JP5030655B2 - レンズシフト機構及び投写型映像表示装置 - Google Patents

レンズシフト機構及び投写型映像表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、映像を投写する投写型映像表示装置において、投写レンズユニットを光軸に略直交する方向に移動させるレンズシフト機構に関する。
大型のスクリーンに映像を表示する表示装置の一つに、投写型映像表示装置がある。この投写型映像表示装置は、前面投写型と背面投写型とに大別される。
前面投写型映像表示装置としては、例えば、LCDプロジェクタが知られている。このLCDプロジェクタは、光源から発せられた照明光を、赤色、緑色、青色に分離するダイクロイックミラーと、各色の照明光を変調する光変調手段としてのLCDパネルと、LCDパネルで変調された照明光を合成するダイクロイックプリズムと、合成された照明光をスクリーンなどに投写する投写レンズユニットとを備えて構成されている。
近年、投写型映像表示装置の本体を移動させずに、投写映像の位置(投写範囲)を移動させることができるよう、投写レンズユニットを光軸に直交する方向に移動(シフト)させるレンズシフト機構が開発されている。
一般に、レンズシフト機構は、投写レンズユニットを支持する可動ユニットと、この可動ユニットを所定の方向に移動させる駆動機構とを備えている。駆動機構は、可動ユニットに取り付けた送りねじを、ダイヤル又はモータにより回転させるものである。
レンズシフト機構には、可動ユニットの移動範囲を規制するためのストッパが設けられているが、何らかの理由で、可動ユニットがストッパに当接している状態で送りねじが回転し続けた場合、送りねじやモータの破損を招く可能性がある。
そこで、送りねじの負荷を軽減するため、可動ユニットが移動可能の限界位置に達した状態で、モータ等の駆動力が可動ユニットに伝達されないようにするスリップ機構が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−72392号公報(第4〜6頁、図1)
スリップ機構の具体的な構成としては、例えば、モータ等の回転軸に、ギアと回転プレートとを同軸に取り付け、ばねにより回転プレートをギアに圧接することで、ギアと回転プレートとの摩擦を利用して駆動力を伝達する構成が考えられる。可動ユニットがストッパに当接している状態で送りねじが回転し続けた場合には、ギアと回転プレートとのスリップが生じ、送りねじ等の損傷を防止することができる。
しかしながら、可動ユニットの重量は、投写レンズユニットを含めて1kg以上に達するため、このような可動ユニットの移動に必要なトルクを発生させるためには、ギアと回転プレートとの圧接力(ばねの付勢力)を非常に大きくする必要がある。そのため、より強力で大型のばねを設けなければならず、装置が大型化し、また、組み立てが複雑になるという問題がある。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、強力なばねを必要とせず、組み立てが簡単でコンパクトレンズシフト機構及び投写型映像表示装置を提供することにある。
この発明に係るレンズシフト機構は、投写レンズユニットを支持し、投写レンズユニットの光軸に対して直交する方向に移動可能な可動ユニットと、可動ユニットを移動させる駆動力を発生する駆動装置と、可動ユニットに当接して移動範囲を規制するストッパと、可動ユニットがストッパに当接した状態で、駆動装置の駆動力が可動ユニットに伝達されないようにするためのスリップ機構とを備える。スリップ機構は、回転軸に回転可能に取り付けられたギアと、回転軸に回転軸と一体で回転可能に取り付けられた回転プレートと、回転プレートをギアに対して押し当てる付勢部と、回転プレートをギアに対して押し当てる押し圧を調節する調節部材とを備え、ギアと回転プレートとの当接面は、ギア側に仮想頂点を有する円錐面形状であり、ギアまたは回転プレートの外周近傍に、回転軸を中心とする環状に設けられていることを特徴とするまた、この発明に係る投写型映像表示装置は、上述したレンズシフト機構を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、スリップ機構におけるギアと回転プレートとの当接面が、ギアの回転軸を中心とする円錐面をなしているため、その当接面(円錐面)にくさび状の力が発生する。これにより、より小さい付勢力で、ギアと回転プレートとの摩擦による大きなトルクを得ることができる。その結果、強力なばね等を必要とせず、コンパクトで組み立てが簡単なレンズシフト機構を実現することができる。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る投写型映像表示装置としてのLCD(Liquid Crystal Display)プロジェクタ30を示す上面図である。このLCDプロジェクタ(以下、単にプロジェクタと称する。)30は、外部に配置された図示しないスクリーンに映像を表示する前面投写型の映像表示装置である。
プロジェクタ30は、筐体31の内部に光学ユニット40を有している。この光学ユニット40は、光(例えば白色光)を出射する超高圧水銀ランプ等の光源11を有している。
光源11の出射側には、入射光のうち、赤色の波長帯域の光を透過し、シアン(緑色及び青色)の波長帯域の光を反射する分光用のダイクロイックミラー12aが配置されている。ダイクロイックミラー12aの透過光の進行方向には、全反射ミラー13cが配置され、この全反射ミラー13cの反射光の進行方向には、赤色(R)の画像形成用の液晶パネル14rが配置されている。
ダイクロイックミラー12aの反射光の進行方向には、青色の波長帯域の光を透過し、緑色の波長帯域の光を反射する分光用のダイクロイックミラー12bが配置されている。ダイクロイックミラー12bの反射光の進行方向には、緑色(R)の画像形成用の液晶パネル14gが配置されている。ダイクロイックミラー12aの透過光の進行方向には、全反射ミラー13a,13bが配置され、これら全反射ミラー13a,13bに反射された光の進行方向には、青色(B)の画像形成用の液晶パネル14bが配置されている。
液晶パネル14r,14g,14bは、ここでは透過型の液晶表示素子であり、それぞれ入射光を光変調する光変調素子として機能する。液晶パネル14r,14g,14bの出射側には、各液晶パネル14r,14g,14bにより変調された光を合成するダイクロックプリズム15が配置されている。ダイクロイックプリズム15の出射側には、ダイクロイックプリズム15で構成された光を、図示しないスクリーンに投影するための投写レンズ20が配置されている。
この光学ユニット40の基本的な作用は、次のとおりである。光源11から出射された光は、まずダイクロイックミラー12aに入射する。赤色の波長帯域の光は、ダイクロイックミラー12aを透過し、全反射ミラー13cに反射され、液晶パネル14rに入射する。ダイクロイックミラー12aにより反射された緑色及び青色の波長帯域の光は、ダイクロイックミラー12bに入射する。緑色の波長帯域の光は、ダイクロイックミラー12bにより反射され、液晶パネル14gに入射する。一方、青色の波長帯域の光は、ダイクロイックミラー12bを透過し、さらに全反射ミラー13a,13bにより反射され、液晶パネル14bに入射する。液晶パネル14r,14g,14bにより光変調された各色の波長帯域の光は、ダイクロイックプリズム15により合成され、投写レンズ20により、図示しないスクリーンに投写(拡大投影)される。
図2(a)は、上述した投写レンズ20を含む投写レンズユニット150を示す斜視図であり、図2(b)は投写レンズユニット150の一部を拡大して示す斜視図である。図2(a)に示すように、投写レンズユニット150は、投写レンズ20を保持するレンズ鏡筒21と、レンズ鏡筒21が取り付けられたスライドベース24と、このスライドベース24をスライド可能に支持するベース25とを有している。
レンズ鏡筒21は、投写レンズ20が内側に取り付けられた円筒部21aと、円筒部21aの軸方向一端に形成された矩形状のフランジ部21bとを有し、このフランジ部21bの四隅において、スライドベース24にねじ21cにより固定されている。ベース25は、投写レンズ20の光軸に直交する面内に高さ及び幅を有しており、その幅方向(左右方向)両端には、高さ方向(上下方向)に延在する第1のガイド23a及び第2のガイド23bがそれぞれ取り付けられている。第1のガイド23aは、第2のガイド23bよりも短く、ベース25に対して2箇所でねじ23cにより固定されている。第2のガイド23bは、ベース25に対して3箇所でねじ23dにより固定されている。
ベース25と第1のガイド23aとは、上記光軸方向に一定の間隔をあけて対向配置されており、その間にスライドベース24の幅方向一端部(図2における右側の端部)が挟持されている。同様に、ベース25と第2のガイド23bとは、上記光軸方向に一定の間隔をあけて対向配置されており、その間にスライドベース24の幅方向他端部(図2における左側の端部)が挟持されている。これにより、スライドベース24は、ベース25に対して、上下方向にスライド可能に支持される。
ベース25において、第1のガイド部材23aの下側には、スライドベース24をガイド部材23a,23bに沿って移動させるための、上下方向に延在する送りねじ28が取り付けられている。スライドベース24の右側、すなわちベース25と第1のガイド23aとに挟持される側には、送りねじ28に螺合する雌ねじが形成された挿通部24aが形成されている。
図2(b)に示すように、送りねじ28の上端には、ブッシュ26aが遊嵌されている。このブッシュ26aは、ベース25に形成された溝(図示せず)に挿入されており、ブッシュ押さえ27aをベース25にねじ止め固定することにより保持されている。送りねじ28の下側(後述する送りねじ駆動ギア29よりも上側)には、ブッシュ26bが遊嵌されている。このブッシュ26bは、ベース25に形成された溝(図示せず)に挿入されており、ブッシュ押さえ27bをベース25にねじ止め固定することにより保持されている。このようにして、送りねじ28は、ベース25に対して回転可能に支持されている。
送りねじ28の下端には、駆動源であるモータの動力により送りねじ28を回転駆動する送りねじ駆動ギア29が固定されている。
ベース25の送りねじ28側の側端部には、スライドベース24の駆動源としてのモータ100が、ホルダ101を介して取り付けられている。モータ100は、上下方向の回転軸100aを有しており、この回転軸100aには、伝達ギア201を含むスリップ機構200が取り付けられている。伝達ギア201は、送りねじ駆動ギア29に螺合することで、上述した送りねじ28と連結されている。モータ100の駆動力は、回転軸100a及び伝達ギア201を介して送りねじ駆動ギア29に伝達され、送りねじ28が回動することによりスライドベース24が上下方向に移動動する。
伝達ギア201及び送りねじ駆動ギア29は、モータ100の回転軸100aの回転を所定の減速比で減速する減速機構を構成している。減速比をある程度大きくすることにより、スライドベース24の上方向の移動速度と下方向の移動速度との速度差を(重力の影響を抑制して)小さくしている。
図2(a)に示すように、ベース25の上端部の近傍には、スライドベース24が上方に移動して所定の限界位置に達したときにスライドベース24の上端部と当接するように、第1のストッパ25aが配置されている。また、ベース25の下端部の近傍には、スライドベース24が下方に移動して所定の限界位置に達したときに、スライドベース24の下端に設けられた突起部24cと当接するように、第2のストッパ25bが配置されている。第1及び第2のストッパ25a,25bにより、スライドベース24の上下方向の移動範囲が規制されている。
図3は、実施の形態1におけるスリップ機構200の具体的な構成を示す断面図であり、図2(b)に示した線分A−Aにおける矢視方向の断面図に対応している。図3において、伝達ギア201は、モータ100の回転軸100aに対して、相対回転可能に、且つ、軸方向には相対移動不能に取り付けられている。
モータ100の回転軸100aにおいて、伝達ギア201よりも下側(すなわちモータ100とは反対の側)には、回転プレート202が取り付けられている。この回転プレート202は、モータ100の回転軸100aと一体となって回転するが、軸方向にはスライドできるように取り付けられている。具体的には、例えば、回転軸100aの断面形状をD字状とし、回転プレート202の内側に形成した断面D字状(Dカット)の開口部に係合させることで、回転プレート202が回転軸100aと一体となって回転し、なお且つ軸方向には相対移動できる構成となっている。
モータ100の回転軸100aの先端(下端)には、外周ねじ(図3では隠れている)が形成されており、この外周ねじ(雄ねじ)には、ナット204が螺合している。ナット204と回転プレート202との間には、ばね(ここではコイルばね)203が圧縮された状態で取り付けられており、回転プレート202を伝達ギア201側に付勢している。ばね203の上端は、回転プレート202の下面に形成された環状の溝部202aに収容されており、ばね203の下端は、ナット204の上面に当接している。ばね203の圧縮量(すなわち、これにより生じる付勢力)は、回転軸100aの先端の外周ねじに螺合しているナット204の回転操作により調整することができる。
伝達ギア201と回転プレート202との当接面(符号205で示す)は、回転軸100aの中心軸線を中心とする円錐面をなしている。当接面(円錐面)205は、伝達ギア201側に仮想の頂点を有するもの(半径方向内側が伝達ギア201に近くなるような傾斜を有するもの)とし、このときのモータ100の回転軸100aの中心軸線に対する傾斜角θを0<θ<90°とする。伝達ギア201と回転プレート202とは、この当接面205における摩擦により、回転プレート202の回転を伝達ギア201に伝達するものである。
次に、本実施の形態におけるレンズシフト機構の動作について説明する。図4(a)は、スライドベース24が、基準位置(基準高さ)にある状態を示す正面図である。図4(b)は、スライドベース24が、移動範囲の下限位置まで移動した状態を示す正面図である。
投写位置の調整等のため、投写像をスクリーンに対して下方に移動(シフト)させる際には、モータ100の回転軸100aを所定の方向に回転させる。モータ100の回転軸100aの回転は、まず回転プレート202に伝達され、さらに、回転プレート202の回転が上記の当接面205(図3)を介して伝達ギア201に伝達され、伝達ギア201に螺合している送りねじ駆動ギア29に伝達される。これにより、送りねじ28が回転し、送りねじ28と雌ねじ(図示せず)との螺合により、スライドベース24aがベース25に対して下方に移動する。スライドベース24が下方向に移動することにより、投写レンズ20が下方に移動するため、投写像が下方にシフトする。スライドベース24が、移動範囲の下限位置に達すると、図4(b)に示すように、スライドベース24の下端に設けられた突起部24cが、ベース25に設けられた第2のストッパ25bに当接する。この時点で、モータ100の回転が停止する。
一方、何らかの原因で、スライドベース24の突起部24cが第2のストッパ25bに当接した状態でモータ100が回転し続けた場合、スライドベース24はそれ以上移動しない(従って送りねじ駆動ギア29は回転しない)ため、伝達ギア201には通常より大きい負荷が加わることになる。このような負荷(すなわち、所定のスリップトルク以上の負荷)が加わると、回転プレート202と伝達ギア201との当接面205においてスリップが生じる。すなわち、回転軸100a及び回転プレート202は回転するが、伝達ギア201は回転しない状態となる。これにより、送りねじ28にはモータ100の駆動力が伝達されず、その結果、モータ100や送りねじ28等に過大な負荷がかかることが防止される。
ここで、スリップ機構の原理について説明する。
図5は、スリップ機構の原理を模式的に示す断面図であり、図6は、伝達ギアと回転プレートとの当接面を示す図である。図5において、モータの回転軸300には、負荷に連結された伝達ギア301(上述した伝達ギア201に対応)が、相対回転可能に取り付けられている。また、回転軸300には、回転プレート302が、軸方向に相対移動可能に取り付けられており、ばね303により伝達ギア301に圧接されている。ばね303の付勢力は、回転軸300の先端の外周ねじに螺合するナット304により調整される。
ギア301と回転プレート302との当接面305は、図6にハッチングで示す部分であり、当接面305の内周円311の半径をr1とし、外周円312の半径をr2とすると、平均内径rは以下の式(1)で表すことができる。
Figure 0005030655
また、ギア301と回転プレート302との当接面305に作用する力Fと、ギア301と回転プレート302との間の摩擦係数μと、ギア301と回転プレート302との当接面305において得られる摩擦トルクTとの関係は、以下の式(2)で表すことができる。
F=T/(μ×r) ・・・ (2)
すなわち、ギア301と回転プレート302との当接面305に作用する力Fが大きいほど、大きな摩擦トルクTが得られる。
ここで、本実施の形態において、伝達ギア201と回転プレート202との当接面205に作用する力Fについて、従来例との対比により説明する。図7(a)は、伝達ギア211と回転プレート212との当接面215が回転軸に対して直交している構成例(従来例とする。)を示す縦断面図である。図7(b)は、本実施の形態において、伝達ギア201と回転プレート202の当接面205を介して伝達される力を説明するための縦断面図である。
図7(a)に示した従来例では、回転プレート212と伝達ギア211との当接面215が、モータの回動軸に直交している。便宜上、伝達ギア211と回転プレート212との当接面215を左右に分けて考えると、ばねの付勢力Qに対し、回転プレート212と伝達ギア211との当接面215に作用する力Fは、
=Q/2 ・・・ (3)
で表される。
一方、本実施の形態では、回転プレート202と伝達ギア201との当接面205は、上述したように回転軸100aの中心軸線を中心とする円錐面をなしており、回転軸100aに対して傾斜角θを有している。ここでは、図7(b)における当接面205の面積は、図7(a)に示した当接面215の面積と同一であるものとする。
図7(b)において、ばねの付勢力Qと、回転プレート202と伝達ギア201との当接面205(便宜上、左右に分けて考える)に作用する力Fとの間には、
Fsinθ=Q/2 ・・・(4)
の関係が成立する。これは、当接面205の有する傾斜θにより、回転プレート202が伝達ギア201を外側に押し広げようとする楔(くさび)の作用が生じるためである。
このことは、例えば、図7(c)に示すモデルによっても理解することができる。くさびの作用により、回転プレート202が図中破線で示すように外側に微少量移動したとする。このとき、軸方向の力(Q/2)による当接面205の当該軸方向の移動距離をdyとすると、当接面205に直交する方向の力Fによる当該力Fの方向の移動距離はdy・sinθと表される。力×移動量(仕事)は一定であることから、
(Q/2)dy=F・dy・sinθ
の関係が得られ、上記の(4)式が得られる。
上記の式(3)及び(4)から、本実施の形態において、回転プレート202と伝達ギア201との間に作用する力Fは、以下のように表すことができる。
F=(Q/2)/sinθ
=F/sinθ ・・・(5)
式(5)から、本実施の形態において当接面205に作用する力F(図7(b))は、付勢力Qが同じでも、従来例の当接面215に作用する力F(図7(a))よりも大きい(F>F)ことが分かる。すなわち、回転プレート202と伝達ギア201との当接面を、回転軸100aに対する傾斜角θ(0<θ<90°)を有する円錐面とすることにより、同じばねの付勢力Qに対して、より大きな押圧力が得られることが分かる。
また、本実施の形態では、回転プレート202及び伝達ギア201の半径Rが、従来例(図7(a))の回転プレート212及び伝達ギア211の半径rより小さくても同じ面積の当接面を確保することができる。そのため、スリップ機構及びレンズシフト機構の更なる小型化が可能になる。
以上説明したように、伝達ギア201と回転プレート202との当接面205を、モータ100の回転軸100aの中心軸線を中心とする円錐面とし、0°<θ<90°となるような傾斜角θを与えることにより、当接面205に大きな摩擦力を発生させることができ、この当接面205を介して、回転プレート202から伝達ギア201に大きなトルク(摩擦トルク)を伝達することが可能になる。その結果、ばね203の付勢力を大きくすることなく、スライドベース24を移動させるために必要なトルクを得ることができる。
このように、ばね203の付勢力を大きくせずに必要なトルクを得ることができるため、スリップ機構(及びこれを含むレンズシフト機構)を小型化し、組み立てを簡単にすることができる。また、伝達ギア201及び回転プレート202の外径を小さくしても、従来と同様の当接面の面積を確保できるため、スリップ機構及びレンズシフト機構を更に小型化することができる。
また、回転プレート202が、回転軸100aに対して軸方向に相対移動可能で、なお且つ回転軸10aと共に回転するように取り付けられているため、この回動回転プレート202を介した伝達ギア201への摩擦による動力伝達が可能となる。
また、付勢手段(ばね203)が、伝達ギア201と回転プレート202の一方を他方に押圧する位置に配置され、ナット204により圧縮量が調節されるため、最適な付勢力を簡単に設定することができる。
なお、伝達ギア201と回転プレート202との当接面(円錐面)の傾斜は、半径方向内側がモータ100に近付くような傾斜(0<θ<90°)であるが、逆向きの傾斜、すなわち半径方向内側がナット204に近づくような傾斜(−90°<θ<0)であってもよい。
また、回転プレート202は、伝達ギア201に対し、モータ100と反対の側(図3における下側)に配置されているが、回転プレート202が伝達ギア201に押圧されていれば、回転プレート202が伝達ギア201のモータ100側(図3における上側)に配置されていてもよい。
実施の形態2.
図8は、実施の形態2に係るスリップ機構を示す断面図であり、図2(b)に示した線分A−Aにおける断面図に相当する。図8において、実施の形態1で説明した構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付す。
実施の形態1と同様、モータ100の回転軸100aには、伝達ギア201が相対回転可能に取り付けられており、伝達ギア201のモータ100と反対の側には、回転プレート222が取り付けられている。回転プレート222は、ばね203の付勢力により、伝達ギア201に対して押圧されている。ばね203の付勢力は、回転軸100aの先端のねじに螺合するナット204により調整される。また、伝達ギア201と回転プレート222との当接面225は、モータ100の回転軸100aを中心とした円錐面をなしており、モータ100の回転軸100aに対し0<θ<90°となるような傾斜角θを有している。
本実施の形態では、回転プレート222の伝達ギア201に対向する側の面に、回転プレート222の外周端縁に沿って凸部222aが形成されている。凸部222aは、回転軸100aの中心軸線を中心とするリング状に突出しており、その半径方向内側は凹部となっている。凸部222aの表面は、回転軸100aを中心とする円錐面の一部をなしており、伝達ギア201に当接している。また、伝達ギア201の回転プレート222側の面201a(少なくとも凸部222aに接する部分)は、回転軸100aを中心とする円錐面の一部をなしている。
このように構成されているため、ばね203に付勢された回転プレート222が、その凸部222aの表面において伝達ギア201に当接すると、回転プレート222と伝達ギア201との間には空洞部226が形成される。
図5を参照して既に説明したように、当接面205の内周円311の半径をr1とし、当接面205の外周縁の半径312をr2とすると、平均内径rは上述した式(1)で表され、所定のスリップトルクTを得るために必要な押圧力をFとし、回転プレートの摩擦係数をμとすると、F=T/(μ・r)の関係が成立する。
このことから、平均内径rが大きいほど、所望のスリップトルクTを得るための押圧力Fを小さくできることが分かる。一方、平均半径rを大きくするためには、上述した式(1)から、内周円の半径(内側半径)r1又は外周円の半径(外側半径)r2を大きくすればよいことが分かる。しかしながら、外側半径r2を大きくすると、スリップ機構の外径が大きくなるため小型化には不利である。そこで、本実施の形態では、回転プレート222に凹部を設け、当接面225(凸部222aの表面)の内側半径r1を小さくすることで、外側半径r2を大きくすることなく平均半径rを小さくしている。これにより、より小さな押圧力Fで、所望のトルク(スリップトルク)を得ることができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、実施の形態1で説明した効果に加えて、回転プレート222の外周近傍の凸部222aが伝達ギア201に当接する構成により、より小さな押圧力で、大きなトルクを得ることが可能になる。
なお、ここでは、回転プレート222の外周縁近傍に設けた凸部222aを伝達ギア201に当接させる構成について説明したが、実施の形態1と同様の回転プレート202を用い、伝達ギア201の回転プレート202側に凸部(及びその内側の凹部)を形成してもよい。この場合も同等の効果を得ることが可能である。
また、実施の形態1でも説明したように、伝達ギア201と回転プレート222との当接面225の傾斜は、逆向きの傾斜(−90°<θ<0)であってもよい。また、回転プレート222は、伝達ギア201に対し、モータ100側(図8における上側)に配置されていてもよい。
上述した実施の形態1及び2では、投写レンズ20を上下方向にシフトさせる(すなわちスライドベース24を上下方向に移動させる)構成について説明したが、投写レンズ20を左右方向にシフトさせる(すなわちスライドベース24を左右方向に移動させる)構成としてもよい。また、更にスライドベースを設け、投写レンズ20を上下方向及び左右方向にシフトする構成としてもよい。いずれの場合も、上述したスリップ機構を用いることで、同様の効果を得ることができる。
また、上述した実施の形態1及び2では、減速機構を一組のギア(送りねじ駆動ギア29及び伝達ギア201)で構成した例について説明したが、減速機構を3つ以上のギア(ギア群)で構成してもよい。ギア群の何れか一つにスリップ機構を用いることで、同等の効果を得ることができる。
また、上述した実施の形態1及び2では、装置外のスクリーンに映像を投写する前面投写型の映像表示装置について説明したが、本発明は、装置前面のスクリーンに背面側から映像を投写する背面投写型映像表示装置に適用してもよい。
本発明の実施の形態1に係る投写型映像表示装置を示す上面図である。 投写型映像表示装置における投写レンズユニットを示す斜視図(a)、及び、投写レンズユニットの一部を拡大して示す斜視図(b)である。 本発明の実施の形態1に係る投写型映像表示装置のスリップ機構を示す、図2(b)に示した線分A−Aにおける矢視方向の断面図である。 スライドベースが基準位置にあるときの投写レンズユニットの正面図(a)、及び、スライドベースが移動範囲の下限位置まで移動したときの投写レンズユニットの正面図(b)である。 スリップ機構の原理を示す縦断面図である。 スリップ機構の伝達ギアと回転プレートとの当接面を示す図である。 従来例において伝達ギアと回転プレートとの当接面に作用する力を説明するための縦断面図(a)、並びに、伝達ギアと回転プレートとの当接面に作用する力を説明するための縦断面図(b)及び模式図(c)である。 本発明の実施の形態2に係る投写型映像表示装置のスリップ機構を示す断面図である。
符号の説明
11 光源、 12a,12b ダイクロイックミラー、 13a,13b,13c 全反射ミラー、 14r,14g,14b 液晶パネル、 15 ダイクロイックプリズム、 20 レンズ、 21 鏡筒、 23a 第1のガイド、 23b 第2のガイド、 24 スライドベース、 24a 挿通部、 25 ベース、 25a 第1のストッパ、 25b 第2のストッパ、 26a,26b ブッシュ、 27a,27b ブッシュ押さえ、 28 送りねじ、 29 送りねじ駆動ギア、 30 投写型映像表示装置、 40 光学機器本体、 100 モータ、 100a,300 回転軸、 150 投写レンズユニット、 200 スリップ機構、 201,211,301 伝達ギア、 202,212,222,302 回転プレート、 203,303 ばね、 204,304 ナット、 205,215,225,305 当接面、 226 空洞部、 311 内周円、 312 外周円。

Claims (2)

  1. 投写レンズユニットを支持し、前記投写レンズユニットの光軸に対して直交する方向に移動可能な可動ユニットと、
    前記可動ユニットを移動させる駆動力を発生する駆動装置と、
    前記可動ユニットに当接して移動範囲を規制するストッパと、
    前記可動ユニットが前記ストッパに当接した状態で、前記駆動装置の駆動力が前記可動ユニットに伝達されないようにするためスリップ機構と
    を備え
    前記スリップ機構は、
    回転軸に回転可能に取り付けられたギアと、
    前記回転軸に前記回転軸と一体で回転可能に取り付けられた回転プレートと、
    前記回転プレートを前記ギアに対して押し当てる付勢部と、
    前記回転プレートを前記ギアに対して押し当てる押し圧を調節する調節部材と
    を備え、
    前記ギアと前記回転プレートとの当接面は、前記ギア側に仮想頂点を有する円錐面形状であり、前記ギアまたは前記回転プレートの外周近傍に、前記回転軸を中心とする環状に設けられていることを特徴とするレンズシフト機構。
  2. 請求項1に記載のレンズシフト機構を備えた投写型映像表示装置。
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