JP5036365B2 - 曳航体の深度制御方法とその装置 - Google Patents

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本発明は、トロール船のトロール網や海洋調査船の水中観測器等、自身でアクチュエータを持たない水中の曳航体を目標深度に制御する深度制御方法とその装置に関するものである。
従来より、トロール船のトロール網や海洋調査船の水中観測器等(この明細書及び特許請求の範囲の書類中では、これら水中を曳航するものを総称して、「曳航体」という。)は、船舶によって曳航されている。このような曳航体は、船舶から繰り出されたロープ(この明細書及び特許請求の範囲の書類中における「ロープ」は、綱、ワイヤロープ等の「索」を全て含む。)で水中を曳航されている。以下、このような曳航体として、トロール船によって曳航されるトロール網を例にして説明する。
図5は、トロール船によって曳航されるトロール網の一例を示す概略平面図である。図示するように、前記トロール網51は、トロール船52(船舶)に設けられたウインチ53L,53Rから繰り出されたロープ54L,54Rによって曳航されている。このロープ54L,54Rは、ウインチ53L,53Rによって所定の繰り出し/巻き込み速度に制御されている。ウインチ53L,53Rは、一般的に油圧駆動のアクチュエータ55L,55Rによって駆動されている。
また、トロール網51の場合、通常、その前面を開くための拡網具56L,56R(以下、「オッターボード」という。)を介してトロール船52によって曳航されている。オッターボード56L,56Rは、水流を受けてトロール網51の網口を開くような力を発生させる形状となっている。このオッターボード56L,56Rをトロール船52から繰り出されたロープ54L,54Rで曳くことにより、トロール網51は網口が開いた状態を保ちながら曳航される。
このトロール網51を、トロール船52に設けられた魚群探知機等で探知された魚群等に近づける場合、トロール網51の深度を圧力センサ等によって監視しながら、トロール網51が目標深度に近づくようにウインチによるロープの繰り出し/巻き込み操作を行って深度制御をしている。
この種の従来技術として、無人潜水機を曳航するロープを繰り出すウインチの制御精度を高めるために、制御係数とロープ繰り出し速度とロープ長と伝達速度とにより算出される応答遅れ時間、設定深度信号、深度情報を制御装置に入力し、この制御装置で算出された補正信号によってウインチを制御するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開平2−216505号公報
ところで、従来の曳航体の深度制御方法には、ウインチによるロープの繰り出し/巻き込み操作を自動制御してロープ長を一定にする方法がある。しかし、この方法の場合、ロープ長の制御のみを自動化しており、船速まで含めた自動制御は行われていない。しかも、例えば、前記トロール網51の場合、前面の網口をオッターボード56L,56Rによって開いているが、このオッターボード56L,56Rは、対水速度が下がると揚力を失ってトロール網51の網口を開く機能を失ってしまう。その上、オッターボード56L,56Rは、一度揚力を失うと適切な姿勢とならずにその後に対水速度が上がっても網口を開くことができないものである。そのため、トロール網51を曳航する場合には、対水速度を所定範囲に保ちながら曳航する必要がある。
しかしながら、このようなトロール網51の深度制御は、ロープの繰り出し/巻き込み操作に応じて網の対水速度が変わるのを防ぐために、操船者が手動で船速を調整しており、操船者の経験や技量に頼る熟練を要する操船が必要である。そのため、安定した操船は難しく、その上、このように操船者の経験や技量に頼る操船が省力化の妨げにもなっている。
このようなことから、操船者の経験や技量に頼ることなく、曳航体を目標深度に安定して位置させることができる深度制御方法や装置が切望されている。
なお、前記特許文献1に記載された発明の場合、曳航速度を一定にしてウインチから繰り出し/巻き込みを行うロープの長さ変化が無人潜水機の深度変化として現れる応答遅れを補正信号で制御しようとするものであり、本発明のように曳航体の対水速度に制限がある場合には適用が難しい。
そこで、本発明は、曳航体の対水速度を一定範囲内に保ちながら、その曳航体が目標深度に位置するように安定して制御できる深度制御方法とその装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明に係る曳航体の深度制御方法は、船舶で曳航する曳航体の深度制御方法であって、前記曳航体の目標速度と目標深度とに基いて目標ロープ長を決め、前記目標深度は、フィードバックされた実深度と比較部で比較し、その比較された深度偏差から補正量が計算された制御操作量は、加算部で深度制御装置に入力された目標深度に加えられて補正後深度設定値として出力され、前記目標速度と、前記目標ロープ長とから、静的な釣り合い状態での曳航体深度、曳航速度に対するロープ長の関係式に基く曳航体の静的モデルによって基準深度を求め、該基準深度が前記補正後深度設定値と一致するように、目標速度と目標ロープ長とを補正した設定船速と設定ロープ長とを求め、前記設定船速を優先的に補正して前記曳航体の対水速度を前記目標速度に保ちながら前記曳航体が目標深度に位置するように制御、又は、前記設定ロープ長を優先的に補正して前記曳航体の対地速度を前記目標速度に保ちながら前記曳航体が目標深度に位置するように制御することで、該曳航体が目標深度に位置するように制御する。これにより、操作で曳航体が目標深度に位置するように正確に制御することができ、安定した深度制御が可能となる。
また、前記設定船速を優先的に補正すれば、前記曳航体の対水速度を一定に保つことができる。
また、前記設定ロープ長を優先的に補正すれば、前記曳航体の対地速度を一定に保つことができる。
また、前記曳航体の対水速度に上限値と下限値とを設定し、曳航体の対水速度が該上限値と下限値との間に入るように前記設定ロープ長と設定船速とを操作するようにしてもよい。このようにすれば、曳航体の対水速度が、設定した上限値と下限値との間に入るように、設定ロープ長と設定船速との操作による深度制御を行うことができる。
一方、本発明に係る曳航体の深度制御装置は、船舶で曳航する曳航体の深度制御装置であって、前記曳航体の目標速度と目標深度とを入力する入力部と、該入力部で入力した値に基いて、前記曳航体を曳航する設定ロープ長と設定船速とを操作して該曳航体が目標深度に位置するように制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記目標深度をフィードバックされた実深度と比較部で比較し、その比較された深度偏差から補正量が計算された制御操作量は、加算部で深度制御装置に入力された目標深度に加えられて補正後深度設定値として出力され、前記目標速度と、前記目標速度と目標深度とに基く目標ロープ長とから、静的な釣り合い状態での曳航体深度、曳航速度に対するロープ長の関係式に基く曳航体の静的モデルによって基準深度を求め、該基準深度が前記補正後深度設定値と一致するように、目標速度と目標ロープ長とを補正した設定船速と設定ロープ長とを求め、前記設定船速を優先的に補正する優先補正制御部の設定値に基いて前記曳航体の対水速度を前記目標速度に保つように制御、又は、前記設定ロープ長を優先的に補正する優先補正制御部の設定値に基いて前記曳航体の対地速度を前記目標速度に保つように制御するように構成されている。この装置によっても、操作で曳航体が目標深度に位置するように正確に制御することができ、安定した深度制御が可能となる。
また、前記設定船速を優先的に補正することで、前記曳航体の対水速度を一定に保つことができる。
また、前記設定ロープ長を優先的に補正することで、前記曳航体の対地速度を一定に保つことができる。
また、前記曳航体の対水速度に上限値と下限値とを設定する上下限設定部を設け、該上下限設定部で設定した上限値と下限値との間に前記曳航体の対水速度が入るように前記設定ロープ長と設定船速とを操作する機能を前記制御装置に備えさせてもよい。この装置によれば、曳航体の対水速度が、設定した上限値と下限値との間に入るように、設定ロープ長と設定船速との制御による深度制御を行うことができる。
その上、前記曳航体がトロール網であり、前記船舶がトロール船であれば、トロール網の対水速度を保ちながら、そのトロール網を魚群の深度まで制御することが安定してできる。
本発明は、以上説明したような手段により、曳航体が目標深度に安定して位置するように制御することが可能となる。
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る深度制御装置の主要構成を示すブロック図である。図2は、図1に示すブロック図のトロール網対水速度制限ロジックの一例を示すブロック図、図3は、図1に示す深度制御装置における各制御パラメータを選択する設定画面の一例を示す正面図、図4は、図1に示す深度制御装置における深度制御方式の深度とロープ長と速度(対水速度)との関係を3次元的に示す線図である。この実施の形態でも、曳航体としてトロール船で曳航されるトロール網を例に説明する。実深度4は、圧力センサを用いて網口中央部の水面からの深度が計測されている。また、目標深度2は、この実施の形態では、トロール船52を例にしているので、魚群探知機で探知した魚群の深度位置としている。なお、以下の説明において、前記図5に示す構成と同一の構成には同一符号を付して説明する。
以下に説明する実施の形態は、図1のブロック図に基いて、オペレータからトロール網51の目標深度2と目標速度3とが与えられたときに、トロール網51の実深度4をフィードバックして、船速指令、ロープ速度指令を自動変更する制御とする。また、船速およびロープ速度は、既存の船速制御器およびロープ速度制御器により指令値に自動制御されるものとする。
図1に示すように、深度制御装置1には、目標深度2と目標速度3とが入力され、これらの目標深度2と目標速度3とに基いて、以下のように制御される。
まず、オペレータが入力した目標深度2と目標速度3とから、一般的な、静的な釣り合い状態でのトロール網深度、曳航速度に対するロープ長の関係式に基づくトロール網の静的モデル5により、目標ロープ長6が求められる。なお、この目標ロープ長6は、前記トロール網の静的モデル5を使用せずに、図のA位置からオペレータが直接入力するようにしてもよい。
また、前記目標深度2は、フィードバックされた実深度4と比較部7で比較され、その比較された深度偏差8からPI制御9によって補正量が計算されて制御操作量10として出力される。この制御操作量10は、加算部13で深度制御装置1に入力された目標深度2に加えられ、補正後深度設定値11として出力される。
そして、前記目標速度3と、前記目標ロープ長6とから、静的な釣り合い状態での曳航速度、ロープ長に対するトロール網51の深度の関係式に基づくトロール網の静的モデル12によって基準深度46(図4参照)を求め、この基準深度46が前記補正後深度設定値11と一致するように、目標速度3と目標ロープ長6とを補正した設定船速14と設定ロープ長15とが求められる。
この静的モデル12による目標速度3と目標ロープ長6との補正は、船速を優先させて補正するか、ロープ長を優先させて補正するかの補正割合(深度制御方式18:Control Method(後述))をオペレータが設定することができる。この補正割合の設定により、例えば、ロープ長を大きく補正する深度制御や、船速を大きく補正する深度制御を選択することが可能となり、深度制御のために前記設定船速14と設定ロープ長15とのいずれを優先させるかを選択できる。
そして、これらの設定船速14と設定ロープ長15とは、トロール網51の対水速度制限ロジック20(後述)を介して、船速制御器(主プロペラ、スラスタ等の推進機の制御器(図示略))に船速指令16として出力されるとともに、ロープ速度制御器(油圧モータ等の駆動機の制御器(図示略))にロープ速度指令17として出力される。これら船速指令16とロープ速度指令17とにより、トロール網51の深度制御が行われる。
前記ロープ速度指令17による制御としては、例えば、ロープ速度制御器が、図5に示すように、ロープ54L,54Rの繰り出し/巻き込みを油圧駆動のアクチュエータ55L,55Rで回転させるウインチ53L,53Rで行う場合、そのウインチで繰り出し/巻き込みをするロープ速度指令となる。このロープ速度指令によって繰り出し/巻き込みされるロープ54L,54Rが、前記設定ロープ長15と一致するように制御される。
図2は前記トロール網の対水速度制限ロジック20の一例である。この対水速度制限ロジック20では、前記設定船速14が、対水速度の上限値(Vh+w)と下限値(Vl+w)とが設定された上下限器21(上下限設定部)に入力される。また、設定ロープ長15は、実ロープ長22と比較され、そのロープ長偏差23からP制御24によって補正量が計算されて前記上下限器21に出力されるとともに、前記ロープ速度指令17として出力される。
ここで、ロープ速度をw(繰り出し方向は正/巻き込み方向は負)、対地船速をVsとしたとき、トロール網対水速度Vnは、近似的にVn≒Vs−wとすることができるので、トロール網対水速度に上限Vh、下限Vlが与えられたときの対地船速Vsは、[Vl+w≦Vs≦Vh+w]の範囲に制限すればよいことになる。
また、前記上下限器21に出力されたロープ長偏差23から計算された補正量は、トロール網51の対水速度が所定範囲(上限値(Vh+w)、下限値(Vl+w))から外れないように、前記船速指令16の制御に利用される。
図3に示すように、前記深度制御装置1には、前記設定船速14と設定ロープ長15とを予め設定できる設定画面30が設けられている。この設定画面30は、モニタ等に表示されたものである。
設定画面30の上部には目標速度3を入力する速度設定部31があり、下部には目標深度2を入力する深度設定部33がある。速度設定部31は、上下ボタン32またはテンキーボードで直接、速度(knot)を入力することができ、深度設定部33は上下ボタン34またはテンキーボードで直接、深度(m)を入力することができる。
速度設定部31の下方には、目標ロープ長6の自動選択ボタン35と手動選択ボタン36とが設けられており、目標ロープ長6を自動で選択するか手動で選択するかを選ぶことができるようになっている。手動選択ボタン36を選択することにより、目標ロープ長6を上下ボタン37で直接数値入力することができる。この目標ロープ長6の手動選択が、前記図1のA位置においてオペレータが目標ロープ長6を直接入力する場合である。
また、これらの選択ボタン35,36の下方には、深度制御時に、船速を優先させて補正制御するか、ロープ長を優先させて補正制御するかを選択する優先補正制御部38が設けられている。この優先補正制御部38は、ポインタ39の位置を速度補正優先側40かロープ長補正優先側41のいずれかにスライドさせることにより、優先して補正させる側の補正割合を増減することができる。この優先補正制御部38によって選択する補正割合が、前記深度制御方式18における補正割合であり、静的モデル12で求められる設定船速14と設定ロープ長15との補正割合を選択できるようになっている。例えば、ロープ長を大きく変化させたくない場合、速度補正優先側40にポインタ39をスライドさせることにより、ロープ長を大きく変化させることなく船速変化によってトロール網51の深度制御を行うことができる。逆に、ロープ長補正優先側41にポインタ39をスライドさせることにより、船速を大きく変化させることなくロープ長変化によってトロール網51の深度制御を行うことができる。
つまり、この優先補正制御部38(深度制御方式18)による補正割合の選択が、船速補正優先側40の場合、深度、網対水速度に対するロープ長の関係式に従ってロープが繰り出され、船速を操作することにより深度制御が行われる。この場合、整定状態では、関係式が正確という前提で曳航体対水速度が目標速度と等しくなる。逆に、ロープ長補正優先側41の場合、対地船速を設定速度に固定し、ロープ長を操作することにより深度制御が行われる。この場合、整定状態では、関係式が正確という前提で曳航体対地速度が目標速度と等しくなる。そして、船速補正優先側40とロープ長補正優先側41との中間の場合、これら船速補正優先とロープ長補正優先の中間的な制御になる。
このようにして各設定値を入力する設定画面30は、各項目を設定した後に[OK]をクリックすることにより、それらの設定値が深度制御装置1の記録部に記録される。この設定画面30は一例であり、図示する項目を減らしても、他の項目を追加してもよい。
図4は、前記トロール網51、オッターボード56L,56R等の重量と、抵抗係数等に基いて公知の計算式により、曳航体の深度の深浅と、前記ロープ長の長短と、前記速度の遅速と、の関係を求めて図示したものである。この図に基いて、トロール網51の深度の深浅と、ロープ長の長短と、速度の遅速と、の関係を以下に説明する。
トロール網51の深度とロープ長と速度との関係は、前記図1の目標速度3と目標ロープ長6とから決定した曲面上の点46(前記静的モデル12で求めた基準深度46)に対して、これが補正後深度設定値11と一致するように、矢印42または矢印43の方向に速度とロープ長とを補正するものである。図示する矢印44は、ロープ長補正優先制御の場合に変更する方向(速度固定)であり、矢印45は、速度補正優先制御の場合に変更する方向(ロープ長固定)である。これらの矢印44,45の間の前記矢印42、43で示す方向が、深度制御(補正)される方向を示している。
図の左上方向の矢印42が、トロール網51が浅くなるように補正する方向であり、図の右下方向の矢印43が、トロール網51が深くなるように補正する方向である。これらの矢印42,43の方向に制御されるが、前記優先させる補正割合(深度制御方式18)の設定によって、矢印44に近づくか、矢印45に近づくかが調整可能となっている。例えば、補正割合が速度固定のロープ長補正優先の場合には、ロープ長の長短方向に示す矢印44に近い位置で制御され、ロープ長固定の速度補正優先の場合には、速度の遅速方向に示す矢印45に近い位置で制御される。これらの機能は、深度制御装置1に備えられている。
以上のように構成された曳航体の深度制御装置1によれば、以下のようにして目標深度2にトロール網51の位置を制御することができる。まず、図3に示す深度制御装置1の設定画面30にて、目標深度2と、目標速度3と、目標ロープ長6の設定を自動か手動かのいずれにするかの選択と、深度制御に速度またはロープ長のいずれを、どの程度優先させるかを優先補正制御部38で設定する。
目標ロープ長6を自動設定にした場合、トロール網51を曳航することにより、前記目標深度2と目標速度3に対する目標ロープ長6が静的モデル5で求められ、その目標ロープ長6と目標深度2が実深度4で補正された補正後深度設定値11と目標速度3とによって設定船速14と設定ロープ長15とが静的モデル12で求められ、これら設定船速14と設定ロープ長15とがトロール網対水速度制限ロジック20を介して船速指令16とロープ速度指令17として出力され、トロール網51が目標深度2に位置するように制御される。
トロール網51の深度が浅くなるように補正する場合、図4の左上向きの矢印42の方向に制御され、速度が速くなり、ロープ長が短くなる。トロール網51の深度が深くなるように補正する場合、図4の右下向きの矢印43の方向に制御され、速度が遅くなり、ロープ長が長くなる。また、前記優先補正制御部38による補正割合の設定が、ロープ長補正優先の場合は、矢印44に近い制御となって、ロープ長は大きく変化するが速度の変化は小さい制御となる。速度補正優先の場合は、矢印45に近い制御となって、速度は大きく変化するがロープ長の変化は小さい制御となる。
このようにして、設定ロープ長15と設定船速14とを制御して、トロール網51が目標深度2に位置するように安定して制御することが可能となる。
なお、前記実施の形態では、トロール船52によって曳航されるトロール網51を例に説明したが、観測機器を曳航して海底の形状等を観測したい場合等も、観測機器で観測したい深度を目標深度2として設定し、その目標深度2に観測機器を制御することも同様に可能であり、曳航する曳航体は他の曳航体であってもよく、前記実施の形態に限定されるものではない。
また、前記実施の形態では、曳航体としてトロール網を例に説明したが、水中探査機器等の曳航体でも同様に制御することができ、曳航体は前記実施の形態に限定されるものではない。
さらに、前述した実施の形態は一例を示しており、本発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更は可能であり、本発明は前述した実施の形態に限定されるものではない。
本発明に係る曳航体の深度制御方法は、水中を曳航する曳航体を目標深度で曳航する操船を自動化したい船舶に適用できる。
本発明の一実施の形態に係る深度制御装置の主要構成を示すブロック図である。 図1に示すブロック図のトロール網対水速度制限ロジックの一例を示すブロック図である。 図1に示す深度制御装置における各制御パラメータを選択する設定画面の一例を示す正面図である。 図1に示す深度制御装置における深度制御方式の深度とロープ長と速度(対水速度)との関係を3次元的に示す線図である。 トロール船によって曳航されるトロール網の一例を示す概略平面図である。
符号の説明
1…深度制御装置
2…目標深度
3…目標速度
4…実深度
5…静的モデル
6…目標ロープ長
8…深度偏差
10…制御操作量
11…補正後深度設定値
12…静的モデル
14…設定船速
15…設定ロープ長
16…船速指令
17…ロープ速度指令
18…深度制御方式
20…対水速度制限ロジック
21…上下限器
22…実ロープ長
23…ロープ長偏差
30…設定画面
31…速度設定部
33…深度設定部
38…優先補正制御部
40…速度補正優先側
41…ロープ長補正優先側
42…矢印(深度浅くなる)
43…矢印(深度深くなる)
44…矢印(ロープ長補正優先)
45…矢印(速度補正優先)
46…基準深度

Claims (5)

  1. 船舶で曳航する曳航体の深度制御方法であって、
    前記曳航体の目標速度と目標深度とに基いて目標ロープ長を決め、
    前記目標深度は、フィードバックされた実深度と比較部で比較し、その比較された深度偏差から補正量が計算された制御操作量は、加算部で深度制御装置に入力された目標深度に加えられて補正後深度設定値として出力され、
    前記目標速度と、前記目標ロープ長とから、静的な釣り合い状態での曳航体深度、曳航速度に対するロープ長の関係式に基く曳航体の静的モデルによって基準深度を求め、該基準深度が前記補正後深度設定値と一致するように、目標速度と目標ロープ長とを補正した設定船速と設定ロープ長とを求め、
    前記設定船速を優先的に補正して前記曳航体の対水速度を前記目標速度に保ちながら前記曳航体が目標深度に位置するように制御、又は、前記設定ロープ長を優先的に補正して前記曳航体の対地速度を前記目標速度に保ちながら前記曳航体が目標深度に位置するように制御することで、該曳航体が目標深度に位置するように制御することを特徴とする曳航体の深度制御方法。
  2. 前記曳航体の対水速度に上限値と下限値とを設定し、曳航体の対水速度が該上限値と下限値との間に入るように前記設定ロープ長と設定船速とを操作する請求項1に記載の曳航体の深度制御方法。
  3. 船舶で曳航する曳航体の深度制御装置であって、
    前記曳航体の目標速度と目標深度とを入力する入力部と、
    該入力部で入力した値に基いて、前記曳航体を曳航する設定ロープ長と設定船速とを操作して該曳航体が目標深度に位置するように制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記目標深度をフィードバックされた実深度と比較部で比較し、その比較された深度偏差から補正量が計算された制御操作量は、加算部で深度制御装置に入力された目標深度に加えられて補正後深度設定値として出力され、
    前記目標速度と、前記目標速度と目標深度とに基く目標ロープ長とから、静的な釣り合い状態での曳航体深度、曳航速度に対するロープ長の関係式に基く曳航体の静的モデルによって基準深度を求め、該基準深度が前記補正後深度設定値と一致するように、目標速度と目標ロープ長とを補正した設定船速と設定ロープ長とを求め、
    前記設定船速を優先的に補正する優先補正制御部の設定値に基いて前記曳航体の対水速度を前記目標速度に保つように制御、又は、前記設定ロープ長を優先的に補正する優先補正制御部の設定値に基いて前記曳航体の対地速度を前記目標速度に保つように制御するように構成されていることを特徴とする曳航体の深度制御装置。
  4. 前記曳航体の対水速度に上限値と下限値とを設定する上下限設定部を設け、該上下限設定部で設定した上限値と下限値との間に前記曳航体の対水速度が入るように前記設定ロープ長と設定船速とを操作する機能を前記制御装置に備えさせた請求項3に記載の曳航体の深度制御装置。
  5. 前記曳航体がトロール網であり、前記船舶がトロール船である請求項3又は4に記載の曳航体の深度制御装置。
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