JP5038773B2 - 埋設管の壁面加工装置 - Google Patents
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Description
図5に示すように、スナップロック工法は、配管における亀裂等の損傷部の内面にゴム製スリーブGと金属製スリーブSとを取り付ける工法であり、ゴム製スリーブGを挟んだ状態で金属性スリーブSの外周面を配管Pの内面に取り付けることによって亀裂等からの漏水を防ぐことができるものである。
かかる構造としておけば、配管Pに地震等の力が加わっても、鉄筋に比べて強度の弱い金属性スリーブS等を設けた部分に地震等の力が集中して加わる。すると、金属性スリーブSを設けている部分が損傷し地震等の力を吸収するので、他の部分が損傷することを防ぐことができる。そして、金属性スリーブS等を設けている部分では、亀裂等が発生しても、金属性スリーブS等によって漏水を防ぐことできる。
しかし、金属性スリーブSによってゴム製スリーブGを配管P内面に均一に押し付けるには、金属性スリーブSの外周面が配管Pの内面と平行に配設しなければならないので、位置決め用の溝Pgを配管Pの中心軸と直交する面と配管Pの内面との交線に沿って正確に形成する必要がある。
特許文献1に記載されている装置では、配管の中心軸と同軸となるように配設された軸と、その軸に該軸の中心軸周りに回転するように取り付けられたエアグラインダとを備えており、エアグラインダを回転させることによって配管内面に沿って溝を形成することができる。
ところが、特許文献1の装置では、エアグラインダを支持する架台を管の端面に形成されたフランジに固定する構成を採用しているが、地中に埋設されている配管ではフランジに架台を取り付けることは困難である。すると、特許文献1の装置は、地中に埋設する前の配管に対して溝を形成する作業には使用できるものの、既に地中に埋設されている配管に後から溝を形成する作業に使用することは困難である。
第2発明の埋設管の壁面加工装置は、第1発明において、前記連結部材は、前記切削手段の切削部を案内する案内部を備えており、前記切削手段の切削部は、前記連結部材の案内部を、全ての脚部の中心軸が配設される平面と直交する方向から挟む一対の挟持部材を備えており、前記案内部は、前記一対の挟持部材がそれぞれ接触する一対の案内面を有しており、該案内面は、全ての脚部の中心軸が配設される平面に対して平行となるように形成されていることを特徴とする。
第3発明の埋設管の壁面加工装置は、第1または第2発明において、前記配管がヒューム管であり、前記切削手段の切削部は、ヒューム管の鉄筋を切断し得るものであることを特徴とする。
第2発明によれば、切削部の一対の挟持部材が案内部を挟んでいるから、案内部によって配管の軸方向への切削部の移動が規制される。しかも、一対の挟持部材は全ての脚部の中心軸が配設される平面に対して平行な案内面に案内されて移動するので、切削部による切削箇所を、配管の中心軸と直交する面と配管の内面との交線に沿って移動させることができ、正確に配管内面を切削することができる。
第3発明によれば、埋設されているヒューム管であっても、耐震構造を有する配管に改修することができる。
図1は本実施形態の壁面加工装置1を配管P内に配設した状態の概略正面図である。図2は本実施形態の壁面加工装置1を配管P内に配設した状態の概略背面図である。図3は図1のIII−III線断面矢視図である。
なお、本明細書における切削加工とは、配管Pの内面を削って溝を形成する加工、および壁面を完全に切断する加工を含む概念である。
図1〜図3において、符号11は固定手段10のベース部材を示している。このベース部材11は、平板状の部材であって、その中心から外方に向かって放射状に延びた3つの支持部11aを備えている。各支持部11aは、ベース部材11の中心まわりに、等角度間隔で配設されている。
この3つの支持部11aには、3つの棒状の脚部12の基端部がそれぞれ固定されている。各脚部12は、その中心軸が各支持部11aの裏面と平行となるように配設されている(図3参照)。言い換えれば、3本の脚部12は、ベース部材11の裏面と平行な同一平面(以下、基準面という)内に位置するように、ベース部材11の支持部11aに取り付けられているのである。そして、各脚部12は、その軸方向に沿って伸縮可能かつ、所望の長さで軸方向の移動を固定し得るように形成されており、その先端部には、板状や筒状に形成された接触プレート13が設けられている。
このため、3本の脚部12に加わる反力は、ベース部材11だけでなく連結部材15でも支持することができ、しかも、3本の脚部12はその先端の相対的な位置が連結部材15によって固定されるので、3本の脚部12を配管P内に安定した状態で設置しておくことが可能となる。
なお、連結部材15は、基準面と平行な一対の案内面16a,16aを有する案内部16を備えているが、その理由は後述する。
さらになお、3本の脚部12の剛性が非常に高ければ、配管Pの内径が1500mm以上でも、連結部材15なしで3本の脚部12を配管P内に安定した状態で設置できるが、この場合には、脚部12の素材が高価になったり脚部12の重量が増加したりするので、作業性やコストを考慮すれば、配管Pの内径が1500mm以上の場合には、連結部材15を設けることが好ましい。
図2および図3に示すように、前記固定手段10のベース部材11の中心には、その裏面、つまり基準面と直交するように切削手段20の回転軸21が設けられている。この回転軸21は、ベース部材11に対して、軸方向へは移動できないが、軸まわりの回転はできるように取り付けられている。
図3に示すように、回転軸21には、ウォームホイール21aが取り付けられている。このウォームホイール21aは、前記ベース部材11に固定されたモータ22の主軸に設けられたウォームと噛み合っている。
そして、スライドベース23には、その軸方向に沿って移動可能に切削部25のケース26が取り付けられている。
上記の回転軸21、ウォームホイール21a、ウォーム、モータ22、スライドベース23が特許請求の範囲にいう切削手段20の移動機構である。
一対のローラ24a,24aは、その回転軸が基準面と平行、つまり、案内部16の案内面16a,16a(図3参照)と平行となるように配設されている。しかも、一対のローラ24a,24aは、その回転軸が連結部材15の半径方向に沿って配設されており、両ローラ24a,24aによって案内部16の案内面16a,16aを、基準面と直交する方向から挟むように配設されている。
上記の一対のローラ24a,24aが特許請求の範囲にいう一対の挟持部材であるが、一対の挟持部材は上記のごとき構成に限られず、案内部16の案内面16a,16aを基準面と直交する方向から挟むことができ、しかも、案内面16a,16aに沿って移動可能なものであれば特に限定されない。
このため、ネジ軸23aを回転させれば、ナット25aをネジ軸23aの軸方向に移動させることができ、ナット25aとともに切削部25をスライドベース23の軸方向に沿って移動させることができる。つまり、ネジ軸23aを回転させれば、切削部25を配管Pの内面に近づけたり、遠ざけたりすることができるのである。
図4に示すように、切削部25は、スライドベース23に対して、その軸方向に沿って移動可能に取り付けられた前記ケース26を備えている。このケース26には、油圧モータ等の駆動手段27が設けられており、この駆動手段27はその主軸が回転軸21と平行、つまり、基準面と直交するように配設されている。この駆動手段27の主軸にはスプロケット27aが取り付けられている。
また、ケース26において、駆動手段27よりも先端側には、駆動手段27の主軸、つまり、回転軸21と平行となるように従動軸28が配設されている。この前記従動軸28には円盤状の切断刃29が取り付けられており、この切断刃29はその回転面が従動軸28と直交するように、言い換えれば、基準面と平行となるように取り付けられている。
そして、切断刃29が取り付けられている従動軸28にはスプロケット28aが固定されている。このスプロケット28aと前記スプロケット27aとの間には、チェーン27bが巻き掛けられている。
また、スライドベース23の軸方向が回転軸21と直交しており、しかも、回転軸21と従動軸29が平行であるから、駆動手段27を駆動させたまま、モータ22を駆動させれば、切断刃29を基準面と平行な状態で回転させたまま、切断刃29に回転軸21の周囲を公転させることができる。
しかも、切断刃29を基準面と平行に保ったまま、回転軸21の周囲を公転させることができるから、配管Pの内面に沿って配管Pの内面と垂直な連続した溝を形成したり、配管Pをその内面と垂直な断面で切断したりすることができる。
さらになお、回転軸21やスライドベース23、ケース26の剛性が非常に高ければ、連結部材15を設けなくても切削部25が配管Pの軸方向に移動することを防ぐことができるが、この場合には、回転軸21等の素材が高価になったり回転軸21等の重量が増加したりするので、作業性やコストを考慮すれば、配管Pの内径が1500mm以上の場合には、連結部材15を設けることが好ましい。
まず、加工を行う配管Pの内面に本実施形態の壁面加工装置1を設置する。具体的には、基準面が配管Pの中心軸と直交するように、言い換えれば、配管Pの中心軸と回転軸21の中心軸とが平行となるように、3つの脚部12の接触プレート13を配管Pの内面に押し付けた状態で固定する。
このとき、接触プレート13と配管Pの内面との間に、切断刃29の切削抵抗によって3つの脚部12が配管Pの内面から移動しない程度の付勢力が発生するように、3本の脚部12の伸長量を調整する。
なお、壁面加工装置1は、配管Pの中心軸と同軸となるように配設してもよいし、回転軸21の中心軸が配管Pから半径方向にズレた位置に配設されるように固定してもよい。
切断刃29が配管Pの内面に接触後、さらに切削部25を配管Pの内面に向かって移動させれば、切断刃29が配管Pの内面に切込んで、配管Pの内面にその内面と垂直な溝が形成される。そして、切断刃29の切込み量が所定の量になると、ネジ軸23aの回転を停止し、切削部25の移動を停止させる。
なお、壁面加工装置1は、切断刃29の切込み量を、配管Pの円周方向における位置によって変えることも可能である。切込み量を変えるときには、一旦回転軸21の回転を停止してからネジ軸23aを回転させて切込み量を調整すればよい。
切削部25は、連結部24によって連結部材15の案内部16に連結されており、切削部25はその公転中案内部16の一対の案内面16a,16aに案内されて移動するから、切削部25が一回転したときに、切削開始位置と切削終了位置を一致させることができる。つまり、切断刃29によって形成された溝は、基準面と平行な面と配管Pの内面との交線に沿った、一本の連結した円環状の溝をとなるのである。
10 固定手段
11 ベース部材
12 脚部
15 連結部材
16 案内部
16a 案内面
20 切削手段
25 切削部
29 切断刃
P 配管
Claims (3)
- 埋設された配管を内側から切削加工する装置であって、
前記配管の内面を切削する切削手段と、
該切削手段を前記配管内に固定する固定手段と、を備えており、
該固定手段は、
前記切削手段が連結されるベース部材と、
該ベース部材から放射状に延設され、先端を前記配管内面に押し付けた状態で配設される複数の脚部と、を備えており、
該複数の脚部は、
全ての脚部の中心軸が同一平面内に位置するように配設されており、
前記切削手段は、
円盤状の切断刃を備えた切削部と、
全ての脚部の中心軸が配設される平面と直交する軸周りにおいて、前記切断刃の回転軸を全ての脚部の中心軸が配設される平面と直交する軸に対し平行に保ったまま、前記切削部を円周方向に移動させる移動機構と、を有しており、
前記固定手段は、
前記複数の脚部において、隣接する脚部における先端近傍を連結する連結部材を備えており、
該連結部材が円環状の部材であり、
前記切削手段の切削部は、前記連結部材に対し該連結部材に沿って移動可能に連結されている
ことを特徴とする埋設管の壁面加工装置。 - 前記連結部材は、前記切削手段の切削部を案内する案内部を備えており、
前記切削手段の切削部は、
前記連結部材の案内部を、全ての脚部の中心軸が配設される平面と直交する方向から挟む一対の挟持部材を備えており、
前記案内部は、
前記一対の挟持部材がそれぞれ接触する一対の案内面を有しており、
該案内面は、全ての脚部の中心軸が配設される平面に対して平行となるように形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の埋設管の壁面加工装置。 - 前記配管がヒューム管であり、
前記切削手段の切削部は、ヒューム管の鉄筋を切断し得るものである
ことを特徴とする請求項1または2記載の埋設管の壁面加工装置。
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