JP5028275B2 - 亜リン酸、ホセチル−Al又は両者を同時に分析する方法 - Google Patents

亜リン酸、ホセチル−Al又は両者を同時に分析する方法 Download PDF

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Description

本発明は、殺虫性化合物の分析の分野に関する。このような方法は、このような殺虫性化合物が一旦適用されたときに、それらの挙動をモニターするのに有用であり、このような方法は、このような殺虫性化合物に対する市販承認手続きの間にも有用である。
本発明の分析の方法によって分析できる化合物は、植物の保護に有用な化合物であり、これらの生物活性化合物の代謝産物である化合物の幾つかでもある。これらの代謝産物の幾つかは、生物活性も示し得る。
殺虫性化合物を分析するための方法は、公知である。特に、飲料水中又は地表水中の、ホセチル−Al残留物及びその主要代謝産物である亜リン酸を測定するための分析方法が公知である。
このような公知の方法は、誘導体化剤として(トリメチルシリル)ジアゾメタン(TMSD)を使用する。
一般に、このような方法は、以下の工程:
−水試料の濃縮
−濃縮された試料の一定分量の(トリメチルシリル)ジアゾメタンによる誘導体化(メチル基による水素原子の置換)
−ジクロロメタンを用いた液体−液体分配による前記誘導体化された試料の精製
を含む。
この分析は、亜リン酸モードでの炎光光度検出器(又はFPD)による半毛細管カラムでのガスクロマトグラフィーによって実施され、定量化は、外部標準物質を基準物質として採用する。熱イオン化検出器の使用も可能である。
この公知の方法は、以下のスキーム1に従って実施される。
Figure 0005028275
この方法による検出限界(LOD)は、次のとおりである。
−ホセチル−Alに関して、
−飲料水(鉱水又は水道水)の場合、0.05μg/L
−地表水(河川水)の場合、0.05μg/L
−亜リン酸に関して、
−飲料水(鉱水又は水道水)の場合、0.7μg/L
−地表水(河川水)の場合、2.5μg/L
である。
この方法による定量化限界(LOQ)は、次のとおりである。
−ホセチル−Alに関して、
−飲料水(鉱水又は水道水)の場合、0.1μg/L
−地表水(河川水)の場合、1μg/L
−亜リン酸に関して、
−飲料水(鉱水又は水道水)の場合、2.0g/L
地表水(河川水)の場合、4.0g/L
である。
この公知の分析方法は、次の基質:鉱水、水道水、ローヌ川河川水に対して使用されてきた。定量化の限界まで及びこれらの限界の10倍まで、ホセチル−Al及び亜リン酸濃縮された非処理対照試料の分析によって、前記分析方法は、水の様々な種類に関して有効とされてきた。
これらの濃縮された試料の分析は、ホセチル−Al又は亜リン酸に関する回収割合値を付与し、これらの値は予測される理論値と比較される。
別の公知の分析方法として、シャザイダゼルギュー(Chazay d’Azergues)(フランス)、ゴッホ(Goch)(ドイツ)、及びセビール(Seville)(スペイン)において採取される土壌中に存在するホセチル−Al残留物又は亜リン酸残留物を分析するための方法が挙げられる。
この方法自体も、(トリメチルシリル)ジアゾメタンを使用する。これも、スキーム1に従って実施される。
この方法のこの過程において、ホセチル−Al及び亜リン酸残留物が、アンモニア緩衝液の存在下での撹拌によって、土壌試料から抽出された後、存在する陽イオンが、イオン交換樹脂によって抽出物から除去され、水を試料から蒸発させる。最終的に、得られた抽出物は、(トリメチルシリル)ジアゾメタンの作用によって誘導体化される。
その後、定量化は、外部標準物質を使用する(亜リン酸モードでの)炎光光度検出器を使用する半毛細管カラムでのガスクロマトグラフィーによって実施される。
この方法の定量化限界(LOQ)は、各化合物に関して0.100mg/kgである。
ホセチル−Al又は亜リン酸定量化限界まで及びこの限界の100倍まで、対照試料を濃縮した。
残留物を分析するための別の公知の方法は、果物及び野菜の両者に由来する植物試料中のホセチル−Al及び亜リン酸残留物の分析に関する。
この方法自体も、(トリメチルシリル)ジアゾメタンを使用する。本方法も、スキーム1に従って実施される。
この方法の過程において、ホセチル−Al及び亜リン酸残留物は、水とアセトニトリルとの混合物中で粉砕することによって、植物試料から抽出される。抽出物はその後、C18カートリッジを使用して精製された後、(トリメチルシリル)ジアゾメタンの作用によって誘導体化される。
その後、外部標準物質を使用する(亜リン酸モードでの)炎光光度検出器を使用する半毛細管カラムでのガスクロマトグラフィーによって、定量化が実施される。
この公知の方法の定量化限界は、ホップを除く各産物について0.50mg/kgであり、この限界は、ホセチル−Alの場合2.0mg/kgであり、亜リン酸の場合20.0mg/kgである。
この方法は、ブドウ、オレンジ、バナナ、イチゴ、レタス及びキュウリの束の試料に対して使用されてきた。特に定量化限界まで、対照試料を濃縮した。
残留物を分析するためのさらに別の公知の方法は、乳、牛肉、ウシ腎臓、ウシ肝臓、又は卵などの動物組織又は動物由来の産物中のホセチル−Al残留物又は亜リン酸残留物の分析に関する。
この研究によると、分析されるべき化合物の残留物は、水/アセトニトリル混合物(50/50、乳の場合20/80)中で二重粉砕することによって、試料から抽出される。
抽出物の一定分量はその後、(乳の場合を除き)C18カートリッジによって精製される。精製された抽出物はその後、TMSDの溶液で誘導体化される。
この分析方法もスキーム1に従う。
定量化は、亜リン酸モードでの炎光光度検出器を使用する、DBワックスカラムでのガスクロマトグラフィーによって実施される。
定量化限界は次のとおりである。
−牛肉、ウシ腎臓、ウシ肝臓及び卵中のホセチル−Al及び亜リン酸の場合、0.50mg/kg、
−乳中のホセチル−Al及び亜リン酸の場合、0.10mg/kg
である。
この方法の場合、定量化限界まで及びこの限界の数倍まで試料を濃縮するとともに、処理されていない対照試料を調製及び分析した。
直前に挙げた公知の分析方法は、特に次の特徴に関して、1996年からの欧州指令第46号(1996年7月16日発令の96/46/EC)の規定に従うものである。
−各基質及び各レベルに関して、
−回収割合の平均は、70ないし110%であるべきである。
−変動係数として表される反復可能性(百分率として表される、関連試料の平均に対する標準偏差の比)は、最大でも20%であるべきである。
−各基質に関して、(すべてのレベルを含んだ)総変動係数は、最大でも20%であるべきである。
ホセチル−Alを分析するための別の公知の方法は、液体クロマトグラフィー/エレクトロスプレータンデム質量分析によるレタス中のホセチル−Al残留物の迅速な測定と題された論文(Hernandez et al., Journal of AOAC International, Vol.86, No.4, 2003)に記載されている。
記載されているこの方法は、レタス由来の植物試料中のホセチル−Al残留物の定量に関する。本方法は、高速ミキサーによる水を用いた抽出後に、5倍希釈した抽出物を液相クロマトグラフへ注入することからなる工程を要する。
従って、ホセチル−Alは、イオン対形成剤としての酢酸テトラブチルアンモニウムの添加後のエレクトロスプレータンデム質量分析に連結された液体クロマトグラフィーによって定量化される。
2mg/kg及び0.2mg/kgで濃縮したレタスの試料の分析が報告される。定量化限界が0.2mg/kgであるのに対し、ホセチル−Alの検出限界は0.05mg/kgである。
しかしながら、これらの公知の分析方法の多くは、化学的誘導体化工程を要する。このような追加工程は、分析を複雑にし、分析時間を極めて大幅に長期化する。さらに、この工程の実施には、専門家が必要であり、これらの方法の経費を増大させる。
さらに、このような誘導体化工程の間に、使用される誘導体化剤(TMSD、ジアゾメタン、又は他の代替的な誘導体化剤であり得る。)は、それらの高額な経費に加えて、使用時にかなりの危険を有する反応試薬である。このような誘導体化剤を使用する場合に遭遇する危険性としては、それらの毒性及び又それらの爆発性が挙げられる。このような薬剤の使用もコストを増大させる。
さらに、これらの公知の方法は、多くの取り扱い工程(蒸発、再溶解、試料転移)が増大することを含み、従って、分析されるべき化合物の損失及び散在を含む。化合物の特にこれらの分析方法に由来する流出物が再処理される場合には、このような散在は、その環境上の影響という問題を引き起こし得る。
さらに、これらの公知の方法は、特定の化合物に対して特異的ではないという大きな欠点を有している。この特異性の欠失によって、保護及び定量化の特徴が似通っており、識別されない化合物が生じ得る。他の公知の方法は、ホセチル−Alしか分析できないという欠点を有し、例えば亜リン酸の同時分析を実施できない。
前記の公知の方法の幾つかは、特定のマトリクスに関してのみ記載されており、例えば、すでに公知のある方法は、レタスに由来する特定の植物組織のみに関する。
最後に、これらの公知の方法は、より厳格なある種の定量化の限界、特に最近の規制、例えば1996年7月16日発令の指令96/46/ECに従った定量化の限界に到達できない。
これらの問題に対する解決策を提供できるか、又は公知の方法と関連したこれらの欠点を防止できる分析の方法が、ここに見出された。
したがって、本発明は、殺虫性化合物の残留物を分析するための方法に関する。
本発明の方法は、殺真菌剤、除草剤、殺虫剤、又は成長制御剤であると否とを問わず、殺虫性化合物の分析に適し得る。
有利なことに、本発明の分析方法は、殺真菌性化合物の残留物を分析するのに使用される。
特に有利なことに、本発明の分析方法は、ホセチル−Al残留物及び亜リン酸残留物を分析するのに使用される。
ホセチル−Alは、その化学名がホスホン酸水素エチルアルミニウム塩であるホスホン酸型の殺真菌性化合物であり、式
Figure 0005028275
を有する。
亜リン酸は、式HPOを有する。
したがって、数ある利点の中でも、本発明の分析方法は、優れた単純性にある。さらに、この方法は、直接的であり、分析される殺虫性化合物がこれまでに到達されなかった定量化のレベルに到達できる。
本発明の方法は、環境の視点からも特に有利であり、及び経済的にも有利である。
一般に、本発明は、以下の工程:
−試料の調製、
−場合により行われる、調製された試料の希釈
−場合により希釈された試料の、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)/タンデム質量分析(MS/MS)による直接的な分析
を含む、試料の0.00005mg/kg以下、好ましくは0.000005mg/kg以下、より好ましくは0.0000005mg/kg以下の量で存在する1つ又はそれ以上の殺虫性化合物を分析するための方法に関する。
本発明に従って分析される液体試料の場合、定量化の限界は、mg/Lで表され得る。当業者は、必要な変換をなすことができる。
本発明の分析方法は、調製された試料の希釈の段階を含み得る。
本発明の分析方法は、殺真菌性、除草性、殺虫性又は成長制御化合物であり得る幾つもの殺虫性化合物の同時分析に適している。
好ましくは、本発明の方法は、亜リン酸又はその誘導体、ホスホン酸又はその誘導体から選択される殺真菌性化合物の分析のために、好ましくはホセチル又は1つ若しくはそれ以上のその塩の分析のために、より好ましくはホセチル−Al又は亜リン酸の分析のために使用される。
特に有利なことに、本発明の分析方法は、亜リン酸及びホセチル−Alの同時分析のために使用される。
好ましくは、本発明の分析方法は、植物組織、好ましくは高い水分含有量の植物マトリクス、酸性pHを有する植物マトリクス、乾燥植物マトリクス、脂肪性植物マトリクス、水、好ましくは鉱水、地下水、水道水又は地表水、土壌、動物の産物又は組織、好ましくは乳、卵、肝臓、腎臓、脂肪、筋肉、空気、食用農作物、好ましくは変換されたもの、並びに血液及び尿などのヒトの体液から選択される試料の分析のために使用され得る。
本発明の分析方法において、調製工程は、植物組織、土壌、動物産物又は組織、及び変換された食用農作物についての抽出、場合によって行われる水の濃縮、及び空気の捕捉から選択され得る。
このような濃縮工程は、他の試料に対しても使用され得る。
本発明の分析方法において、希釈工程は、好ましくはギ酸、酢酸又はトリフルオロ酢酸から選択される酸性化され得る水性溶媒中で、又は酸性化され得る有機溶媒、好ましくはアセトニトリル若しくはメタノール中で、あるいはこのような溶媒の混合物中で実施することが可能である。
本発明の特定の第一の態様によると、以下の工程:
−水試料の調製、
−場合により行われる、調製された試料の希釈、
−場合により希釈された試料の、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)/タンデム質量分析(MS/MS)による直接的な分析
を含む、水試料の0.005mg/kg以下、好ましくは0.00005mg/kg以下、より好ましくは0.0000005mg/kg以下の量で存在する1つ又はそれ以上の殺虫性化合物を分析するための方法に関する。
水試料を分析するための本発明の方法は、調製された試料の希釈からなる工程を含み得る。
水試料を分析するための本発明の方法は、殺真菌性、除草性、殺虫性又は成長制御化合物であり得る幾つかの殺虫性化合物の同時分析に適している。
好ましくは、水試料を分析するための本発明の方法は、亜リン酸又はその誘導体、ホスホン酸又はその誘導体から選択される殺真菌性化合物の分析のために、好ましくはホセチル又は1つ若しくはそれ以上のその塩の分析のために、より好ましくはホセチル−Alの分析ために使用される。
特に有利なことに、水試料を分析するための本発明の方法は、亜リン酸及びホセチル−Alの同時分析に使用される。
好ましくは、水試料を分析するための本発明の方法は、鉱水、地下水、水道水又は地表水から選択される試料の分析のために使用することが可能である。
水試料を分析するための本発明の方法において、調製工程は濃縮であり得る。
水試料を分析するための本発明の方法において、希釈工程は、好ましくはギ酸、酢酸、若しくはトリフルオロ酢酸から選択される、酸性化され得る水性溶媒中で、又は酸性化され得る有機溶媒、好ましくはアセトニトリル若しくはメタノール中で、あるいはこのような溶媒の混合物中で実施され得る。
本発明の特定の第二の態様によると、以下の工程:
−植物組織試料の調製、
−場合により行われる、調製された試料の希釈
−場合により希釈された試料の、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)/タンデム質量分析(MS/MS)による直接的な分析
を含む、植物組織試料の1mg/kg以下、好ましくは0.01mg/kg以下、より具体的には0.001mg/kg以下の量で存在する1つ又はそれ以上の殺虫性化合物を分析するための方法に関する。
植物組織試料を分析するための本発明の方法は、調製された試料の希釈からなる工程を含み得る。
植物組織試料を分析するための本発明の方法は、殺真菌性、除草性、殺虫性又は成長制御化合物であり得る幾つかの殺虫性化合物の同時分析に適している。
好ましくは、植物組織試料を分析するための本発明の方法は、亜リン酸又はその誘導体、ホスホン酸又はその誘導体から選択される殺真菌性化合物の分析のために、好ましくはホセチル又は1つ若しくはそれ以上のその塩の分析のために、より好ましくはホセチル−Alの分析のために使用される。
特に有利なことに、植物組織試料を分析するための本発明の方法は、亜リン酸及びホセチル−Alの同時分析のために使用される。
好ましくは、植物組織試料を分析するための本発明の方法は、高い水分含有量の植物マトリクス、酸性pHを有する植物マトリクス、乾燥植物マトリクス及び脂肪性植物マトリクスから選択される試料の分析のために使用され得る。
本発明の分析方法は、コムギ、オオムギ、イモ、ワタ、タンパク質性穀物、油産生穀物、トウモロコシ、アマ、コメ、野菜作物、果実樹木、ブドウ及びテンサイ根から選択される植物の試料の分析に使用され得る。
植物組織試料を分析するための本発明の方法において、調製工程は、植物組織の抽出であり得る。この調製工程は、試料の濃縮も含み得る。
植物組織試料を分析するための本発明の方法において、希釈工程は、好ましくはギ酸、酢酸若しくはトリフルオロ酢酸から選択される、酸性化され得る水性溶媒中で、又は酸性化され得る有機溶媒、好ましくはアセトニトリル若しくはメタノール中で、あるいはこのような溶媒の混合物中で実施され得る。
本発明の特定の第三の態様によると、以下の工程:
−土壌試料の調製、
−場合により行われる、調製された試料の希釈、
−場合により希釈された試料の、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)/タンデム質量分析(MS/MS)による直接的な分析
を含む、土壌試料の5mg/kg以下、好ましくは0.05mg/kg以下、より具体的には0.005mg/kg以下の量で存在する1つ又はそれ以上の殺虫性化合物を分析するための方法に関する。
土壌試料を分析するための本発明の方法は、調製された試料の希釈の工程を含み得る。
土壌試料を分析するための本発明の方法は、殺真菌性、除草性、殺虫性又は成長制御化合物であり得る幾つかの殺虫性化合物の同時分析に適している。
好ましくは、土壌試料を分析するための本発明の方法は、亜リン酸又はその誘導体、ホスホン酸又はその誘導体から選択される殺真菌性化合物の分析のために、好ましくはホセチル又は1つ若しくはそれ以上のその塩の分析のために、より好ましくはホセチル−Alの分析のために使用される。
特に有利なことに、土壌試料を分析するための本発明の方法は、亜リン酸及びホセチル−Alの同時分析に使用される。
土壌試料を分析するための本発明の方法は、土壌のいずれかの種類、例えば粘土質、砂質又は白亜質の土壌の分析に使用され得る。
土壌を分析するための本発明の方法は、特に作付け前又は収穫後の、耕作された土壌又は草木のない土壌に対して使用され得る。
土壌試料を分析するための本発明の方法において、調製工程は、土壌試料の抽出であり得る。この調製工程は、試料の濃縮も含み得る。
土壌試料を分析するための本発明の方法において、希釈工程は、好ましくはギ酸、酢酸、又はトリフルオロ酢酸から選択される、酸性化され得る水性溶媒中で、又は酸性化され得る有機溶媒、好ましくはアセトニトリル若しくはメタノール中で、あるいはこのような溶媒の混合物中で実施され得る。
本発明の特定の第四の態様によると、以下の工程:
−空気試料の調製、
−場合によって行われる、調製された試料の希釈、
−場合によって希釈された試料の、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)/タンデム質量分析(MS/MS)による直接的な分析
を含む、空気試料の0.1mg/m以下、好ましくは0.01mg/m以下、より具体的には0.001mg/m以下の量で存在する1つ又はそれ以上の殺虫性化合物を分析するための方法に関する。
空気試料を分析するための本発明の方法は、調製された試料の希釈の工程を含み得る。
空気試料を分析するための本発明の方法は、殺真菌性、除草性、殺虫性又は成長制御化合物であり得る幾つかの殺虫性化合物の同時分析に適している。
好ましくは、空気試料を分析するための本発明の方法は、亜リン酸又はその誘導体、ホスホン酸又はその誘導体から選択される殺真菌性化合物の分析のために、好ましくはホセチル又は1つ若しくはそれ以上のその塩の分析のために、より好ましくはホセチル−Alの分析のために使用される。
特に有利なことに、空気試料を分析するための本発明の方法は、亜リン酸及びホセチル−Alの同時分析のために使用される。
空気試料を分析するための本発明の方法において、調製工程は捕捉であり得る。
空気試料を分析するための本発明の方法において、希釈工程は、好ましくはギ酸、酢酸、又はトリフルオロ酢酸から選択される、酸性化され得る水性溶媒中で、又は酸性化され得る有機溶媒、好ましくはアセトニトリル若しくはメタノール中で、あるいはこのような溶媒の混合物中で実施され得る。
本発明の特定の第五の態様によると、以下の工程:
−ヒトの体液試料の調製、
−場合により行われる、調製された試料の希釈、
−場合により希釈された試料の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)/タンデム質量分析(MS/MS)による直接的な分析
を含む、ヒトの体液の試料の0.00005mg/kg以下、好ましくは0.000005mg/kg以下、より好ましくは0.0000005mg/kg以下の量で存在する1つ又はそれ以上の殺虫性化合物を分析するための方法に関する。
ヒトの体液の試料を分析するための本発明の方法は、調製された試料の希釈の段階を含み得る。
ヒトの体液の試料を分析するための本発明の方法は、殺真菌性、除草性、殺虫性又は成長制御化合物であり得る幾つかの殺虫性化合物の同時分析に適している。
好ましくは、ヒトの体液の試料を分析するための本発明の方法は、亜リン酸又はその誘導体、ホスホン酸又はその誘導体から選択される殺真菌性化合物の分析のために、好ましくはホセチル又は1つ若しくはそれ以上のその塩の分析のために、より好ましくはホセチル−Alの分析のために使用される。
特に有利なことに、ヒトの体液の試料を分析するための本発明の方法は、亜リン酸及びホセチル−Alの同時分析のために使用される。
好ましくは、ヒトの体液の試料を分析するための本発明の方法は、ヒトの血液及びヒトの尿から選択される試料の分析のために使用され得る。
ヒトの体液の試料を分析するための本発明の方法において、希釈工程は、好ましくはギ酸、酢酸又はトリフルオロ酢酸から選択される、酸性化され得る水性溶媒中で、又は酸性化され得る有機溶媒、好ましくはアセトニトリル又はメタノール中で、あるいはこのような溶媒の混合物中で実施され得る。
本発明の特定の第六の態様によると、以下の工程:
−動物の産物又は組織の試料の調製、
−場合により行われる、調製された試料の希釈、
−場合により希釈された試料の、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)/タンデム質量分析(MS/MS)による直接的な分析
を含む、動物の産物又は組織の試料の1mg/kg以下、好ましくは0.01mg/kg以下、より好ましくは0.001mg/kg以下の量で存在する1つ又はそれ以上の殺虫性化合物を分析するための方法に関する。
動物の産物又は組織の試料を分析するための本発明の方法は、調製された試料の希釈の工程を含み得る。
動物の産物又は組織の試料を分析するための本発明の方法は、殺真菌性、除草性、殺虫性又は成長制御化合物であり得る幾つかの殺虫性化合物の同時分析に適している。
好ましくは、動物の産物又は組織の試料を分析するための本発明の方法は、亜リン酸又はその誘導体、ホスホン酸又はその誘導体から選択される殺真菌性化合物の分析のために、好ましくはホセチル又は1つ若しくはそれ以上のその塩の分析のために、より好ましくはホセチル−Alの分析のために使用される。
特に有利なことに、動物の産物又は組織の試料を分析するための本発明の方法は、亜リン酸及びホセチル−Alの同時分析のために使用される。
好ましくは、動物の産物又は組織の試料を分析するための本発明の方法は、乳、卵、肝臓、腎臓、脂肪及び筋肉から選択される試料の分析のために使用され得る。
動物の産物又は組織の試料を分析するための本発明の方法において、希釈工程は、好ましくはギ酸、酢酸又はトリフルオロ酢酸から選択される、酸性化され得る水性溶媒中で、又は酸性化され得る有機溶媒、好ましくはアセトニトリル又はメタノール中で、あるいはこのような溶媒の混合物中で実施され得る。
動物の産物又は組織の試料を分析するための本発明の方法において、調製工程は、動物の産物又は組織の抽出であり得る。この調製工程は、試料の濃縮も含み得る。
本発明の特定の第七の態様によると、変換された食用農作物試料中に存在する1つ又はそれ以上の殺虫性化合物を分析するための方法に関する。変換された食用農作物試料を分析するための本発明の本方法は、本発明の植物産物試料を分析するための方法と同様であり、本方法では、植物産物試料が、変換された食用農作物試料と置換される。
この第7の態様においては、種々の工程や好ましい実施形態も、他の態様において言及されているものと同様である。
本発明の様々な態様では、分析段階において、使用される外部標準物質は、分析されるべき試料と同一の性質のマトリクスの存在下で調製される。
以下の実施例は、本発明の様々な態様を例示するために与えられている。これらの実施例は、本発明の範囲を限定するものではない。特に、当業者は、彼らが直面する具体的な必要性に応じて、本発明の分析方法の工程の幾つかを適応又は改変できる。このような改変又は適応は、本発明の範囲の一部である。
本実施例は、植物組織試料を用いた、ホセチル−Al及び亜リン酸の分析に関する。植物マトリクスは、キュウリ、オレンジ、レタス、ブドウ及びアボカドの作物に由来する。
本発明の分析方法を使用するための手順:
1.ホモゲナイズされた植物マトリクス試料20.0gを125mLのポリプロピレンフラスコ中で秤量する。
2.水/アセトニトリル混合物(50:50、容積/容積)80mLを添加する。
3.IKA T25型ミルを使用して、試料を5分間破砕する。
4.3600rpm、5℃で5分間遠心分離する。
5.上清を200mLのメスフラスコへ転移させる。
6.ペレットを水/アセトニトリル混合物(50:50、容積/容積)80mLに溶解する。
7.試料を再度5分間破砕する。
8.3600rpm、5℃で5分間遠心分離する。
9.上清を200mLのメスフラスコへ転移させる。
10.メタノールを使用して200mLに調整する。
11.約10mLの一定分量を大気温、6000rpmで10分間遠心分離する。
12.(AcrodiscCR型25mm、0.45μmの)PTFEフィルターを通じて上清をろ過する。
13.0.5%ギ酸で酸性化したメタノールを使用して、ろ液を5倍希釈する。
14.高速液体クロマトグラフィー(HPLC)/タンデム質量分析(MS/MS)又はLC/MS/MS分析によって分析する。
分析を実施するため、外部標準化により較正を実施する。使用される標準物質は、特定の分析の対象である試料と同一の性質のマトリクス中で調製されなければならない。
工程14に対する分析条件:
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)条件:
カラム: Hypercarb、100×3.0mm、5μm
プレカラム:Phenomenex C18 ODS、4×2.0mm
移動相:0.5%ギ酸で酸性化した水/メタノール(65:35、容積:容積)定組成モード(以下、「定組成」は、「イソクラティック」ともいう。)
流速: 400μL/分
カラム温度:大気温
注入容積: 20μL
分析前に、クロマトグラフィーシステムを安定化させるために、約2時間放置する。
タンデム質量分析(MS/MS)条件:
検出器: 三重四極子、API4000型Sciex Instrument
インターフェース:TIS(ターボイオンスプレー)
走査型: MRM(多重反応観察)モード
極性: 負
ガス入り口圧:窒素:4バール
空気:7.5バール
空気(排気):4バール
ガス流速: 噴霧状ガス(空気、GS1):40
ターボガス(空気、GS2):60
保護ガス(窒素、CUR):20
衝突ガス(窒素、CAD):6
高電圧TIS(IS):−4500V
ソース温度: 600℃
入り口電位(EP): −10V
衝突エネルギー:
Figure 0005028275
本発明の分析方法が使用される場合、工程1ないし12は試料の調製に関し、段階13は希釈に関する。したがって、工程14は、事前に調製された後、希釈された植物マトリクス試料のLC/MS/MS分析に関する。
様々な植物マトリクスの分析から得られた結果が、下表に詳しく記されており、表中、CV値は変動係数を示している。本発明において、CV値は、RSD値にも相当し得る。
ホセチル−Al及び亜リン酸を定量化限界(亜リン酸の場合0.1mg/kg、ホセチル−Alの場合0.01mg/kg)及びこれらの限界の10倍まで濃縮した対照試料から、これらの結果を得た。
Figure 0005028275
Figure 0005028275
本実施例も、植物組織試料を用いた、ホセチル−Al及び亜リン酸の分析に関する。植物マトリクスは、コムギ作物に由来する。
本実施例は、実施例1の条件を工程9まで反復した後、実施例1の工程10ないし14を次の工程と置換する。
10.純ギ酸1mLを添加し、メタノールを使用して200mLに調整する。
11.約10mLの一定分量を大気温、6000rpmで10分間遠心分離する。
12.0.5%ギ酸で酸性化したメタノールを使用して、上清を2倍希釈する。
13.PTFEフィルター(Acrodisc CR型25mm、0.45μm)を通じてろ過する。
14.高速液体クロマトグラフィー(HPLC)/タンデム質量分析(MS/MS)、又はLC/MS/MS分析によって分析する。
その他に関して、本実施例は、実施例1と同一である。
コムギ試料の分析から得られた結果が、下表に詳しく記されており、表中、CV値は変動係数を示す。
ホセチル−Al及び亜リン酸定量化限界(亜リン酸の場合0.1mg/kg、ホセチル−Alの場合0.01mg/kg)及びこれらの限界の10倍まで濃縮した対照試料からこれらの結果を得た。
Figure 0005028275
これら2つの実施例に関して、得られた結果は、規制発令(1996年7月16日発令の96/46/EC)に従っている。
さらに、これらの結果は、すでに公知の方法で実現可能な限界を下回る定量化限界を達成できた。これらの実施例も、本発明の方法の単純性及びより優れた安全性を示す。
この詳細な実施例は、植物組織試料を用いた、ホセチル−Al及び亜リン酸の分析に関する。本実施例は、ブドウ、オレンジ、レタス、キュウリ、アボカド及びコムギ中/上のホセチル−Al及びその代謝産物(亜リン酸)の残留物の、LCMSMSによる測定に対する分析方法00861への改変M001である。
記述
データ要件:
委員会指令96/68/ECによって修正された欧州連合議会指令91/414/EEC
指令91/414、SANCO/3029/99の補遺II(パートA、セクション4)及び補遺III(パートA、セクション5)に対する予備登録データ要件を充足する分析方法を作製及び報告するための欧州委員会指針文書
残留物分析方法SANCO/825/00に関する欧州委員会指針文書
要約:
ブドウ(全果実)、オレンジ(全果実)、レタス(頭部)、キュウリ(全果実)、アボカド(全果実)及びコムギ(穀粒)中のホセチル−Al及びその代謝産物(亜リン酸)の残留物の、LC/MS/MSによる測定に対して、上記残留物分析方法の改変00861/M001の有効性を確認した。
ホセチル−Al及びその代謝産物(亜リン酸)を、試料材料から、アセトニトリル/水(50:50)の混合物で抽出した。試料材料の遠心分離及び希釈後、Hypercarbカラムを使用するHPLCによって残留物を定量化し、エレクトロスプレーイオン化を使用するタンデム質量分析によって残留物を検出する。マトリクスに合致させた標準物質中での外部標準化により、定量化を実施した。
有効性確認のセットは、検出器の直線性の決定、定量化の限界、方法の正確性及び試料最終抽出物の保存安定性を包含した。
溶媒中の標準物質及びマトリクスに合致させた標準物質を使用して、ホセチル−Al及び亜リン酸に対して、使用される検出器の直線性を検査した。
0.31ないし8.3μg/L及び3.1ないし83μg/Lのコムギ試料の場合を除き、0.1ないし5μg/L及び1ないし50μg/Lの個々の濃度で、ホセチル−Al及び亜リン酸の標準物質を注入することによって、直線性を検査した。
マトリクス効果の発生を観察した。すべての試料材料において、亜リン酸の測定は、マトリクスに合致させた標準物質を使用して確立されなければならない。そのため、マトリクスに合致させた標準物質を使用して、両化合物の測定を確立する。
すべての対照試料の見かけの残留物は、各化合物についてLOQの30%を下回っていた。すなわち、ホセチル−Alの0.003mg/kg未満及び亜リン酸の0.03mg/kgであった。
定量化限界(LOQ)は、70ないし110%の範囲内の平均回収及び20%以下のRSDを得ることができる最低の強化レベルとして定義した。ブドウ(全果実)、オレンジ(全果実)、レタス(頭部)、キュウリ(全果実)、アボカド(全果実)及びコムギ(穀粒)において、ホセチル−Alでは0.01mg/kgに、亜リン酸では0.1mg/kgに、LOQを設定した。
方法の正確性は、測定された回収率に基づいて評価できる。単一の回収率は、ホセチル−Alの場合69ないし114%の、亜リン酸の場合65ないし113%の範囲にあった。ホセチル−Alの場合、強化レベルあたりの平均回収率は93ないし97%の範囲にあり、すべての試料材料にわたる全体的な回収率及び強化レベルは95%であり、並びに、亜リン酸の場合、強化レベルあたりの平均回収率は86ないし97%の範囲にあり、すべての試料材料にわたる全体的な回収率及び強化レベルは91%であった。本方法の正確性は、各強化レベルに対する平均回収が70ないし110%の範囲であるべきことを要求する残留物分析方法に関する要件を満たす。
本方法の精度及び再現性は、回収率の平均値に対して求められた相対的標準偏差(RSD)に基づいて評価することが可能である。単一の強化レベルに対する相対的標準偏差(RSD)は、ホセチル−Alでは7.6ないし12.3%、亜リン酸では9.5ないし14.9%の範囲であった(n=30)。
単一の強化レベルに対する相対的標準偏差(RSD)は、ホセチル−Alでは7.6ないし12.3%、亜リン酸では9.5ないし14.9%の範囲であった(n=30)。試料材料あたりの全体的なRSD値は、ホセチル−Alでは2.1ないし10.9%、亜リン酸では6.0ないし17.8%であった(n=10)。すべての試料にわたるRSD値は、ホセチル−Alでは10.2%、亜リン酸では13.7%であった(n=60)。
試料材料あたりの全体的なRSD値は、ホセチル−Alでは2.1ないし10.9%、亜リン酸では6.0ないし17.8%であった(n=10)。すべての試料にわたるRSD値は、ホセチル−Alでは10.2%、亜リン酸では13.7%であった(n=60)。すべてのRSD値は、20%を十分に下回っていたため、方法の精度及び再現性は許容されると考えることができる。
方法の妥当性確認についてのすべての結果は、残留物分析方法に関する一般的な要件に従っているため、この方法の改変の妥当性は適切に確認された。
1.序論
ホセチル−Alは殺真菌剤である
精製及び誘導体化の工程を省略し、分析及び検出モードを変化させ、0.5mg/kgから、ホセチル−Alの場合0.01mg/kgまで、亜リン酸の場合0.1mg/kgまで原法00861の定量化限界(LOQ)を低下させるために、この報告に記載されている方法の改変00861/M001の妥当性を確認した。
Figure 0005028275
1.1原法の引用
原法:00861
化合物:ホセチル−Al及びその代謝産物(亜リン酸)
改変に関する理由:
・精製及び誘導体化の工程を省略する。
・分析及び検出モードをGC/FPDからLC/MS/MSまで変化させる。
・ホセチル−Alの場合、0.5mg/kgから0.010mg/kgまで、亜リン酸の場合、0.5mg/kgから0.1mg/kgまでLOQを低下させる。
1.2 物理的及び化学的特性
物質名 ホセチル−Al
物質コード AE F053616
化学名 アルミニウム−トリス−(エチルホスホン酸塩)
実験式 C18AlO
構造式
Figure 0005028275
相対的分子量 354.1g/モル
モノアイソトピック質量 354.0g/モル
可溶性 水120g/L(20℃)
アセトニトリル5mg/L(20℃)
物質名 亜リン酸
物質コード AE 0540099
化学名 ホスホン酸
実験式 HPO
構造式
Figure 0005028275
相対的分子量 82.0g/モル
モノアイソトピック質量 82.0g/モル
2.実験セクション
2.1 材料
2.1.1 装置
・アセトンですすいだ標準的な実験用ガラス器具
・平衡:
→正確性±0.1mg(分析用標準物質)(例えば、Mettler AT261範囲)
→正確性±0.1g(試料)(例えば、Mettler PM6000)
・希釈装置 (例えば、Hamilton MicroLab 500)
・高速配合器 (例えば、分散器具S 50 G−40Gを備えた
Ultra Turrax T25)
(例えば、IKA)
・遠心分離機 (例えば、Hermle Z513K) (例えば、Hettich EBA12)
・HPLC (例えば、二成分ポンプAgilent 1100)
(例えば、四成分ポンプAgilent 1100)
・オートサンプラー (例えば、CTC Analytics HTC PAL)
・三重四極子HPLC−MS/MS質量分析器
(例えば、Sciex Instruments、API4000システム)
・カラム (例えば、Hypercarb、100×3.0mm、5μm)
2.1.2 試薬及び支給品
・アセトン (例えば、SupraSolv(登録商標) Merck)
・アセトニトリル (例えば、SupraSolv(登録商標) Merck)
・メタノール (例えば、SupraSolv(登録商標) Merck)
・ギ酸 (例えば、Normapur Prolabo)
・PTFEフィルター(25mm、0.45μm)(例えば、Acrodisc CR Pall Gelman)
・ポリプロ瓶(125mL、広口) (例えば、Nalgen)
・コニカル遠心分離用チューブ(15mL)(例えば、Merck 01 142.518)
・抽出溶媒:アセトニトリル/水(50:50、v/v)
・希釈用溶媒 0.5%HCOOHを有するメタノール
・移動相溶媒:0.5%HCOOHを有する水
2.1.3 基準品目
十分に性質が決定され、保証された品目のみを基準品目として使用した。
基準品目は、Bayer CropScience GmbH produkt Analytik, G864, lndustriepark Hochst, D−65926 Frankfurt−am−Main, Germanyによって市販された。
Figure 0005028275
2.1.4 標準溶液
原液及び標準溶液を、約5℃の冷蔵庫で遮光保存した。
原液(1000mg/L)
100mLの琥珀色のねじキャップ付きフラスコ中に、基準品目20ないし50mgを正確に秤量する。ビューレットを使用して、水のある量を添加して、実際に1000mg/Lの原液を得る。撹拌器を使用して完全に溶解するまで完全に混合する。2つの個別の原液は、各化合物に関して調製されなければならない。これら2つの原液の比較後、それらを混合する。
混合溶液
まず、ホセチル−Al原液を水で10倍希釈する。次に、「A」クラスのピペットを使用して、前記ホセチル−Al原液の10倍希釈液5mL及び亜リン酸の5mLをピペットで採取する。「A」クラスの50mLメスフラスコへ注ぐ。容積を水で調整し、蓋をし、振とうにより混合する。混合溶液(10mg/Lのホセチル−Al―100mg/Lの亜リン酸)。
強化標準溶液
混合溶液は、10LOQレベルでの回収のための強化標準溶液としても使用する。水で10倍希釈して、LOQレベルでの回収に使用される強化標準溶液を得る。
溶媒中の標準溶液
LOQレベルでの回収に使用される強化溶液の適切な希釈により(1mg/Lホセチル−Al―10mg/L亜リン酸)、0.5%ギ酸を有するメタノールを使用して、ホセチル−Al0.05mg/L及び亜リン酸0.5mg/Lの中間的な標準溶液を調製する。
溶媒中の標準溶液
較正に使用される標準溶液を得るため、希釈装置及び0.5%ギ酸を有するメタノールを使用して、中間的な標準溶液を即座に希釈し、次の濃度:0.1μg/Lホセチル−Al―1μg/L亜リン酸、0.2μg/Lホセチル−Al―2μg/L亜リン酸、0.5μg/Lホセチル−Al―5μg/L亜リン酸、1μg/Lホセチル−Al―10μg/L亜リン酸、2μg/Lホセチル−Al―20μg/L亜リン酸、及び5μgホセチル−Al―50μg/L亜リン酸を得る。
コムギ試料の場合のみ、希釈装置及び0.5%ギ酸を有するメタノールを使用して、中間的な標準溶液を即座に希釈し、次の濃度:0.31μg/Lホセチル−Al―3.1μg/L亜リン酸、0.5μg/Lホセチル−Al―5μg/L亜リン酸、0.83μg/Lホセチル−Al―8.3μg/L亜リン酸、1μg/Lホセチル−Al―10μg/L亜リン酸、2.5μg/Lホセチル−Al―25μg/L亜リン酸、5μgホセチル−Al―50μg/L亜リン酸、及び8.3μg/Lホセチル−Al―83μg/L亜リン酸を得る。
較正に使用される、マトリクスに合致させた標準溶液
マトリクス効果の発生をモニターし、試料材料すべてにおいてマトリクスに合致させた標準物質を使用して、両化合物の測定を確立する。
中間的な標準溶液から、対照試料の最終的な抽出物である希釈混合物を除き、希釈は、溶媒中の標準溶液の調製と同一である。
備考:最終抽出物の20ないし25mLが、すべての希釈をするのに必要である。ろ過工程が困難な場合、フィルターを使用できる。
2.1.5 標準溶液の安定性
約5℃の冷蔵庫で遮光保存された原液は、4ヶ月半安定であることがわかった。
約5℃の冷蔵庫で遮光保存された強化標準溶液は、2ヶ月半安定であることがわかった。
2.2 残留物分析方法論
原法の分析方法と比較した幾つかの改変を導入した。
精製及び誘導体化の工程を省略し、分析及び検出モードを変化させ、及びホセチル−Alの場合、0.5mg/kgから0.01mg/kgまで、亜リン酸の場合、0.5mg/kgから0.1mg/kgまで、原法00861の定量化限界(LOQ)を低下させるために、この報告に記載の方法改変00861/M001を確認した。
・0.5mg/kgから、ホセチル−Alの場合0.01mg/kgまで、亜リン酸の場合0.1mg/kgまで、定量化限界を低下させた。
・C18 SPEカートリッジ精製段階を省略した。
・誘導体化工程を抑制した。
・GC/FPDの替わりにLC/MS/MSによって、定量化を実施した。
すべての改変は、以下の記載に含めた。
方法の流れ図は、補遺1に記載されている。
回収実験の場合、秤量後及び抽出前に適切な標準溶液を試料材料へ添加することによって、試料を強化する。
抽出
1.均質な試料材料20.0gを125mLポリプロピレン瓶へと秤量する。
注意:変数Gとして表される残留物算出のために、試料の重量を使用する。
2.アセトニトリル/水(50:50、v/v)80mLを添加する。
3.高速配合器(IKA又は均等物)を使用して、試料を約5分間配合する。
4.抽出物を約5分間遠心分離する(3600rpm、5℃)。
5.上清を200mLのメスフラスコへ注ぐ。
6.アセトニトリル/水(50:50、v/v)80mLを底に添加する。
7.高速配合器(IKA又は均等物)を使用して、試料を約5分間配合する。
8.抽出物を約5分間遠心分離する(3600rpm、5℃)。
9.上清をメスフラスコへ注ぐ。
10.メタノールで200mLにする。これは、抽出物Aである。
注意:変数Vとして表される残留物の算出のために、抽出物Aの容積を使用する。
11.抽出物Aの約10mLの一定分量を約10分間遠心分離する(6000rpm―大気温)。
12.PTFEフィルター(Acrodisc CR型25mm、0.45μm)を通じてろ過する。
13.0.5%ギ酸で酸性化されたメタノールを使用して、抽出物を5倍希釈する。これは、最終抽出物である。
14.2.3章のLC/MS/MS測定へ進む。
備考:コムギ試料の場合、工程10から、後述の調製に従う。
10.濃ギ酸1mLを添加し、メタノールで200mLにする。これは、抽出物Aである。
注意:変数Vとして表される残留物の算出のために、抽出物Aの容積を使用する。
11.抽出物Aの約10mLの一定分量を約10分間遠心分離する(6000rpm―大気温)。
12.希釈装置で、0.5%ギ酸を有するメタノールを使用して、上清を2倍希釈する。
13.Acrodisc CR 25mm PTFEフィルター(0.45μm)を通じて抽出物をろ過する。これは、最終抽出物である。
14.2.3章のLC/MS/MS測定へ進む。
2.3 分析及び機器条件
最終抽出物を高速液体クロマトグラフへ注入し、エレクトロスプレーイオン化を有するタンデム質量分析によって検出する。
マトリクスに合致させた標準物質を使用する外部標準化によって、定量化を実施する。
この方法の妥当性確認の過程で使用された典型的なLC/MS/MS条件を、2.3.1章及び2.3.2章に列挙する。これらの条件を指針として付与し、他のHPLC−MS/MSシステムに適応しなければならないことがある。
2.3.1 HPLC条件
機器:二成分ポンプAgilent 1100
四成分ポンプAgilent1100(溶媒を調製)
オートサンプラー:CTC Analytics HTC PAL
カラム:Hypercarb、100×3.0mm、5μm
プレカラム:Phenomenex C18 ODS、4×2.0mm
注入容積:20μL
カラム温度:大気温(約25℃)
移動相:定組成モード:35:65(v/v)メタノール/水+0.5%ギ酸
流量(カラム):400μL/分
保持時間:亜リン酸の場合4ないし6分、ホセチル−Alの場合7ないし10分
切り換え弁:分析カラムとMS/MSシステムとの間に置かれた弁
夾雑からイオン源を保護し、イオン抑制の危険性が生じるのを低下するために、この弁を使用し、実施の最初の数分からの溶出物を廃棄物へと迂回させ、LC溶出流を質量分析器へと再び切り換えた後にイオン源を安定化させる必要性を回避するために、補給流を使用した。
補給溶媒:50:50(v/v)メタノール/水
切り換え流量:200μL/分
備考:
・注入前にHPLCシステムの安定化に約2時間待機することが必要である。試料のセットの間に、両化合物の保持時間のわずかなドリフトを観察できる。
・Hypercarbプレカラムは、使用してはならない。
2.3.2 MS/MS条件
MRM(多重反応観察)条件下で、負のイオンモードで作動するエレクトロスプレー界面の装備された三重四極子質量分析システムにおいて、実験を実施した。
例:
検出器:三重四極子HPLC−MS/MS質量分析器、
例えば、Sciex Instruments, API4000システム
ソース:TIS(ターボイオンスプレー)
温度:600℃
走査型:MRMモード(多重反応観察モード)
極性:負のイオンモード
ガス流:噴霧状ガス空気(GS1):40
ターボガス空気(GS2):60
カーテンガスN(CUR):20
衝突気体N(CAD):6衝突エネルギー:
Figure 0005028275
注意:幾つかの質量分析器条件は、機器特異的である。質量分析器条件は、分析前に適格な操作者によって最適化されるべきである。
MS/MS条件及びLC条件に関する詳細を、補遺2に付与する。
ホセチル−Al及び亜リン酸の場合の定量化イオンに関する断片化経路を、図1及び図2に示す。
Figure 0005028275
Figure 0005028275
2.3.3 確認のための遷移
試料中の何らかの干渉又は汚染を確認又は排除するために、上述の同一の条件において、次の遷移を使用できる。
Figure 0005028275
ホセチル−Al及び亜リン酸に対する確認のための遷移に関する断片化経路が、図3及び図4に示されている。
Figure 0005028275
Figure 0005028275
注意:確認のための遷移を使用することによっても、すべての回収試料を分析した。結果を補遺3に示す。
2.4検出器の直線性
溶媒中の標準物質及びマトリクスに合致させた標準物質を使用して、ホセチル−Al及び亜リン酸に関して、使用される検出器の直線性を検査した。
0.31ないし8.3μg/L及び3.1ないし83μg/Lのコムギ試料の場合を除き、0.1ないし5μg/L及び1ないし50μg/Lの個々の濃度で、ホセチル−Al及び亜リン酸の標準物質を注入することによって、直線性を検査した。
Figure 0005028275
Figure 0005028275
2.5 抽出物の保存安定性
ホセチル−Al及び亜リン酸を含有する試料抽出物の安定性を、各試料材料に関して決定した。
この目的のため、初期分析後、約10℃に恒温にしたオートサンプラーラック中に、回収試料の最終抽出物を保存し、数日の保存期間の後、再分析した。
2.6 算出
2.6.1 残留物の算出
この場合の評価は、マトリクスに合致させた標準物質を使用する外部標準化に従って実施する。
試料の各セットの分析の間、表18に記載の6個(又はコムギ試料の場合7個)の標準溶液を1回注入する。機器応答のあらゆる僅かな変化も補正するために、試料の間に標準物質を配置すべきである。各化合物に関して、最小二乗法を用いた、1/xの重み付けをした直線回帰によって得られる較正曲線を確立するために、濃度に対してピーク面積をプロットする。Analyst Software(1.4版)を使用して、最終抽出物中の濃度を測定するための対応するモデルを算出する。標準溶液に関して上述したものと同一の条件を使用して、各最終抽出物を1回注入する。すでに確立された推定計算モデルを使用して、各化合物のμg/Lでの最終濃度を各注入に関して測定する。各化合物について、次式を使用して、mg/kgで表される残留物Rの量を算出する。
Figure 0005028275
2.6.2 回収率の算出
2.6.1に従って、回収試料に関するμg/Lでの各化合物の濃度を測定する。
次に、パーセント回収率を以下のように算出する。
Figure 0005028275
2.6.3 相対的標準偏差(RSD)の算出
RSDを次のとおり算出する。
RSD(%)=標準偏差/平均回収量×100%
Figure 0005028275
3 結果及び考察
3.1 特異性及び選択性
本方法によって、ブドウ、オレンジ、レタス、キュウリ、アボカド及びコムギの試料中のホセチル−A及びその代謝産物(亜リン酸)を測定できる。
本方法の特異性は、非常に選択的なMS/MS検出と組み合わせたHPLC分離に起因した。
3.2 対照試料中の見かけの残留物
各試料材料に関して、2つの対照試料を分析した。使用される対照材料の出所は、表に列挙されている。
Figure 0005028275
対照試料中の残留物レベルの概算を実施した。結果を表7に列挙する。すべての対照試料に関する見かけの残留物は、各化合物についてLOQの30%を下回る。すなわち、ホセチル−Alの0.003mg/kg未満及び亜リン酸の0.03mg/kg未満であった。
Figure 0005028275
3.3 検出器の直線性及びマトリクス効果
溶媒中の標準物質及びマトリクスに合致させた標準物質を使用して、ホセチル−Al及び亜リン酸に関して、使用される検出器の直線性を検査した。
0.31ないし8.3μg/L及び3.1ないし83μg/Lのコムギ試料の場合を除き、0.1ないし5μg/L及び1ないし50μg/Lの個々の濃度で、ホセチル−Al及び亜リン酸の標準物質を注入することによって、直線性を検査した。
実験の詳細は、2.4章に見出され得る。
各クロマトグラムにおいて、式
y=ax+b(1/xで重み付けする)
(式中、y=ピーク面積
x=注入された標準溶液中の濃度)
の形式の較正曲線を得るために、各標準溶液中に含有されるホセチル−Al又は亜リン酸の個々の対応する濃度に対して、ホセチル−Al又は亜リン酸の測定されたピーク面積をプロットする。
LC/MS/MSに関する検出器反応の測定の結果を、表8に要約する。
Figure 0005028275
溶媒中で調製された標準物質又はマトリクスに合致させた標準物質のいずれかを使用して、ホセチル−Alの場合0.1ないし5μg/L(又はコムギの場合0.31ないし8.3μg/L)の範囲で、及び亜リン酸の場合1ないし50μg/L(又はコムギの場合3.1ないし83μg/L)の範囲で、標準物質に関して、分析物の注入された量とLC/MS/MSの検出器反応との間に優れた直線相関が観察された。
マトリクス効果の発生を観察した。結果を表9及び表10に示す。
Figure 0005028275
Figure 0005028275
すべての試料材料において、亜リン酸の測定は、マトリクスに合致させた標準物質を使用して確立されなければならない。従って、両化合物の測定は、マトリクスに合致させた標準物質を使用して確立される。
3.4 定量化限界及び回収実験
70ないし110%の範囲内の平均回収及び20%以下のRSDを得ることができる場合の最低強化レベルとして、定量化限界(LOQ)を定義した。ブドウ(全果実)、オレンジ(全果実)、レタス(頭部)、キュウリ(全果実)、アボカド(全果実)及びコムギ(穀粒)において、ホセチル−Alの場合0.01mg/kg、亜リン酸の場合0.1mg/kgにLOQを設定した。
これらのマトリクスに関する方法の妥当性を確認するために、分析前に、ホセチル−Al及び亜リン酸の定義された量で試料を強化した。
3.5 回収率
得られた詳細な回収結果が、表11及び表12に列挙されている。
Figure 0005028275
Figure 0005028275
得られた回収率、下表13に要約されている。
各化合物に対して、合計60の回収率を決定した。単一の回収率は、ホセチル−Alの場合69ないし114%の範囲にあり、亜リン酸の場合65ないし113%の範囲にあった。ホセチル−Alの場合、強化レベルあたりの平均回収率は93ないし97%の範囲にあり、すべての試料材料にわたる全体的な回収率及び強化レベルは95%であり、並びに、亜リン酸の場合、強化レベルあたりの平均回収率は86ないし97%の範囲にあり、すべての試料材料にわたる全体的な回収率及び強化レベルは91%であった。
単一強化レベルに対する相対的標準偏差(RSD)は、ホセチル−Alでは7.6ないし12.3%の範囲であり、亜リン酸では9.5ないし14.9%の範囲であった(n=30)。試料材料あたりの全体的なRSD値は、ホセチル−Alでは2.1ないし10.9%、亜リン酸では6.0ないし17.8%であった(n=10)。すべての試料にわたるRSD値は、ホセチル−Alでは10.2%、亜リン酸では13.7%であった(n=60)。
Figure 0005028275
3.6 抽出物の保存安定性
ホセチル−Al及びその代謝産物である亜リン酸を含有する最終抽出物の安定性を測定した。この目的のため、初期分析後、約10℃に恒温にしたオートサンプラーラック中に、回収試料の最終抽出物を放置し、数日の保存期間の後、再分析した。
保存安定性の結果を、表14に詳述する。
Figure 0005028275
4 評価及び考察
ブドウ(全果実)、オレンジ(全果実)、レタス(頭部)、キュウリ(全果実)、アボカド(全果実)及びコムギ(穀粒)中のホセチル−Al及びその代謝産物(亜リン酸)の残留物のLC/MS/MSによる測定について、表記の残留物分析方法の改変00861/M001の妥当性を確認した。
ホセチル−Al及びその代謝産物(亜リン酸)を、試料材料から、アセトニトリル/水(50:50)の混合物で抽出した。試料材料の遠心分離及び希釈後、Hypercarbカラムを使用するHPLCによって残留物を定量し、エレクトロスプレーイオン化を使用するタンデム質量分析によって検出する。マトリクスに合致させた標準物質中での外部標準化により、定量化を実施した。
確認セットは、検出器の直線性の測定、定量化の限界、方法の正確性及び試料最終抽出物の保存安定性を包含した。
溶媒中の標準物質及びマトリクスに合致させた標準物質を使用して、ホセチル−Al及び亜リン酸に関して、使用される検出器の直線性を検査した。
0.31ないし8.3μg/L及び3.1ないし83μg/Lのコムギ試料の場合を除き、0.1ないし5μg/L及び1ないし50μg/Lの個々の濃度で、ホセチル−Al及び亜リン酸の標準物質を注入することによって、直線性を検査した。
マトリクス効果の発生をモニターした。
すべての試料材料において、亜リン酸の測定は、マトリクスに合致させた標準物質を使用して確立されなければならない。そのため、マトリクスに合致させた標準物質を使用して、両化合物の測定を確立する。
すべての対照試料の見かけの残留物は、各化合物でLOQの30%を下回った。すなわち、ホセチル−Alの0.003mg/kg未満及び亜リン酸の0.03mg/kg未満であった。
定量化限界(LOQ)は、70ないし110%の範囲内の平均回収及び20%以下のRSDを得ることができる場合の最低強化レベルとして定義した。ブドウ(全果実)、オレンジ(全果実)、レタス(頭部)、キュウリ(全果実)、アボカド(全果実)及びコムギ(穀粒)において、ホセチル−Alでは0.01mg/kg、亜リン酸では0.1mg/kgにLOQを設定した。
方法の正確性は、測定された回収率に基づいて評価できる。単一の回収率は、ホセチル−Alの場合69ないし114%の、亜リン酸の場合65ないし113%の範囲にあった。ホセチル−Alの場合、強化レベルあたりの平均回収率は93ないし97%の範囲にあり、すべての試料材料にわたる全体的な回収率及び強化レベルは95%であり、並びに、亜リン酸の場合、強化レベルあたりの平均回収率は86ないし97%の範囲にあり、すべての試料材料にわたる全体的な回収率及び強化レベルは91%であった。方法の正確性は、各強化レベルに対する平均回収が70ないし110%の範囲であるべきことを要求する残留物分析方法に関する要条を満たす。
方法の精度及び再現性は、回収率の平均値に対して求められた相対的標準偏差(RSD)に基づいて評価できる。単一の強化レベルに対する相対的標準偏差(RSD)は、ホセチル−Alでは7.6ないし12.3%、亜リン酸では9.5ないし14.9%の範囲であった(n=30)。試料材料あたりの全体的なRSD値は、ホセチル−Alのでは2.1ないし10.9%、亜リン酸のでは6.0ないし17.8%であった(n=10)。すべての試料にわたるRSD値は、ホセチル−Alでは10.2%、亜リン酸では13.7%であった(n=60)。
試料材料あたりの全体的なRSD値は、ホセチル−Alでは2.1ないし10.9%、亜リン酸では6.0ないし17.8%であった(n=10)。すべての試料にわたるRSD値は、ホセチル−Alでは10.2%、亜リン酸では13.7%であった(n=60)。すべてのRSD値は、20%を十分に下回っていたため、方法の精度及び再現性は許容されると考えることができる。
方法の妥当性確認のすべての結果は、残留物分析方法に関する一般的な要件に従っているため、この方法の改変は妥当性が適切に確認されている。
補遺1
残留物方法00861/M001の流れ図
Figure 0005028275
補遺2
LC−MS/MS条件に関する詳細
コメント:
同期化モード:LC同期化
自動平衡:オフ
獲得時間:11分59秒
走査数:888
ファイル中の時間:1
獲得モジュール:獲得方法
ソフトウェアバージョン Analyst1.4
MS方法特性:
第1期
期間中の走査:888
相対開始時間:0.00ミリ秒
期間中の実験:1 1
第1期 実験1:
走査型:MRM(MRM)
極性:負
走査モード:N/A
イオン源:ターボスプレー
解像Q1:ユニット
解像Q3:ユニット
強度閾値:0.00cps
設定時間:0.0000ミリ秒
MRポーズ:5.0070ミリ秒
MCA:なし
段階の大きさ:0.00amu
Figure 0005028275
Figure 0005028275
パラメータの表(第1期 実験1):
CUR:20.00
GS1:40.00
GS2:60.00
IS:−4500.00
TEM:600.00
ihe:オン
CAD:6.00
EP −10.00
CXP −1.00
確認のための遷移:
Figure 0005028275
Figure 0005028275
パラメータの表(第1期 実験1):
CUR:20.00
GS1:40.00
GS2:60.00
IS:−4500.00
TEM:600.00
ihe:オン
CAD:6.00
EP −10.00
CXP −5.00
Agilent 1100 LCポンプ方法特性:
ポンプモデル:Agilent 1100 LC二成分ポンプ
最小圧力(psi):0.0
最大圧力(psi):5801.0
死容積(μL):40.0
最大流量傾斜(mL/分 ):100.0
最大圧力傾斜(psi/秒):290.0
Figure 0005028275
左側圧縮率:50.0
右側圧縮率:115.0
左側死容積(μL):40.0
右側死容積(μL):40.0
左側拍出量(μL):−1.0
右側拍出量(μL):−1.0
左側溶媒:A2(水+0.5%ギ酸)
右側溶媒:B2(メタノール)
CTC PALオートサンプラー方法特性:
ループ容積1(μL):100
ループ容積2(μL):20
注入容積(μL):50.000
方法の記述:
シリンジ:250μL
Analyst LC−Inj
空気体積(μL) 0
溶媒1による前洗浄 2
溶媒2による前洗浄 1
試料による前洗浄 0
充填速度(μL/秒) 50
充填拍出 0
注入箇所 LC Vlv2
注入速度(μL/秒) 50
注入前遅延(ミリ秒) 500
注入後遅延(ミリ秒) 500
溶媒1による後洗浄 3
溶媒2による後洗浄 2
溶媒1によるバルブ洗浄 2
溶媒2によるバルブ洗浄 1
Agilent 1100
LCポンプ方法特性:
ポンプモデル:Agilent 1100 LC四成分ポンプ
最小圧力(psi):0.0
最大圧力(psi):5801.0
圧縮率:100.0
死容積(μL):40.0
拍出量(μL):−1.0
最大流量傾斜(mL/分):100.0
最大圧力傾斜(psi/秒):290.0
Figure 0005028275
初期流速(μL/分):200.0
流量センサー較正表インデックス:0
Valcoバルブ方法特性
Valcoバルブ偏向装置
総時間(分) 位置
1 0.0 B 廃棄物
2 3.0 A スペクトロ
Figure 0005028275
Figure 0005028275
Figure 0005028275
この詳細な実施例は、水試料を用いた、ホセチル−Al及び亜リン酸の分析に関する。本実施例は、飲料水及び地表水中/上のホセチル−Al及びその代謝産物(亜リン酸)の残留物の、LCMSMSによる測定に関する分析方法00931への改変M001である。
飲料水及び地表水中のホセチル−Al及びその代謝産物(亜リン酸)の残留物のLC/MS/MSによる測定について、表記残留物分析方法の改変00931/M001の妥当性を確認した。
陽イオン性樹脂で試料材料を処理した後、濃縮する。Hypercarbカラムを使用するHPLCによって、ホセチル−Al及びその代謝産物(亜リン酸)の残留物を定量化し、エレクトロスプレーイオン化を使用するタンデム質量分析によって検出する。マトリクスに合致させた標準物質中での外部標準化により、定量化を実施した。
確認のセットは、検出器の直線性の決定、定量化の限界及び方法の正確性を包含した。
溶媒中の標準物質及びマトリクスに合致させた標準物質を使用して、ホセチル−Al及び亜リン酸に関して、使用される検出器の直線性を検査した。
0.2ないし20μg/Lの濃度でホセチル−Al及び亜リン酸の標準物質を注入することによって、直線性を検査した。
マトリクス効果の発生を観察した。飲料水中において、ホセチル−Alの測定は、マトリクスに合致させた標準物質を使用して確立されなければならない。両試料材料中の亜リン酸に関する純溶媒中の標準物質で得られる結果は、欧州の要件に必ずしも従うとは限らない。そのため、飲料水及び地表水中の量化合物の測定は、マトリクスに合致させた標準物質を使用して確立される。
すべての対照試料に関する見かけの残留物は、各化合物に関してLOQの30%を下回っていた。すなわち0.00003mg/L未満であった。
定量化限界(LOQ)は、70ないし110%の範囲内の平均回収及び20%のRSDが得られ得る場合の最低強化レベルとして、定義した。飲料水及び地表水中の各化合物に関して、LOQを0.0001mg/Lに設定した。
方法の正確性は、測定された回収率に基づいて評価できる。単一の回収率は、ホセチル−Alの場合75ないし118%の、亜リン酸の場合72ないし117%の範囲にあった。ホセチル−Alの場合、強化レベルあたりの平均回収率は89ないし96%の範囲にあり、すべての試料材料にわたる全体的な回収率及び強化レベルは93%であり、並びに、亜リン酸の場合、強化レベルあたりの平均回収率は91ないし93%の範囲にあり、すべての試料材料にわたる全体的な回収率及び強化レベルは92%であった。
方法の正確性は、各強化レベルに関する平均回収が70ないし110%の範囲であるべきことを要求する残留物分析方法に関する要件を満たす。
方法の精度及び再現性は、回収率の平均値に対して求められた相対的標準偏差(RSD)に基づいて評価できる。単一の強化レベルに対する相対的標準偏差(RSD)は、ホセチル−Alでは9.6ないし14.3%、亜リン酸では8.8ないし19.8%の範囲であった(n=10)。
試料材料あたりの全体的なRSD値は、ホセチル−Alでは7.5ないし9.7%、亜リン酸では9.3ないし12.4%であった(n=20)。すべての試料にわたるRSD値は、ホセチル−Alでは12.7%、亜リン酸では15.0%であった(n=20)。すべてのRSD値は、20%を十分に下回っていたため、方法の精度及び再現性は許容されると考えることができる。
方法の妥当性確認のすべての結果は、残留物分析方法に関する一般的な要件に従っているため、この方法の改変の妥当性は適切に確認された。
飲料水及び地表水に対して、変法の妥当性も確認した。濃縮工程の省略によって、主要な方法の試料の調製を大幅に簡素化した。検査されるLC条件とは無関係に、マトリクスに合致させた標準物質を使用した場合、ホセチル−Alについては0.1μg/L及びホセチル−Alについてはこの限界の10倍で、及び亜リン酸では1μg/Lで、濃縮していない飲料水及び知用水に関して、欧州の必要条件(1996年7月16日発令の96/46/EC)に従って、前記変法の妥当性を確認した。
主要な方法に関して、試料の調製を大いに簡素化し、時間を大幅に短縮できる。
1.序論
ホセチル−Alは、殺真菌剤である
誘導体化及び精製の工程を省略し、分析及び検出モードを変化させ、地表水中のホセチル−Alの場合0.001mg/Lから、亜リン酸の場合0.004mg/Lから、飲料水中の亜リン酸の場合0.002mg/Lから、両試料材料中の各化合物について0.0001mg/Lまで、原法00931の定量化限界(LOQ)を低下させるために、この報告に記載されている方法改変00931/M001の妥当性を確認した。
Figure 0005028275
1.1 原法の引用
原法:00931
化合物:ホセチル−Al及びその代謝産物(亜リン酸)
著者:L.Baudet − R.Diot − M.Guillet − J.L.Kieken
Aventis CropScience Centre de Recherche de la Dargoire
14/20 rue Pierre Baizet 69009 Lyon − France
引用:農業書類番号(Agredoc Numbers):2000年5月22日付けのR011760及びR011761
改変に関する理由:・誘導体化及び精製の工程を省略する。
・GC/FPDからLC/MS/MSまで、分析及び検出モードを変化させる。
・地表水中のホセチル−Alの場合0.001mg/Lから、亜リン酸の場合0.004mg/Lから、飲料水中の亜リン酸の場合0.002mg/Lから、両試料材料中の各化合物における0.0001mg/Lまで、LOQを低下させる。
1.2 物理的及び化学的特性
実施例3を参照されたい。
2.実験の部
2.1 材料
2.1.1 装置
標準的な実験室用ガラス製消耗品は、リン酸塩を含有しない界面活性剤のみで洗浄し、水及びアセトンですすぐべきである。
いずれの夾雑も回避するため、使い捨ての実験室用消耗品を使用することを強く勧める。
・平衡:
→正確性±0.1mg(分析用標準物質)(例えば、Mettler AT261範囲)
→正確性±0.1g(試料)(例えば、Mettler PM6000)
・希釈装置(例えば、Hamilton MicroLab 1000)
・回転式振とう器(例えば、Heidolph REAX 2)
・試料濃縮器(例えば、Techne dri−ブロック)
・超音波槽
・HPLC(例えば、二股ポンプAgilent 1100)
・オートサンプラー(例えば、CTC Analytics HTC PAL)
・三重四極子HPLC−MS/MS質量分析器 (例えば、Sciex Instruments, API4000システム)
・カラム(例えば、Hypercarb、100×2.0mm、5μm)
2.1.2 試薬及び支給品
・アセトン (例えば、SupraSolv(登録商標) Merck)
・メタノール (例えば、SupraSolv(登録商標) Merck)
・ギ酸 (例えば、Normapur Prolabo)
・陽イオン性樹脂(AG 50W−X8、20ないし50メッシュ、水素型)(例えば、Bio Rad)
・GF/Aフィルター(125mm) (例えば、Whatman)
・ポリプロ瓶(125mL、広口) (例えば、Nalgen)
・ポリプロ瓶(1000mL、広口) (例えば、Nalgen)
・パイレックス(登録商標)ガラス検査チューブ(20×150mm)(例えば、Corning)
・ポリプロ漏斗(67mm) (例えば、Marylands Plastics)
・ガラス製使い捨てピペット(5mL)
・希釈用溶媒 0.5%HCOOHを有する水
・移動相溶媒:2%HCOOHを有する水
2%HCOOHを有するメタノール
2.1.3 基準品目
実施例3を参照されたい。
2.1.4 標準溶液
ストック及び標準溶液を約5℃の冷蔵庫で遮光保存した。
原液(1000mg/L)
100mLの琥珀色のねじキャップフラスコに、基準品目20ないし50mgを正確に秤量する。ビューレットを使用して、水のある量を添加して、実際に1000mg/Lの原液を得る。撹拌器を使用して、完全に溶解するまで完全に混合する。2つの個別の原液は、各化合物について調製しなければならない。これら2つの原液の比較後、それらを混合する。
混合溶液
「A」クラスのピペットを使用して、各原液5mLをピペットで採取する。「A」クラスの50mLメスフラスコ中に注ぐ。水で容積を調整し、キャップし、振とうによって混合する(各化合物の100mg/L)
強化標準溶液
混合溶液の水中での連続希釈によって、10LOQレベル(各化合物の0.1mg/L)での回収に使用される強化標準溶液、及びLOQレベル(各化合物の0.01mg/L)での回収に使用される強化標準溶液を調製する。
中間的な標準溶液
混合溶液の連続希釈によって、水を使用して1.0mg/Lで中間的な標準溶液を調製する。
溶媒中の標準溶液
較正に使用される標準溶液を得るため、希釈装置及び0.5%ギ酸を有するメタノールを使用して、中間的な標準溶液を即座に希釈し、次の濃度:0.2、0.4、0.5、0.75、1、2、5、10、及び20μg/Lを得る。
較正に使用されるマトリクスに合致させた標準溶液
マトリクス効果の発生をモニターし、両試料材料中のマトリクスに合致させた標準物質を使用して、両化合物の測定を確立する。
中間的な標準溶液から、対照試料の最終的な抽出物である希釈混合物を除き、希釈は溶媒中の標準溶液の調製と同一である。
備考:
・すべての希釈をするのに、最終抽出物の20ないし25mLが必要である。
・使用前日に、対照試料の最終抽出物を調製し、冷蔵庫で保存し得る。
2.1.5 標準溶液の安定性
約5℃の冷蔵庫で遮光保存された原液は、9ヶ月半安定であることがわかった。
2.2 残留物分析方法論
原法の分析方法と比べて幾つかの改変を導入した。誘導体化及び精製の工程を省略し、分析及び検出モードを変化させ、地表水中のホセチル−Alの場合0.001mg/Lから、亜リン酸の場合0.004mg/Lから、飲料水中の亜リン酸の場合0.002mg/Lから、両試料材料中の各化合物について0.0001mg/Lまで、原法00931の定量化限界(LOQ)を低下させるために、この報告に記載されている方法改変00931/M001の妥当性を確認した。
・地表水中のホセチル−Alの場合0.001mg/Lから、亜リン酸の場合0.004mg/Lから、飲料水中の亜リン酸の場合0.002mg/Lから、両試料材料中の各化合物ついて0.0001mg/Lまで、LOQを低下させた。
・樹脂処理によって、NaOH処理を置換した。
・誘導体化工程を省略した。
・液体−液体分画による精製工程を省略した。
・GC/FPDの替わりにLC/MS/MSによって、定量化を実施した。
すべての改変は、下記に包含した。
方法の流れ図を補遺1に記載する。
注意:分析の間、設定された各試料に関し、試料調製に由来する亜リン酸の夾雑が見られない(30%未満のLOQ)にするため、水試料をミリQ水によって置換するブランク試薬を調製することが必要である。
備考:標準的な実験室用ガラス製消耗品は、リン酸塩を含有しない界面活性剤のみで洗浄し、水及びアセトンですすぐべきである。
あらゆる夾雑を回避するため、使い捨ての実験室用消耗品の使用を強く勧める。
回収実験の場合、秤量後及び振とう前に適切な標準溶液を試料材料へ添加することによって試料を強化する。
陽イオン性樹脂の調製
15.AG 50W−X8樹脂約25gを1000mLポリプロピレン瓶へ秤量する。
16.水約500mLを添加する。
17.回転式振とう器を使用して約10分間振とうする。
18.上清水を廃棄する。
19.第2回目の工程2ないし4を実施する。
20.第3回目の工程2ないし4を実施する。
21.ポリプロピレン漏斗中に置き、水ですでにすすがれた2つのGF/Aフィルターを通じて残余水及び樹脂をろ過する。
備考:使用直前又は前もって樹脂を調製し、大気温で保存し、使用直前に再水和させる。
注意:樹脂が上述のように洗浄されていない場合、亜リン酸の干渉が観察され得る。
試料調製:
1.すでに洗浄したAG 50W−X8樹脂0.6gを、125mLポリプロピレン瓶中に秤量する。
2.使い捨てパスツールピペットを使用して、均質な試料材料20.0gを瓶の中に秤量する。
注意:試料の重量は、変数Wとして表される残留物算出に使用される。
3.回転式振とう器を使用して試料を10分間振とうする。これは、抽出物Aである。
注意:抽出物Aの重量は、変数W抽出物として表される残留物算出に使用される。この場合、抽出はなかった。溶媒を水試料へ添加しなかった。それは、ちょうど樹脂処理であるため、W抽出物=W=20gであった。
4.使い捨てガラスピペットを使用して、上清5mLの一定分量を、すでに秤量した検査チューブへ転移させる。
注意:一定分量の容積は、変数V一定分量として表される残留物算出に使用される。(5mLを転移させる替わりに、5g=W一定分量を秤量することによっても、この分取をなし得る。)
5.約60℃の温度の試料濃縮器を使用して、窒素流の下で約0.5gまで蒸発させる。警告:乾燥状態になるまで蒸発させないこと。
6.使い捨てピペットを使用して、0.5%ギ酸で酸性化した水を使用して、1.0gにする。
注意:工程6において使用される酸性化した水中のギ酸の濃度は、決定的な因子である。これは、LCにおいて得られるH PO ピーク形状に対して重要な作用を有する。酸性化された水中のギ酸の0.5%から2%への増加によって、非常に大きなH PO ピークが与えることが可能であり、したがって、感度を喪失させ得る。
7.約5分間超音波処理する。これは、最終抽出物である。
注意:残留物の算出のために最終抽出物の重量が使用され、変数W終止として表される、
8.2.3章のLC/MS/MS測定へ進む。
注意:較正曲線の外側の濃度であるために、最終抽出物を希釈することが必要である場合、マトリクスに合致させた標準物質が較正に使用されるので、対照試料の最終抽出物を使用する。
2.3 分析及び機器条件
最終抽出物を高速液体クロマトグラフへ注入し、エレクトロスプレーイオン化を有するタンデム質量分析によって検出する。
マトリクスに合致させた標準物質を使用する外部標準化によって、定量化を実施する。
この方法確認の過程で使用された典型的なLC/MS/MS条件を、2.3.1章及び2.3.2章に列挙する。これらの条件を指針として付与し、他のHPLC−MS/MSシステムに適応しなければならないことがある。
2.3.1 HPLC条件
機器:二股ポンプAgilent 1100
オートサンプラー:CTC Analytics HTC PAL
カラム:Hypercarb、100×2.0mm、5μm
プレカラム:なし
注入容積:50μL
カラム温度:大気温(約25℃)
移動相:定組成モード:5545(v/v)メタノール+2%ギ酸/水+2%ギ酸
流量(カラム):200μL/分
保持時間:亜リン酸の場合3.1ないし4.1分、ホセチル−Alの場合3.9ないし5.3分
備考:
・濃縮した試料中の保持時間は、溶媒中よりもわずかに短い(地表水中で約0.2分、飲料水中で0.5分)。
・注入前にHPLCシステムの安定化に約2時間待機することが必要である。試料のセットの間に、両化合物の保持時間のわずかなドリフトを観察することができる。
・Hypercarbプレカラムは、使用してはならない。
・Hypercarbカラムの位相バッチに応じて、移動相中のギ酸の百分率は、(0.5%から2%まで)ピークの形状を改善するように適合することができる。
2.3.2 MS/MS条件
実施例3を参照されたい。
2.3.3 確認のための遷移
実施例3を参照されたい。
注意:確証的な遷移を使用することによっても、すべての回収試料を分析した。
結果を補遺6に記載する。
2.4 検出器の直線性
溶媒中の標準物質及びマトリクスに合致させた標準物質を使用して、ホセチル−Al及び亜リン酸に対して、使用される検出器の直線性を検査した。
0.2ないし20μg/Lの濃度でホセチル−Al及び亜リン酸の標準物質を注入することによって、直線性を検査した。
Figure 0005028275
2.5 抽出物の保存安定性
ホセチル−Al及び亜リン酸を含有する試料抽出物の安定性は、本研究において決定されなかった。
2.6 算出
2.6.1 残留物の算出
この場合の評価は、マトリクスに合致させた標準物質を使用する外部標準化に従って実施する。
試料の各セットの分析中に、表16に記載の9個の標準溶液を1回注入する。機器の反応における全てのわずかな変化も補正するように、試料の間に標準物質を配置すべきである。
各化合物に関して、最小二乗法を用いた、1/xの重み付けをした直線回帰によって得られる較正曲線を確立するために、濃度に対してピーク面積をプロットする。
Analyst Software(1.4版)を使用して、最終抽出物中の濃度を決定するための対応するモデルを算出する。
標準溶液に関して上述したものと同一の条件を使用して、各最終抽出物を1回注入する。
すでに確立された推定計算モデルを使用して、各化合物のμg/Lでの最終濃度を各注入に関して決定する。
各化合物に関して、mg/Lで表される残留物Rの量を、次式を使用して算出する。
Figure 0005028275
備考(*)
・すべての液体試料(水、抽出物)の密度は、室温に対して無関係に1に等しいと考えられる。これにより、液体試料の重量の容積への変換が可能となる。
・ホセチル−Al均等物中の亜リン酸を表すため、分子量の比を使用しなければならない。
Figure 0005028275
なぜなら、1モルのホセチル−Al(354.1g)は、亜リン酸3モルを付与するからである。
2.6.2 回収率の算出
2.6.1に従って、回収試料に対して、μg/Lで表された各化合物の濃度を測定する。パーセント回収率は次式に従って計算される。
Figure 0005028275
2.6.3 相対的標準偏差(RSD)の算出
RSDを次のとおり算出する。
Figure 0005028275
3 結果及び考察
3.1 特異性及び選択性
本方法によって、飲料水及び地表水の試料中のホセチル−A及びその代謝産物(亜リン酸)を測定することができる。
本方法の特異性は、非常に選択的なMS/MS検出と組み合わせたHPLC分離に由来するものであった。
3.2 対照試料中の見かけの残留物
各試料材料に関して、2つの対照試料を分析した。使用される対照の出所を、表17に列挙する。
Figure 0005028275
地表水の幾つかの特徴を表18に記録する。
Figure 0005028275
これらの特徴は、以下によって決定した。
Cemagref
Division qualite des eaux et prevention des pollutions
Groupement de Lyon
3 bis quai Chauveau
69336 Lyon cedex 09 − France
対照試料中の残留物レベルの概算を実施した。結果を表19に列挙する。すべての対照試料について、見かけの残留物は、各化合物に関してLOQの30%を下回った。すなわち0.00003mg/L未満であった。
Figure 0005028275
3.3 検出限界
0.00005mg/Lで強化された対照試料を分析して、ホセチル−Al及び亜リン酸の検出限界を検査した。結果を表20に示す。
Figure 0005028275
3.4 検出器の直線性及びマトリクス効果
溶媒中の標準物質及びマトリクスに合致させた標準物質を使用して、ホセチル−Al及び亜リン酸に関して、使用される検出器の直線性を検査した。
0.2ないし20μg/Lの濃度でホセチル−Al及び亜リン酸の標準物質を注入することによって、直線性を検査した。
実験の詳細は、2.4章に見出され得る。
各クロマトグラムにおいて、式
y=ax+b(1/xで重み付けする)
(式中、y=ピーク面積
x=注入された標準溶液中の濃度)
の形式の較正曲線を得るために、各標準溶液中に含有されるホセチル−Al又は亜リン酸の個々の対応する濃度に対して、ホセチル−Al又は亜リン酸の測定されたピーク面積をプロットする。
LC/MS/MSに関する検出器反応の測定の結果を、表21に要約する。
Figure 0005028275
溶媒中に調製された標準物質又はマトリクスに合致させた標準物質のいずれかを使用して、両化合物ともに、0.2ないし20μg/Lの範囲で標準物質に対して、分析物の注入された量とLC/MS/MSの検出器反応との間に優れた直線相関が観察された。
マトリクス効果の発生をモニターした。結果を表22及び表23に示す。
Figure 0005028275
Figure 0005028275
飲料水において、ホセチル−Alの測定は、マトリクスに合致させた標準物質を使用して確立されなければならない。両試料材料において、亜リン酸に対して、純溶媒中の標準物質を用いて得られる結果は、欧州の必要条件に必ずしも従うとは限らない。そのため、飲料水及び地表水中の量化合物の測定は、マトリクスに合致させた標準物質を使用して確立される。
3.5 定量化限界及び回収実験
定量化限界(LOQ)は、70ないし110%の範囲内の平均回収及び20%以下のRSDが得られ得る場合の最低強化レベルとして定義した。飲料水及び地表水中の各化合物に関して、LOQを0.0001mg/Lに設定した。
これらのマトリクスに対して本方法の妥当性を確認するため、分析前に、ホセチル−Al及び亜リン酸の定義された量で試料を強化した。
3.6 回収率
得られた詳細な回収結果が、表24及び表25に列挙されている。
Figure 0005028275
Figure 0005028275
得られた回収率を、以下の表26に要約する。合計20の回収率を各化合物に対して測定した。単一の回収率は、ホセチル−Alの場合75ないし118%の範囲にあり、亜リン酸の場合72ないし117%の範囲にあった。ホセチル−Alの場合、強化レベルあたりの平均回収率は89ないし96%の範囲にあり、すべての試料材料にわたる全体的な回収率及び強化レベルは93%であり、並びに、亜リン酸の場合、強化レベルあたりの平均回収率は91ないし93%の範囲にあり、すべての試料材料にわたる全体的な回収率及び強化レベルは92%であった。
単一の強化レベルに対する相対的標準偏差(RSD)は、ホセチル−Alでは9.6ないし14.3%、亜リン酸では8.8ないし19.8%の範囲であった(n=10)。試料材料あたりの全体的なRSD値は、ホセチル−Alでは7.5ないし9.7%、亜リン酸では9.3ないし12.4%であった(n=10)。すべての試料にわたるRSD値は、ホセチル−Alでは12.7%、亜リン酸では15.0%であった(n=20)。
Figure 0005028275
3.7 抽出物の保存安定性
ホセチル−Al及び亜リン酸を含有する試料抽出物の安定性は、本研究では測定しなかった。
4.評価及び考察
飲料水及び地表水中のホセチル−Al及びその代謝産物(亜リン酸)の残留物のLC/MS/MSによる測定について、表記の残留物分析方法の改変00931/M001の妥当性を確認した。
陽イオン性樹脂で試料材料を処理した後、濃縮する。Hypercarbカラムを使用するHPLCによって、ホセチル−Al及びその代謝産物(亜リン酸)の残留物を定量化し、エレクトロスプレーイオン化を使用するタンデム質量分析によって検出する。マトリクスに合致させた標準物質中での外部標準化により、定量化を実施した。
確認のセットは、検出器の直線性の決定、定量化の限界及び方法の正確性を包含した。
溶媒中の標準物質及びマトリクスに合致させた標準物質を使用して、ホセチル−Al及び亜リン酸に関して、使用される検出器の直線性を検査した。
0.31ないし8.3μg/L及び3.1ないし83μg/Lのコムギ試料の場合を除き、0.1ないし5μg/L及び1ないし50μg/Lの個々の濃度で、ホセチル−Al及び亜リン酸の標準物質を注入することによって、直線性を検査した。検出器の反応は、これらの範囲において直線的であった。
マトリクス効果の発生を観察した。
すべての試料材料において、亜リン酸の測定は、マトリクスに合致させた標準物質を使用して確立されなければならない。そのため、マトリクスに合致させた標準物質を使用して、両化合物の測定を確立する。
すべての対照試料の見かけの残留物は、各化合物について、LOQの30%を下回っていた。すなわち、ホセチル−Alの0.003mg/kg未満及び亜リン酸の0.03mg/kg未満であった。
定量化限界(LOQ)は、70ないし110%の範囲内の平均回収及び20%以下のRSDが得られ得る場合の最低強化レベルとして定義した。ブドウ(全果実)、オレンジ(全果実)、レタス(頭部)、キュウリ(全果実)、アボカド(全果実)及びコムギ(穀粒)において、ホセチル−Alの場合0.01mg/kg、亜リン酸の場合0.1mg/kgにLOQを設定した。
方法の正確性は、測定された回収率に基づいて評価できる。単一の回収率は、ホセチル−Alの場合69ないし114%の、亜リン酸の場合65ないし113%の範囲にあった。ホセチル−Alの場合、強化レベルあたりの平均回収率は93ないし97%の範囲にあり、すべての試料材料にわたる全体的な回収率及び強化レベルは95%であり、並びに、亜リン酸の場合、強化レベルあたりの平均回収率は86ないし97%の範囲にあり、すべての試料材料にわたる全体的な回収率及び強化レベルは91%であった。方法の正確性は、各強化レベルに関する平均回収が70ないし110%の範囲であるべきことを要求する残留物分析方法に関する要件を満たす。
方法の正確性及び再現性は、回収率の平均値に対して求められた相対的標準偏差(RSD)に基づいて評価できる。
単一の強化レベルに関する相対的標準偏差(RSD)は、ホセチル−Alでは7.6ないし12.3%、亜リン酸では9.5ないし14.9%の範囲であった(n=30)。
単一強化レベルに関する相対的標準偏差(RSD)は、ホセチル−Alでは7.6ないし12.3%、亜リン酸では9.5ないし14.9%の範囲であった(n=30)。試料材料あたりの全体的なRSD値は、ホセチル−Alでは2.1ないし10.9%、亜リン酸では6.0ないし17.8%であった(n=10)。すべての試料にわたるRSD値は、ホセチル−Alでは10.2%、亜リン酸では13.7%であった(n=60)。すべてのRSD値は、20%を十分に下回っていたため、方法の精度及び再現性は許容されると考えることができる。
方法の妥当性確認のすべての結果は、残留物分析方法に関する一般的な要件に従っているため、この方法の改変の妥当性は適切に確認されている。
注意:分析の間、設定された各試料に関し、試料調製に由来する亜リン酸の夾雑が見られない(30%未満のLOQ)ようにするため、水試料をミリQ水によって置換するブランク試薬を調製することが必要である。
備考:
・標準的な実験室用ガラス製消耗品は、リン酸塩を含有しない界面活性剤のみで洗浄し、水及びアセトンですすぐべきである。いずれの夾雑も回避するため、使い捨ての実験室用消耗品の使用を強く勧める。
・確認/測定の開始の前に、機器/試薬は、亜リン酸のいずれの残留物に関しても検査すべきである。
・幾らかの夾雑が観察される場合、特殊なHPLCバイアル(例えば、ポリプロピレンバイアル、Agilent、art.5182−0567)の使用が、亜リン酸に対するバックグラウンドを低下させるのに役立ち得るかどうかを検証する。
異なるLC条件の評価:
すべての回収試料は、異なるLC条件を使用することによっても分析した。唯一の改変は、移動相であった。
Figure 0005028275
完全な原法のLC条件を、2.3.1に示す。
結果を表27に示す。
Figure 0005028275
「可」は、結果が、欧州の要件に従うことを意味する。
「不可」は、結果が、欧州の要件に従わないことを意味する。
「純溶媒中の標準物質」の列は、情報として付与されている。
マトリクスに合致させた標準物質を使用する場合、実施された様々な実験により、代替LC条件が使用すると、地表水については、LOQ及び10LOQでのホセチル−Alの場合にのみ、妥当性が確認できないことが示された。飲料水に関しては、問題が観察されなかった。
飲料水については、検査されるLC条件とは無関係に、マトリクスに合致させた標準物質を使用した場合にのみ、ホセチル−Al及び亜リン酸に関して、0.1μg/L及びこの限界の10倍で、欧州の要件(1996年7月16日発令の96/46/EC)に従って、本方法の妥当性を適切に確認した。
地表水については、(特にホセチル−Alの場合)検査されるLC条件に応じて、マトリクスに合致させた標準物質を使用した場合にのみ、ホセチル−Al及び亜リン酸に関して、0.1μg/L及びこの限界の10倍で、欧州の要件(1996年7月16日発令の96/46/EC)に従って、本方法妥当性を適切に確認した。
5.変法
飲料水及び地表水に対して、変法の妥当性も確認した。濃縮工程の省略によって、主要な方法の試料調製が著しく簡素化され、濃縮工程の前に2.3.1及び2.3.2に付与されるHPLC条件及び検出条件において、すべての回収試料を分析した。
変法の流れ図が、補遺8に記載されている。
結果の要約が表28に示されており、得られた詳細な回収結果が補遺7に列挙されている。
Figure 0005028275
「可」は、結果が、欧州の要件に従うことを意味する。
「不可」は、結果が、欧州の要件に従わないことを意味する。
「純溶媒中の標準物質」の列は、情報として付与されている。
備考:濃縮されていない水試料を定量化するため、標準溶液の濃度を適合させることが必要である。亜リン酸が、十分に高感度ではないため、この方法によって、0.1μg/Lの定量化限界での測定を行うことはできない。
マトリクスに合致させた標準物質を使用した場合には、検査されるLC条件とは無関係に、濃縮されていない飲料水及び地表水について、ホセチル−Alでは0.1μg/L及びこの限界の10倍で、並びに亜リン酸では1μg/Lで、欧州要件(1996年7月16日発令の96/46/EC)に従って、前記変法の妥当性を適切に確認した。
主要方法に関しては、試料の調製が大幅に簡略化され、時間を大幅に節約できる。
Figure 0005028275
補遺5
LC−MS/MS条件に関する詳細
コメント:
同期化モード:LC同期化
自動平衡:オフ
獲得時間:10分1秒
走査数:45
ファイル中の時間:1
獲得モジュール:獲得方法
ソフトウェアバージョン Analyst1.4
MS方法特性
第1期
期間中の走査:455
相対的開始時間:0.00ミリ秒
期間中の実験:
第1期 実験1:
走査型:MRM(MRM)
極性:負
走査モード:N/A
イオン源:ターボスプレー
解像Q1:ユニット
解像Q3:ユニット
強度閾値:0.00cps
設定時間:0.0000ミリ秒
MRポーズ:5.0070ミリ秒
MCA:なし
段階の大きさ:0.00amu
Figure 0005028275
Figure 0005028275
Figure 0005028275
Figure 0005028275
パラメータの表(第1期 実験1):
CAD:6.00
CUR:20.00
GS1:40.00
GS2:60.00
TEM:600.00
ihe:オン
IS:−4500.00
EP:−10.00
Agilent 1100 LCポンプ方法特性:
ポンプモデル:Agilent 1100 LC二成分ポンプ
最小圧力(psi):0.0
最大圧力(psi):5801.0
死容積(μL):40.0
最大流量傾斜(mL ):100.0
最大圧力傾斜(psi/秒):290.0
工程表:
工程 総時間(分) 流速(μL/分) A(%) B(%)
0 0.00 200 45.0 55.0
1 10.00 200 45.0 55.0
左側圧縮率:50.0
右側圧縮率:115.0
左側死容積(μL):40.0
右側死容積(μL):40.0
左側拍出量(μL):−1.0
右側拍出量(μL):−1.0
左側溶媒:A2(水+2%ギ酸)
右側溶媒:B1(メタノール+2%ギ酸)
CTC PALオートサンプラー方法特性:
ループ容積1(μL):50
ループ容積2(μL):50
注入容積(μL):200.000
方法の記述:
シリンジ:250μL
Analyst LC−Inj
空気体積(μL) 0
溶媒1による前洗浄 2
溶媒2による前洗浄 1
試料による前洗浄 0
充填速度(μL/秒) 50
充填拍出量 0
注入箇所 LC Vlv1
注入速度(μL/秒) 50
注入前遅延(ミリ秒) 500
注入後遅延(ミリ秒) 500
溶媒1による後洗浄 3
溶媒2による後洗浄 2
溶媒1によるバルブ洗浄 2
溶媒2によるバルブ洗浄 1
Figure 0005028275
Figure 0005028275
Figure 0005028275
Figure 0005028275
Figure 0005028275
Figure 0005028275
Figure 0005028275
この詳細な実施例は、土壌試料を使用するホセチル−Al及び亜リン酸の分析に関する。本実施例は、土壌中のホセチル−Al及びその代謝産物(亜リン酸)の残留物の決定のための分析方法00974への改変M001である。
データ要件
・委員会指令96/46/ECによって修正された欧州連合議会指令91/414/EEC
・指令91/414、SANCO/3029/99の補遺II(A部分、セクション4)及び補遺III(パートA、セクション5)に対する予備登録データ要件を充足する分析方法を作製及び報告するための欧州委員会指針文書
・残留物分析方法、SANCO/825/00 rev.に関する欧州委員会指針文書
要約
土壌中のホセチル−Al及びその代謝産物(亜リン酸)の残留物の、LC/MS/MSによる測定のために、表記の残留物分析方法の改変00974/M001の妥当性を確認した
アンモニア緩衝溶液とともに振とうすることによって、ホセチル−Al及びその代謝産物(亜リン酸)の残留物を土壌試料から抽出する。次に、この抽出物を陽イオン性樹脂で処理し、LCMSMSによる分析の前に、最終希釈を実施する。Hypercarbカラムを使用するHPLCによって残留物を定量化し、エレクトロスプレーイオン化を使用するタンデム質量分析によって検出する。純溶媒中で調製される標準物質を使用する外部標準化によって、定量化を実施した。
確認のセットは、検出器の直線性の決定、定量化の限界及び方法の正確性を包含した。
溶媒中の標準物質及びマトリクスに合致させた標準物質を使用して、ホセチル−Al及び亜リン酸に関して、使用される検出器の直線性を検査した。
0.25ないし25μg/Lの濃度でホセチル−Al及び亜リン酸の標準物質を注入することによって、直線性を検査した。
マトリクス効果の発生を観察した。
結論は、
―ホセチル−Alの測定が、溶媒中で調製される標準物質か、又はマトリクスに合致させた標準物質のいずれかを使用して確立されるとき、有意差は観察されず、
―マトリクスに合致させた標準物質の替わりに、溶媒中で調製される標準物質を使用して確立されるとき、亜リン酸の測定がより良好である(より高い平均回収及びより低いRSDが見られる)
ことである。
これらすべての理由のため、溶媒中で調製された標準物質を使用すべきである。
すべての対照試料に対する見かけの残留物は、各化合物についてLOQの20%を下回っていた。すなわち、0.01mg/kg未満であった。
定量化限界(LOQ)は、70ないし110%の範囲内の平均回収及び20%のRSDを取得できる場合の最低強化レベルとして定義した。土壌試料中の各化合物に関して、LOQを0.050mg/kgに設定した。
方法の正確性は、測定された回収率に基づいて評価できる。単一の回収率は、ホセチル−Alの場合70ないし81%の、亜リン酸の場合80ないし98%の範囲にあった。すべての平均回収率は、70ないし110%の範囲にあった。方法の正確性は、各強化レベルに対する平均回収が70ないし110%の範囲にあるべきことを要求する残留物分析方法に関する要件を満たす。
方法の精度及び再現性は、回収率の平均値に対して求められた相対的標準偏差(RSD)に基づいて評価できる。すべてのRSDは、20%を十分に下回った。したがって、方法の正確性及び再現性は、許容されると考えることができる。
方法の妥当性確認のすべての結果は、残留物分析方法に関する一般的な要件に従っているため、この方法の改変の妥当性は適切に確認されている。
1 序論
ホセチル−Alは、殺真菌剤である。
誘導体化の工程を省略し、分析及び検出モードを変化させ、並びにホセチル−Al及び亜リン酸の場合0.100mg/kgから0.050mg/kgまで、原法00974の定量化限界(LOQ)を低下させるために、この報告に記載の方法改変00974/M001の妥当性を確認した。
Figure 0005028275
1.1 原法の引用
原法:00974
化合物:ホセチル−Al及びその代謝産物(亜リン酸)
改変に関する理由:
・誘導体化の工程を省略する。
・GC/FPDからLC/MS/MSまで、分析及び検出モードを変化させる。
・ホセチル−Al及び亜リン酸に関して、LOQを0.100mg/kgから0.050mg/kgへ低下させる。
1.2 物理的及び化学的特性
実施例3を参照されたい。
2 実験セクション
2.1.1 装置
標準的な実験室用ガラス製消耗品は、リン酸塩を含有しない界面活性剤のみで洗浄し、水及びアセトンですすぐべきである。
いずれの夾雑も回避するため、使い捨ての実験室用消耗品の使用を強く勧める。
・平衡:
→正確性±0.1mg(分析用標準物質)(例えば、Mettler AT261範囲)
→正確性±0.1g(試料) (例えば、Mettler PM2000)
・希釈装置 (例えば、Hamilton MicroLab 1000プラス)
・回転式振とう器 (例えば、Heidolph REAX 2)
・遠心分離機 (例えば、Hermle Z513K)
(例えば、Hettich EBA12)
・HPLC (例えば、二股ポンプAgilent 1100)
・オートサンプラー (例えば、CTC Analytics HTC PAL)
・三重四極子HPLC−MS/MS質量分析器(例えば、Sciex Instruments, API4000システム)
・カラム (例えば、Hypercarb、100×2.0mm、5μm)
3.1.2 試薬及び支給品
・アセトン (例えば、Pestipur(登録商標)SDS)
・メタノール (例えば、Pestipur(登録商標)SDS)
・ギ酸 (例えば、Analytical reagent(登録商標)Merck)
・炭酸水素アンモニウム (例えば、Normapur(登録商標)Merck)
・32%アンモニア溶液 (例えば、Rectapur(登録商標)Merck)
・陽イオン性樹脂(AG 50W−X8、20ないし50メッシュ、水素型)(例えば、Bio Rad)
・GF/Aフィルター(125mm) (例えば、Whatman)
・ポリプロ瓶(1000mL、広口) (例えば、Nalgen)
・ポリプロ瓶(250mL、広口) (例えば、Nalgen)
・ポリプロ瓶(125mL、広口) (例えば、Nalgen)
・ポリプロ瓶(60mL、広口) (例えば、Nalgen)
・ポリプロ漏斗(67mm) (例えば、Marylands Plastics)
・コニカル遠心チューブ(15mL) (例えば、Merck)
・希釈のための溶媒: 0.5%HCOOHを有する水
・移動相溶媒: 2%HCOOHを有する水
2%HCOOHを有するメタノール
・アンモニア緩衝溶液:1000mLメスフラスコ中に水500mLを注ぎ、炭酸水素アンモニウム20gを添加し、完全に可溶化するまで撹拌器で混合する。32%アンモニア溶液15mLを添加し、水で1000mLにする。
2.1.3 基準品目
十分に特徴付けられ、保証された品目のみを基準品目として使用した。
基準品目は、Bayer CropScience GmbH produkt Analytik, G864, lndustriepark Hochst, D−65926 Frankfurt−am−Main, Germanyによって市販された。
Figure 0005028275
2.1.4 標準溶液
原液及び標準溶液を約5℃の冷蔵庫で遮光保存した。
原液(1000mg/L)
100mLの琥珀色のねじキャップ付きフラスコ中に、基準品目20ないし50mgを正確に秤量する。ビューレットを使用して、水のある量を添加して、実際に1000mg/Lの原液を得る。2つの個別の原液は、各化合物に関して調製されなければならない。これら2つの原液の比較後、それらを混合する。
混合溶液
「A+」クラスのピペットを使用して、各原液5mLをピペットで採取する。「A」クラスの50mLメスフラスコへ注ぐ。容積を水で調整し、キャップし、振とうによって混合する(各化合物の100mg/L)2つの異なる混合溶液を調製する。
強化標準溶液
10LOQレベル(各化合物の100mg/L)での回収のための強化溶液としても使用される混合溶液のうちの一つの水中での希釈によって、LOQレベル(各化合物の10mg/L)での回収に使用される強化標準溶液を調製する。
中間的な標準溶液
他の混合溶液の連続希釈によって、水を使用して、各化合物の1.0mg/Lでの中間的な標準溶液を調製する。
使用前に、LOQレベルでの回収に使用される中間的な溶液及び強化標準溶液を比較して、それらの調製を確認する。
較正に使用される溶媒中での標準溶液
較正に使用される標準溶液を得るため、希釈装置(又は異なる方法)及び0.5%ギ酸を有する水を使用して、中間的な標準溶液を即座に希釈し、次の濃度:0.25、0.4、0.5、1、2.5、5、10、及び25μg/Lを得る。
マトリクスに合致させた標準溶液
マトリクス効果の発生をモニターし、両試料材料においてマトリクスに合致させた標準物質を使用して、両化合物の測定を確立する。
中間的な標準溶液から、対照試料の最終的な抽出物である希釈混合物を除き、希釈は、溶媒中の標準溶液の調製と同一である。
備考:
・最終抽出物20ないし25mLが、すべての希釈をするのに必要である。
・H PO の幾らかの夾雑を持ち込み得る標準的な実験室用ガラス製消耗品の使用を回避するため、秤量することによって、対照試料抽出物Bの希釈を実施する。使い捨て可能なパスツールピペットを使用して、60mLポリプロピレン瓶へ抽出物3.0gを秤量する。別の使い捨て可能なパスツールピペットを使用して、0.5%ギ酸で酸性化した水で30.0gにする。これは、マトリクスに合致させた標準溶液を調製するための希釈混合物として使用される対照試料の最終抽出物である。
2.1.5 標準溶液の安定性
約5℃の冷蔵庫で遮光保存された原液は、9ヶ月半安定であることがわかった。
2.2 残留物分析方法論
原法の分析方法と比較した幾つかの改変を導入した。
誘導体化の工程を省略し、分析及び検出モードを変化させ、及び各化合物の場合、0.100mg/kgから0.050mg/kgまで、原法00974の定量化限界(LOQ)を低下させるために、この報告に記載の方法改変00974/M001を確認した。
・ホセチル−Al及び亜リン酸の場合、定量化限界を0.100mg/kgから0.050mg/kgまで低下させた。
・誘導体化工程を省略した。
・GC/FPDの替わりにLC/MS/MSによって、定量化を実施した。
すべての改変は、以下の記載に包含されている。
方法の流れ図は、補遺7に記載されている。
注意:分析の間、設定された各試料に関し、試料調製に由来する亜リン酸の夾雑が見られない(30%未満のLOQ)ようにするため、土壌試料を含まないブランク試薬を調製することが必要である。
備考:標準的な実験室用ガラス製消耗品は、リン酸塩を含有しない界面活性剤のみで洗浄し、水及びアセトンですすぐべきである。
いずれの夾雑も回避するため、使い捨ての実験室用消耗品の使用を強く勧める。
回収実験の場合、秤量後及び振とう前に適切な標準溶液を試料材料へ添加することによって試料を強化する。
陽イオン性樹脂の調製
1.AG 50W−X8樹脂約25gを1000mLポリプロピレン瓶に秤量する。
2.水約500mLを添加する。
3.回転式振とう器を使用して約10分間振とうする。
4.上清水を廃棄する。
5.第2回目の工程2ないし4を実施する。
6.第3回目の工程2ないし4を実施する。
7.ポリプロピレン漏斗中に置き、水ですでにすすがれた2つのGF/Aフィルターを通じて残余水及び樹脂をろ過する。
備考:使用直前に又は事前に、樹脂を調製し、大気温で保存し、使用直前に再水和させる。
注意:樹脂が上述のように洗浄されていない場合、亜リン酸の干渉が観察され得る。
試料調製:
1.均質な試料材料20.0gを125mLポリプロピレン瓶に秤量する。
注意:変数重量試料として、残留物算出のために試料の重量を使用する。
2.アンモニア緩衝溶液30mLを添加する。
3.回転式振とう器を使用して、大気温で30分間試料を振とうする。
4.抽出物を約5分間遠心分離する(3600rpm、5℃)。
5.0.5%ギ酸で酸性化された水約100gを、すでに秤量した250mLポリプロピレン瓶へ注ぐ。
6.上清を250mLポリプロピレン瓶へ添加する。
7.アンモニア緩衝溶液30mLを底へ添加する。
8.回転式振とう器を使用して、試料を30分間振とうする。
9.抽出物を約5分間遠心分離する(3600rpm、5℃)。
10.上清を250mLポリプロピレン瓶へ注ぐ。
11.使い捨て可能なパスツールピペットを使用して、0.5%ギ酸で酸性化した水を使用して、200gにする。これは、抽出物Aである(情報として、pHは、約6.5である。)。
注意:変数重量抽出物Aとして、残留物算出のために試料の重量を使用する。
12.すでに洗浄したAG 50W−X8樹脂3.0gを、コニカル遠心チューブに秤量する。
13.使い捨て可能なガラスピペットを使用して、抽出物A5mLの一定分量を、遠心チューブへ転移させる。
14.回転式振とう器を使用して、試料を10分間振とうする。
15.試料を約5分間遠心分離する(6000rpm、5℃)。得られた上清は、抽出物Bに相当する(情報に関して、pHは、約2.5である。)。
注意:樹脂処理のこの工程は、狭いH PO ピーク形状を得るのに必要である。
16.希釈装置を使用して(又は異なる方法で)、0.5%ギ酸で酸性化された水を使用して抽出物Bを10倍希釈する。これは、最終抽出物である(情報として、pHは、約2.5である。)。
17.3.3章のLC/MS/MS測定へ進む。
18.較正曲線の外側の濃度であるために、最終抽出物を希釈することが必要である場合、0.5%ギ酸で酸性化された水を使用する。
2.3 分析及び機器条件
最終抽出物を高速液体クロマトグラフへ注入し、エレクトロスプレーイオン化を有するタンデム質量分析によって検出する。
溶媒中で調製される標準物質を使用する外部標準化によって、定量化を実施する。この方法確認の過程で使用された典型的なLC/MS/MS条件は、3.3.1章及び3.3.2章に列挙されている。これらの条件を指針として付与し、他のHPLC−MS/MSシステムに適応しなければならないことがある。
2.3.1 HPLC条件
機器:二股ポンプAgilent 1100
オートサンプラー:CTC Analytics HTC PAL
カラム:Hypercarb、100×2.0mm、5μm
プレカラム:なし
注入容積:50μL
カラム温度:大気温(約25℃)
移動相:定組成モード:55:45(v/v)メタノール+2%ギ酸/水+2%ギ酸
流量(カラム):200μL/分
保持時間:亜リン酸の場合約3.1分、ホセチル−Alの場合4.2分
備考:
・注入前にHPLCシステムの安定化に約2時間待機することが必要である。試料のセットの間に、両化合物の保持時間のわずかなドリフトを観察できる。
・Hypercarbプレカラムは、使用してはならない。
・Hypercarbカラムの位相バッチに応じて、ピーク形状を改善するために、移動相中のギ酸の百分率を(0.5%から2%まで)適合させることが可能である。
・対照的に、注入溶媒中のHCOOH割合を増大させないこと。注入溶媒として、0.5%ギ酸の水を使用することが、狭いH PO ピーク形状を保持するために必要である。
2.3.2 MS/MS条件
MRM(複合反応観察)条件下、負のイオンモードで作動するエレクトロスプレー界面の装備された三重四極子質量分析システムにおいて、実験を実施した。
例えば:
検出器:三重四極子HPLC−MS/MS質量分析器、
例えば、Sciex Instruments、API4000システム
ソース:TIS(ターボイオンスプレー)
温度:650℃
走査型:MRMモード(多重反応観察モード)
極性:負のイオンモード
ガス流量:噴霧ガス気体(GS1):40
ターボガス気体(GS2):60
カーテンガスN(CUR):15
衝突ガスN(CAD):6
衝突エネルギー:
Figure 0005028275
注意:幾つかの質量分析器条件は、機器特異的である。質量分析器条件は、分析前に適格な操作者によって最適化されるべきである。
MS/MS条件及びLC条件に関する詳細は、補遺8に記載されている。
ホセチル−Al及び亜リン酸の場合の定量化イオンに関する断片化経路を、図1及び図2に示す。
Figure 0005028275
Figure 0005028275
2.3.3 確認のための遷移
試料中の幾らかの干渉又は汚染を確認又は排除するため、上述の同一の条件において、次の移行を使用できる。
Figure 0005028275
ホセチル−Al及び亜リン酸の場合の確証的な移行に関する断片化経路を、図3及び図4に示す。
Figure 0005028275
Figure 0005028275
注意:確認のための遷移を使用することによっても、すべての回収試料を分析した。結果を補遺9に付与する。
2.4 検出器の直線性
溶媒中の標準物質及びマトリクスに合致させた標準物質を使用して、ホセチル−Al及び亜リン酸に関して、使用される検出器の直線性を検査した。
0.25ないし25μg/Lの濃度でホセチル−Al及び亜リン酸の標準物質を注入することによって、直線性を検査した。
Figure 0005028275
2.5 抽出物の保存安定性
ホセチル−Al及び亜リン酸を含有する試料抽出物の安定性は、本研究において測定されなかった。
2.6 算出
2.6.1 残留物の算出
この場合の評価は、溶媒中で調製される標準物質を使用する外部標準化に従って実施する。試料の各セットの分析中に、表4に記載の8個の標準溶液を1回注入する。標準物質は、機器の反応におけるわずかな変化も補正するために、試料の間に標準物質を配置すべきである。各化合物に関して、最小二乗法用いた、1/xの重み付けをした直線回帰によって得られる較正曲線を確立するために、濃度に対してピーク面積をプロットする。Analyst Software(1.4版)を使用して、最終抽出物中の濃度を決定するための相応のモデルを算出する。標準溶液に関して上述したものと同一の条件を使用して、各最終抽出物を1回注入する。すでに確立された推定計算モデルを使用して、各化合物のμg/Lでの最終濃度を各注入に関して測定する。各化合物について、次式を使用して、mg/kgで表される残留物Rの量を算出する。
Figure 0005028275
備考:
・試料調製中に使用されるすべての溶液(アンモニア緩衝溶液及び0.5%HCOOHを有するH O)の密度は、室温とは無関係に1に等しいと考えられる。これにより、抽出物の重量を抽出容積に変換することが可能である。
・ホセチル−Al均等物中の亜リン酸を表すことを要する場合、分子量の比を使用しなければならない。
Figure 0005028275
なぜなら、1モルのホセチル−Al(354.1g)が、亜リン酸3モルを与えるからである。
2.6.2 回収率の算出
2.6.1に従い、回収試料について、μg/Lで表した各化合物の濃度を測定する。
次に、回収率の百分率を次のとおり算出する。
Figure 0005028275
2.6.3 相対的標準偏差(RSD)の算出
RSDを次のとおり算出する。
RSD(%)=標準偏差/平均回収×100%
Figure 0005028275
3 結果及び考察
3.1 特異性及び選択性
本方法によって、土壌試料中のホセチル−A及びその代謝産物(亜リン酸)を測定できる。本方法の特異性は、非常に選択的なMS/MS検出と組み合わせたHPLC分離に起因した。
3.2 対照試料中の見かけの残留物
2つのドイツの土壌ホッフェン(Hofchen)及びラーヘルホフ(Laacher Hof)を使用して、本方法の妥当性確認した。異なる土壌の特徴の起こり得る影響を評価するために、2つの異なる土壌を使用した。DIN及び/又はUSDA仕様に従って、土壌試料を分類した。使用される土壌の土壌特性を、表33に要約する。
土壌の完全な特徴付けは、補遺10に報告されている。
Figure 0005028275
対照試料中の残留物レベルの評価を行った。結果は、表34に列挙されている。すべての対照試料に関する見かけの残留物は、各化合物に関してLOQの20%を下回っていた。すなわち0.01mg/kg未満であった。
Figure 0005028275
3.3 検出器の直線性及びマトリクス効果
溶媒中の標準物質及びマトリクスに合致させた標準物質を使用して、ホセチル−Al及び亜リン酸に関して、使用される検出器の直線性を検査した。
0.25ないし25μg/Lの濃度でホセチル−Al及び亜リン酸の標準物質を注入することによって、直線性を検査した。
実験の詳細は、2.4章に見出され得る。
各クロマトグラムにおいて、式
y=ax+b(1/xで重み付けする)
(式中、y=ピーク面積
x=注入された標準物質溶液中の濃度)
の形式の較正曲線を得るために、各標準溶液中に含有されるホセチル−Al又は亜リン酸の対応する濃度に対して、ホセチル−Al又は亜リン酸の測定されたピーク面積をプロットする。
LC/MS/MSに対する検出器の応答の測定結果が、表35に要約されている。
Figure 0005028275
溶媒中で調製された標準物質又はマトリクスに合致させた標準物質のいずれかを使用した場合、両化合物ともに、0.25ないし25μg/Lの範囲の標準物質に対して、分析物の注入された量とLC/MS/MSの検出器反応との間に優れた直線相関が観察された。
マトリクス効果の発生を観察した。
結果を表36及び表37に示す。
Figure 0005028275
Figure 0005028275
上述の2つの表36及び表37に示されている結果は、以下のことを示す。
―溶媒中で調製される標準物質又はマトリクスに合致させた標準物質のいずれかを使用して、ホセチル−Alの測定を確立する場合、有意差は観察されず、
―マトリクスに合致させた標準物質を使用する替わりに、溶媒中に調製された標準物質を使用して確立する場合、亜リン酸の測定がより良好である(より高い平均回収及びより低いRSDが見られる。)。
これらの理由すべてのために、本発明者らは、溶媒中に調製される標準物質を使用することを勧める。
3.4 定量化限界及び回収実験
定量化限界(LOQ)は、70ないし110%の範囲内の平均回収及び□20%のRSDが得られ得る場合の最低強化レベルとして定義した。土壌試料中の各化合物に対して、LOQを0.050mg/kgに設定した。
これらのマトリクスに関する方法を確認するため、分析前に、ホセチル−Al及び亜リン酸の定義された量で対照試料を強化した。
3.5 回収率
得られた詳細な回収結果を、表38及び表39に列挙する。
溶媒中で調製される標準物質及び定量化イオン(3.3.2参照)を使用することによって、表38及び39に記載されているすべての結果が得られた。確認のための遷移で得られた結果を補遺9に付与する。
Figure 0005028275
Figure 0005028275
得られた回収率が、以下の表40に要約されている。
各化合物に対して、計20の回収率を測定した。
Figure 0005028275
上述の表は、以下のことを示す。
単一の回収率は、ホセチル−Alの場合70ないし81%の、亜リン酸の場合80ないし98%の範囲にあった。すべての平均回収率は、70ないし110%の範囲にあった。すべてのRSDは、20%を十分に下回った。
4 評価及び考察
土壌中のホセチル−Al及びその代謝産物(亜リン酸)の残留物の、LC/MS/MSによる測定のために、表記の残留物分析方法の改変00974/M001の妥当性を確認した。
アンモニア緩衝溶液とともに振とうすることによって、ホセチル−Al及びその代謝産物(亜リン酸)の残留物を土壌試料から抽出する。次に、この抽出物を陽イオン性樹脂で処理し、LCMSMSによる分析の前に、最終希釈を実施する。Hypercarbカラムを使用するHPLCによって残留物を定量化し、エレクトロスプレーイオン化を使用するタンデム質量分析によって検出する。純溶媒中で調製される標準物質を使用する外部標準化によって、定量化を実施した。
確認のセットは、検出器の直線性の決定、定量化の限界及び方法の正確性を包含した。
溶媒中の標準物質及びマトリクスに合致させた標準物質を使用して、ホセチル−Al及び亜リン酸に関して、使用される検出器の直線性を検査した。
0.25ないし25μg/Lの濃度でホセチル−Al及び亜リン酸の標準物質を注入することによって、直線性を検査した。検出器の反応は、これらの範囲において直線的であった。
マトリクス効果の発生を観察した。
―ホセチル−Alが、溶媒中で調製される標準物質又はマトリクスに合致させた標準物質のいずれかを使用して確立されるとき、有意差は観察されず、
―マトリクスに合致させた標準物質を使用する替わりに、溶媒中で調製される標準物質を使用して確立するとき、亜リン酸の測定がより良好である(より高い平均回収及びより低いRSDが見られる。)。
これらの理由すべてのために、本発明者らは、溶媒中に調製される標準物質を使用することを勧める。
すべての対照試料に関する見かけの残留物は、各化合物についてLOQの20%を下回っていた。すなわち0.01mg/kg未満であった。
定量化限界(LOQ)は、70ないし110%の範囲内の平均回収及び□20%のRSDが得られ得る場合の最低強化レベルとして定義した。土壌試料中の各化合物に関して、LOQを0.050mg/kgに設定した。
方法の正確性は、測定された回収率に基づいて査定できる。単一回収率は、ホセチル−Alの場合70ないし81%の、亜リン酸の場合80ないし98%の範囲にあった。すべての平均回収率は、70ないし110%の範囲にあった。方法の正確性は、各強化レベルに関する平均回収が70ないし110%の範囲にあるべきことを要求する残留物分析方法に関する要件を満たす。
方法の精度及び再現性は、回収率の平均値に対して求められた相対的標準偏差(RSD)に基づいて評価できる。すべてのRSDは、20%を十分に下回った。したがって、方法の正確性及び再現性は、許容されると考えることができる。
方法の妥当性確認のすべての結果は、残留物分析方法に関する一般的な要件に従っているため、この方法の改変の妥当性は適切に確認されている。
注意:分析の間、設定された各試料に関し、試料調製に由来する亜リン酸の夾雑が見られないこと(30%未満のLOQ)ようにするため、土壌試料を含まないブランク試薬を調製することが必要である。
備考:
標準的な実験室用ガラス製消耗品は、リン酸塩を含有しない界面活性剤のみで洗浄し、水及びアセトンですすぐべきである。
あらゆる夾雑を回避するため、使い捨ての実験室用消耗品の使用を強く勧める。
確認/測定の開始の前に、機器/試薬は、亜リン酸のあらゆる残留物について検査すべきである。
幾らかの夾雑が観察される場合、特殊なHPLCバイアル(例えば、ポリプロピレンバイアル、Agilent、art.5182−0567)の使用が、亜リン酸に対するバックグラウンドを低下させるのに役立ち得るかどうかを検証する。
Figure 0005028275
補遺8 LC−MS/MS条件に関する詳細
コメント:
同期化モード:LC同期化
自動平衡化:オフ
獲得時間:10分1秒
走査数:455
ファイル中の時間:1
獲得モジュール:獲得方法
ソフトウェアバージョン Analyst1.4
MS方法特性:
第1期:
期間中の走査:455
相対的な開始時間:0.00ミリ秒
期間中の実験:1
第1期 実験1:
走査型:MRM(MRM)
極性:負
走査モード:N/A
イオン源:ターボスプレー
解像Q1:ユニット
解像Q3:ユニット
強度閾値:0.00cps
設定時間:0.0000ミリ秒
MRポーズ:5.0070ミリ秒
MCA:なし
段階の大きさ:0.00amu
Figure 0005028275
Figure 0005028275
Figure 0005028275
Figure 0005028275
パラメータの表(第1期 実験1):
CAD:6.00
CUR:15.00
GS1:40.00
GS2:60.00
TEM:650.00
ihe:オン
IS:−4500.00
EP −10.00
Agilent 1100 LCポンプ方法の特性:
ポンプモデル:Agilent 1100 LC二股ポンプ
最小圧力(psi):0.0
最大圧力(psi):5801.0
死容積(μL):40.0
最大流量傾斜(mL ):100.0
最大圧力傾斜(psi/秒):290.0
段階表:
段階 総時間(分) 流速(μL/分) A(%) B(%)
0 0.00 200 55.0 45.0
1 10.00 200 55.0 45.0
左側圧縮率:50.0
右側圧縮率:115.0
左側死容積(μL):40.0
右側死容積(μL):40.0
左側拍出量(μL):−1.0
右側拍出量(μL):−1.0
左側溶媒:A1(メタノール+2%ギ酸)
右側溶媒:B2(水+2%ギ酸)
CTC PALオートサンプラー方法特性:
ループ容積1(μL):50
ループ容積2(μL):100
注入容積(μL):100.000
方法の記述:
シリンジ:250μL
Analyst LC−Inj
空気体積(μL)
溶媒1による前洗浄 2
溶媒2による前洗浄 1
試料による前洗浄 0
充填速度(μL/秒) 50
充填拍出 0
注入箇所 LC Vlv1
注入速度(μL/秒) 50
注入前遅延(ミリ秒) 500
注入後遅延(ミリ秒) 500
溶媒1による後洗浄 3
溶媒2による後洗浄 2
溶媒1によるバルブ洗浄 2
溶媒2によるバルブ洗浄 1
Figure 0005028275
Figure 0005028275
Figure 0005028275
確認のための遷移とともに上述で得られたすべての結果は、欧州要件に従う。
Figure 0005028275
Figure 0005028275

Claims (13)

  1. 以下の工程:
    −試料の調製
    −試料の、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)/タンデム質量分析(MS/MS)による直接的な分析
    を含む、試料の0.00005mg/kg以下の量で存在する亜リン酸及びホセチル−Alを直接同時分析するための方法。
  2. 試料が、植物組織、水、土壌、動物生成物又は組織、空気、食用農作物、及びヒトの体液から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 試料が、高い水分含有量の植物マトリクス、酸性pHを有する植物マトリクス、乾燥植物マトリクス、脂肪性植物マトリクス、鉱水、地下水、水道水又は地表水、乳、卵、肝臓、腎臓、脂肪、筋肉、変換された食用農作物、及びヒトの体液から選択される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 調製が、植物組織、土壌、動物生成物又は組織、及び変換された食用農作物からの抽出、水からの濃縮、並びに空気からの捕捉から選択される、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 調製された試料の希釈の工程を含む、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 希釈が、酸性化され得る水溶性溶媒中で、又は酸性化され得る有機溶媒中で、又はこのような溶媒の混合物中で実施される、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 水溶性溶媒が、ギ酸、酢酸若しくはトリフルオロ酢酸から選択される酸を含むか、又は有機溶媒が、アセトニトリル若しくはメタノールから選択される、請求項6に記載の方法。
  8. 高速液体クロマトグラフィーが、2%までのギ酸を含む水(45%〜65%(体積/体積))及びメタノール(35%〜55%(体積/体積))からなる移動相を用いて行われ、前記移動相が、イソクラティックモードで用いらる、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 試料が植物組織から選択されるものであり、移動相が0.5%のギ酸を含む水(65%(体積/体積))及びメタノール(35%(体積/体積))から構成されるものである、請求項7に記載の方法。
  10. 試料が水又は土壌から選択されるものであり、移動相が2%のギ酸を含む水(45%(体積/体積))及び2%のギ酸を含むメタノール(55%(体積/体積))から構成されるものである、請求項7に記載の方法。
  11. 亜リン酸の定量化限界が0.1mg/kgであり、ホセチル−Alの定量化限界が0.01mg/kgである、亜リン酸及びホセチル−Alの直接同時分析のための請求項9に記載の方法。
  12. 水試料の場合、亜リン酸の定量化限界が0.0001mg/であり、ホセチル−Alの定量化限界が0.0001mg/である、亜リン酸及びホセチル−Alの直接同時分析のための請求項10に記載の方法。
  13. 土壌試料の場合、亜リン酸の定量化限界が0.05mg/kgであり、ホセチル−Alの定量化限界が0.05mg/kgである、亜リン酸及びホセチル−Alの直接同時分析のための請求項10に記載の方法。
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