JP5042821B2 - 炭化水素油改質剤及びその製造方法並びにそれを用いた炭化水素油改質方法 - Google Patents

炭化水素油改質剤及びその製造方法並びにそれを用いた炭化水素油改質方法 Download PDF

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Description

本発明は、炭化水素油に添加して炭化水素油を改質する炭化水素油改質剤及びその製造方法並びにそれを用いた炭化水素油改質方法に関するものである。
近年、大気汚染の原因となる窒素酸化物(NOx)、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、浮遊粒子状物質(PM)を減少させるため、自動車エンジン等の内燃機関やボイラ等の燃焼器等の燃料となるガソリン,軽油,灯油等の炭化水素油に添加して燃焼効率等を改善する多くの炭化水素油改質剤が開発されている。
このような炭化水素油改質剤における従来の技術としては、(特許文献1)に「自然界から採取し培養した鉱物油分解微生物と、樹液の希アルコール化液等の植物性産物抽出液と、が混合されていることを特徴とする石油改質剤」が開示されている。
(特許文献2)には、「グラファイトシリカの還元物からなる還元金属酸化物の粉末からなる燃料改質剤」が開示されている。
特開2000−186287号公報 特開2003−96477号公報
しかしながら上記従来の技術においては、以下のような課題を有していた。
(1)(特許文献1)に開示の技術は、自然界から採取した鉱物油分解微生物を培養して用いるので、品質の安定性に欠けるとともに、鉱物油分解微生物は生物なので保存性に欠けるという課題を有していた。
(2)自然界から採取した鉱物油分解微生物を培養するのが煩雑で生産性に欠けるという課題を有していた。
(3)(特許文献1)に開示の技術は鉱物油分解微生物を炭化水素油に分散させるものであり、(特許文献2)に開示の技術は還元金属酸化物の粉末を炭化水素油に分散させるものであり、鉱物油分解微生物や還元金属酸化物の粉末が分離したり沈降したりし易く、分散性に欠けるという課題を有していた。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、炭化水素油を完全燃焼に近い状態で燃焼させて排気ガス中のHC,CO,NOx等の環境汚染物質を削減するとともに、燃費を改善し炭化水素油の消費量の削減と二酸化炭素の発生量を削減することができ環境保全性に優れ、さらに炭化水素油に添加した際の分散性に優れるとともに保存性に優れた炭化水素油改質剤を提供することを目的とする。
また、ロット毎の品質のばらつきを少なくすることができ安定性に優れる炭化水素油改質剤の製造方法を提供することを目的とする。
また、誰でも簡単に作業を行うことができるとともに、炭化水素油を完全燃焼に近い状態で燃焼させて内燃機関や燃焼器等の出力を向上させるとともに燃費を向上させ、さらに排気ガス中のHC,CO,NOx,SOx等の環境汚染物質を削減するとともに、燃費を改善し炭化水素油の消費量の削減と二酸化炭素の発生量を削減することができ環境保全性に優れる炭化水素油改質方法を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために本発明の炭化水素油改質剤及びその製造方法並びにそれを用いた炭化水素油改質方法は、以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載の炭化水素油改質剤は、木材及び/又は竹材を乾留して生成された木酢液及び/又は竹酢液からなる乾留副生液と、硫黄と、を含有した構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)木酢液や竹酢液からなる乾留副生液にはアルコール類、有機酸類等200種類以上の化合物が溶け込んでおり、炭化水素油に添加することで、これらの多種多用な化合物と硫黄とが炭化水素油中の炭化水素に作用して、燃料の炭化水素油を完全燃焼に近い状態で燃焼させることができるので、排気ガス中のHC,CO,NOx等の環境汚染物質を削減することができる。
(2)燃料に添加することで燃費を改善できるので、炭化水素油の消費量の削減と、温暖化ガスである二酸化炭素の発生量を削減することができる。
ここで、乾留副生液としては、木材や竹材、笹を製炭等のため乾留した際に発生するガスを冷却して得られる木酢液や竹酢液が用いられる。なかでも竹酢液が好適に用いられる。木酢液よりも抗酸化性に優れるとともに、品種による特性の差が小さく品質安定性に優れ、さらにタール分が少ないため乾留副生液に含まれるタール分が燃焼器内に付着する等の問題の発生を抑制することができるからである。なお、タール分等の不純物をデカンテーション,濾過,吸着等によって分離・除去し精製した乾留副生液を用いるのが好ましい。タール分に含有される人体に有害なベンツピレン等を除去することができ、またタール分が燃焼器内に付着する等の問題の発生を抑制することができるからである。
乾留副生液は、精製した無色透明なものを、褐色乃至は黒色に変色するまで熟成したものを用いるのが好ましい。理由は不明であるが、熟成されていない無色透明な乾留副生液を用いて製造された炭化水素油改質剤と比較して、改質効果の高い炭化水素油改質剤を確実に製造できるからである。
乾留副生液は、竹材や木材を乾留した際に生じるガスの内、煙道出口の温度が80〜200℃好ましくは80〜150℃のガスを煙道で冷却したものが好適に用いられる。乾留時のガスの温度が80℃より低くなるにつれガス中の水蒸気の量が多く乾留副生液の純度が低下する傾向がみられ、150℃より高くなるにつれタールの発生量が増加する傾向がみられる。特に、200℃より高くなると、この傾向が著しいため好ましくない。
硫黄としては、天然の遊離硫黄(自然硫黄)、硫化水素泉の出口付近等に生じた湯の華、硫黄鉱床から採取した硫黄、石油,天然ガスからの回収硫黄、燃焼ガスの排煙脱硫からの回収硫黄、自然硫黄等を昇華によって精製した硫黄華等が用いられる。なかでも、石油,天然ガスからの回収硫黄、燃焼ガスの排煙脱硫からの回収硫黄、自然硫黄等を昇華によって精製した硫黄華等が好適に用いられる。純度の安定した硫黄が得られるので、品質の安定性に優れるからである。
硫黄は、塊状のものを用いることができるが、粉末にして表面積を増やしたものが好適に用いられる。
硫黄の混合量(容量部)は、乾留副生液の容量に対し2倍以上好ましくは3倍以上にするのが好ましい。硫黄の混合量が乾留副生液の3倍未満になるにつれ、改質した炭化水素油を完全燃焼に近い状態で燃焼できず、出力の向上等の効果が得られ難くなる傾向がみられ、2倍未満になると、この傾向が著しくなるため好ましくない。なお、過剰に混合された硫黄は、炭化水素油改質剤の製造時に固形分として残留するため、デカンテーション,濾過,遠心分離等の手段によって分離して炭化水素油改質剤を得ることができる。
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の炭化水素油改質剤であって、前記乾留副生液と前記硫黄が、化石燃料に混合された構成を有している。
この構成により、請求項1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)乾留副生液と硫黄とが化石燃料に混合されているので、炭化水素油に添加したときの分散性に優れ、炭化水素油の改質効果を高めることができる。
ここで、化石燃料としては、原油から得られる液状の留分であれば特に制限なく用いることができ、例えば、自動車ガソリン、航空ガソリン、ジェット燃料油(航空タービン燃料油)、ディーゼル燃料油、自動車や産業機械等の小型高速ディーゼル機関に使用される軽油、小型の中速ディーゼル機関,船舶用の大型低速機関,工業炉用燃料等に使用される重油、ストーブや給湯器等の小型燃焼器に使用される灯油等が挙げられる。これらは、改質する目的の炭化水素油に応じて適宜選択できる。改質する炭化水素油と比重が同じ同種の化石燃料を選択するのが、添加したときの分散性に優れるため好ましいが、改質する炭化水素油と異種の化石燃料を選択することもできる。
なお、化石燃料として灯油又は軽油を用いると、流動性がよく取扱性に優れるとともに引火点が高く安全性に優れるため好ましい。
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の炭化水素油改質剤であって、前記化石燃料100容量部に対し、前記乾留副生液が0.02〜1容量部と、硫黄が0.04 〜0.1容量部混合された構成を有している。
この構成によって、請求項2で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)化石燃料100容量部に対し乾留副生液0.02〜1容量部が混合されているので、乾留副生液の有効成分や硫黄によって、炭化水素油改質剤が添加された炭化水素油を完全燃焼に近い状態で燃焼させることができる。
ここで、化石燃料100容量部に対する乾留副生液の混合量が0.02容量部より少なくなるにつれ、乾留副生液の有効成分の量が少なく、炭化水素油改質剤が添加された炭化水素油を完全燃焼に近い状態で燃焼できず、出力の向上等の効果が得られ難くなる傾向がみられ、1容量部より多くなるにつれ乾留副生液の水分の影響で炭化水素油改質剤が添加された炭化水素油の流動性が変化する傾向がみられるため、いずれも好ましくない。
なお、乾留副生液と硫黄との混合割合は、請求項1で説明したので、ここでは説明を省略する。
本発明の請求項4に記載の炭化水素油改質剤の製造方法は、木材及び/又は竹材を乾留して生成された木酢液及び/又は竹酢液からなる乾留副生液と硫黄とを化石燃料に混合して混合液を得る混合液作成工程と、前記混合液から前記硫黄の固形分を除去して炭化水素油改質剤を得る固形分除去工程と、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)混合液作成工程と固形分除去工程とを備えているので、化石燃料に乾留副生液と硫黄とを混合して混合液を得た後、混合液から硫黄の固形分を除去することで、液状の炭化水素油改質剤を得ることができ、保存性に優れるとともに炭化水素油に添加したときの分散性に優れる。
ここで、乾留副生液、硫黄としては、請求項1で説明したものと同様なので、説明を省略する。化石燃料としては、請求項2で説明したものと同様なので、説明を省略する。
混合液作成工程としては、化石燃料に乾留副生液と硫黄を混合し放置しておくだけでもよいが、加温、撹拌、振動等の操作を行うことができる。混合液作成工程において化石燃料と乾留副生液と硫黄とが混合された混合液は、混合直後は化石燃料の臭気が強いが、時間の経過につれて化石燃料の臭気以外の刺激性の臭気が増してくる。
固形分除去工程としては、デカンテーション,濾過,遠心分離等の手段によって、混合液から固体の硫黄を分離・除去するものが用いられる。
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の炭化水素油改質剤の製造方法であって、前記混合液作成工程において得られた前記混合液を太陽光又は紫外線に暴露する改質剤熟成工程を備えた構成を有している。
この構成により、請求項4で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)混合液を太陽光や紫外線に暴露することによって熟成が促進されるので、炭化水素油に添加したときの改質効果を高めることができる。
ここで、混合液に太陽光又は紫外線を照射する場合、紫外線透過性を有する透明,白色若しくは乳白色等のガラス製や合成樹脂製等の容器に混合液を封入し、容器を太陽光や紫外線に暴露する。混合液を容器に封入するのは、混合液を紫外線や太陽光に暴露している間に、混合液が揮発してしまうのを防止するためである。
混合液を封入した容器を屋外に放置しておくことで、混合液を太陽光に暴露することができる。この場合の屋外への放置時間は、24〜336時間(1昼夜〜2週間)が好適に用いられる。放置時間が24時間より短くなると炭化水素油に添加したときの改質効果が乏しくなり、336時間より長くなると炭化水素油改質剤の生産性が低下するため、いずれも好ましくない。なお、太陽の高度が高く日照時間の長い夏季は、太陽の高度が低く日照時間の短い冬季より、屋外への容器の放置時間を短めにすることができる。
混合液を封入した容器を紫外線に暴露する場合は、容器内の混合液を25〜50℃に加温するのが好ましい。熟成を促進させるためである。混合液の温度が25℃より低くなると熟成促進効果がみられず、50℃より高くしても熟成促進効果に変化が生じないため、いずれも好ましくない。なお、容器に封入した混合液を太陽光に暴露すると、容器内の混合液の液温を25〜50℃にすることができるので好ましい。
紫外線の暴露時間は、8〜84時間が好適に用いられる。暴露時間が8時間より短くなると炭化水素油に添加したときの改質効果が乏しくなり、84時間より長くなると炭化水素油改質剤の生産性が低下するとともに、これ以上長くしても改質性の向上効果に変化がみられないため、いずれも好ましくない。
本発明の請求項6に記載の炭化水素油改質方法は、自動車用ガソリン及び軽油以外の炭化水素油を改質する炭化水素油改質方法であって、炭化水素油に請求項1乃至3の内いずれか1に記載の炭化水素油改質剤、又は、請求項4又は5に記載の炭化水素油改質剤の製造方法で製造された炭化水素油改質剤を、炭化水素油100容量部に対し0.01〜0.3容量部好ましくは0.05〜0.2容量部添加する構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)炭化水素油に所定量の炭化水素油改質剤を添加して放置しておくだけで炭化水素油を改質させることができ簡単であり、また炭化水素油中に適量の乾留副生液と硫黄とが添加されるので、炭化水素油を完全燃焼に近い状態で燃焼させることができ、内燃機関や燃焼器等の出力を向上させるとともに燃費を向上させ、また燃焼時の騒音も少なくすることができ、さらに排気ガス中のHC,CO,NOx等の環境汚染物質を削減することができるとともに、炭化水素油の消費量の削減と温暖化ガスである二酸化炭素の発生量を削減することができる。
本発明の請求項7に記載の炭化水素油改質方法は、炭化水素油として自動車用ガソリン 又は軽油を改質する炭化水素油改質方法であって、炭化水素油に請求項3に記載の炭化水 素油改質剤を、炭化水素油100容量部に対し0.01〜0.3容量部添加する構成を有 している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)炭化水素油に所定量の炭化水素油改質剤を添加して放置しておくだけで炭化水素油 を改質させることができ簡単であり、また炭化水素油中に適量の乾留副生液と硫黄とが添 加されるので、炭化水素油を完全燃焼に近い状態で燃焼させることができ、内燃機関や燃 焼器等の出力を向上させるとともに燃費を向上させ、また燃焼時の騒音も少なくすること ができ、さらに排気ガス中のHC,CO,NOx等の環境汚染物質を削減することができ るとともに、炭化水素油の消費量の削減と温暖化ガスである二酸化炭素の発生量を削減す ることができる。
ここで、炭化水素油としては、自動車ガソリン、航空ガソリン、ジェット燃料油(航空タービン燃料油)、ディーゼル燃料油、自動車や産業機械等の小型高速ディーゼル機関に使用される軽油、小型の中速ディーゼル機関,船舶用の大型低速機関,工業炉用燃料等に使用される重油、ストーブや給湯器等の小型燃焼器に使用される灯油、ナフサ、合成油、廃油、原油等が用いられる。
なお、原油の場合は、蒸留前の原油100容量部に対し炭化水素油改質剤が0.01〜0.3容量部の割合になるように添加することで、重質油の軽質油化が期待できるとともにガソリン等の採取量を増やすことが期待できる。
炭化水素油100容量部に対する炭化水素油改質剤の添加量が0.05容量部より少なくなるにつれ、炭化水素油に含有される乾留副生液の有効成分や硫黄の量が少なく炭化水素油を完全燃焼に近い状態で燃焼できず、出力の向上等の効果が得られ難くなる傾向がみられ、0.2容量部より多くなるにつれ乾留副生液中の水分も炭化水素油に多く注がれることになり、水分の影響で炭化水素油の流動性が変化するとともに金属腐食が発生し易くなる傾向がみられる。特に、0.01容量部より少なくなるか0.3容量部より多くなると、これらの傾向が著しいため、いずれも好ましくない。
なお、炭化水素油改質剤の炭化水素油への添加量はごくわずかなので、炭化水素油改質剤の化石燃料の種類と、それを添加する炭化水素油の種類とは異なっていてもよいが、分散性よく均一に混合するために、炭化水素油と比重が同程度の化石燃料を用いて製造された炭化水素油改質剤を用いるのが好ましい。
本発明の請求項に記載の発明は、請求項6又は7に記載の炭化水素油改質方法であって、前記炭化水素油改質剤が添加された前記炭化水素油を熟成させる炭化水素油熟成工程を備えた構成を有している。
この構成により、請求項6又は7で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)炭化水素油熟成工程によって、炭化水素油改質剤が添加された炭化水素油の全体を改質させることができ均質化させることができる。
ここで、炭化水素油熟成工程における熟成時間は、24時間以上であれば炭化水素油を均質化させることができる。
なお、炭化水素油熟成工程における熟成の操作は、炭化水素油を貯留するタンク等に炭化水素油を所定量添加して放置しておくだけでもよい。
以上のように、本発明の炭化水素油改質剤及びその製造方法並びにそれを用いた炭化水素油改質方法によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、
(1)木酢液や竹酢液からなる乾留副生液にはアルコール類、有機酸類等200種類以上の化合物が溶け込んでおり、炭化水素油に添加することで、これらの多種多用な化合物と硫黄とが炭化水素油中の炭化水素に作用して、燃料の炭化水素油を完全燃焼に近い状態で燃焼させることができるので、排気ガス中のHC,CO,NOx等の環境汚染物質を削減することができ環境保全性に優れるとともに、燃費の改善効果に優れた炭化水素油改質剤を提供することができる。
(2)燃料に添加することで燃費を改善できるので、炭化水素油の消費量の削減と、温暖化ガスである二酸化炭素の発生量を削減することができ環境保全性に優れた炭化水素油改質剤を提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、
(1)乾留副生液と硫黄とが化石燃料に混合されているので、炭化水素油に添加したときの分散性に優れ、改質性に優れた炭化水素油改質剤を提供することができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項2の効果に加え、
(1)乾留副生液の有効成分や硫黄によって、炭化水素油を完全燃焼に近い状態で燃焼させることができ、排気ガス中の環境汚染物質を削減することができ環境保全性に優れた炭化水素油改質剤を提供することができる。
請求項4に記載の発明によれば、
(1)化石燃料に乾留副生液と硫黄とを混合して混合液を得た後、混合液から硫黄の固形分を除去することで、液状の炭化水素油改質剤を得ることができ、保存性に優れるとともに炭化水素油に添加したときの分散性に優れた炭化水素油改質剤の製造方法を提供することができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項4の効果に加え、
(1)混合液を太陽光や紫外線に暴露することによって熟成が促進されるので、炭化水素油に添加したときの改質効果を高めることができる炭化水素油改質剤の製造方法を提供することができる。
請求項6に記載の発明によれば、
(1)炭化水素油に所定量の炭化水素油改質剤を添加して放置しておくだけで炭化水素油が改質されるので、誰でも容易に作業を行うことができ作業性に優れ、また炭化水素油を完全燃焼に近い状態で燃焼させることができ、内燃機関や燃焼器等の出力を向上させるとともに燃費を向上させ燃費の改善効果に優れ、また騒音も少なくすることができ、さらに排気ガス中のHC,CO,NOx等の環境汚染物質を削減することができるとともに、炭化水素油の消費量の削減と温暖化ガスである二酸化炭素の発生量を削減することができる環境保全性に優れた炭化水素油改質方法を提供することができる。
請求項7に記載の発明によれば、
(1)炭化水素油に所定量の炭化水素油改質剤を添加して放置しておくだけで炭化水素油 が改質されるので、誰でも容易に作業を行うことができ作業性に優れ、また炭化水素油を 完全燃焼に近い状態で燃焼させることができ、内燃機関や燃焼器等の出力を向上させると ともに燃費を向上させ燃費の改善効果に優れ、また騒音も少なくすることができ、さらに 排気ガス中のHC,CO,NOx等の環境汚染物質を削減することができるとともに、炭 化水素油の消費量の削減と温暖化ガスである二酸化炭素の発生量を削減することができる 環境保全性に優れた炭化水素油改質方法を提供することができる。
請求項に記載の発明によれば、請求項6又は7の効果に加え、
(1)炭化水素油改質剤が添加された炭化水素油の全体を改質させることができ均質化させることができる炭化水素油改質方法を提供することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
参考例1)
伐採した竹材を約3ヶ月間自然乾燥した後、略定尺に切り分割したものを乾留し、乾留時に発生した排煙口の温度が80〜150℃のガスを冷却して粗竹酢液を得た。この粗竹酢液を静置後デカンテーションによってタール分等の不純物を分離・除去し精製した。以下の工程では、精製した竹酢液からなる乾留副生液が褐色に変色するまで熟成したものを用いた。
紫外線透過性を有する合成樹脂製容器に入れた100容量部の化石燃料としての灯油に、褐色に変色した竹酢液からなる乾留副生液0.4容量部と、硫黄の粉末(関東化学製)1.5容量部と、を加えて混合液を作成し(以上、混合液作成工程)、該容器を密栓した後、振とうして、その後1週間、該容器を日中は太陽光が直接当たる屋外に静置した(以上、改質剤熟成工程)。なお、容器を屋外に放置した1週間は夏季であり、日中の最高気温が約30℃の好天が続いた。
1週間後、該容器の栓を開けたところ、混合液は灯油や竹酢液以外の弱い刺激性の臭気がした。混合液から硫黄華を分離することにより(以上、固形分除去工程)、参考例1の炭化水素油改質剤を得た。
次いで、ドラム缶に入れた100容量部の炭化水素油としてのレギュラーガソリンに、実施例1の炭化水素油改質剤0.1容量部を添加した後、3日間、ドラム缶を常温の倉庫に放置し炭化水素油を改質した(以上、炭化水素油熟成工程)。
(実施例1,2及び参考例2,3
参考例1で説明した竹酢液からなる乾留副生液と硫黄を、表1に示す割合で、化石燃料としての灯油100容量部に加えた以外は参考例1と同様にして、実施例1,2及び参考 例2,3の炭化水素油改質剤を得た。
次いで、ドラム缶に入れた100容量部の炭化水素油としてのレギュラーガソリンに、実施例1,2及び参考例2,3の炭化水素油改質剤0.1容量部を各々添加した後、3日間、ドラム缶を常温の倉庫に放置し炭化水素油を改質した。
Figure 0005042821
参考例4
合成樹脂製容器に混合液を作成し、該容器を密栓した後、振とうして、その後1週間、該容器を日中も太陽光が当たらない屋外の日陰に静置した以外は、参考例1と同様にして、参考例4の炭化水素油改質剤を得た。なお、参考例4の混合液の刺激性の臭気は、参考 例1と比較して弱かった。
次いで、ドラム缶に入れた100容量部の炭化水素油としてのレギュラーガソリンに、参考例4の炭化水素油改質剤0.1容量部を添加した後、3日間、ドラム缶を常温の倉庫に放置し炭化水素油を改質した。
参考例5
熟成させていない透明の乾留副生液を用いた以外は参考例1と同様にして、参考例5の炭化水素油改質剤を得た。なお、参考例5の混合液の刺激性の臭気は、参考例1と比較して弱かった。
次いで、ドラム缶に入れた100容量部の炭化水素油としてのレギュラーガソリンに、参考例5の炭化水素油改質剤0.1容量部を添加した後、3日間、ドラム缶を常温の倉庫に放置し炭化水素油を改質した。
(比較例1)
参考例1で説明した竹酢液からなる乾留副生液0.4容量部を、化石燃料としての灯油100容量部に加えた以外は参考例1と同様にして、比較例1の炭化水素油改質剤を得た。
比較例1の炭化水素油改質剤は、混合液に硫黄を混合していない点で、参考例1の炭化水素油改質剤と相違する。
次いで、参考例1と同様に、ドラム缶に入れた100容量部の炭化水素油としてのレギュラーガソリンに比較例1の炭化水素油改質剤0.1容量部を添加した後、3日間、ドラム缶を常温の倉庫に放置し炭化水素油を改質した。
(比較例2)
乾留副生液は加えずに、硫黄だけを表1に示す割合で、化石燃料としての灯油100容量部に加えた以外は参考例1と同様にして、比較例2の炭化水素油改質剤を得た。
次いで、別々のドラム缶に入れた100容量部の炭化水素油としてのレギュラーガソリンに、比較例2の炭化水素油改質剤0.1容量部を添加した後、3日間、ドラム缶を常温の倉庫に放置し炭化水素油を改質した。
(試験例1)
社団法人福岡県自動車商工組合北九州予備検査場において、燃料タンク内のレギュラーガソリンを抜き取った後、燃料タンク内に参考例1の炭化水素油改質剤を添加して改質したレギュラーガソリンを入れた自動車(トヨタ製、車種チェイサー、排気量2.5L、平成元年式、試験開始までの走行距離142000km)を試験装置に載せて実走行状態を再現し、そのときの排出ガスに含まれるCO,HC(炭化水素)と燃料消費量を測定した。
次に、燃料タンクに実施例1,2及び参考例2〜5、比較例1,2の炭化水素油改質剤を添加して改質したガソリンを1種類ずつ注入し、同様に実走行状態を再現し、そのときの排出ガスに含まれるCO(一酸化炭素),HC(炭化水素)と燃料消費量(燃費)を測定した。なお、ガソリンの種類を変えるときは、燃料タンク内のガソリンを抜き取り、燃料フィルタを交換した後に行った。
最後に、燃料タンク内のガソリンを抜き取り、燃料フィルタを交換した後、燃料タンクに通常のガソリン(炭化水素油改質剤を添加していない無添加のガソリン)を入れ、同様に実走行状態を再現し、そのときの排出ガスに含まれるCO,HCと燃料消費量を測定した。
表2は、実施例1,2及び参考例1〜4の炭化水素油改質剤を添加したガソリン、比較例1〜2の炭化水素油改質剤を添加したガソリン、通常のガソリン(改質剤無添加のガソリン)を入れて試験した自動車の排出ガスに含まれるCO,HCと燃料消費量を測定した結果をまとめて示した表である。
Figure 0005042821
(表2)に示す試験結果から、参考例1の改質したガソリン(炭化水素油)を用いた場合、炭化水素油改質剤を添加していないガソリン(改質剤無添加)と比較して、排気ガス中のCOを67%、HCを78%も低減できることが明らかになった。炭化水素油の燃焼状態の指標となるCO及びHCの量が減少していることは、炭化水素油活性剤の添加によりガソリン(炭化水素油)が完全燃焼に近い状態で燃焼されたことを示している。
また、炭化水素油改質剤の添加により燃費も25%向上するという著しい効果も確認された。この結果、炭化水素油の消費量が少なくても同等の出力が得られるため、炭化水素油が燃焼して発生するCO2の発生量を少なくでき、燃費から換算して25%のCO2(二酸化炭素)を削減できることも確認された。
また、参考例1と比較例1とを比較して、参考例1の場合の環境汚染物質(CO,HC)の低減量と燃費が、比較例1の場合より著しく高いことがわかった。このことから、硫黄を含有する参考例1の炭化水素油改質剤は、硫黄を含有しない比較例1の炭化水素油改質剤と比較して、炭化水素油の改質効果が高いことが明らかになった。
また、実施例1及び参考例1〜3は化石燃料100容量部に対し乾留副生液0.02〜1容量部、乾留副生液(容量)に対して3倍以上の硫黄を混合した場合であるが、乾留副生液と硫黄の混合割合がこの範囲内にない実施例2、比較例1〜2よりもCO及びHCの排出量を少なくできることが確認された。
また、参考例1参考例4とを比較して、太陽光の当たる屋外に放置した参考例1は、日陰に放置した参考例4よりも、CO及びHCの排出量を少なくでき燃費も高められることが確認された。
なお、参考例5の炭化水素油改質剤が添加され改質された炭化水素油を使って実走行状態を再現したときは、参考例1の場合よりも燃費が低くなることが確認された。これにより、熟成させて褐色乃至は黒色に変色した乾留副生液を用いて製造された炭化水素油改質剤は、熟成されていない無色透明な乾留副生液から製造された炭化水素油改質剤と比較して、改質効果を高められることが確認された。
なお、参考例1において、改質炭化水素油改質剤を添加した直後の炭化水素油(炭化水素油改質剤を添加した炭化水素油をドラム缶の中で3日間放置しないもの)を用いて実走行状態を再現した実験では、表2に示したほどの改質効果は得られなかった。炭化水素油の全体が改質されておらず、均質化されていないものと推察された。
参考例6
伐採したナラの木材を約3ヶ月間自然乾燥した後、略定尺に切り分割したものを乾留し、乾留時に発生した排煙口の温度が80〜150℃のガスを冷却して粗木酢液を得た。この粗木酢液を静置後デカンテーションによってタール分等の不純物を分離・除去し精製した。以下の工程では、精製した木酢液からなる乾留副生液が褐色に変色するまで熟成したものを用いた。
紫外線透過性を有する合成樹脂製容器に入れた100容量部の化石燃料としての軽油に、褐色に変色した木酢液からなる乾留副生液0.1容量部と、硫黄華の粉末0.3容量部と、を入れて混合液を作成し(以上、混合液作成工程)、該容器を密栓した後、振とうして、その後1週間、該容器を日中は太陽光が直接当たる屋外に静置した(以上、改質剤熟成工程)。なお、容器を屋外に放置した1週間は夏季でありに日中の最高気温が約30℃の好天が続いた。
1週間後、該容器の栓を開けたところ、混合液は軽油や木酢液以外の弱い刺激性の臭気がした。混合液から硫黄華を分離することにより(以上、固形分除去工程)、参考例5の炭化水素油改質剤を得た。
次いで、ドラム缶に入れた100容量部の軽油に参考例5の炭化水素油改質剤を0.05容量部添加した後、3日間、常温の倉庫に放置し炭化水素油を改質した(以上、炭化水素油熟成工程)。
参考例8
参考例6の炭化水素油改質剤0.01容量部を、ドラム缶に入れた100容量部の炭化水素油としての軽油に添加した後、3日間、ドラム缶を常温の倉庫に放置し炭化水素油を改質した。
参考例8
参考例6の炭化水素油改質剤0.3容量部を、ドラム缶に入れた100容量部の炭化水素油としての軽油に添加した後、3日間、ドラム缶を常温の倉庫に放置し炭化水素油を改質した。
参考例9
参考例6の炭化水素油改質剤0.5容量部を、ドラム缶に入れた100容量部の炭化水素油としての軽油に添加した後、3日間、ドラム缶を常温の倉庫に放置し炭化水素油を改質した。
(比較例3)
参考例6の炭化水素油改質剤0.005容量部を、ドラム缶に入れた100容量部の炭化水素油としての軽油に添加した後、3日間、ドラム缶を常温の倉庫に放置し炭化水素油を改質した。
(試験例2)
9800kgの荷物を積載した排気量16.75L、車両重量10920kgのトラック(三菱製、平成6年式、走行距離254462km)の燃料タンクから軽油を抜き、空になった燃料タンク内に参考例6〜9,比較例3の改質した軽油を入れ、一般道路を走行した。なお、軽油の種類を変えるときは、燃料タンク内の軽油を抜き取った後に行った。
この結果、参考例6〜9の改質した軽油を使った場合は、炭化水素油改質剤を未添加の軽油を使用していたときと比較して、トラックからの排出ガスに含まれる黒煙が著しく減少しているのを目視で確認することができた。また、臭気も著しく減少した。
一方、比較例3の改質した軽油を使った場合は、炭化水素油改質剤を未添加の軽油を使用していたときと変わらなかった。
以上のことから、参考例6〜9は炭化水素油活性剤で改質したことにより、軽油(炭化水素油)が完全燃焼に近い状態で燃焼されたことが明らかになった。
実施例3
伐採した竹材を約3ヶ月間自然乾燥した後、略定尺に切り分割したものを乾留し、乾留時に発生した排煙口の温度が80〜150℃のガスを冷却して粗竹酢液を得た。この粗竹酢液を静置後デカンテーションによってタール分等の不純物を分離・除去し精製した。以下の工程では、精製した竹酢液からなる乾留副生液が褐色に変色するまで熟成したものを用いた。
紫外線透過性を有する合成樹脂製容器に入れた100容量部の化石燃料としての灯油に、褐色に変色した竹酢液からなる乾留副生液0.05容量部と、湯の華の粉末0.5容量部と、を入れて混合液を作成し(以上、混合液作成工程)、該容器を密栓した後、振とうして、その後、紫外線ランプ(UVL−56、長波長365nm、強度は210mm離れた距離で750μW/cm2)を210mm離れたところから照らして、該容器を80時間紫外線に暴露した(以上、改質剤熟成工程)。なお、このときの容器の表面の温度は30℃であった。
容器を紫外線に暴露した後、竹酢液から湯の華を分離することにより、実施例3の炭化水素油改質剤を得た(以上、固形分除去工程)。
次いで、灯油缶に入れた100容量部の灯油に実施例3の炭化水素油改質剤を0.1容量部添加した後、常温の倉庫に3日間放置し炭化水素油(灯油)を改質した(以上、炭化水素油熟成工程)。
(試験例3)
石油ストーブ(トヨトミ製)の灯油タンクから灯油を抜き、空になった灯油タンク内に実施例3の改質した灯油を所定量入れ、室内で燃焼させた。その結果、灯油タンクが空になるまで13時間燃焼させることができた。
翌日、空になった灯油タンク内に、炭化水素油改質剤を添加していない灯油を前日と同量入れ、同じ室内で燃焼させたところ、灯油タンクが空になるまで10時間しか燃焼させることができなかった。なお、室外の気温は、両日ともほぼ同じであった。
この結果、炭化水素油改質剤を用いて灯油を改質することによって、燃焼効率を向上させることができ、少量の灯油で同じ出力が得られることが明らかになった。よって、本実施例によれば、炭化水素油の消費量の削減と温暖化ガスである二酸化炭素の発生量を削減することができることが明らかになった。
(試験例4)
エンジンポンプ(エンジン型式:空冷4サイクルガソリンエンジン ホンダGX25、総排気量:25cc、全揚程:32m、最大吐出量:115L/分)を使って、ポンプの揚水量、排ガス中の酸素濃度,二酸化炭素濃度,HC(炭化水素)濃度を測定した。
始めに、通常のレギュラーガソリン100ccを燃料タンクに注入してエンジンポンプを駆動したところ、揚水量は1199Lであり、排ガス中の酸素濃度は19.5%(このときの大気中の酸素濃度は21%)であり、排ガス中の二酸化炭素濃度は2%であり、排ガス中のHC(炭化水素)濃度は400ppmであった。
次に、参考例1の改質したレギュラーガソリン100ccを燃料タンクに注入してエンジンポンプを駆動したところ、揚水量は1405Lであり、排ガス中の酸素濃度は18%(このときの大気中の酸素濃度は21%)であり、排ガス中の二酸化炭素濃度は2%であり、排ガス中のHC(炭化水素)濃度は300ppmであった。
参考例1の改質したガソリンを用いた場合、通常のガソリンの場合と比較して、排ガス中の酸素濃度とHC(炭化水素)濃度が低く、揚水量が約1.2倍に向上していることから、空気中の酸素を効率よく使ってガソリン(炭化水素油)を完全燃焼に近い状態で燃焼させることができたものと推察される。
この結果、炭化水素油改質剤を用いてガソリンを改質することによって、燃焼効率を向上させることができ、少量のガソリンで同じ出力が得られることが明らかになった。よって、本実施例によれば、炭化水素油の消費量の削減と温暖化ガスである二酸化炭素の発生量を削減することができることが明らかになった。
(試験例5)
100ccのビーカーを2つ用意し、各々のビーカーに参考例1の改質したレギュラーガソリンと通常のレギュラーガソリンを100cc入れて、日の当たらない常温の室内に90分間放置することによって、参考例1の改質したレギュラーガソリンと、通常のレギュラーガソリンの揮発性を比較した。
その結果、参考例1の改質したレギュラーガソリンは、通常のレギュラーガソリンと比較して揮発量が約15%多く、揮発性が向上していることがわかった。
この理由は明らかではないが、燃料を軽質油化できる可能性があるものと推察されるので、ナフサ、合成油、廃油、原油等の炭化水素油に炭化水素油改質剤を添加することによって、炭化水素油を軽質油化して、灯油、軽油、ガソリン等の留分の採取量を増やすことができる可能性があると推察される。
本発明は、炭化水素油に添加して炭化水素油を改質する炭化水素油改質剤及びその製造方法並びにそれを用いた炭化水素油改質方法に関し、炭化水素油を完全燃焼に近い状態で燃焼させることができるので、排気ガス中のHC,CO,NOx等の環境汚染物質を削減することができ環境保全性に優れ、また炭化水素油と接触する金属に錆が発生するのを防止することができ防錆性に優れ、さらに炭化水素油に添加した際の分散性に優れるとともに保存性に優れた炭化水素油改質剤を提供することができる。また、品質の安定性に優れる炭化水素油改質剤の製造方法を提供することができる。また、誰でも簡単に作業を行うことができるとともに、炭化水素油を完全燃焼に近い状態で燃焼させることができ、内燃機関や燃焼器等の出力を向上させるとともに燃費を向上させ、さらに排気ガス中のHC,CO,NOx等の環境汚染物質を削減することができ環境保全性に優れる炭化水素油改質方法を提供することができる。これにより、植物由来の原料を用いた本発明の炭化水素油改質剤は、水質汚染を引き起こす可能性のあるMTBE(メチル・ターシャリー・ブチル・エーテル)の代替品として、大気汚染対策のためガソリンに混合できる可能性を有している。また、超重質油や重質油の軽質化反応の促進剤として用いて、超重質油や重質油の利用拡大を図ることができる可能性を有している。また、排ガスの清浄化を図り、酸素が希薄なメキシコシティ等の大気汚染を軽減できる可能性を有している。また、石油製品の改質剤としてだけでなく、石油製品備蓄の際の劣化防止剤として用いることができる可能性を有している。以上のように本発明は、種々の有用な可能性を有する炭化水素油改質剤を提供するものである。

Claims (8)

  1. 木材及び/又は竹材を乾留して生成された木酢液及び/又は竹酢液からなる乾留副生液と、硫黄と、を含有していることを特徴とする炭化水素油改質剤。
  2. 前記乾留副生液と前記硫黄が、化石燃料に混合されていることを特徴とする請求項1に記載の炭化水素油改質剤。
  3. 前記化石燃料100容量部に対し、前記乾留副生液が0.02〜1容量部と、硫黄が0.04〜0.1容量部混合されていることを特徴とする請求項2に記載の炭化水素油改質剤。
  4. 木材及び/又は竹材を乾留して生成された木酢液及び/又は竹酢液からなる乾留副生液と硫黄とを化石燃料に混合して混合液を得る混合液作成工程と、前記混合液から前記硫黄の固形分を除去して炭化水素油改質剤を得る固形分除去工程と、を備えていることを特徴とする炭化水素油改質剤の製造方法。
  5. 前記混合液作成工程において得られた前記混合液を太陽光又は紫外線に暴露する改質剤熟成工程を備えていることを特徴とする請求項4に記載の炭化水素油改質剤の製造方法。
  6. 自動車用ガソリン及び軽油以外の炭化水素油を改質する炭化水素油改質方法であって、炭化水素油に請求項1乃至3の内いずれか1に記載の炭化水素油改質剤、又は、請求項4又は5に記載の炭化水素油改質剤の製造方法で製造された炭化水素油改質剤を、炭化水素油100容量部に対し0.01〜0.3容量部添加することを特徴とする炭化水素油改質方法。
  7. 炭化水素油として自動車用ガソリン又は軽油を改質する炭化水素油改質方法であって、炭化水素油に請求項3に記載の炭化水素油改質剤を、炭化水素油100容量部に対し0.01〜0.3容量部添加することを特徴とする炭化水素油改質方法。
  8. 前記炭化水素油改質剤が添加された前記炭化水素油を熟成させる炭化水素油熟成工程を備えていることを特徴とする請求項6又は7に記載の炭化水素油改質方法。
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