次に、本発明を実施するための最良の形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
(通信システムの構成例)
本実施例に係る通信システムでは、移動端末に対して、通信パラメータが配信されるタイミングが通知される。例えば、無線基地局は、移動端末に対して通信パラメータが配信されるタイミングを通知する。このような通信システムには、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)が含まれる。そこで、本実施例では、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)を一例として説明する。WiMAXに限らず、通信パラメータが配信されるような他の通信システムにも適用できる。WiMAXにおいては、この通信パラメータはDCD/UCDと呼ばれてもよい。
WiMAXでは、時分割複信(TDD: Time Division Duplex)方式が適用される。TDDでは、上りリンクと下りリンクの信号が同一周波数帯で送信され、下りリンクと上りリンクとが高速に切り替えられることにより、全二重通信が行われる。時分割複信方式における伝送フレームには、下りリンクの信号が送信される下りリンクサブフレームと、上りリンクの信号が送信される上りリンクサブフレームとが含まれる。また、本実施例に係る通信システムは、直交周波数分割多重(OFDM: Orthogonal Frequency Division Multiplexing)/直交周波数分割多重接続(OFDMA: Orthogonal Frequency Division Multiple Access)が適用される。
本実施例に係る通信システムは、無線基地局100、移動端末200を有する。無線基地局100と移動端末200は、時分割複信方式により無線通信を行う。時分割複信方式における伝送フレームは、図1に示すように下りリンクサブフレーム(DL Subframe)と上りリンクサブフレーム(UL Subframe)により構成され、1対の下りリンクサブフレームと上りリンクサブフレームにより、1フレームが構成される。図1において、縦軸はサブチャネルの論理番号(Subchannel Logical Number)を示し、横軸はシンボル番号(Symbol Number)を示す。また、下りリンクサブフレームでは1スロットは2シンボルにより構成され、上りリンクサブフレームでは1スロットは3シンボルにより構成される。また、下りリンクフレームには、プリアンブル(Preamble)と、フレーム制御ヘッダ(FCH: Frame Control Header)と、DL-MAPと、UL-MAPと、下りリンクバースト(DL burst)とが含まれる。下りリンクバーストは、複数の領域に区分(分割)されてもよい。図1には、下りリンクバーストが6個の領域に区分(分割)されている場合を示す。また、上りリンクサブチャネルには、レンジング領域と、上りリンクバースト(UL burst)とが含まれる。上りリンクバーストは、複数の領域に区分(分割)されてもよい。図1には、上りリンクバーストが5個の領域に区分(分割)されている場合を示す。
移動端末200は、下りリンクのサブフレームにおいて予め割り当てられたレンジング領域を使用して初期レンジングコードを送信する。初期レンジングコードはレンジングリクエスト(RNG-REQ: Ranging Request)と呼ばれてもよい。
上述したように、隣接無線基地局情報が配布される一定周期以内に、移動端末が移動先の無線基地局の通信エリアを通過した場合には、通信を開始するまでに時間がかかるという問題に対して、以下の対策が考えられる。例えば、MOB_NBR-ADVを受信していない未受信の状態で接続先の無線基地局の切り替えが必要と判断した移動端末は、該切り替え処理を行う前に自律的に移動先の無線基地局の情報を取得する。
例えば、移動端末は、MOB_NBR-ADVを受信していない未受信の状態で接続先の無線基地局を切り替えると判断した場合、現在通信中の無線基地局(接続無線基地局)に対して隣接無線基地局のスキャン(SCAN)処理を要求する。このようにすることにより、該移動端末は、通信中の無線基地局に対する非通信期間の情報を取得し、該非通信期間の間に隣接無線基地局に接続して、該隣接無線基地局により送信されるフレームを参照し必要な情報を取得する。
この技術をアイドルモードである移動端末における無線基地局の切り替え手順に適用した場合における動作シーケンスについて、図2を参照して説明する。このようにすることより、移動端末は、自律的にDCD/UCD情報を取得することができる。
移動端末200は、非通信期間(Unavailable Interval)において、接続無線基地局(Preferred BS)の電波強度を監視し、電波強度の低下を検出する(ステップS202)。
移動端末200は、中心周波数を移動先の無線基地局(Target BS)の周波数にあわせて、該移動先の無線基地局に同期する(ステップS204)。
移動端末200は、移動先の無線基地局により送信される下りリンクの信号に含まれるフレームを参照する(ステップS206)。
移動端末200は、下りリンクサブフレームに含まれるDL-MAPを参照する(ステップS208)。DL-MAPには、下りリンク方向のフレーム制御情報が含まれる。例えば、DL-MAPには、DCD/UCDの配布タイミング情報が含まれる。
移動端末200は、該DCD/UCD配布タイミング情報を取得する(ステップS210)。
移動端末200は、中心周波数を接続無線基地局の周波数にあわせて、通信中であった無線基地局に再び同期する(ステップS212)。これにより移動端末200は、接続先を接続無線基地局に戻すこととなる。
その後、移動端末200は、DCD/UCD配布タイミング情報により指定されるDCD/UCD配布タイミングに合わせて、移動先の無線基地局に再同期する(ステップS214)。
移動端末200は、移動先の無線基地局により送信される下りリンクの信号に含まれるフレームを参照し、DCD/UCD情報を取得する(ステップS216)。その際、移動端末200は、接続無線基地局との間では、非通信期間である。従って、移動端末200は、移動先の無線基地局に接続することにより、DCD/UCD情報を取得することができる。
移動端末200は、中心周波数を接続無線基地局の周波数にあわせて、該接続無線基地局に同期する。そして、移動端末200は、接続先を接続無線基地局に戻す。
これにより、移動端末は、MOB_NBR-ADV未受信のまま移動先の無線基地局へ接続先を切り替えたとしても、取得したDCD/UCD情報を使用することにより早期に通信を開始することができる。
しかし、ここで、移動先の無線基地局により送信されるDCD/UCD配布タイミングが接続無線基地局の通信期間と重なる場合がある。例えば、図3に示すように、MOB_PAG-ADVが移動端末200宛のデータ有りで送信された場合(ステップS218)、移動端末200はアイドルモードを解除し、ネットワークに再接続してデータ受信に備える動作を行うこととなるので、通信期間においては、移動端末200は、MOB_PAG-ADV受信のために接続無線基地局からの信号を受信する。
しかし、ここで、移動端末200がMOB_PAG-ADVの受信を無視し、移動先の無線基地局のDCD/UCD受信を行うようにした場合、該移動端末宛データがあった場合に、移動端末は、移動端末宛のデータがあることの検出を行わず、データの受信が遅れることとなる。
(第1の実施例)
本実施例では、移動端末200がMOB_NBR-ADV未受信の状態で、かつ移動先の無線基地局のDCD/UCD配布タイミングが、接続無線基地局の通信期間と重なる状況における動作を以下のようにすることとする。
本実施例に係る移動端末200は、移動先の無線基地局のDCD/UCD配布タイミングが接続無線基地局の通信期間と重なると判断した場合には、以下の処理を行う。該移動端末200は、通信期間になる前に無線基地局(接続無線基地局)に対して、当該移動端末宛データの有無を確認する。即ち、接続無線基地局に当該移動端末宛に送信されるデータがあるか否か問い合わせを行う。そして、該移動端末200は、問い合わせの結果、当該移動端末宛のデータがないと判断した場合には移動先の無線基地局に接続してDCD/UCD情報を受信する。このようにすることにより、移動先の無線基地局に切り替える際に通信を開始するまでの時間を短縮できる。
図4を参照して説明する。
移動端末200は、非通信期間において、接続無線基地局の電波強度を監視し、電波強度の低下を検出する(ステップS402)。
移動端末200は、中心周波数を移動先の無線基地局の周波数にあわせて、該移動先の無線基地局に同期する(ステップS404)。
移動端末200は、移動先の無線基地局により送信される下りリンクの信号に含まれるフレームを参照する(ステップS406)。
移動端末200は、下りリンクサブフレームに含まれるDL-MAPを参照する(ステップS408)。DL-MAPには、下りリンク方向のフレーム制御情報が含まれる。例えば、DL-MAPには、DCD/UCDの配布タイミング情報が含まれる。
移動端末200は、該DCD/UCD配布タイミング情報を取得する(ステップS410)。
移動端末200は、該DCD/UCD配布タイミングが通信期間であることを確認する(ステップS412)。
移動端末200は、ステップS412において、該DCD/UCD配布タイミングが通信期間であることが確認できた場合には、当該移動端末200宛のデータが無いことを確認する(ステップS414)。即ち、接続無線基地局に対して、当該移動端末200宛てのデータがあるか否かを問い合わせる信号を送信し、その問い合わせに対する応答信号(データの有無の別を示す情報を含む)に基づいて、当該移動端末200宛のデータが無いことを確認する。
移動端末200は、ステップS414において、当該移動端末200宛のデータが無いことを確認できた場合には、取得したDCD/UCD配布タイミング情報で特定されるタイミングで、移動先の無線基地局に接続する。そして、該移動端末200は、移動先の無線基地局により送信されるDCD/UCD情報を受信する(ステップS416)。
一方、当該移動端末200宛のデータが有ることを確認できた場合には、取得したDCD/UCD配布タイミング情報で特定されるタイミングで、移動先の無線基地局に接続する動作は行わず、接続先無線基地局から送信されるMOB_PAG-ADVを通信期間において受信する。
本実施例に係る移動端末200について、図5を参照して説明する。
移動端末200は、隣接BS情報未受信無線基地局移動判定部202を有する。隣接BS情報未受信無線基地局移動判定部202は、当該移動端末200が、移動先の無線基地局に対応する隣接無線基地局情報を受信しないまま該移動先の無線基地局へ移動するかを判定する。例えば、隣接BS情報未受信無線基地局移動判定部202は、MOB_NBR-ADVを接続無線基地局から受信せず、かつ移動先の無線基地局への切替条件の満了を検出したときに隣接BS情報を未受信である無線基地局への移動であると判定するようにしてもよい。
移動端末200は、移動先BS決定部204を有する。移動先BS決定部204は、隣接BS情報未受信無線基地局移動判定部202により隣接BS情報を未受信である無線基地局への移動と判定された場合に、該無線基地局を移動先の無線基地局と決定する。
移動端末200は、通信パラメータ送信タイミング情報取得部206を有する。通信パラメータ送信タイミング情報取得部206は、移動先の無線基地局から通信パラメータ情報の送信タイミング情報を取得する。
移動端末200は、通信パラメータ送信タイミング判定部208を有する。通信パラメータ送信タイミング判定部208は、通信パラメータ送信タイミング情報取得部206により取得された移動先の無線基地局の通信パラメータの送信タイミングが、接続無線基地局との通信期間に重なるかを判定する。
移動端末200は、MS宛データ有無判定部210を有する。MS宛データ有無判定部210は、PAGING情報に基づいて当該移動端末200宛のデータの有無を判定する。また、問い合わせ信号を生成して、無線部から接続先無線基地局に対して送信し、その応答信号を解析することにより、移動端末200宛ての送信データが有るか否か判定する。
接続先無線基地局は、ネットワーク側等から移動端末200宛ての送信データを受信し、送信待ちとして待機させていない場合は、送信(予定)データ無しとしてPAGING情報とは別個に移動端末200に応答することができる。他方、移動端末200宛ての送信データを受信し、送信待ちとして待機させている場合は、送信(予定)データ有りとしてPAGING情報とは別個に移動端末200に応答することができる。
移動端末200は、通信パラメータ情報取得部212を有する。通信パラメータ情報取得部212は、移動先の無線基地局が送信する通信パラメータ情報を取得する。
移動端末200は、PAGING情報取得部214を有する。PAGING情報取得部214は、移動先の無線基地局との間で設定した通信期間/非通信期間の情報を取得する。
移動端末200は、ネットワーク登録処理部216を有する。ネットワーク登録処理部216は、MS宛データ有無判定部210により、PAGING情報に基づいて当該移動端末200宛のデータが有ると判定された場合に、当該移動端末200をネットワークに登録する。 移動端末200は、PAGINGメッセージ受信判定部218を有する。PAGINGメッセージ受信判定部218は、移動先の無線基地局から、当該移動端末200宛データの有無を示すページングメッセージを受信したか否かを判定する。
移動端末200は、BS切替処理部220を有する。BS切替処理部220は、接続先の無線基地局の切替を行う。
本実施例に係る移動端末の動作について説明する。
(1)隣接BS情報未受信無線基地局移動判定部202は、移動先の無線基地局への切替条件に関する情報を収集する。また、隣接BS情報未受信無線基地局移動判定部202は、該移動先の無線基地局への切替条件に合致した際に、MOB_NBR-ADVを受信していない状態である場合には、移動先の無線基地局の決定を移動先BS決定部204に依頼する。
(2)移動先BS決定部204は、移動先の無線基地局の決定条件に従って、移動先の無線基地局を決定する。そして、移動先BS決定部204は、BS切替処理部220に対して、該移動先の無線基地局への接続を依頼する。
(3)BS切替処理部220は、移動先の無線基地局の中心周波数に設定する。その結果、接続先が移動先の無線基地局に切り替えられる。
(4)当該移動端末200が移動先の無線基地局に接続された後、通信パラメータ送信タイミング情報取得部206は、該移動先の無線基地局から送信されるフレームを参照して、該フレームに含まれる通信パラメータ送信タイミング情報を取得する。そして、通信パラメータ送信タイミング情報取得部206は、BS切替処理部220に、接続無線基地局への接続を依頼する。
(5)BS切替処理部220は、接続無線基地局の中心周波数に設定し、接続先を接続無線基地局に切り替える。
(6)通信パラメータ送信タイミング判定部208は、通信パラメータ送信タイミング情報取得部206により取得された移動先の無線基地局の通信パラメータ送信タイミングが接続無線基地局との通信期間に重なるかどうか判定する。そして、通信パラメータ送信タイミング判定部208は、移動先の無線基地局の通信パラメータ送信タイミングと、接続無線基地局との通信期間とが重なる場合は、当該移動端末200宛のデータがあるか否かの判定をMS宛データ有無判定部210へ依頼する。
(7)MS宛データ有無判定部210は、接続無線基地局に当該移動端末200宛データの有無を確認する。尚、MS宛データ有無判定部210は、上記重なることが検出されるよりも前に行うこともできる。例えばアイドルモードにおいて、定期的に接続無線基地局に問い合わせを行って、移動端末200宛てのデータの有無を判断可能にしてもよい。MS宛データ有無判定部210は、当該移動端末宛データがない場合は、BS切替処理部220に対して、移動先の無線基地局の通信パラメータ送信タイミングにあわせて該移動先の無線基地局へ接続するように依頼する。
(8)BS切替処理部220は、移動先の無線基地局の中心周波数に設定し、接続先を移動先の無線基地局に切り替える。
(9)通信パラメータ情報取得部212は、移動先の無線基地局から送信されるフレームを参照して、該フレームに含まれるDCD/UCD情報を取得する。そして、通信パラメータ情報取得部212は、BS切替処理部220に、接続無線基地局への接続を依頼する。
(10)BS切替処理部220は、接続無線基地局の中心周波数を設定し、接続先を接続無線基地局に切り替える。
このようにすることにより、移動端末200は、接続無線基地局との接続状況がさらに悪化し、MOB_NBR-ADVを受信しないまま移動先の無線基地局に接続先を切り替えたとしても既に移動先の無線基地局のDCD/UCD情報を取得している。このため、移動先の無線基地局からDCD/UCD情報が配布されるのを待つこと無く、直ちに該移動先の無線基地局と通信を行うことができる。
本実施例に係る移動端末の他の動作について説明する。
移動端末の他の動作は、上述した動作と(6)及び(7)が異なる。
(6)通信パラメータ送信タイミング判定部208は、通信パラメータ送信タイミング情報取得部206により取得された移動先の無線基地局の通信パラメータ送信タイミングが接続無線基地局との通信期間に重なるかどうか判定する。そして、通信パラメータ送信タイミング判定部208は、移動先の無線基地局の通信パラメータ送信タイミングと、接続無線基地局との通信期間とが重なる場合は、PAGING情報取得部214に接続無線基地局との通信期間の開始タイミングの取得を依頼する。そして、通信パラメータ送信タイミング判定部208は、PAGING情報取得部214により取得された接続無線基地局との通信期間の開始タイミングをMS宛データ有無判定部210に通知する。
(7)MS宛データ有無判定部210は、通信パラメータ送信タイミング判定部208により通知された通信期間開始の直前のタイミングで、接続無線基地局に当該移動端末200宛データの有無を確認する。MS宛データ有無判定部210は、当該移動端末200宛データがない場合は、BS切替処理部220に対して、通信パラメータ送信タイミングにあわせて該移動先の無線基地局へ接続するように依頼する。
以降、上述した(8)−(10)の処理が行われる。
このようすることにより、移動端末宛データの有無を判定する(問い合わせを行う)処理を、接続無線基地局との通信期間中における通信開始直前まで遅らせることができる。その結果、当該移動端末200宛データ有無の判定を新しい情報に基づいて行うことができる。また、移動端末200は、通信期間で移動先の無線基地局のDCD/UCD情報を受信すべきか否かの判定の正確性を向上することが可能となる。
本実施例に係る移動端末の他の動作について説明する。
移動端末の他の動作は、上述した動作と(6)以降の処理が異なる。
(6)通信パラメータ送信タイミング情報取得部206は、BS切替処理部220に対して、通信パラメータ送信タイミングにあわせて移動先の無線基地局へ接続するように依頼する。
(7)BS切替処理部220は、移動先の無線基地局の中心周波数に設定し、接続先を移動先の無線基地局に切り替える。
(8)通信パラメータ情報取得部212は、移動先の無線基地局から送信されるフレームを参照して、該フレームに含まれるDCD/UCD情報を取得する。そして、通信パラメータ情報取得部212は、BS切替処理部220に、接続無線基地局への接続を依頼する。
(9)BS切替処理部220は、接続無線基地局の中心周波数に設定し、接続先を接続無線基地局に切り替える。
(10)通信パラメータ送信タイミング判定部208は、移動先の無線基地局の通信パラメータ送信タイミングが、接続無線基地局との通信期間に重なっていたかどうか判定する。そして、通信パラメータ送信タイミング判定部208は、移動先の無線基地局の通信パラメータ送信タイミングと、接続無線基地局との通信期間とが重なっていた場合、MS宛データ有無判定部210に対して、当該移動端末200宛のデータがあるか否かの判定を依頼する。
(11)MS宛データ有無判定部210は、接続無線基地局に当該移動端末200宛データの有無を確認する。MS宛データ有無判定部210は、当該移動端末200宛データがある場合にはネットワーク登録処理部216へネットワークへの登録を依頼する。
(12)ネットワーク登録処理部216は、接続無線基地局に対して、ネットワーク登録処理を行う。その結果、移動端末200は、当該移動端末200宛データの受信に備えることができる。
このように、移動端末宛データの有無を判定する処理を、DCD/UCD情報取得よりも後に行うようにすることにより、当該移動端末宛データが有った場合にも、移動先の無線基地局のDCD/UCD情報を取得することができる。さらに、移動端末が自律的にネットワーク登録処理を行うことにより、当該移動端末宛データの受信にも対応することができる。
本実施例に係る移動端末の他の動作について説明する。
移動端末の他の動作は、上述した動作と(6)以降の処理が異なる。
(6)通信パラメータ送信タイミング情報取得部206は、BS切替処理部220に対して、通信パラメータ送信タイミングにあわせて移動先の無線基地局へ接続するように依頼する。
(7)BS切替処理部220は、移動先の無線基地局の中心周波数に設定し、接続先を移動先の無線基地局に切り替える。
(8)通信パラメータ情報取得部212は、移動先の無線基地局から送信されるフレームを参照して、該フレームに含まれるDCD/UCD情報を取得する。そして、通信パラメータ情報取得部212は、BS切替処理部220に、接続無線基地局への接続を依頼する。
(9)BS切替処理部220は、接続無線基地局の中心周波数に設定し、接続先を接続無線基地局に切り替える。
(10)通信パラメータ送信タイミング判定部208は、PAGING情報取得部214に対して、接続無線基地局との通信期間の終了タイミングの取得を依頼する。
(11)通信パラメータ送信タイミング判定部208は、PAGING情報取得部214により取得された通信期間の終了タイミングをMS宛データ有無判定部210に通知する。
(12)MS宛データ有無判定部210は、通知された通信期間が終了するタイミングで、PAGINGメッセージ受信判定部218へ、PAGINGメッセージを受信したか否かの判定を依頼する。
(13)PAGINGメッセージ受信判定部218は、PAGINGメッセージを受信したか否かを判定する。MS宛データ有無判定部210は、PAGINGメッセージ受信判定部218により、PAGINGメッセージを受信していない未受信と判定された場合は、接続無線基地局に当該移動端末宛データの有無を確認する。また、MS宛データ有無判定部210は、PAGINGメッセージ受信判定部218により当該移動端末宛データがあると判定された場合にはネットワーク登録処理部216へネットワークへの登録を依頼する。
(14)ネットワーク登録処理部216は、接続無線基地局に対してネットワーク登録処理を行う。その結果、移動端末200は、当該移動端末200宛データの受信に備えることができる。
このように、移動端末宛データの有無を判定する処理を、通信期間終了直前まで遅らせる。このようにすることにより、移動端末は、移動先の無線基地局のDCD/UCD受信後から通信期間終了までの間にMOB_PAG-ADVを受信できた場合に、接続無線基地局に対して、当該移動端末宛データの有無を確認することなくデータの有無をチェックすることができる。このため、移動端末と接続無線基地局との間の通信帯域を節約することが可能となる。
本実施例に係る移動端末の他の動作について説明する。
移動端末の他の動作は、上述した動作において、MS宛データ有無判定部210において、接続無線基地局に、当該移動端末宛データの有無を確認する手順が異なる。
本実施例に係る移動端末200は、接続無線基地局に対して位置情報の更新(Location Update)処理を行う。そして、該移動端末200は、該位置情報の更新に対する応答に含まれる当該移動端末宛データの有無を示すパラメータにより判定を行う。
(第2の実施例)
本実施例に係る通信システムについて、図6を参照して説明する。
通信システムは、移動端末200を有する。移動端末は、複数であってもよい。本実施例に係る通信システムは、無線基地局100(1001、1002)を有する。無線基地局は、3以上であってもよい。
本実施例では、無線基地局1001の通信エリアに在圏する移動端末200は、無線基地局1001からMOB_NBR-ADVを受信する前に無線基地局1002の通信エリアに移動する。また、移動端末200は、無線基地局1001からの受信信号強度を監視する。受信信号強度には、RSSI(Receive Signal Strength Indicator)が含まれてもよい。そして、移動端末200は、該受信信号強度に対する信号雑音の比が小さくなると通信する無線基地局を無線基地局1002に切り替える。受信信号強度に対する信号雑音の比には、CINR(Carrior Interference plus Noise Ratio)が含まれてもよい。
本実施例では、上述したように、一例として、WiMAXが適用される通信システムについて説明する。WiMAXが適用される通信システムでは、移動端末200と無線基地局100は、IEEE802.16eの仕様に基づいて通信を行う。本実施例では、一例として、無線基地局1001の中心周波数及びバンド幅をそれぞれ2498.5MHz及び5MHzとし、無線基地局1002の中心周波数を及びバンド幅をそれぞれ2503.5MHz及び5MHzとする場合について説明する。
本実施例に係る移動端末200について、図7を参照して説明する。
移動端末200は、CINR測定部252を有する。CINR測定部252は、無線基地局200からRSSI値と雑音成分を測定する。この測定は、定期的に行われてもよいし、不定期に行われてもよい。そして、CINR測定部252は、CINR値を算出する。CINR測定部252は、算出したCINR値を後述する制御部276に入力する。
移動端末200は、無線基地局間移動前処理実行条件格納部254を有する。無線基地局間移動前処理実行条件格納部254は、当該移動端末200が無線基地局間を移動する場合の前処理の条件を格納する。該前処理の条件には、移動先の無線基地局のDCD/UCD情報の取得処理を実行する条件が含まれる。例えば、図8に示すように、該前処理の条件には、MOB_NBR-ADV受信状態と、CINR閾値が含まれるようにしてもよい。図8に示す例では、MOB_NBR-ADV未受信で、かつCINR値が20[db]よりも小さくなった場合に無線基地局間移動前処理が実行される。
移動端末200は、移動先BS決定部256を有する。移動先BS決定部256は、制御部276からの命令に従って、後述するBS接続情報格納部274に登録されている無線基地局接続情報に基づいて移動先の無線基地局を決定する。
移動端末200は、メッセージ処理部258を有する。メッセージ処理部258は、無線基地局200からの制御メッセージを解析する。
移動端末200は、MOB_PAG-ADV受信管理部260を有する。MOB_PAG-ADV受信管理部260は、通信期間の間にMOB_PAG-ADVを受信したか否かを管理する。例えば、MOB_PAG-ADV受信管理部260は、図9に示すように、MOB_PAG-ADV受信状況を保持する。
移動端末200は、DCD/UCD送信タイミング情報格納部262を有する。DCD/UCD送信タイミング情報格納部262は、移動先の無線基地局から受信したDCD/UCD情報に含まれる送信タイミング情報を保持する。例えば、該送信タイミング情報にはDCD/UCD情報が送信されるフレームのフレーム番号としてもよい。
移動端末200は、MS宛データ有無判定部264を有する。MS宛データ有無判定部264は、当該移動端末宛のデータの有無を接続無線基地局に問い合わせる。例えば、無線基地局1001のカバーするエリアに在圏する移動端末200は、IEEE802.16eに基づいた位置情報の更新(Location Update)を無線基地局1001に対して行う。また、該移動端末200は、無線基地局1001にレンジングリクエスト(RNG−REQ)送信するようにしてもよい。そして、無線基地局1001により送信されたレンジング応答(RNG−RSP)に基づいて、当該移動端末宛のデータの有無を判定するようにしてもよい。このようにすることにより、該移動端末200は、当該移動端末200宛データの有無の問い合わせを行うことができる。
移動端末200は、DCD/UCD情報格納部266を有する。DCD/UCD情報格納部266は、無線基地局1002により送信されたDCD/UCD情報を格納する。
移動端末200は、PAGING情報格納部268を有する。PAGING情報格納部268は、当該移動端末200がアイドルモードである場合に、通信期間の開始及び終了のフレーム番号を管理する。
移動端末200は、ネットワーク登録処理部270を有する。ネットワーク登録処理部270は、現在接続している無線基地局に対してネットワークへの登録処理を行う。
移動端末200は、BS切替処理部272を有する。BS切替処理部272は、接続先の無線基地局を切り替える。具体的には、BS切替処理部272は、指定された中心周波数とバンド幅を設定する。
移動端末200は、BS接続情報格納部274を有する。BS接続情報格納部274は、無線基地局に接続するための情報を格納する。例えば、該無線基地局に接続するための情報には、中心周波数、バンド幅が含まれる。例えば、運用時に使用するいくつかの中心周波数とバンド幅は、起動時に設定されていてもよい。例えば、管理者により設定されてもよい。
移動端末200は、制御部276を有する。制御部276は、上述した各部からの処理結果に基づいて、次に実行する処理を決定する。そして、制御部276は、次に実行する処理を実行する部へ処理依頼を行う。
移動端末200は、図7を参照して説明した移動端末200に含まれる各部のうち、CINR測定部252と、無線基地局間移動前処理実行条件格納部274と、メッセージ処理部258と、DCD/UCD送信タイミング情報格納部262と、MS宛データ有無判定部264と、DCD/UCD情報格納部266と、PAGING情報格納部268と、BS切替処理部272と、BS接続情報格納部274と、制御部276とを有するようにしてもよい。
移動端末200の動作について、図10及び図11を参照して説明する。
無線基地局間移動前処理実行条件格納部254には、無線基地局間移動前処理実行の条件についての情報が予め保持される。無線基地局間移動前処理実行の条件の設定の手段としては、例えば、管理者がコマンドにより設定してもよいし、無線基地局1001からの通知により設定してもよい。例えば、図8を参照して説明したように、CINR値が20(db)よりも小さくなった場合に無線基地局間移動前処理の実行を決定するようにしてもよい。
BS接続情報格納部274には、無線基地局に接続するための情報が予め保持される。無線基地局に接続するための情報には、中心周波数、バンド幅が含まれてもよい。設定の手順としては、例えば、管理者がコマンドにより設定してもよいし、無線基地局からの通知により設定してもよい。例えば、図12に示すように、無線基地局1001については中心周波数及びバンド幅をそれぞれ2498.5(MHz)及び5(MHz)とし、無線基地局1002については中心周波数及びバンド幅をそれぞれ2503.5(MHz)及び5(MHz)としてもよい。
PAGING情報格納部268は、アイドルモードになる際に、無線基地局1001とのプロトコルで取得したPAGING情報より、通信期間(Listening Interval)及び非通信期間(Unavailable Interval)の開始、終了フレームのフレーム番号を管理する。例えば、図13に示すように、PAGING情報格納部268は、通信期間開始のフレーム番号と、通信期間の終了のフレーム番号とを格納するようにしてもよい。図13に示す例では、通信期間開始のフレーム番号が27、通信期間終了のフレームが32となる。
CINR測定部252は、無線基地局1001のRSSI値と雑音成分とを測定し、CINRを算出する(ステップS1002)。この処理は、定期的に行われてもよいし、不定期に行われてもよい。CINR測定部252は、算出した値が15(db)だったとする。この場合、CINR測定部252は、該CINR値15(db)を制御部276に通知する(ステップS1004)。
制御部276は、無線基地局間移動前処理実行条件格納部254に保持している実行判定の閾値20(db)を参照する(ステップS1006)。そして、制御部276は、CINR測定部252により入力されたCINR値15(db)と、無線基地局間移動前処理実行条件格納部254に保持している実行判定の閾値20(db)とを比較する(ステップS1008)。
制御部276は、CINR値が閾値よりも小さい場合(ステップS1008:YES)、移動先BS決定部256に対して処理依頼を行う(ステップS1010)。移動先BS決定部256は、BS接続情報格納部274に格納された情報を参照する(ステップS1012)。例えば、移動先BS決定部256は、移動先の無線基地局1002への接続に必要なパラメータを取得する。例えば、無線基地局1001に接続している移動端末200では、移動先BS決定部256は、選択優先度に従って、次に優先度の高い無線基地局を移動先の無線基地局に決定する。そして、該移動先の無線基地局に関するパラメータを制御部276に入力する。図12に示す例では、次に優先度の高い無線基地局として、中心周波数2503.5MHzの無線基地局1002が選択される。移動先BS決定部256は、CINR値が閾値よりも小さく、かつMOB_NBR-ADVを未受信である場合には、無線基地局間移動前処理実行条件を満たすと判定する。この場合、移動先BS決定部256は、該無線基地局1002を移動先の無線基地局と決定し(ステップS1014)、該移動先の無線基地局1002を制御部276に通知する(ステップS1016)。
制御部276は、移動先の無線基地局1002に接続するために、BS切替処理部272に対して、BS切替依頼を行う(ステップS1018)。BS切替依頼には、移動先の無線基地局の中心周波数とバンド幅が含まれてもよい。例えば、BS切替依頼には、中心周波数として2503.5(MHz)とバンド幅として5(MHz)が含まれる。BS切替処理部272は指定された中心周波数とバンド幅を設定し無線基地局1002に接続する(ステップS1020)。BS切替処理部272は、BS切替完了通知を制御部276に行う(ステップS1022)。
移動端末100は、無線基地局1002により送信された下りリンクの信号を受信する(ステップS1024)。下りリンクの信号には、DL-MAPが含まれる。メッセージ処理部258は、該下りリンクの信号のフレームを解析する。例えば、メッセージ処理部258は、DCD/UCD情報が送信されるタイミング情報を取得する(ステップS1026)。例えば、メッセージ処理部258は、DCD/UCD情報が送信されるフレーム番号を取得するようにしてもよい。メッセージ処理部258は、取得したDCD/UCD情報が送信されるタイミング情報をDCD/UCD送信タイミング情報格納部262に保存する(ステップS1028)。本実施例では一例として、図14に示すように、DCD/UCD情報が送信されるタイミング情報として、フレーム番号が30である場合について説明する。
制御部276は、移動先の無線基地局1002からDCD/UCD情報が送信されるフレームになるまで接続無線基地局1001に接続するようにしてもよい。この場合、制御部276は、接続無線基地局1001に接続するために、BS切替処理部272に対して、BS切替依頼を行う(ステップS1030)。BS切替依頼には、接続無線基地局1001の中心周波数とバンド幅が含まれてもよい。例えば、BS切替依頼には、中心周波数として2498.5(MHz)とバンド幅として5(MHz)が含まれる。BS切替処理部272は指定された中心周波数とバンド幅を設定し接続無線基地局1001に接続する(ステップS1032)。BS切替処理部272は、BS切替完了通知を制御部276に行う(ステップS1034)。このように接続先を接続無線基地局1001に切り戻すことにより、DCD/UCD情報が送信されるフレームまで間(時間)がある場合に他の処理を行うことができる。制御部276は、DCD/UCD情報が送信されるフレームまで間(時間)が無い場合には、移動先の無線基地局1002に接続し続けるようにしてもよい。
制御部276は、PAGING情報格納部268に格納された通信期間の開始・終了フレーム番号を参照する(ステップS1036)。制御部276は、DCD/UCD送信タイミング情報格納部262に格納されたDCD/UCDの送信フレーム番号を参照する(ステップS1038)。
制御部276は、通信期間の開始・終了フレーム番号と、DCD/UCD送信フレーム番号とを比較する(ステップS1040)。無線基地局1002がDCD/UCD情報を送信するタイミングが通信期間と重なるかを判断する。
無線基地局1002がDCD/UCD情報を送信するタイミングが通信期間と重なる場合(ステップS1040)、制御部276は、MS宛データ有無判定部264に当該移動端末宛のデータの有無の判定を依頼する(ステップS1042)。
本実施例では例えばIEEE802.16eに基づいた位置情報の更新(Location Update)を無線基地局1001に対して行う(ステップS1044)。また、該移動端末200は、無線基地局1001にレンジングリクエスト(RNG−REQ)送信するようにしてもよい。そして、無線基地局1001により送信されたレンジング応答(RNG−RSP)に基づいて、当該移動端末宛のデータの有無を判定するようにしてもよい(ステップS1046)。例えば、無線基地局からの応答(RNG-RSP)にはMS宛データの有無を示すフィールドがある。MS宛データ有無判定部264は該フィールドを参照することによりデータの有無を判定する。MS宛データ有無判定部264は位置情報の更新を行った結果、当該移動端末宛のデータがないと判定し、その結果を制御部276へ返す(ステップS1048)。
制御部276は、MS宛データ有無判定部264からの判定結果に基づいて、当該移動端末宛のデータがないので、通信期間において無線基地局1002のDCD/UCD受信処理を優先して行うことを決定する(ステップS1050)。
移動端末200は、下りリンクの信号を受信する(ステップS1052)。メッセージ処理部258は、該下りリンクの信号に含まれるフレーム番号を取得する(ステップS1054)。メッセージ処理部258は、取得したフレーム番号を制御部276に入力する(ステップS1056)。
制御部276は移動先の無線基地局1002のDCD/UCD情報の送信タイミングが近くなったことを検出する(ステップS1058)。制御部276は、移動先の無線基地局1002に接続するために、BS切替処理部272に対して、BS切替依頼を行う(ステップS1060)。BS切替依頼には、移動先の無線基地局1002の中心周波数とバンド幅が含まれてもよい。例えば、BS切替依頼には、中心周波数として2503.5(MHz)とバンド幅として5(MHz)が含まれる。BS切替処理部272は指定された中心周波数とバンド幅を設定し移動先の無線基地局1002に接続する(ステップS1062)。BS切替処理部272は、BS切替完了通知を制御部276に行う(ステップS1064)。このように、DCD/UCD情報の送信タイミングが近くなったことを検出するようにする代わりに、例えば、DCD/UCD情報の送信フレーム番号を取得したときに現在からの時間をタイマーとして設定するようにしてもよいし、フレームを受信するたびにフレーム番号を確認するようにしてもよい。
移動端末200は、下りリンクの信号を受信する(ステップS1066)。メッセージ処理部258は、該下りリンクの信号に含まれるDCD/UCD情報を取得する(ステップS1068)。メッセージ処理部258は、取得したDCD/UCD情報をDCD/UCD情報格納部266に格納する(ステップS1070)。
制御部276は、接続無線基地局1001に接続するために、BS切替処理部272に対して、BS切替依頼を行う(ステップS1072)。BS切替依頼には、移動先の無線基地局1002の中心周波数とバンド幅が含まれてもよい。例えば、BS切替依頼には、中心周波数として2498.5(MHz)とバンド幅として5(MHz)が含まれる。BS切替処理部272は指定された中心周波数とバンド幅を設定し接続無線基地局1001に接続する(ステップS1074)。BS切替処理部272は、BS切替完了通知を制御部276に行う(ステップS1076)。
本実施例に係る他の移動端末200について説明する。
他の移動端末200は、図7を参照して説明した移動端末200に含まれる各部のうち、CINR測定部252と、無線基地局間移動前処理実行条件格納部254と、メッセージ処理部258と、DCD/UCD送信タイミング情報格納部262と、MS宛データ有無判定部264と、DCCD/UCD情報格納部266と、PAGING情報格納部268と、BS切替処理部272と、BS接続情報格納部274と、制御部276とを有する。
本実施例に係る移動端末200の動作について、図15及び図16を参照して説明する。
移動端末200の動作において、ステップS1402−ステップS1440は、図10を参照して説明したステップS1002−ステップS1040と同様である。
移動先の無線基地局1002がDCD/UCD情報を送信するタイミングが通信期間と重なる場合(ステップS1440)、制御部276は、PAGING情報格納部268に格納された通信期間の開始・終了フレーム番号を参照する(ステップS1442)。制御部276は、MS宛データ有無判定部264に対して、当該移動端末宛のデータの有無の判定を依頼する(ステップS1444)。ここで、制御部276は、該通信期間の開始・終了フレーム番号をMS宛データ有無判定部264に通知するようにしてもよい。
移動端末200は、下りリンクの信号を受信する(ステップS1446)。メッセージ処理部258は、該下りリンクの信号に含まれるフレーム番号を取得する(ステップS1448)。メッセージ処理部258は、取得したフレーム番号をMS宛データ有無判定部264に入力する(ステップS1450)。MS宛データ有無判定部264は、通信期間の開始が近づくまで待機する。MS宛データ有無判定部264、入力されたフレーム番号に基づいて、通信期間の開始が近づいたかを判定する(ステップS1452)。このように通信期間の開始が近くなったことを検出する代わりに、例えば、通信開始のフレーム番号を取得したときに現在からの時間をタイマーとして設定するようにしてもよいし、フレームを受信するたびにフレーム番号を確認するようにしてもよい。
通信期間の開始が近づいた場合、MS宛データ有無判定部264は、例えばIEEE802.16eに基づいた位置情報の更新(Location Update)を無線基地局1001に対して行う(ステップS1454)。また、該移動端末200は、無線基地局1001にレンジングリクエスト(RNG−REQ)を送信するようにしてもよい。そして、無線基地局1001により送信されたレンジング応答(RNG−RSP)に基づいて、当該移動端末宛のデータの有無を判定するようにしてもよい(ステップS1456)。MS宛データ有無判定部264は位置情報の更新を行った結果、当該移動端末宛のデータがないと判定し、その結果を制御部276へ返す(ステップS1458)。
以降、ステップS1460−ステップS1486は、図10を参照して説明したステップS1050−ステップS1076と同様である。
本実施例に係る他の移動端末200について説明する。
他の移動端末200は、図7を参照して説明した移動端末200に含まれる各部のうち、CINR測定部252と、無線基地局間移動前処理実行条件格納部254と、メッセージ処理部258と、DCD/UCD送信タイミング情報格納部262と、MS宛データ有無判定部264と、DCD/UCD情報格納部266と、PAGING情報格納部268と、ネットワーク登録処理部270と、BS切替処理部272と、BS接続情報格納部274と、制御部276とを有する。
本実施例に係る移動端末200の動作について、図17及び図18を参照して説明する。
移動端末200の動作において、ステップS1502−ステップS1534は、図10を参照して説明したステップS1002−ステップS1034と同様である。
移動端末200は、下りリンクの信号を受信する(ステップS1536)。メッセージ処理部258は、該下りリンクの信号に含まれるフレーム番号を取得する(ステップS1538)。メッセージ処理部258は、取得したフレーム番号を制御部276に入力する(ステップS1540)。
制御部276は移動先の無線基地局1002のDCD/UCD情報の送信タイミングが近くなったことを検出する(ステップS1542:YES)。制御部276は、無線基地局1002に接続するために、BS切替処理部272に対して、BS切替依頼を行う(ステップS1544)。BS切替依頼には、移動先の無線基地局の中心周波数とバンド幅が含まれてもよい。例えば、BS切替依頼には、中心周波数として2503.5(MHz)とバンド幅として5(MHz)が含まれる。BS切替処理部272は指定された中心周波数とバンド幅を設定し無線基地局1002に接続する(ステップS1546)。BS切替処理部272は、BS切替完了通知を制御部276に行う(ステップS1548)。このように、DCD/UCD情報の送信タイミングが近くなったことを検出するようにする代わりに、例えば、DCD/UCD情報の送信フレーム番号を取得したときに現在からの時間をタイマーとして設定するようにしてもよいし、フレームを受信するたびにフレーム番号を確認するようにしてもよい。
移動端末200は、下りリンクの信号を受信する(ステップS1550)。メッセージ処理部258は、該下りリンクの信号に含まれるDCD/UCD情報を取得する(ステップS1552)。メッセージ処理部258は、取得したDCD/UCD情報をDCD/UCD情報格納部266に格納する(ステップS1554)。
制御部276は、接続無線基地局1001に接続するために、BS切替処理部272に対して、BS切替依頼を行う(ステップS1556)。BS切替依頼には、移動先の無線基地局1002の中心周波数とバンド幅が含まれてもよい。例えば、BS切替依頼には、中心周波数として2498.5(MHz)とバンド幅として5(MHz)が含まれる。BS切替処理部272は指定された中心周波数とバンド幅を設定し接続無線基地局1001に接続する(ステップS1558)。BS切替処理部272は、BS切替完了通知を制御部276に行う(ステップS1560)。
制御部276は、PAGING情報格納部268に格納された通信期間の開始・終了フレーム番号を参照する(ステップS1562)。制御部276は、DCD/UCD送信タイミング情報格納部262に格納されたDCD/UCDの送信フレーム番号を参照する(ステップS1564)。
制御部276は、通信期間の開始・終了フレーム番号と、DCD/UCD送信フレーム番号とを比較する(ステップS1566)。移動先の無線基地局1002がDCD/UCD情報を送信するタイミングが通信期間と重なるかを判断する。
移動先の無線基地局1002がDCD/UCD情報を送信するタイミングが通信期間と重なる場合(ステップS1566)、制御部276は、MS宛データ有無判定部264に当該移動端末宛のデータの有無の判定を依頼する(ステップS1568)。
本実施例では例えばIEEE802.16eに基づいた位置情報の更新(Location Update)を接続無線基地局1001に対して行う(ステップS1570)。また、該移動端末200は、接続無線基地局1001にレンジングリクエスト(RNG−REQ)送信するようにしてもよい。そして、接続無線基地局1001により送信されたレンジング応答(RNG−RSP)に基づいて、当該移動端末宛のデータの有無を判定するようにしてもよい(ステップS1572)。例えば、接続無線基地局1001からの応答(RNG-RSP)にはMS宛データの有無を示すフィールドがある。MS宛データ有無判定部264は該フィールドを参照することによりデータの有無を判定する。MS宛データ有無判定部264は位置情報の更新を行った結果、当該移動端末宛のデータがないと判定し、その結果を制御部276へ返す(ステップS1574)。
制御部276は、MS宛データ有無判定部264からの判定結果に基づいて、当該移動端末宛のデータがある場合(ステップS1576)、制御部276は、該データを受信するために、ネットワーク登録処理部270に処理依頼を行う(ステップS1578)。
ネットワーク登録処理部270は、無線基地局1001に対して、ネットワーク登録処理を行う(ステップS1580)。ネットワーク登録処理部270は、アイドルモードを解除して、下りリンクのデータの受信に備える。
本実施例に係る他の移動端末200について説明する。
他の移動端末200は、図7を参照して説明した移動端末200に含まれる各部のうち、CINR測定部252と、無線基地局間移動前処理実行条件格納部254と、メッセージ処理部258と、MOB_PAG-ADV受信管理部260と、DCD/UCD送信タイミング情報格納部262と、MS宛データ有無判定部264と、DCD/UCD情報格納部266と、PAGING情報格納部268と、ネットワーク登録処理部270と、BS切替処理部272と、BS接続情報格納部274と、制御部276とを有する。
本実施例に係る移動端末200の動作について、図19及び図20を参照して説明する。
移動端末200の動作において、ステップS1602−ステップS1634は、図10を参照して説明したステップS1002−ステップS1034と同様である。
移動端末200は、下りリンクの信号を受信する(ステップS1636)。メッセージ処理部258は、該下りリンクの信号に含まれるフレーム番号を取得する(ステップS1638)。メッセージ処理部258は、取得したフレーム番号を制御部276に入力する(ステップS1640)。
制御部276は無線基地局1002のDCD/UCD情報の送信タイミングが近くなったことを検出する(ステップS1642:YES)。制御部276は、移動先の無線基地局1002に接続するために、BS切替処理部272に対して、BS切替依頼を行う(ステップS1644)。BS切替依頼には、移動先の無線基地局1002の中心周波数とバンド幅が含まれてもよい。例えば、BS切替依頼には、中心周波数として2503.5(MHz)とバンド幅として5(MHz)が含まれる。BS切替処理部272は指定された中心周波数とバンド幅を設定し移動先の無線基地局1002に接続する(ステップS1646)。BS切替処理部272は、BS切替完了通知を制御部276に行う(ステップS1648)。このように、DCD/UCD情報の送信タイミングが近くなったことを検出するようにする代わりに、例えば、DCD/UCD情報の送信フレーム番号を取得したときに現在からの時間をタイマーとして設定するようにしてもよいし、フレームを受信するたびにフレーム番号を確認するようにしてもよい。
移動端末200は、下りリンクの信号を受信する(ステップS1650)。メッセージ処理部258は、該下りリンクの信号に含まれるDCD/UCD情報を取得する(ステップS1652)。メッセージ処理部258は、取得したDCD/UCD情報をDCD/UCD情報格納部266に格納する(ステップS1654)。
制御部276は、接続無線基地局1001に接続するために、BS切替処理部272に対して、BS切替依頼を行う(ステップS1656)。BS切替依頼には、移動先の無線基地局1002の中心周波数とバンド幅が含まれてもよい。例えば、BS切替依頼には、中心周波数として2498.5(MHz)とバンド幅として5(MHz)が含まれる。BS切替処理部272は指定された中心周波数とバンド幅を設定し接続無線基地局1001に接続する(ステップS1658)。BS切替処理部272は、BS切替完了通知を制御部276に行う(ステップS1660)。
制御部276は、PAGING情報格納部268に格納された通信期間の開始・終了フレーム番号を参照する(ステップS1662)。制御部276は、DCD/UCD送信タイミング情報格納部262に格納されたDCD/UCDの送信フレーム番号を参照する(ステップS1664)。
制御部276は、通信期間の開始・終了フレーム番号と、DCD/UCD送信フレーム番号とを比較する(ステップS1666)。無線基地局1002がDCD/UCD情報を送信するタイミングが通信期間と重なるかを判断する。
無線基地局1002がDCD/UCD情報を送信するタイミングが通信期間と重なる場合(ステップS1666:YES)、制御部276は、MS宛データ有無判定部264に当該移動端末宛のデータの有無の判定を依頼する(ステップS1668)。
移動端末200は、下りリンクの信号を受信する(ステップS1670)。メッセージ処理部258は、該下りリンクの信号に含まれるフレーム番号を取得する(ステップS1672)。メッセージ処理部258は、取得したフレーム番号をMS宛データ有無判定部264に入力する(ステップS1674)。
MS宛データ有無判定部264は、入力されたフレーム番号に基づいて、通信期間の終了が近いかを判定する(ステップ1676)。通信期間の終了が近いと判定した場合(ステップS1676:YES)、MOB_PAG-ADV受信管理部260を参照する(ステップS1678)。MS宛データ有無判定部264は、MOB_PAG-ADVを受信していない場合(ステップS1680:YES),例えばIEEE802.16eに基づいた位置情報の更新(Location Update)を無線基地局1001に対して行う(ステップS1682)。また、該移動端末200は、無線基地局1001にレンジングリクエスト(RNG−REQ)送信するようにしてもよい。そして、無線基地局1001により送信されたレンジング応答(RNG−RSP)に基づいて、当該移動端末宛のデータの有無を判定するようにしてもよい(ステップS1684)。例えば、無線基地局からの応答(RNG-RSP)にはMS宛データの有無を示すフィールドがある。MS宛データ有無判定部264は該フィールドを参照することによりデータの有無を判定する。MS宛データ有無判定部264は位置情報の更新を行った結果、当該移動端末宛のデータがないと判定し、その結果を制御部276へ返す(ステップS1686)。
制御部276は、MS宛データ有無判定部264からの判定結果に基づいて、当該移動端末宛のデータがある場合(ステップS1688)、制御部276は、該データを受信するために、ネットワーク登録処理部270に処理依頼を行う(ステップS1690)。
ネットワーク登録処理部270は、無線基地局1001に対して、ネットワーク登録処理を行う(ステップS1692)。ネットワーク登録処理部270は、アイドルモードを解除して、下りリンクのデータの受信に備える。
本実施例によれば、MOB_NBR-ADV未受信の状態で、かつ移動先の無線基地局のDCD/UCD配布タイミングが接続無線基地局の通信期間と重なる状況において、当該移動端末宛のデータの有無を接続無線基地局に対して確認する。当該無線基地局宛のデータがない場合には通信期間であっても移動先の無線基地局のDCD/UCD受信処理を優先して行う。このようにすることで、通信期間とDCD/UCD配布タイミングが重なっても移動先の無線基地局のDCD/UCD情報を取得することができる。その結果、MOB_NBR-ADV未受信の状態で接続先を移動先の無線基地局に切り替えても直ちに通信を開始することが可能となる。
また、接続先を移動先の無線基地局に切り替えて通信を開始するまでの時間を短縮できる。
(付記1)
移動端末において、
第1の無線基地局のカバーエリアに在圏し、第1の期間において該第1の無線基地局から送信される信号についての受信処理を行い、第2の期間において該第1の無線基地局から送信される信号について受信処理を行わない動作を行うように受信動作を切り替える手段と、
前記第1の無線基地局から隣接無線基地局情報を受信していないと判断された場合に、第2の無線基地局から通信パラメータの送信タイミング情報を取得する手段と、
前記第1の無線基地局に対して、該移動端末宛のデータがあるか否かを問い合わせる手段と、
前記取得する手段により取得された送信タイミングが前記第1の期間に含まれる場合に、前記問い合わせる手段による問い合わせの結果が、前記第1の無線基地局から該移動端末宛に対して送信されるデータがないことを示す場合に、前記送信タイミングにおいて前記第2の無線基地局から送信される通信パラメータを受信する手段と
を有する移動端末。
(付記2)
付記1に記載の移動端末において、
前記問い合わせる手段は、前記取得する手段により取得された送信タイミングが前記送信された情報の受信を行う期間に含まれると判定された後、該前記送信された情報の受信を行う期間の開始直前に、当該移動端末宛のデータがあるかを問い合わせる移動端末。
(付記3)
付記1に記載の移動端末において、
前記問い合わせる手段は、前記取得する手段により取得された送信タイミングが前記送信された情報の受信を行う期間に含まれる場合に、前記受信する手段において前記第2の無線基地局により送信される通信パラメータが受信された後、当該移動端末宛のデータがあるかを問い合わせる移動端末。
(付記4)
付記3に記載の移動端末において、
前記問い合わせる手段は、前記情報の受信を行う期間が終了する際に、前記第1の無線基地局によりページングメッセージを受信していない場合に、当該移動端末宛のデータがあるかを問い合わせる移動端末。
(付記5)
付記1ないし4のいずれか1項に記載の移動端末において、
前記問い合わせる手段は、前記第1の無線基地局に、位置情報の更新を送信することにより、当該移動端末宛のデータがあるかを問い合わせる移動端末。
(付記6)
第1の無線基地局のカバーエリアに在圏し、第1の期間において該第1の無線基地局から送信される信号についての受信処理を行い、第2の期間において該第1の無線基地局から送信される信号について受信処理を行わない動作を行うように受信動作を切り替える手段と、
前記第1の無線基地局から隣接無線基地局情報を受信していないと判断された場合に、第2の無線基地局から通信パラメータの送信タイミング情報を取得する手段と、
前記第1の無線基地局に対して、該移動端末宛のデータがあるか否かを問い合わせる手段と、
前記取得する手段により取得された送信タイミングが前記第1の期間に含まれる場合に、前記問い合わせる手段による問い合わせの結果が、前記第1の無線基地局から該移動端末宛に対して送信されるデータがないことを示す場合に、前記送信タイミングにおいて前記第2の無線基地局から送信される通信パラメータを受信する手段と
を有するシステム。
(付記7)
移動端末が、第1の無線基地局のカバーエリアに在圏し、第1の期間において該第1の無線基地局から送信される信号についての受信処理を行い、第2の期間において該第1の無線基地局から送信される信号について受信処理を行わない動作を行うように受信動作を切り替えるステップと、
前記移動端末が、前記第1の無線基地局から隣接無線基地局情報を受信していないと判断された場合に、第2の無線基地局から通信パラメータの送信タイミング情報を取得するステップと、
前記移動端末が、前記第1の無線基地局に対して、該移動端末宛のデータがあるか否かを問い合わせるステップと、
前記移動端末が、前記取得するステップにより取得された送信タイミングが前記第1の期間に含まれる場合に、前記問い合わせる手段による問い合わせの結果が、前記第1の無線基地局から該移動端末宛に対して送信されるデータがないことを示す場合に、前記送信タイミングにおいて前記第2の無線基地局から送信される通信パラメータを受信するステップと
を有する方法。
(付記8)
付記7に記載の方法において、
前記問い合わせるステップは、前前記取得するステップにより取得された送信タイミングが前記送信された情報の受信を行う期間に含まれると判定された後、該前記送信された情報の受信を行う期間の開始直前に、当該移動端末宛のデータがあるかを問い合わせる方法。
(付記9)
付記7に記載の方法において、
前記問い合わせるステップは、前記取得するステップにより取得された送信タイミングが前記送信された情報の受信を行う期間に含まれる場合に、前記受信するステップにおいて前記第2の無線基地局により送信される通信パラメータが受信された後、当該移動端末宛のデータがあるかを問い合わせる方法。
(付記10)
付記9に記載の方法において、
前記問い合わせるステップは、前記情報の受信を行う期間が終了する際に、前記第1の無線基地局によりページングメッセージを受信していない場合に、当該移動端末宛のデータがあるかを問い合わせる方法。
(付記11)
付記7ないし10のいずれか1項に記載の方法において、
前記問い合わせるステップは、前記第1の無線基地局に、位置情報の更新を送信することにより、当該移動端末宛のデータがあるかを問い合わせる方法。