JP5044918B2 - 燃料電池システムの運転方法 - Google Patents

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Description

本発明は、固体高分子型燃料電池を備えた燃料電池システムの運転方法に関する。
燃料電池は、クリーンかつ高効率なエネルギ変換装置として、その利用が期待されているが、長時間運転を行った場合に、電池性能が低下してしまうという問題を有している。その要因の一つとして、燃料電池内での過酸化水素の生成が挙げられる。これは、生成した過酸化水素は、金属イオンの存在下でラジカルに分解され、構成材料である電解質膜が損傷を受けることによる。この現象に起因する性能低下を抑制し、長時間の安定した運転を実現すべく、いくつかの試みがなされている。例えば、特許文献1によれば、燃料電池から排出ガス、排出水の少なくとも一方に含まれる過酸化水素の濃度を測定し、該過酸化水素濃度が予め設定された上限値を超えた場合に、過酸化水素の生成が抑制されるように運転条件を制御する劣化抑制法が開示されている。
特開2004−273209号公報(第5頁、図1)
しかしながら、上記特許文献1に開示された装置は、劣化の進行を過酸化水素の測定によって判定しているため、燃料電池の内部で生成された過酸化水素が燃料電池外へ排出されるまでの時間遅れや、過酸化水素計測の応答遅れによる判定遅れが発生する。したがって、この判定遅れ中には、性能劣化抑制のための運転条件操作ができず、十分な劣化抑制効果が得られないという問題点があった。
また、本発明者は、上記メカニズムによる性能劣化が、出力電流密度が低い(電池電圧が高い)運転領域であることのみでなく、燃料電池の温度が高いときや、酸化剤極の酸素濃度が高いときに、著しく加速されるという知見を得た(図10、図11)。本発明は、上記従来技術の問題点ならびに知見にもとづいてなされたものであり、燃料電池における性能劣化を抑制し、長時間の安定した運転を実現するため燃料電池の運転方法とその制御システムを提供することを課題とする。
上記問題点を解決するために、本発明は、水素を含む燃料ガスが供給される燃料極と、酸素を含む酸化剤ガスが供給される酸化剤極と、該燃料極と該酸化剤極との間に挟装された固体高分子電解質とからなる電極接合体が、セパレータを介して複数個積層されて構成された燃料電池と、燃料電池電圧の検出手段と、燃料電池温度の検出手段と、を備えた燃料電池システムの運転方法であって、燃料電池電圧の検出値が前記固体高分子電解質膜の劣化が加速される所定電圧値を超えた運転領域であり、かつ燃料電池温度の検出値が前記固体高分子電解質膜の劣化が加速される所定温度値を超えた場合、燃料電池内の水分濃度を上昇させる操作と、燃料電池の酸化剤極内の酸素濃度を低下させる操作との少なくとも一方の操作を行うことを要旨とする。
本発明は、電池電圧が所定値より高く、かつ電池温度が所定値より高い運転条件において、燃料電池内の水分濃度を増加させる運転操作または燃料電池の酸化剤極内の酸素濃度を低下させる運転操作を行うものである。燃料電池内の水分濃度を増加させることにより、電解質膜内の含水率も高まり、過酸化水素の生成を抑制することができる。また、酸化剤極の酸素濃度を低下させることにより、電解質膜を透過して酸化剤極から燃料極に移動する酸素量が低減し、燃料極での過酸化水素生成を抑制することができる。
したがって、本発明によれば、過酸化水素の生成にともなう電池性能の劣化をきわめて効果的に抑制することができる。さらに、前述した運転操作を、性能劣化が顕著となる電池電圧が高く、かつ電池温度が高い条件に限定して実行することにより、運転条件を最適設定された条件から変化させることによるさまざまな弊害、例えばシステム効率の低下など、を最小化することができる。
以下に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、本発明の燃料電池システムならびにその運転方法は、後述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、変更や改良を行って実施することができる。
次に、図1のシステム構成図を参照して、本発明に係る燃料電池システムの運転方法の実施例1が適用される燃料電池システムの構成を説明する。図1において、燃料電池10は、燃料極10aと酸化剤極10bとの間に図示しない水素イオン導電性の固体高分子電解質膜を挟装した膜電極接合体をセパレータを介して複数積層した燃料電池スタックである。固体高分子電解質の種類としては、例えば、「ナフィオン」(登録商標、デュポン社製)等のパーフルオロカーボンスルホン酸膜や芳香族炭化水素系の固体高分子電解質膜等を利用可能である。
燃料電池10の燃料極10aには、高圧水素タンクなどの燃料ガス供給手段11から燃料ガス流量制御手段12により流量を調整された燃料ガスとしての水素が供給される。酸化剤極10bには、空気コンプレッサ等を用いた酸化剤ガス供給手段13から酸化剤ガス流量供給手段14により流量を調整された酸化剤ガスが供給される。
また、燃料電池10には、燃料電池スタック全体、または燃料電池スタックを構成する各セルの電圧を検出する燃料電池電圧検出手段15が設けられ、その検出値は、制御装置23に送信される。
また燃料電池10自体の温度、または燃料電池冷却水の温度を検出する電池温度検出手段16、燃料電池10の特定のセルの燃料極と酸化剤極との間の抵抗を検出するセル抵抗検出手段17(例えば、高周波インピーダンス測定手段)を備えており、各々の検出値は制御装置23に送信される。また、燃料電池10の電気的出力端は、図外の負荷装置に接続されているとともに、双方向に直流電圧を変換可能なDCDCコンバータ21を介して蓄電装置22に接続されている。さらに、蓄電装置22には充電量推定手段24が備えられており、該検出値は制御装置23に送信される。蓄電装置22は、リチウムイオン電池等の二次電池や、電気二重層コンデンサ等を用いたキャパシタであり、燃料電池10の発電出力に余裕があるときに充電され、燃料電池10の発電出力が不足する場合に放電して負荷装置への電力供給をアシストする。
制御装置23は、本発明の燃料電池システムの運転方法を実施する制御装置であり、例えば、CPUと、プログラムROMと、作業用RAMと、入出力インタフェースとを備えたマイクロプロセッサで構成されている。
次に、図2(a)の制御フローチャートを参照して、制御装置23が実行する本実施例における燃料電池システムの運転方法を説明する。まず、ステップ(以下、ステップをSと略す)10において、電池温度検出手段16により燃料電池10の温度Tを検出する。次いでS12で、燃料電池温度の検出値Tが所定値Tmax を超えているか否かを判定する。超えていればS14へ進み、超えていなければS10へ戻る。
S12における判定用の所定値Tmax は、燃料電池10に使用する固体高分子電解質膜の材料、製法、厚さ等により異なるが、一般に燃料電池温度がある温度を超えたときに過酸化水素に由来するラジカルの作用により固体高分子電解質膜の劣化が加速される温度に設定する。この所定値Tmax 設定方法の一例として、燃料電池の実機による実験、または計算機シミュレーションにより、図9に示したような電池温度に対する単位運転時間当たりの電圧低下率の特性グラフを求め、このグラフの傾きの変化率が最大となる温度をTmax として設定する方法がある。
S14では、燃料電池電圧検出手段15により燃料電池10の電圧Vを検出する。ここで、燃料電池電圧検出手段15が燃料電池スタックの電圧を検出するものであれば検出値Vはそのままでよいが、燃料電池電圧検出手段15が燃料電池10のセル電圧を検出するものであれば、検出したセル電圧中の最も高いセル電圧をVとするのが好ましい。次いでS16で燃料電池電圧Vが所定値Vmax を超えているか否かを判定する。超えていればS18へ進み、超えていなければS10に戻る。
S16における判定用の所定値Vmax の設定方法として、例えば、燃料電池実機による実験、または計算機シミュレーションにより、燃料電池電圧に対する単位運転時間当たりの電圧低下率の特性グラフを求め、燃料電池の寿命期間中における高燃料電池電圧運転(低負荷運転)による燃料電池電圧の低下幅が所望の範囲内となる電圧をVmax として設定する方法がある。
次いでS18では、セル抵抗検出手段17により、燃料電池内の水分濃度に関する値として燃料電池10の特定セルのセル抵抗Rを検出する。燃料電池セルの固体高分子電解質膜の水分含有量が多い程、当該セルの燃料極と酸化剤極との間の直流抵抗値及び交流インピーダンスは低くなる。従って、燃料電池10が発電していても燃料電池セルの交流インピーダンスを測定すれば、当該セルの電解質膜の含水率(水分濃度)を推定することができる。本実施例では、セル抵抗検出手段17によりセルの交流インピーダンスを測定して水分濃度を推定する。
次いで、S20では、燃料電池電圧の制御目標電圧Vo を演算する。制御目標電圧Vo は、燃料電池温度に対する関数、或いは制御マップとして、予め制御装置23に内部に記憶されている内部データAである。
次いで、S22では、燃料電池10から取り出す負荷電流の制御目標電流Io を演算する。制御目標電流Io は、例えば、図2(b)に示すような、燃料電池温度とセル抵抗とに対する負荷電流制御目標値の制御マップを検索して求めることができる。
次いでS24で、充電量推定手段24にもとづき蓄電装置22が充電可能か否かの判定を行い、充電不可能であれば、S10へ戻る。S24の判定で充電可能であれば、S26で燃料電池10の負荷電流が制御目標Io となるように蓄電装置22への充電量を増大させる。この負荷電流増加により、燃料電池10内部の生成水が増加するとともに、酸化剤極10b内の酸素濃度が低下する。
以上説明した本実施例によれば、電池電圧が所定値より高く、かつ電池温度が所定値より高い運転条件において、負荷電流の増加にともなう生成水の増加により、過酸化水素の生成が抑制されるとともに、電解質膜や電極触媒層に含まれた過酸化水素が生成水により洗浄され、電池性能の劣化を抑制することができるという効果がある。
また本実施例によれば、蓄電装置を備えることにより、燃料電池への発電電力の要求値が小さい場合においても、燃料電池システムの効率を低下させることなく、負荷電流を増加させる操作が可能となるという効果がある。
さらに本実施例によれば、電池電圧が所定値より高く、かつ電池温度が所定値より高い運転条件において、電池電圧が、電池温度と水分濃度の推定値とに対して予め設定された電圧値(電池温度が高いほど低く、水分濃度が低いほど低い)以下になるように燃料電池の負荷電流を増大させ、余剰電力を蓄電装置に充電するようにしたので、過酸化水素の生成にともなう電池性能の劣化は、燃料電池内の水分濃度が低いほど加速される傾向があることから、燃料電池の負荷電流を増大させる操作をより適確に、かつ最小化して実行することができる。
次に、図3のシステム構成図を参照して、本発明に係る燃料電池システムの運転方法の実施例2が適用される燃料電池システムの構成を説明する。本実施例による燃料電池システムは、燃料電池10の燃料極10aに燃料ガスを再循環させるために、燃料ガス循環ポンプ18及び燃料循環路25を備えている点が、図1に示した実施例1の燃料電池システムと異なる。その他の構成は、図1と同様であるので、同じ構成要素には同じ符号を付与して重複する説明を省略する。
次に、図4(a)の制御フローチャートを参照して、制御装置23が実行する本実施例における燃料電池システムの運転方法を説明する。S10からS18までは、図2(a)に示した実施例1と同様であり、燃料電池温度の検出値が所定値Tmax を超え、かつ燃料電池電圧Vの検出値が所定値Vmax を超えていると判定された場合、セル抵抗検出手段17によりセル抵抗Rの検出を行う。
次いでS30で、制御装置23は、燃料電池温度Tとセル抵抗Rに対して燃料ガス再循環量の制御目標Raを演算する。燃料ガス再循環量の制御目標Raは、例えば、図4(b)に示すような制御マップであり、予め制御装置23の内部データCとして記憶されている。次いでS32で、制御装置23は、燃料ガス循環ポンプ18の吐出量を制御することにより、燃料ガス再循環量を制御目標Raまで増加させる。この燃料ガス再循環量の増加により、燃料極10aの入口における燃料ガスの湿度を高めることができ、従って燃料電池内部の水分濃度も高めることができ、結果として過酸化水素の生成を抑制することができる。
本実施例によれば、燃料ガスの循環量の増大操作をより適確に、かつ最小化して実行することができ、過酸化水素の生成にともなう性能劣化の抑制と、燃料ガス循環量の増大ともなう損失(燃料ガス循環ポンプの消費電力増大)の最小化との両立が可能となる。
次に、図5のシステム構成図を参照して、本発明に係る燃料電池システムの運転方法の実施例3が適用される燃料電池システムの構成を説明する。本実施例による燃料電池システムは、燃料電池10の酸化剤極10bに酸化剤ガスを再循環させるために、酸化剤ガス循環ポンプ19及び酸化剤循環路26を備えている点が、図1に示した実施例1の燃料電池システムと異なる。その他の構成は、図1と同様であるので、同じ構成要素には同じ符号を付与して重複する説明を省略する。
次に、図6(a)の制御フローチャートを参照して、制御装置23が実行する本実施例における燃料電池システムの運転方法を説明する。S10からS18までは、図2(a)に示した実施例1と同様であり、燃料電池温度の検出値が所定値Tmax を超え、かつ燃料電池電圧Vの検出値が所定値Vmax を超えていると判定された場合、セル抵抗検出手段17によりセル抵抗Rの検出を行う。
次いで、S40において制御装置23は、内部データDを参照して、燃料電池温度Tとセル抵抗Rに対して酸化剤ガス再循環量の制御目標Rcを演算し、S42で酸化剤ガス循環ポンプ19の吐出量を増加させることにより、酸化剤ガス再循環量を制御目標Rcまで増加させる。この酸化剤ガス再循環量の増加により、酸化剤極10bの入口における酸化剤ガスの湿度を高めるとともに酸素濃度を低減することができ、従って燃料電池内部の水分濃度も高めるとともに酸素濃度を低減することができ、結果として過酸化水素の生成を抑制することができる。
本実施例によれば、酸化剤ガスの循環量の増大操作をより適確に、かつ最小化して実行することができ、過酸化水素の生成にともなう性能劣化の抑制と、酸化剤ガス循環量の増大ともなう酸化剤ガス循環ポンプの消費電力増加量の最小化との両立が可能となる。
次に、本発明に係る燃料電池システムの運転方法の実施例4を説明する。本実施例が適用される燃料電池システムの構成は、図1に示した実施例1の構成と同様である。
次に、図7(a)の制御フローチャートを参照して、制御装置23が実行する燃料電池システムの運転方法を説明する。本実施例の運転方法は、図2に示した実施例1の運転方法におけるS12とS14との間に、S50を追加した運転方法である。
図7(a)において、まず、S10において、電池温度検出手段16により燃料電池10の温度Tを検出する。次いでS12で、燃料電池温度の検出値Tが所定値Tmax を超えているか否かを判定する。超えていればS50へ進み、超えていなければS10へ戻る。S12における判定用の所定値Tmax は、実施例1で説明した通りである。
S50では、蓄電装置22の充電率の制御目標上限値をSOCo からSOCL に下げることにより、蓄電装置22の充電余裕を確保して、S14へ進む。S14では、燃料電池電圧検出手段15により燃料電池10の電圧Vを検出する。ここで、燃料電池電圧検出手段15が燃料電池スタックの電圧を検出するものであれば検出値Vはそのままでよいが、燃料電池電圧検出手段15が燃料電池10のセル電圧を検出するものであれば、検出したセル電圧中の最も高いセル電圧をVとするのが好ましい。
次いでS16で燃料電池電圧Vが所定値Vmax を超えているか否かを判定する。超えていればS18へ進み、超えていなければS10に戻る。S16における判定用の所定値Vmax の設定方法は、実施例1で説明した通りである。
次いでS18では、セル抵抗検出手段17により、燃料電池内の水分濃度に関する値として燃料電池10の特定セルのセル抵抗Rを検出する。
次いで、S20では、燃料電池電圧の制御目標電圧Vo を演算する。制御目標電圧Vo は、燃料電池温度に対する関数、或いは制御マップとして、予め制御装置23に内部に記憶されている内部データAである。
次いで、S22では、燃料電池10から取り出す負荷電流の制御目標電流Io を演算する。制御目標電流Io は、例えば、図7(c)に示すような、燃料電池温度とセル抵抗とに対する負荷電流制御目標値の制御マップを検索して求めることができる。
次いでS24で、充電量推定手段24にもとづき蓄電装置22が充電可能か否かの判定を行い、充電不可能であれば、S10へ戻る。S24の判定で充電可能であれば、S26で燃料電池の負荷電流が制御目標Io となるように蓄電装置22への充電量を増大させる。
本実施例によれば、燃料電池の温度が所定値よりも高くなったとき、蓄電装置の充電余裕が十分確保されるため、燃料電池の負荷電流を増加させることによる劣化抑制操作を確実に実行することができる。
次に、本発明に係る燃料電池システムの運転方法の実施例5を説明する。本実施例が適用される燃料電池システムの構成は、図5に示した実施例3の構成と同様である。
図8の制御フローチャート、図9の内部データを示すグラフを参照して、制御装置23が実行する本実施例における燃料電池システムの運転方法を説明する。本実施例の運転方法は、図7(a)に示した実施例4の運転方法に、S40とS42とを追加した運転方法であり、その他のステップは、実施例4と同様である。
図8において、S24で蓄電装置22が充電可能か否かの判定を行う。この判定は、蓄電装置22の充電量推定手段24が推定した充電率が制御目標上限値を超えていなければ、充電可能と判断する。S24の判定が充電可能であれば、S26で燃料電池10の負荷電流がIo となるよう蓄電装置22への充電量を増大させる。S24の判定が充電不能の場合においては、S40で、燃料電池温度Tとセル抵抗Rに対して酸化剤ガス再循環量の制御目標Rc を演算し、S42で酸化剤ガス循環ポンプ19の吐出量を増加させることにより、酸化剤ガス再循環量を制御目標Rc まで増加させる。
本実施例によれば、蓄電装置22が充電可能な場合には、負荷電流を増加させることにより劣化抑制を図り、蓄電装置22が充電不能な場合には、酸化剤ガスの再循環量を増加させることにより、確実な劣化抑制と、消費電力低減との両立が可能となる。
実施例1のシステム構成図である。 実施例1の運転方法を説明する制御フローチャートである。 実施例2のシステム構成図である。 実施例2の運転方法を説明する制御フローチャートである。 実施例3のシステム構成図である。 実施例3の運転方法を説明する制御フローチャートである。 実施例4の運転方法を説明する制御フローチャートである。 実施例5の運転方法を説明する制御フローチャートである。 図8の制御フローチャートで参照する内部データの例を示す図である。 低負荷運転時における電池温度に対する電圧低下率を説明する図である。 低負荷運転時における酸化剤ガス酸素分圧に対する電圧低下率を説明する図である。
符号の説明
10…燃料電池
10a…燃料極
10b…酸化剤極
11…燃料ガス供給手段
12…燃料ガス流量制御手段
13…酸化剤ガス供給手段
14…酸化剤ガス流量制御手段
15…燃料電池電圧検出手段
16…電池温度検出手段
17…セル抵抗検出手段
18…燃料ガス循環ポンプ
19…酸化剤ガス循環ポンプ
20…燃料ガスパージ弁
21…DCDCコンバータ
22…蓄電装置
23…制御装置
24…蓄電装置充電量推定手段

Claims (9)

  1. 水素を含む燃料ガスが供給される燃料極と、酸素を含む酸化剤ガスが供給される酸化剤極と、該燃料極と該酸化剤極との間に挟装された固体高分子電解質とからなる電極接合体が、セパレータを介して複数個積層されて構成された燃料電池と、燃料電池電圧の検出手段と、燃料電池温度の検出手段と、を備えた燃料電池システムの運転方法であって、
    燃料電池電圧の検出値が前記固体高分子電解質膜の劣化が加速される所定電圧値を超えた運転領域であり、かつ燃料電池温度の検出値が前記固体高分子電解質膜の劣化が加速される所定温度値を超えた場合、燃料電池内の水分濃度を上昇させる操作と、燃料電池の酸化剤極内の酸素濃度を低下させる操作との少なくとも一方の操作を行うことを特徴とする燃料電池システムの運転方法。
  2. 前記燃料電池システムは、燃料電池の発電電力を一時貯留する蓄電装置を備え、
    燃料電池電圧の検出値が前記所定電圧値を超える運転領域であり、かつ燃料電池温度の検出値が前記所定温度値を超えた場合、燃料電池電圧が、燃料電池温度の検出値に対して割り付けられた所定値以下になるように、燃料電池の負荷電流を増加させ、余剰電力を前記蓄電装置に充電することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システムの運転方法。
  3. 前記燃料電池システムは、燃料電池内の水分濃度を推定する水分濃度推定手段を備え、
    燃料電池電圧の検出値が前記所定電圧値を超える運転領域であり、かつ燃料電池温度の検出値が前記所定温度値を超えた場合、燃料電池電圧が、燃料電池温度の検出値と、燃料電池内の水分濃度の推定値との組み合わせに対して割り付けられた所定値以下になるように、燃料電池の負荷電流を増加させ、余剰電力を前記電手段に充電することを特徴とする請求項2記載の燃料電池システムの運転方法。
  4. 前記燃料電池システムは、燃料ガスを燃料極に再循環させる燃料循環装置を備え、
    燃料電池電圧の検出値が前記所定電圧値を超える運転領域であり、かつ燃料電池温度の検出値が前記所定温度値を超えた場合、燃料ガスの燃料極への再循環量の制御値を、燃料電池温度の検出値に対して割り付けられら所定値まで増加させることを特徴とする請求項1記載の燃料電池システムの運転方法。
  5. 前記燃料電池システムは、燃料電池内の水分濃度を推定する水分濃度推定手段を備え、
    燃料電池電圧の検出値が前記所定電圧値を超える運転領域であり、かつ燃料電池温度の検出値が前記所定温度値を超えた場合、燃料ガスの燃料極への再循環量の制御値を、燃料電池温度の検出値と、燃料電池内の水分濃度の推定値との組み合わせに対して割り付けられた所定値まで増加させることを特徴とする請求項4記載の燃料電池システムの運転方法。
  6. 前記燃料電池システムは、酸化剤ガスを酸化剤極に再循環させる酸化剤循環装置を備え、
    燃料電池電圧の検出値が前記所定電圧値を超える運転領域であり、かつ燃料電池温度の検出値が前記所定温度値を超えた場合、酸化剤ガスの酸化剤極への再循環量の制御値を、燃料電池温度の検出値に対して割り付けられら所定値まで増加させることを特徴とする請求項1記載の燃料電池システムの運転方法。
  7. 前記燃料電池システムは、燃料電池内の水分濃度を推定する水分濃度推定手段を備え、
    燃料電池電圧の検出値が前記所定電圧値を超える運転領域であり、かつ燃料電池温度の検出値が前記所定温度値を超えた場合、酸化剤ガスの酸化剤極への再循環量の制御値を、燃料電池温度の検出値と、燃料電池内の水分濃度の推定値との組み合わせに対して割り付けられた所定値まで増加させることを特徴とする請求項6記載の燃料電池システムの運転方法。
  8. 燃料電池温度の検出値が前記所定温度値を超えた場合、前記蓄電装置の充電率の制御目標上限値を、通常時の制御目標上限値に対して低下させることを特徴とする請求項2記載の燃料電池システムの運転方法。
  9. 前記燃料電池システムは、燃料ガスを燃料極に再循環させる燃料循環装置と、酸化剤ガスを酸化剤極に再循環させる酸化剤循環装置の少なくとも一方を備え、
    燃料電池温度の検出値が前記所定温度値を超え、かつ前記蓄電装置の充電率が制御目標上限値以上となり、該蓄電装置への充電ができない場合、燃料ガスの再循環量または酸化剤ガスの再循環量の少なくとも一方を増加させることを特徴とする請求項2記載の燃料電池システムの運転方法。
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