成され、防水性を有する縦目地γを形成する部分であり、凸部18、空隙防止片22により複数の防水空隙28を形成して防水性、気密性を向上するものである。
切り欠き21は、金属製屋根材B同士を連結する際に、雌型連結部13部分が邪魔にならないように、嵌合縁11、固定片12を切り欠いた空間である。勿論、切り欠き21には断熱材Cと裏面材Dは存在しない。
空隙防止片22は、突出片20と化粧面4間の縦目地γに空隙が形成されるのを防止し、防水性を向上すると共に、意匠性の向上と、端部がバタ付かないように形成するものである。
切り欠き24は、断熱屋根材A同士を横方向で連結する際に、断熱材Cと裏面材Dが邪魔にならないように切り欠いた空間である。
水抜き孔25は、図5〜図7に示すように連結した際に、縦目地γ部分から浸入した雨水が、差込縁7部分から内部に浸入しないように、下段の断熱屋根材A上の化粧面4に排水する部分である。
第2水抜き孔26は、図5〜図7に示すように連結した際に、縦目地γ部分から浸入した雨水が、水抜き孔25を越えて浸入しようとした際に、下段の断熱屋根材A上の化粧面4に排水する部分である。また、第2水抜き孔26によりを形成するものであり、位置決め片27は切り欠き24の形成位置を特定するための部分である。勿論、位置決め片27は断熱屋根材A製造時には、断熱材Cと裏面材Dを形成した複数枚の連続した断熱屋根材A同士を、切り離すための断熱材Cと裏面材Dの切断位置としても機能する部分である。
断熱材Cは防水材、断熱材、補強材、嵩上げ材、防音材、吸音材、緩衝材、防火材、結露防止材、等として機能するものであり、主に、合成樹脂発泡体を使用するものである。その素材としては、スチレンフォーム、ポリウレタンフォーム、ポリイソシアヌレートフォーム、フェノールフォーム、塩化ビニルフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリスチレンフォーム、ユリアフォーム等、の合成樹脂発泡体からなるものであり、例えばレゾール型フェノールの原液と、硬化剤、発泡剤を混合し、表面材、もしくは裏面材の裏面側に吐出させ、加熱して反応・発泡・硬化させて形成したものである。
また、断熱材C中には各種難燃材として軽量骨材(パーライト粒、ガラスビーズ、石膏スラグ、タルク石、シラスバルーン、水酸化アルミニウム等)、繊維状物(グラスウール、ロックウール、カーボン繊維、グラファイト等)を混在させ、耐火性、防火性を向上させることも出来る。
裏面材Dはクラフト紙、アルミ蒸着紙、アスファルトフェルト、金属箔(Al、Fe、Pb、Cu)、合成樹脂シート、ゴムシート、布シート、石膏紙、水酸化アルミ紙、ガラス繊維不織布等の1種、または2種以上をラミネートしたもの、あるいは防水処理、難燃処理されたシート等からなるものである。
そこで、本発明に係る断熱屋根材の連結構造の施工方法について説明する。そこで、図4(a)、(c)に示すような断熱屋根材Aを、図5、図1(a)〜(c)〜図3に示すように施工するとする。
まず、図5に示すように下段の断熱屋根材A上に上段の断熱屋根材Aを施工した図1(a)、図12(a)の左の断熱屋根材A1の下連結部14上に、図11(b)、図2(b)に示すように右の断熱屋根材A2の上連結部19を重ね合わせる。
その後、図1(b)、図2(b)に矢印で示すように右の断熱屋根材Aを押し込むように差し込んで施工し、断熱屋根材A2の固定片12を図5に示すように釘等の固定具βにより下地αに固定し、図2(c)に示すように施工するものである。この工程を、右方向、上方向に順次行うことにより、図3に示すように施工を完了するものである。勿論、右の断熱屋根材A2を斜め方向に押し込むように差し込んで施工することも可能である。
本発明に係る断熱屋根材の連結構造の代表的一例を示す説明図である。 本発明に係る断熱屋根材の連結構造の施工状態を示す説明図である。 本発明に係る断熱屋根材の連結構造の施工状態を示す説明図である。 本発明に係る断熱屋根材の連結構造の施工状態を示す説明図である。 本発明に係る断熱屋根材の連結構造を示す説明図である。 本発明に係る断熱屋根材の連結構造を示す説明図である。 本発明に係る断熱屋根材の連結構造を示す説明図である。 本発明に係る断熱屋根材の連結構造を示す説明図である。 本発明に係る断熱屋根材の連結構造を示す説明図である。 本発明に係る断熱屋根材の連結構造を示す説明図である。 本発明に係る断熱屋根材の連結構造の施工順序を示す説明図である。 本発明に係る断熱屋根材の連結構造の施工順序を示す説明図である。 本発明に係る断熱屋根材の連結構造の施工状態を示す説明図である。
符号の説明
α 下地
β 固定具
γ 縦目地
γ1 横目地
A 断熱屋根材
A1 断熱屋根材
A2 断熱屋根材
B 金属製屋根材
C 断熱材
D 裏面材
K 家屋
M 窓
Y 屋根
1 垂木
2 野地板
3 防水シート
4 化粧面
5 裏面
6 段差化粧面
7 差込縁
8 引っ掛け溝
9 雄型連結部
10 嵌合溝
11 嵌合縁
12 固定片
13 雌型連結部
14 下連結部
14a 下端部
15 折り返し片
16 凹溝
17 防水空隙
18 凸部
19 上連結部
19a 上端部
20 突出片
21 切り欠き
22 空隙防止片
23 凹部
24 切り欠き
25 水抜き孔
26 第2水抜き孔
27 位置決め片
28 防水空隙

Claims (1)

  1. 上下端に雄雌連結構造を形成し、左右方向の一端縁には端部を内側方に折り返し、途中に凹溝を形成することにより、防水空隙を連結部内に形成した折り返し片を形成し、折り返し片の先端よりも化粧面中央方向の化粧面上に、化粧面水上側から水下側へ突出した凸部を形成した下連結部を形成すると共に、他端縁には端部を下連結部よりも長く外側方に突出する共に、途中に化粧面水上側から水下側へ内方に窪ませて形成した凹部とから上連結部を形成した金属製屋根材と、該金属製屋根材の上連結部以外の裏面に断熱材を形成した断熱屋根材を屋根下地上に施工する構造において、断熱屋根材の上下端部は雄雌連結構造により連結され、断熱屋根材の左右端部は、固定された断熱屋根材の下連結部上に、施工する断熱屋根材の上連結部を重合し、断熱材の左右端部は当接されて連結されていることを特徴とする断熱屋根材の連結構造。
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