以下、図面を参照して、本発明に係る走行軌跡生成方法及び走行軌跡生成装置の実施の形態を説明する。
本実施の形態では、本発明を、自動運転を行うハイブリッド車両に搭載される自動運転制御装置に適用する。本実施の形態に係る自動運転制御装置は、最適化処理によって走行軌跡を生成し、その最適な走行軌跡に沿って走行するように加減速制御及び操舵制御を行う。本実施の形態には、最適化処理における評価関数の違いによる2つの形態があり、第1の実施の形態が評価関数として油圧ブレーキによるエネルギ損失を考慮した形態であり、第2の実施の形態が評価関数として油圧ブレーキと回生ブレーキによるエネルギ損失を考慮した形態である。
生成される走行軌跡は、位置(x座標,y座標)、車速パターン(vx,vy)、加速度パターン(ax,ay)、ヨー角、ヨーレートなどの車両の走行に必要な多数のパラメータから構成される。本実施の形態に係る自動運転制御装置では、図2に示すように、一つのカーブ路などをブロックB単位で取り扱い、各ブロックBでの走行軌跡は走行路を走行方向に沿って細密に分割したメッシュM,・・・単位で生成される。したがって、一つブロックBの走行軌跡は、(メッシュM,・・・の個数×パラメータの個数)のデータから構成される。例えば、パラメータが10個、メッシュが100個の場合、一つのブロックBの走行軌跡は1000個のデータで構成される。
一般的に、燃費のみを重視した走行条件を設定した場合、過剰に遅い走行が理想燃費走行であることが知られており、燃費のみを重視した走行条件で最適化処理を行うと実用上使用できないような車速パターンを持つ走行軌跡が生成される。そこで、本実施の形態に係る自動運転制御装置では、それを抑制するために、最適化処理の評価関数に燃費向上条件の他に走行時間条件を加えている。
また、直線路や高速道路などの左右方向のタイヤ摩擦に十分に余裕のある状況においては、従来の最適化手法でも最適な走行軌跡を生成できた。しかし、カーブ路の場合、カーブ前後の直線路を走行できる車速に対して十分な減速が必要となり、カーブ走行中は減速、コーナリング、加速という構成になり、前後方向の加減速や左右方向の横力が発生する。そこで、本実施の形態に係る自動運転制御装置では、特にカーブ路で最適となる走行軌跡を生成する。なお、本実施の形態ではカーブ路に好適な走行軌跡の生成手法を示しているが、直線路にも好適である。ちなみに、直線路については従来の生成手法を用いてもよい。
また、最適化処理を行う場合、変速機などによるヒステリシス(例えば、2速から3速と3速から2速とのヒステリシス)によって、局所最小解による誤った解を導く可能性がある。そこで、本実施の形態に係る自動運転制御装置では、最適化処理を行う前処理として最適な走行軌跡に近い走行軌跡を初期条件として生成する。
図1〜図4を参照して、第1の実施の形態に係る自動運転制御装置1について説明する。図1は、本実施の形態に係る自動運転制御装置の構成図である。図2は、第1の実施の形態に係る自動運転制御装置における走行軌跡最適化機能の説明図である。図3は、本実施の形態に係る自動運転制御装置における初期条件生成機能の説明図である。図4は、本実施の形態に係る自動運転制御装置における連続カーブ対応機能の説明図である。
自動運転制御装置1は、実用的な走行時間と燃費低減とを両立した最適軌跡(特に、カーブ路)を生成する。自動運転制御装置1は、最適軌跡を生成するために走行軌跡最適化機能、初期条件生成機能、連続カーブ対応機能を有しており、自動運転での車両制御するために車両制御機能を有している。特に、自動運転制御装置1では、走行軌跡最適化機能における評価関数として走行時間に油圧ブレーキによるエネルギ損失を考慮した関数としている。
自動運転制御装置1は、ヨーレートセンサ10、Gセンサ11、車輪速センサ12、GPS[Global Positioning System]センサ13、白線検知センサ14、障害物検知センサ15、操舵アクチュエータ20、スロットルアクチュエータ21、ブレーキアクチュエータ22、モータ23及びECU[Electronic Control Unit]31を備えており、ナビゲーションシステム16からの情報を利用する。
ヨーレートセンサ10は、自車両で発生しているヨーレートを検出するセンサである。ヨーレートセンサ10では、ヨーレートを検出し、そのヨーレートをヨーレート信号としてECU31に送信する。
Gセンサ11は、自車両に作用している横加速度や前後加速度を検出するセンサである。Gセンサ11では、自車両に作用している加速度を検出し、その加速度をG信号としてECU31に送信する。なお、検出する加速度毎に、横Gセンサ、前後Gセンサがそれぞれ構成される。
車輪速センサ12は、車両の4輪にそれぞれ設けられ、車輪の回転速度(車輪の回転に応じたパルス数)を検出するセンサである。車輪速センサ12では、所定時間毎の車輪の回転パルス数を検出し、その検出した車輪回転パルス数を車輪速信号としてECU31に送信する。ECU31では、各車輪の回転速度から車輪速をそれぞれ演算し、各輪の車輪速から車体速(車速)を演算する。
GPSセンサ13は、GPSアンテナや処理装置などを備えており、自車両の位置などを推定するセンサである。GPSセンサ13では、GPSアンテナでGPS衛星からのGPS信号を受信する。そして、GPSセンサ13では、処理装置でそのGPS信号を復調し、その復調された各GPS衛星の位置データに基づいて自車両の位置などを演算する。そして、GPSセンサ13では、自車両の位置などを示すGPS情報信号をECU31に送信する。ちなみに、現在位置を演算するためには3つ以上のGPS衛星の位置データが必要となるで、GPSセンサ13では、異なる3つ以上のGPS衛星からのGPS信号をそれぞれ受信している。
白線検知センサ14は、カメラや画像処理装置を備えており、一対の白線(車線)を検知するセンサである。白線検知センサ14では、カメラで自車両の前方の道路を撮像する。そして、白線検知センサ14では、画像処理装置で撮像画像から車両が走行している車線を示す一対の白線を認識する。さらに、認識した一対の白線から車線幅、一対の白線の中心を通る線(すなわち、車線の中心線)、車線の中心の半径(カーブ半径R)、カーブ半径Rからカーブ曲率γ(=1/R)、白線に対する車両の向き(ヨー角)及び車線の中心に対する車両中心の位置(オフセット)などを演算する。そして、白線検知センサ14では、これらの認識した一対の白線の情報や演算した各情報を白線検知信号としてECU31に送信する。
障害物検知センサ15は、ミリ波レーダや処理装置を備えており、自車両の周辺に存在する障害物(車両など)を検知するセンサである。障害物検知センサ15では、ミリ波レーダでミリ波を照射し、物体に反射して戻ってくるミリ波を受信する。そして、障害物検知センサ15では、処理装置でミリ波の送受信データに基づいて障害物の有無を検知し、障害物を検知できた場合には障害物までの距離などを演算する。障害物検知センサ15では、これらの検知した障害物の情報や演算した各情報を障害物検知信号としてECU31に送信する。なお、障害物の検知方法としては、どのような方法でもよく、例えば、カメラによる撮像画像を利用した方法、カメラの撮像画像とミリ波などのレーダ情報を利用した方法、インフラ通信によって取得する方法がある。
ナビゲーションシステム16は、自車両の現在位置の検出及び目的地までの経路案内などを行うシステムである。特に、ナビゲーションシステム16では、地図データベースから現在走行中の道路の形状情報を読み出し、その道路形状情報をナビ信号としてECU31に送信する。なお、ナビゲーションシステムを備えない車両の場合、少なくとも道路形状情報を少なくとも格納した地図データベースを備える構成としてもよいし、あるいは、路車間通信などを利用して道路形状情報を取得する構成としてもよい。
操舵アクチュエータ20は、モータによる回転駆動力を減速機構を介してステアリング機構(ラック、ピニオン、コラムなど)に伝達し、ステアリング機構に操舵トルクを付与するためのアクチュエータである。操舵アクチュエータ20では、ECU31から操舵制御信号を受信すると、操舵制御信号に応じてモータが回転駆動して操舵トルクを発生させる。
スロットルアクチュエータ21は、駆動源の一つであるエンジンのスロットルバルブの開度を調整するアクチュエータである。スロットルアクチュエータ21では、ECU31からのエンジン制御信号を受信すると、エンジン制御信号に応じて作動し、スロットルバルブの開度を調整する。
ブレーキアクチュエータ22は、各車輪のホイールシリンダのブレーキ油圧を調整するアクチュエータである。ブレーキアクチュエータ22では、ECU31からのブレーキ制御信号を受信すると、ブレーキ制御信号に応じて作動し、ホイールシリンダのブレーキ油圧を調整する。
モータ23は、駆動源の一つである電気モータである。また、モータ23は、ジェネレータとしての機能を有しており、車輪の回転エネルギ(運動エネルギ)を電気エネルギに変換し、回生発電を行う。モータ23では、モータ制御信号を受信すると、モータ制御信号に応じて回転駆動して駆動力を発生する。また、モータ23は、回生制御信号を受信すると、回生制御信号に応じて発電し、その発電した電力をバッテリに充電する。
ECU31は、CPU[Central Processing Unit]、ROM[ReadOnly Memory]、RAM[Random Access Memory]などからなり、自動運転制御装置1を統括制御する電子制御ユニットである。ECU31では、一定時間毎に、各センサ10〜15及びナビゲーションシステム16からの各信号を受信する。そして、ECU31では、走行軌跡最適化処理、初期条件生成処理、連続カーブ対応処理などを行って最適な走行軌跡を生成する。さらに、ECU31では、生成した最適な走行軌跡に基づいて車両制御処理を行い、操舵アクチュエータ20、スロットルアクチュエータ21、ブレーキアクチュエータ22、モータ23を制御する。
なお、第1の実施の形態では、ECU31における走行軌跡最適化処理が特許請求の範囲に記載する拘束条件演算手段及び評価関数演算手段に相当し、ECU31における初期条件生成処理が特許請求の範囲に記載する初期条件生成手段に相当し、ECU31における連続カーブ対応処理が特許請求の範囲に記載するブロック分割手段、最速走行最適化手段、通過時間演算手段、余裕時間演算手段及び目標通過時間演算手段に相当する。
走行軌跡最適化処理について説明する。この最適化手法としては、どのような手法を用いてよく、例えば、非特許文献1で開示されているSCGRA[Sequential Conjugate Gradient Restoration Algorithm]を用いる。SCGRAでは、拘束条件を満たすまで最急降下法に基づいて収束演算し、評価関数の評価値が最小となるまで共役勾配法に基づいて収束演算する。拘束条件は、車両の走行において絶対に守らなければならない条件である。評価関数は、車両の走行において重視する条件を評価するための関数である。
燃費を良くするためには、走行路であるブロックB全体に通して減速時の油圧ブレーキの作動を抑え、油圧ブレーキ作動時の放熱によるエネルギ損失を抑えることが重要となる。そこで、評価関数として、ブロックB全体での減速時の油圧ブレーキ作動による放熱量の総量を含む関数とする。この評価関数を用いて走行軌跡の最適化を図ることにより、ブロックB全体を通して減速をできるだけ抑え(無駄な加速をしない)、油圧ブレーキの作動の少ない走行軌跡を導出することができ、油圧ブレーキ作動による放熱量の増加を抑えることができる。
しかし、燃費面だけ重視して一定の低速(例えば、カーブ路での最低車速)で走行すれば、燃費は向上するが、実用上使用できないような車速パターンとなる。そこで、評価関数として、ブロックB全体での油圧ブレーキ作動による放熱総量の他にブロックBの通過時間を含む関数とする。この評価関数を用いることにより、ブロックB全体を通して実用上問題のない車速で走行できるとともに、ブロックB全体を通して油圧ブレーキ作動による減速を極力抑え、油圧ブレーキによる放熱を低減した走行軌跡を生成することができる。
ECU31では、初期条件としての初期軌跡を設定し、拘束条件を満たすまで最急降下法に基づいて収束演算する。拘束条件としては、道路側の条件と車両側の条件があり、道路側の条件としては道路境界線(道路上を走行すること)、車両側の条件として摩擦円、加速限界、減速限界、操舵限界などの車両性能限界がある。具体的には、前回求められた走行軌跡(初回の収束演算では初期軌跡)を用いて拘束条件に基づいて今回の走行軌跡を収束演算し、今回の求められた走行軌跡を用いて拘束条件を満たすか否かを判定し、拘束条件を満たす走行軌跡が求められるまで各処理ループでの収束演算と判定を繰り返し行う。各処理ループでは、ブロックB単位の(メッシュM,・・・の個数×パラメータの個数)のデータからなる走行軌跡が求められる。
拘束条件を満たす走行軌跡が導出されると、ECU31では、拘束条件を満たしつつ、評価関数の評価値が最小となるまで共役勾配法に基づいて収束演算する。評価関数としては、式(1)に示すように、ブロックBでの通過時間に減速時の油圧ブレーキ放熱総量を加えた関数とし、ブロックB全体としての通過時間と減速時の油圧ブレーキ放熱総量が小さくなるようにする。通過時間は、ブロックBを通過するための目標時間であり、例えば、道路の制限車速から求めた時間、ドライバによって入力された時間がある。なお、通過時間と減速時の油圧ブレーキ放熱量との加味度合いを0.5対0.5としているが、任意の値を設定してよく、例えば、ドライバによって入力された加味度合いを用いる。
具体的には、前回求められた走行軌跡(初回の収束演算では拘束条件を満たした走行軌跡)を用いて評価関数の評価値が小さくなるように今回の走行軌跡を収束演算し、今回の求められた走行軌跡を用いて評価値が最小になったか否かを判定し、評価値が最小となる走行軌跡が求められるまで各処理ループでの収束演算と判定を繰り返し行う。つまり、収束演算を行う場合には評価関数におけるv1として前回の走行軌跡における該当する前後メッシュのうち前のメッシュでの車速が用いられ、v2としては前回の走行軌跡における該当する後のメッシュの車速が用いられ、判定を行う場合には評価関数におけるv1として今回の収束演算で求められた走行軌跡における該当する前後のメッシュのうち前のメッシュでの車速が用いられ、v2としては今回の収束演算で求められた走行軌跡における後のメッシュでの車速が用いられる。評価値が最小になったか否かの判定では、評価値の微分値を求め、微分値が0かあるいは略0になった場合に評価値が最小になったと判定する。なお、v1<v2の場合、加速中なので、式(1)における減速時の油圧ブレーキ放熱量の項の加算を削除し、通過時間だけの項とする。
図2に示す例の場合、ブロックBを最速で通過する軌跡が走行軌跡C1であり、ブロックBでの油圧ブレーキの放熱総量も考慮すると走行軌跡C2となり、式(1)の評価関数の評価値が最小となるように各処理ループでの評価関数による収束演算と判定が進むにつれて、最適軌跡C2に徐々に近づく走行軌跡が求められる。
初期化条件生成処理について説明する。走行軌跡最適化処理を行う前処理として、初期条件となる初期軌跡を生成する。この初期軌跡は、減速回生重視軌跡であり、ハイブリッド車両における回生による減速を重視した軌跡である。つまり、減速する際に出来る限り回生による減速だけで減速を行うことにより、油圧ブレーキの使用による放熱によるエネルギロスを低減できるので、燃費が向上する。このように燃費を考慮した初期軌跡を用いて走行軌跡最適化処理を行うことにより、最適化処理の最初から最適な走行軌跡に近い走行軌跡を用いることができるので、局所最小値による間違った走行軌跡を回避でき、最適な走行軌跡になるまでの収束演算と判定の回数が低減できるので処理負荷も軽減できる。
回生だけで減速を行う場合、車両全体の減速能力(回生ブレーキによる減速+油圧ブレーキによる減速)で減速を行う場合に比べて、減速時に油圧ブレーキ減速分の余裕がでる。例えば、車両全体の減速能力を1.0Gとし、回生減速能力を0.2Gとした場合、減速時に0.8G分の余裕ができる。そこで、横力と前後力による摩擦円限界を考えた場合、カーブ路では減速時にこの余裕分を横力に配分することにより、減速G<加速Gという条件下で理想的な横G分布を得ることができ、減速時にはその余裕分の横力によって走行曲線を長くでき、加速時には余裕がないので直線に近くなる。そこで、カーブ路でこのような走行軌跡とするためには、クリッピングポイントをカーブ入口側に移動し、最小車速ポイントをカーブ路出口側にする必要がある。なお、直線路ではこの初期軌跡を適用することができないので、走行軌跡最適化処理の初期軌跡として任意の軌跡を与える。
まず、ECU31では、カーブ路走行で一般的なOut−In−Outの走行軌跡を生成する。そして、ECU31では、ハイブリッド車両としてのシステム能力に基づいて回生による減速度上限値(例えば、0.2G、システム既知でもよい)を決定する。また、ECU31では、加速時におけるエンジン出力の熱効率の良い加速度上限値(例えば、0.4G、システム既知でもよい)を決定する。
ECU31では、減速度上限値と加速度上限値とに応じて、Out−In−Outの走行軌跡におけるカーブの中央のクリッピングポイントをカーブの入口側に移動する。例えば、クリッピングポイントの移動比率を、式(2)で求める。
ECU31では、減速度上限値と加速度上限値とに応じて、Out−In−Outの走行軌跡におけるカーブの中央の最小車速ポイント(最大曲率点)をカーブの出口側に移動する。例えば、クリッピングポイントの移動比率分を出口側(移動したクリッピングポイントに対称となるポイント)に移動させる。
そして、ECU31では、移動したクリッピングポイント、最小車速ポイントなどをスムーズな曲線で結合し、初期軌跡を生成する。このスムーズな曲線としては、どのような曲線でもよく、例えば、クロソイド曲線がある。
図3の例の場合、Out−In−Outの走行軌跡C3におけるクリッピングポイントCP3がカーブ入口側のポイントCP4に移動され、最小車速ポイントVP3がカーブ出口側のポイントVP4に移動され、初期軌跡C4が生成される。
連続カーブ対応処理について説明する。山道などでカーブが連続する場合、カーブ毎に一つのカーブ路や直線路の単位で複数のブロックに分割し、ブロック単位で最適化処理を行う。ここでは、図4に示すように、連続カーブ全体での目標通過時間から全体での最速通過時間を減算して全体での余裕時間を求め、その全余裕時間を各ブロックB1,・・・での油圧ブレーキによる放熱量に比例して配分し、各ブロックB1・・・に余裕時間(最速走行よりも遅くてよい時間)を割り当てる。そして、ブロックB1,・・・毎に、最速通過時間と余裕時間から目標通過時間を求め、この目標通過時間を拘束条件として最適化処理を行う。油圧ブレーキによる放熱量を用いて配分するのは、油圧ブレーキによる放熱(無駄なエネルギ)を減らすことで燃費を低減できるからである。
余裕時間が多いブロックほど、通過時間に余裕があるので、燃費を重視した走行軌跡を生成できる。一方、余裕時間が少ないブロックほど、通過時間に余裕がないので、速く走ることを重視した走行軌跡を生成する。このように、燃費を重視したブロックと速度を重視したブロックに分けてブロック毎に最適化処理をそれぞれ行うことができるので、メモリや処理負荷を軽減できる。ちなみに、連続カーブ全体に対して最適化処理を行った場合、最速走行だけなら比較的容易に処理が可能である。しかし、燃費走行も考慮した場合、複数ブロックの合計通過時間を指定された時間(平均速度)での拘束条件が一般的であり、これを複数ブロックにわたって解くのは巨大なメモリと複雑なプログラムが必要となり、処理負荷も増大する。
連続カーブの場合、ECU31では、その連続カーブを1つのカーブ路あるいは直線路の単位で複数のブロックに分割する。また、ECU31では、連続カーブ全体にわたって最速走行条件で最適化処理を行い、最速での走行軌跡を生成し、全体での最速通過時間を得る。ここでは、従来の手法を用いて、最速走行条件で最適化処理を行う。
ECU31では、全体最速通過時間に基づいてブロック毎の最速通過時間を演算する。また、EU30では、全体最速通過時間と全体目標通過時間を用いて、式(3)により全余裕時間を演算する。全体目標通過時間は、連続カーブ全体を通過するための目標時間であり、例えば、ドライバによって入力された時間を用いる。
ECU31では、全余裕時間が0より小さいか否かを判定する。全余裕時間が0より小さい場合、最速で走行しても全体目標通過時間より遅いので、最速走行条件による最適化処理で求めた走行軌跡を用いる。
全余裕時間が0以上の場合、最速で走行すると全体目標通過時間より速く通過できる。この場合、ECU31では、各ブロックでのブレーキ放熱量を演算する。この演算方法としては、どのような演算方法を用いてもよい。そして、ECU31では、ブロック毎に、全余裕時間、各ブロックのブレーキ放熱量及び全てのブロックを合わせたブレーキ放熱量を用いて、式(4)によりブロックでの余裕時間を演算する。
ECU31では、ブロック毎に、ブロックでの最速通過時間と余裕時間を用いて、式(5)によりブロックでの目標通過時間を演算する。
そして、ECU31では、ブロック毎に、ブロックでの目標通過時間を拘束条件に加えて最適化処理を行い、走行軌跡を生成する。ここでは、上記した走行軌跡最適化処理を行うが、目標通過時間も加えた拘束条件とし、通過時間の条件を取り除いてブレーキによるエネルギ損失のみを条件とした評価関数として最適化処理を行う。
車両制御機能について説明する。ECU31では、一定時間毎に、求めた最適な走行軌跡に従って走行するように、自車両周辺の障害物(前方車両など)を考慮しつつ、最適な走行軌跡と実際の車両状態(ヨーレート、横G、前後G,車速、絶対位置、車線の中心に対する相対関係など)との偏差に基づいて、操舵制御信号、エンジン制御信号、ブレーキ制御信号、モータ制御信号又は回生制御信号を生成し、各信号を操舵アクチュエータ20、スロットルアクチュエータ21、ブレーキアクチュエータ22、モータ23にそれぞれ送信する。
図1〜図4を参照して、自動運転制御装置1における動作について説明する。ここでは、自動運転制御装置1における走行軌跡最適化機能、初期条件生成機能、連続カーブ対応機能の各動作について説明する。特に、ECU31における走行軌跡最適化処理、初期条件生成処理、連続カーブ対応処理について図5、図6、図7の各フローチャートに沿って説明する。図5は、本実施の形態に係るECUにおける走行軌跡最適化処理の流れを示すフローチャートである。図6は、本実施の形態に係るECUにおける初期条件生成処理の流れを示すフローチャートである。図7は、本実施の形態に係るECUにおける連続カーブ対応処理の流れを示すフローチャートである。
走行軌跡最適化機能について説明する。ナビゲーションシステム16では、地図データベースから現在走行中の道路の形状情報を読み出し、その道路形状情報をナビ信号としてECU31に送信している。ECU31では、ナビ信号を受信し、道路形状情報を取得する。
ECU31では、初期条件生成機能などで設定された初期軌跡を初期条件として、道路境界線及び車両性能限界を条件とする拘束条件に基づいて収束演算し、走行軌跡を生成する(S10)。ECU31では、今回生成した走行軌跡が拘束条件を満たすか否かを判定する(S11)。S11にて拘束条件を満たさないと判定した場合、ECU31では、前回生成した走行軌跡を用いて拘束条件に基づいて収束演算して走行軌跡を生成し(S10)、この今回生成した走行軌跡が拘束条件を満たすか否かを判定する(S11)。
S11にて拘束条件を満たすと判定した場合、ECU31では、拘束条件を満たした走行軌跡を用いて、ブロックBの通過時間と減速時の油圧ブレーキ放熱総量からなる評価関数に基づいて収束演算し、走行軌跡を生成する(S12)。ECU31では、今回生成した走行軌跡の評価値が最小か否かを判定する(S13)。S13にて評価値が最小でないと判定した場合、ECU31では、前回生成した走行軌跡を用いて評価関数に基づいて収束演算して走行軌跡を生成し(S12)、この今回生成した走行軌跡の評価値が最小か否かを判定する(S13)。
S13にて評価値が最小と判定した場合、ECU31では、その生成した走行軌跡を最適軌跡とする。そして、自動運転制御装置1では、この最適軌跡に従って走行するように加減速制御及び操舵制御を行う(車両制御機能を行う)。
なお、第1の実施の形態では、ECU31によるS10、S11の処理が特許請求の範囲に記載する拘束条件演算ステップに相当し、ECU31によるS12、S13の処理が特許請求の範囲に記載する評価関数演算ステップに相当する。
初期条件生成機能について説明する。最適軌跡を生成する走行路がカーブ路の場合、ECU31では、Out−In−Outの走行軌跡を生成する(S20)。また、ECU31では、ハイブリッド車両における回生減速による減速度上限値を決定するとともに(S21)、エンジン出力熱効率の良い加速度上限値を決定する(S22)。
そして、ECU31では、減速度上限値と加速度上限値に基づいてOut−In−Outのクリッピングポイントをカーブ入口側に移動する(S23)。また、ECU31では、減速度上限値と加速度上限値に基づいてOut−In−Outの最小車速ポイントをカーブ出口側に移動する(S24)。そして、ECU31では、移動したクリッピングポイント及び最小車速ポイントなどをスムーズな曲線で結合して初期軌跡を生成し、その初期軌跡を走行軌跡最適化機能での初期条件に用いる。
なお、本実施の形態では、S20〜S25の処理が特許請求の範囲に記載する初期条件生成ステップに相当する。
連続カーブ対応機能について説明する。最適軌跡を生成する走行路が連続するカーブの場合、ECU31では、その連続カーブを複数のブロックに分割する(S30)。また、ECU31では、その連続カーブ全体に対して最速走行条件で最適化処理し、連続カーブ全体での最速通過時間を求める(S31)。そして、ECU31では、その全体最速通過時間を各ブロックに配分し、ブロック毎の最速通過時間を演算する(S32)。
ECU31では、全体目標通過時間から全体最速通過時間を減算し、連続カーブ全体での全余裕時間を演算する(S33)。そして、ECU31では、全余裕時間が0より小さいか否かを判定する(S34)。S34にて全余裕時間が0より小さいと判定した場合、ECU31では、最速走行条件での最適化処理で生成した走行軌跡を最適軌跡とする(S35)。そして、自動運転制御装置1では、この最適軌跡に従って走行するように加減速制御及び操舵制御を行う。
S34にて全余裕時間が0以上と判定した場合、ECU31では、各ブロックにおけるブレーキ放熱量を演算する(S36)。そして、ECU31では、ブロック毎に、ブロックのブレーキ放熱量に応じて余裕時間を演算する(S37)。さらに、ECU31では、ブロック毎に、そのブロックの余裕時間と最速通過時間に基づいて目標通過時間を演算する(S38)。そして、ECU31では、ブロック毎に、そのブロックの目標通過時間を拘束条件に加味して(その代わり、通過時間を評価関数から削除)、最適化処理を行い(上記の走行軌跡最適化機能を行い)、最適軌跡を生成する(S39)。
ECU31では、連続カーブの全てブロックについて最適化処理が終了したか否かを判定する(S40)。S40にて全て終了していないと判定した場合、ECU31では、S37に戻って、次のブロックについての処理を行う。一方、S40にて全て終了したと判定した場合、自動運転制御装置1では、生成した最適な走行軌跡に従って走行するように加減速制御及び操舵制御を行う。
なお、本実施の形態では、S30の処理が特許請求の範囲に記載するブロック分割ステップに相当し、S31の処理が特許請求の範囲に記載する最速走行最適化ステップに相当し、S32の処理が特許請求の範囲に記載する通過時間演算ステップに相当し、S36、S37の処理が特許請求の範囲に記載する余裕時間演算ステップに相当し、S38の処理が特許請求の範囲に記載する目標通過時間演算ステップに相当する。
この自動運転制御装置1によれば、ブロックBにおける通過時間に減速時の油圧ブレーキ放熱総量を加えた評価関数によって最適化処理を行うことにより、実用的な走行時間と燃費の低減を両立した最適軌跡を生成することができ、この最適軌跡によって走行路全体で油圧ブレーキの作動を抑えつつ実用的な車速で走行できる。特に、横力が発生しかつ加減速が必要となるカーブ路で好適な走行軌跡を生成することができる。
また、自動運転制御装置1によれば、回生減速を重視した燃費特性を考慮した初期軌跡を生成することにより、最適化処理の最初から最適軌跡に近い走行軌跡を用いることができるので、局所最小値による間違った走行軌跡を回避でき、処理負荷も軽減できる。
また、自動運転制御装置1によれば、連続カーブでは各ブロックのブレーキ放熱量に応じて余裕時間を配分することにより、ブロック毎に目標通過時間を拘束条件として個別に最適化処理を行うことができ、メモリや処理負荷を軽減できる。
図1、図3、図4及び図8を参照して、第2の実施の自動運転制御装置1について説明する。図8は、第2の実施の形態に係る自動運転制御装置における走行軌跡最適化機能の説明図である。なお、自動運転制御装置2では、第1の実施の形態に係る自動運転制御装置1と同様の構成について同一の符号を付し、その説明を省略する。
自動運転制御装置2は、第1の実施の形態に係る自動運転制御装置1と比較すると、走行軌跡最適化機能だけが異なる。特に、自動運転制御装置2では、走行軌跡最適化機能における評価関数として走行時間に油圧ブレーキによるエネルギ損失と回生ブレーキによるエネルギ損失を考慮した関数としている。そのため、自動運転制御装置2の構成としては、自動運転制御装置1と比較すると、ECU31に代わりにECU32を備える点だけが異なる。
ECU32は、CPU、ROM、RAMなどからなり、自動運転制御装置2を統括制御する電子制御ユニットである。ECU32は、第1の実施の形態に係るECU31と比較すると、走行軌跡最適化処理だけが異なる。そこで、走行軌跡最適化処理についてのみ説明する。なお、第2の実施の形態では、ECU32における走行軌跡最適化処理が特許請求の範囲に記載する拘束条件演算手段及び評価関数演算手段に相当する。
走行軌跡最適化処理について説明する。ECU32における走行軌跡最適化処理は、ECU31における走行軌跡最適化処理と比較すると、評価関数だけが異なる。そこで、評価関数について詳細に説明する。
ハイブリッド車両の場合、燃費を良くするためには、減速時の油圧ブレーキ作動による放熱を考慮する他に、回生ブレーキも考慮する必要がある。回生では、減速時にモータ23によって運動エネルギを電気エネルギに変換し、加速時にモータ23によってバッテリに蓄電されたその電気エネルギを運動エネルギとして使用する。この際、減速時の運動エネルギが加速時に運動エネルギとして100%再使用できるわけではなく、エネルギを変換する過程で損失が発生する。したがって、走行路であるブロックB全体に通してこの回生/再出力の際のエネルギ損失を抑えることも重要となる。そこで、評価関数として、ブロックBの通過時間及び減速時の油圧ブレーキ作動による放熱総量に加えて、ブロックB全体での回生によってエネルギを取り出して再使用する過程でのエネルギ損失総量を含む関数とする。この評価関数を用いて走行軌跡の最適化を図ることにより、ブロックB全体を通して減速をできるだけ抑え、油圧ブレーキの作動及び回生ブレーキの作動(その後の、再出力)の少ない走行軌跡を導出することができ、油圧ブレーキ作動による放熱量と回生によるエネルギ損失の増加を抑えることができる。
しかし、回生では、エネルギ損失もあるが、減速時の運動エネルギが加速時に運動エネルギとして数10%再使用でき、エネルギを回収できる。したがって、減速時にブレーキを使用する場合でも、油圧ブレーキと回生ブレーキとを同等に使用するのでなく、油圧ブレーキに比べて回生ブレーキの使用割合を大きくする必要がある。
評価関数としては、式(6)に示すように、ブロックBの通過時間に減速時の油圧ブレーキ放熱総量及び回生/再出力時のエネルギ損失総量を加えた関数とし、ブロックB全体としての通過時間と減速時の油圧ブレーキ放熱総量及び回生/再出力時のエネルギ損失総量が小さくなるようにする。なお、通過時間と(減速時の油圧ブレーキ放熱量+回生/再出力時のエネルギ損失量)との加味度合いを0.5対0.5としているが、任意の値を設定してよい。また、式(6)における0.2(ハイブリッドシステムにおける一例の値であり、20%)は、回生/再出力時のエネルギの損失率であり、ハイブリッドシステムに応じて決められる。
具体的には、第1の実施の形態と同様に、収束演算を行う場合には評価関数におけるv1、v2として前回の走行軌跡における前後メッシュでの各車速が用いられ、判定を行う場合には評価関数におけるv1、v2として今回の収束演算で求められた走行軌跡における前後メッシュでの各車速が用いられる。また、収束演算を行う場合には評価関数における減速Gとして前回の走行軌跡における該当する前後のメッシュ間での減速度(加速度のマイナス値)が用いられ、判定を行う場合には評価関数における減速Gとして今回の収束演算で求められた走行軌跡における該当する前後のメッシュ間での減速度が用いられる。回生Gは、ハイブリッド車両としてのシステム能力に基づいて回生による減速度上限値(例えば、0.2G)とする。油圧減速Gは、減速Gから回生Gを減算して求められ、減速Gが回生Gの上限を超えない場合には0になる。なお、v1<v2の場合、加速中なので、式(6)における減速時の油圧ブレーキ放熱量と回生/再出力時のエネルギ損失量の項の加算を削除し、通過時間だけの項とする。
図8に示す例の場合、ブロックBを最速で通過する軌跡が走行軌跡C5であり、ブロックBでの油圧ブレーキの放熱総量と回生/再出力時のエネルギ損失総量も考慮すると走行軌跡C6となり、式(6)の評価関数の評価値が最小となるように各処理ループでの評価関数による収束演算と判定が進むにつれて、最適軌跡C6に徐々に近づく走行軌跡が求められる。
図1及び図8を参照して、自動運転制御装置2における動作について説明する。ここでは、自動運転制御装置2における走行軌跡最適化機能の動作について説明する。特に、ECU32における走行軌跡最適化処理について図5の各フローチャートに沿って説明する。
走行軌跡最適化機能について説明する。ナビゲーションシステム16では、地図データベースから現在走行中の道路の形状情報を読み出し、その道路形状情報をナビ信号としてECU32に送信している。ECU32では、ナビ信号を受信し、道路形状情報を取得する。そして、ECU32では、S11、S12については、第1の実施の形態に係るECU31における各処理と同様の処理を行う。
S11にて拘束条件を満たすと判定した場合、ECU32では、拘束条件を満たした走行軌跡を用いて、ブロックBの通過時間と(減速時の油圧ブレーキ放熱総量+回生/再出力時のエネルギ損失総量)からなる評価関数に基づいて収束演算し、走行軌跡を生成する(S12)。ECU32では、今回生成した走行軌跡の評価値が最小か否かを判定する(S13)。S13にて評価値が最小でないと判定した場合、ECU32では、前回生成した走行軌跡を用いて評価関数に基づいて収束演算して走行軌跡を生成し(S12)、この今回生成した走行軌跡の評価値が最小か否かを判定する(S13)。
S13にて評価値が最小と判定した場合、ECU32では、その生成した走行軌跡を最適軌跡とする。そして、自動運転制御装置1では、この最適軌跡に従って走行するように加減速制御及び操舵制御を行う。
なお、第2の実施の形態では、ECU32によるS10、S11の処理が特許請求の範囲に記載する拘束条件演算ステップに相当し、ECU32によるS12、S13の処理が特許請求の範囲に記載する評価関数演算ステップに相当する。
この自動運転制御装置2によれば、第1の実施の形態に係る自動運転制御装置1と同様の効果を有する上に、評価関数をブロックBにおける通過時間に減速時の油圧ブレーキ放熱総量及び回生/再出力時のエネルギ損失総量を加えた関数としているので、回生効率も考慮することができ、燃費特性がより優れる最適軌跡を生成することができる。
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されることなく様々な形態で実施される。
例えば、本実施の形態では自動運転のハイブリッド車両に適用したが、手動運転に対して最適軌跡を用いて各種運転支援を行う車両にも適用可能であり、内燃機関、モータなどの単一の駆動源の車両にも適用可能である。特に、第1の実施の形態に係る走行軌跡最適化機能や連続カーブ対応機能については内燃機関だけを駆動源とする車両にも適用可能であり、第2の実施の形態に係る走行軌跡最適化機能や初期条件生成機能についてはハイブリッド車両にのみ適用可能である。
また、本実施の形態では最適軌跡を生成し、最適軌跡に従って自動運転を行う自動運転制御装置に適用したが、最適軌跡を生成するだけの装置に適用してもよい、最適軌跡を生成し、その最適軌跡を表示などによって運転者に提供する装置に適用してもよいし、最適軌跡を生成し、最適軌跡を用いて各種運転支援を行う装置に適用してもよい。
また、本実施の形態では1つのECUで構成する形態としたが、複数のECUで構成してもよい。
また、本実施の形態では評価関数を通過時間とブレーキ作動によるエネルギ損失を加味した関数としたが、評価関数としてブレーキ作動によるエネルギ損失だけの関数とすることにより、燃費だけを重視した最適軌跡を生成することができる。
また、本実施の形態では減速度上限値と加速度上限値に基づいてクリッピングポイントと最小車速ポイントを移動させることによって減速回生重視軌跡を求める構成としたが、他の手法によって減速回生重視軌跡を求める構成としてもよい。
また、本実施の形態ではブレーキ放熱量によって余裕時間を配分する構成としたが、燃費特性を考慮した他のパラメータによって余裕時間を配分してもよい。
1,2…自動運転制御装置、10…ヨーレートセンサ、11…Gセンサ、12…車輪速センサ、13…GPSセンサ、14…白線検知センサ、15…障害物検知センサ、16…ナビゲーションシステム、20…操舵アクチュエータ、21…スロットルアクチュエータ、22…ブレーキアクチュエータ、23…モータ、31,32…ECU