JP5029800B2 - クランクシャフトの高周波焼入れ方法及び高周波焼入れ装置 - Google Patents
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Description
また、第2の目的は、設備の小型化と汎用化とを両立することが可能なクランクシャフトの高周波焼入れ装置を提供することにある。
請求項3に記載の高周波焼入れ装置では、ティーチング手段を用いて一対のロボットアームの基準姿勢をロボット制御装置に教示させると、クランクシャフトを焼入れの対象となるピンの軸心を回転中心として所定角度位相づつ回転させた時の各段階における一対のロボットアームの各姿勢が演算教示手段によってロボット制御装置に自動的に教示される。
請求項4に記載の高周波焼入れ装置では、クランクシャフトを実際に回転させた時のピンの変位に基づいて一対のロボットアームの動作プログラムが補正される。
請求項5に記載の高周波焼入れ装置では、高周波焼入れ時における加熱コイルの変位に基づいて一対のロボットアームの動作が修正される。
本高周波焼入れ装置1では、一対の多関節型ロボットアーム2,3によってクランクシャフト4の両端部を把持し、該クランクシャフト4における焼入れの対象となるピン5を加熱コイル6に挿入し、この状態で、該ピン5と加熱コイル6とのギャップをガイドチップ11によって一定に保持しながら、該クランクシャフト4をピン中心C1で所定方向へ回転させることにより、当該ピン5の高周波焼入れが行われる。
したがって、本高周波焼入れ装置1では、クランクシャフト4をピン中心C1で回転させるので、従来の高周波焼入れ装置のように、ジャーナル中心C0を回転中心として円軌道で回転するピン5に加熱コイル6を追従させなくて済む。これにより、高周波焼入れ時に加熱コイル6を固定することができ、従来の高周波焼入れ装置における追従機構を廃止することで、設備が大幅に小型化される(従来の高周波焼入れ装置と比較して、体積比で約1/5)。また、加熱コイル6等の段替え部品を交換するだけで複数種のクランクシャフト4に対応させることが可能になり、汎用性が向上して設備コスト、延いては製造コストを削減することができる。
また、本高周波焼入れ装置1は、追従機構を備えた従来の高周波焼入れ装置と比較して、クランクシャフト4のピン5に対するコイル押付力を、ピン5と加熱コイル6とのギャップを一定に保持することが可能な最小押付力に設定することができる。これにより、加熱コイル6の剛性を従来よりも低く設定することが可能になり、設備コストを削減することができる。さらに、ガイドチップ11の磨耗が減少してランニングコストが削減されると共に加熱コイル6の寿命を延ばすことができる。また、高周波焼入れ時のクランクシャフト4の回転速度を高めることが可能になり、工程コスト(製造コスト)を削減することができる。
したがって、本高周波焼入れ装置1では、全ての教示点(各教示点P0〜P15)をロボットコントローラ17のティーチング機能を用いて一対のロボットアーム2,3(ロボットコントローラ17)に教示する場合と比較して、教示精度が高められると共に教示作業を効率化することができる。
また、本高周波焼入れ装置1では、フローティング機構による加熱コイル6(トランス7を含むコイルユニット)の変位が該フローティング機構に設けた各変位センサ(第2の変位測定手段)によって測定され、該各変位センサの検出結果に基づいてロボットコントローラ17の動作プログラムがオンラインで補正される(動作修正手段)。これにより、高周波焼入れ時にクランクシャフト4の熱膨張によってピン中心C1が半径方向へ変位した場合であっても、一対のロボットアーム2,3の動作(円軌道の動作)が修正されてクランクシャフト4の回転精度が確保される。
本高周波焼入れ装置1を用いて、クランクシャフト4のジャーナル部を高周波焼入れしてもよい。この場合、クランクシャフト4はジャーナル中心C0で回転させればよい。
本高周波焼入れ装置1では、基準角度位相にあるジャーナル中心C0(教示点P0)を基点として、クランクシャフト4をピン中心C1で回転させた時の該ジャーナル中心C0の22.5°の角度位相毎の各位置(各教示点P1〜P15)をCAEシステムを用いて一対のロボットアーム2,3(ロボットコントローラ17)にCAE教示させたが、教示点の数は必要に応じて適宜設定すればよい。
Claims (5)
- クランクシャフトの両端部を一対のロボットアームのハンド部によって把持すると共に、該クランクシャフトの焼入れの対象となるピンを加熱コイルに配設された少なくとも3個のガイドチップに接触させ、この状態で、前記各ロボットアームの手首を旋回させながら、前記各ハンド部を円軌道で動作させることにより、前記クランクシャフトを前記焼入れの対象となるピンの軸心を回転中心として回転させ、前記焼入れの対象となるピンを高周波焼入れすることを特徴とするクランクシャフトの高周波焼入れ方法。
- 上記請求項1に記載のクランクシャフトの高周波焼入れ方法に用いられる高周波焼入れ装置であって、
一対のハンド部によって前記クランクシャフトの両端部を把持する一対のロボットアームと、加熱コイルに配設されて前記クランクシャフトの焼入れの対象となるピンに接触される少なくとも3個のガイドチップと、を具備し、
前記一対のロボットアームは、前記焼入れの対象となるピンに前記各ガイドチップが接触された状態で、前記各ロボットアームの手首を旋回させながら、前記各ハンド部を円軌道で動作させることにより、前記クランクシャフトを前記焼入れの対象となるピンの軸心を回転中心として回転させることを特徴とする高周波焼入れ装置。 - 前記クランクシャフトを前記各ハンド部によって把持すると共に、該クランクシャフトの前記焼入れの対象となるピンを前記加熱コイルに配設された各ガイドチップに接触させた状態を、ロボット制御装置に前記一対のロボットアームの基準姿勢として教示するティーチング手段と、前記クランクシャフトを前記焼入れの対象となるピンの軸心を回転中心として所定角度位相ずつ回転させた時の各段階における前記一対のロボットアームの各姿勢を、前記一対のロボットアームの基準姿勢に基づく演算によって教示する演算教示手段と、を具備することを特徴とする請求項2に記載の高周波焼入れ装置。
- 前記演算教示手段を用いて作成された前記一対のロボットアームの動作プログラムに基づいて、前記クランクシャフトを前記焼入れの対象となるピンの軸心を回転中心として回転させた時の前記ピンの変位を測定する第1の変位測定手段と、該第1の変位測定手段の測定結果に基づいて前記動作プログラムを補正するプログラム補正手段と、を具備することを特徴とする請求項3に記載の高周波焼入れ装置。
- 加熱コイルを変位可能に支持するフローティング機構と、高周波焼入れ時における前記加熱コイルの変位を測定する第2の変位測定手段と、該第2の変位測定手段の測定結果に基づいて前記一対のロボットアームの動作を修正する動作修正手段と、を具備することを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の高周波焼入れ装置。
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