JP5043410B2 - 自律移動装置 - Google Patents

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本発明は、自ら生成した移動経路に基づいて目標地点まで走行して作業を行う自律移動装置に関する。
従来から、指示された目標地点までの移動経路を作成して自律的に移動すると共にその移動中や目標地点において所定の動作や作業を行う自律移動装置がある。自律移動装置の現在地から目標地点に向かう最適な移動経路や、好ましい動作や作業に変更がある場合、自律移動装置の動作や作業をきめ細かく設定するには、自律移動装置が通過する領域に応じた動作手順、すなわちシナリオの設定が毎回必要である。
ところで、自律的に移動し動作する装置として人型や動物型のロボットがあり、上述のような動作設定を、自律移動装置(ロボット)に対して効率的に行うために、動作手順(シナリオ)をGUI画面とマウス操作により対話的に作成編集する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−353678号公報
しかしながら、上述した特許文献1に示されるようなシナリオ生成の方法は、ロボットが外界からの刺激に反応して予め決められた状態遷移に沿った動作を実現するように学習効果を付与したりする方法であり、指示された目標地点までの移動経路を作成して自律的に略2次元的に移動して、清掃、運搬、監視見回り、組立、補修、回収、塗装、案内などの動作や作業を行う自律移動装置に対するシナリオ生成の方法としては不十分である。
本発明は、上記課題を解消するものであって、簡単な構成により、現在地や目標地点の変更に柔軟に対応して移動経路を生成すると共に作業内容の変更に柔軟に対応できる自律移動装置を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために、請求項1の発明は、現在位置を取得する位置取得手段と、走行手段と、走行経路の目印となるノード情報を含む走行領域の地図情報を記憶する記憶部と、前記ノード情報に基づいて現在位置から予め与えられた目標地点までの移動経路を生成する経路生成部と、前記経路生成部によって生成された移動経路に基づいて目標地点まで走行するように前記走行手段を制御する動作制御部と、を備える自律移動装置において、前記ノード情報は、前記走行領域を複数に区分して成り、複数の入り口を有する区分領域の前記複数の入り口の1つを入り口として他を出口とする場合に前記入り口を示す主ノードの情報と、前記区分領域内における走行経路の目印となるサブノードの情報と、を含み、前記記憶部は、予め複数に区分して成る前記区分領域の内部で行う動作を設定する情報であって、主ノードの入り口から各出口への通行可否の情報を含む区分領域動作情報をさらに記憶し、前記経路生成部は、目標地点を与えられることによって定まる、前記主ノードを通る移動経路の生成を行うことにより現在地から目標地点まで前記区分領域をたどる順序を定めるシナリオを生成すると共に、前記シナリオに定めた区分領域内の内部における移動経路を前記サブノードを用いて生成し、かつ、前記区分領域の複数の入り口間の一方通行又は双方通行の連結情報によって通行不可とされている入り口の主ノードとその出口にある主ノードとの間の連結情報を除いて前記シナリオを生成し、前記生成したシナリオをユーザに提示すると共に前記区分領域動作情報を変更する指示をユーザが入力するための入出力手段をさらに備え、前記経路生成部は、前記入出力手段を用いて前記区分領域動作情報の区分領域の主ノード間の連結情報が変更された場合に、変更後の連結情報のうち、通行不可とされている主ノード間の連結情報を除いて前記シナリオを再生成し、前記動作制御部は、前記主ノードとサブノードとを用いて生成された移動経路にしたがって走行するように前記走行手段を制御すると共に、前記区分領域動作情報に基づいた動作を実行するものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の自律移動装置において、前記区分領域動作情報は、前記区分領域内の移動経路を生成する方法を定めた経路生成情報を含み、前記経路生成部は、前記経路生成情報に基づいて移動経路を生成するものである。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の自律移動装置において、前記区分領域動作情報は、前記区分領域の通行不可の情報を含み、前記経路生成部は、前記入出力手段を用いて、前記区分領域動作情報が変更されることにより現在使用中の移動経路に含まれる区分領域が通行不可とされた場合に、前記通行不可とされた区分領域の主ノード間の前記連結情報を除いて前記シナリオを再生成するものである。
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の自律移動装置において、前記経路生成部は、現在位置が現在使用中の移動経路から所定値以上離れている場合に前記シナリオを再生成するものである。
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の自律移動装置において、割込指示を受けるための割込入力手段をさらに備え、前記記憶部は、前記割込入力手段によって割込指示が与えられたときに移動目標とする割込用の区分領域と、前記割込用の区分領域の内部で行う動作を設定する情報及び割込動作の終了条件を含む区分領域動作情報とを記憶しており、前記経路生成部は、前記割込指示が与えられたときに現在位置から前記割込用の区分領域までのシナリオを生成し、前記動作制御部は、前記シナリオに基づいて前記割込用の区分領域まで走行するように前記走行手段を制御し、前記割込用の区分領域における動作を前記区分領域動作情報に基づいて実行すると共に前記割込動作の終了条件に従って割込前の状態に復帰する制御を行うものである。
請求項1の発明によれば、走行領域を区分して成る区分領域毎に動作情報を持たせているので、区分領域毎に走行時の動作や作業内容を設定することができ、これらの設定をきめ細かく柔軟に行える。また、主ノードを用いて区分領域をたどる移動経路、すなわちシナリオを生成し、区分領域内ではサブノードを用いて移動経路を設定するので、移動経路の生成を階層的に行うことができ、現在地や目標地点の変更に柔軟に対応して移動経路を生成できると共に作業内容の変更に柔軟に対応できる。また、通行可否情報を用いて区分領域の状況をシナリオに反映させて、例えば、工事中などで避けなければならない領域がある場合に、柔軟に対応して迂回する移動経路を容易に生成できる。また、主ノードによるシナリオの自動生成の後に、入出力手段を用いてユーザによるシナリオの強制変更を行うことができ、作業内容の変更に柔軟にかつきめ細かく対応できる。例えば、緊急性の高い区分領域に早くアクセスするように変更したりできる。
請求項2の発明によれば、区分領域毎の経路生成情報に従って、例えば、掃除に適した塗り潰し移動や壁沿い移動などの設定を反映した移動経路を容易に生成でき、また、経路生成情報の変更を行うことにより作業内容の変更に柔軟に対応できる。
請求項3の発明によれば、シナリオを変更するための、シナリオの再生成を自動的に行うので、ユーザにとって操作性の良い自律移動装置を実現できる。
請求項4の発明によれば、自律移動装置が、人手などの外力によって強制的に無理矢理移動させられたときや、自己位置を見失って迷走した後に現在位置を再取得したときなどに、もとの動作に復帰して自律移動することができる。
請求項5の発明によれば、ユーザによる割込指示を受けることにより、他の移動体との相互干渉を回避したり、時間待ちをしたりでき、また、割込終了後にもとのシナリオに復帰して動作を継続できるので、作業内容の変更に柔軟に対応できる。
以下、本発明の実施形態に係る自律移動装置について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係る自律移動装置のブロック構成を示す。自律移動装置1は、現在位置を取得する位置取得手段2と、走行手段3と、中央制御手段4と、シナリオ実行手段5と、入出力手段6と、を備えて、ユーザから与えられた目標地点までの動作の手順を定めたシナリオを生成し、そのシナリオを実行することにより、障害物を回避しつつ自律的に目標地点まで移動すると共に、その移動中の各地点や目標地点において所定の動作や作業を行う。
また、中央制御手段4は、走行経路の目印となるノード情報を含む走行領域の地図情報41aを記憶する記憶部41と、ノード情報に基づいて現在位置から予め与えられた目標地点までの移動経路を生成する経路生成部42と、経路生成部42が生成した移動経路に基づいて目標地点まで走行するように走行手段3を制御する動作制御部43と、を備えている。
上述の位置取得手段2は、例えば、ジャイロを内蔵したり、走行手段3にエンコーダを取り付けたりして、これらの出力する加速度情報や車輪の回転数情報などから、移動距離や回転角度を積算して、自己位置(自律移動装置1の位置)が、地図情報41aの地図上のどの位置にあるかを推定して自己位置を取得する。また、自律移動装置1は、環境情報を取得する環境情報取得手段22を備えており、環境情報取得手段22は、レーザレーダや超音波センサなどを備えて、予め地図情報に登録すると共に走行領域の環境に予め設定した認識可能な標識を検出することができる。そこで、位置取得手段2は、環境情報取得手段22が検出した標識を地図上で確認することにより自己位置の推定値を補正できる。
走行手段3は、電池3aを備えており、電池3aによって独立に駆動される左右の駆動輪および補助輪などから構成される。電池3aは、駆動輪だけでなく、位置取得手段2や中央制御手段4などの自律移動装置1の各部に電力を供給する。左右駆動輪の回転数の違いにより、自律移動装置1が操舵される。駆動輪の回転数は、上述のように、自己位置取得のための情報として用いることができる。
シナリオ実行手段5は、シナリオに基づいて動作制御部43によって制御される。シナリオ実行手段5は、自律移動装置1が行う動作や作業を実行する実行手段である。従って、自律移動装置1の適用分野により様々な機能を備える。例えば、自律移動装置1は、清掃、運搬、監視見回り、組立、補修、回収、塗装、案内などの動作や作業を行う装置とすることができる。そこで、例えば、清掃用の自律移動装置1ならば、シナリオ実行手段5は、清掃用の回転ブラシやゴミの吸引装置などを備えてこれらの動作を実行する。
入出力手段6は、自律移動装置1に対して、ユーザが、経路生成のための目標地点を入力したり、また、自律移動装置1が生成して保持しているシナリオを確認したりできるように構成されている。
記憶部41は、地図情報41aの他に、区分領域の内部で行う動作を設定する区分領域動作情報41bを記憶している。記憶部41が、地図情報41aとして記憶している上述のノード情報は、走行領域を区分して成る区分領域の入り口を示す主ノードの情報と、区分領域内における走行経路の目印となるサブノードの情報と、を含んでいる。なお、ノード情報は、走行経路の目印となるとしているが、この目印とは、少なくとも地図上に位置、すなわち座標値が定義されている、という意味である。
経路生成部42は、上述の主ノードを用いて移動経路の生成を行うことにより区分領域をたどる順序を定めるシナリオを生成すると共に、シナリオに定めた区分領域内の内部における移動経路をサブノードを用いて生成する。
動作制御部43は、主ノードとサブノードとを用いて生成された移動経路にしたがって走行するように走行手段3を制御すると共に、区分領域動作情報41bに基づいた動作をシナリオ実行手段5とともに実行する。これらのことを言い換えると、走行手段3を制御する手順や、区分領域動作情報41bに基づいた動作の手順は、全てシナリオによって規定されており、動作制御部43は、シナリオの内容に沿って走行手段3や、シナリオ実行手段5を制御するということになる。つまり、自律移動装置1は、自ら生成したシナリオに従って自律移動する。
次に、図2を参照して、自律移動装置1の走行領域における区分領域、主ノード、サブノードなどの具体例を説明する。図中に壁面W(これは、走行領域を規定する境界を示すものであって、実際に壁がなくてもよい)によって規定された走行領域が、6つの区分領域A1〜A6に区分されて示されている。また、各区分領域A1〜A6の相互の隣接部分に主ノードND1〜ND8が定義されている。また、各区分領域の内部には、サブノードsnが定義されている。
上述の主ノードは、例えば、区分領域A1について、主ノードND1,ND8が定義されている。また、主ノードND5は、3つの区分領域A4,A5,A6に共通の主ノードとして定義されている。これらの主ノードND1〜ND8は、区分領域A1の内部への入口となっており、通常、一方通行などの制限をしない限り、出口としても用いられる。また、各主ノードは、図中に実線で示すように、互いの連結情報(接続関係)が定義されている。
上述の主ノードやサブノードの配置や接続関係は、ノード情報として地図情報41aに記憶されている。これらの主ノードとサブノードとを合わせて、以下では単にノードと呼ぶことがある。
(移動経路の生成方法)
ここで、経路生成部42によるノードを用いた移動経路の生成について説明する。ノードは、上述のように、自律移動装置1が稼働する走行領域に定義されて分布している多数の目標点であり、例えば、移動可能な移動路の曲がり角がノードとされ、広い走行領域における格子点などがノードとされる。各ノードの座標値、ノード間が一方通行なのか双方通行なのかなどの情報、各ノード間の相互の接続関係、さらにはノード間を移動するために必要なコスト(距離、時間、エネルギなどの評価値)情報などが設定されて定義されている。経路生成部42は、ノード間の接続関係を用いて、自律移動装置1の現在地から、予め与えられた目標地点までの移動経路を生成する。
移動経路の最適化や移動効率の基本概念として、移動コストの概念が用いられる。経路生成部42は、始点終点ノードの選択、アルゴリズムA*による両ノード間の経路の探索、及び始点終点ノードの見直しによって走行コスト最小の経路を生成する(例えば、特開2005−050105号公報参照)。移動コストは、2点間を移動するのに要する、時間やエネルギなどで見積もることができる。最も一般的なコストとして、2点間の直線距離、又は直線距離の和を用いることができる。しかしながら、床面清掃のため塗潰移動をする場合などは、2点間を最短で移動するのが最適とは限らないので、自律移動装置1の機能に応じて、移動コストの概念は異なるものとなる。
自律移動装置1は、障害物を回避したりするために、移動中に移動経路を見直しながら進むので、移動中の各時点において移動経路を再生成することがある。経路生成部42によって生成される移動経路は、記憶部41に記憶された地図情報41a(ノード情報)に予め定められたノードをたどるように、つまりノードを経由するように生成される。
(自律移動とシナリオ実行の概要)
自律移動とシナリオ実行の概要を、図3のフローチャートを参照して説明する。ユーザが入出力手段6を介して、自律移動装置1に目標地点を与えると(#1)、経路生成部42が、記憶部41から区分領域動作情報41bと地図情報41a(ノード情報)とを読み込んで移動経路生成の準備をする(#2)。
次に、経路生成部42は、現在地から目標地点まで辿れるように主ノードを用いて移動経路を生成する(#3)。主ノードを用いて生成された移動経路は、主ノードを順番にたどる手順を定義したものであり、本発明ではこのような手順の定義されたものをシナリオ(劇の筋書き)という。ここで、シナリオを2種類に区分して、必要に応じてそれぞれを粗シナリオと詳細シナリオと区別して呼ぶことにする。粗シナリオは、主ノードの順列に現在地と目標地点とを加えて移動の順番を定義して成るシナリオである。すなわち、粗シナリオは、移動経路である。詳細シナリオは、この粗シナリオに、区分領域動作情報41bを付加して、区分領域内で行う動作や作業の手順を定義したシナリオである。すなわち、詳細シナリオは、動作と作業の手順が定義づけられた移動経路である。後述のシナリオ実行(#6)に用いられるシナリオは、詳細シナリオである。
ところで、自律移動装置1が移動経路に沿って移動する際に、どの区分領域を通っているかを把握しておく必要がある。これは、各区分領域における動作を実行するためには、まず、その手順を詳細シナリオに反映することが必要だからである。ところが、主ノードは、互いに隣接する区分領域の両方の境界に含まれるので、移動経路生成に用いた主ノードの情報から、自律移動装置1が通過する(つまり、サブノードをたどって移動する)区分領域を特定する必要があり、この特定処理を行う(#4)。
なお、区分領域の特定は、各区分領域にどの主ノードが含まれているかを示す区分領域情報D3(後述、図4参照)を用いて行うことができる。つまり、移動経路を構成する連続する2つの主ノードの両方を含む区分領域を、区分領域情報D3から検索すればよい。また、現在地や目標地点については、それぞれ、その存在する区分領域の情報を付随させて記憶し管理しておけばよい。
上述の主ノードを用いた粗シナリオと、通過する区分領域の情報(通常、選択確定された情報)とを用いて、経路生成部42によって、詳細シナリオ(以下、単にシナリオともいう)が生成される(#5)。シナリオが生成されると、自律移動装置1は、動作制御部43の制御のもとでシナリオに基づいて移動を開始し、シナリオが実行される(#6)。なお、シナリオの実行の際に、後述するように(図10参照)、サブノードに基づく移動経路が生成され、この移動経路の情報がシナリオ(詳細シナリオ)に付加されて実行される。
(地図情報の一例)
次に、図4を参照して、地図情報のデータファイル構造の例を説明する。図4に示したデータは、前述の図2に示した走行領域に対応している。図4において、主ノード位置情報D1が、主ノード名a1、主ノード番号a2、主ノード位置座標a3によってテキストデータ形式で定義されている。主ノード位置座標a3は、例えば、主ノードND1について、図2のXY座標軸により(X,Y)=(30,350)と定義されている。
また、主ノード間連結情報D2が、主ノード名b1、主ノード番号b2、連結主ノード番号b3によってテキストデータ形式で定義されている。連結主ノード番号b3は相互の連結可能性を示し、例えば、主ノードND1は、3つの主ノードND2,ND4,ND8と連結可能である。このうち、主ノードND1、ND2,ND4は区分領域A2に属し、主ノードND1,ND8は区分領域A1に属している。
また、区分領域情報D3が、区分領域名c1、主ノードグループc2によってテキストデータ形式で定義されている。主ノードグループc2は、各区分領域に属する主ノードを列記しており、例えば、区分領域A2には主ノードND1、ND2,ND4が属しているので、主ノード番号によって1,2,4が記されている。
(区分領域内の移動経路)
次に、図5(a)〜(d)を参照して、区分領域内の移動経路を説明する。区分領域内では、次の4種の移動経路が考えられる:(ケース1)図5(a)に示すように、その区分領域Aの境界部にある主ノードND1から、その区分領域Aの境界部にある他の主ノードND3への移動経路、(ケース2)図5(b)に示すように、その区分領域A内のある地点Pからその区分領域Aの境界部にある主ノードND3への移動経路、(ケース3)図5(c)に示すように、その区分領域A内のある地点Pからその区分領域A内に設定された目標地点TPへの移動経路、(ケース4)図5(d)に示すように、その区分領域Aの境界部にある主ノードND1からその区分領域A内に設定された目標地点TPへの移動経路。
上述の区分領域A内における各移動経路は、区分領域A内で位置が定義されて接続関係が設定されているサブノードを用いて生成される。ただし、サブノード間の接続関係を特に設定せずに移動経路を生成する場合もある。上述の、ある地点Pは通常、現在地である。ある地点Pや目標地点TPは、必ずしもサブノードの位置と一致するとは限らないので、一致しない場合は最寄りのサブノードが、サブノードによる移動経路の始点や終点となる。また、ある地点Pは、自律移動装置1の稼働開始点や、ユーザが自律移動装置1を強制的に停止させた地点や、障害物回避のために退避した地点などである。
上述の(ケース3)図5(c)の場合は、ある地点Pすなわち現在地と目標地点TPとが同一の区分領域にあり、移動経路は、主ノードを介さずに目標地点TPに到達する。この(ケース3)以外の場合には、生成された移動経路は、(ケース2)+(ケース1)+・・+(ケース1)+(ケース4)、の経路となる。この場合(ケース1)は0回から任意回まで繰り返される。ここでは除外しているが、主ノードを、現在地や目標地点とすることもできる。
(区分領域動作情報)
次に、図6、図7を参照して、各区分領域における自律移動装置1の動作条件やその動作条件を定める区分領域動作情報41bについて説明する。各区分領域には、図6に示すように、その区分領域を自律移動装置1が通過する際の動作条件が細かく設定されている。例えば、区分領域A7では、動作条件CA7が設定されており、通行可能、標準の移動方式と移動速度、回避機能は有効、センサは有効、標準の発話と首動作、などの設定条件となっている。
上述の自律移動装置1の例は、人体の首のように回動可能な頭部を有し、発話機能を有する擬人化された移動装置であり、その主たる機能は掃き込みブラシと吸引装置を備えた床面掃除装置である。この自律移動装置1は、床面を満遍なく塗潰すように移動して掃除を行う。そこで、区分領域A8では、動作条件CA8が設定され、移動方式は塗潰し、移動速度は低速とされて、この区分領域A8を掃除する条件となっている。
上述の動作条件CA7,CA8などは、図7に示すように、区分領域動作情報41bに設定されて記憶された内容である。区分領域動作情報41bには、区分領域名d1と、動作条件項目名とその設定値の一覧表からなる動作データ部d2との組が、各区分領域に応じて、例えば、テキスト形式で記録されている。例えば、上述のように、自律移動装置1が各区分領域を通過する際の速度、障害物回避機能、センサ利用の有無、などについての設定が記録されている。
また、ある各区分領域が、改装や工事によって通行できないことを示すために、区分領域動作情報として「通行不可」と設定することもできる。自律移動装置1は、各区分領域に設定された区分領域動作情報に基づいて、走行する区分領域毎にその動作情報を参照して、各機能のモードを適切な設定にあわせて、その区分領域を自律移動する。
(シナリオの生成)
次に、図8、図9を参照して、シナリオの生成について説明する。まず、シナリオを構成する2種類のシナリオ、つまり、前出の図3に関連して概要を説明した粗シナリオと詳細シナリオとについて説明する。
粗シナリオは、図8(a)に示すように、現在地Ns、主ノードN1〜Nn、目標地点Neの順列(順番を定めて並べた列)によって定義される。ここで、現在地Nsと主ノードN1とは区分領域Asに含まれ、主ノードN1と主ノードN2とは区分領域A1に含まれ、同様に各主ノードと各区分領域の関係があり、最後に、主ノードNnと目標地点Neとが区分領域Aeに含まれているとする。このような粗シナリオは、上述したように、経路生成部42が、現在地Nsと目標地点Neとを与えられて、主ノードを選択設定することにより移動経路として生成する。
詳細シナリオは、図8(b)に示すように、上述の粗シナリオに対して、各区分領域As,A1,・・,Aeに対応する各区分領域動作情報Bs,B1,・・,Beを付加したシナリオとして定義される。詳細シナリオは、上述の粗シナリオに基づいて、次に説明する図9のフローチャートに従って、同じく経路生成部42によって生成される。
図9のフローチャートにおいて、経路生成部42は、まず、現在地Nsから目標地点Neまでの間の移動経路を生成している主ノード列(粗シナリオ)、N1,N2,・・,Nnを読込み(S1)、現在地Nsが含まれる区分領域Asの区分領域動作情報Bsをシナリオ先頭に挿入する(S2)。
次に、動作情報取り込みループLP1,LP2において、n個の主ノード数に対して変数i=1からi=n−1、まで、以下のステップS3,S4,S5の処理を繰り返し行う。このループでは、まず、2つの主ノードNi,Ni+1を含む区分領域Aiを探索し(S3)、次に、区分領域Aiに関する区分領域動作情報Biを読込み(S4)、最後に、区分領域動作情報Biをシナリオに追加する(S5)。
上述の動作情報取り込みループLP1,LP2が終了した後、目標地点Neが含まれる区分領域の区分領域動作情報Beをシナリオの最後に追加し(S6)、目標地点Neを移動経路の主ノード列の最後に加えて詳細シナリオ、すなわちシナリオの生成が終了する(S7)。
(シナリオの実行)
次に、図10のフローチャートを参照して、シナリオを実行する処理を説明する。ここで説明するシナリオは、自律移動装置1の移動経路上の動作手順を定めた詳細シナリオであり、上述の図9の手順で求めたシナリオである。自律移動装置1は、動作制御部43のもとで、シナリオを順に実行することで、適切な動作内容によって指示された移動を、目標地点に至るまで実行する。
まず、動作制御部43は、繰り返し制御における現在状態の確認として、シナリオが全て実行されたかどうかを確認し、全て実行済みであれば処理を終了し(S11でYes)、まだ実行済みでなければ次の処理を行う(S11でNo)。
次に、動作制御部43は、シナリオの移動経路情報から、最初の処理では1つ目の、また2回目以降の繰り返し処理では次の区分領域動作情報と、同様に1つ目または次の主ノードとを取得し、その内容をシナリオ実行手段5に伝達する(S12)。
シナリオ実行手段5は、受け取った区分領域動作情報を解釈し、走行手段3を制御するための指令を動作制御部43に伝達したり、自ら備えている、例えば、清掃用の回転ブラシ装置や吸引装置に制御用の設定内容を伝達したりして、各機器の制御モードを設定する(S13)。
シナリオ実行手段5は、受け取った主ノードを移動先として移動するように動作制御部43に対して命令する(S14)。
主ノードヘの移動を命令された動作制御部43は、経路生成部42に、サブノードによる移動経路を生成させる(S15)。経路生成部42は、現在地から当面の移動目標(移動先)である主ノードまでの移動経路を、現在地のある区分領域におけるサブノードを用いて生成する。なお、上述のステップS11以降の処理が、1回目の処理ではない場合、現在地は、現在の区分領域における主ノードであり、この場合、区分領域内での移動経路は、前述の図5(a)に示されるように、主ノードから主ノードへの移動経路となる。
動作制御部43は、生成された移動経路に従って、主ノードまで移動するように走行手段3を制御して、自律移動装置1を移動させる(S16)。この、主ノードまでの移動の間に、シナリオ実行手段5は、シナリオに沿った動作や作業、例えば、移動速度調整や清掃作業などを実行する。また、走行速度や障害物回避をするかどうかの制御は、区分領域動作情報に基づいて、または別途備えた障害物検出手段などからの情報に基づいて、動作制御部43によって行われる。
中央制御手段4は、上述の主ノードまでの移動の間に入出力手段6を介して行われる割込発生の有無を調べ、割込があれば(S17でYes)、割込処理に制御を移す(S18)。このように、移動中に割込が発生した場合、割込処理を実行する。割り込みは、人手で無理やり動かされて自己位置が一定以上変化したり、待避を指示するボタンが押下されたりして発生する。割込処理については、後述の第2の実施形態でさらに述べられる。
動作制御部43は、上述の割込がなければ(S17でNo)、主ノードに到着したかどうかを調べ、到着していなければ移動のステップS16に戻って上述の処理を繰り返す(S19でNo)。また、主ノードに到着した場合(S19でYes)、最初のステップS11に戻って、上記の各処理を所定の制御周期のもとで繰り返す。
上記において、主ノードを移動の目標としているが、通常、シナリオの実行終了は、前述の図5(d)に示されるように、主ノードではなく目標地点TPに到着したときであるので、移動目標としての主ノードは、適宜、目標地点と読み替えられるものとする。
上述のように、主ノードを備えた区分領域や、粗シナリオと詳細シナリオなどの概念を用いる自律移動装置1によれば、走行領域を区分して成る区分領域毎に動作情報を持たせているので、区分領域毎に走行時の動作や作業内容を設定でき、また、これらの設定をきめ細かく柔軟に行える。
また、主ノードを用いて区分領域をたどる移動経路、すなわち粗シナリオを生成し、さらに区分領域動作情報を付加して詳細シナリオを生成し、区分領域内ではサブノードを用いて移動経路を設定するので、移動経路の生成を階層的に行うことができ、現在地や目標地点の変更に柔軟に対応して移動経路を生成できると共に作業内容の変更に柔軟に対応できる。この移動経路生成の階層構造は、粗シナリオと詳細シナリオに反映される。また、区分領域の概念によって、シナリオがブロック構造を備えており、シナリオの変更がブロック毎に柔軟かつ容易に行われる。
また、経路生成部42が、上述のステップS15においてサブノードを用いて区分領域内での移動経路を生成する際に、区分領域動作情報に含まれる経路生成情報を反映させることができる。すなわち、自律移動装置1の備えた機能をきめ細かく制御するために必要な情報を、経路生成情報として各区分領域動作情報に含ませておく。経路生成情報は、区分領域内の移動経路を生成する方法を定めたものである。例えば、ジグザグに平面を塗潰す移動経路や、渦巻型の移動経路などを生成するようにサブノード間の接続関係を規定してこれを経路生成情報とする。
上述のような区分領域動作情報を用いることにより、経路生成部42は、区分領域毎の経路生成情報に従って、例えば、掃除に適した塗り潰し移動や壁沿い移動などの設定を反映した移動経路を容易に生成でき、また、経路生成情報の変更を行うことにより作業内容の変更に柔軟に対応できる。
(第2の実施形態)
次に、図11乃至図14を参照して、第2の実施形態に係る自律移動装置を説明する。本実施形態の自律移動装置1は、ユーザ対応の入出力手段に特徴があり、他の点は第1の実施形態と同様である。
図11は、自律移動装置1の入出力手段6を構成するGUI画面を示す。ユーザは、このGUI画面に対し、マウスなどのポインティングデバイスによる操作や、タッチパネル操作などを行って区分領域動作情報を変更する。ユーザが区分領域動作情報の内容を変更した場合、経路生成部42は、保持していたシナリオに関係する区分領域動作情報であってユーザが変更した部分の書き換えを行う。
入出力手段6のGUI画面には、生成された詳細シナリオを移動経路に沿って配列した区分領域と主ノードとによって表示するためのシナリオ表示枠61と、ユーザが選択した区分領域動作情報を表示する区分領域動作情報表示枠62と、複数の操作ボタンとが備えられている。操作ボタンは、通行禁止/解除ボタン63、リセットボタン64、OKボタン65、割込ボタン66などである。
リセットボタン64は、自律移動装置1の装置状態に応じて、一部の設定条件をクリアしたり、全ての設定を初期状態に戻したりするときに用いられる。また、OKボタン65は、ユーザが、GUI画面を介して条件設定や変更を行った後に設定を確定したり、シナリオ実行を開始したりする際に、その押下信号を確定や実行のトリガとするために用いられる。通行禁止/解除ボタン63については、図13のフローチャートを参照して、また、割込ボタン66については、図14のフローチャートを参照して後述する。
ユーザは、上述のようなGUI画面を有する入出力手段6を介して、自律移動装置1に移動の目標地点を指示する。すると、自律移動装置1は、現在地から目標地点までのシナリオを生成し、そのシナリオの内容をGUI画面に提示し、ユーザの確認を求める。ユーザは、表示されたシナリオの内容を確認したり、変更を加えたりすることができる。
現在地は、自律移動装置1の自己位置認識機能によって認識されているものであるが、このGUI画面によってユーザが現在地を確認し、現在地を改めて入力することもできる。自律移動装置1は、シナリオに従って、単純に移動したり、作業を行いながら移動したりする。これらの移動中の手順が区分領域動作情報から選択され、決定されて粗シナリオに付加されて詳細シナリオが構成されている。ユーザは、以下に述べるように、区分領域動作情報表示枠62を介して、区分領域動作情報を選択、変更、確定することができる。
上述の区分領域動作情報表示枠62には、区分領域動作情報を選択可能な複数の項目毎に予め設定して、コンボボックスを用いたプルダウン提示や、タッチパネル表示などにより項目別に選択可能な状態で表示される。また、これらの表示は、設定項目数を減らすために、選択できる設定項日を絞り込んだテンプレート形式で予め数パターン用意し、テンプレートの選択によって区分領域動作情報の項目を設定できるようにされている。
図12は、各区分領域における動作情報を、テンプレート形式にすると共に、各項目毎に選択可能にした区分領域動作情報41cを示す。この区分領域動作情報41cは、テンプレート種別データt1、項目データt2、および項目データt2の各項目毎に選択肢を設定した選択肢データt3の3つのデータを1セットとし、このようなセットを多数備えて構成されている。ユーザは、区分領域毎に、このようなセットを選択すると共に、各項目の選択肢を選択決定して、シナリオ生成に用いる区分領域動作情報を修正、変更することができる。
また、ユーザが、図11のシナリオ表示枠61に表示された区分領域を示す表示部分を選択すると、その表示部分は選択されたことを示すために活性化され(図中、白抜き矢印で指された左から2番目の領域)、選択された区分領域動作情報の詳細が、区分領域動作情報表示枠62に表示される。ユーザは、表示された各選択項目を選択して変更することができる。
上述のように、本実施形態の自律移動装置は、生成されたシナリオをユーザに提示すると共に区分領域動作情報を変更する指示をユーザが入力するための入出力手段6(GUI画面)を備えているので、シナリオの自動生成の後に、入出力手段6を用いてユーザによるシナリオの変更や最適化を行うことができ、作業内容の変更に柔軟にかつきめ細かく対応できる。例えば、緊急性の高い区分領域に早くアクセスするようにシナリオを変更したりできる。
次に、図11の通行禁止/解除ボタン63について説明する。ユーザが、生成されたシナリオについて、ある区分領域を通行禁止の設定にしたい場合、シナリオ表示枠61に表示されたシナリオから区分領域を選択し、通行禁止/解除ボタン63を押下する。経路生成部42は、通行禁止の設定がなされた区分領域を通行禁止リストに登録すると共に、シナリオ表示枠61の右下枠内に表示する。そして、経路生成部42は、主ノードによる移動経路の生成をやり直し、その結果をシナリオ表示枠61に表示する。
上述の通行禁止を解除したい場合、ユーザは、通行禁止リストとしてシナリオ表示枠61の右下枠内に表示された区分領域を選択し、通行禁止/解除ボタン63を押下して解除する。この場合も、必要に応じて、主ノードによる移動経路の生成、従って詳細シナリオの生成がやり直される。
上述の通行禁止/解除に起因するシナリオの再生成を含む自律移動は、図13に示すフローチャートに従って行われる。このフローチャートは、前述の図3に示したフローチャートに、ステップ#11〜#18を追加したものであり、要点のみ説明する。
シナリオ、すなわち、主ノードの順列に現在地と目標地点とを加えてなる成る粗シナリオに区分領域動作情報41bを付加して区分領域内で行う動作の手順を定義した詳細シナリオは、生成されると入出力手段6のGUI画面に表示される(#11)。入出力手段6は、OKボタン65が押下されたかどうか(#12)、区分動作領域情報が変更されたかどうか(#13)、および、通行禁止/解除ボタン63が押下されたかどうか(#14)、を監視するため、これらのステップ#12,#13,#14を繰り返している。この監視処理中に最初に、OKボタン65が押下された場合(#12でYes)、シナリオが実行される(#6)。
上述の監視処理中に、ユーザによって区分領域動作情報が変更された場合(#13でYes)、ユーザによる一連の変更操作の後のOKボタン65の押下によって、現在保持しているシナリオの破棄が行われ(#17)、さらに、変更された区分領域動作情報を反映する処理が行われて(#18)、その後、制御はステップ#3に戻される。
また、上述の監視処理中に、通行禁止/解除ボタン63が押下された場合(#14でYes)、すなわち、ユーザがGUI画面上で、禁止または解除のために区分領域の選択を行った後に通行禁止/解除ボタン63を押下した場合、経路生成部42は、現在保持しているシナリオを破棄する(#15)。次に、経路生成部42は、通行禁止または通行禁止解除された区分領域情報を反映して、使用する主ノード間の連結情報の削除または追加を行う(#16)。その後、制御は、ステップ#3に戻され、主ノードによる移動経路の生成、つまり再生成が行われる。
なお、上述のステップ#11〜#18などの処理フローは、要点を述べたものであり、種々変形することができる。例えば、監視処理(#12,#13,#14)中に入力がなく、所定時間の間にOKボタン65が押下されなかった場合にはシナリオを実行する(#6)という設定にすることもできる。また、区分領域動作情報の変更処理(#13)および通行禁止や解除の処理(#14)を一連の処理として行った後に、シナリオの破棄とその後の処理をまとめて行うようにすることもできる。
上述のように、自律移動装置1において、区分領域動作情報は、区分領域の通行可否の情報(通行禁止かどうかの情報)を含むことができ、経路生成部42は、通行可否情報によって通行不可とされた区分領域の主ノード間で定義されている連結情報を除いてシナリオを生成する。また、通行可否情報は、上述のように、ユーザが入出力手段6の通行禁止/解除ボタン63を用いて区分領域動作情報を変更することにより変更される。この場合も、現在使用中の移動経路に含まれる区分領域が通行不可とされると、通行不可とされた区分領域の主ノード間の連結情報を除いた連結情報を用いてシナリオを再生成する。
これのような方法によれば、通行可否情報を用いて区分領域の状況をシナリオに反映させて、例えば、工事中などで避けなければならない領域がある場合に、柔軟に対応して迂回する移動経路を容易に生成できる。また、シナリオを変更するための、シナリオの再生成を自動的に行うので、ユーザにとって操作性の良い自律移動装置を実現できる。
また、シナリオの再生成は、上述とは異なる状況においても行われる。すなわち、自律移動装置1の経路生成部42は、現在位置が現在使用中の移動経路から所定値以上離れている場合にシナリオを再生成する。これは、自律移動装置が、人手などの外力によって強制的に無理矢理移動させられたときや、自己位置を見失って迷走したときの状況に対応するものである。このシナリオ再生成によると、自律移動装置1が現在位置を再取得したときなどに再生成を行い、もとの動作に復帰して自律移動を継続することができる。
(割込処理)
次に、図14のフローチャートを参照して、自律移動における割込処理を説明する。このフローチャートは、前出の図10に示したシナリオ実行のフローチャートにおける割込処理(S18)の具体的な処理を示す。また、このフローチャートにおけるステップ#3,#4,#5,#6の処理は、前出の図3のフローチャートにおける対応するステップの処理と同じである。
上述の図11に示した、入出力手段6のGUI画面における割込ボタン66を用いて、ユーザによる割込が発生すると、動作制御部43は、自律移動装置1を停止させ、シナリオを消去し(S21)、最寄りの退避点を目標地点に設定する(S22)。すると、経路生成部42は、ステップ#3,#4,#5に従ってシナリオを生成し、動作制御部43がシナリオを実行する。
動作制御部43は、シナリオ実行の結果の到着点を調べ、最初に指定された目標地点に到着していれば、処理を終了する(S23でYes)。最初に指定された目標地点に到着していない場合(S23でNo)、動作制御部43は、退避点到着後、所定の設定時間が経過した後(S24でYes)、目標地点を、最初に指示された目標地点に設定する(S25)。その後、制御は、ステップ#3に戻されて、上記の処理が所定の制御周期のもとで繰り返される。
上述のように、割込ボタン66により、例えば退避のための割込み処理が発生した場合に、自律移動装置1は、予め設定された最寄の待避点に移動し、一定時間待機した後に、再度、最初に指示された目標地点への移動を再開する。待避時に用いるために、予め待避点と待避用区分領域、待避用区分領域動作情報を設定しておく。待避用区分領域動作情報には、待避点到着後に停止しておく時間などを設定することができる。自律移動装置1は、最寄の待避点を目標地点として、シナリオを生成し、実行する。シナリオの実行が完了し、待避用区分領域動作情報に設定されてある時間の間、その場で待機した後、再度、最初に指示された目標地点に対してシナリオを作成し、実行する。
上述のように、自律移動装置1は、割込指示を受けるための割込入力手段として割込ボタン66を備え、記憶部41は、割込入力手段によって割込指示が与えられたときに移動目標とする割込用の区分領域と、割込用の区分領域の内部で行う動作を設定する情報及び割込動作の終了条件を含む区分領域動作情報とを記憶している。また、経路生成部42は、割込指示が与えられたときに現在位置から割込用の区分領域までのシナリオを生成し、動作制御部43は、シナリオに基づいて割込用の区分領域まで走行するように走行手段3を制御し、割込用の区分領域における動作を区分領域動作情報に基づいて実行すると共に割込動作の終了条件に従って割込前の状態に復帰する制御を行う。
上述のような自律移動装置1によれば、ユーザによる割込指示を受けて、他の移動体との相互干渉を回避したり、時間待ちをしたりでき、また、割込終了後にもとのシナリオに復帰して動作を継続できるので、作業内容の変更に柔軟に対応できる。
なお、本発明は、上記構成に限られることなく種々の変形が可能である。たとえば、入出力手段6(GUI画面)では、区分領域動作情報やシナリオの変更の他に、地図情報、特にノード情報を、追加、削除、変更などの編集するようにできる。また、入出力手段として、無線通信手段を備えて、無線通信により目標地点を指示するようにできる。
本発明の第1の実施形態に係る自律移動装置のブロック構成図。 同上自律移動装置の走行領域の例に区分領域と主ノードとサブノードの例を含めて示す平面図。 同上自律移動装置が行うシナリオ生成による自律移動のフローチャート。 同上自律移動装置がシナリオ生成と自律移動に用いる地図情報の一部を示すデータ説明図。 (a)〜(d)は同上自律移動装置が区分領域内で行う移動の場合分けを説明する区分領域の平面図。 同上自律移動装置の走行領域に設定された動作条件の例を示す走行領域の平面図。 同上自律移動装置が参照する区分領域動作情報の一部を示すデータ説明図。 (a)は同上自律移動装置で生成される主ノードから成る粗シナリオの概念説明図、(b)は(a)のシナリオに区分領域動作情報を付加して成る詳細シナリオの概念説明図。 図8(b)に示した詳細シナリオを生成する処理のフローチャート。 同上詳細シナリオを実行する処理のフローチャート。 本発明の第2の実施形態に係る自律移動装置の入出力手段の例を示す入出力画面図。 同上自律移動装置で用いられる区分領域動作情報の一部を示すデータ説明図。 同上自律移動装置が行うシナリオの再生成を含むシナリオ生成による自律移動のフローチャート。 同上自律移動装置における割込指示によるシナリオ生成と自律移動のフローチャート。
符号の説明
1 自律移動装置
2 位置取得手段
3 走行手段
41 記憶部
41a 地図情報
41b,41c 区分領域動作情報
42 経路生成部
43 動作制御部
6 入出力手段
66 割込入力手段
sn サブノード
A1〜A8,Ai,As,Ae 区分領域
B1,B2,Bs,Bi,Be 区分領域動作情報
ND,ND1〜ND8,Nn,Ns,Ne 主ノード

Claims (5)

  1. 現在位置を取得する位置取得手段と、走行手段と、走行経路の目印となるノード情報を含む走行領域の地図情報を記憶する記憶部と、前記ノード情報に基づいて現在位置から予め与えられた目標地点までの移動経路を生成する経路生成部と、前記経路生成部によって生成された移動経路に基づいて目標地点まで走行するように前記走行手段を制御する動作制御部と、を備える自律移動装置において、
    前記ノード情報は、前記走行領域を複数に区分して成り、複数の入り口を有する区分領域の前記複数の入り口の1つを入り口として他を出口とする場合に前記入り口を示す主ノードの情報と、前記区分領域内における走行経路の目印となるサブノードの情報と、を含み、
    前記記憶部は、予め複数に区分して成る前記区分領域の内部で行う動作を設定する情報であって、主ノードの入り口から各出口への通行可否の情報を含む区分領域動作情報をさらに記憶し、
    前記経路生成部は、目標地点を与えられることによって定まる、前記主ノードを通る移動経路の生成を行うことにより現在地から目標地点まで前記区分領域をたどる順序を定めるシナリオを生成すると共に、前記シナリオに定めた区分領域内の内部における移動経路を前記サブノードを用いて生成し、かつ、前記区分領域の複数の入り口間の一方通行又は双方通行の連結情報によって通行不可とされている入り口の主ノードとその出口にある主ノードとの間の連結情報を除いて前記シナリオを生成し、前記生成したシナリオをユーザに提示すると共に前記区分領域動作情報を変更する指示をユーザが入力するための入出力手段をさらに備え、
    前記経路生成部は、前記入出力手段を用いて前記区分領域動作情報の区分領域の主ノード間の連結情報が変更された場合に、変更後の連結情報のうち、通行不可とされている主ノード間の連結情報を除いて前記シナリオを再生成し、
    前記動作制御部は、前記主ノードとサブノードとを用いて生成された移動経路にしたがって走行するように前記走行手段を制御すると共に、前記区分領域動作情報に基づいた動作を実行することを特徴とする自律移動装置。
  2. 前記区分領域動作情報は、前記区分領域内の移動経路を生成する方法を定めた経路生成情報を含み、前記経路生成部は、前記経路生成情報に基づいて移動経路を生成することを特徴とする請求項1に記載の自律移動装置。
  3. 前記区分領域動作情報は、前記区分領域の通行不可の情報を含み、
    前記経路生成部は、前記入出力手段を用いて、前記区分領域動作情報が変更されることにより現在使用中の移動経路に含まれる区分領域が通行不可とされた場合に、前記通行不可とされた区分領域の主ノード間の前記連結情報を除いて前記シナリオを再生成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自律移動装置。
  4. 前記経路生成部は、現在位置が現在使用中の移動経路から所定値以上離れている場合に前記シナリオを再生成することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の自律移動装置。
  5. 割込指示を受けるための割込入力手段をさらに備え、
    前記記憶部は、前記割込入力手段によって割込指示が与えられたときに移動目標とする割込用の区分領域と、前記割込用の区分領域の内部で行う動作を設定する情報及び割込動作の終了条件を含む区分領域動作情報とを記憶しており、
    前記経路生成部は、前記割込指示が与えられたときに現在位置から前記割込用の区分領域までのシナリオを生成し、
    前記動作制御部は、前記シナリオに基づいて前記割込用の区分領域まで走行するように前記走行手段を制御し、前記割込用の区分領域における動作を前記区分領域動作情報に基づいて実行すると共に前記割込動作の終了条件に従って割込前の状態に復帰する制御を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の自律移動装置。
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