JP5039244B1 - ガンマ型フリー・ピストン・スターリング機関の構成 - Google Patents

ガンマ型フリー・ピストン・スターリング機関の構成 Download PDF

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Abstract

ガンマ型構成を有するフリー・ピストン・スターリング機関であって、ディスプレーサおよび各パワーピストンが、作動空間の共通の容積内へ向かう開口を内側端に有するシリンダ内で往復運動する。共通の容積は、ディスプレーサシリンダおよびピストンシリンダの内側突出部が交差する部分によって決まる。ディスプレーサおよびパワーピストンは、共通の容積内へ延伸する往復運動範囲を有する。ディスプレーサ駆動ロッドは、駆動ロッドシリンダ内で往復運動し、両者は共通の容積の外側であってディスプレーサとは反対側に位置する。ディスプレーサは、ディスプレーサ接続ロッドによりディスプレーサ駆動ロッドに接続される。ディスプレーサおよびパワーピストンには、内側端に補完的な対向面が形成され、これにより無駄な容積を大幅に減らすことができる。

Description

本発明は、フリー・ピストン・スターリング機関の分野に属し、特に、ガンマ型において一般的に考えられている無駄な空間(dead space)を最小にする、改良されたガンマ型フリー・ピストン・スターリング機関に関する。
スターリング機関では、膨張空間と圧縮空間とを備える作動空間内に、作動ガスを密閉する。作動ガスは、仕事を行なうため、あるいは熱を汲み上げるために、膨張と圧縮とを交互に行う。それぞれのスターリング機関は、少なくとも2つのピストンを有し、一方のピストンはディスプレーサと、他方のピストンはパワーピストンと称される。パワーピストンは、しばしば単にピストンと称される。往復運動するディスプレーサは、作動ガスを、圧縮空間と膨張空間との間で周期的に往復させる。ここで圧縮空間と膨張空間とは、受熱器(heat accepter)、再生器(regenerator)、および放熱器(hear rejecter)介して、作動ガスが連通する。往復運動によって、各々の空間内にある作動ガスの相対的な割合は、周期的に変化する。膨張空間内にある作動ガス、および再生器と膨張空間との間の熱交換器(受熱器)を介して膨張空間内に流れ込む作動ガスは、外周面から受熱する。圧縮空間内にある作動ガス、および再生器と圧縮空間との間の熱交換器(放熱器)を介して圧縮空間内に流れ込む作動ガスは、外周面から放熱する。全ての作動空間において、作動ガスの圧力は、いかなる瞬間でも本質的に同等である。これは、膨張空間と圧縮空間とが、流れ抵抗が比較的低い通路を介して接続されるからである。しかしながら作動空間内の作動ガスの圧力は、全体として周期的にかつ定期的に変化する。作動ガスの大部分が圧縮空間内にある場合は、作動ガスは放熱する。作動ガスの大部分が膨張空間内にある場合は、作動ガスは受熱する。これは機関がヒートポンプとして、あるいはエンジンとして作動しているかにかかわらず正しい。仕事を行なうことと熱を汲み上げることとを区別するために必要な唯一の条件は、膨張行程が行なわれる温度である。この膨張行程における温度が圧縮空間の温度よりも高い場合には、機関は仕事を行なうようになり、エンジンとして機能する。またこの膨張行程における温度が圧縮空間の温度よりも低い場合には、機関は、低温源から温熱源に熱を汲み上げる。
したがって、スターリング機関は、上記原理を使用して次のように設計する。(1)エンジンであって、膨張空間において外部の熱エネルギ源から受熱して、圧縮空間において熱を放熱することによって駆動されるピストンおよびディスプレーサを有し、したがって機械な仕事を行なうことができる原動機として設計する。あるいは、(2)ヒートポンプであって、原動機によって往復駆動されるパワーピストン(ときにはディスプレーサ)を有し、このパワーピストンによって熱を膨張空間から圧縮空間へ汲み上げ、したがって熱エネルギを低熱源から温熱源に汲み上げることができるように設計する。ヒートポンプ様式では、膨張空間に熱的に接続された対象を、極低温を含む温度にまで冷却するために、スターリング機関を使用することができ、あるいは圧縮空間に熱的に接続された対象、例えば家庭暖房用熱交換器の加熱のために、スターリング機関を使用することができる。したがって、スターリング「機関」という用語は、スターリングエンジンとスターリングヒートポンプの両方を総称的に含むように用いられ、スターリングヒートポンプは時として冷却器と称される。
1965年頃まで、スターリング機関は、運動力学的(kinematically)に駆動される機関、すなわちピストンとディスプレーサとが、機械的なリンク装置、典型的には連結ロッドとクランクシャフトとによって、互いに接続された機関として構成された。その後William Bealeによって、フリー・ピストン・スターリング機関が発明された。フリー・ピストン・スターリング機関では、ピストンは、機械的な駆動リンクに接続されない。フリー・ピストン・スターリング機関は、熱―機械力学的な振動装置(oscillator)であって、そのピストンのうちの1つであるディスプレーサは、機関内の空間または区画内における作動ガスの圧力の変化および相異によって駆動される。パワーピストンは、スターリング機関がヒートポンプ様式で作動するときには、往復運動する原動力によって駆動され、スターリング機関がエンジンとして作動するときには、機械的な負荷を往復運動させるように駆動する。
当該技術分野において周知のように、スターリング機関には、3つの主要な構成がある。アルファ型構成は、少なくとも2つのピストンを別々のシリンダ内に有し、各々のピストンによって区画された膨張空間は、他のシリンダ内において他のピストンによって区画された圧縮空間に接続される。これらの接続は、複数のシリンダの膨張空間と圧縮空間とを接続する直列ループを構成するように配置される。ベータ型のスターリング機関は、1個のパワーピストンが、ディスプレーサピストンと同じシリンダ内に配置される。ガンマ型のスターリング機関は、ベータスターリングと類似するが、パワーピストンは、ディスプレーサピストンシリンダと並ぶ別個のシリンダ内に装着される。
周知のように、フリー・ピストン・スターリング・エンジンおよび冷却器では、ディスプレーサおよびピストンの両方が、摩擦を最小限に抑えて、自由に作動できるようにしなければならない。油または同様の潤滑剤を、スターリング機関で使用することは実用的でないため、通常、多様なタイプの非接触ベアリングが使用されてきた。ある研究者達は、可動部品を支持するために、半径方向に硬い平坦スプリングを使用し、作動中の接触を避け、他の研究者達は、静的なガスベアリングを使用してきた。これら全ての方法では、過度な漏れ損失や可動部品間の機械的な接触を回避するために、極めて精密な寸法公差が要求される。ディスプレーサ−ピストンを有する標準的なベータ型の配置では、ディスプレーサロッドがピストンを貫通するため、ディスプレーサおよびピストンに対する精度の要求が、相互に荷重される。ディスプレーサロッドを、ピストン内において同軸状に位置合わせすることは、ディスプレーサおよびピストンの双方に対して更なる精度を要求し、コストを上げる強力な要因となる。
これらの課題は、図1に示される従来技術のベータ型フリー・ピストン・スターリング機関において見ることができる。密閉シールされたケーシング10は、シリンダ14内で往復運動するピストン12と、ピストン12を貫通してシール状態でスライドするディスプレーサロッド18を設けたディスプレーサ16とを有する。ディスプレーサロッド18の終端部は、平面スプリング20に接続される。作動空間は、作動ガスが熱交換器26、28および再生器30を介して圧縮空間24に連通する膨張空間22を備える。図1は、相互に接触する全ての円筒面間の摩擦を最小限にする一方、円筒面間のシール係合も達成しつつ、全ての円筒の軸芯を同時に合わせるという課題を示している。これらの全ての円筒面は、同軸にする必要があり、また、円筒面間の間隙は、円筒面間をガスシールするために十分小さくなければならず、円筒面間の摩擦を最小にして軸位置合わせを実用的なものにするために十分大きくなければならない。
図1のベータ型の配置では、往復運動する構成要素のそれぞれが、シリンダ内において、精密に軸位置合わせされる。ディスプレーサロッド18は、その全長にわたってピストンと精密に同心となるように嵌合しつつピストン12を貫通し、したがってディスプレーサおよびピストンが作動中に動かなくならないような同心度及び垂直度の限度内にて、ディスプレーサおよび平面スプリング20に精密に取り付けられなければならない。通常リニア発電機35が、ピストン12に取り付けられている。ピストンおよびディスプレーサは同心にて運動するため、不均衡な反力がケーシング10に作用する。軸方向に往復運動する質量に起因する軸方向振動を最小にするため、通常ケーシング10に取り付けられたダイナミックバランサ32によってバランスをとっている。
周知のガンマ型構成では、ディスプレーサおよびピストンを、それぞれに対する精度要求が、ベータ型構成の場合のように互いに干渉することがないように、別個のシリンダ内に配置することによって、この軸位置合わせの課題を解決している。しかしながら、ガンマ型の配置の欠点は、ベータ型構成の機関よりも大きい無駄な空間を有するという点である。さらに殆どの従来技術によるガンマ型の機関における、別々のシリンダ内へのピストンおよびディスプレーサの配置では、ベータ型の機関のケーシングに作用する1軸方向振動よりもバランスをとることが難しい、振動トルクと振動力との両方をケーシングにもたらす。後者の課題は、公開文献に発表された少なくとも1つの設計事例に認めることができ、この設計事例では、2つの対向するピストンを使用して、ケーシングに作用する振動トルク成分を除去している。
ベータ型のフリーピストン機関に関する第2の課題は、広く使用されるダイナミックバランス技術によって、ベータ型の機関を単一の振動周波数で作動させるようにする点である。エンジンを単一の振動周波数で作動させるように配置することは困難であり、また例えば直流電気格子接続(direct electric grid connection)によって、機関の振動周波数を安定させることが必要になる。冷却器では、単一振動周波数での作動を容易に確立することができる。これは、機関が電気によって駆動されるからである。しかしながら冷却器では、作動周波数を変えるときに、時として熱力学的な利点が存在するものの、ダイナミックバランサが使用される場合には、この熱力学的な利点を得ることはできない。フリー・ピストン・スターリング機関にとって理想的な構成は、次のとおりである。
a. 良好な熱力学的作動に必要とされる以上の精度は要しない。
b. 無駄な空間を最少限にする。
c. 異なる作動周波数を含む全ての運転状態の下でバランスがとれる。
そこで本発明の目的および特徴は、ピストンの振動力をバランスさせるための質量および方向を有するパワーピストンを有し、最も重要な点は、機関のサイズおよび質量を減ずると共に効率を向上させるために、作動空間の無駄な(非掃出)容積を最少限にする、ガンマ型構成のフリー・ピストン・スターリング機関を提供することにある。
本発明は、ガンマ型構成を有する改良されたフリー・ピストン・スターリング機関である。この機関は、内側端を有し、かつディスプレーサシリンダ内において、ディスプレーサの軸に沿って往復運動するディスプレーサを含む。2つ以上のパワーピストンは、バランスがとれる構成で配置され、パワーピストンの運動量ベクトルを相殺して振動を最小限にする。各パワーピストンは、内側端を有するとともに、内側端を有するシリンダ内で往復運動する。各シリンダは、閉塞されない開口を内側端に有し、この開口は、作動空間における共通の容積内に開いている。共通の容積は、ディスプレーサシリンダおよびピストンシリンダの内側突出部が交差する部分によって画定される。ディスプレーサおよびピストンが往復運動する範囲は、それぞれ共通の容積内に延伸する。ピストンのように機能するディスプレーサ駆動ロッドが、駆動ロッドシリンダ内で往復運動する。ディスプレーサ駆動ロッドおよび駆動ロッドシリンダは、共通の容積の外側であって、ディスプレーサが接する共通の容積とは反対側に位置される。ディスプレーサは、ディスプレーサ接続ロッドによりディスプレーサ駆動ロッドに接続される。ディスプレーサおよびピストンには、それらの内側端に、相互に補完する対向面が形成される。
従来技術によるベータ型構成のフリー・ピストン・スターリング機関の軸を含む断面図である。
本発明による実施形態の軸を含む断面図である
本発明による他の実施形態の軸を含む断面図である。
本発明による更なる他の実施形態の軸を含む断面図である。
図2に示した本発明の実施形態の組立構成を図解する分解斜視図である。
2つの対向するピストンを有する本発明の実施形態におけるケーシングの斜視図である。
3つのピストンを有する本発明の実施形態におけるケーシングの斜視図である。
4つのピストンを有する本発明の実施形態におけるケーシングの斜視図である。
図2および図6Aに示される実施形態のピストン上の相補的な界面輪郭を示す概略水平断面図である。
図6Bに示される実施形態のピストンにおける補完的な対向面を示す概略水平断面図である。
図6Cに示される実施形態のピストンにおける補完的な対向面を示す概略水平断面図である。
図面に示した本発明の好ましい実施形態を説明する際には、説明を明確にするため、特定の専門用語が用いられる。しかし本発明をそのように選択された特定の用語に限定することを意図するものではなく、それぞれの特定の用語は、同様の目的を達成するために同様の態様で作動する全ての技術的に等価なものを含むものと理解すべきである。
本発明は、2つ以上のパワーピストンと単一のディスプレーサとを有する、フリーピストン様式のガンマ型構成を利用している。パワーピストンは、ディスプレーサの作動方向に対して直角に配置されるのが好ましい。無駄な容積を最少にするため、ディスプレーサを駆動する領域は、パワーピストンの下側に設けたディスプレーサスプリングに取り付けられる。これによってパワーピストンを、ディスプレーサ駆動ロッドに係合、または接触させる必要がなくなり、従来のベータ型機関のように、ディスプレーサ駆動ロッドをパワーピストン内に設ける必要がなくなる。これによりパワーピストンを、互いに最小距離まで近づけることが可能となる。無駄な容積を更に減少させるために、ディスプレーサおよびパワーピストンを、互いに交差するように設計してもよい。パワーピストンは、機関のケーシングに加わって振動を引き起こす正味の力を釣合わせるように大きさ及び位置が決められ、往復運動する。これは不完全ではあるが、現実的な釣合を達成する。ディスプレーサは、釣合いがとれていないが、一般的に、機関の全質量に比べると質量が小さいので、残存する不釣合による動きは、実際には非常に小さく、多くの場合において許容できる。ディスプレーサの振幅(約5〜10mm)を、機関全体に対するディスプレーサの質量比(約20〜50)で割ると、残りの振動の振幅が得られる。更なる釣合いが要求されれば、従来のダイナミックバランサを使用できるが、ディスプレーサの運動による力だけについて釣合わせを必要とするものであるため、質量およびサイズを、大幅に小さくすることが必要となる。パワーピストンは、分離されたアセンブリであって、互いに機械的に干渉せず、またディスプレーサとも機械的に干渉しない。実質的に、ディスプレーサアセンブリをパワーピストンから完全に分離させることができる。
図2は、ガンマ型構成を有する改良されたフリー・ピストン・スターリング機関であって、本発明の実施形態を示している。図2のスターリング機関は、内側端42を有するディスプレーサ40を有する。ディスプレーサ40は、ディスプレーサシリンダ44内において、ディスプレーサ軸46に沿って往復運動する。ディスプレーサ40は、作動空間を圧縮空間48と膨張空間50とに分ける。
2つのパワーピストン52、54は、バランスがとれる構成で配置され、それらのモーメントベクトルを相殺する。この実施形態において、バランスがとれる構成の配置とは、両方のパワーピストンが、それぞれのシリンダ58、60内で、軸56に沿って往復運動することである。パワーピストンは、互いに逆方向に往復運度するので、両方のパワーピストンが同時に内側に移動し、かつ外側に移動するという意味の位相で作動する。言い換えると、両者は、周期的な略サインカーブをなす運動であって、それぞれの接線角度は、両者の中間点を対称として同じである。各パワーピストンは、内側端62、64を有する。「内側」という用語は、機関のほぼ中心領域であって、パワーピストンとディスプレーサとの間を示すために使用される。パワーピストンシリンダ58、60およびディスプレーサシリンダ44は全て、それらの内側端に、作動空間の共通の容積内へ向かう閉塞されない開口を有する。
「共通の容積」という用語は、作動空間の内容積の一部を表わすために使用しており、ディスプレーサシリンダおよびパワーピストンシリンダの内側突出部が交差する部分によって画定される。全てのシリンダが幾何学的に内側方向に突出するならば、これらの内側突出部は、曲線に沿って交差する。これらの交差曲線が、隣り合う交差部分間に延伸する仮想表面によって、互いに結合される場合には、仮想表面は、全てのシリンダの延伸部または突出部内に含まれる容積空間を取り囲んで画定する。ディスプレーサまたはパワーピストンは、内側に十分に移動して、そのシリンダから一部分が突出すれば、共通の容積内に侵入することができる。本発明の実施形態においては、ディスプレーサおよびパワーピストンは、共通の容積内に延伸する往復運動範囲を有する。本発明では、ピストンと共通の容積との間、またはディスプレーサと共通の容積との間には、シリンダの突出部に向かって内側に延びる構成物は存在しない。そのような突出部は、共通の容積内へのディスプレーサまたはパワーピストンの往復運動を妨げる。したがって、本発明では、各シリンダから共通の容積内へと延びる閉塞されない円筒経路が存在する。必ずしも必要ではないものの、パワーピストンおよびディスプレーサのシリンダ壁は、実質的に交差線に沿って連結するのが好ましいが、交差線を越えて延びることはできない。共通の容積内に、他のパワーピストンまたはディスプレーサが進入することを妨げるからである。
「無駄な」容積または空間、および「非掃出(unswept)」容積または空間という用語も使用される。全てのガンマ型構成のスターリング機関では、ディスプレーサの内側端および各パワーピストンの内側端は、作動空間の一部を仕切る(仕切りを形成する)。ディスプレーサおよび各パワーピストンは、各シリンダ内で、作動状態の機能に応じて変化する往復運動範囲内で往復運動する。しかしながら、ディスプレーサまたはパワーピストンが進入せずに非掃出となる内部空間または内部容積が、常に存在する。この非掃出となる空間は、無駄なまたは非掃出の空間若しくは容積と称される。従来技術によるベータ型フリー・ピストン・スターリング機関は、無駄な空間が存在しないように構成することができる。なぜならディスプレーサおよびパワーピストンは、異なる時間およびサイクルの位相において、同一の円筒容積内で運動する(同じ円筒容積を占める)ことが可能であるからである。しかしながら、ガンマ型フリー・ピストン・スターリング機関では、無駄な空間が常に存在し、従来技術による機関では、この無駄な空間が比較的大きい。発明者が知る限りでは、パワーピストン相互またはディスプレーサと1つ以上のパワーピストンとの衝突を避ける必要があるため、従来技術によるガンマ型機関では、パワーピストンおよびディスプレーサが往復運動する範囲は、共通の容積から離れた位置に保たれ、決して共通の容積には近づけさせない。本発明は、ガンマ型フリー・ピストン・スターリング機関の構成部品が、共通の容積内へ侵入可能となるように構成し、また往復運動するディスプレーサおよびパワーピストンが、互いに近寄ることができるように形成し、これにより共通の容積内において、ディスプレーサの内側端とパワーピストンの内側端との間の容積を最少にすることによって、無駄な空間を最少にする。衝突の回避を確保するため、ある程度の小さい無駄な容積は残る。
図2に示す実施形態の説明に戻ると、ディスプレーサ駆動ロッド66は、駆動ロッドシリンダ68内で往復運動する。ディスプレーサ駆動ロッド66およびディスプレーサ駆動ロッドシリンダ68は、共通の容積の外側であって、ディスプレーサ40が接する共通の容積とは反対側に位置する。ディスプレーサ40は、ディスプレーサ接続ロッド70によってディスプレーサ駆動ロッド66に接続される。
当業者には公知のことであるが、ディスプレーサ駆動ロッド66の機能を説明することが望ましいと思われる。フリー・ピストン・スターリング機関では、作動空間内のガスの圧力は、周期的に略正弦波状に変化する。作動空間内のガスの圧力は、パワーピストンおよびディスプレーサの断面積に作用して、それらを移動する駆動力を与える。作動空間のガスの圧力が周期的に変化するため、ガスの圧力の変化が、パワーピストンおよびディスプレーサを、周期的な運動をするように駆動するが、ディスプレーサは、パワーピストンと位相が一致しない。容易に理解できることだが、各パワーピストンに作用する駆動力は、その作動軸に対して垂直な面におけるパワーピストンの断面積に、作動空間の圧力を乗じたものになる。
従来技術では、全長にわたって同じ直径のロッドが、ディスプレーサから、ガスばね、はね返り空間(bounce)、乃至バックスペースまで、その全長にわたって延びている。例えば、図1のベータ型構成の機関では、ディスプレーサロッド18が、はね返り空間33まで延びている。従来技術による公知のガンマ型の機関でも同じことが言える。はね返り空間またはガスばねは、作動空間と重要な関係を有していないが、ディスプレーサのセンタリングのために、極僅かな関係(この説明においては重要ではない)が有るかもしれない。ディスプレーサは、作動軸と垂直な面におけるディスプレーサロッドの断面積に作用する、周期的に変化する作動空間の圧力によって往復駆動される。その結果、ディスプレーサロッドは、パワーピストンのように機能する。ディスプレーサロッドの断面積は、ディスプレーサ駆動面積と称される場合がある。
本発明では、ディスプレーサは、同じ態様で往復駆動される。しかしながら、本発明では、ディスプレーサ駆動ロッド66およびディスプレーサ駆動ロッドシリンダ68は、共通の容積の外側であって、ディスプレーサ40が接する共通の容積の反対側に位置する。すなわちディスプレーサ駆動ロッド66およびディスプレーサ駆動ロッドシリンダ68は、共通の容積の外側に置かれ、よってこれらの部品が、パワーピストンが衝突しない場所に配置される。したがって「ディスプレーサ駆動ロッド」という用語は、作動空間の圧力の変化によって、ディスプレーサを往復駆動させる力が加えられるピストンを表すために採用される。「ディスプレーサ接続ロッド」という用語は、ディスプレーサ駆動ロッドをディスプレーサに接続する、機械的な連結部を表すために採用される。本発明において、ディスプレーサ接続ロッドは、かなり小さい直径または薄い厚さを有するように形成することが可能であり、ディスプレーサ駆動ロッドよりもかなり小さくなる。したがってパワーピストンが、共通の容積内に最大限に延伸するように形成することができる。太い直径のロッドを、共通の容積全体を貫通して延伸させる必要はない。
本発明の他の重要な特徴は、ディスプレーサおよびパワーピストンは、その内側端に補完的な対向面を有する点にある。「補完的な対向面」という用語は、ピストンおよびディスプレーサの終端面が、対向面の間が少ないあるいは最少の容積となるように互いに近づくことができる、形状および位置を有していることを意味する。この態様では、これらの往復運動する構成部品が、共通の容積内のかなり奥まで入り込め、これによって、共通の容積の大部分が、無駄な空間または非掃出空間とならない。
図2を再び参照すると、好ましい実施形態では、ディスプレーサの内側端42が円錐状である。ディスプレーサがパワーピストンに近づくことができる距離を最小にするため、ディスプレーサの内側端が円錐状の輪郭を有する場合には、ピストンの補完的な対向面は、円錐面の分割部分72、74となる。
ディスプレーサの内側端42は、パワーピストン52、54の作動と交差するように円錐状に形成され、パワーピストン52、54自体は、ディスプレーサの作動を、衝突しないで受け入れることができるように形成される。交差の度合は、設計者の選択による。交差をゼロとすると、非掃出容積は最大となり、交差を最大にすると、非掃出容積は最少となる。ディスプレーサ駆動ロッド66は、パワーピストンが到達する範囲から外れるように配置される。
図7に示すように、ディスプレーサ接続ロッド70との衝突を回避するために、パワーピストンを、陥凹状に形成してもよい。パワーピストン52、54はそれぞれ、円錐面72、74に加えて、接続ロッド70との衝突を回避するために、小さな溝(例えば、半円筒状の切り欠き)76、77を有することができる。無論、溝または切り欠きを、他の形状にすることができる。よって各パワーピストンの内側端は、ディスプレーサ接続ロッドに対して、サイズおよび位置が補完的な対向面となるキャビティを有することが好ましい。これらのキャビティまたは切り欠きにより、パワーピストンは最小距離まで互いに近づくことができる。最小とは、工学的設計上で選択される小ささを意味するが、パワーピストンは、依然としてディスプレーサロッドとの衝突を回避しなければならない。勿論替わりに、パワーピストンが有するキャビティまたは円筒状の切り欠きを、必要な大きい直径にして、ディスプレーサ接続ロッドを、ディスプレーサ駆動ロッドと同じ直径にすることもできる。
当該技術分野において公知のように、ディスプレーサの周期的な作動は、パワーピストンの周期的な作動をもたらす。したがってディスプレーサおよびパワーピストンが衝突を避けるように形成されるだけでなく、パワーピストンは、ベータ型機関のように、異なる時間にディスプレーサと同じ空間/容積の一部を占めることができる。なぜならパワーピストンが内側に移動しつつあるときには、ディスプレーサは、外側に移動しているからである。各パワーピストンおよびディスプレーサを、どの程度、共通の容積内へ移動させるかは、設計者の工学上の選択による。パワーピストンがより近くまで互いに近づくように、かつより近くまで接続ロッドに近づくように機関を設計すればするほど、無駄な容積を大きく減らせるが、作動が往復運動の設計範囲から外れて衝突をもたらす危険が高くなる。
図2に戻ると、当該技術分野において公知のように、はね返り空間80、82及び84は、例えばケーシング86内のパイプまたは通路によって、互いに接続される。当該技術分野において公知のように、はね返り空間内の圧力は、略一定の圧力に保たれる。しかしながら、後述するように、ガスばねを使用する場合には、ガスばねのガスチャンバは、はね返り空間に接続されない。
機械的な平面スプリング78が、ディスプレーサ駆動ロッド66に取り付けられる。ディスプレーサおよびパワーピストンは、ディスプレーサおよびピストンのシリンダの交差軸を有する、単なる1部品として形成可能なシリンダアセンブリ内で移動する。機関が、エンジンであるか冷却器(ヒートポンプ)であるかによって、パワーピストンを、リニア発電機、ガス圧縮機、および/または他の機械的負荷やパワーピストンを駆動させるモータに接続することができる。
パワーピストンの作動を同期させることは、共通の作動空間、共通のはね返り空間、および共通の発電機/モータ接続によって達成される。
パワーピストンおよびディスプレーサの内側端は、他の補完的な対向面を有することができる。例えば、パワーピストンおよびディスプレーサは、階段状の輪郭を有することができる。他の手段として、ディスプレーサは、例えば、その軸と垂直な平面状の端部を有する単なる円筒形状にすることができる。かかる場合、各パワーピストンを、径方向に沿った補完的な半円筒状の切り欠きを有する円筒状に形成すればよい。後述するように3つ以上のパワーピストンが存在する場合は、パワーピストンは、さらに他のパワーピストンのための逃げ部(切り欠き)、およびディスプレーサ接続ロッドと補完的な空洞または切り欠きを有するように形成する。補完的な対向面の位置ずれを引き起こす作動中のパワーピストンの回転移動は、平面スプリングまたはリニア発電機によって防止する。
図3は、ディスプレーサにバネ力を与えるために、平面スプリングに替えてガスばね88を有することを除き、図2の実施形態と同様な対向型のパワーピストンを有有する、ガンマ型構成の機関を示す。ディスプレーサ駆動ロッド90は、ガススプリングシリンダ94内でスライドするガススプリングピストン92に接続され、従来のガスばねを形成する。この構成によって、ディスプレーサ駆動ロッド90と、ガススプリングピストン92とを、コンパクトに一体形成することが可能となる。なおディスプレーサ駆動ロッド90の断面積によって、ディスプレーサ駆動面積が決まる。ディスプレーサ駆動ロッド90およびガススプリングピストン92は、いずれも共通の容積の外側であって、ディスプレーサ95が接する共通の容積と反対側に位置する。場合により、ガスばねを使用することが有利なことがある。ガスばね付きの機関では、同調状態が圧力と無関係に保たれるため、同調状態は、周囲温度に起因する圧力変化に耐える。したがって、例えば機械的なスプリング付きのディスプレーサよりも、かなり容易に同調状態を保つことができる。ガスばねでは、バネ定数が圧力によって直接調整され、さらに、ピストンの正味バネ定数も圧力によって直接調整されるため、このような機関では、充填圧力の変化に同調状態が依存する。これは、例えば砂漠環境におけるソーラーコンバータに要求される幅広い周囲温度変化に晒される機械にとって、特に有益である。図示しないが、一般的にガスばね付きの構成要素も含め、平面スプリングのような機械的なスプリングによって、重力またはガススプリングピストン92の前後間の漏洩によって、構成要素が中心位置から外れないように、センタリング力が与えられる。
図4は、図3に示すようなガスばねを設けたディスプレーサを有する、対向ピストン型のガンマ型機関の形式を示している。この機関は、スターリング機関ピストン104、106に、コンプレッサピストン100、102が直接取り付けられる対向型リニアコンプレッサ96、98を駆動するものであって、ここで1例として挙げる米国特許第6,701,721号に記載されるヒートポンプにも役立たせることができる。図3の機関と同様に、図4の機関は、米国特許第6,701,721号記載のヒートポンプを駆動することに併せて、リニア駆動発電機を駆動する。かかる場合、ヒートポンプの作動状態によって平均圧力が変化するので、同調状態を維持ために、ガスばね付きのディスプレーサの採用が不可欠である。
図5は、本発明によるパワーピストン対向型のガンマ型機関を、どのようにして組立てることができるかを示している。ディスプレーサアセンブリとパワーピストンアセンブリとは、完全に分離しており、独立して軸位置合わせすることができる。ディスプレーサは、それ自体のシリンダ内で別個に軸位置合わせされて、ケーシング124内に配置されるディスプレーサ・サブ・アセンブリ120を形成する。パワーピストン・サブアセンブリ126、128も同様に、軸位置合わせされてケーシング124に取り付けられる。それぞれのサブアセンブリは、いかなる他のアセンブリに対しても、精密な軸位置合わせを必要としない。高温部アセンブリ(エンジンの場合であって、冷却器の場合には低温部)122は、機関の最終閉塞体である。燃焼機(エンジンの場合)または冷却瓶(dewar)(冷却器の場合)用の取り付けフランジ130も示されている。単一の膨張空間によって、機関の高温(または低温)の端部に容易にアクセスできる。
図6に示されるように、本発明によるガンマ型のフリー・ピストン・スターリング機関は、図2、図3、および、図4に示す2つの対向するパワーピストンよりも多いパワーピストンを有するように構成してもよい。パワーピストンを実際に収容でき、かつパワーピストンのモーメントベクトルの総和をゼロにして、それ故、振動する部品を釣り合わせ、あるいは相殺するようにパワーピストンを配置できれば、2つ以上の任意の数のパワーピストンを使用してもよい。図6は、パワーピストンを2個、3個および4個配置した、それぞれのケーシング外観を示している。
図6のAは、図2、図3および、図4に示す2パワーピストン式の実施形態の配置を示している。ディスプレーサケーシング部140は、対向するピストンケーシング部142内におけるパワーピストンの往復運動軸に対して直角に配置する。機関が有する2つ以上のパワーピストンが、同一の出力、圧力および周期を有するためには、各々の構成において、パワーピストンによって与えられた全断面積を同一にしなければならない。そのため、同一の出力、圧力および周期を有する3パワーピストン式の機関は、個々のパワーピストンが、2パワーピストン式機関の2/3の断面積を有し、また4パワーピストン式の機関は、個々のピストンが2パワーピストン式機関の半分の断面積を有する。
図6のBはケーシング部148、150、152内に、3つのパワーピストンを配置したものを示している。パワーピストンは、ディスプレーサ146の往復運動軸の周りに、同一平面上において等角度で隔てた軸に沿って往復運動する。図8に示すように、3つのパワーピストン160、162、164には、円錐輪郭面166、168、170を有する補完的な対向面であって、円錐面を内側端に有するディスプレーサと補完的な対向面を設けてもよい。同様に、3つのパワーピストン160、162、164には、ディスプレーサ接続ロッドと補完的な切り欠きを設けてもよい。さらに3つのパワーピストン160、162、164が、中央の共通の容積内で互いに近接することができるように、パワーピストンの終端部は、各パワーピストンの対向する端面が互いに120°になるように、パワーピストンの往復運動軸に対して60°の角度となるような平端面174、176からなる端面を有してもよい。勿論、他の補完的な対向面も使用可能である。
図6のCは、90°の角度で離間される同一平面上の軸に沿って、4つのパワーピストンが往復運動する配置を示しており、各軸は、ディスプレーサの往復運動軸と90°で交差する。補完的な対向面をパワーピストンおよびディスプレーサに与えるという同様な概念が、図9の4パワーピストン式の配置に関して示されている。4つのパワーピストンおよびそれらの4つのシリンダが存在するが、それらは同一であるため、1つだけについて説明する。シリンダ182内で往復運動するパワーピストン180は、円錐状の内側端を有するディスプレーサを受け入れるために、円錐を分割した補完的な対向面184を有する。また、このパワーピストンは、ディスプレーサ接続ロッド188に対する補完的な対向面を形成するために、半円筒状の切り欠きまたはチャンネル186を有する。さらにパワーピストン180の終端部は、4つの全てのパワーピストンが衝突することなく互いに近接できるように、相互に90度の角度で交差する平端面190、192を有する。
3つ以上のパワーピストンのための、他のバランスがとれる配置がある。3次元配置を含む等角度間隔で離間される往復運動軸に沿って、任意の数のパワーピストンを配置することができる。さらに他の相対的な方向を有する軸に沿って往復運動するように、パワーピストンを配置することができる。異なる質量を有するパワーピストンを使用してもよく、かかる場合は、振動を釣り合わせるために、パワーピストンのモーメントベクトルの総和をゼロにすることが唯一の要件となる。
いかなる振動釣合い手段もなければ、本発明による機関の唯一の残留振動は、ディスプレーサのモーメント、および、結果として生じるケーシングの反作用モーメントによる振動である。したがって、振動を引き起こす唯一の構成要素であるディスプレーサの質量を、実用範囲内において、でるだけ減らすことが望ましい。ケーシング振動の振幅は、ディスプレーサの質量×ディスプレーサの振幅÷機関の残りの部分の全質量に比例するため、振動振幅は、機関の残余部分の質量に対するディスプレーサ質量の比率に比例する。したがって、機関の全質量に対してディスプレーサの質量を可能な限り小さくしようとする動機が存在する。
以上から分かるように、従来技術による典型的なガンマ型構成のフリー・ピストン・スターリング機関は大型であり、したがって望ましくない無駄な容積を有するが、本発明の実施形態では、ガンマ型構成の他の利点を保ちつつ、無駄な容積を大幅に減らして、殆んど無くする。この無駄な容積の減少は、機関の単位体積(すなわち、機関全体のサイズ)当たりの能力をより高める。この減少は機関の比能力を向上させる。ここで、比能力は、エンジンとして作動するかあるいは冷却器/ヒートポンプとして作動するかにかかわらず、機関の単位体積当たりの仕事または出力として規定される。
図1の図面と図2の図面とを見比べると、従来のベータ型構成のフリー・ピストン・スターリング機関と、本発明によって構成される2ピストン式の機関とを、サイズにおいて比較することができる。ここで2つの機関は、出力、周期、および圧力が同一となるように設計されている。ディスプレーサおよびパワーピストンのシリンダの非掃出容積の最少化は、ディスプレーサおよびパワーピストンを、双方の運動が物理的に衝突しないように交差できるように形成することによって達成される。明らかに、図2のパワーピストン対向型のガンマ型機関は、図1のベータ型構成の機関よりも短くてコンパクトである。設計上では、1Kwのピストン対向型ガンマ型機関は、同じ圧力および周期を持つ等価な従来のベータ型機関よりも、質量が20kg小さくなることが判明した。振動バランサを何ら伴わないパワーピストン対向型ガンマ型の振動レベルは、振動バランサを取り付けたベータ機関と、よく似ていた。
図面と関連する詳細な説明は、主に本発明の現時点における望ましい実施形態についての説明として意図されており、本発明を構成したり、あるいは利用したりすることができる唯一の構成を表すことを意図するものではない。この説明は、図示の実施形態と関連して、本発明を実施する構成、機能、手段および方法を記述している。しかしながら、本発明の思想および範囲内に包含するように意図された異なる実施形態によって、同一または同等な機能および特徴を達成でき、また本発明あるいは次の請求の範囲から逸脱することなく、様々な変更を採用することができると理解すべきである。

Claims (13)

  1. 内側端を有するディスプレーサを含み、
    上記ディスプレーサは、ディスプレーサシリンダ内においてディスプレーサ軸に沿って往復運動すると共に、作動空間を圧縮空間と膨張空間とに区画する、
    改良されたガンマ型構成を有するフリー・ピストン・スターリング機関において、
    (a)少なくとも2つのパワーピストンを備え、
    上記パワーピストンは、これらのパワーピストンのモーメントベクトルを相殺してバランスがとれる構成となるように配置され、
    それぞれの上記パワーピストンは、内側端を有すると共に、内側端を有するピストンシリンダ内で往復運動し、
    上記ピストンシリンダは、それぞれ上記作動空間の共通の容積内へ向かう閉塞されない開口を上記内側端に有し、
    上記共通の容積は、上記ディスプレーサシリンダおよび上記ピストンシリンダの内側突出部が交差する部分によって定められ、
    上記ディスプレーサおよび上記パワーピストンは、それぞれ上記共通の容積内へ延伸する往復運動範囲を有しており、
    (b)駆動ロッドシリンダ内で往復運動するディスプレーサ駆動ロッドを備え、
    上記ディスプレーサ駆動ロッドおよび上記駆動ロッドシリンダは、上記共通の容積の外側であって、上記ディスプレーサが接する上記共通の容積とは反対側に位置し、
    上記ディスプレーサは、ディスプレーサ接続ロッドによって上記ディスプレーサ駆動ロッドに接続される。
  2. 前記ディスプレーサおよびパワーピストンは、前記内側端に補完的な対向面が形成されている請求項1に記載のフリー・ピストン・スターリング機関。
  3. 前記ディスプレーサ接続ロッドは、前記ディスプレーサ駆動ロッドよりも小さい直径または厚さを有する
    請求項2に記載のフリー・ピストン・スターリング機関。
  4. それぞれの前記パワーピストンの内側端は、サイズおよび位置において、前記ディスプレーサ接続ロッドに対する補完的な対向面を備えたキャビティを有する
    請求項2に記載のフリー・ピストン・スターリング機関。
  5. 前記ディスプレーサの内側端は、円錐状の外形を有し、
    前記パワーピストンの補完的な対向面は、円錐面の分割部分である
    請求項2に記載のフリー・ピストン・スターリング機関。
  6. 前記釣合構成のパワーピストンが少なくとも3つ存在する
    請求項2に記載のフリー・ピストン・スターリング機関。
  7. 前記釣合構成のパワーピストンが少なくとも4つ存在する
    請求項2に記載のフリー・ピストン・スターリング機関。
  8. 前記ディスプレーサ接続ロッドは、前記ディスプレーサ駆動ロッドよりも小さい直径または厚さを有し、
    前記パワーピストンの内側端は、それぞれサイズおよび位置において、上記ディスプレーサ接続ロッドに対する補完的な対向面を備えるキャビティを有する
    請求項2に記載のフリー・ピストン・スターリング機関。
  9. 前記ディスプレーサの内側端は、円錐状の外形を有し、
    前記パワーピストンの補完的な対向面は、円錐面の分割部分である
    請求項8に記載のフリー・ピストン・スターリング機関。
  10. 前記釣合構成のパワーピストンが少なくとも3つ存在する
    請求項9に記載のフリー・ピストン・スターリング機関。
  11. 前記釣合構成のピストンが少なくとも4つ存在する
    請求項9に記載のフリー・ピストン・スターリング機関。
  12. 前記ディスプレーサは、このディスプレーサを共振させるために、機械的なスプリング、ガスばね、または機械的なスプリングとガスばねとの両方に接続されている
    請求項2に記載のフリー・ピストン・スターリング機関。
  13. 前記パワーピストンは、リニアモータ/発電機、リニア圧縮機、またはこれらの両方に接続される
    請求項2に記載のフリー・ピストン・スターリング機関。
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