JP5031678B2 - 溶融加工性デンプン組成物 - Google Patents
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Description
この発明は、従来型熱可塑性材料加工装置を用いて溶融加工可能な澱粉組成物に関する。詳細には、この澱粉組成物は、一軸または二軸伸張力を利用して都合よく加工でき、優れた強度を有する最終製品を提供できる。さらに、この澱粉組成物は、極めて高い一軸または二軸伸張を達成するための溶融繊細加工に使用するのに適した流動学的特性を有する。
本明細書で用いる”含む”なる用語は、各種成分、構成要素、または諸工程が、この発明の実施に共同で採用され得ることを意味する。したがって、上記”含む”なる用語中には、一層限定的用語である”から本質的になる”および”からなる”を包含する。
本発明者らは、意外にも、ある種の流動学的挙動を示す澱粉組成物が、従来型熱可塑性材料加工装置を用いて溶融加工されて、有用な繊維、フイラメント、起泡体またはフイルムに加工できることを見いだした。この場合の組成物は、澱粉および、好ましい実施態様では、高分子量ポマーおよび/または添加剤を含む。
A.澱粉
天然に存在する澱粉は、D−グルコース単位からなる直鎖アミロースおよび分岐アミロペクチンポリマーの混合物である。このアミロースは、(1,4)−α−D連鎖で結合したD−グルコースの実質的直鎖のポリマーである。アミロペクチンは(1,4)−α−D連鎖および分岐点における(1,6)−α−D連鎖で結合したD−グルコース単位の高度分岐ポリマーである。天然型澱粉は比較的高濃度のアミロペクチンを含み、例えばコーンスターチは64−80%アミロペクチン、蝋質とうもろこしは93−100%アミロペクチン、米は83−84%アミロペクチン、馬鈴薯は約78%アミロペクチン、および小麦粉は73−83%のアミロペクチンを含む。この発明においては全ての澱粉が潜在的には有用ではあるが、この発明は、供給が充分で再生し易く経済的利点がある農作物資源由来の高アミロペクチン天然澱粉を用いて最も普通に実施される。
澱粉と実質的相容性な高分子量ポリマー(以下”高ポリマー”と呼称)も、この発明における澱粉組成物に対する所望伸張粘度特性の達成目的には有用である。一つの実施態様では、短鎖(C1 からC3 )分岐を有する直鎖、または一つから三つの長鎖分岐を有する分岐構造ポリマーも本発明における使用には適するが、上記高ポリマーは実質的に直鎖構造を有することが好ましい。”実質的に相容性”なる用語は、組成物の軟化点または溶融点以上に加熱した場合、この高ポリマーが澱粉と実質的均一な混合物を形成し得ることを意味する(すなわち、この組成物が肉眼で透明または半透明にみえる)。
上記澱粉組成物は、溶融流れ性および溶融加工性、特に溶融加工条件下の組成物の伸張性を増強する目的の添加剤を任意に含有できる。この添加剤は、澱粉組成物の溶融剪断粘度を低下させるための可塑剤および/または希釈剤として機能できる。
この発明における一つの実施態様では、この添加剤は、約0.001%から約95%、一層典型的には約5%から約80%、さらに一層典型的には約5%から約70%、さらに一層典型的には約15%から約50%、さらに一層典型的には約30%から約60%、最も典型的には約35%から約55%範囲の水準で使用される。この発明における他の実施態様(例えば、高ダイ温度採用の場合)では、添加剤は約5%から約30%範囲の水準で組成物中に好ましく均一混合される。
使用する場合の可塑剤は、流れ、したがって溶融加工性の改良に有効な量で組成物中に添加できる。この可塑剤も最終製品の柔軟性を改良できるが、恐らくその原因は可塑剤による組成物のガラス転移温度低下によるものである。この可塑剤は、組成物物性を顕著に修飾し得る目的では、高分子成分と実質的に相容性であることが好ましい。ここで記載する”実質的に相容性”なる用語は、組成物を軟化温度および/または溶融温度以上に加熱した際に、可塑剤が澱粉と実質的に均一な混合物を形成し得ることを意味する(すなわち、組成物が肉眼で透明または半透明に見える)。
HO-(CH2-CH2-O)X-(CHCH3-CH2-O)Y-(CH2-CH2-O)Z-OH
式中、xは約2から約40範囲の値であり、yは約10から約50範囲の値であり、zは約2から約40範囲の値であり、好ましくはxおびzは同じ値である。これらの共ポリマーは BASF Corp., Parsippany, NJ. から「PluronicR 」として市販される。好適なポルオキソマーおよびポルオキサミンは ICI Chmicals, Wilmington, DE. から「SynperonicR 」として、または BASF Corp., NJ. から「TetronicR 」として市販される。
澱粉組成物の剪断粘度の調整および溶融紡糸性の向上目的で、この発明による澱粉組成物中には、希釈剤として機能する極性溶媒等の材料を任意に添加できる。一般的に、溶融剪断粘度は希釈剤含有量が増加するにしたがって非直線的態様で低減する。希釈剤の全組成物中への添加率は典型的には約5重量%から約60重量%、一層典型的には約7重量%から約50重量%、最も典型的には約10重量%から約30重量%である(全組成物基準)。
加工性修飾の目的および/または最終製品の弾性、引張り強度およびモジュラス等の物理特性の修飾目的で、この紡糸用澱粉組成物中には他の成分も任意に均一混合できる。これらの例には、酸化剤、架橋剤、乳化剤、界面活性剤、解結合剤、滑剤、他の加工助剤、任意増白剤、酸化防止剤、難燃剤、染料、顔料、フイラー、タンパク質およびそのアルカリ塩類、生分解性合成高分子体、ワックス、低融点合成熱可塑性ポリマー、粘結樹脂、伸展剤、湿式強度用樹脂、ならびに、これらの混合物が包含されるが、これらのみには限定されない。
従来型熱可塑性材料加工法を採用して繊維、フイラメント、フイルムまたは起泡体を製造するためには、この澱粉組成物が、ある範囲内の伸張粘度およびある範囲内の細孔数を包含する、ある種の流動学的挙動を加工時に示すことが必要である。
Ca = (ηs ・Q)/(π・r2 ・σ)
式中、ηs は、剪断速度 3000 s-1 で測定した剪断粘度(パスカル・秒)であり、Qは細孔ダイ通じて流れる容量単位流量(m3 /秒)、rは細孔ダイ半径(m)(非環状オリフイスの場合は、当量直径/半径が使用できる)であり、σは流体の表面張力(ニユートン/m)である。
本発明における澱粉組成物は流動状態で加工され、この状態は典型的には”溶融温度”に少なくとも等しい温度か、またはこれを超える温度で生起する。したがって加工温度範囲は澱粉組成物の”溶融温度”により制御され、この溶融温度は後に詳しく記載する試験法に準拠して測定される。典型的加工温度は約20から約180℃、一層具体的には約20から約90℃、最も具体的には約50から約80℃の範囲である。
米国特許第3,280,229号(Simonsら、10月8 日 1966付);同第4,044,404 号(Martinら、8 月 30 日 1977付);同第4,069,026 号(Simmら、1 月17日 1978付);同第4,143,196号(Simmら、3 月 6日 1979付);同第 4,223,101号(Fineら、9 月 16 日1980付);同第4,230,650 号(Guignardら、10月28日 1980付);同第4,232,525 号(Enjoら、11月11日 1980付);同第4,287,139号(Guignardoら、9 月 11 日1981付);同第4,323,525号(Bornatら、8 月6 日 1982付);同第4,552,707号(Howら、11月12日 1985付);同第4,689,186号(Bornatら、8 月25日 1987付);同第4,798,607号(Middletonら、1 月17日 1989付;同第4,904,272号(Middletonら、2 月27日 1990付);同第4,968,238 号(Satterfieldら、11月 6日 1990付);同第5,024,789号(Barryら、1 月18日 1991付);同第6,106,913号(Scardinoら、8 月22日 2000付);同第6,110,590 号公報(Zarkoobら、8 月29日 2000付)。これらの開示を、電気紡糸法の一般的原理および関連装置の記載の目的で本明細書の記載中に引用として加入する。
本発明による澱粉組成物を一軸伸張法で加工すると、(DO 2/D2 )で表される引伸比(DO は圧伸に先立つフイラメントの当量直径、およびDは引伸された繊維の当量直径)が1000を超える比を容易に達成できる。本発明における澱粉組成物の場合に達成できる典型的引伸比は、約100から約10,000、一層典型的には約1000を超す比、さらに典型的には約3000を超す比、最も典型的には約5000を超す比である。一層具体的には本発明における澱粉組成物は、有限平均当量直径が10ミクロン未満、および一層具体的には5ミクロン未満の繊細な繊維またはフイラメントへと引伸すに充分な伸張性を有する。
A. 剪断粘度
この組成物の剪断粘度は、細孔粘度計(Rheograph 2003 型、Goettfert 製)を用いて測定する。この測定は、直径Dが1.0mmで長さLが30mm(すなわち、L/D=30)の細孔ダイを用いて実施する。このダイをバレル低端部に取り付け、バレルを試験温度範囲25℃から90℃に保持する。この試験温度(t)に再加熱した試料組成物を粘度計のバレル部に負荷し、バレル部を実質的に満たす(約60グラムの試料を使用)。バレルを特定温度(t)に加熱する。試料負荷後に表面に気泡が生じたら、試験開始に先立だつ組成物を用いて試料から取り込み空気を排除する。細孔ダイを通じて試料がバレルから設定速度で押し出されるような態様でピストンをプログラム化する。細孔ダイを通じて試料がバレルから出る際に、試料は圧力損失を経験する。この圧力損失および細孔ダイを通じた流速から見掛け剪断粘度を計算する。この対数 log(見掛けの剪断粘度)を log (剪断速度)に対してプロットすると、このプロットは、パワーの法則 η=Kγn-1 (Kは材料の定数、γは剪断速度)に従う。本発明における組成物の剪断粘度報告値はこのパワーの法則関係を用いた剪断速度3000s-1の外挿である。
伸張粘度は細孔粘度計(Rheograph 2003 型、Goettfert 製)を用いて測定する。この測定は,初期直径(Dinitial )15mm、最終直径(Dfinal )0.75mm、長さ(L)7.5mmの半双曲線形ダイを用いて実施する。
伸張粘度=(delta P/伸張速度/Eh) ・105
式中、伸張粘度はパスカル−秒であり、delta Pは圧力損失(バール)であり、伸張速度はダイを通じた試料の流速(sec-1)であり、Eh は無次元の Hencky 歪みである。Hencky歪みは時間または履歴依存性歪である。非ニユートン流体における流体要素により経験される歪みは、その運動履歴に依存し、すなわち次式で表される:
Eh =ln [(Dinitial /Dfinal )2 ]
澱粉の重量平均分子量(MW )および分子量分布(MWD)は、混合床カラムを用いたゲル透過クロマトグラフイー(GPC)により測定・決定する。装置の部品は次のようである:
ポンプ Waters 600E型
システムコントローラー Waters 600E型
自動試料採取器 Waters 717 Plus
カラム 長さ600mm、内径7.5mmの
PLゲル20μm Mixed A カラム
(ゲル分子量範囲 1000 から40,000,000)
検出器 Waters 410型示差屈折計
GPCソフトウエア Waters MilleniumR ソフトウエア
分子量分布は次のように計算する:
MWD=重量平均分子量/数平均分子量
本発明における澱粉組成物の熱的性質は、化学文献報告値の融点(開始)156.6℃および溶融熱6.80cal./gを有するインジウム金属標準物質を用いて検量した TA Instruments 「DSC-2910」で測定して決める。標準DSCの操作法は機器メーカーの運転指示書に従う。DSC測定中の澱粉組成物からの揮発性物質の発生(例えば水蒸気)に備えて、o−リングシールを具備した大容量パンを使用し試料パンからの揮発性物質の揮散を防止する。試料および不活性対照(通常は空のパン)を、制御環境中、同一速度で加熱する。実相または疑似相変化が試料中に生起すると、DSC装置が試料から不活性対照への熱の流れを測定する。試験パラメーターの制御、データ採取、計算および報告のために、この装置をコンピユーターに連結する。
1.0℃で平衡化
2.0℃で2分間保持
3.120℃に10℃/分で加熱
4.120℃で2分間保持
5.30℃に10℃/分で冷却
6.室温で24時間平衡化、試料パンはDSC装置から取り出し、
この期間中、30℃の制御環境中に置く;
7.試料パンをDSC装置に返し、0℃で平衡化
8.2分間保持
9.120℃に10℃/分で加熱
10.120℃に2分間保持
11.30℃に10℃/分で冷却、かつ平衡化;ならびに
12.使用試料を取り出す
温度または時間に対する示差熱移動(△H)としての熱分析結果をコンピユーターが計算し、報告する。通常、この示差熱移動は重量基準(すなわち、cal./mg)で正規化して報告する。ガラス転移温度等の疑似相転移を試料が示す場合は、ガラス転移温度の測定を一層容易にするために、時間/温度プロットに対する△Hの示差を採用できる。
試料組成物の調製は、実質的均一混合物が形成されるまで、諸成分を加熱および撹拌により混合して行う。溶融組成物を「TeflonR 」シート上に広げて薄層フイルムを鋳造し、室温に冷却する。次いで、フイルムをオーブン中100℃で完全に乾燥(すなわち、フイルム/組成物中に水分がなくなるまで)する。乾燥フイルムを室温と平衡させる。粉砕して平衡化フイルムを小さくペレット化する。
試料中の固形分(%)を測定するために、粉砕試料を、予め秤量した金属パン中に置き、パンおよび試料の全重量を記録する。秤量したパンおよび試料を100℃のオーブン中に2時間放置し、次いで取り出して直ちに秤量する。固形分(%)は次のように計算する:
固形分(%)= 粉砕試料およびパンの乾燥重量−パン重量 ×100
(粉砕試料およびパンの初期重量−パン重量)
溶解性固形分(%)= (屈折率#)×1000
固形分(%)
試験に先立ちフィルム試料の湿気含有量が約5%から約16%になるまで、相対湿度48%から50%および温度22℃から24℃で状態調節する。湿気含有料はTGA(Thermo Gravimetric Analysis;熱重量分析)で測定・決定する。熱重量分析の場合、 TA Instruments 社からの高分解能「YGA 2950」型熱重量分析計を用いる。試料約20mgをTGAパン中に秤量する。メーカー指示書に準拠して試料およびパンをユニット中に入れ、速度10℃/分で250℃へ加温する。試料中の湿気(%)は重量損失および初期重量から次のように決める:
湿気(%)= 開始重量−重量(250℃で) *100%
開始重量
キャリパー試験で記録された読みの合計を記録読み数で割る。結果をミル単位で報告する。
実施例に用いた材料は次のようである:
「Crystal GumR」は重量平均分子量100,000の修飾澱粉;「NadexR」は重量平均分子量2000の修飾澱粉;「Instant-n OilR」は重量平均分子量800,000の修飾澱粉であり;いずれも National Starch and Chmicals Corp., Bridgewater, NJ. から市販される。
「SuperflocR A-130」は重量平均分子量12,000,000から14,000,000のカルボキシル化ポリアクリルアミドであり、Cytec Co., Stamford, CT.から市販される。
ノニオンポリアクリルアミド「PAM-a 」および「PAM-b 」は、それぞれ重量平均分子量15,000,000および5,000,000から6,000,000のものであり、Scientific Polymer Products, Inc., Ontario, NY. から市販される。
重量平均分子量750,000 のポリエチレンイミンは Aldrich Chemcal Co., Milwaukee, WI.から市販される。
「ParezR 631 NC」 は低分子量グリオキシル化ポリアクリルアミドであり、「ParezR 802」は低分子量グリオキシル化尿素樹脂であり、Cytec Co., Stamford, CT. から市販される。
「PluronicR F87 」は BASF corp., Parsippany, NJ.から市販のノニオンポルオキソマーである。尿素、スクロースおよびグリオキサル(40%水溶液)は Aldrich Chemical Co., Milwaukee, WI. から市販される。
本発明における溶融加工組成物は、澱粉(Crystal Gum )45重量%、尿素40.5重量%、スクロース4.5重量%、および遊離水9.8重量%を混合し、手動撹拌しスラリーを形成させて調製する。ポリアクリルアミド(PAM-a 、MW =15,000,000)を水に溶解して PAM 水溶液を形成させる。ポリマー/水溶液のアリコートをスラリーに加える。最終混合物中のポリアクリルアミドの重量%が0.2になるまでスラリー中の水を蒸発する。
上記組成物は剪断粘度0.65パスカル・秒、伸張粘度1863.2パスカル・秒(700s-1および90℃で)を有する。
ポリアクリルアミドを組成物中に添加しない以外は実施例1に従って比較澱粉組成物を調製する。この組成物は700s-1および90℃で剪断粘度1.35パスカル・秒、伸張粘度43.02パスカル・秒を有する。実施例1および比較例1bは、小量の高ポリマーを添加すると剪断粘度が僅かに低下し、伸張粘度が顕著に高まることを示す。
本発明における溶融加工組成物は、澱粉(Crystal Gum )50重量%、尿素30重量%、スクロース1.5重量%、および遊離水18.5重量%を混合して、手動撹拌しスラリーを形成させて調製する。ポリアクリルアミド(Superfloc A-130 、MW =12,000,000 から 14,000,000 )を水に溶解して PAM水溶液を形成させる。ポリマー/水溶液のアリコートをスラリーに加える。最終混合物中のポリアクリルアミドの重量%が0.003になるまでスラリー中の水を蒸発する。
上記組成物は剪断粘度1.12パスカル・秒、伸張粘度46.0パスカル・秒(700s-1および90℃)を有する。
ポリアクリルアミドを組成物中に添加しない以外は実施例2に従って比較澱粉組成物を調製する。この組成物は700s-1および90℃で剪断粘度1.23パスカル・秒、伸張粘度0.69パスカル・秒を有する。実施例2および比較例2bは、小量の高ポリマーを添加すると剪断粘度が僅かに低下し、伸張粘度が顕著に高まることを示す。
溶融吹き込みダイを具備するトルク粘度計を用いて実施例1における組成物を処理する。図1にトルク粘度計を示す。トルク粘度計装置 100には、駆動ユニット 110(Haake GmbH製「 Rheocord 90」型)、4種の温度帯域 122、124、126および 128 に分画したバレル 120、フイードポート 121、および溶融紡糸装置 130が包含される。二軸スクリュー要素 160(Haake GmdH 製「TW 100」型)を駆動ユニット 110に取り付け、バレル 120 以内に配設する。幅6インチの溶融吹き込みダイ装置 130(JM Laboratory, Dawsonville, GAから市販)をポンプ 140経由でバレル端部に連結する。このダイ装置は、線状インチ当たり孔52個と、幅 0.02"の空気通路 152により取り囲まれた直径 0.015" ( 0.0381cm) の孔1個とを有する紡糸口金を具備し、この通路から高速空気流 150 が紡糸口金板直下で押出フイラメントに衝突する。この空気流は、紡糸口金から殆ど同時にフイラメントを吹き去り、フイラメントを繊細化させる。
バレル温度
帯域 122 70℃
帯域 124 90℃
帯域 126 90℃
帯域 128 90℃
トルク 100rpm
ダイ温度 126.7℃
空気温度 126.7℃
空気圧 35 psi
ポンプ 40rpm
押出機からポンプ経由で混合物を溶融吹き込みダイ中へと搬送する。本発明により生じた細長フイラメント(または繊維)は、繊維直径8から40ミクロンである。
実施例2に記載の組成物を本発明による微細繊維へと溶融吹き込みする。図3aは実施例3に記載の方法を用いて実施例2の組成物から作った澱粉繊維の走査電子顕微鏡写真(目盛り 200ミクロン)である。図3bは目盛り 20 ミクロンで示す同一澱粉繊維の走査電子顕微鏡写真である。両図共、例4に示す澱粉繊維が約5ミクロンのかなり均一な繊維直径を有することを示す。
澱粉15g(Crystal Gum、 MW = 100,000)および遊離水15gを80℃で手動撹拌により混合し、混合物を実質的に均一化またはゼラチン化させる。高ポリマー(PAM-a 、MW =15,000,000)を遊離水に溶解し、既知濃度の PAM水溶液を形成させる。ポリマー/水溶液のアリコットを、澱粉/水混合物に添加し、全混合物が PMA-aを0.006g含有するようにする。最終混合物(澱粉、 PAM-a および水)の重量が30gに等しくなるまで、上記全混合物を加熱して水を蒸発させる。この混合物は、繊維線引き成形に好適な溶融伸張性を有することが判る。
澱粉(Crystal Gum )、高ポリマーおよび水の混合物を実施例5と同一の態様で調製する。これらの混合物の最終組成を次に示す:
Ex-6 Ex-7 Ex-8
澱粉 Crystal Gum 100,000 Wt% 49.99 49.99 46.92
ポリアクリルアミド Superfloc A-130 12-14.000,000 Wt% 0.02
PAM-b 5-6,000,000 Wt% 0.02
ポリエチレンイミン 750,000 Wt% 6.17
水 Wt% 49.99 49.99 46.91
本発明におけるこれらの組成物は繊維線引き成形に適する溶融伸張性を有することが判る。
実施例1におけると同じ態様で次の組成物を調製する:
M W Ex-9 Ex-10 Ex-11
澱粉 Crystal Gum 100,000 Wt% 41.54 20.77 20.77
Nadex 2,000 Wt% 20.77
Instant-n Oil 800,000 Wt% 20.77
ポリアクリルアミド PAM-a 15,000,000 Wt% 0.08 0.08 0.08
尿素 Wt% 6.23 6.23 6.23
スクロース Wt% 6.23 6.23 6.23
Parez 631 NC Wt% 1.04 1.04 1.04
水 Wt% 44.88 44.88 44.88
本発明によるこれらの組成物は、繊維線引き成形に適する溶融伸張性を有することが期待される。かつ、水のpHを2に調整すると、作られる繊維の水溶解度は、本発明において開示の方法に準拠すると、30%未満であることが期待される。
溶融加工組成物を、澱粉(Crystal Gum )45重量%、ポリアクリルアミド0.2重量%(PAM-a )、尿素40.5重量%、スクロース4.5重量%、および水9.8重量%の混合して調製する。混合物をトルク粘度計中に計量注入する以外は実施例3に記載の態様で、図1に示すトルク粘度計を用いて上記組成物を微細繊維へと溶融吹き込み成形する。トルク粘度計およびダイ装置は次のようである:
バレル温度
帯域 122 70℃
帯域 124 90℃
帯域 126 90℃
帯域 128 90℃
トルク 140rpm
フイード速度 16gm/分
ダイ温度 137.8℃
空気温度 137.8℃
空気圧 50 psi
ポンプ 40rpm
実施例12における空気施工で作られたウエブの油吸収性を試験する。市販モーター油(SAE 20級、the Society of Automobile Engineers) 1滴を吸収性比較の目的でウエブ上および市販紙タオル上にそれぞれ置く。このウエブは紙タオルに比べて次の点で改良された油吸収性を示す:(1)ウエブ上での滞留時間が短いことから、ウエブは市販タオルに比べて油の吸収が早く;かつ、(2)30秒後、ウエブは市販紙タオルの汚れに比べて約1.5から2倍もの大きさのスポット寸法を有した。
この実施例は、本発明による組成物から例えば圧縮板紙等の建築用材が作られることを説明する。溶融加工組成物は、澱粉(Crystal Gum )60重量%、ポリアクリルアミド(SP2 )0.1重量%、尿素2重量%、スクロース2重量%、「Parez 631 NC 1.5重量%および水34.4重量%(硫酸でpH2に調整)を混合・スラリー化して調製する。これを図1に説明のトルク粘度計(「Rheocord 90」型)中に仕込み、上記実施例12記載のような条件下で操作するが、この場合、溶融紡糸ダイに代えて単一細孔ダイ(直径1mmおよび温度90℃)を使用する。押出ストランドを、のこ屑またはかんな屑と共に、粘着する間に湿式混合する。混合ストランドを丸太状に圧縮する。この丸太を強制オーブン中で40℃で2時間乾燥し、澱粉組成物から残部の水を排除する。最終製品は、のこぎり屑47.8重量%および乾燥澱粉組成物52.2重量%からなる丸太である。
澱粉溶液の調製
「Purity Gum 59 」(National Starch Co.,製、重量平均分子量を約330,000 ダルトンに低減させた蝋状トウモロコシ澱粉)275g、無水グリセロール10g、無水硫酸ナトリウム0.5gおよび蒸留水214.5gを混合し修飾澱粉水溶液を調製する。この混合物を加熱プレート上で約60℃に加熱し手動撹拌で澱粉を溶解し、次いで70℃オーブン中に一昼夜放置する。
上記澱粉溶液を、加熱テープで約120から200o F範囲内に保持するように温度制御したラムの樹脂溜めに入れる。この溶液を、Spraying System 製空気噴霧ノズル(以後、”ノズル”または”ダイ”と呼称)へと搬送し、流速1.2cm3 /分,溶液温度50℃でノズルから押し出す。ノズル内径は0.014インチである。
Claims (17)
- a)40%から70重量%の澱粉であって澱粉の20%から99重量%がアミロペクチンを含む澱粉、
b)30%から60重量%の水、および
c)0.001%から10重量%のポリビニルアルコール、
を含む、無機粒子を含まない組成物であって、上記組成物が50パスカル・秒から20,000パスカル・秒の範囲の伸張粘度を有し、かつ、上記組成物が、流速1.2cm 3 /分で組成物温度50℃で0.014インチの内径を有する細孔ダイを通過する際に組成物の剪断粘度および表面張力に基づく少なくとも1の細孔数を示す、組成物。 - 澱粉が、1,000から2,000,000の範囲の重量平均分子量を有する、請求項1に記載の組成物。
- 細孔数が1から100の範囲である、請求項2に記載の組成物。
- 上記組成物が、100パスカル・秒から15,000パスカル・秒の範囲の伸張粘度を有する、請求項3に記載の組成物。
- 組成物が、80℃から140℃の温度範囲で加工処理される、請求項4に記載の組成物。
- 上記組成物が、200パスカル・秒から10,000パスカル・秒の範囲の伸張粘度を有し、かつ、3から50の範囲の細孔数を有する、請求項4に記載の組成物。
- 上記組成物が300パスカル・秒から5,000パスカル・秒の範囲の伸張粘度を有し、かつ、5から30の範囲の細孔数を有する、請求項6に記載の組成物。
- 組成物は、伸張粘度と剪断粘度の間の比であるトルートン比が90℃および700S -1 で測定したとき、3から10,000の範囲である、請求項1に記載の組成物。
- 澱粉の重量平均分子量が、2,000から500,000の範囲である、請求項1に記載の組成物。
- 組成物が、45%から65重量%の澱粉、および35%から55重量%の水を含む、請求項1に記載の組成物。
- 請求項1に記載の組成物を調製する方法であって、該方法が
a)40%から70重量%の澱粉であって澱粉の20%〜99重量%がアミロペクチンを含む澱粉、
b)30%から60重量%の水、および
c)0.001%から10重量%のポリビニルアルコール、
の混合物を形成させることを含む方法。 - 澱粉が、1,000から2,000,000の範囲の重量平均分子量を有する、請求項11に記載の方法。
- 請求項1に記載の組成物から作られた繊維またはフイラメントであって、25ミクロン未満の平均当量直径を有する繊維またはフイラメント。
- 請求項1に記載の組成物から作られた繊維またはフイラメントであって、0.01から135デシテックスの寸法を有する繊維またはフイラメント。
- 繊維またはフイラメントの平均当量直径が15ミクロン未満である、請求項14に記載の繊維またはフイラメント。
- 繊維、フィラメント、起泡体およびその混合物からなる群から選択された材料の製造方法であって、請求項1に記載の組成物をダイを通過させ、上記材料を生成させることを含む方法。
- 25ミクロン未満の平均当量直径を有する繊維またはフイラメントの製造に適した無機粒子を含まない組成物であって、
a)40%から70重量%の澱粉であって澱粉の20%〜99重量%がアミロペクチンを含む澱粉、
b)30%から60重量%の水、および
c)0.001%から10重量%のポリビニルアルコール、
を含み、上記組成物が50パスカル・秒から20,000パスカル・秒の範囲の伸張粘度を有し、かつ、上記組成物が、表面張力に対する粘性流体力の比で表わされる無次元数である少なくとも1の細孔数を示す、組成物。
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