JP5045942B2 - 空燃比異常監視装置 - Google Patents
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Description
しかし、例えば、各気筒に均一に吸入空気量が分配されなかったり、EGRガスが一部の気筒に偏ったり、燃料噴射弁に故障が生じている場合等には、目標空燃比を実現できず、各気筒間における燃焼空燃比がばらつく等の異常が生じる。このように燃焼空燃比に異常が生じれば必然的に排気空燃比(以下単に空燃比という)にも異常が生じ、これにより排気通路に設けられている排気浄化装置による排気浄化性能が悪化するという問題がある。
請求項3の空燃比異常監視装置では、請求項1または2において、前記燃料供給制御手段は、前記空燃比異常検出手段にて空燃比の異常を検出した際、前記長期間の移動平均に対し前記短期間の移動平均がリーン側に乖離している場合には前記所定の気筒への燃料供給量を増量側に変動させ、前記長期間の移動平均に対し前記短期間の移動平均がリッチ側に乖離している場合には前記所定の気筒への燃料供給量を減量側に変動させることを特徴としている。
そして、空燃比の異常が検出された場合には所定の気筒の燃料供給量を変動させ、これに伴う空燃比の移動平均の変動を検出し、当該変動検出時点及び上記異常検出時点の時間間隔から空燃比異常を生じている気筒を判別する。
さらに、空燃比の異常が検出されたときには、所定の気筒の燃料供給量を変動させるだけで異常を生じている気筒を判別することができることから、エンジンの運転状態への影響を最小限に抑えることができる。
請求項2の空燃比異常監視装置によれば、短期間の空燃比移動平均を複数気筒のうちの1気筒分の排気が排出される期間に設定し、長期間の空燃比移動平均を前記複数気筒の全ての排気が排出される期間に設定する。
これにより、各気筒ごとの空燃比を正確に監視することができる。
請求項3の空燃比異常監視装置によれば、空燃比の移動を検出した際、長期間の移動平均に対し長期間の移動平均に対し短期間の移動平均がリーン側に乖離している場合には所定の気筒への燃料供給量を増量側に変動させ、リッチ側に乖離している場合には所定の気筒への燃料供給量を減量側に変動させる。
このように、空燃比の異常を検出した際に、短期間移動平均の乖離の方向とは逆側に変動を生じさせることで、この変動時点を的確に検出することができ、より正確に異常気筒を判別することができる。
図1を参照すると、本発明に係る空燃比異常監視装置の概略構成図が示されている。
図1に示すエンジン1は、4つの気筒2a、2b、2c、2d(併せて気筒2ともいう)が直列に並んで構成され180°CA毎に等間隔で燃焼を生起される吸気管噴射型(Multi Point Injection:MPI)の4サイクル直列4気筒型エンジンである。
エンジン1の一側面には、各気筒2と図示しない吸気ポートを介して連通する吸気マニホールド4a、4b、4c、4d(併せて吸気マニホールド4ともいう)が接続されている。
サージタンク8には、吸気管10の一端が接続されており、この吸気管10の他端にはエアクリーナ12が設けられている。
一方、エンジン1の他側面には、各気筒2と図示しない排気ポートを介して連通する排気マニホールド18a、18b、18c、18d(排気通路)が接続されている。この各排気マニホールド18a、18b、18c、18dは合流部20(排気通路)を介して、排気管22(排気通路)と接続されている。
また、エンジン1には、クランク角を検出するクランク角センサ28が設けられている。
そして、上記各燃料噴射弁6、エアフローセンサ14、空燃比センサ24、クランク角センサ28等の各種装置や各種センサ類はECU(電子コントロールユニット)30と電気的に接続されており、ECU30は各種センサ類からの各情報に基づき各種装置を作動制御するものである。
詳しくは、ECU30内には、空燃比センサ24からの検出結果から空燃比の移動平均を算出する移動平均算出部32(移動平均算出手段)、空燃比の異常を検出する空燃比異常検出部34(空燃比異常検出手段)、燃料噴射弁6を制御する燃料噴射制御部36(燃料供給制御手段)、異常の生じている気筒2を判別する異常気筒判別部38(異常気筒判別手段)が形成されている。
図2乃至4を参照すると、図2には本発明に係る空燃比異常監視装置により実行される空燃比異常監視制御ルーチンを示すフローチャート、図3には空燃比異常監視時における空燃比状態の一例を示すタイムチャート、図4には空燃比異常を検出した際の燃料噴射量変動による空燃比状態の一例を示すタイムチャートがそれぞれ示されている。以下図3、4を参照しながら図2のフローチャートに沿って説明する。なお、図3、4は横軸に当たる時系列をクランク角により示している。
この判別結果が偽(No)である場合、即ち2つの移動平均との乖離差が所定差以下である場合には、各気筒2の空燃比はほぼ同一であり異常がないと判定し、当該ルーチンをリターンする。
ステップS3では、上記ステップS2における判別結果より、2つの移動平均の乖離差が所定差より大であることから、いずれかの気筒2において空燃比異常が生じていると判定し、乖離差の最も大きい時点を異常ポイントとする。なお、図3ではt1時点を異常ポイントt1とする。
この判別結果が真(Yes)である場合、即ち図3のように短期間移動平均Sがリーン側に乖離している場合にはステップS5に進む。
ステップS5では、燃料噴射制御部36が、4つの気筒2のうち予め定められた所定気筒のみ、他の気筒2より増量させた燃料噴射量を噴射するよう対応する燃料噴射弁6を制御し、ステップS7に進む。なお、当該実施形態では、この所定気筒を第3気筒2cとする。
つまり、ステップS5、6では、短期間移動平均Sの乖離の方向と逆側に空燃比の変動が生じるよう所定気筒の燃料噴射量を変動させる。
このとき、短期間移動平均Sを1気筒分の排気が排出されるに相当する期間に設定し、長期間の空燃比移動平均を前記複数気筒2の全ての排気が排出されるに相当する期間に設定していることで、この短期間及び長期間の移動平均間の乖離差から各気筒ごとの空燃比を正確に監視することができる。
また、当該空燃比異常監視装置では、空燃比の異常が検出された場合には、所定気筒の燃料噴射量を変動させ、これに伴う空燃比の短期間移動平均Sの変動を検出し、変動ポイント及び異常ポイントの時間間隔から空燃比異常を生じている気筒を判別する。つまり、当該空燃比異常監視装置では、
この所定気筒の燃料噴射量の変動においては、短期間移動平均Sの乖離の方向とは逆側に変動を生じさせることで、この変動時点を的確に検出することができ、より正確に異常気筒を判別することができる。
以上のことから、本発明に係る空燃比監視装置では、エンジン1の運転状態に影響を与えることなく常時各気筒2の空燃比の異常を正確に検出することができる上、異常気筒を判別する際においてもエンジン1の運転状態への影響を最小限に抑えつつ、異常気筒を判別することができる。
上記実施形態では、エンジン1は直列4気筒型エンジンだが、エンジンの気筒数等の構成はこれに限られるものではなく、当該空燃比異常監視装置は他の構成のエンジンにも適用可能である。例えば、4気筒以上の気筒数を備えるエンジンや、EGR装置を備えたエンジン、気筒内に直接燃料噴射する筒内噴射型エンジン等に適用しても構わない。
また、上記実施形態では、空燃比監視制御のステップS8において、空燃比の異常ポイント及び変動ポイントとの時間間隔をクランク角から算出しているが、これはクランク角に限るものではなく、タイマ等を用いた時間差から算出しても構わない。
また、上記実施形態では、短期間及び長期間の2つの空燃比移動平均から空燃比異常の監視及び異常気筒の判別を行っているが、この空燃比移動平均は2つに限られない。例えば、異常気筒の判別の際には別の期間の空燃比移動平均を算出し、この空燃比移動平均を基に異常気筒を判別しても構わない。
2 気筒
6 燃料噴射弁
22 排気管(排気通路)
24 空燃比センサ(空燃比検出手段)
26 排気浄化装置
28 クランク角センサ
30 ECU
32 移動平均算出部(移動平均算出手段)
34 空燃比異常検出部(空燃比異常検出手段)
36 燃料噴射制御部(燃料供給制御手段)
38 異常気筒判別部(異常気筒判別手段)
Claims (3)
- 複数気筒を有する内燃機関の排気通路に設けられ排気の空燃比を検出する空燃比検出手段と、
前記空燃比検出手段により検出される空燃比に基づき、現時点から所定期間前までの間における空燃比の移動平均を算出する移動平均算出手段と、
前記移動平均算出手段により算出される短期間の空燃比移動平均と長期間の空燃比移動平均との間の乖離度合いを算出し、該乖離度合いから前記複数気筒のうちのいずれかの気筒に空燃比の異常が生じているかを検出する空燃比異常検出手段と、
前記空燃比異常検出手段により空燃比の異常が検出された場合に、前記複数気筒のうちの所定の気筒への燃料供給量を変動させる燃料供給制御手段と、
前記燃料供給制御手段による前記所定の気筒への燃料供給量変動後、前記移動平均算出手段により算出される移動平均の変動を検出し、該変動検出時点と前記異常検出時点との時間間隔タイミングと前記所定の気筒とに基づき空燃比の異常を生じている気筒を判別する異常気筒判別手段と、
を備えたことを特徴とする空燃比異常監視装置。 - 前記空燃比異常検出手段は、前記短期間の空燃比移動平均を前記複数気筒のうちの1気筒分の排気が排出されるに相当する期間に設定し、前記長期間の空燃比移動平均を前記複数気筒の全ての排気が排出されるに相当する期間に設定することを特徴とする請求項1記載の空燃比異常監視装置。
- 前記燃料供給制御手段は、前記空燃比異常検出手段にて空燃比の異常を検出した際、前記長期間の移動平均に対し前記短期間の移動平均がリーン側に乖離している場合には前記所定の気筒への燃料供給量を増量側に変動させ、前記長期間の移動平均に対し前記短期間の移動平均がリッチ側に乖離している場合には前記所定の気筒への燃料供給量を減量側に変動させることを特徴とする請求項1または2記載の空燃比異常監視装置。
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