JP5046115B2 - 舵面端騒音低減デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、舵面端騒音低減デバイス、特に、航空機離着陸時に高揚力装置等の操舵面を操舵する場合に、(1)操舵翼と本体翼、操舵翼と操舵翼の間に現れた隙間から形成される渦とせん断層を制御すること、(2)地上に伝播する騒音を遮蔽すること、(3)音源から発生する音を吸収することによって、騒音を低減する舵面端騒音低減デバイスに関するものである。
近年、航空機により発生される騒音が注目されており、騒音低減技術の研究開発が各国で盛んに行われている。航空機において、舵面を操舵することによって現れた隙間から大きな騒音が発生することがよく知られている。この騒音成分は、航空機が離着陸するときに空気がその隙間を通過する際に発生する渦とせん断層に依るものであり、主要な空力騒音源の一つとして空港周辺に騒音被害を与えている。
従来の技術では、離着陸時に使用する高揚力装置の端面に設けた装置が騒音を低減する効果がある反面、航空機の空力性能が低下するか、或いは機構の複雑化により重量とコストが増加するために、実機に適用することは難しい。また、舵面を操舵しない巡航時の場合には、空気に対して抵抗となり、直接に燃費に係わる空気抵抗を増大させてしまうデメリットがある。従って、騒音低減装置としては、騒音低減の効果があり、且つ空力性能に悪影響がない装置が強く望まれている。
また、非特許文献1には、A320の風洞試験の計測データを解析して、高揚力装置の端面から発生した騒音が機体空力騒音の成分に支配的であることが記載されている。また、フラップ端の一部をブラシ状、または多孔物質に変えて、大きな渦のかわりに小さい渦を発生させて、騒音を低減する効果が確認されたこと、しかし、それに伴って空力性能も若干低下してしまったことが記載されている。
また、非特許文献2には、機体主翼模型の後縁フラップ端面に複数の小さい穴を設けて、空気を吹き出すことによって、フラップ端渦を破壊して、渦の不安定に依る騒音を低減することができた旨の記載が記されている。しかし、実機にこれを装着するには、空気を吹き出す装置を主翼内に設置しなければならないため、その装置にかかるコストと重量だけでなく、吹き出しの駆動に係るエネルギー源も別途必要となるため、全体のコストと重量は更に増えてしまう。
また、特許文献1には、主翼フラップ端面に複数の細長い棒を取り付けたブラシ状の渦発生器についての発明が提示されている。その発明によれば、空気がそれを通過する際に、大きな渦の代わりに多数の小さな渦が形成され、騒音低減の効果が得られる旨の記載が記されている。しかし、巡航時にフラップが主翼に収まる際に、主翼本体との間に隙間或いは段差が生じるため、巡航時の空気抵抗が増えてしまう。
また、特許文献2には、端面にフェンスを取り付け、フラップと主翼本体の間にある隙間を防いで、渦干渉を制御することによって、騒音低減の効果が得られるとしたチップフェンスに係る発明が提示されている。しかし、巡航時にフェンスが機体表面から突出した状態になるため、空気抵抗の増加が避けられない。
また、特許文献3には、弦長方向に沿って端面に設けた細長い隙間から空気を吹き出し、端面から発生した渦と剪断層を弱めさせて、騒音を低減するデバイスに係る発明が提示されている。しかし、これも非特許文献2と同様に必要な装置によるコストや重量が増える不利益がある。
"Landing Gears and High Lift Devices Airframe Noise Research,"L.C.Chow,K.Mau and H.Remy,AIAA-2002-2408,the 8th AIAA/CEAS Aerocoustics Conference&Exhibit,17-19 June 2002.Colorado. "Reduction of Side Edge Noise by Active Control," L.Koop,K.Ehrenfried,A.Dillmann and U.Michel,AIAA-2002-2469,the 8th AIAA/CEAS Aerocoustics Conference&Exhibit,17-19 June 2002.Colorado. 特開2001−354198号公報 米国特許第5738298号明細書 米国特許出願公開第2007/0020099 A1号明細書
上述した通り、従来の技術は航空機の空力性能などをある程度犠牲しながら離着陸時の騒音を低減するものである。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、上記従来技術の問題点に鑑みなされたものであって、離着陸時および巡航時の航空機の空力性能を低下させることなく、操舵翼と本体翼との間に発生する騒音を好適に低減することが出来る簡素な機構によって構成された騒音低減デバイスを提供することにある。
前記目的を達成するための請求項1に記載の舵面端騒音低減デバイスは、平面形状が五角形であり且つその断面形状が多角形または翼型であり且つ後退角を有して、
一辺の長さが操舵翼端面の舷長の長さに等しく且つ該操舵翼の翼面積を翼幅方向に沿って拡張する形態で該操舵翼端面に結合され、
該操舵翼が操舵される際の騒音発生源となる渦の干渉を弱め又は騒音を遮蔽し、或いはこれら双方の機能を発揮することを特徴とする。
ところで、図10は、後縁フラップを操舵することよって現れた主翼側の外郭不連続部である嵌合凹部端面に起因して発生する騒音のメカニズムを示す説明図である。
後縁フラップが操舵されると、主翼側に嵌合凹部に相当する外郭不連続部が生じる。主翼側の外郭不連続部である嵌合凹部端面と、後縁フラップ側の端面から発生した各々の渦が非線形的に強く干渉し合うことが、騒音の発生する主な原因となっている。従って、これらの渦干渉を減らすことによって、低騒音化が可能となる。また、渦による誘導速度が渦中心からの距離に反比例する関係があるため、渦の発生源となるこれら端面と端面が離れるほど、渦同士が互いに干渉しにくくなる。
そこで、上記形状的特徴を有する舵面端騒音低減デバイスを、一辺の長さが操舵翼端面の舷長の長さに等しくなるようにした上で後縁フラップ等の操舵翼端面に結合し、操舵翼を翼幅方向に対し拡張し、渦の発生源となる本体翼の嵌合凹部端面と操舵翼の端面を離すことにより渦の干渉を弱め、その結果、騒音の発生を好適に抑制する。
また、騒音の大きさは渦の強さに依存する。上記舵面端騒音低減デバイスを装着することによって、翼の上下面に流れる境界層の干渉が弱くなり、本体翼と操舵翼の上側と下側に生じる圧力の差が小さくなるため、そこで形成された渦とせん断層の強度が小さくなり、騒音が発生しにくくなる。
また、航空機が離着陸時に地上の空港周辺に伝播した音が騒音になる。機体の下側と横側へ伝播する音を遮蔽すれば、地上における騒音レベルが小さくなる。渦が形成される場所の近くであれば、騒音を遮蔽する効果が大きい。
従って、上記舵面端騒音低減デバイスを装着することにより、機体の下側と横側へ伝播する音を遮蔽し、地上に伝わる騒音を小さくすることができる。上記舵面端騒音低減デバイスを装着する場所は渦が形成される場所の近くであり、騒音を遮蔽する効果が大きい。
また、操舵翼の空力性能がアスペクト比に大きく依存する。舵面(例えば、フラップ)形状のアスペクト比を大きくすれば、空力性能が改善できる。また、舵面の面積が増大すれば、操舵能力が向上する。従って、上記デバイスを操舵翼端に取り付けることにより、騒音を低減すると共に、操舵面が拡大し空力性能を改善する。
請求項2に記載の舵面端騒音低減デバイスは、平面形状が五角形であり且つその断面形状が多角形または翼型であり且つ後退角を有して、
一辺の長さが、本体翼の操舵翼に対する嵌合凹部端面の内、翼舷方向に平行な端面長に等しく且つ翼幅方向に沿って該嵌合凹部端面に結合され、
該操舵翼が操舵される際の騒音発生源となる渦の干渉を弱め又は騒音を遮蔽し、或いはこれら双方の機能を発揮することを特徴とする。
上記舵面端騒音低減デバイスを本体翼の嵌合凹部端面に取り付ける場合も、操舵翼端面に取り付ける場合と同様に、本体翼および操舵翼の各騒音の発生源が互いに離れることになるため、渦の干渉を弱め、その結果、騒音の発生を好適に抑制する。あるいは、上記舵面端騒音低減デバイスを操舵翼端面と本体翼の嵌合凹部端面の双方に取り付ける場合は、本体翼および操舵翼の騒音の各発生源が更に離れるため、渦の干渉を更に弱め、その結果、騒音の発生を更に好適に抑制する。
請求項3に記載の舵面端騒音低減デバイスでは、前記五角形は、頂点A1と、該頂点A1からの長さがhである頂点A2と、線分A1−A2に対する時計方向の偏角がφ1であり且つA2からの長さがa/sinφ1である頂点A3と、該線分A1−A2に対する時計方向の偏角がφ2であり且つ前記A3からの長さが(b-a)/sinφ2である頂点A4と、前記線分A1−A2に対する時計方向の偏角がφ3であり且つ前記A1からの長さがc/sinφ3である頂点Aとから成り、
且つ前記線分A1−A2が前記操舵翼端面または前記嵌合凹部端面に対する結合部分となり、
且つ前記形状パラメータ(a,b,c,h,φ123)は、前記操舵翼の翼面形状および前記嵌合凹部を通過する局所の流れによって決定されることとした。
上記舵面端騒音低減デバイスは、操舵翼の端面または本体翼の嵌合凹部端面に取り付けることにより、上記機能(効果)を発揮するものであるから、その形状は結合される操舵翼の形状、ならびに本体翼の嵌合凹部を流れる局所的な流れによって決定されることになる。具体的には、後述するように、実機を模擬した模型を用いた風洞試験の結果に基づいて決定されることになる。
請求項4に記載の舵面端騒音低減デバイスでは、前記舵面端騒音低減デバイスは、前記操舵翼端面または前記嵌合凹部端面に対向する外表面に吸音材を装着することとした。
上記舵面端騒音低減デバイスでは、音源が本体翼の操舵翼に対する嵌合凹部に集中していることに着目し、更なる騒音低減効果を得るために、音源に近い上記舵面端騒音低減デバイスの表面に対して吸音材を使用する。上記舵面端騒音低減デバイスを操舵翼端面と嵌合凹部端面の双方に取り付ける場合は、上記舵面端騒音低減デバイス間に挟まれた音がその間において数回にわたって多重反射し、反射する毎に吸音材に有効に吸収され、その結果、地上に伝播する騒音が大幅に低減される。
請求項5に記載の舵面端騒音低減デバイスでは、前記操舵翼が操舵されない場合は、前記舵面端騒音低減デバイスは前記本体翼の外表面から突出しないように前記操舵翼端面または前記嵌合凹部端面に結合されていることとした。
上記舵面端騒音低減デバイスは、巡航時に、舵面が元の位置(主翼の嵌合凹部)に戻る際に、外表面から突出しないため、空気抵抗となりにくい。従って、上記舵面端騒音低減デバイスを操舵翼端面または主翼の嵌合凹部端面に装着することが、巡航時の空力性能に悪影響を与えなくなる。
本発明の舵面端騒音低減デバイスを操舵翼端面または本体翼の嵌合凹部端面あるいはこれら双方の端面に取り付けることにより、以下に記す効果が期待される。
(1)操舵翼が操舵され主翼に嵌合凹部に相当するスペースが生じる時に、本体翼側の騒音発生源(渦の発生源)と操舵翼側の騒音発生源(渦の発生源)が離れて、それぞれに形成された渦がお互いに干渉しにくくなり、騒音を大きく低減することができる。
(2)嵌合凹部端面と操舵翼端面の上下圧力差が小さくなり、端面付近に形成された渦とせん断層を抑制して、騒音を低減することができる。
(3)音源から機体下側に伝播する音が上記舵面端騒音低減デバイス表面において反射または遮蔽されて、地上の空港周辺に直接に伝わる騒音が少なくなる。
(4)舵面のアスペクト比が増加して、舵面の空力性能を向上させることができる。空力性能が良くなれば、離着陸時にエンジンの出力が少なくなり、さらにエンジンによる騒音を低減する効果が得られる。
(5)揚力が発生する面積が増加して、操舵能力を向上させることができる。
(6)音源側の上記舵面端騒音低減デバイス表面に吸音材を使う場合は、音が吸音材に吸収されて、機体の空力性能を落とさずに地上に伝わる騒音を大幅に低減することができる。
(7)巡航時に操舵翼が主翼の嵌合凹部に収まる場合は、上記舵面端騒音低減デバイスが本体翼外表面から突出しないため、流れる気流に対して抵抗にならない。従って、巡航時の空力性能に悪影響を与えない。
(8)上記舵面端騒音低減デバイスは、平面形状が所定の五角形であり且つその断面形状が多角形もしくは翼型である極めて単純な機構であるため、従来のデバイスに見られた駆動機構およびその駆動エネルギー源が全く必要とされない。また、操舵翼または本体翼に対する固定(取り付け)方法についても、操舵翼と本体翼に板などを取り付け、その板の他端に上記舵面端騒音低減デバイスを固定するだけで済むため、重量増加は殆ど生じない。或いは、操舵翼と本体翼の一部を利用して上記舵面端騒音低減デバイスを固定する場合は、重量が全く増加しない。このように、上記舵面端騒音低減デバイスは、従来のデバイスに比べて軽量かつ省エネルギーとなる。
(9)上述した通り上記舵面端騒音低減デバイスの形状は極めて簡素であり、特別な材料を使う必要がないため、低コストで設計と製造ができる。
以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。
図1は、本発明の舵面端騒音低減デバイス100を示す平面説明図である。図1(a)は、この舵面端騒音低減デバイス100が操舵翼端面に取り付けられた形態を示し、同(b)は本体翼の嵌合凹部端面に取り付けられた形態を示す。
この舵面端騒音低減デバイス100は、平面形状が、頂点A1,A2,A3,A4,A5から成る五角形である。線分A1−A2は長さがhであり操舵翼端面または本体翼の嵌合凹部端面との接合部となる。線分A2−A3は線分A1−A2に対する偏角はφ1でありその長さはa/sinφ1である。線分A3−A4は線分A1−A2に対する偏角はφ2でありその長さは(b-a)/sinφ2である。線分A1−A5は線分A1−A2に対する偏角はφ3でありその長さはc/sinφ3である。なお、偏角は時計回り(CW方向)を正とした。また、図1(b)は、本デバイスが本体翼側に好適に嵌合する一例として、φ1=90°の形態を示している。ここで、「本体翼」とは、操舵翼を支持する翼のことであり、例えば操舵翼が後縁フラップの場合は、本体翼は主翼となり、エレベータの場合は、本体翼は水平尾翼となる。
また、この舵面端騒音低減デバイス100は、線分A2−A3−A4のように、流れてくる気流に対して後退角を有している。これにより、端面から形成される縦渦が弱くなり、あるいは縦渦が上面側に移動するため、遮蔽と吸音効果により機体の下方に伝わる渦騒音が大幅に小さくなる。
また、上記形状パラメータ(a,b,c,h,φ123)は、この舵面端騒音低減デバイス100が適用される操舵翼(操舵面)の形状と、本体翼の嵌合凹部近傍を流れる局所の流れに大きく依存する。従って、具体的には、図8および図9に示す翼胴模型を使用した騒音計測試験および空力性能試験の各試験結果を基に、上記形状パラメータの値が決定されることになる。
また、この舵面端騒音低減デバイス100は、図2に示す典型的な操舵面(操舵翼)およびそれを支持する本体翼に対して適用されるが、本実施例では、特に図3に示す後縁フラップおよび主翼に対し適用した例を示す。
後縁フラップが操舵されると、本体側である主翼に嵌合スペース(嵌合凹部)が生じる。その嵌合凹部を気流が通過することにより、外郭不連続部である嵌合凹部端面に起因して発生する渦と、後縁フラップ端面に起因して発生する渦とが干渉し、騒音が発生する。従って、詳細については図4から図7を参照しながら後述するが、この舵面端騒音低減デバイス100は、これらの渦の干渉を弱めるように、後縁フラップ端面に翼幅方向に沿って結合し、または主翼の嵌合凹部端面に結合し、或いはこれら双方の端面に結合し、後縁フラップ側および主翼側の渦の各発生源を離すことにより、騒音の発生を好適に抑制する。
また、この舵面端騒音低減デバイス100の断面形状は、複数の直線で囲まれた多角形あるいは翼型である。
図4は、舵面端騒音低減デバイス100aを翼幅方向に沿って後縁フラップ20の端面に取り付けた形態を示す説明図である。
この舵面端騒音低減デバイス100aは、後縁フラップ20の端面に結合され、後縁フラップ20の翼面積が見かけ上翼幅方向に拡張している。これにより、渦の発生源となる後縁フラップ20の端面が、同じく渦の発生源となる主翼側嵌合凹部端面と離れ、その結果、渦と渦とが干渉しにくくなり、騒音の発生が好適に抑制されることになる。なお、渦による誘導速度は渦中心から離れる距離に反比例するような関係にある。また、舵面端騒音低減デバイス100aが後縁フラップ20の端面に上記形態で結合することにより渦と渦との距離が離れることは、図10の従来例と比較すると明らかである。
また、この舵面端騒音低減デバイス100aが後縁フラップ20の端面に翼幅方向に沿って結合されたことにより、後縁フラップ20の操舵面が拡大し、揚力が大きくなる。さらに、この舵面端騒音低減デバイス100aは、巡航時等の後縁フラップ20が操舵されない場合は、主翼10の下面に接合し主翼の下面から突出しないため、空気抵抗となりにくい。
また、この舵面端騒音低減デバイス100aは、機体の下側に伝播する騒音ならびに横側に伝播する音を遮蔽するため、地上における騒音低減に好適に寄与するようになる。
図5は、舵面端騒音低減デバイス100bを主翼10の嵌合凹部端面に取り付けた形態を示す説明図である。
この舵面端騒音低減デバイス100bは、主翼10の外郭不連続である嵌合凹部端面が後縁フラップ20の端面と離隔する形態で主翼10の嵌合凹部端面に結合されている。これにより、渦の発生源となる後縁フラップ20の端面が、同じく渦の発生源となる主翼側嵌合凹部端面と離れ、その結果、渦と渦とが干渉しにくくなり、騒音の発生が好適に抑制されることになる。
また、この舵面端騒音低減デバイス100bも、上記舵面端騒音低減デバイス100aと同様に、機体の下側に伝播する騒音ならびに横側に伝播する音を遮蔽するため、地上における騒音低減に好適に寄与するようになる。
図6は、舵面端騒音低減デバイスを主翼10の翼幅方向に沿って後縁フラップ20の端面に取り付けた形態ならびに主翼10の嵌合凹部端面に取り付けた形態を示す説明図である。
この形態は、図4の形態および図5の形態を併合した形態である。舵面端騒音低減デバイスを後縁フラップ端面および主翼の嵌合凹部端面の双方に取り付けることにより、渦の発生源となる後縁フラップ20の端面と、同じく渦の発生源となる主翼側嵌合凹部端面とが更に離れ、その結果、渦と渦とが更に干渉しにくくなり、騒音の発生が更に好適に抑制されることになる。
図7は、表面に吸音材が装着された舵面端騒音低減デバイス200を後縁フラップ20の端面に翼幅方向に沿って取り付けた形態を示す説明図である。
この舵面端騒音低減デバイス200は、特に騒音の発生源となる主翼側嵌合凹部端面に対向する表面に吸音材を装着しているため、好適に騒音を吸収し地上に騒音を伝播させない。
また、この吸音材は、主翼10の嵌合凹部端面に結合する舵面端騒音低減デバイス100bの表面に対しても適用することができる。この場合、吸音材は後縁フラップ20に対向する表面に装着されることになる。
また、この吸音材を上記舵面端騒音低減デバイス100aおよび舵面端騒音低減デバイス100bの双方に適用する場合は、発生した騒音がこれらの舵面端騒音低減デバイス間100a,100bに挟まれ、多重反射を繰り返しながら遮蔽と吸音効果により、機体の下方に伝わる渦騒音が大幅に低減される。
また、吸音材の材質としては、例えば車や新幹線や建築などに広く使用されている多孔質吸音材である。吸音材で作られたシートを前記操舵翼端面または前記嵌合凹部端面に対向する外表面に貼り付ける。
図8は、本発明の騒音低減効果を確認する音源計測試験の結果を示す説明図である。図8(a)は、舵面端騒音低減デバイスを装着していない場合の騒音レベルを示し、同(b)は、舵面端騒音低減デバイスを装着した場合の騒音レベルを示す。
試験は、風洞計測部に、実機を模擬した超音速輸送機(SST)模型(翼胴模型)を設置し、機体下面に対し垂直方向にマイクロフォンを試験室壁面に取り付け、そして風速40m/sの気流を模型前方から流した時の、周波数8kHzの騒音源をそのマイクロフォンを通して計測(集音)することにより行われた。なお、本発明の舵面端騒音低減デバイスは、図4に示されたように、翼下方に20°に操舵された後縁フラップ端面だけに取り付けられた。
図8(a)から、後縁フラップ端の付近から高い騒音が発生し、空間にも伝播している様子が見られる。
一方、図8(b)から、本発明の舵面端騒音低減デバイスを図6に示す形態で翼胴模型に取り付けた場合は、本発明を取り付けていない図8(a)に比べて、騒音レベルが上側(主翼の嵌合凹部端面)で4dbl下がり、下側(後縁フラップ端面側)で8dbl下がった。本発明の舵面端騒音低減デバイスを後縁フラップ端面および嵌合凹部端面に取り付けることによって、騒音レベルが顕著に低減することがわかった。
図9は、図8と同じ模型を用いた空力性能を確認する風洞試験の計測結果を示す説明図である。
図8と同じように、後縁フラップを翼下方に20°に操舵し、本発明の舵面端騒音低減デバイスの有無の状態での空力性能を比較した。横軸に揚力係数(CL)、縦軸に揚抗比(揚力対抵抗の比、L/D)を表す。図9から、本発明の舵面端騒音低減デバイスを装着していない形態に比べて、本デバイスを装着することによって、離着陸時に高い揚力の条件では、揚抗比が大きくなっていることがわかる。
本発明は航空機に設けられるあらゆる種類の舵面に適用することが考えられる。例えば、航空機の前縁スラット/フラップ、後縁フラップ、機体を横転させる補助翼(エルロン)、機首上げと下げの姿勢を制御する昇降舵(エレベータ)、左右の機首振りを制御する方向舵(ラダー)、空力ブレーキ/スポイラー、脚格納扉が挙げられる。
また、エンジンやポンプなどの内部に作動状況を制御するcontrolsurfaceを動かすときに現れる隙間に適用して、渦発生の抑制と騒音低減の効果が考えられる。
更に、宇宙機やロケットやミサイルなどにおける空力操舵面に適用して、空力性能および操舵能力を向上させる効果が考えられる。
また、船舶の操舵面に適用して、端面から形成された渦を弱めて、騒音を低減し、操舵性能を向上させる効果が考えられる。
本発明の舵面端騒音低減デバイスを示す平面説明図である。 本発明の舵面端騒音低減デバイスを適用する操舵翼を示す説明図である。 本発明の舵面端騒音低減デバイスを装着する場所の例を説明図である。 本発明の舵面端騒音低減デバイスを翼幅方向に沿って後縁フラップ端面に取り付けた形態を示す説明図である。 本発明の舵面端騒音低減デバイスを主翼の嵌合凹部端面に取り付けた形態を示す説明図である。 本発明の舵面端騒音低減デバイスを主翼の翼幅方向に沿って後縁フラップ端面に取り付けた形態ならびに主翼の嵌合凹部端面に取り付けた形態を示す説明図である。 表面に吸音材が装着された舵面端騒音低減デバイスを後縁フラップ端面に翼幅方向に沿って取り付けた形態を示す説明図である。 本発明の騒音低減効果を確認する音源計測試験の結果を示す説明図である。 図8と同じ模型を用いた空力性能を確認する風洞試験の計測結果を示す説明図である。 後縁フラップを操舵することよって現れた主翼側の外郭不連続部である嵌合凹部端面に起因して発生する騒音のメカニズムを示す説明図である。
符号の説明
10 主翼
20 後縁フラップ
100,200 舵面端騒音低減デバイス

Claims (5)

  1. 平面形状が五角形であり且つその断面形状が多角形または翼型であり且つ後退角を有して、
    一辺の長さが操舵翼端面の舷長の長さに等しく且つ該操舵翼の翼面積を翼幅方向に沿って拡張する形態で該操舵翼端面に結合され、
    該操舵翼が操舵される際の騒音発生源となる渦の干渉を弱め又は騒音を遮蔽し、或いはこれら双方の機能を発揮することを特徴とする舵面端騒音低減デバイス。
  2. 平面形状が五角形であり且つその断面形状が多角形または翼型であり且つ後退角を有して、
    一辺の長さが、本体翼の操舵翼に対する嵌合凹部端面の内、翼舷方向に平行な端面長に等しく且つ翼幅方向に沿って該嵌合凹部端面に結合され、
    該操舵翼が操舵される際の騒音発生源となる渦の干渉を弱め又は騒音を遮蔽し、或いはこれら双方の機能を発揮することを特徴とする舵面端騒音低減デバイス。
  3. 前記五角形は、頂点A1と、該頂点A1からの長さがhである頂点A2と、線分A1−A2に対する時計方向の偏角がφ1であり且つA2からの長さがa/sinφ1である頂点A3と、該線分A1−A2に対する時計方向の偏角がφ2であり且つ前記A3からの長さが(b-a)/sinφ2である頂点A4と、前記線分A1−A2に対する時計方向の偏角がφ3であり且つ前記A1からの長さがc/sinφ3である頂点Aとから成り、
    且つ前記線分A1−A2が前記操舵翼端面または前記嵌合凹部端面に対する結合部分となり、
    且つ前記形状パラメータ(a,b,c,h,φ123)は、前記操舵翼の翼面形状および前記嵌合凹部を通過する局所の流れによって決定される請求項1又は2に記載の舵面端騒音低減デバイス。
  4. 前記舵面端騒音低減デバイスは、前記操舵翼端面または前記嵌合凹部端面に対向する外表面に吸音材を装着する請求項3に記載の舵面端騒音低減デバイス。
  5. 前記操舵翼が操舵されない場合は、前記舵面端騒音低減デバイスは前記本体翼の外表面から突出しないように前記操舵翼端面または前記嵌合凹部端面に結合されている請求項1から4の何れかに記載の舵面端騒音低減デバイス。
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