JP5033645B2 - 合成スラブの構築方法 - Google Patents

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本発明は、ハーフプレキャスト床版とその上部に現場打ちされたコンクリートとが構造的に結合された合成スラブの構築方法に関し、詳しくは、長大スパンの合成スラブを、スラブのたわみ(特にクリープ変形)を抑制して経済的に構築できる方法に関する。
ハーフプレキャスト床版とその上部に現場打ちされたコンクリートとが構造的に結合された合成スラブの長大スパン化を図る従来技術としては、特許文献1、2に見られるように、ハーフプレキャスト床版のコンクリート部分にH形鋼の下半分を埋設する、ハーフプレキャスト床版をリブ付きに成形する、PC鋼材によりプレストレスを導入する等の補強手段により、ハーフプレキャスト床版自体の断面性能を向上すること、及び、ハーフプレキャスト床版のコンクリート部分やハーフプレキャスト床版の上部に現場打ちされるコンクリートに中空部を形成する等して、合成スラブを軽量化することが知られている。
しかし、建物の鉄筋コンクリート造スラブのような両端固定の架構においては、スパン端部に、自重と、仕上げ荷重及び積載荷重の総和に起因する応力(端部モーメント)が生じ、スパン端部の応力はスパンが大きくなるにつれ、スパンの二乗に比例して増大する。そのため、長大スパンの合成フラットスラブを構築すると、スパン端部に生じる応力が極端に大きくなり、この応力に対処するためには、スラブ厚を増し、スラブ端部の鉄筋量を増すなどの対策が講じられることになる。
また、合成スラブの重量および端部応力が増すことによって、合成スラブを支持する壁、柱等の鉛直部材に生じる応力も必然的に大きくなるため、合成スラブと同様、壁厚を増す、大量の配筋をするなどの対策が必要となる。
従って、長大スパンの合成スラブを構築する場合、スパン端部の応力が増大することに対する上記のような一般的な対処の仕方では、非常に不経済であり、しかも、建物重量が大きくなることによる耐震性能の低下が懸念される。また、長大スパンスラブにおいては、端部の曲げ応力が大きいため、スラブ端部がひび割れる可能性がある。そのため、端部の評価が難しく、想定外の変形が生じる危険性を有する。
尚、鉄骨造の大梁を対象とする技術ではあるが、鉄骨梁の端部応力を低減するために、梁端部を柱にボルト連結することによってピン接合状態とし、この状態で、デッキプレートの敷設、スラブ配筋、コンクリート打設等の工程を進め、スラブの完成後、梁端部を柱に溶接することによって剛接合状態とする柱と鉄骨梁の接合方法が、特許文献3によって提案されている。
この従来技術は、鉄骨梁の端部のウエブを柱に設けられたガセットプレートにボルト締めしてピン接合とし、続いて梁端部の上下フランジを柱に突合せ溶接して剛接合し、しかる後、スラブを構築するという一般的な施工手順を、ボルト締め、スラブ構築、突合せ溶接の順序に変更するだけで、鉄骨梁の端部応力を低減できるという利点を有している。
しかしながら、ハーフプレキャスト床版とその上部に現場打ちされたコンクリートとが構造的に結合された合成スラブは、大梁の無い鉄筋コンクリート造スラブであり、元々、鉄骨梁のボルト締めや溶接といった工程が存在しないため、上記の従来技術を合成フラットスラブの構築に適用する訳にはいかない。
特開2002−38642号公報 特開平10−110498号公報 特開平8−218640号公報
本発明は、上記の問題点を踏まえてなされたものであって、その目的とするところは、長大スパンの合成スラブを経済的に構築できるようにすることにある。
上記の目的を達成するために本発明が講じた技術的手段は、次の通りである。即ち、請求項1に記載の発明による合成スラブの構築方法は、ハーフプレキャスト床版とその上部に現場打ちされたコンクリートとが構造的に結合された合成スラブを構築するにあたり、ハーフプレキャスト床版のスパン方向両端に後打ち施工帯を残存させた状態でコンクリートを打設することにより、施工途中における合成スラブ端部をピン接合又は半剛接合とし、しかる後、前記後打ち施工帯にコンクリートを打設することにより、合成スラブ端部を剛接合とすることを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の合成フラットスラブの構築方法であって、支保工に支持されたハーフプレキャスト床版に上方への初期むくりを付与しておき、ハーフプレキャスト床版のスパン方向両端に後打ち施工帯を残存させた状態でコンクリートを打設することにより、施工途中における合成スラブ端部をピン接合又は半剛接合とし、前記コンクリートに所定の強度が発現した時点で、支保工によるサポート荷重を除荷することによって、自重による合成スラブの変形を発生させた後、再度、合成スラブを支保工で支持し、前記後打ち施工帯にコンクリートを打設して、合成スラブ端部を剛接合とすることを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の合成スラブの構築方法であって、ハーフプレキャスト床版として、スパン方向に埋設したPC鋼材によりプレテンション方式によるプレストレスが導入されているものを用いることを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の合成スラブの構築方法であって、ハーフプレキャスト床版上に中空部成形用埋め込み型枠を設置した状態で、コンクリートを打設することを特徴としている。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れかに記載の合成スラブの構築方法であって、ハーフプレキャスト床版として、予め中空部が形成されているものを用いることを特徴としている。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れかに記載の合成スラブの構築方法であって、ハーフプレキャスト床版として、スパン方向のリブが設けられているものを用いることを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、長大スパンの合成スラブを経済的に構築できる。即ち、ハーフプレキャスト床版と現場打ちコンクリートによる長大スパンの合成スラブを構築する場合、在来工法であれば、スパン端部に、自重と、仕上げ荷重及び積載荷重の総和に起因する応力(端部モーメント)が生じるので、スパン端部に生じる応力が大きくなるが、本発明によれば、ハーフプレキャスト床版のスパン方向両端に後打ち施工帯を残存させた状態でコンクリートを打設するので、鉄筋コンクリート造の合成スラブであるにもかか
わらず、施工途中における合成スラブ端部がピン接合又は半剛接合となり、自重に対しては端部ピン又は半剛接合で構造的に成立させるので、端部モーメントが原理的にゼロあるいは固定度に応じた応力に低減されることになる。
そして、この状態を経た後、前記後打ち施工帯にコンクリートを打設して、合成スラブ端部を剛接合とするので、施工完了後の合成スラブ端部に生じる応力は、仕上げ荷重と積載荷重に起因するものだけになり、スパン端部の応力が大幅に低減される。
従って、長大スパンであるにもかかわらずスラブ厚の薄い軽量な合成スラブを構築できることになる。また、合成スラブが軽量化されると共に、スパン端部の応力が低減されることによって、合成スラブを支持する壁、柱等の鉛直部材に生じる応力も小さくなり、これらの補強も軽微なもので済むことになる。これらの結果として、長大スパンの合成スラブを経済的に構築できるのであり、建物重量が大きくなることによる耐震性能の低下という問題も回避できることになる。また、本発明によれば、スラブ端部の評価が明解であり、確実にたわみを制御できる。即ち、合成スラブ端部をピン接合又は半剛接合として、スパン端部の応力を低減すると、スパン中央部にモーメントが大きい部分をもってくることになるが、ハーフプレキャスト床版として、プレストレスが導入されたものを用いることにより、スパン中央部のひび割れを抑制して、剛性低下を制御できることになる。
請求項2に記載の発明によれば、支保工の除荷によりクリープ変形を早期に進展させるようにしたので、仕上げ工事後のたわみ(長期クリープ変形)を小さくでき、仕上げ工事後のたわみによるひび割れ等を抑制できる。即ち、ハーフプレキャスト床版のスパン方向両端に後打ち施工帯を設けることにより、自重に対して両端ピン又は半剛接合で構造的に成立させると、スラブ端部の固定度が低減し、スラブのスパン中央部のたわみが大きくなるが、請求項2に記載の発明によれば、支保工に支持されたハーフプレキャスト床版に上方への初期むくりを付与しておき、自重に対して両端ピン又は半剛接合で構造的に成立させた後、支保工によるサポート荷重を除荷することによって、スラブの弾性たわみを生じさせ、この状態を維持することで、自重に起因するクリープ変形の大部分を進展させることができる。
そして、上層階のスラブコンクリート打設時の重量を支持するために、再度、合成スラブを支保工でスパン中央部を突き上げないように支持した後、前記後打ち施工帯にコンクリートを打設して、合成スラブ端部を剛接合とした両端固定の架構を成立させ、しかる後、最終的に支保工を撤去することになる。従って、このときのクリープ変形は、仕上げ荷重と積載荷重に起因するものだけとなり、仕上げ工事開始後のたわみ(長期クリープ変形)を低減することができるのである。
また、一旦、支保工の除荷を行い、各階で構造的に成立させるため、支保工で多層受けしても、上層スラブ重量が最下層の支保工に累積しない。従って、支保工を早期に撤去して、仕上げ開始時期を早めることが可能となる。
尚、ハーフプレキャスト床版としては、請求項3に記載の発明のように、スパン方向に埋設したPC鋼材によりプレテンション方式によるプレストレスが導入されているものを用いることが、たわみの抑制、鉄筋量の低減及びそれによる合成スラブの軽量化を図る上で望ましい。また、請求項4〜5に記載の発明のように、ハーフプレキャスト床版上に中空部成形用埋め込み型枠を設置した状態で、コンクリートを打設したり、ハーフプレキャスト床版として、予め中空部が形成されているものを用いたり、スパン方向のリブが設けられているものを用いることは、合成スラブの軽量化を図る上で望ましい。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る合成スラブの構築方法に用いられるハーフプレキャスト床版1の一例を示す。図2は、ハーフプレキャスト床版1とその上部に現場打ちされたコンクリート2とが構造的に結合された長大スパンの合成スラブ3のスパン方向と直角な断面形状を示す。
前記ハーフプレキャスト床版1は、短辺Lが1〜2m程度、長辺Lが12〜14m程度の矩形状に成形されている。ハーフプレキャスト床版1のコンクリート部分には、PC鋼線、PC鋼より線、PC鋼棒等のPC鋼材4が長手方向(スパン方向)に埋設され、プレテンション方式によるプレストレスが導入されている。また、ハーフプレキャスト床版1のコンクリート部分の上面には長手方向(スパン方向)の平行なリブ5が全長にわたって形成され、リブ5,5間に形成される溝に中空部成形用埋め込み型枠6を嵌め込んで敷設するように構成されている。
次に、本発明に係る合成スラブの構築方法を説明する。先ず、図3に示すように、合成スラブを支持する壁を構築するための壁型枠7と、パイプサポート等によるスラブ下の支保工8を組み立て、支保工8の上にハーフプレキャスト床版1を敷設する。支保工8はスパン中央側に位置するものほど高くして組み立て、支保工8に支持されたハーフプレキャスト床版1に上方への初期むくりを付与しておく。ハーフプレキャスト床版1のスパン方向両端には、金網、ラス型枠等による打ち継ぎ型枠9を設置しておく。また、スラブ上端筋の両端は曲げ上げ、後述する後打ち施工帯A,Aのコンクリート打設までスラブ上端筋に応力を伝えないようにしておく。
尚、壁型枠7内には壁筋が配筋されており、ハーフプレキャスト床版1の上部にはスラブ上端主筋(図2に示す10a)、継ぎ目補強筋(図2に示す11)、配力筋(図2に示す10bと図1に示す12)等が配筋されているが、図3では、これらの図示を省略してある。
次いで、図4に示すように、ハーフプレキャスト床版1のスパン方向両端に後打ち施工帯A,Aを残存させた状態でスラブ用のコンクリート2及び壁コンクリート13を打設する。これにより、スラブ端部の固定度が低減し、施工途中における合成スラブ端部がピン接合となる。尚、完全なピン接合とする代わりに、合成スラブ端部を言わば半剛接合として、端部応力を所望の範囲に制御する場合は、図11に示すように、前述した後打ち施工帯A,Aの一部に先行してコンクリート2aを打設したり、図12に示すように、後打ち施工帯A,Aを仕口からスパン中央側に適当距離ずらして設けることになる。後者の場合、配筋の多い仕口より結合用後打ちコンクリートの打設が容易になる利点もある。
前記コンクリート2に所定の強度が発現した時点で、換言すれば、ハーフプレキャスト床版とその上部に現場打ちされたコンクリートとが構造的に結合され、合成スラブとしてある程度機能する状態になった時点で、図5に示すように、端部以外の支保工8によるサポート荷重を除荷(開放)することによって、自重による合成スラブ3の変形を発生させる。即ち、自重に対して両端ピン又は半剛接合で構造的に成立させた後、支保工8によるサポート荷重を除荷することによって、スラブの弾性たわみを生じさせ、この状態を一定期間(例えば、一週間)維持することで、自重に起因するクリープ変形の大部分を進展させる。支保工8の除荷を行う際のコンクリート2の強度は、任意に設定できるが、設計基準強度の60%〜70%であることが工程上、望ましい。
尚、支保工8を設けず、ハーフプレキャスト床版1の強度のみで、上部の現場打ちコンクリート自重を支持する方法では、支保工8をなくすことができる利点がある一方、ハーフプレキャスト床版1に作用する応力が大きくなるため、ハーフプレキャスト床版中央下面にひび割れが生じる恐れがある。また、ハーフプレキャスト床版1だけでは、剛性が小さいため変形も大きくなる。そのため、ハーフプレキャスト床版1自体の強度や剛性を向
上させることが必要となる。この点、本発明では、上部のコンクリート2を打設する際に、ハーフプレキャスト床版1を支保工8で支持し、上部の現場打ちコンクリートの強度がある程度発現して合成効果が生じてから支保工8を一旦解除することにより、いわば現場にてハーフプレキャスト床版1の強度や剛性を向上させてから、自重による変形を生じさせている。これにより、初期のむくりを小さく抑えられたり、ハーフプレキャスト床版1に生じるひび割れを回避することができる。
自重による合成スラブ3の変形を発生させた後、図6に示すように、再度、合成スラブ3を支保工8でスパン中央部を突き上げないように支持し、前記後打ち施工帯A,Aに結合用のコンクリート20を打設して、スラブ端部と壁を一体化し、合成スラブ端部を剛接合とする。
しかる後、図7〜図10に示すように、図3〜図6と同じ工程の繰り返しにより、上層階の合成スラブ3を構築して行くことになる。尚、後打ち施工帯A,Aのコンクリート20に強度が100%発現したら、下層支保工8は撤去することができる。
上記の合成スラブ構築方法によれば、ハーフプレキャスト床版1に上方への初期むくりを付与しておき、ハーフプレキャスト床版1のスパン方向両端に後打ち施工帯A,Aを残存させた状態でコンクリート2を打設することにより、施工途中における合成スラブ端部をピン接合又は半剛接合とし、前記コンクリート2に所定の強度が発現した時点で、支保工8によるサポート荷重を除荷することによって、自重による合成スラブ3の変形を発生させた後、再度、合成スラブ3を支保工8でスパン中央部を突き上げないように支持し、前記後打ち施工帯A,Aにコンクリート20を打設して、合成スラブ端部を剛接合とするので、次の作用効果が得られることになる。
即ち、後打ち施工帯A,Aを設けずに上部コンクリートを打設して、両端固定の架構を成立させる在来工法であれば、図13の左側に示すように、スパン端部に、自重と、仕上げ荷重及び積載荷重の総和に起因する応力(端部モーメント)が生じるので、スパン端部に生じる応力が大きくなり、スラブ厚及びスラブを支持する柱や壁厚を厚くする必要がある。
しかしながら、上記の構成によれば、ハーフプレキャスト床版1のスパン方向両端に後打ち施工帯A,Aを残存させた状態でコンクリート2を打設するので、鉄筋コンクリート造の合成スラブ3であるにもかかわらず、施工途中における合成スラブ端部がピン接合又は半剛接合となり、自重に対しては端部ピン又は半剛接合で構造的に成立させるので、施工途中では、図13の中央部に示すように、端部モーメントが原理的にゼロあるいは固定度に応じた応力に低減されることになる。
そして、前記コンクリート2に所定の強度が発現した時点で、換言すれば、ハーフプレキャスト床版1とその上部に現場打ちされたコンクリート2とが構造的に結合され、合成スラブとしてある程度機能する状態になった時点で、前記後打ち施工帯A,Aにコンクリート20を打設して、合成スラブ端部を剛接合とするので、施工完了後の合成スラブ端部に生じる応力は、仕上げ荷重と積載荷重に起因するものだけになり、図13の右側に示すように、スパン端部の応力が大幅に低減される。
従って、長大スパンであるにもかかわらずスラブ厚の薄い軽量な合成スラブ3を構築できることになる。また、合成スラブ3が軽量化されると共に、スパン端部の応力が低減されることによって、合成スラブ3を支持する壁や柱に生じる応力も小さくなり、これらの補強も軽微なもので済むことになる。これらの結果として、長大スパンの合成スラブ3を経済的に構築できるのであり、建物重量が大きくなることによる耐震性能の低下という問
題も回避できることになる。
また、後打ち施工帯A,Aを設けずに上部コンクリートを打設して、両端固定の架構を成立させる在来工法であれば、図14の左側に示すように、自重と、仕上げ荷重及び積載荷重の総和に対するクリープ変形が一度に進展し、仕上げ後の変形によるひび割れ等が問題になるが、上記の構成によれば、支保工8の除荷によりクリープ変形を早期に進展させるようにしたので、図14の右側に示すように、仕上げ後の変形(長期クリープ変形)を小さくでき、仕上げ後の変形によるひび割れ等を抑制できる。
即ち、ハーフプレキャスト床版1のスパン方向両端に後打ち施工帯A,Aを設けることにより、自重に対して両端ピン又は半剛接合で構造的に成立させると、スラブ端部の固定度が低減し、スラブ中央のたわみが大きくなる。しかし、上記の構成によれば、図14の中央に示すように、ハーフプレキャスト床版1に上方への初期むくりを付与しておき、自重に対して両端ピン又は半剛接合で構造的に成立させた後、支保工8によるサポート荷重を除荷することによって、図14の中央に示すように、スラブの弾性たわみを生じさせ、この状態を維持することで、自重に起因するクリープ変形(仕上げ前の変形)の大部分を進展させることができる。
そして、上層階のスラブコンクリート打設時の重量を支持するために、再度、合成スラブ3を支保工8でスパン中央部を突き上げないように支持した後、後打ち施工帯A,Aにコンクリート20を打設して、合成スラブ端部を剛接合とした両端固定の架構を成立させ、しかる後、最終的に支保工8を撤去する。
従って、このときのクリープ変形は、仕上げ荷重と積載荷重に起因するものだけとなり、図14の右側に示すように、仕上げ後の変形(長期クリープ変形)を低減することができ、仕上げ後の変形によるひび割れ等を抑制できるのである。殊に、合成スラブ端部を剛接合とした両端固定の架構を成立させるまで支保工8を存置させることによりクリープ変形が小さく抑えられることになる。
また、一旦、支保工8の除荷を行い、各階で構造的に成立させるため、支保工8で多層受けしても、上層スラブ重量が最下層の支保工8に累積しない。従って、支保工8を早期に撤去して、仕上げ開始時期を早めることが可能となる。
本発明に用いるハーフプレキャスト床版の一例を示す斜視図である。 合成スラブの縦断正面図である。 本発明に係る合成スラブの構築方法の説明図である。 図3に続く説明図である。 図4に続く説明図である。 図5に続く説明図である。 図6に続く説明図である。 図7に続く説明図である。 図8に続く説明図である。 図9に続く説明図である。 合成スラブ端部を半剛接合とする手段の説明図である。 合成スラブ端部を半剛接合とする他の手段の説明図である。 作用効果の説明図である。 作用効果の説明図である。
符号の説明
A 後打ち施工帯
1 ハーフプレキャスト床版
2 コンクリート
3 合成スラブ
4 PC鋼材
5 リブ
6 中空部成形用埋め込み型枠
7 壁型枠
8 支保工
9 打ち継ぎ型枠
10a スラブ上端主筋
11 継ぎ目補強筋
10b,12 配力筋
13 壁コンクリート
20 後打ち施工帯に打設されるコンクリート

Claims (6)

  1. ハーフプレキャスト床版とその上部に現場打ちされたコンクリートとが構造的に結合された合成スラブを構築するにあたり、ハーフプレキャスト床版のスパン方向両端に後打ち施工帯を残存させた状態でコンクリートを打設することにより、施工途中における合成スラブ端部をピン接合又は半剛接合とし、しかる後、前記後打ち施工帯にコンクリートを打設することにより、合成スラブ端部を剛接合とすることを特徴とする合成スラブの構築方法。
  2. 支保工に支持されたハーフプレキャスト床版に上方への初期むくりを付与しておき、ハーフプレキャスト床版のスパン方向両端に後打ち施工帯を残存させた状態でコンクリートを打設することにより、施工途中における合成スラブ端部をピン接合又は半剛接合とし、前記コンクリートに所定の強度が発現した時点で、支保工によるサポート荷重を除荷することによって、自重による合成スラブの変形を発生させた後、再度、合成スラブを支保工で支持し、前記後打ち施工帯にコンクリートを打設して、合成スラブ端部を剛接合とすることを特徴とする請求項1に記載の合成スラブの構築方法。
  3. ハーフプレキャスト床版として、スパン方向に埋設したPC鋼材によりプレテンション方式によるプレストレスが導入されているものを用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の合成スラブの構築方法。
  4. ハーフプレキャスト床版上に中空部成形用埋め込み型枠を設置した状態で、コンクリートを打設することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の合成スラブの構築方法。
  5. ハーフプレキャスト床版として、予め中空部が形成されているものを用いることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の合成スラブの構築方法。
  6. ハーフプレキャスト床版として、スパン方向のリブが設けられているものを用いることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の合成スラブの構築方法。
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