JP5039735B2 - 光通信システム及び光通信方法 - Google Patents

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Description

本発明は、波長分割多重技術を用いた光通信システム及び光通信方法に関する。
経済的な高速アクセスネットワークを実現するための光ネットワークとしてPON(Passive Optical Network)が知られている。PONは、アクセスで従来用いられているのと同様な安価なSiGe−BiCMOSプロセス、強度変調−直接検波(IM−DD;Intensity Modulation−Direct Detection)、時間分割多重(TDM;Time Division Multiplexing)を想定すると、電子デバイスの制約により総帯域10ギガビットが一つの上限と考えられている。
そこで、更なる高速化を図るため、ユーザ多重に波長分割多重(WDM;Wavelength Division Multiplexing)を適用する技術も考えられている。しかし、本技術はユーザ毎に異なる波長を用いるため、ユーザ側機器であるONU(Optical Network Unit)の更改およびユーザ数分の波長の割当及び制御が必要であり、かつ局側装置であるOLT(Optical Line Terminal)にユーザ数分の光送受信器が必要となるため、コスト上昇という課題が発生する。
この課題に対し、ユーザ全体に割り当てうる総帯域を拡張する総帯域拡張方式として、OLT配下のONUを複数グループに分別しグループ毎に波長分割多重を行う方式(非特許文献1を参照。)や、ONUの帰属グループを動的に変更するWDM/TDM−PONの方式(非特許文献2を参照。)がある。これらは、単一波長を複数のONUで共用することで、WDM化に伴うコスト上昇という課題を解決している。
「G−PONシステムの概要と今後の展開」Fujitsu.2006年7月号 (VOL.57, NO.4)p360−365http://img.jp.fujitsu.com/downloads/jp/jmag/vol57−4/paper04.pdf(2009年2月5日検索) 「A 10−Gbit/s CMOS Burst−Mode Clock and Data Recovery IC for a WDM/TDM−PON Access Network」S.Kimura 他 LEOS2004 09 NOVEMBER 2004.TuR1
しかし、ユーザ全体に割り当てうる総帯域が制限されている課題を解決する従来の方法では、光ファイバと光パワースプリッタから構成される既設のODN(Optical Distribution Network)に適用しようとした場合、波長スプリッタ(分波器)を新規に設置する必要があるという課題があった。更に、既設のPONでは、WDM技術を適用する総帯域拡張方式に割り当てる波長の余地がないという課題もある。
前記課題を解決するために、本発明は、既設のODNを利用して総帯域を拡張することができる光通信システム及び光通信方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る光通信システム及び光通信方法は、既設のODNにおいて、波長分割多重技術を適用した送信機が送信する信号光と、波長分割多重を適用していない送信機が送信する信号光と、の使用する波長領域が重なる場合、同時に信号光が受信機に到着しないように時間分割多重を行い、それぞれ分離した形で受信することで同一波長領域の共用を可能としている。
具体的には、本発明に係る光通信システムは、特定波長領域に含まれる第1信号光を送信する1以上の第1送信機と、波長領域の少なくとも一部が前記特定波長領域と重複している信号光を少なくとも1つを含んでいる、互いに通信波長領域が異なる第2信号光を送信する複数の第2送信機と、前記第1送信機からの前記第1信号光及び前記第2送信機からの前記第2信号光を合流して合流信号光として伝搬する光伝送路と、前記光伝送路からの前記合流信号光を受信する受信機と、前記光伝送路上で、前記第2送信機からの前記第2信号光を波長多重し、且つ前記第1送信機からの前記第1信号光と前記第2信号光を波長多重した信号光群とを時分割多重するように、前記第1送信機及び前記第2送信機を制御する制御器と、を備える。
また、本発明に係る情報制御装置の光通信方法は、特定波長領域に含まれる第1信号光と、波長領域の少なくとも一部が前記特定波長領域と重複している信号光を少なくとも1つを含んでいる、互いに通信波長領域が異なる第2信号光と、を送信し、前記第1信号光及び前記第2信号光を合流して合流信号光として伝搬し、前記合流信号光を受信する際に、前記第2信号光を波長多重し、且つ前記第1信号光と前記第2信号光を波長多重した信号光群とを時分割多重するように、前記第1信号光及び前記第2信号光を送信制御する。
信号光間で波長分割多重技術を適用していない第1送信機と、信号光間で波長分割多重技術を適用した第2送信機とで、信号光の使用する通信波長領域が重なる各送信機同士は同時に信号光が受信機に到着しないように時間分割多重を行う。そして、それぞれが分離した形で受信できるように、受信機は、受信対象とする送信機からの信号光のとりうる波長以外の光を受信しないか、受信してもデータとして復号しない。これにより、第1送信機と第2送信機とで同一の波長領域を共用することができる。
すなわち、送信機からの信号光を時間分割多重して送信する際に、波長が重ならない信号光同士を波長分割多重することで、従来技術より多くの信号光を送信することが可能になる。従って、本発明は、既設のODNを利用して総帯域を拡張することができる光通信システム及び光通信方法を提供することができる。
本発明に係る光通信システムの前記受信機は、前記合流信号光を前記第2信号光の波長毎に分波して分波信号光を出力する分波器と、前記合流信号光及び前記分波器からの前記分波信号光をそれぞれ受光する複数の受信器と、を有する。また、本発明に係る光通信方法は、前記合流信号光を受信する際に、前記合流信号光を前記第2信号光の波長毎に分波して分波信号光を出力し、前記合流信号光及び前記分波信号光を複数の受信器にそれぞれ受光させることを特徴とする。各受信器で第1信号光及び第2信号光を受信できる。
本発明に係る光通信システムの前記制御器は、前記第1送信機に前記第1信号光を送信させる時間に、前記特定波長領域内で前記第1信号光が実際に使用している波長と異なる波長領域をもつ前記第2信号光を送信する前記第2送信機に該信号光を送信させるように制御し、前記受信機は、前記合流信号光に前記第1信号光の波長を検知する検知器と、前記合流信号光を受光する受信器の前段に配置され、前記合流信号光に前記第1信号光が含まれている際に前記特定波長領域内で前記第1信号光が実際に使用している波長の信号光を透過させる選択手段と、をさらに有していることが好ましい。また、本発明に係る光通信方法は、前記第1信号光を送信する時間に、前記特定波長領域内で前記第1信号光が実際に使用している波長と異なる波長領域をもつ前記第2信号光を送信し、前記合流信号光に前記第1信号光が含まれている際に前記特定波長領域内で前記第1信号光が実際に使用している波長の信号光を選択して前記第1信号光を受光する受光器に受光させることが好ましい。
更に、第1送信機が使用し得る波長領域(特定波長領域)の内で実際に使用している波長を検知する検知器を用いる。これにより、第1送信機に割り当てた時間も、特定波長領域内で第1送信機が実際に使用している波長と分離できる波長を使用する第2送信機が信号光を第1送信機と同時に送信することができる。第1送信機と第2送信機との共存性を保ちつつ、第1信号光を送信中にも一部の第2信号光を送信できるため、より多くの信号光を送信することが可能になり、総帯域を拡張することができる。
本発明に係る光通信システムの前記受信機は、前記合流信号光を前記第2信号光の波長毎に分波して分波信号光を出力し、前記特定波長領域に含まれる第1信号光を分波するときは、前記特定波長領域に含まれる第1信号光の波長に関わらず、出力される前記分波信号光の強度の和が一定になるように分波する分波器と、前記分波器からの前記分波信号光をそれぞれ受光する複数の受信器と、前記受信器が出力する信号の和を加算して出力する出力部と、を有する。また、本発明に係る光通信方法は、前記合流信号光を受信する際に、前記合流信号光を前記第2信号光の波長毎に分波して分波信号光を出力するとともに、前記特定波長領域に含まれる第1信号光を分波するときは、前記特定波長領域に含まれる第1信号光の波長に関わらず、出力される前記分波信号光の強度の和が一定になるように分波して分波信号光を出力し、前記分波信号光を複数の受信器にそれぞれ受光させ、前記受信器が出力する信号の和を加算して出力することを特徴とする。受信すべき信号光の数より受信器の数を減らすことができるので低コスト化を図ることができる。
本発明に係る光通信システムの前記制御器は、前記第1送信機に前記第1信号光を送信させる時間に、前記特定波長領域内で前記第1信号光が実際に使用している波長と異なる波長領域をもつ前記第2信号光を送信する前記第2送信機に該信号光を送信させるように制御し、前記受信器の出力部は、前記制御部が前記第1送信機に前記第1信号光を送信させている時間に、前記特定波長領域内で前記第1信号光が実際に使用している波長の信号光を受光できる前記受信器からの出力を選択的に加算する機能をもつことが好ましい。また、本発明に係る光通信方法は、前記第1信号光を送信する時間に、前記特定波長領域内で前記第1信号光が実際に使用している波長と異なる波長領域をもつ前記第2信号光を送信し、前記第1信号光を送信する時間に、前記特定波長領域内で前記第1信号光が実際に使用している波長の信号光を受光できる前記受信器からの出力を選択的に加算することが好ましい。第1信号光を送信中にも一部の第2信号光を送信できるため、より多くの信号光を送信することが可能になり、総帯域を拡張することができる。
本発明に係る光通信システムの前記受信器は、複数であり、前記光伝送路は、前記合流信号光を分岐点で分岐して前記受信機にそれぞれ結合し、前記制御器は、前記光伝送路の前記分岐点から前記受信機までの光路のうち最長距離の光路において波長毎に発生する郡遅延の中で最大と最小との差分を取得し、直前の信号光で生ずる群遅延より小さな群遅延が生じる信号光を送信する際に、少なくとも前記差分だけフレーム間隔を拡大して信号光を送信するように前記第1送信機及び前記第2送信機を制御することを特徴とする。各受信機までの距離が異なる場合でも信号光の衝突を回避することができる。
本発明は、既設のODNを利用して総帯域を拡張することができる光通信システム及び光通信方法を提供することができる。本発明に係る光通信システム及び光通信方法は、従来のWDM技術を適用した総帯域拡張方式において、既設ODNを活用しつつ、精密な波長制御がなされていない既存送信機の信号光とWDM技術を適用した信号光との波長領域が重なった場合でも、互いの信号光に障害を与えることなく通信することができる。
本発明に係る光通信システムを説明する概略概念図である。 本発明に係る光通信システムにおける各送信可能領域の設定概念図である。 本発明に係る光通信システムを説明する概略概念図である。 本発明に係る光通信システムにおける各送信可能領域の設定概念図である。 本発明に係る光通信システムを説明する概略概念図である。 本発明に係る光通信システムの分光器の分光特性を説明する図である。 本発明に係る光通信システムを説明する概略概念図である。 本発明に係る光通信システムの分光器の分光特性を説明する図である。 本発明に係る光通信システムを説明する概略概念図である。 本発明に係る光通信システムにおける各送信可能領域の設定概念図である。 本発明に係る光通信システムを説明する概略概念図である。
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
(実施形態1)
図1は、本実施形態の光通信システム301を説明する概略概念図である。光通信システム301は、1つ以上の第1送信機11Bと、第2送信機(11A、11C)と、光伝送路31と、受信機(21A、21B、21C)と、制御器と、を備える。図1では制御器を図示していない。
第1送信機11Bは、特定波長領域に含まれる第1信号光SBを送信する。第2送信機(11A、11C)は、通信波長領域の少なくとも一部が特定波長領域と重複し、且つ互いに重複しない通信波長領域に含まれる第2信号光(SA、SC)を送信する。光伝送路31は、第1送信機11Bからの第1信号光SB及び第2送信機(11A、11C)からの第2信号光(SA、SC)を合分岐器40で合流して合流信号光として伝搬する。受信機(21A、21B、21C)は、光伝送路31からの合流信号光を受信する。制御器は、第1送信機11B及び第2送信機(11A、11C)を制御する。
第2送信機11Aは第2信号光SAを送信可能領域(L11、L12)で送信する。第1送信機11Bは第1信号光SBを送信可能領域(L13、L14)で送信する。第2送信機11Cは第2信号光SCを送信可能領域(L15、L16)で送信する。なお、送信可能領域(L11〜L16)は、図2に示すように縦方向が送信機に与えられた通信波長領域であり、横方向が送信機に与えられた通信可能時間を示す。
光伝送路31は、第1送信機11B及び第2送信機(11A、11C)からのそれぞれの信号光(SB、SA、SC)を合分岐器40で合流して合流信号光とし、合流信号光を分岐してそれぞれ受信機(21A、21B、21C)に結合する。なお、光伝送路31は、合流信号光を波長毎に分波する機能を持たない。
制御器は、光伝送路31上で、第2送信機(11A、11C)からの第2信号光(SA、SC)を波長多重し、且つ第1送信機11Bからの第1信号光SBと第2信号光(SA、SC)を波長多重した信号光群とを時分割多重するように、第1送信機11B及び第2送信機(11A、11C)を制御する。
受信機21A、受信機21B及び受信機21Cは、それぞれ送信機11Aからの第2信号光SAを受信すること、送信機11Bからの第1信号光SBを受信すること、及び送信機11Cからの第2信号光SCを受信することを目的としているが、入力される合流信号光を受信する。ここで、受信機21Aと送信機11Aとを組A、受信機21Bと送信機11Bとを組B、受信機21Cと送信機11Cとを組Cとして記載する。
図1では、3組のそれぞれ個別に通信する送信機と受信機の組の例で示しているが、3以外の組であっても良いし、単一の送受信機であってもよい。また、送信機から受信機への一方向の通信の例を示しているが、同一のODNを用いて受信機側に送信機を、送信機側に受信機を具備した双方向通信のシステムであっても良い。
図2は、各送信可能領域の設定概念図である。縦軸が波長であり、横軸が時間である。図2のように、第1信号光SBの送信可能領域(L13、L14)は、第2信号光SAの送信可能領域(L11、L12)及び第2信号光SCの送信可能領域(L15、L16)と通信波長領域が一部重なり合っている。また、第2信号光SAの送信可能領域(L11、L12)と第2信号光SCの送信可能領域(L15、L16)とは通信波長領域が重ならない。通信波長領域が重なる第1信号光SBの送信可能領域(L13、L14)と第2信号光SAの送信可能領域(L11、L12)と、及び第1信号光SBの送信可能領域(L13、L14)と第2信号光SCの送信可能領域(L15、L16)とは時間が重ならない。通信波長領域が互いに重ならない第2信号光SAの送信可能領域(L11、L12)と第2信号光SCの送信可能領域(L15、L16)とは時間が重なり合っている。ここで、送信可能領域の時間が重なり合う他の組の通信波長領域の信号光を遮断したり不感応であることで、時間が重なっていても正常な送受信が可能となる。
光通信システム301の制御器は、通信波長領域が重なる送信機からの信号光同士が受信機に到着する時間が重ならないように、各受信機で受信可能な波長が重なる送信機同士が、時間分割多重を行うことで信号光の衝突を回避している。具体的には、互いに重なり合わない波長を利用する組Aと組Cの送信機では波長分割多重により同時刻に通信することで全組での通信可能な総帯域を拡張し、互いに重なり合う波長を利用する組Aと組B及び組Bと組Cでは時間分割多重により時間を違えて通信することで、相互干渉を防止する。時間分割多重の方法として、例えば、B−PON、G−PON、GE−PONの動的帯域割当(DBA;Dynamic Bandwidth Allocation/Assignment)として示される方法を適用すればよい。受信機(21A、21B、21C)は、それぞれ同じ組の送信機からの信号光が到着する時間のみ信号光を受信し、受信機で受信可能な波長領域を使用する通信波長領域が重なる他の組の送信機からの信号光が到着する時間には受信してもデータとして復号しない。これにより、受信機21Bは第1信号光のみを送信可能領域(L13、L14)に受信できる。なお、送信機11Aと送信機11Cが送信する第2信号光(SA、SC)は到着時間が同じとなるが、組Aと組Cに与えられる通信波長領域が異なるため、受信機21Aは送信機11Aの第2信号光SAのみを送信可能領域(L11、L12)に受信でき、受信機21Cは送信機11Cの第2信号光SCのみを送信可能領域(L15、L16)に受信できる。
なお、光通信システム301では、
第2送信機11A − 受信機21A、
第2送信機11A − 受信機21B、
第1送信機11B − 受信機21A、
第1送信機11B − 受信機21B、
第1送信機11B − 受信機21C、
第2送信機11C − 受信機21B、
第2送信機11C − 受信機21C
の組み合わせが発生するため、通常の多対一のDBAで用いるフレーム間隔とすると、衝突が発生する。このため、光伝送路31の分岐点(合分岐器40、例えば、光パワースプリッタ)から各受信機までの距離と波長による群遅延時間差を考慮する必要がある。
制御器は、光伝送路31の分岐点から受信機(21A、21B、21C)までの光路のうち最長距離の光路において波長毎に発生する群遅延の中で最大と最小との差分を取得し、直前の信号光で生ずる群遅延より小さな群遅延が生ずる信号光を送信する際に、少なくとも前記差分だけフレーム間隔を拡大して信号光を送信するように第1送信機11B及び第2送信機(11A、11C)を制御する。
具体的には、予め、制御器は、光伝送路31の分岐点から各受信機までで距離が最長の光路における群遅延差を取得しておく。そして、制御器は、群遅延が大きい波長から小さい波長の順に信号光を送信する際、少なくとも群遅延差だけフレーム間隔を拡大して送信するように各送信機を制御する。
以上述べたように、光通信システム301の光通信方法は、互いに重なり合う通信波長領域を利用する組合せの送受信機と互いに重なり合わない通信波長領域を利用する組合せの送受信機が、波長を分波する機能のない既存の光伝送路を共用する光通信システムにおいて、通信波長領域が重ならない信号光同士を波長分割多重し、通信波長領域が重なる信号光を時間分割多重することで、それぞれの組合せの送信機の信号を混信することなく通信することができる。従って、光通信システム301の光通信方法は、波長の利用効率向上、または光源やフィルタ等の波長に関する要求精度を緩和でき、送受信機全体での総帯域拡張を実現することができる。
(実施形態2)
図3は、本実施形態の光通信システム302を説明する概略概念図である。光通信システム302と図1の光通信システム301との違いは、送信側において第1送信機11Bの代替として第1送信機11ex、第2送信機(11A、11B)の代替として第2送信機(11a〜d)となっている点である。また、受信側は、受信機(21A〜C)の代替として受信機21となっているが、図1同様に受信機は複数であってもよい。伝送距離の異なる複数の受信機の場合、第1実施形態で説明したようにフレーム間隔を調整する。また、双方向通信のシステムであっても良い。受信機が複数あること及び制御器がフレーム間隔を調整することは以降の実施形態で同様である。
受信機21は、合流信号光を第2信号光の波長毎に分波して分波信号光を出力する分波器42と、合流信号光及び分波器42からの分波信号光をそれぞれ受光する複数の受信器(43ex、43a〜43d)と、を有する。さらに受信機21は、合流信号光を分岐し、それぞれを受信器43exと分波器42に結合する合分岐器41を有する。分波器42は、例えば、波長フィルタである。受信器(43ex、43a〜43d)は、例えば、フォトダイオードである。合分岐器41は、例えば、光パワースプリッタである。
第1送信機11exは、GE−PONの上り信号の通信波長領域1260−1360nmに含まれる波長の第1信号光Sexを送信可能領域(L21、L22)に送信する送信機(図3ではEx−ONUと記載する。)である。本実施形態では、通信波長領域1260−1360nmが特定波長領域となる。第2送信機(11a〜11d)は、特定波長領域をそれぞれ波長分割多重する第2信号光を送信する。これらの第2信号光(Sa〜Sd)も特定波長領域に含まれる。
送信機11aは、10GE−PONの上り信号の通信波長領域1260−1280nmに含まれる波長の第2信号光を送信可能領域(L23、L24)に送信する送信機(図3ではa−ONUと記載する。)である。
同様に送信機11bは、通信波長領域1280−1300nmに含まれる波長の第2信号光を送信可能領域(L25、L26)に送信する送信機(図3ではb−ONUと記載する。)である。
送信機11cは、通信波長領域1300−1320nmに含まれる波長の第2信号光を送信可能領域(L27、L28)に送信する送信機(図3ではc−ONUと記載する。)である。
送信機11−dは、通信波長領域1320−1340nmに含まれる波長の第2信号光を送信可能領域(L29、L20)に送信する送信機(図3ではd−ONUと記載する。)である。
なお、図3では、特定波長領域及びそれを分割した各通信波長領域に対応する合計5つの送信機で例示しているが、同一の通信波長領域を利用する送信機同士でDBAを行えば、同一の通信波長領域をそれぞれ複数の送信機で利用できる。
図4は、各送信可能領域の設定概念図である。図4に示すように第1送信機11exの通信波長領域と第2送信機(11a〜11d)の通信波長領域とは、互いに重なり合っている。しかし、第2送信機(11a〜11d)のそれぞれの通信波長領域は重なり合っていない。そこで、光通信システム302の制御器は、第2送信機(11a〜11d)のそれぞれの第2信号光(Sa〜Sd)を波長分割多重するように、且つ波長分割多重した第2信号光(Sa〜Sd)と第1送信機11exの第1信号光Sexとを時間分割多重するように、第1送信機11exと第2送信機(11a〜11d)とを制御する。
図4に示すように、制御器は、第1送信機11exと第2送信機(11a〜11d)が波長分割多重による効率が向上するように公平に時間を分割し、各送信機に所定のフレーム間隔以外の送信可能な時間に送信させている。具体的には、4倍の波長資源を消費する第1送信機11exは1/4の時間の通信可能時間となっている。この通信可能時間は、全送信機が第1送信機11exの場合と同様である。光通信システム302の制御器は、例えば、図4のように時間t1に送信可能領域(L23、L25、L27、L29)を設定し、時間t2に送信可能領域L21を設定し、時間t3に送信可能領域(L24、L26、L28、L20)を設定し、時間t4に送信可能領域L22を設定する。
光伝送路31は各信号光を合流して図4に示すような状態の合流信号光を形成し、合流信号光を伝搬して受信機21に結合する。光伝送路21は、送信光を波長毎に分波する機能はないため、合流信号光は分離されることなく受信機で一括受信される。
受信機21に到着した合流信号光は、合分岐器41で2分岐され、一方は受信器43exに、他方は分波器42に結合される。受信器43exは、第1送信機11exに対応する受信器であり、通信波長領域である特定波長領域1260−1360nm全体の信号光を受光する。
分波器42は、合流信号光を第2信号光(Sa〜Sd)のそれぞれの第2信号光へ分波し、分波信号光として出力する。分波器42は、分波信号光のそれぞれを対応する受信器(43a〜43d)に結合する。図6は、分光器42の分光特性を説明する図である。図6において、合流信号光の波長領域は第1信号光Sexを透過させる波長領域Dexに含まれる。分波器42は、第2信号光Saを透過させる波長領域Da、第2信号光Sbを透過させる波長領域Db、第2信号光Scを透過させる波長領域Dc、及び第2信号光Sdを透過させる波長領域Ddの透過特性を持つ。例えば、分波器42の透過特性である波長領域Da〜Ddは、それぞれ第2送信機(11a〜d)の通信波長領域に対応する1260−1280nm、1280−1300nm、1300−1320nm、1320−1340nmである。
受信器43exは、例えば、制御器からの情報で波長分割多重された第2信号光が結合されているときは受光しないようにし、第1信号光が結合しているときのみ受光する。受信器43exは、このように動作することで第1送信機11exからのデータのみを出力することができる。
受信器(43a〜43d)にはそれぞれ対応する第2送信機(11a〜11d)からの第2信号光(Sa〜Sd)が結合されるため、受信器(43a〜43d)はそれぞれ対応する第2送信機(11a〜11d)からのデータを出力する。受信器(43a〜43d)は、例えば、制御器からの情報で受信器で受信可能な波長領域を使用する通信波長領域が重なる第1信号光Sexが結合されているときは受光しないが、受信してもデータとして復号しないようにし、第2信号光が結合しているときのみ受信する。受信器(43a〜43d)は、このように動作することで第2送信機(11a〜11d)からのデータのみを出力することができる。受信機21を図3のような構成とすることで1つの受信機で第1信号光も第2信号光も受信することができる。
ここで、第2実施形態の他の例である光通信システム302’を図5に示す。光通信システム302’と図3の光通信システム302との違いは、光伝送路31の代替として光伝送路32を備えていること、及び受信機21の代替として受信機22を備えていることである。
光伝送路32は、第1送信機11exからの第1信号光Sex及び第2送信機(11a〜d)からの第2信号光(Sa〜Sd)の合流点が合流信号光を2つ出力する構成である。例えば、光伝送路31の合流点が1×4光パワースプリッタであることに対し、光伝送路32の合流点を2×4光パワースプリッタとすることができる。2×4光パワースプリッタからは2芯のフィーダファイバで合流信号光が伝搬される。
受信機22は、2芯のフィーダファイバで合流信号光が2つ結合されるため、受信機21が有する合分岐器41が不要である。受信機22は、結合された一方の合流信号光を受信器43exに結合し、他方を分波器42に結合している。
また、第2送信機と第2受信機をそれぞれ3波長とし、1×4光パワースプリッタを4×4光パワースプリッタとすれば、フィーダファイバで合流信号光を伝搬できる。そのため各受信機にそれぞれフィーダファイバが分波器42を介さずに直接入力できる。このとき、各受信機はそれぞれの送信可能領域に含まれる波長のみを受信する。そのため、例えば、各受信機はそれぞれの送信可能領域に含まれる波長以外の波長をカットするフィルタを具備する。一般に多波長を分波するフィルタよりも、一波長を選択するフィルタの方が簡易な構成で光損失が少ない。このため、光通信システムの低コスト化が望める。また、分波器42での光損失が減少するために受信感度がさらに向上する効果がある。
以上述べたように、光通信システム302及び光通信システム302’の光通信方法は、互いに重なり合う波長を利用する送受信機、且つそれぞれの波長を分波する機能のない光伝送路を共用する光通信システムにおいて、通信波長領域が重ならない信号光を波長分割多重し、通信波長領域が重なる信号光を時間分割多重することで、それぞれの送信機の信号を混信することなく通信することができる。さらに1つの受信機で第1信号光も第2信号光も受信することができる。
(実施形態3)
図7は、本実施形態の光通信システム303を説明する概略概念図である。光通信システム303と図3の光通信システム302との違いは、光通信システム303が受信機21の代替として受信機23を備えていることである。受信機23は、受信機21が有する合分岐器41及び受信器43exを有さず、出力部45を有している。また、受信機23は、分波器42の代替として分波器44を有する。
具体的には、受信機23は、分波器44と、受信器(43a〜43d)と、出力部45と、を有する。分波器44は、合流信号光を第2信号光(Sa〜Sd)の波長毎に分波して分波信号光を出力し、特定波長領域に含まれる第1信号光Sexを分波するときは、特定波長領域に含まれる第1信号光Sexの波長に関わらず、出力される分波信号光の強度の和が一定になるように分波する。受信器(43a〜43d)は、分波器44からの分波信号光をそれぞれ受光する。出力部45は、受信器(43a〜43d)が出力する信号の和を加算して出力する。
分波器44は、図3の分波器42と同様に合流信号光を第2信号光(Sa〜Sd)のそれぞれの第2信号光へ分波し、分波信号光のそれぞれを対応する受信器(43a〜43d)に結合する。図8は、分光器44の分光特性を説明する図である。分波器44は、図6の分波器42の分光特性と同様に第2信号光(Sa〜Sd)のそれぞれの通信波長領域を透過させる波長領域(D’a〜D’d)を持つ。分波器44の分光特性と分波器42の分光特性との違いは、波長領域(D’a〜D’d)はそれぞれ対応する波長領域(Da〜Dd)を含み、更に、波長領域(D’a〜D’d)では隣り合う波長領域(D’a〜D’d)同士が一部重なっていることにある。具体的には、分波器44は、第1信号光の波長領域全域で、各受信器(43a〜43d)に出力する第2信号光の強度の和が波長によらず一定となる分光特性を持つ。さらに、分波器44は、波長領域D’aでは、透過させようとする第2信号光Sa以外の第2信号光(Sb〜Sd)の透過強度が無視できるほど小さい分光特性を持つ。他の波長領域(D’b〜D’d)についても同様である。
受信器(43a〜d)にはそれぞれ対応する第2送信機(11a〜11d)からの第2信号光(Sa〜Sd)が結合されるため、受信器(43a〜43d)はそれぞれ対応する第2送信機(11a〜11d)からのデータを出力する。出力部45は、受信器(43a〜d)の出力の一部が入力され、加算して出力する。分波器44が前述したような分光特性を持つため、出力部45は第1送信機11exからのデータのみを出力することができる。
光通信システム303は、光通信システム302に比べて、合分岐器と受信器を削減できるため、低コスト化が望める。更に、分岐器による光の分割損がないため受信感度が向上する。
以上述べたように、光通信システム303の光通信方法は、互いに重なり合う波長を利用する送受信機、且つそれぞれの波長を分波する機能のない光伝送路を共用する光通信システムにおいて、通信波長領域が重ならない信号光を波長分割多重し、通信波長領域が重なる信号光を時間分割多重することで、それぞれの送信機の信号を混信することなく通信することができる。また、1つの受信機で第1信号光も第2信号光も受信することができる。
さらに、本光通信方法は、光通信システム302の光通信方法に比べて、合分岐器と受信器を削減できるため、光通信システムの低コスト化が望める。また、合分岐器による光の分割損がないため受信感度が向上する。
(実施形態4)
図9は、本実施形態の光通信システム304を説明する概略概念図である。光通信システム304と図7の光通信システム303との違いは受信機24と制御器である。制御器は、第1送信機11exからの第1信号光Sexが実際に使用している波長を検出し、特定波長領域内で第1信号光Sexが実際に使用している波長と重なり合わない通信波長領域の第2信号光(Sa〜Sd)を第2送信機(11a〜11d)に送信を許可する。
具体的には、制御器は、第1送信機11exに第1信号光Sexを送信させる時間に、特定波長領域内で第1信号光Sexが実際に使用している波長と重なり合わない通信波長領域をもつ第2信号光(Sa、Sb)を送信する第2送信機(11a、11b)に該信号光を送信させるように制御する。
受信機24は、検知器52と、選択手段51と、をさらに有している。検知器52は、合流信号光に第1信号光Sexが実際に使用している波長を検知する。選択手段51は、合流信号光を受光する受信器43exの前段に配置され、検知器52が合流信号光に第1信号光Sexが実際に使用している波長を検知した際に特定波長領域内で第1信号光Sexが実際に使用している波長の信号光を透過させる。
図10は、各送信可能領域(L20〜L29)の設定概念図である。図10に示すように第1送信機11exの通信波長領域(特定波長領域)と第2送信機(11a、11b)の通信波長領域とは、互いに重なり合っている。しかし、第2送信機(11a〜11d)のそれぞれの通信波長領域は重なり合っていない。また、第1送信機11exが実際に使用している波長と第2送信機(11c、11d)の通信波長領域とも重なり合っていない。そこで、光通信システム304の制御器は、第2送信機(11a〜11d)のそれぞれの第2信号光を波長分割多重するように、且つ波長分割多重した第2信号光(Sa、Sb)と第1送信機11exの第1信号光Sexとを時間分割多重するように、第1送信機11exと第2送信機(11a〜11d)とを制御する。さらに第2信号光(Sc、Sd)と第1送信機11exの第1信号光Sexとを波長分割多重するように第1送信機11exと第2送信機(11a〜11d)とを制御する。
検知器52は、合分岐器41において第1信号光を検知する。例えば、検知器52は、次のように第1信号光を検知する。合分岐器41での通信波長領域(Da、Db、Dc、Dd)の信号強度を[0,0,0,0]と表す。[ ]内部の数字は通信波長領域(Da、Db、Dc、Dd)の信号強度である。当初、[1,0,0,0]であったところ[0.8,0.2,0,0]となれば、ある信号が通信波長領域Daから通信波長領域Dbへ遷移していることを検知でき、この信号が第1信号光Sexであることを検出できる。この場合、制御器は第1信号光Sexの送受信時に通信波長領域Da及び通信波長領域Dbを使用する第2送信機11a及び第2送信機11bの送信を止める。更に、[0,1,0,0]となった場合、制御器は第1信号光Sexの送受信時に通信波長領域Dbを使用する第2送信機11bのみの送信を止める。
選択手段51は、例えばブロッキングフィルタである。選択手段51は、特定波長領域内で第1信号光Sexが実際に使用している波長の信号光を透過し、第1信号光Sexが実際に使用している波長と異なる通信波長領域を持つ第2信号光であって、第1信号光Sexの通信中に送信する第2送信機が使用している通信波長領域を遮断する。選択手段51は、受信器43exと合分岐器41との間に配置される。
制御器は、検知器52で第1信号光Sexの波長を検知し、選択手段51が透過する波長を第1信号光Sexの波長に合わせる。更に、制御器は、選択手段51の透過波長域に含まれない通信波長領域の第2信号光(Sc、Sd)を送信する第2送信機(11c、11d)に送信を許可する。制御器が、選択手段51の透過する波長を第1信号光Sexの波長に合せ、第1信号光Sexが実際に使用している波長を含まない波長領域を持つ第2信号光(Sc、Sd)の光を遮断しているため、選択手段51は第1信号光Sexと同時に到着する第2送信機(11c、11d)からの第2信号光(Sc、Sd)を遮断する。すなわち、制御器は、図10のように時間t1に送信可能領域(L23、L25、L27、L29)を設定し、時間t2に送信可能領域(L21、L27、L29)を設定し、時間t3に送信可能領域(L24、L26、L28、L20)を設定し、時間t4に送信可能領域(L22、L27、L29)を設定する。
光通信システム304は、第1送信機が第1信号光を送信している時間にも、第1信号光以外の波長の第2信号光を第2送信機に送信させることが可能であるので、図3の光通信システム302に比べてより多くの総帯域拡張が可能となる。
なお、検知器は、受信機単位で備えるとしたが、選択手段51でディザリング等行い、その強度の変化を元に、Ex−ONUの波長の変化を検出してもよい。なお、ディザリングとは、選択手段51の透過波長を摂動し、強度変化を見ることで、最適波長を探すものである。また、Ex−ONUの波長の変化は、温度変化、電圧変動、又は経時変化で起こる。この場合、検知器用に信号光を分岐する必要がないため、部品点数の削減と、信号の分岐損を軽減することができる。
また、合分岐器41を受信機24内に含む構成としたが、光伝送路31の合流点の1×4光パワースプリッタを4×4光パワースプリッタとすれば、受信機24は、4芯中の3芯のフィーダファイバで合流信号光が3つ結合されるため、受信機24が有する合分岐器41が不要である。このとき、受信機24は、結合された一つの合流信号光を選択手段51を介して受信器43exに結合し、一つを分波器42に結合し、残る一つを検知器52に結合している。この場合、合分岐器41を削減できるため、光通信システムの低コスト化が望める。また、合分岐器41での光の分岐損がないために受信感度がさらに向上する効果がある。
以上述べたように、光通信システム304の光通信方法は、互いに重なり合う波長を利用する送受信機、且つそれぞれの波長を分波する機能のない光伝送路を共用する光通信システムにおいて、通信波長領域が重ならない信号光を波長分割多重し、通信波長領域が重なる信号光を時間分割多重することで、それぞれの送信機の信号を混信することなく通信することができる。また、1つの受信機で第1信号光も第2信号光も受信することができる。
さらに、本光通信方法は、第1送信機が第1信号光Sexを送信している時間にも、第1信号光Sexが実際に使用している波長以外の波長の第2信号光を第2送信機に送信させることが可能であるので、図3の光通信システム302の光通信方法に比べてより多くの総帯域拡張が可能となる。
(実施形態5)
図11は、本実施形態の光通信システム305を説明する概略概念図である。光通信システム305と図9の光通信システム304との違いは、光通信システム305が受信機24の代替として図7で説明した受信機23を備えていることである。
分波器44を用いるため、本実施形態では、Ex−ONUの波長の変動に伴い、第1信号光Sexを受信器(43a〜43d)で受信できないことが発生しない。例えば、第1信号光Sexが第2送信機11aの通信波長領域から第2送信機11bの通信波長領域にシフトする場合、受信器43aからの出力が徐々に減少し、それに伴い、受信器43bからの出力が増加する。分波器44の分光特性が図8で説明したように第2信号光の強度の和が波長によらず一定であるため、出力部45が各受信器の出力を加算することで一定の出力を得ることができる。このように、このWDM−ONU用受信器間でのEx−ONUの信号の受信強度が変化しても、受信器23は第1信号光を受信することができる。
更に、第1送信機からのデータと第2送信機からのデータとを分離するために、出力部45は、第1信号光Sexを受信している受信器(43a、43b)からの出力を選択的に加算し、同時に第2信号光(Sc、Sd)を受信している受信器(43c、43d)からの出力を加算から除外する。従って出力部45は、第1信号光Sexのデータである信号を出力することができる。光送信システム305は、この構成により、第1信号光Sexと第2信号光(Sa〜Sd)とが同時に受信機に到着しても、これらを分離して受信することができる。
光送信システム305は、図9の光送信システム304と比べて、検出器のコストを削減する効果がある。また図7の光送信システム303で説明したように合分岐器と受信器を削減できるため、低コスト化が望める。更に、合分岐器による光の分割損も無視できるので、受信感度が向上する効果もある。
以上述べたように、光通信システム305の光通信方法は、互いに重なり合う波長を利用する送受信機、且つそれぞれの波長を分波する機能のない光伝送路を共用する光通信システムにおいて、通信波長領域が重ならない信号光を波長分割多重し、通信波長領域が重なる信号光を時間分割多重することで、それぞれの送信機の信号を混信することなく通信することができる。また、1つの受信機で第1信号光も第2信号光も受信することができる。
さらに、本光通信方法は、図9の光送信システム304の光通信方法と比べて、検出器のコストを削減する効果がある。また、本光通信方法は、図7の光送信システム303で説明したように合分岐器と受信器を削減できるため、低コスト化が望める。また、本光通信方法は、合分岐器による光の分割損も無視できるので、受信感度が向上する効果もある。
なお、光伝送路31の合流点の1×4光パワースプリッタを4×4光パワースプリッタとすれば、受信機23は、4芯のフィーダファイバで合流信号光が4つ結合されるため、合流信号光を各受信器(43a〜43d)にそれぞれ4本のフィーダファイバが分波器42を介さずに直接入力する構成とすることもできる。このとき、分波器44がそれぞれの受信器に対して透過する波長特性で、各受信器(43a〜43d)は信号光を受信することができる。このため、例えば、各受信器は分波器44で各受信器に対して透過する波長特性で透過するフィルタを具備する。一般に多波長を分波するフィルタよりも、一波長を選択するフィルタの方が簡易な構成で光損失が少ない。このため、光通信システムの低コスト化が望める。また、分波器44での光損失が減少するために受信感度がさらに向上する効果がある。
(他の実施形態)
前述の実施形態では第1送信機が1つである場合を説明したが、第1送信機が複数であってもよい。この場合、第1送信機同士が時間分割多重方式で第1信号光を送信する。従って、光通信システムの制御器は、第1信号光と波長分割多重された第2信号光とが時間分割多重されて光伝送路を伝搬するように第1送信機及び第2送信機を制御する。なお、図9から図11で説明したように、制御器は、特定波長領域内で第1信号光が実際に使用している波長と異なる波長領域をもつ第2信号光を第1信号光と波長分割多重するように第1送信機及び第2送信機を制御してもよい。
本発明は、総帯域10ギガビットクラスを超えるODNを利用する高速アクセスネットワークに適用することができる。
11A、11C、11a、11b、11c、11d:第1送信機
11B、11ex:第2送信機
21A、21B、21C、21〜24:受信機
31、32:光伝送路
41:合分岐器
42、44:分波器
43ex、43a、43b、43c、43d:受信器
45:出力部
51:選択手段
52:検知器
Dex、Da、Db、Dc、Dd、D’a、D’b、D’c、D’d:波長領域
SB、Sex:第1信号光
SA、SC、Sa、Sb、Sc、Sd:第2信号光
L11〜16、L20〜29:送信可能領域

Claims (11)

  1. 特定波長領域に含まれる第1信号光を送信する1以上の第1送信機と、
    波長領域の少なくとも一部が前記特定波長領域と重複している信号光を少なくとも1つを含んでいる、互いに通信波長領域が異なる第2信号光を送信する複数の第2送信機と、
    前記第1送信機からの前記第1信号光及び前記第2送信機からの前記第2信号光を合流して合流信号光として伝搬する光伝送路と、
    前記光伝送路からの前記合流信号光を受信する受信機と、
    前記光伝送路上で、前記第2送信機からの前記第2信号光を波長多重し、且つ前記第1送信機からの前記第1信号光と前記第2信号光を波長多重した信号光群とを時分割多重するように、前記第1送信機及び前記第2送信機を制御する制御器と、
    を備える光通信システム。
  2. 前記受信機は、
    前記合流信号光を前記第2信号光の波長毎に分波して分波信号光を出力する分波器と、
    前記合流信号光及び前記分波器からの前記分波信号光をそれぞれ受光する複数の受信器と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の光通信システム。
  3. 前記制御器は、
    前記第1送信機に前記第1信号光を送信させる時間に、前記特定波長領域内で前記第1信号光が実際に使用している波長と異なる波長領域をもつ前記第2信号光を送信する前記第2送信機に該信号光を送信させるように制御し、
    前記受信機は、
    前記合流信号光に前記第1信号光の波長を検知する検知器と、
    前記合流信号光を受光する受信器の前段に配置され、前記検知器が検出した前記第1信号光が実際に使用している波長の信号光を透過させる選択手段と、
    をさらに有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の光通信システム。
  4. 前記受信機は、
    前記合流信号光を前記第2信号光の波長毎に分波して分波信号光を出力し、前記特定波長領域に含まれる第1信号光を分波するときは、前記特定波長領域に含まれる第1信号光の波長に関わらず、出力される前記分波信号光の強度の和が一定になるように分波する分波器と、
    前記分波器からの前記分波信号光をそれぞれ受光する複数の受信器と、
    前記受信器が出力する信号の和を加算して出力する出力部と、
    を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光通信システム。
  5. 前記制御器は、
    前記第1送信機に前記第1信号光を送信させる時間に、前記特定波長領域内で前記第1信号光が実際に使用している波長と異なる波長領域をもつ前記第2信号光を送信する前記第2送信機に該信号光を送信させるように制御し、
    前記受信器の出力部は、
    前記制御部が前記第1送信機に前記第1信号光を送信させている時間に、前記特定波長領域内で前記第1信号光が実際に使用している波長の信号光を受光できる前記受信器からの出力を選択的に加算する機能をもつことを特徴とする請求項4に記載の光通信システム。
  6. 前記受信器は、複数であり、
    前記光伝送路は、前記合流信号光を分岐点で分岐して前記受信機にそれぞれ結合し、
    前記制御器は、前記光伝送路の前記分岐点から前記受信機までの光路のうち最長距離の光路において波長毎に発生する郡遅延の中で最大と最小との差分を取得し、直前の信号光で生ずる群遅延より小さな群遅延が生じる信号光を送信する際に、少なくとも前記差分だけフレーム間隔を拡大して信号光を送信するように前記第1送信機及び前記第2送信機を制御することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の光通信システム。
  7. 特定波長領域に含まれる第1信号光と、波長領域の少なくとも一部が前記特定波長領域と重複している信号光を少なくとも1つを含んでいる、互いに通信波長領域が異なる第2信号光と、を送信し、
    前記第1信号光及び前記第2信号光を合流して合流信号光として伝搬し、
    前記合流信号光を受信する際に、
    前記第2信号光を波長多重し、且つ前記第1信号光と前記第2信号光を波長多重した信号光群とを時分割多重するように、前記第1信号光及び前記第2信号光を送信制御する光通信方法。
  8. 前記合流信号光を受信する際に、
    前記合流信号光を前記第2信号光の波長毎に分波して分波信号光を出力し、
    前記合流信号光及び前記分波信号光を複数の受信器にそれぞれ受光させることを特徴とする請求項7に記載の光通信方法。
  9. 前記第1信号光を送信する時間に、前記特定波長領域内で前記第1信号光が実際に使用している波長と異なる波長領域をもつ前記第2信号光を送信し、
    前記合流信号光に前記第1信号光の波長が含まれている際に前記特定波長領域内で前記第1信号光が実際に使用している波長の信号光を選択して前記第1信号光を受光する受光器に受光させることを特徴とする請求項7又は8に記載の光通信方法。
  10. 前記合流信号光を受信する際に、
    前記合流信号光を前記第2信号光の波長毎に分波して分波信号光を出力するとともに、前記特定波長領域に含まれる第1信号光を分波するときは、前記特定波長領域に含まれる第1信号光の波長に関わらず、出力される前記分波信号光の強度の和が一定になるように分波して分波信号光を出力し、
    前記分波信号光を複数の受信器にそれぞれ受光させ、
    前記受信器が出力する信号の和を加算して出力することを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載の光通信方法。
  11. 前記第1信号光を送信する時間に、前記特定波長領域内で前記第1信号光が実際に使用している波長と異なる波長領域をもつ前記第2信号光を送信し、
    前記第1信号光を送信する時間に、前記特定波長領域内で前記第1信号光が実際に使用している波長の信号光を受光できる前記受信器からの出力を選択的に加算することを特徴とする請求項10に記載の光通信方法。
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