上記課題を解決するための遊技機は、遊技者側に向かって凸面となるよう湾曲した表示画面を含む表示手段と、所定条件の成立に基づいて抽選処理を実行する抽選手段と、抽選手段による抽選結果に対応する画像データを、湾曲した表示画面に表示させて、当該画像データを表示手段に立体表示させる表示制御手段と、当該表示画面の湾曲頂部からの距離に応じてその湾曲している方向に拡大あるいは縮小することで、画像データのバランス調整を行うバランス調整手段と、を備え、表示制御手段は、画像データを表示手段に平面表示させる際には、バランス調整が行われた後の画像データを湾曲した表示画面に表示させることを前提とする。
上記構成によって、バランス調整手段により、湾曲した表示画面に表示したにもかかわらず、正面からその表示手段を見たときに平面表示されているかの如く見せることが可能になる。よって、バランスが崩れて歪んだ状態で表示されることを防止でき、表示の見づらさも解消できる。そして、従来にない表示演出が可能になり、遊技者の興趣を高めることができる。また、立体表示用の画像データのバランス調整を行って平面表示させるため、平面表示用の画像データを用意する必要がないので、画像データの記憶容量の増大を抑制することができる。
上記構成によって、バランス調整手段により表示画面の湾曲率を考慮して湾曲の頂部よりも端の方を拡大することにより、湾曲した表示画面に表示したにもかかわらず、正面からその表示手段を見たときに平面表示されているかの如く見せることが可能になる。
また、本発明の遊技機は、表示手段に表示する1フレーム分の画面データを作成するためのフレームバッファ領域を備える記憶手段と、そのフレームバッファ上の表示手段の湾曲している方向に所定割合だけ狭く設定した領域に、画像データを描画して仮画面データを作成する描画手段と、を備え、表示手段に立体表示させる場合には、さらに描画手段が仮画面データを湾曲している方向に均等に拡大して、立体表示用の画面データを作成し、表示手段に平面表示させる場合には、バランス調整手段が仮画面データを湾曲している方向の湾曲頂部付近に比べ端に近い領域ほど、湾曲している方向に拡大して、平面表示用の画面データを作成し、表示制御手段は、フレームバッファに作成された立体表示用または平面表示用の画面データにしたがって表示手段へ表示信号を出力させるように構成される。
上記構成によって、立体表示の場合と平面表示の場合とで、共通のフレームバッファ(例えば、ビデオRAM上に領域が確保される)を使用することができ、メモリ使用量の増大を抑制することができる。また、拡大処理のみを異ならせることで処理の大半を共通化できるため、処理負荷の増加を抑制しつつ本発明の構成を実現できる。
また、本発明の遊技機は、バランス調整手段が平面表示用の画面データを作成するとき、当該画面データの湾曲している方向の端に近い領域ほど輝度を高くする輝度調整手段を備えるように構成される。
上記構成によって、従来技術のように、湾曲の頂部付近に比べて端部の画像が視野角あるいは視点距離の影響で暗く見えることを防ぐことができる。そして、平面表示用の画面データを作成するときには、湾曲した方向の端に近い領域ほど輝度を高くして画面データを作成することにより、湾曲した表示画面に表示したにもかかわらず、正面からその表示手段を見たときに平面表示されているかの如く見せることが可能になる。
また、本発明の遊技機は、湾曲した前記表示画面の背後に配置され、当該表示画面の背後から光を照射する発光手段と、その発光手段の照射する光量を制御することで表示画面の表示輝度を調整可能に構成され、表示手段に平面表示させるとき、表示画面の湾曲頂部からの距離が大きくなるにつれて、表示画面の表示輝度を高くする表示輝度調整手段と、を備えるように構成される。
上記構成によっても、従来技術のように、湾曲の頂部付近に比べて端部の画像が視野角あるいは視点距離の影響で暗く見えることを防ぐことができる。そして、平面表示させるときには、湾曲した方向における端部の表示輝度を高くして出力することにより、湾曲した表示画面に表示したにもかかわらず、正面からその表示手段を見たときに平面表示されているかの如く見せることが可能になる。発光手段としては、液晶表示装置のバックライトなどが挙げられる。
遊技機の表示画面は、例えば横長のドラム形状となっている。上記構成によって、ドラム好きな遊技者を納得させることができるとともに、上述の本発明の作用効果を得ることができる。
以下、本発明の遊技機の実施例について、図面を参照して説明する。図1に、本発明に係る遊技機の一例としてのパチンコ遊技機1の正面模式図を示す。このパチンコ遊技機1は、台枠に取り付けられた透明ガラス板でなる前面扉2と、台枠の内側に配置されて前面扉2によって覆われる遊技盤3と、遊技盤3の下側方に配置された一対のスピーカ4と、遊技盤3の上方位置等に配置された装飾ランプ類5と、遊技盤3の下方に設けられた貯留皿6と、貯留皿6の右方(図1で見て)に設けられた発射ハンドル7とを含んで構成されている。
遊技盤3は、遊技盤3のほぼ中央位置に配設された遊技機用表示装置10と、遊技機用表示装置10の一方の側に設けられた通過ゲート11と、遊技盤3上に植設された多数本(図示は4本)の釘12と、いわゆる電動チューリップ(以下、電チューと略記することもある)である始動入賞装置13と、始動入賞装置13の下方に設けられた大入賞装置14と、大入賞装置14の下方に設けられた玉排出口15と、遊技盤3の側端部に配置されたLEDでなる普通図柄(以下、普図と略記することもある)表示部16と、普図表示部16の近傍に連設された複数(例えば4個)のLEDでなる普図保留表示部17とを含んで構成されている。
発射ハンドル7は、発射停止ボタン71を備える回転操作部材でなり、発射停止ボタン71を押圧することなしに回転操作されると、その回転操作量を表す回転操作信号を発射制御回路150(図2参照)に出力する。なお、発射停止ボタン71を押圧しているときは、発射ハンドル7の回転操作量に関わらず回転操作信号は出力されない。
遊技機用表示装置10は、特別図柄(以下、特図と略記することもある)の抽選結果により決定された3桁のアラビア数字等のキャラクタでなる特図を上中下3段のような複数段または1段に表示して遊技者に特図の抽選結果を報知する液晶表示装置8と、液晶表示装置8の窓枠に近接して配設された複数(例えば4個)のLEDでなる特図保留表示部9とを含んで構成されている。
図7に、液晶表示装置8の構成例を示す。図7(a)の例では、遊技者に向かって凸面となる複数の湾曲液晶1〜3(81〜83)により構成され、その各々に表示制御回路(130a〜130c)が設けられている(図3参照)。湾曲液晶1〜3は、円筒面形状の凸状湾曲画面により形成される表示画面を備える他は、液晶フィルムやバックライト群(81a〜83a)を含む周知の液晶表示装置と同様の構成をとる。また、湾曲の始端と終端とを結ぶ方向である、湾曲している方向は、上下方向となっている。なお、液晶表示装置8が本発明の表示手段に相当する。また、バックライト群(81a〜83a)が本発明の発光手段に相当する。
なお、湾曲している方向は、左右方向でもよい。また、円筒面形状の凸状湾曲画面の他に、球状あるいは半球状の画面を用いてもよい。液晶の他に、EL表示器,LED,プラズマ表示器を用いてもよい。
図7(b)に、湾曲液晶1(81)を例に挙げて、バックライト群81aの構成の一例を示す。バックライト群81aは、湾曲している方向(上下方向)と直交する左右方向に、例えば81a1,81a2,81a3,81a4,81a5のように、5個等の複数のバックライトモジュールにより構成される。これらバックライトモジュールは、バックライト調整部136(図3参照)により、個別に輝度が調整可能となっている。なお、バックライト調整部136が本発明の表示輝度調整手段に相当する。
図1に戻り、通過ゲート11は、賞球がないゲートであり、通過ゲート11に玉を通過させると、普図の抽選処理が行われる。普図表示部16では、普図の抽選結果に基づいて図柄変動(LEDの点滅動作)が行われ、所定時間経過後に点灯表示すれば当たりとなり、後述する始動入賞装置13の回動翼片13a,13aを所定時間開放する。普図の図柄変動中や始動入賞装置13の開放動作中に新たな普図の抽選処理が行われると、その抽選結果は一時記憶(保留)され、普図保留表示部17は、最大4つまで保留できる普図の抽選結果の数に応じて点灯表示する。先の図柄変動や開放動作が終了すると、普図表示部16では保留された普図の抽選結果に基づいて新たな図柄変動を開始する。
始動入賞装置13は、開口部に一対の回動翼片13a,13aを有する、いわゆる電チューと呼ばれる可変入賞装置として構成される。始動入賞装置13は、普図表示部16にて当たり表示がなされると、回動翼片13a,13aを所定時間開放する。始動入賞装置13に玉が入賞すると、特図の抽選処理が行われる。液晶表示装置8では、特図の抽選結果に基づいて図柄変動が行われる。詳しくは、例えば3桁×3段の図柄表示領域において図柄が同時に変動を開始し、所定時間経過後に停止し、縦方向,横方向,あるいは斜め方向に3つの同じ数字が並べば大当たりとなり、大当たり処理が行われる。
特図の図柄変動中や大当たり処理中に新たな特図の抽選処理が行なわれると、その抽選結果は一時記憶(保留)され、特図保留表示部9は、最大4つまで保留できる特図の抽選結果の数に応じて点灯表示する。先の図柄変動や大当たり処理が終了すると、液晶表示装置8では保留された特図の抽選結果に基づいて新たな図柄変動を開始する。
大入賞装置14は、いわゆるアタッカーと呼ばれる可変入賞装置であり、開口部と蓋部材とから構成され、蓋部材が移動することにより開口部の閉鎖状態と開放状態とを呈する。大入賞装置14は、大当たりに当選すると、1回の大当たり処理で、例えば、開放してから10個入賞または25秒経過で閉鎖するまでの処理を1ラウンドとして、15ラウンド継続する処理を行う。
玉排出口15は、遊技盤3の最下部に開口されており、遊技盤3の盤面上を流下し終わった玉をパチンコ遊技機1の外部に排出する。
図2に、パチンコ遊技機1の制御ブロック図を示す。パチンコ遊技機1は、主回路110を搭載する主制御基板100と、主回路110に接続された特図保留表示部9,普図表示部16および普図保留表示部17と、主回路110に接続され装飾ランプ類5ならびにアンプ40およびスピーカ4を制御する副制御回路120の搭載された副制御基板(図示せず)と、副制御回路120に接続され液晶表示装置8を制御する表示制御回路130の搭載された表示制御基板(図示せず)と、主回路110に接続され払出装置141を制御する払出制御回路140の搭載された払出制御基板(図示せず)と、払出制御回路140に接続され発射ハンドル7からの回転操作信号に基づいて発射装置151を制御する発射制御回路150の搭載された発射制御基板(図示せず)と、通過ゲート11に併設され主回路110に接続されたゲート通過検出器161と、始動入賞装置13に併設され主回路110に接続された始動入賞検出器162と、大入賞装置14に併設され主回路110に接続された大入賞検出器163と、主回路110に接続され電チューである始動入賞装置13の可動翼片13a,13aを開閉する電チューソレノイド166と、主回路110に接続され大入賞装置14を開閉する大入賞ソレノイド167と、各基板に所定電圧を供給する電源回路168とを含んで構成されている。
なお、パチンコ遊技機1を制御する各回路が搭載された各基板はパチンコ遊技機1の背面側に配置されており、表示制御回路130の搭載された表示制御基板は液晶表示装置8の湾曲液晶1〜3(81〜83)のそれぞれ背面側に配置されている。
主回路110は、CPU111,プログラム格納用のROM112,ワークエリアや各種カウンタ(普図用乱数カウンタ,特図用乱数カウンタなど)等が割り当てられるRAM113,I/O(Input/Output:入出力回路)114等を備える。なお、主回路110が本発明の抽選手段に相当する。
その他の各基板の各回路も、個別にCPUやメモリを備える構成が一般的であるが、図2では省略している。
副制御回路120は、主回路110より入力される音声制御信号に応じてアンプ40を介してスピーカ4より音声を出力させる。また、副制御回路120は、主回路110より入力されるランプ制御信号に応じて装飾ランプ類5の点灯/消灯を制御する。
払出制御回路140は、主回路110より入力される賞球払出信号に応じて払出装置141を制御し、貯留皿6に所定数の賞球を払い出させる。
発射制御回路150は、遊技者による発射ハンドル7の回転操作に応じて発射装置151を作動させる。発射ハンドル7の回転操作量に応じて、発射装置151による玉の発射強度(玉の飛距離)を調節することが可能となっている。発射装置151より発射された玉は、遊技盤3上に形成されたほぼ円形の遊技領域3aへと放出され自重によって流下する。
表示制御回路130は、副制御回路120から入力される表示制御コマンドに応じて液晶表示装置8に画像を表示させるための処理を実行する。
図3に、表示制御回路130の回路ブロック図を示す。表示制御回路130は、湾曲液晶1〜3(81〜83,図7参照)の各々に対応して、表示制御回路1(130a),表示制御回路2(130b),および表示制御回路3(130c)が含まれる。表示制御回路1〜3(130a〜130c)は同一の構成であるので、表示制御回路1(130a)を例に挙げて説明する。
表示制御回路1(130a)は、表示制御用CPU131と、表示制御用CPU131に含まれた、例えば、DDR−SDRAM(Double-Data-Rate Synchronous Dynamic RAM)で構成されるRAM133と、表示制御用CPU131に接続されたプログラムROM134と、表示制御用CPU131に接続されたVDP(Video Display Processor:画像処理用LSI)135と、VDP135に接続されたキャラクタROM137と、バックライト調整部136と、VDP135に含まれたVRAM(Video Random Access Memory)138と、表示制御回路1(130a)と湾曲液晶1(81)との信号の遣り取りを行う入出力インターフェース(I/F)139とを含んで構成されている。
表示制御用CPU131は、副制御回路120からの表示制御コマンドに基づいてプログラムROM134に格納された制御プログラムを実行する。なお、表示制御用CPU131が本発明の表示制御手段に相当する。
プログラムROM134は、プログラムコードおよび各種パラメータ(座標データ,色情報,テキスチャ値等)からなる制御プログラムを格納する。例えば、プログラムROM134として32〜128MビットのROMを使用した場合、プログラムコードの容量は数100Kビット程度で、残りは各種パラメータが格納されている。なお、プログラムROM134には、割り込みタイプに対応したサブルーチンが格納されており、表示制御用CPU131に割込み処理が発生すると、表示制御用CPU131は、所定アドレスに格納されたサブルーチンを実行する。具体的には、垂直同期信号V−syncの入力時に垂直同期信号割込み処理(V-sync INT処理)(図10参照)を実行し、コマンドの入力時にコマンド割込み処理(CMD INT処理)(図11参照)を実行する。
図4に、プログラムROM134に格納されている表示用パラメータのテーブルを示す。表示用パラメータとしては、起動用,待機用,変動表示用および大当たり用の4種類がある。例えば変動表示用パラメータとしては、通常状態用,確変状態用および時短状態用の3種類がある。確変状態用パラメータとしては、ハズレ,ハズレリーチおよび当たりの3種類がある。ハズレリーチパターンとしては、A,B,C,D,E,F,Gの7パターンがある。パターンDとしては、背景,キャラクタ,図柄の3つがあり、キャラクタDには、コード,時間,位置,倍率,回転,透過度,座標,順の項目がある。ここで、コードは、3D(3次元)で構成されるキャラクタの部品を指しており、時間の経過とともにキャラクタがどう移動するのか、どのように変形するのか等を、そのキャラクタのベースとなる位置やそのキャラクタの部分を構成するポリゴンの1要素の動きに基づいて各種パラメータが設定されている。表示制御用CPU131は、図4のような階層構造のテーブルから作成すべきディスプレイリストの構成要素となる各種パラメータを読み込んで演算し、そのフレームのディスプレイリストを作成する。
図5に、RAM133のメモリマップを示す。RAM133は、表示制御用CPU131が受信した情報や演算結果などを一時的に記憶するためのものである。RAM133には、プログラムコード展開領域133a,コマンド書込み領域133b,コマンド解析結果展開領域133c,第1作成領域(ディスプレイリスト作成領域1)133d,第2作成領域(ディスプレイリスト作成領域2)133e,内部カウンタ133h,作成フラグ133k,転送フラグ133m等が設けられている。なお、RAM133は、表示制御用CPU131に含まれず、バスラインを介して表示制御用CPU131に接続された構成であってもよい。
内部カウンタ133hは、電源起動時より定期的(VDP135から出力される垂直同期信号V−syncによる割込みが発生する毎)に+1だけインクリメントされる。作成フラグ133kは、表示制御用CPU131がディスプレイリストを作成中に1となり、それ以外では0となるフラグである。転送フラグ133mは、表示制御用CPU131により作成されたディスプレイリストのDMA(Direct Memory Access)転送中に1となり、それ以外のときに0となるフラグである。
図3のキャラクタROM137には、表示内容に対応した図柄やキャラクタ等の圧縮された画像データが格納されている。
図6に、VRAM138のメモリマップを示す。VRAM138は、表示制御用CPU131から転送された情報や、VDP135の演算結果などを一時的に記憶するためのものである。VRAM138は、図柄やキャラクタ等の画像データを第1フレームバッファ138aおよび第2フレームバッファ138bに展開(解凍,拡大,縮小等)するためのメモリである。VRAM138には、画像データ展開領域138c,第1保持領域(ディスプレイリスト保持領域1)138d,第2保持領域(ディスプレイリスト保持領域2)138e,第1フレームバッファ138a,第2フレームバッファ138b等が設けられている。なお、VRAM138は、VDP135に含まれず、バスラインを介してVDP135に接続された構成であってもよい。なお、VRAM138が本発明の記憶手段に相当する。
画像処理用LSIである図3のVDP135は、表示制御用CPU131の指示に従い、フレーム単位の画面データを作成して液晶表示装置8に出力する処理を行う。VDP135は、RAM133からVRAM138に転送された各フレームのディスプレイリストに従って必要な画像データを圧縮された状態で格納されているキャラクタROM137から読み出し、圧縮された画像データをデコードして解凍しながらVRAM138上の画像データ展開領域138cに展開し、解凍された画像データをディスプレイリストの指示に従って回転や拡大させる等して第1フレームバッファ138aおよび第2フレームバッファ138b上に描画していき、フレーム単位の画面データを作成する。なお、VDP135が本発明のバランス調整手段,描画手段,輝度調整手段に相当する。
また、VDP135は、I/F139を介して湾曲液晶1(81)に接続されている。VDP135は、第1フレームバッファ138aへの画像データの描画中には、第2フレームバッファ138b上に作成済みの画面データをデジタルRGB(Red,Green,Blue)信号として湾曲液晶1(81)に出力し、第2フレームバッファ138bへの画像データの描画中には、第1フレームバッファ138a上に作成済みの画面データをデジタルRGB信号として湾曲液晶1(81)に出力する。なお、デジタルRGB信号が本発明の表示信号に相当する。
次に、図1を用いて、パチンコ遊技機1における遊技の流れ(遊技領域3a上での遊技状態の変化)について概要を説明する。
通常状態では、玉が通過ゲート11に入球してゲート通過検出器161(図2参照)で検知されると、普図の当たり抽選(普図用乱数カウンタから値を抽出)が実行されて抽選結果が普図保留として記憶される。通常用の当たり判定テーブル(普図当選確率:1/1)を用いて当たり抽選の抽選結果を判定し、その判定結果に応じて普図表示部16に抽選結果を表示する(変動時間は30秒間)。当たり抽選の結果が当たりであると、普図表示部16のLEDを点灯表示させるとともに、電チューソレノイド166を励磁して回動翼片13a,13aを所定時間(0.2秒間)開放して、電チュー13に入賞しやすくする。
玉が電チュー13に入賞して始動入賞検出器162で検知されると始動条件が成立し、所定数の賞球(例えば1入賞当たり5個)を払い出し、大当たり抽選(特図用乱数カウンタから値を抽出)が実行されて抽選結果が特図保留として記憶される。通常・時短用の大当たり判定テーブル(特図当選確率:1/300)を用いて大当たり抽選の抽選結果を判定し、その判定結果に応じた図柄変動が液晶表示装置8で開始される。液晶表示装置8では、湾曲液晶1〜3(81〜83)の9つの図柄表示領域において図柄が所定時間にわたり変動表示され、例えば、湾曲液晶1の左→中→右…湾曲液晶3の左→中→右の順に確定表示(停止表示)する。判定結果が大当たりであれば3桁の大当たり図柄(例えば図1のような、縦,横,あるいは斜め方向に一直線に揃う「777」のゾロ目)が確定表示され、判定結果がハズレであれば3桁のハズレ図柄(例えば上から「・7・」「・7・」「・・7」等のバラケ目:「・」は「7」以外の図柄)が確定表示される。
液晶表示装置8に大当たり図柄が停止表示されると「大当たり状態(特別遊技状態)」となり、大入賞ソレノイド167を励磁することで大入賞装置14を開放し、玉が極めて入り易い状況をもたらす。大入賞装置14は、開放された後、大入賞検出器163による所定数(例えば10個)の入賞検知または所定時間(例えば25秒)の経過を1ラウンドとし、大入賞ソレノイド167を非励磁にすることで閉鎖される。1回の大当たり状態では、所定ラウンド回数(例えば15回)まで繰り返されるので、このような大当たり状態の間に遊技者は多数の賞球(例えば1入賞当たり15個)を得ることができる。
通常状態での大当たり終了後は、50%の割合で確変状態(高確率状態;確変中)となる。すなわち、「777」の大当たり図柄が複数の有効ライン上に停止表示した組み合わせ(確変図柄)で大当たりとなった後は確変状態となり、次回の大当たりまで継続する。一方、「777」の大当たり図柄がいずれか1つの有効ライン上に停止表示した組み合わせ(非確変図柄)で大当たりとなった後は時短状態となり、次回の大当たりが発生するか、特図の変動表示が100回行なわれるか、いずれかが成立するまで継続する。
確変状態においては、普図の変動時間が短くなり(普図変動時間:1秒間)、普図の当選確率は高くなり(ただし、本実施例では1/1→1/1で変化しない)、回動翼片13a,13aの開放時間が長くなる(1.5秒間×3回)とともに、通常用の大当たり判定テーブル(特図当選確率:1/300)よりも大当たりの当選確率が高い確変用の大当たり判定テーブル(特図当選確率:1/30)によって当否判定が行われる。つまり、確変状態では、電チュー13への入賞が容易になるので、持玉をさほど減らすことなく遊技できるとともに、すぐに次の大当たりに当選することができる。
時短状態は、確変状態と同様に普図の変動時間が短くなり、普図の当選確率は高くなり、回動翼片13a,13aの開放時間が長くなるとともに、通常用の大当たり判定テーブル(特図当選確率:1/300)によって当否判定が行われる。つまり、時短状態でも、電チュー13への入賞は容易なので、持玉をさほど減らすことなく遊技できる。新たな大当たりに当選しなければ特図の変動表示が繰り返され、時短状態が終了すると通常状態へ移行する。
なお、各湾曲液晶1〜3(81〜83)は、縦方向の中心である湾曲頂部が遊技者側に向かって配置されているので、各図柄表示領域で変動表示および停止表示する図柄は、ドラム式表示装置のドラム外周部に配置された図柄のように立体的に見える。しかし、判定結果に基づいて動画を採用した演出などを表示するとき、あるいは大当たりに当選して大当たり専用の画面を表示するとき、後述するバランス調整手段および輝度調整手段を介して表示することにより、普通に表示すると立体的に見えてしまうこれら湾曲液晶1〜3において、表示される内容が遊技者から平面的に見えるように制御される。
次に、図8〜図16を用いて、各表示制御回路1〜3(130a〜130c)における画像処理の流れについて説明する。図8に、表示制御回路1〜3(130a〜130c)のプログラムROM134に記憶され、表示制御用CPU131が実行するメイン処理のフローチャートを示す。本処理では、まずパチンコ遊技機1全体の初期化処理を実行し(S101)、ディスプレイリスト(画面情報)の作成指示を受信すると(S102:YES)、画面情報作成処理(S103,図9参照)を実行する。
図9に、図8のステップS103に相当する画面情報作成処理のフローチャートを示す。まず、RAM133の作成フラグ133kを1に変更し(S201)、ディスプレイリストの作成指示の内容を解析する(S202)。次に、その解析結果に基づいて、プログラムROM134から必要な各種パラメータを読み込み(S203)、所定フレームに描画する画像の画像コードやその画像を描画する位置(座標),表示倍率,回転角,透過率,表示順などを演算し(S204)、演算結果をまとめたディスプレイリストを作成する(S205)。そして、作成されたディスプレイリストをRAM133の第1作成領域133dあるいは第2作成領域133eに書込み(S206)、作成フラグ133kを0に変更して本処理を終了する(S207)。なお、作成されたディスプレイリストをいずれの作成領域に書込むかは、作成指示により指定されている。本処理が終了すると、メイン処理は新たな作成指示を受信するまで待機する。
図10に、プログラムROM134に記憶され、表示制御用CPU131が実行する垂直同期信号割込み処理(V-sync INT処理)のフローチャートを示す。なお、本処理は、VDP135から垂直同期信号V−syncが入力される毎に実行される。まず、内部カウンタ133hを更新(インクリメント)する(S301)。次に、VDP135の描画処理が完了しているか、VDP135の描画フラグ(VDP135の出力端子の1つ)を確認する(S302)。次に、先の画面情報作成処理が完了しているか、作成フラグ133kを確認する(S303)。さらに、転送処理(図13参照)が完了しているか、転送フラグ133mを確認する(S304)。上記3つのフラグのいずれかが1であれば、(S302:NO,S303:NO,S304:No)、先の処理が終了しておらず次の処理を開始できないので、本処理を終了する。
上記3つのフラグが全て0であることを確認できれば(S302:YES→S303:YES→S304:YES)、VDP135に対し表示切替指示を出力する(S305)。すなわち、図6のいずれかのフレームバッファ(138a,138b)に作成された画面データに基づいてデジタルRGB信号を出力するように指示する。次に、VDP135に対し描画指示を出力する(S306)。すなわち、図6のいずれかの保持領域(138d,138e)のディスプレイリストに基づいて、先に表示出力指示したものとは異なるフレームバッファ(138a,138b)に描画するよう指示する。例えば、第1フレームバッファ138aの画面データに基づいて出力するよう指示した場合には、第2フレームバッファ138bに描画するよう指示する。
次に、コマンド解析処理を実行し(S307,図12参照)、解析したコマンドの内容に基づいて、メイン処理にディスプレイリストの作成を指示する(S308)。次に、RAM133のいずれかの作成領域(133d,133e)に作成されたディスプレイリストを、先の描画指示にて指定したものとは異なるVRAM138の保持領域(138d,138e)にDMA転送するための転送処理を起動し(S309,図13参照)、垂直同期信号割り込み処理を終了する。例えば、第1保持領域138dのディスプレイリストに基づいて描画するように指示した場合には、第2保持領域138eに転送するよう指示する。
図11に、プログラムROM134に記憶され、表示制御用CPU131が実行するコマンド割込み処理(CMD INT処理)のフローチャートを示す。主回路110からのコマンドが副制御回路120を介して表示制御用CPU131に送信されることにより本処理が発生する。表示制御用CPU131は、受信したコマンドをRAM133のコマンド書込み領域133bに書き込んで(S311)、本処理を終了する。
図12に、図10のステップS307に相当するコマンド解析処理のフローチャートを示す。まずRAM133のコマンド書込み領域133bにコマンドの書込みがあるか否かを確認し、RAM133にコマンドの書込みがある場合(S321:YES)、受信したコマンドを解析し(S322)、解析結果をRAM133に展開する(S323)。すなわち、受信したコマンドが新たな図柄変動の開始コマンドであれば、その解析結果から変動パターン(変動時間を含む)や停止図柄をRAM133に展開する。その変動パターンの中で、まずは最初のフレームの画像を作成するためのディスプレイリストを作成するよう指示する。一方、RAM133にコマンドの書込みがなければ(S321:NO)、先に展開されている演出パターンの何フレーム目のディスプレイリストを作成すればよいか(処理の抽出)を指示する(S324)。
なお、パチンコ遊技機1は、図柄の変動表示を開始する段階で決定されている変動時間を厳守して図柄を停止表示しなければならない。そのため、VDP135から定期的に垂直同期信号V−syncが入力される毎に内部カウンタ133hを必ず更新するとともに、コマンドの解析結果を展開する段階で、例えばある変動パターンが選択されたのであれば、内部カウンタ133hの値がいくつのときにその変動パターンの中のどのフレームを表示するかを対応付けし、現在の内部カウンタ133hの値に対応付けられた処理を抽出しなければならない。
なお、コマンドとしては、「電源OFF」,「待機画面表示」,「大当たり画面表示」などの様々な種類があり、それぞれのコマンドに対応して動作する。特に、表示に関するコマンドを受信したとき、それぞれの表示に対応した表示パターンファイルをプログラムROM134から読み込んでRAM133に展開し、表示制御用CPU131にディスプレイリスト(133d,133e,図6参照)を作成させる。
図13に、図10のステップS309に相当する転送処理のフローチャートを示す。まず、転送処理が起動されると、RAM133の転送フラグ133mを1に変更する(S341)。次に、RAM133に書き込まれた最古のディスプレイリスト(133d,133eのいずれか)を、VDP135を介してVRAM138の指示された保持領域(138d,138eのいずれか)へDMA転送方式で転送し(S342)、本処理を終了する。転送が完了したら、転送フラグ133mを0に変更する(S343)。ディスプレイリストの転送先(保持領域138d,138e)は、転送処理を行う毎に2つの領域を交互に切り替える。
図14に、表示制御回路1〜3(130a〜130c)のVDP135において実行されるメイン処理のフローチャートを示す。本処理では、まず、VDP135の初期化処理を実行する(S501)。次に、タイマをリセットし(S502)、例えば33.3msのような所定時間経過時(S503:YES)に表示制御用CPU131に垂直同期信号V−syncを送信する(S504)。以降、33.3ms間隔でV−sync送信を繰り返す。
図15に、VDP135において実行される描画処理のフローチャートを示す。本処理では、まず、制御用CPU131において実行される垂直同期信号割り込み処理(図10参照)から描画指示を受けると(S511:YES)、VDP133の出力端子の1つをONにすることで描画フラグを1に変更する(S512)。次に、VRAM138に書き込まれているディスプレイリスト(138d,138eのいずれか)のうち、制御用CPU131により指示された方のディスプレイリストに従って、必要な画像データをキャラクタROM137より読み込む(S513)。そして、読み込んだ画像データに対し、拡大,回転,透過等の処理を行って、制御用CPU131により指示された方のフレームバッファ(138a,138bのいずれか)の所定位置に描画していき、表示する仮画面データを作成する(S514)。このとき、フレームバッファの上下に所定の空白領域を確保して描画する。
ステップS514では、VRAM138のディスプレイリスト保持領域(138d,138e)に書き込まれた一方のディスプレイリストを読み込みながら、対応するVRAM138のフレームバッファ(138a,138bのいずれか)に描画していく。読み込みの対象ではない他方のディスプレイリスト保持領域はDMA転送により、RAM133のディスプレイリスト作成領域(133d,133e)に一時格納されている次のディスプレイリストが転送されて書き替えられ、描画の対象ではない他方のフレームバッファは、制御用CPU131の指示により表示処理を行うための読み込み処理が行われる。
必要な仮画面データの作成が完了すると、ディスプレイリストに含まれている情報から立体表示するか否かを判定する。立体表示する場合は(S515:YES)、上記で作成された画像データをフレームバッファの上下方向、すなわち湾曲液晶1(81)における湾曲の始端と終端とを結ぶ方向である、湾曲している方向に均等に拡大する(S516)。一方、平面表示する場合は(S515:NO)、上記で作成された仮画面データを所定の割合で、例えば上下方向、すなわち湾曲液晶1における湾曲の始端と終端とを結ぶ方向である、湾曲している方向に拡大(バランス調整)し(S518)、表示輝度を調整する(S519)。最後に、VDP133の出力端子の1つをOFFにすることで描画フラグを0に変更して(S517)、本処理を終了する。
なお、平面表示は、以下のような場合に行う。
・ 動画などの特別な表示演出が選択されたとき。
・ 大当たりに当選したとき。
図17を用いて、図15のステップS516においてVDP138で実行される立体表示時の画面データの作成例を説明する。ここでは、表示制御回路1(130a)について説明するが、表示制御回路2(130b),表示制御回路3(130c)も同様の処理・動作を行う。キャラクタROM137には、図17(a)のような画像データが記憶されている。キャラクタROM137から読み出された画像データは、上下左右に均等にサイズ変更(拡大あるいは縮小)されて、フレームバッファに画面データとして作成される。図17(b)の例は、画像データを拡大する例であるが、「○」で表される拡大率は上下方向において均一である。図17(c)に、湾曲液晶1(81)に立体表示されたときの、画面データの正面図を示す。湾曲した液晶に表示されると、正面から見たときは表示画面の上端、下端が縮小されて暗く見え、立体感のある表示となる。この状態で変動表示することで、ドラム式表示装置の外周面に配置された図柄が回転変動しているかのように表示することができる。
このときの各バックライトモジュール(81a1〜81a5,図7(b)参照)の表示輝度は、例えば定格の80%に設定されており、湾曲液晶1(81)は同一輝度で表示されている。
立体表示の場合の各バックライトモジュール(81a1〜81a5)の表示輝度を、湾曲液晶1(81)の湾曲頂部にあたるバックライトモジュール81a3の表示輝度(バックライトモジュールへの印加電圧あるいは印加デューティ)を定格の80%に設定し、バックライトモジュール81a2,81a4の表示輝度を定格の70%に設定し、バックライトモジュール81a1,81a5の表示輝度を定格の60%に設定して、湾曲頂部からの距離が大きくなるにつれて表示輝度を低くするようにしてもよい。このようにすると、より立体的に表示することが可能となる。
図18を用いて、図15のステップS518においてVDP138で実行される平面表示時の画面データの作成例を説明する。キャラクタROM137には、図18(a)のような画像データが記憶されている。キャラクタROM137から読み出された画像データは、縦方向の位置により、それぞれ湾曲液晶1の湾曲率に応じた倍率で拡大・縮小される(バランス調整)。このとき、縦方向の中心部付近の座標に比べ、上端および下端に近いほど座標は大きく移動することになる。すなわち、縦方向の上下端を基準に見ると、中心部ほど縮小されているように見える。図18(b)のように、湾曲の上端および下端に近い部分の拡大率「△」は、湾曲頂部付近の拡大率「◇」よりも大きく設定されている。図18(c)に、湾曲液晶1(81)に平面表示されたときの正面図を示す。湾曲した液晶に表示されると、正面から見たときは縦方向の倍率が均等に見え、平面な液晶に表示されているかのように見える。
また、このときに各バックライトモジュール(81a1〜81a5)の表示輝度が均一であると、表示画面の上端,下端が暗く見えるので、図15のステップS519において、湾曲液晶1(81)の上端,下端に近いほど表示輝度を高くする。例えば、湾曲液晶1(81)の湾曲頂部にあたるバックライトモジュール81a3の表示輝度(バックライトモジュールへの印加電圧あるいは印加デューティ)を定格の80%に設定し、バックライトモジュール81a2,81a4の表示輝度を定格の90%に設定し、バックライトモジュール81a1,81a5の表示輝度を定格の100%に設定して、湾曲頂部からの距離が大きくなるにつれて表示輝度を高くする。
なお、立体表示および平面表示における表示輝度の設定値は、予めプログラムROM134等に記憶しておいてもよいし、描画処理(ステップS516,S519)において、パチンコ遊技機1の周囲の明るさや表示する図柄に応じて演算により求めてもよい。
また、平面表示時において、各バックライトモジュール(81a1〜81a5)の表示輝度を、例えば定格の80%のような均一の値としてもよい。湾曲液晶1(81)の曲率が小さい、すなわち湾曲の度合いが小さい場合には、表示輝度を均一の値としても平面表示のように見せることは可能である。
図19にフレーム(各湾曲液晶の表示画面)単位での、平面表示時における画面データの作成の別例を説明する。これは、図15のステップS518において行われるものである。VRAM138のフレームバッファ(138a,138b)に画像データを描画するとき、まず、実際の液晶画面のサイズに比べ上下方向に少し小さい領域(図19(b)の実線領域)に描画して、ベースとなる仮画面データを作成する。すなわち、キャラクタROM137から画像データを読み出し、フレームバッファに合わせて縦横均等に拡大し、湾曲液晶1(81)の湾曲形状(例えば、湾曲液晶1の上端から下端までの直線距離)に応じて、上下方向に所定の割合(例えば図19(a)のような1/1.2)で小さくしたものをフレームバッファに描画し(図19(b))、仮画面データを作成する。立体表示させるときは、描画されたものを縦方向に均等に拡大して、フレームバッファと同じ大きさの画面データを完成させ、湾曲液晶1(81)へ出力する。
一方、平面表示させたいときは、図19(b)の仮画面データを、湾曲した液晶画面を正面から見たときのサイズと実際の液晶のバランスとの比(湾曲率)に基づいて、上端および下端ほど拡大率(座標の移動距離)を大きくして、フレームバッファと同じ大きさの画面データを完成させる。すなわち、縦方向中心部の座標はほぼそのままの位置に維持し、中心部から離れるほど各座標の移動距離は大きくなる。図19(c)の例では、縦方向の位置Aの座標は位置A’に移動し、位置Bの座標は位置B’に移動する。位置Aから位置A’への移動距離は、位置Bから位置B’への移動距離よりも大きい。
図15の処理では、画面データを作成する過程で、立体表示と平面表示とにおいて、完成する直前までの処理を共有し、最後に画面サイズに拡大させるときの処理だけ異ならせるようになっているため、プログラムサイズや処理負荷を低減することができる。つまり、読み出した画像データをフレームバッファに描画するたびに立体表示させるのか平面表示させるのかを確認して縦方向の倍率を変更するより、画面(フレーム)データ単位で一括して処理した方が効率がよい。
上述の実施例では、フレーム単位でバランス調整および輝度調整を行うようにしたが、画像データをフレームバッファに描画する段階で、画像単位すなわちキャラクタ単位でバランス調整および輝度調整を行ってもよい。ただし、フレーム単位で行う場合に比べると処理負荷は大きくなる。
図16に、VDP135において実行される表示処理のフローチャートを示す。VDP135は、制御用CPU131の指示に基づき、いずれかのフレームバッファ(138a,138b)に書き込まれた画面データを、繰り返し出力して表示処理を実行している。湾曲液晶1(81)の1画面分の信号出力は、16.6ms(1/60s)で完了するので、表示切替指示があるまで同じフレームバッファの画面データに基づいてI/F139を介してデジタルRGB信号(色信号)を湾曲液晶1(81)に対して出力し続ける(S521)。実際には、垂直同期信号V−syncは、33.3ms間隔で送信されるので、同じ画面データに基づくデジタルRGB信号は2回ずつ出力されることとなる。表示切替指示があると(S522:YES)、出力元とするフレームバッファをもう一方のものに切り替える(S523)。
つまり、VDP135は、表示切替指示があるたびに第1フレームバッファ138aまたは第2のフレームバッファ138bを切り替えながら、切り替えられたフレームバッファに書き込まれた画面データに基づいてデジタルRGB信号をI/F139を介して湾曲液晶1(81)に出力する。
改めて、各処理の動きを整理してみると、VDP135が表示制御用CPU131に対し垂直同期信号V−syncを出力する毎に、表示制御用CPU131は、内部カウンタ133hを更新してディスプレイリストの作成とDMA転送を開始し、VDP135は、画面データの作成を開始して表示出力するフレームバッファを切り替えている。
また、RAM133とVRAM138の動きを整理してみると、例えば第1作成領域133dにて新しいディスプレイリストが作成されるとき、第2作成領域133eのディスプレイリストは第2保持領域138eに転送され、第1保持領域138dのディスプレイリストにしたがって第1フレームバッファ138aに画面データが作成され、第2フレームバッファ138bの画面データにしたがって湾曲液晶1(81)にデジタルRGB信号が出力される。そして、その33.3msec後には、第2作成領域133eに新しいディスプレイリストが作成され、第1作成領域133dのディスプレイリストが第1保持領域138dへ転送され、第2保持領域138eのディスプレイリストにしたがって第2フレームバッファ138bに画面データが作成され、第1フレームバッファ138aの画面データにしたがって湾曲液晶1にデジタルRGB信号が出力されることになる。以降、これらの処理を交互に繰り返している。
図20に、大当たりに当選した場合の、液晶表示装置8の表示例を示す。通常の立体表示で数字が斜め方向に揃って大当たりとなった場合(図20(a))、図20(b)のように、平面表示により大当たり画面が表示される。大当たり画面を通常表示(立体表示)すると、図20(c)のように、各湾曲液晶の上端、下端が縮小されて暗く見えてしまう。しかし、図20(b)のように平面表示すれば、大当たりであることを強調する演出効果が生じ、遊技者の興趣を向上させることができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。