JP5025728B2 - シンボルベースランダム化された直交周波数分割多重(ofdm)を利用したデータ通信システム及び方法 - Google Patents

シンボルベースランダム化された直交周波数分割多重(ofdm)を利用したデータ通信システム及び方法 Download PDF

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Description

本発明は、通信システムに関し、より詳細には、限定するものではないが、直交周波数分割多重(OFDM)通信システムを含むマルチキャリア通信システムに関する。
OFDM通信システムでは、周波数分割多重(FDM)通信信号の周波数及び変調は、各周波数上の信号間の干渉を排除するため、互いに直交して配置される。このシステムでは、チャネル時間特性に比較して相対的に長いシンボルによる低レート変調は、マルチパス伝搬問題の影響が少ない。このため、OFDMは、1つの周波数上の1つの広範な周波数帯域により1つの高シンボルレートのストリームを送信する代わりに、同時に複数の周波数を利用して個別の狭い周波数サブバンドにより複数の低シンボルレートのデータストリームを送信する。これら複数のサブバンドは、チャネル伝搬効果が一般にチャネル全体よりも所与のサブバンドにおいてコンスタントであるという効果を有する。従来のI/Q(In−phase/Quadrature)変調は、各サブバンドにより送信可能である。また、OFDMは、典型的には、順方向誤り訂正スキームと共に利用され、それは、ここでは符号化直交周波数分割多重変調又はCOFDMを呼ばれる。
OFDM信号は、例えば、QAM(Quadrature Amplitude Modulation)又はPSK(Phase−Shift Keying)などにより独立に変調された各サブキャリア上のベースバンドデータを有する複数の直交サブキャリア信号の和とみなすことができる。このベースバンド信号はまた、メインRFキャリアを変調することができる。
OFDM通信システムは、高い周波数効率(1Hzの帯域幅毎に毎秒多数のビット)、マルチパス干渉のシンプルな低減及びフィルタリングノイズ軽減を有する。しかしながら、OFDM通信システムは、チャネルにおける時間変動、特にキャリア周波数オフセットを生じさせるという問題がある。OFDM信号は多数のサブキャリア信号の和であるため、それは高いピーク・ツー・アベレージ振幅又はPAPRを有する可能性がある。また、インバンドでの自己干渉を発生させ、隣接チャネル干渉を生じさせる可能性のあるサブキャリア信号間の相互変調を最小限に抑える必要がある。キャリア位相ノイズ、ドップラ周波数シフト及びクロックジッタが、近接周波数のサブキャリアについてキャリア間干渉(ICI)を生じさせる可能性がある。これらサブキャリアは、典型的には、伝送周波数内の割り当てられた周波数位置において送信される。OFDM信号の送信期間中、サブキャリア毎の平均パワーは大きなものであり、容易に検出及び傍受することが可能であり、これは、低検出確率(LPD)及び低傍受確率(LPI)特性を要求するシステムには望ましくない。OFDM信号を受信しようとする受信機は、許容される低ビットエラーレート(BER)により信号を復調及び復号するため、サブキャリア毎の最小のSNR(Signal−to−Noise Ratio)を要求する。伝送周波数内に他の所望されないエネルギーが存在する場合、SNRはBERの増大の発生を減少させる。この所望されないエネルギーは、他のソースからの意図しないノイズである可能性がある。この場合、ノイズは“干渉”と呼ばれ、ソースは“干渉源”と呼ばれる。送信を損わせる所望されないエネルギーが、通信妨害源として知られる第三者ソースにより意図的に送信される場合、それは“妨害信号”と呼ばれる。従来のOFDM信号は、許容される低BERに対して要求される最小限のサブキャリア毎にSNRのため、このような干渉源及び通信妨害源の影響を受ける。さらに、チャネルにおける周波数選択フェージングは、OFDM信号の伝送周波数内に送信ヌル(transmission null)を生じさせ、それは、周波数位置に応じてこれらのヌル内の特定のサブキャリア上のSNRを選択的に低減させ、BERの望ましくない増大を導く。
システム及び装置は、データを通信する。変調・マッピング回路は、データシンボルを、固定的又は可変的なOFDMシンボルレートに基づき直交周波数分割多重(OFDM)通信信号を構成するよう互いに直交した複数のマルチサブキャリア周波数に変調及びマッピングする。擬似ランダム信号生成手段は、傍受及び検出確率を低下させ、周波数毎のパワー(dB/Hz/sec)を低下させ、瞬間的な信号対ノイズ比を維持しながら要求される送信パワーを低下させるようOFDMシンボルレートにおいて各サブキャリアを周波数ホッピングするため、暗号化アルゴリズムに基づき変調・マッピング回路に擬似ランダム信号を生成するため、県庁・マッピング回路と共に動作する。
擬似ランダム信号生成手段は、連続するOFDMシンボルが同一周波数においてサブキャリアを送信しないように、暗号化アルゴリズムに基づき擬似ランダム信号を生成するよう動作可能である。擬似ランダム信号生成手段はまた、ガードインターバルが縮小又は排除されるように、暗号化アルゴリズムに基づき擬似ランダム信号を生成するよう動作可能である。逆高速フーリエ変換(IFFT)回路は、逆高速フーリエ変換を適用し、互いに直交するサブキャリアを変調する。変調・マッピング回路はまた、暗号化アルゴリズムに基づき各サブキャリアをIFFT回路にマッピングするサブキャリアマッピング回路を有することが可能である。変調・マッピング回路はまた、PAPR(Peak−to−Average Power Ratio)を低下させるため、信号を挿入するよう動作可能である。変調手段は、特定のマッピングアルゴリズムに基づき、通信データを変調シンボルにマッピングすることが可能である。
他の特徴では、擬似ランダム信号生成手段は、暗号化アルゴリズムを用いて振幅と位相の各値を変更するため、変調手段に動作接続可能である。エンコーダとしての順方向誤り訂正回路が、非限定的な実施例において、FEC符号を付加することが可能である。当該装置は送信機の一部として含めることが可能であり、受信機は通信信号を受信可能であり、通信データを取得するため、通信信号を処理するデマッピング・復調回路を含む。この送信機は、主キャリア信号を変調するよう動作可能である。擬似ランダム信号生成手段はまた、キャリア間干渉(ICI)を低下させるため、OFDMシンボルが隣接周波数によりサブキャリアを送信しないように、暗号化アルゴリズムに基づき擬似ランダム信号を生成するよう動作可能である。方法の特徴がまた与えられる。
本発明の他の課題、特徴及び効果は、添付した図面を参照しながら以下の発明の詳細な説明により明らかとなるであろう。
図1A及び1Bは、無線送信チャネルを介し接続されるIEEE802.11aによるOFDMモデムのための送信機回路と受信機回路とをそれぞれ示す従来技術によるハイレベルブロック図である。 図2A〜2Cは、a)シングルキャリア信号と、b)周波数分割多重(FDM)信号と、c)直交周波数分割多重(OFDM)信号を表すスペクトル図である。 図3Aは、従来のOFDM信号の3次元表現を示すグラフである。 図3Bは、図3Aに示されるような従来のOFDM信号のパワー分布を示すスペクトルグラムである。 図3Cは、図3Aに示されるような典型的なOFDMスペクトルの2次元表現を示すグラフである。 図3Dは、図3Aに示されるような従来のOFDM信号の64−QAMコンステレーションのグラフである。 図4A〜4Dは、各グラフがOFDMスペクトルを示すスペクトル密度グラフであり、1つのグラフは52サブキャリアがオンであることを示し、当該グラフと比較される26サブキャリアがオン、13サブキャリアがオン、キャリア間干渉(ICI)を低減する6サブキャリアがオンである各スペクトル図を示し、図4Eは、スペクトル密度関数からのトータルの送信パワーを示す説明と式である。 図5は、本発明の非限定的な実施例による周波数ホッピングOFDM信号のシンボルベース及び周波数ランダム化されたサブキャリアの3次元スペクトルグラム(パワー対周波数対時間)と、比較のため重乗された従来のシングルキャリア信号を示すグラフである。 図6は、本発明の非限定的な実施例による周波数ホッピングOFDM信号を生成するのに利用可能な送信機のハイレベルブロック図である。 図7は、本発明の非限定的な実施例による送信された周波数ホッピングOFDM信号を受信及び処理するのに利用可能な受信機のハイレベルブロック図である。 図8A及び8Bは、本発明の非限定的な実施例によるLPDの向上と、周波数ホッピングOFDM信号のスペクトル比較を示すグラフである。 図9は、本発明の非限定的な実施例による周波数ホッピングOFDM信号と検出可能性を低下させるよう改良された信号とのノイズのスペクトル比較を示すグラフである。 図10は、本発明の非限定的な実施例によるWalsh変換前の周波数ホッピングOFDM信号の3次元表現を示すグラフである。 図11は、本発明の非限定的な実施例によるWalsh変換後の周波数ホッピングOFDM信号の3次元表現を示すグラフである。 図12は、本発明の非限定的な実施例によるサブキャリアがシンボルベース及びランダム化された周波数ホッピングOFDM信号のサブキャリアへのWalsh変換の追加を示すパワー対周波数のグラフである。 図13は、逆Walsh変換前の受信した周波数ホッピングOFDM信号の3次元表現を示すグラフである。 図14は、逆Walsh変換後の受信した周波数ホッピングOFDM信号の3次元表現と、受信信号コンステレーションを示すグラフである。 図15A及び15Bは、バンドの中央にシングルキャリアを示す例示及び比較のため、Walsh変換前後の周波数ホッピングOFDM信号の3次元表現を示すグラフである。 図16は、本発明の非限定的な実施例による周波数ドメイン逆拡散後の干渉信号を有する受信した周波数ホッピングOFDM信号の3次元表現を示すグラフである。 図17は、ノイズが追加されたWalsh変換前の周波数ホッピングOFDM信号の3次元表現を示すグラフである。 図18は、本発明の非限定的な実施例による逆Walsh変換前の干渉源を有する受信した周波数ホッピングOFDM信号の3次元表現を示すグラフである。 図19は、本発明の非限定的な実施例によるWalsh変換がオン及びオフであるときのグラフ表現によりスペクトルを示す干渉源を有する周波数ホッピングOFDM信号のスペクトル比較を示すグラフである。 図20は、逆Walsh変換前の干渉源を有する受信した周波数ホッピングOFDM信号のパワースペクトルを示すグラフである。 図21は、本発明の非限定的な実施例による干渉源を有する周波数ホッピングOFDM信号の周波数ドメイン逆拡散を示すグラフである。 図22は、本発明の非限定的な実施例による周波数ドメイン逆拡散による周波数ホッピングOFDM信号の3次元表現と、受信信号コンステレーションを示すグラフである。 図23は、本発明の非限定的な実施例により利用可能な通信システムの一例のブロック図である。
以下において、本発明が、好適な実施例が示される添付した図面を参照して十分に説明される。しかしながら、本発明は、多数の異なる形態により実現可能であり、ここに記載される実施例に限定されるものとして解釈されるべきでない。むしろ、以下の実施例は、本開示が十分かつ完全なものとなるように提供されているものであり、当業者に本発明の範囲を十分伝えるものであろう。全体を通じて、同様の番号は同様の要素を示す。
本発明の非限定的な実施例によるシステム、装置及び方法は、シンボルベースランダム化(SBR)直交周波数分割多重(OFDM)通信信号を利用して、低傍受確率(LPI)及び低検出確率(LPD)を向上させる。この信号はまた、同一瞬間のSNR(Signal−to−Noise Ratio)を維持しながら毎秒のHz毎の平均パワーを低下させることによって、FCC(Federal Communications Commission)のスペクトルマスク内で送信パワーを増大させることを可能にする。Walsh変換などの周波数ドメイン拡散関数がまた、パフォーマンスを向上させるため周波数ドメインで適用可能である。
OFDMはまた、信号が異なる周波数において送信されるマルチキャリア信号を利用するため、マルチキャリア変調(MCM)とも呼ばれる。1つのチャネル又はキャリアにより通常送信されるビット又はシンボルの一部は、本システムによってチャネルの複数のキャリアにより送信される。先進的なデジタル信号処理(DSP)が、所定の周波数において複数のキャリア(サブキャリア)にデータを分散する。例えば、最も低い周波数のサブキャリアがベース周波数を使用する場合、その他のサブキャリアは当該ベース周波数の整数倍となりうる。サブキャリア間の関係は、1つのサブキャリアからのエネルギーが他のすべてのサブキャリアのエネルギーがゼロとなる周波数に出現しうるような直交性とみなされる。同一周波数範囲に周波数の重複が存在しうる。これは、マルチパスの副作用によるシンボル間干渉(ISI)によって、各サブキャリアのシンボルレートを低下させる。多くのOFDM通信システムでは、ガードインターバル(GI)又はサイクリックプリフィックス(CP)が、ISIの影響を軽減するため、OFDMシンボルに前置又は付加される。
図1A及び1Bは、IEEE802.11aによるOFDMモデムの基本回路コンポーネントを示し、図1Aにおいて送信回路30を示し、図1Bにおいて受信回路32を示すハイレベルブロック図である。比較して、図2Aはシングルキャリア信号のスペクトルを示し、図2Bは図2Aのシングルキャリア信号と比較した従来の周波数分割多重(FDM)信号のスペクトルを示す。図2Cは、OFDM信号のスペクトルを示す。
図2A〜2Cは、OFDMが各周波数チャネルが変調される周波数分割多重(FDM)システムに基づくことを示している。FDMシステムの周波数及び変調は、チャネル間の干渉を排除するため、互いに直交される。チャネル時間特性と比較して相対的に長いシンボルによる低レート変調はマルチパスへの影響が低いため、OFDM通信システムは、単一のキャリアにより送信される1つの高レートシンボルストリームでなく、複数の低レートシンボルストリームが複数のキャリア上で同時に送信されることを可能にする。従って、OFDM通信システムの周波数スペクトルは、複数の低帯域幅サブバンドに分割される。各サブバンドは周波数スペクトルの相対的に狭い部分をカバーするため、占有スペクトル全体におけるチャネル変動と比較して、所与のサブバンドに対してチャネル伝搬効果をより一定又は“フラット”にする。サブキャリアを変調するため、例えば、BPSK(Binary Phase Shift Keying)、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、QAM(Quadrature Amplitude Modulation)又はこれらの変調方式の多数及び異なる変形の何れかなど、何れかのタイプのI/Q(In−phase and Quadrature)変調が利用可能である。チャネル符号化、電力配分、適応的変調符号化及び同様の方式など、各種信号処理技術が1以上のサブバンドに適用可能である。例えば、時間、符号化又は周波数分離などを利用して、マルチユーザ割当てがまた可能である。
図1A及び1Bに示されるような送信機及び受信機を利用したOFDM通信システムでは、1つの送信機が、各周波数間の相対的な振幅位相関係に関して独立した多数の異なる直交周波数により信号を送信する。各サブキャリア信号は、典型的には、1つのみの狭帯域信号のスペースしか有しない。なぜなら、各信号は近接し、隣接するサブキャリア上の信号が互いに干渉するのを防ぐことが重要であるためである。OFDMシステムでは、各サブキャリアのシンボルは、それらの周波数成分からのエネルギーが他の各サブキャリアの中心においてゼロとなるよう構成され、従来のFDMよりOFDMシンボルの周波数効率を向上させることが可能となる。
図1A及び1Bに示されるOFDMシステムは、順方向誤り訂正符号化エンコーダを使用して符号化直交FDM(COFDM)信号を生成するチャネル符号化をFEC(Forward Error Correction)技術として含む。連続波(CW)干渉及び/又は選択的チャネルシステムを含むチャネル状態情報(CSI)がまた、利用可能である。
OFDM信号は、典型的には、各直交サブキャリアの和である。ベースバンドデータは、上述されたQAM又はPSKなどの何れかのタイプの変調を利用して、各直交サブキャリアに独立に変調される。各サブキャリアのスペクトルが重複しているため、それは、重複が許容されない場合よりかなり広いものとなりうる。従って、OFDMは、高い周波数効率を提供する。各サブキャリアは低シンボルレートにより動作するため、サブキャリアの各シンボルの期間は長くなる。(明確化のため、“シンボルレート”は“シンボル期間”の逆数に等しい。)FEC等化及び変調を利用することによって、a)リンク分散、b)ゆっくり変動する位相ゆがみ及びフェージング、c)周波数レスポンスヌル、d)一定の干渉、及びe)バーストノイズに対する抵抗力が向上しうる。さらに、ガードインターバル(GI)又はサイクリックプリフィックスの利用は、送信チャネルのマルチパスに対する抵抗力を向上させる。
典型的には、OFDM通信システムでは、サブキャリアと矩形状パルスが利用可能であり、送信機内の逆高速フーリエ変換(IFFT)回路を用いた逆離散フーリエ変換(IDFT)により処理される。受信機では、高速フーリエ変換(FFT)回路がこの処理を逆を行う。矩形状パルスの形状は、サブキャリアにSin(x)/xのスペクトルを生じさせる。
サブキャリアの配置は、受信したサブキャリアが受信機と送信機の同期の際にゼロ又は許容可能な低いキャリア間干渉(ICI)しか生じさせないように選択可能である。典型的には、OFDM通信システムは、利用可能な帯域幅を数十から8千〜1万までの多数の狭帯域サブバンドに分割する。図2Bの従来のFDMを用いたマルチチャネルを提供する通信システムと異なり、OFDMの各サブバンドのサブキャリアは、互いに直交すると共に、近接してほとんどオーバヘッドを有しない。OFDM通信システムでは、時間分割多重接続(TDMA)通信システムと同様に各ユーザ間で生じうるスイッチングに係るオーバヘッドがほとんどない。通常、OFDM通信システムにおけるサブキャリアの直交性は、各キャリアがシンボル期間において整数個のサイクルを有することを可能にする。この結果、サブキャリアのスペクトルは、それの隣接サブキャリアの中心周波数においてヌルを有する。
通常、OFDM通信システムでは、データを送信するのに必要なスペクトルは、入力データと、送信データに割り当てられた各キャリアにより使用される所望の変調方式とに基づき選択される。キャリアの何れかの振幅及び位相は、例えば、上述されるようなBPSK、QPSK又はQAMなどの変調に基づき計算される。何れか必要とされるスペクトルが、キャリア信号が直交となることを確実にするため、IFFT回路を用いて変換される。
FFT回路が、直交する正弦波成分の和として生成される等価波形を検出することによって、循環的な時間ドメイン信号を等価な周波数スペクトルに変換することが理解されるべきである。時間ドメイン信号の周波数スペクトルは、通常、振幅及び位相正弦波成分により表される。IFFT回路は、逆の処理を実行し、振幅及び位相のスペクトルを時間ドメイン信号に変換する。例えば、IFFT回路は、複素データポイントのセットを同数のポイントの時間ドメイン信号に変換可能である。各複素入力ポイントは、IFFTへの入力と同数のポイントにより表される整数個のシヌソイド(sinusoid)及びコシヌソイド(cosinusoid)サイクルをもたらすであろう。同相成分として知られる各シヌソイドと、直交成分として知られるコシヌソイドとは、IFFTにより生成される他のすべての成分と直交することになる。このため、直交キャリアは、所望のサブキャリア周波数を表す各周波数ポイントの振幅と位相を設定し、IFFTを実行することにより生成可能である。
サイクリックプリフィックスとも呼ばれるガードインターバル(GI)がOFDMシンボルにしばしば付加されることが理解されるべきである。ガードインターバルは、シンボル間干渉(ISI)に関する無線チャネルの影響を軽減し、冗長な送信情報を含む。非限定的な具体例としてIEEE802.11a規格を参照するに、キャリアスペーシングが312.5KHzであり、フーリエ変換が3.2ミリ秒間実行される場合、ISIの排除のため0.8ミリ秒のガードインターバルが適用可能である。ガード“インターバル”は、OFDMシンボルに前置される最後のT秒のアクティブシンボル期間とすることが可能であり、それをサイクリックプリフィックスにする。それは、アクティブシンボルのトータルの長さに対応して、Tの一部について短くされるが、チャネルインパルスレスポンスより長くされる。これは、ISI及びキャリア間干渉(ICI)を低下さることに寄与し、サブキャリアの直交性を維持する。本例では、時間波形が、FFTの期間において受信機に周期的に現れる。
ICIを低下させるため、OFDMシンボルの遅延したコピーが、当該遅延がガード時間より短い限り、FFTインターバル内に整数個のサイクルを有することが可能であることを確実にするため、OFDMシンボルがガード時間において周期的に拡張可能である。
送信信号のコピーが異なる時点で受信機に到来するとき、マルチパス干渉が生じる。OFDM通信システムは、各種符号化アルゴリズムを利用することにより周波数と時間の双方において信号冗長性を付加する機能を設けることによって、マルチパス干渉の効果を低下させることが理解されるべきである。例えば、OFDMを利用したIEEE802.11a規格によると、48のキャリアが同時に送信可能である。符号化ゲインが、送信機の1/2畳み込みエンコーダと以降のViterbiデコーダとを用いて提供可能である。データビットは、複数のシンボルとキャリアにインタリーブできる。欠落したデータがしばしば、周波数及び時間スペースにわたるインタリーブにより復元可能である。
データレートの増大は、固定されたキャリア数、固定された変調方式及び固定されたサンプルレートについてシンボルレートの増大を要求する。シングルキャリアシステムについて、チャネルにより引き起こされる振幅と時間の歪みを補償するため、複雑なイコライザと適応的フィルタが受信機に必要とされる。このようなイコライザとフィルタについて必要とされる精度とダイナミックレンジは、シンボル時間の低減に従って顕著に増大する。しかしながら、OFDMシステムでは、例えば、48のサブキャリアが同時に送信されると、シンボルレートは48回効果的に低減され、チャネルイコライザとフィルタの要求を大きく低下させる。OFDMシステムのシンボルレートの低下は、ISIに耐性のあるロウバストな通信リンクを可能にする。
OFDM受信機はサブキャリアとして異なる信号の和を受信することが理解されるべきである。ガードインターバルの付加はさらに、受信した各シンボル時間中にシンボル遷移が発生しないことを確実にすることによって、OFDMシステムにおけるパフォーマンスをさらに向上させることが可能である。例えば、OFDMサブキャリアがBPSK変調される場合、シンボル境界に180度の位相ジャンプが生じる。最初と最後のマルチパス信号の間の最大予想時間差より長いガードインターバルを選択することによって、このような位相遷移がガード時間中のみ生じる可能性があり、これは、FFTインターバルの期間中に位相遷移がないことを意味する。遅延パスの位相遷移が受信機のFFTインターバル内に発生した場合、遅延パスの位相変調波を有する第1パスの各サブキャリアの和は、もはや直交サブキャリアのセットを生成せず、あるレベルの干渉を生じさせる。
図1Aは、上述したIEEE802.11aのOFDMモデムについて従来の送信機30のハイレベルブロック図を示す。送信機30は、通信対象のデータ33を表す信号を受信し、上述されるような順方向誤り訂正コードにより信号を符号化するFEC符号化回路34を有する。この信号は、インタリーブ及び周波数マッピングが行われるインタリーブマッピング回路36にわたされる。IFFT回路38は、インタリーブ及び周波数マッピングされた信号を受信し、シンボルとして知られる単一の同相/直交時間ドメインシーケンスに集約される複数の時間ドメインキャリアを生成する。ガードインターバル回路40は、ガードインターバルを付加する。レイズドコサインフィルタなどのシンボル波整形フィルタ42は、それのスペクトルコンテンツを限定するようシンボル波形を整形する。その後、I/Q変調手段44は、ベースバンドI/O信号を処理し、I/Q変調を実行し、LO新合成性手段46からローカルオシレータ(LO)信号を受信する。最後の送信キャリア周波数への信号アップ変換がミキサ48で実行され、ミキサ48が、LO信号生成手段50により生成されるローカルオシレータ信号を受信する。その後、当該信号はHPA(High Power Amplifier)52により増幅され、OFDM信号がアンテナを介しそれの搬送波上でRFチャネル31により送信される。I/Q変調手段44とミキサ48との間、ミキサ48とHPA52との間、HPA52の出力などにおける各種段階の周波数フィルタリングは、ブロック図に示されていない。
図1Bは、一例となるIEEE802.11aのOFDMモデムに使用される従来の受信回路32のハイレベルブロック図を示す。アンテナ60は、搬送波上のPFチャネル31からOFDM信号を受信する。それは、低ノイズアンプ(LNA)62内で増幅される。ミキサ64の内部で信号ダウン変換が行われ、ミキサ64はまた、LO信号生成手段66により生成されるローカルオシレータ信号を受信する。AGC(Automatic Gain Control)アンプ68は、適切な信号レベルが以降の回路に適用されることを確実にするため、ダウン変換された信号に自動ゲイン制御を提供する。AGC回路は、フィードバック技術を利用し、当業者に周知である。同相直交信号検出が、I/Q検出回路70内で行われ、I/Q検出回路70はまた、LO信号生成手段72から生成されるローカルオシレータ信号を受信し、LO信号生成手段72はまた、図示されるように、AFC(Automatic Frequency Control)クロック復元回路74と共に動作する。AFC回路は、I/Q検出手段を適切にチューニングさせるため、ローカルオシレータ72の周波数を調整する。I/Q検出回路70、AFCクロック復元回路74及びLO信号生成手段72は、図示されるように、当業者に知られているフィードバックループを形成する。ガードインターバルは、GI回路76内で取り除かれる。高速フーリエ変換(FFT)は、FFT回路78内でIFFTのリバースとしてサブキャリア上で適用される。デマッピング・デインタリーブ回路80内で、デマッピング及びデインタリーブが行われる。FECデコーダ82の内部で、順方向誤り訂正復号化が行われ、FECデコーダ82は、信号処理を終了させ、オリジナルデータを受信通信データ83として復元する。従って、図1Bに示される受信回路32の機能は、図1Aに示される送信回路30のリバースを機能的に処理することは明らかである。
上述されるように、OFDM通信システムは、図1Aに示されるようなIFFT処理の前にFEC技術と既知のインタリーブ及びマッピング技術を利用可能であると共に、図1Bに示されるFFT処理後にデマッピング及びデインタリーブ技術と、その後の復号化を利用可能である。
上記インタリーブ、パンクチャリングを含む畳み込み符号などの符号化、デインタリーブ、復号化及び関連技術はしばしば、OFDM通信システムの主要部である。例えば、レート1/2でK=7の畳み込み符号は、符号化中の順方向誤り訂正のための工業規格符号として利用可能である。本発明を理解するため、これら基本的なシステム構成要素のより詳細な説明が以下になされる。
畳み込み符号は誤り訂正符号であり、通常は一例として、出力ビット数に等しいnと、入力ビット数に等しいkと、メモリレジスタ数に等しいmとのパラメータ(n,k,m)を有する。k/nの値は本定義ではコードレートと呼ばれ、符号の効率性の指標となる。一例では、パラメータkとnは、典型的には1〜8の範囲であり、パラメータmは、典型的には2〜10の範囲であり、コードレートは、典型的には1/8〜7/8の範囲である。ときには、畳み込みコードレートが、符号の制限された長さに等しいLを有するパラメータ(n,k,L)により指定される。従って、制限された長さは、nの出力ビットの生成に影響を与えるエンコーダメモリにおけるビット数を表すことが可能である。ときには、各記号は使用される定義に応じてスイッチされるかもしれない。
符号化データの変換は、情報シンボルと符号の制限された長さの関数である。シングルビット入力符号は、異なるコードレートを与えるパンクチャード符号を生成することができる。例えば、レート1/2の符号が使用されるとき、エンコーダの出力ビットのサブセットの送信は、レート1/2の符号をレート2/3の符号に変換可能である。従って、1つのハードウェア回路又はモジュールは、異なるレートの符号を生成可能である。ソフトウェア又はハードウェアを介して雨や他のチャネルを劣化させる状態などのチャネル状態に応じてレートを動的に変更可能なパンクチャード符号がまた利用可能である。
畳み込み符号ののためのエンコーダは、典型的には、入力ビットと共に以前のいくつかの入力ビット(エンコーダの状態として知られる)とを通常含む、符号化のためのLFSR(Linear Feedback Shift Register)又はLUT(Look−Up Table)を利用し、当該テーブルの値はエンコーダの出力ビットである。エンコーダ機能を状態図、ツリー図又はトレリス図として見ることが可能である。
畳み込み符号のための復号化システムは、1)シーケンシャル復号化、又は2)最尤復号化を利用可能であり、非限定的な一例として、典型的にはより望ましいViterbi復号化などがあげられる。シーケンシャル復号化は、トレリスを介し順方向と逆方向の両方の動きを可能にする。最尤符号化としてのViterbi符号化は、所与の長さの受信シーケンスを調べ、各パスのメトリックを計算し、当該メトリックに基づき判定する。ターボ符号は、利用可能な順方向誤り方式の他の例である。
畳み込み符号のパンクチャリングは、一部のOFDMシステムでは一般的であり、本発明の非限定的な実施例により利用可能である。一部の実施例では、パンクチャード畳み込み符号は、特定の論理ビット又はシンボルの周期的な排除によって、低レートエンコーダの出力から取得される高レート符号であることが理解されるべきである。パンクチャード畳み込み符号のパフォーマンスは、オリジナルの符号と比較して劣化する可能性があるが、典型的には、データレートは向上する。
本発明の非限定的な実施例として利用可能な基本的構成要素の一部は、バイナリ出力ベクトルのシーケンスを生成するためのバイナリ入力ベクトルのシーケンスを符号化し、トレリス構成を用いて定義可能な畳み込みエンコーダを有する上述された送信機を含む。ブロックインタリーバなどのインタリーバが、出力ベクトルのビットの順序を置換する。インタリーブされたデータはまた、送信機において変調され(送信シンボルへのマッピングにより)、送信される。受信機では、復調手段がこの信号を復調する。
ブロックデインタリーバは、インタリーブされたビットを復元する。Viterbiデコーダは、バイナリ出力データを生成するため、デインタリーブビットのソフト判定を復号化可能である。
しばしば、上述された無線モデム又は送受信機の一部として畳み込みエンコーダとViterbiデコーダとを有するViterbi順方向誤り訂正モジュール又はコアが利用される。例えば、畳み込み符号の制限された長さが7である場合、エンコーダとViterbiデコーダとは、工業規格パンクチャリングアルゴリズムを用いて選択可能な1/2,2/3,3/4,4/5,5/6,7/8のコードレートをサポートしうる。
異なる設計及びブロックシステムのパラメータは、畳み込み符号が計算される入力ビットの個数としての制限された長さと、畳み込みエンコーダの入力ビットと出力ビットの比としての畳み込みコードレートとを含むことが可能である。パンクチャリングレートは、1/2のレートの符号などから求められるパンクチャリング処理を用いた畳み込みエンコーダの入力ビットと出力ビットの比を含みうる。
Viterbiデコーダのパラメータは、畳み込みエンコーダの入力ビットと出力ビットの比としての畳み込みコードレートを含みうる。パンクチャレートは、パンクチャリング処理を用いた畳み込みエンコーダの入力ビットと出力ビットの比とすることが可能であり、レート1/2のマザー符号から求めることが可能である。入力ビットは、デコーダの処理ビット数とすることが可能である。Viterbi入力幅は、Viterbiデコーダへの入力データ(すなわち、ソフト判定)の幅とすることができる。トレースバック深さは、最も可能性のある復号化されたビット値を計算するためViterbiデコーダにより必要とされるパスの長さとすることが可能である。復号化処理のためのパスメトリック情報を格納するメモリのサイズが、メモリサイズとすることができる。いくつかの例では、Viterbiデコーダは、デパンクチャ機能ブロック又はモジュールとViterbi機能ブロック又はモジュールとの間にFIFO(First−In/First−Out)バッファを有することが可能である。Viterbi出力幅は、Viterbiデコーダへの入力データの幅とすることが可能である。
エンコーダは、上述されるようなパンクチャリングブロック回路又はモジュールを有することが可能である。通常、畳み込みエンコーダは、制限された長さ7を有し、6個などの要素を有するシフトレジスタの形態をとりうる。各クロックサイクルについて、1ビットが入力可能である。従って、出力ビットは、標準的な生成符号を用いたシフトレジスタの組み合わせにより定義可能であり、符号化された出力シーケンスを構成するよう連結可能である。入力にはシリアル又はパラレルバイトデータインタフェースが存在しうる。出力幅は、アプリケーションのパンクチャードコードレートに応じてプログラム可能としうる。
非限定的な実施例におけるViterbiデコーダは、入力データストリームをブロックに分割し、最も可能性の高いデータシーケンスを推定可能である。復号化された各データシーケンスは、バースト的に出力可能である。入力と計算は連続手に行うことが可能であり、非限定的な一実施例では、2データビット毎に4つのクロックサイクルを必要とする。入力FIFOは、デパンクチャ入力データレートに依存しうる。
また、ターボ符号が、ノイズのあるチャネルにおける最大情報転送レートの理論的な制限値としてシャノンの制限値に接近するハイパフォーマンス誤り訂正符号又は低密度パリティチェック符号として利用可能である。従って、送信パワーを増大させることなく、利用可能な帯域幅を増加させることが可能である。この信号から2進数を生成する代わりに、デコーダのフロントエンドが各ビットについて確率の指標を生成するよう構成可能である。
図3A〜3Dは、図1Aに示される従来のOFDMモデム送信機30などにより生成される従来のOFDM信号の各種表現を示すグラフである。
図3Aは、1つの軸上に周波数と、他の軸上に秒単位の時間と、垂直軸上に“振幅”又はパワーとを有するOFDM信号の3次元表現を示すグラフであり、振幅対周波数対時間の表現を示すグラフを構成する。図3Aから、OFDM信号が周波数ドメインにおいて検出可能であることが明らかである。図3Bは、図3Aに示されるOFDM信号のスペクトログラム(spectrogram)又はパワー分布を示すグラフである。図3Cは、図3Aに示される3次元OFDM信号の2次元OFDMスペクトルを表すグラフである。図3Dは、図3Aに示されるOFDM信号の64−QAMコンステレーションを示す。これらのグラフは一緒になって、複数のサブキャリア上に分散されたパワーを示す。図4Eは、スペクトル密度関数を構成するトータル送信パワーを示す式と説明である。
図4A〜4Dは、オンとオフに切り替えられる異なる周波数サブキャリアを有するOFDM信号スペクトルを示すグラフである。左上のグラフ(図4A)では、OFDM信号スペクトルは、オンにされた52すべてのキャリアを示す。これは、非限定的な一実施例では、52のキャリアを使用するIEEE802.11a規格を示す。右上のグラフ(図4B)では、26のサブキャリアがオンとされ、26のキャリア(サブキャリア)がオフにされることによる、図4Aの52のキャリアのケースに対して3デシベル増加した送信パワーを示す。トータルの送信パワーはパワースペクトル密度関数の曲線の下方の面積に等しいことが理解されるべきである。左下のグラフと右下のグラフ(図4C及び4D)は、それぞれ13のサブキャリアと6のサブキャリアがオンにされることを示す。13のキャリアがオンにされることにより6デシベル(dB)の送信パワーの増大が生じ、6のキャリアがオンにされることにより9デシベル(dB)の送信パワーの増大が生じる。ピークパワーは13サブキャリアのケースにおいて6dB高くなるため、信号が利用可能にある距離は(フリースペースチャネルについて)2倍になるであろう。さらなる範囲の増大は、ピークパワーが増加するに従って実現されるであろう。図4Dは、サブキャリアの広いスペーシングによる低減されたキャリア間干渉(ICI)を示す。
OFDM符号化送信は、データサブキャリアとパイロットトーンの検出により意図しない受信者により容易に検出及び受信される可能性があることが理解されるべきである。ランダムな振幅と位相を有する複数の正弦波又はキャリアを波形に付加することは、中心極限定理によりそれをガウス分布に漸近させることとなる。ガウスランダム分布を有する信号は、それが受信者にとっては加法性白色ガウスノイズ(AWGN)に類似して見えるため、向上した低傍受確率(LPI)及び低検出確率(LPD)を有する。
本発明の非限定的な一実施例によると、以下で詳細に説明される変更された送信機は、IFFTを利用して特定の周波数にある複数のサブキャリを生成する。可能なキャリアのほんの一部しか、何れか1つの時点でパワーを向上させ、ICIを低減し、LPI及びLPDを向上させるのに使用される必要がない。サブキャリア中心周波数は、暗号化アルゴリズムに従ってOFDMシンボル時間に変更可能である。このようなアルゴリズムは、本発明の非限定的な一実施例によると、擬似ランダムな周波数ホッピングシーケンスと周波数ホッピングサブキャリアとを生成可能である。従って、高速周波数ホッピングは、各OFDMシンボルについてサブキャリア周波数を変更し、ブルートゥース規格により1000倍速い周波数ホッピングと、10倍のデータレートとを提供することができる。追加的な効果として、ICIの低下、ISIの低下、ガードインターバルからの送信機オーバヘッドの低下があげられる。本発明の非限定的な一実施例によるシステム、装置及び方法は、OFDM信号のシンボルベースのランダム化を可能にする。
Walsh変換は、従来のCDMAシステムによる時間ドメインでの拡散と対照的に、周波数ドメインにおいてサブキャリアを拡散するのに適用可能である。IFFT回路の前でのWalsh変換の適用は、LPI/LPDを向上させるため平均パワーを低減することができる。通信システムの各種特徴は、パフォーマンスの向上のため容易に変更可能である。IFFTサイズと拡散シーケンス長と比較してより少数のサブキャリアによって、周波数ドメイン拡散からより大きな処理ゲインが実現可能である。さらに、LPI/LPD及びアンチ・ジャミング(AJ)パフォーマンスを向上させることが可能であり、サブキャリア毎のSNRを向上させることができる。
サンプルレートの増加はまた、帯域幅とデータレートを向上させ、LPI/LPD/AJパフォーマンスを向上させる。
図5は、シンボルベースの周波数ランダム化されたサブキャリアの3次元スペクトログラムを示し、振幅対周波数対時間表現501とのログスケールによる比較を示すグラフである。比較のため、従来のシングル周波数キャリア信号502が重乗され、帯域のより低い周波数エンドに向かうシングルキャリアとして示される。このシングルキャリア信号は、通信妨害源又は干渉源と同様に作用する。周波数キャリアスペーシングを増加させることによるキャリア間干渉(ICI)の低下が示される。周波数毎にシンボルスペーシングを増加させることによるシンボル間干渉(ISI)の低下が示される。これは、連続するOFDMシンボルサブキャリアが同一周波数を使用せず、マルチパス遅延拡散からの悪影響が回避されることを確保する。シングルキャリアと同じ瞬間のSNRがまた示される。
図6及び7を参照するに、それぞれ本発明の非限定的な実施例により利用可能な送信機100(図6)と受信機200(図7)の機能ブロック図が示される。図示されるような送信機100は、OFDMサブキャリアに周波数ホッピングアルゴリズムと、IFFT回路前にWalsh変換などの周波数ドメイン拡散手段を適用する。
図示される送信機100と受信機200のハイレベルな構成要素の多くは、図1A及び1Bの従来のモデムに示される構成要素と機能的に同様のものであるが、図6及び7に示される送信機と受信機のブロック図に、さらなる詳細及び機能ブロック構成要素が追加される。参照のため、送信機の説明は100番台の参照番号から始められ、受信機の説明は200番台の参照番号から始められる。
本発明の非限定的な一実施例によるWalsh変換可能な周波数ホッピングOFDM信号を生成するのに利用される追加的な機能的な構成要素は、擬似ランダム振幅位相生成手段102と、擬似ランダムサブキャリア配置回路104とを有する。生成手段102と回路104は共に、暗号化アルゴリズム106、暗号キー生成回路(Crypto−Key)108及びマスタクロック110と共に動作する。これらの構成要素は、一般に暗号化された擬似ランダム信号生成手段と呼ぶことができる。周波数ドメイン拡散回路112は、図示されるように、IFFT回路の前に配置され、Walsh変換を適用するなどによって、信号を周波数拡散するよう動作可能である。また、デジタル/アナログ変換手段は、スペクトル線を取り除くため、帯域幅調整DACサンプルレート回路114から信号を受信することができる。これらの構成要素が、以下で詳細に説明される。
図6に示されるように、信号はデータバッファ120内で受信され、CRC生成手段121とデータスクランブル手段122とにわたされる。124で破線により示されるFECエンコーダ回路は、畳み込みエンコーダなどの順方向誤り訂正エンコーダ126と、パンクチャ回路128とを有することが可能である。符号化信号は、インタリーブ回路130内でインタリーブされる。信号は、132において破線により全体表示される変調・シンボルマッピング回路にわたされる。この変調・新ブルマッピング回路132は、QAM/PSK変調手段134と、パイロットキャリアとPAPRリダクションキャリアとを信号に挿入するパイロットキャリ・PAPRリダクションキャリア挿入回路136とを有する。本実施例では、PAPRは、ピーク・ツー・アベレージパワーレシオ(Peak−to−Average Power Ratio)に対応する。各キャリアは、サブキャリアマッピング回路138のマトリックス処理においてIFFTにマッピングされる。
暗号化アルゴリズム106は、暗号キー回路108及びマスタクロック110だけでなく、本発明の非限定的な実施例によりQAM/PSK変調手段134に対する擬似ランダム信号を生成する擬似ランダム振幅・位相生成手段と共に動作する。擬似ランダムサブキャリア配置回路104はまた、サブキャリアマッピング回路138と共に動作し、暗号化アルゴリズム106から信号を受信する。OFDMサブキャリアは、このような手段により迅速に周波数ホッピングされる。
本発明の非限定的な実施例によると、周波数ドメイン拡散回路112が、IFFT回路140の前に配置され、周波数ドメインにおいてWalsh変換を適用する。周波数ドメイン拡散回路112がIFFT回路140の後に配置された場合、Walsh又は他の機能は時間ドメインの拡散を強いられる。周波数ドメイン拡散回路112とIFFT回路140は、典型的には、変調・マッピング回路132によりOFDM変調回路又はOFDM変調・マッピング回路としてみなすことができる。本発明の非限定的な実施例では、Walsh変換の適用からなされる拡散は、周波数ドメインにおいて行われる。ガードインターバルとしてのサイクリック拡張が、サイクリック拡張回路142内で付加可能である。FIR(Finite Impulse Response)フィルタ、コサインフィルタ又はレイズドコサインフィルタなどのシンボル整形フィルタ144は、サイクリック拡張に関するシンボル整形のための“時間ウィンドウ”として動作可能である。パケットバッファ146が信号を受信して、バッファリング後、信号はデジタル/アナログ変換手段148においてアナログ信号に変換される。D/A変換手段148はまた、スペクトル線を取り除くさらなる処理のため、帯域幅調整DACサンプルレート回路114から信号を受信する。D/A変換手段148は、無線集積回路(IC)ワイドバンド低速周波数ホッピング回路150に信号をわたす。RFキャリアは、帯域幅を増大させるため、擬似ランダム周波数ホッピングアルゴリズムにより処理可能であり、図示されるように、周波数アップ変換手段として動作する。
周波数アップ変換回路150の基本的な構成要素は、ミキサ154への信号を受信する送信チェーン回路152を有することが可能である。当該信号は、バンドパスフィルタ156、アンプ系列158及びSPDT(Single Pole Double Throw)スイッチ160にわたされる。スイッチ後、ローパスフィルタ162は信号をフィルタリングする。無線信号は、アンテナ166を介した以降の送信のため、パワーアンプ164により増幅される。回路150の他の構成要素は、PLL(Phase−Locked Loop)回路170と、非限定的な具体例としての40MHz信号生成手段172と、ローパスフィルタ174と、アンプ176と、シンセサイズ170と、他のアンプ180と、バンドパスフィルタ182と、加算回路184と、ミキサ154に接続される他のアンプ186とを含む。周波数アップ変換回路150の構成要素は、OFDMベースバンド波形全体が異なる中心周波数に周波数変換される低レート周波数ホッピング方式に作用するのに利用されてもよい。このような低速周波数ホッピングはさらに、干渉をガードすることがデキ、低速ホッピングシーケンスが構成される場合、更なるレベルの暗号化を提供することが可能である。
図示されるような送信機100は、非限定的な実施例であり、他の多数のタイプの送信機が利用可能である。DSP及び他の回路機能の進歩によって、処理はおそらくベースバンドにおいて直接行うことが可能であることが理解されるべきである。
また、サブキャリアマッピング回路138は各キャリアをIFFT回路140にマッピングすることが理解されるべきである。例えば、IFFT回路140が周波数ドメインにおいて64サンプル信号による入力を有する場合、それは、マトリック演算として時間ドメインにおいて64サンプル信号を与えるであろう。サブキャリアマッピング回路138は、任意のサブキャリアにシンボルを配置するため、ベクトルの順序を変更し、他のサブキャリアにゼロを適用することが可能である。例えば、64サンプルベクトルにおける一部のサンプルがゼロとなり、これは、それらがオフである場合、周波数ドメインに出現しないことを意味する。オン又は非ゼロの何れかが、周波数ホッピングOFDM信号を生成するため、各IFFTサイクルで(シンボル毎に1回)位置を変更する。OFDM信号の周波数ホッピングの性質は、暗号化アルゴリズム106、擬似ランダムサブキャリア配置回路104及び擬似ランダム振幅・位相生成手段102により生成される。QAM/PSK変調手段134は、コンステレーション振幅及び位相を生成するのに利用される。
本発明の一特徴は、データが暗号化されていることを意図しない受信者に目立たなくすることに関する。暗号化を目立たなくするため、送信機により3つの未知のものが生成される。例えば、a)未知の送信される振幅と位相、b)未知の擬似ランダム振幅及び位相、並びにc)未知のチャネル振幅及び位相である。未知のものが3つあるため、暗号キーとマスタクロックに基づき暗号化アルゴリズムにより何れの信号が送信されるか知ることは不可能である。
周波数ドメイン拡散回路112は、マトリック演算として動作する。例えば、64IFFT回路140が利用される場合、サブキャリアを周波数拡散し、処理ゲインを提供するため、64×64Walshマトリックス(非限定的な実施例として)が利用可能である。入力ベクトルがWalshマトリックスと乗算される。Walshマトリックスは“2”の冪乗とすることができる次元を有した正方行列であることが理解されるべきである。そのエントリは、+1又は−1である。Walshマトリックスは、符号変更数が昇順、すなわち、シーケンシャルな順序となるように各行を配置することによって、同じ次元の再帰的な式により定義されるアダマール行列から取得可能である。Walsh行列の各行は、Walsh関数に対応する。Walshマトリックスの各行の順序は、ビットリバースパーミュテーション(bit−reversal permutation)とGray符号パーミュテーションとを適用することによって、アダマール行列の順序付けから求めることが可能である。Walsh関数は、単位インターバル上で積分可能な平方の直交基底を構成する。従って、それは、“擬似ランダムノイズ符号”としても知られている暗号化に利用するのに適した統計的に一意的な数の集合を構成する。この乗算は、加算と減算の系列として効率的に実現可能である。
帯域幅調整DACサンプルレート回路114は、D/A変換手段148と共に動作し、サンプルレートを調整し、スペクトル線を取り除くことができる。この結果、スペクトログラムにより波形を検出することは困難となる。図示されるような送信機100は、Walsh変換による周波数ホッピングOFDM信号を構成するよう動作することが理解されるべきである。例えば、シンボル毎に64のサンプルによるIFFTが使用される場合、各サブキャリアの周波数位置は、64サンプル毎に変化しうる。例えば、IFFTが4ミリ秒毎に計算される場合、64すべてのキャリア上の周波数ホッピングは、高速なホッピングレートを与えるため、4ミリ秒毎に実行可能である。これはシンボル単位で実行可能であるため、サブキャリア周波数位置がランダムに変更されることから、上述されるような周波数ホッピングOFDM通信システムはまた、シンボルベースランダム化OFDMと呼ぶことができる。他の受信機は、暗号化アルゴリズムと関連する回路及び完全な同期なしにサブキャリア位置を決定することはできないであろう。
図7は、本発明の非限定的な実施例により利用可能な受信機200のハイレベル機能ブロック図を示す。暗号化アルゴリズム回路、暗号キー回路、マスタクロック、擬似ランダム振幅・位相生成手段、擬似ランダムサブキャリア配置回路、帯域幅調整ADCサンプルレート回路など、図6のブロック図に使用される同様の構成要素は、それらがここでは200番台で配置されることを除いて、図6に使用されるものと同様の参照番号が与えられる。この受信回路200はまた、シンボルベースサブキャリア同期回路216の追加を含む。それはまた、図6の送信機100と同様に、周波数ドメイン拡散回路112の代わりに、周波数ドメイン逆拡散回路212を利用する。
この受信回路200について示される他のハイレベル構成要素は、アンテナ220と、低ノイズアンプ(LNA)222と、図6の送信機100に示される無線ICワイドバンド低速周波数ホッピング回路150によってワイドバンドについて処理された場合、周波数ホッピングキャリア信号を逆処理可能な無線ICダウン変換手段224とを含む。アナログ/デジタル変換手段226は、ダウン変換手段224からIF又はベースバンド信号を受信し、帯域幅調整ADCサンプルレート回路214から信号を受信し、送信機100で用いられる処理の逆処理をする。信号は、さらなる処理のためサブキャリアを同期させるシンボルベースサブキャリア同期回路216と、データバッファ228に転送される。ガードインターバル回路230はガードインターバルを取り除き、信号はFFT回路232におけるOFDM復調手段としての高速フーリエ変換により処理される。逆Walsh変換が、逆Walsh変換回路212において適用される。サブキャリアマッピング・復調回路が、234において破線により示され、サブキャリアデマッピング回路236において各サブキャリアに逆マッピング処理を実行し、パイロット除去回路238においてパイロットトーンを削除し、シンボル・ツー・ナンバー(QAM/PSK)復調回路240において信号を復調する。デインタリーブ回路242は、信号をデインタリーブする。復号化回路が、244において破線により示され、デパンクチャ回路246内のデパンクチャ処理と、Viterbiデコーダ248などのFECデコーダ内のViterbi復号化などの順方向誤り訂正(FEC)復号化のため動作する。データデスクランブル手段250において、データデスクランブルが実行され、データバッファ252にデータバッファリングされ、CRC回路254によりCRCチェックが行われる。
図6及び7に示される送信機100と受信機200は、高速キャリア周波数ホッピング信号である信号を生成及び受信することができる。このホッピングは、1MHzの帯域幅を有するシングルキャリアを利用して、80MHzの無線周波数帯域幅上で毎秒1600ホップにより周波数をホッピングする従来のブルートゥースシステムよりはるかに高速化できる。また、例えば、図4に示されるように、信号対ノイズ比(S/N)の変化は、サブキャリアの個数に基づき、適応的無線通信システムにおける瞬間的なサブキャリアS/N対データレートの範囲を変更する方法として利用可能であることが理解されるべきである。
例えば、受信機200は、チャネル推定シンボル、プリアンブル又は特別なチャネル推定パケットなどを利用することによって、サブキャリア毎の受信S/Nを測定することができる。情報は、送信機100がネゴシエートされたチャネルマスクを用いて所望されない周波数による送信を回避できるように、“オフ”にすべきサブキャリアの個数とチャネルの障害となる干渉源の可能性のある周波数位置とを示す“チャンルマスク”として、送信機に戻すことができる。一実施例では、10個のキャリが100MHzの帯域幅上で同時にオンされ、各キャリアは、毎秒1,562,500回ホッピングできるように、640ナノ秒(1/FFTレートに対応する)間送信される。これは、ブルートゥースプロトコルより約1000倍高速なホッピングであり、数十倍以上のデータレートを提供することができる。
送信機100は、特定の周波数にある複数のサブキャリアを生成し、上述されるような周波数ホッピングアルゴリズムを適用することによって、各サブキャリア周波数について擬似ランダム周波数ホップを生成することができる。IFFT回路140は、特定の周波数にある複数のサブキャリアを生成する。本発明の非限定的な実施例によると、必要に応じてすべてのサブキャリアが利用可能であるが、可能なすべてのサブキャリアのうちの僅かなサブセットしか何れか1つの時点では利用される必要はない。例えば、上述された実施例と同様に、64のサブキャリアの代わりに、本実施例では10個のサブキャリアしか利用可能でなく、毎秒1,562,500のホッピングが与えられる。
サブキャリア中心周波数は、擬似ランダム周波数について暗号化アルゴリズムを利用してOFDMシンボルレートにより変更可能である。これは、各キャリアがIFFTにマッピングされる変調・マッピング回路132において行われる。各サブキャリアの中心周波数は、周波数ホッピングアルゴリズムによりランダムに見えうる。シンボル期間は、上述されるように、極めて短くすることができ、このため、各サブキャリアは、何れか特定の周波数において短時間出現することとなる。
ガード時間は、連続するシンボルが同じ周波数位置におけるサブキャリアを含まないことを確実にすることによって、短縮又は排除することができる。例えば、従来のシステムでは、2つのシンボルが同一周波数上で連続する場合、同一位置において異なる時点にマルチパス信号が到来する可能性がある。図6及び7に示されるシステム及び回路を使用することによって、これらの信号は同一周波数上には現れず、典型的にはマルチパスによる影響を受けない。従って、シンボル間干渉(ISI)が回避され、必要とされるガード時間を実質的に減少させ、送信オーバヘッドを低減し、データレートを向上させることができる。
図6及び7に示されるような送信機100と受信機200とを利用して、“ガードインターバル”などのガード時間を排除又は実質的に減少させることが可能である。また、連続するシンボルについて、各行に周波数が2回使用できないように、周波数ホッピングアルゴリズムを変更することによって、追加的なガードが付加可能であり、これにより、マルチパスチャネル効果によりシンボル間干渉(ISI)を回避することができることが理解されるべきである。上述されるように、これは、要求されるガードインターバルを排除又は実質的に減少させ、送信オーバヘッドを軽減し、データレートを向上させる。
要求されるデータレートに応じてサブキャリアを動的に追加及び削除することが可能である。キャリア間干渉(ICI)を減少させるため、最小キャリアスペーシングが増大可能であり、周波数ホッピング信号により、ジャミングに対するロウバスト性、すなわち、アンチ・ジャミング(AJ)機能を提供する。各キャリアが周波数ドメインにおいて互いに隣り合って送信されない限り、キャリア間干渉は低減される。
また、キャリア周波数は擬似ランダムにホッピングし、広い帯域幅をカバーすることができる。これは、図6に示される無線ICワイドバンド低速周波数ホッピング回路150により実現可能であり、周波数アップ変換回路として動作可能である。
“デッドタイム(dead−time)”擬似乱数生成手段が、“オン”時間を減少させるためシステムに導入可能であり、シンボル間の出力スペーシングを増大させることができる。このスペーシングは、スペクトル線を回避し、信号の周期定常的な統計量を減少させるため、擬似乱数生成手段を利用して可変とすることができる。このタイプのシステムは、出力サンプル制御なしに実現可能である。システムは、送信前にランダムな期間待機可能である。スペクトル線を取り除くことによって、他のシステムが送信された通信を検出することはより困難になる。周期定常的(cyclostationary)とは、信号の2次統計量としての標準偏差を意味しうる。出力サンプル制御は、D/A変換手段148における制御を意味しうる。
サブキャリアコンステレーションの振幅と位相の各値はまた、図6に示されるような変調手段134と共に動作する生成手段102を用いて擬似ランダムに変更可能である。例えば、擬似ランダムな振幅と位相の各値は、暗号化アルゴリズムを用いて生成可能である。擬似ランダムな振幅と位相の各値は、送信前に意図した振幅と位相の各値に加算可能である。擬似ランダムな振幅と位相の各値を各サブキャリアに加えることによって、シンボルコンステレーションはもはや標準的なQAM/PSKではない。送信信号が意図しない受信機に検出された場合、当該受信機は、未知なものが多すぎて、信号を復調することはできないであろう。例えば、送信又は意図された振幅と位相は、信号に加えられた擬似ランダムな振幅と位相と共に未知であり、マルチパスのチャネル振幅と位相もさらに未知である。これは、3つの未知なものをもたらす。擬似ランダムな振幅と位相の各値は、認証されていない又は意図されていない受信機に対して典型的なランダムチャネル効果として現れることになるであろう。
これらのアルゴリズムは、ソフトウェア無線(SDR)に追加可能であり、データレートと変調を変更するための改良により実現可能であることが理解されるべきである。データレート、帯域幅、送信パワー及びLPI/LPDパフォーマンスは、サブキャリア変調方式、サンプルレート、IFFTサイズ、IFFT期間及びOFDMシンボル毎に使用されるサブキャリア数を変更することによって向上させることが可能である。
図6に示されるように、Walsh変換は、周波数ドメイン拡散回路112を用いてIFFT回路140の前に適用されるため、周波数拡散のために周波数ドメインにおいて適用可能である。Walsh変換は、典型的には、時間ドメイン拡散のためと、マルチアクセス方式のための直交符号の生成のため、CDMAなどの通信システムにおいて利用されることが知られている。Walsh変換は、周波数ドメインにおいてサブキャリアを拡散するため、本発明のシステム、装置及び方法において利用可能である。これは、LPI/LPDのパフォーマンスを向上させるため、平均パワー(dBm/Hz/sec)の大きな減少を提供することが可能であり、同一のFCCスペクトルマスク内でより多くの送信パワーを可能にし、周波数ドメイン処理ゲインを提供することにより、周波数選択性フェージングの効果を低減する。それはまた、さらなるアンチ・ジャミング(AJ)のロウバスト性を提供する。また、アウト・オブ・バンドノイズ(OBN)放出が、Walsh変換により引き起こされるより急峻な“ロール・オフ”のため、時間ウィンドニング(time−windowing)と同様に減少可能である。マトリックスとしてのWalsh変換は、+1と−1のみから構成され、加算と減算のみを必要とし、乗算を必要としない。これは、同一のFCCスペクトルマスクについて、キャリア数対データレート対送信パワー及び距離のトレード・オフを可能にする。Walsh変換では、マトリックスの各行は、互いに交換可能である。変換は依然として受信機200において直交する。これらの行の置換は、さらなるLPIの向上のため実行可能である。
OFDMは、マルチパスによる周波数選択性フェージングの影響を受けることが理解されるべきである。Walsh変換は、周波数選択性フェージングに対するロウバスト性とシステムへの処理ゲインを提供可能である。
上述されるようなシステム、装置及び方法は、OFDMシンボルレートなどにおいてサブキャリア周波数位置を変更することによって、極めて高速な周波数ホッピングを提供する。従って、それは、低LPI及び低LPDを提供するため、経時的に減少するスペクトル密度(dB/Hz/sec)を提供することが可能である。上述されるシステムは、ブルートゥースシステムよりはるかに高速であり、FCCスペクトルマスク内の送信をより大きな距離により可能にする。それはまた、各サブキャリアが連続するOFDMシンボルについて同一の周波数上に現れないことを確実にすることによって、ガードインターバルを排除又は実質的に減少させる。システムはまた、マルチパスによるシンボル間干渉(ISI)に対するロウバスト性を提供する。Walsh変換は、スペクトル上に周波数ホッピングサブキャリアを拡散し、LPI/LDPのパフォーマンスを向上させるため、又はFCCスペクトルマスク要求に従うことに供するため、パワースペクトル密度(dB/Hz)を低下させるよう周波数ドメインに適用可能である。それはまた、周波数選択性フェージングに対する処理ゲインを提供すると共に、ジャミングに対するロウバスト性を提供することが可能である。
図8A及び8Bを参照するに、従来のシングルキャリア波形とシンボルベースランダム化周波数ホッピングサブキャリアとの間のスペクトル比較が示される。上側のグラフに示されるように、周波数は水平軸上にあり、デシベル単位の相対パワーは垂直軸上にある。ベースバンドにおいてスペクトルが示され、平均強度が、従来システムに対する30デシベルのLPDの向上と共に示される。より多くのパワーが、同一のFCCスペクトルマスク内で送信可能である。本発明の非限定的な実施例により、デジタルデータを送信する無線局又は他の送信機が、それのOFDM信号を周波数ホッピングし、平均パワーを低下させることが可能である。
図9は、送信機の近接位置などにおけるノイズのスペクトル比較を示す。
図10は、本発明の非限定的な実施例によるWalsh変換前の送信された周波数ホッピングOFDM信号を3次元で示すグラフである。周波数ホッピングOFDM信号が示される。
図11は、本発明の非限定的な実施例による、パワーがさらに減少されるWalsh変換後の送信された周波数ホッピングOFDM信号を示す3次元グラフである。各サブキャリアは、Walsh変換が周波数ドメインに適用される。サブキャリアは、ヘルツ毎のパワーを、Walsh変換前より大きく減少させるため、周波数上に拡散される。
図12は、本発明の非限定的な実施例による、Walsh変換のシンボルベースランダム化サブキャリアへの付加を示すグラフである。それがオフ及びオンになるときのWalsh変換が示され、さらに様々なパワーの相違が示される。
図13は、逆Walsh変換前の受信周波数ホッピングOFDM信号を3次元に示し、暗号化アルゴリズムを知ることなく信号を復号化することがどれだけ困難であるか示すグラフである。
図14Aは、信号が“ポップ”アウトし、復号化可能な逆Walsh変換の適用後の図13からの受信信号を示す3次元グラフである。逆Walsh変換後の受信信号コンステレーションが、図14Bの右下に示される。
図15A及び15Bは、シングルキャリアシステムが1501のバンドの中央に示されるWalsh変換前後の周波数ホッピングOFDM信号を示す。図15Bのグラフに示されるように、Walsh変換後、シングルキャリアはWalsh変換を適用されず、本発明の非限定的な実施例による周波数ホッピングを受ける他のOFDM信号が周波数上に拡散される。
図16は、干渉源が逆Walsh変換後に周波数上に拡散される官署威厳による周波数ドメイン逆拡散を示す3次元グラフである。従って、干渉源による周波数ドメイン逆拡散がある。
図17は、ノイズ追加前の同様のシミュレーションにおけるWalsh変換前の送信OFDM信号を示す。この図は、周波数ドメイン拡散の適用とノイズのあるチャネルによる送信前の送信信号を示す。
図18は、実際のノイズ環境のための逆Walsh変換前の干渉源による受信OFDM信号と拡張された干渉源信号とを示す。ノイズフロア上に、周波数ホッピング及び拡散OFDM信号が示される。
図19は、干渉源によるWalsh変換オン及びオフのスペクトル比較を示し、干渉源、周波数ホッピングOFDM信号及びWalsh変換信号の位置を示すグラフである。
図20は、逆Walsh変換前の干渉源による受信周波数ホッピング及び拡散OFDM信号のパワースペクトルである。
図21は、干渉源が逆Walsh変換後に周波数上に拡散される干渉源による周波数ドメイン逆拡散を示す2次元のグラフである。
図22は、逆Walsh変換後に周波数上に拡散された干渉源による周波数ドメイン逆拡散と、受信信号コンステレーションを示すグラフである。
本発明により使用するため改良可能な通信システムの一例が、図23を参照して与えられる。
このようなシステム及び方法により利用可能な無線の一例は、フロリダ州のメルボルンのハリスコーポレイションにより製造販売されているFalconTMIIIラジオである。FalconTMIIIは、基本的送信スイッチと、当業者に知られている他の機能スイッチ及びコントロールとを有することが可能である。限定されることなく、典型的には、相対的に標準的なプロセッサとハードウェアコンポーネントにより実現可能なソフトウェアにより規定されるラジオを含む各種ラジオが利用可能であることが理解されるべきである。あるソフトウェアラジオのクラスは、所望の通信波形を実現するのに適した波形ソフトウェアモジュールと共に、相対的に標準的なラジオ及び処理ハードウェアを含むJTR(Joint Tactical Radio)である。JTRラジオはまた、参照することによりその内容のすべてがここに援用される、ソフトウェア通信アーキテクチャ(SCA)仕様書(www.jtrs.saalt.milを参照されたい)に準拠するオペレーティングシステムソフトウェアを利用する。SCAは、各メーカー及び開発者が各自のコンポーネントを1つの装置に容易に統合できるように、ハードウェア及びソフトウェアコンポーネントがどのように相互作用するかを規定するオープンアーキテクチャフレームワークである。
JTRS(Joint Tactical Radio System)SCAは、ソフトウェア無線(SDR)を実現するため、しばしばCORBA(Common Object Request Broker Architecture)に基づくインタフェース及びプロトコル群を規定する。部分的には、JTRSとそれのSCAは、ソフトウェアリプログラマブルラジオのファミリーと共に利用される。また、SCAは、ソフトウェアリプログラマブルデジタルラジオを実現するための特定のルールセット、方法及び設計基準である。
JTRS SCA仕様書は、JTRSジョイントプログラムオフィス(JPO)により公表されている。JTRS SCAは、開発コストを低減し、設計モジュールを再利用する機能を介し新たな波形の開発時間を短縮し、商業的なフレームワークとアーキテクチャとの進化に基づくように、異なるJTRS SCA実現形態の間のアプリケーション規格のポータビリティと、リバレッジコマーシャル規格を提供するよう構成された。
JTRS SCAは、実現形態に独立となるよう意図されているため、システム仕様ではなく、所望のJTRSの目的を実現するためのシステムの設計を制限するルールセットである。JTRS SCAのソフトウェアフレームワークは、動作環境(OE)を規定し、当該環境からアプリケーションが使用するサービスとインタフェースとを規定する。SCA OEは、コアフレームワーク(CF)と、CORBAミドルウェアと、関連するボードサポートパッケージを有するポータブルオペレーティングシステムインタフェース(POSIX)に基づくオペレーティングシステム(OS)とを有する。JTRS SCAはまた、アプリケーションソフトウェアコンポーネントの間のアプリケーションプログラミングインタフェース(API)を規定するための構築ブロック構成(APIサプルメントに規定される)を提供する。
JTRS SCAコアフレームワーク(CF)は、埋め込み分散計算通信システムにおけるソフトウェアアプリケーションコンポーネントの配置、管理、相互接続及び相互通信を提供するオープンソフトウェアインタフェース及びプロファイルの重要な“コア”セットを規定するアーキテクチャコンセプトである。インタフェースは、JTRS SCA仕様書に規定されるかもしれない。しかしながら、開発者はそれらの一部を実現し、一部は非コアアプリケーション(すなわち、波形など)により実現され、一部はハードウェアデバイスプロバイダにより実現されるかもしれない。
説明のため、図23に示される非限定的な実施例に関して、本発明を利用する通信システムの具体例の簡単な説明が与えられる。通信システム350のハイレベルブロック図は、本発明に使用するため改良可能な基地局セグメント352と無線メッセージ端末とを有する。基地局セグメント352は、いくつかの各自のVHFラジオ368及びHFラジオ370と、ラジオ又は無線装置368,370に接続されたパーソナルコンピュータワークステーション372とを含むVHFネット364又はHFネット366との無線リンクを介し音声又はデータを通信及び送信するVHFラジオ360とHFラジオ362とを含む。アドホック通信ネットワーク373は、図示されるような各種コンポーネントと相互に動作する。このため、HF又はVHFネットワークは、アドホック通信ネットワークとしてインフラストラクチャに依存せず動作するHF及びVHFネットセグメントを含むことが理解されるべきである。UHFラジオ及びネットセグメントは図示されていないが、これらを含めることができる。
HFラジオは、復調回路362aと、適切な畳み込みエンコーダ回路362bと、ブロックインタリーブ手段362cと、データランダム化回路362dと、データ・フレーム化回路362eと、変調回路362fと、適合したフィルタ回路362gと、適切なクランピングデバイスを有するブロック又はシンボルイコライザ回路362hと、デインタリーブ・デコーダ回路362iと、モデム362jと、パワー適応化回路362hとを非限定的な例として含むことが可能である。ボコーダ(vocoder)(ボイスエンコーダ/デコーダ)回路362lは、上述されるような各種回路の組み合わせ又は独立した回路とすることができる符号化・復号化機能と変換ユニットとを有することが可能である。送信キースイッチ362mは、上述されるように動作する。上記及び他の回路が、本発明に必要な何れかの機能と共に、当業者により示唆される他の機能とを実行するよう動作する。ここに参照される回路は、以下に限定するものでないが、汎用マイクロプロセッサと関連するソフトウェア、デジタル信号処理に特化したマイクロプロセッサと関連するソフトウェア、特定用途向け集積回路(ASIC)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、論理回路、又は当業者に知られている他のタイプのデバイス、ソフトウェア又はファームウェアを含むソフトウェア及び/又はハードウェア要素の何れかの組み合わせを含むかもしれない。すべてのVHF移動局及び送受信局を含む他の示されたラジオは、同様の機能回路を有しうる。
基地局セグメント352は、PABX382に接続されるPSTN(Public Switched Telephone Network)380との地上接続を含む。衛星地上局などの衛星インタフェース384は、PABX382に接続され、PABX382は、無線ゲートウェイ386a,386bを構成するプロセッサに接続される。これらは、VHFラジオ360又はHFラジオ362に相互接続される。プロセッサは、ローカルエリアネットワークを介しPABX382と電子メールクライアント390に接続される。ラジオは、適切な信号生成手段と変調手段とを有する。本発明の技術を利用してネットワーク内で送信されるパケット化又は非パケット化デジタル音声情報は、RF−6010タクティカルネットワークハブなどの無線ゲートウェイ装置に付属されるラジオ、電話若しくは他のインタフェース装置、又はPSTN内若しくはPABXに接続される加入電話の1つに接続される受話器から発信又は受信可能である。
イーサネット(登録商標)/TCP−IPローカルエリアネットワークは、“無線”メールサーバとして機能しうる。電子メールメッセージは、第2世代プロトコル/波形としてSTANAG−5066を用いて無線リンク及びローカル無線ネットワークを介し送信可能であり、もちろん、好ましくは、第3世代相互運用規格であるSTANAG−4538と動作可能であり、それらの開示は参照することによりここに援用される。参照することによりここに援用される相互運用規格FED−STD−1052が、レガシー無線装置と共に利用可能である。本発明に利用可能な装置の例として、フロリダ州メルボルンのハリスコーポレイションにより製造された異なる無線ゲートウェイ及び無線装置があげられる。この装置は、非限定的な実施例として、RF5800,5022,7210,5710,6010,5285及びPRC117,138シリーズの装置を含む。
上記システムは、参照することによりここに援用される、9,600bpsまでのレートにより長距離HF無線を送信するSTANAG4539として知られるNATO規格とRF−5710A高周波数(HF)モデムと共に動作可能である。モデム技術に加えて、これらのシステムは、参照することによりここに援用される、STANAG4538又は5066などのストレスタクティカルチャネルのための設計されたデータリンクプロトコル群を利用する無線電子メールプロダクトを利用可能である。また、固定データレートに設定されたHFモデムと、ISBに設定された無線装置によって、19,200bps以上の固定された非適応的なデータレートを利用することが可能である。コード合成技術及びARQを利用することが可能である。

Claims (4)

  1. 固定的又は可変的な直交周波数分割多重(OFDM)シンボルレートに基づき、OFDM通信信号を構成するよう互いに直交した複数のサブキャリア周波数にデータシンボルを変調及びマッピングする変調・マッピング回路であって、変調回路と、パイロット及びPAPR(Peak−to−Average Power Ratio)キャリアを挿入する回路と、マトリックス演算により各キャリアを逆高速フーリエ変換(IFFT)にマッピングするサブキャリアマッピング回路とを有する変調・マッピング回路と、
    傍受及び検出確率を低下させ、周波数毎のパワー(dB/Hz/sec)を低下させ、瞬間的な信号対ノイズ比を維持しながら要求される送信パワーを低下させ、ガードインターバルを縮小又は排除すため、連続するOFDMシンボルが同一周波数によりサブキャリアを送信しないように、OFDMシンボルレートにより各サブキャリアを周波数ホッピングするため、暗号化アルゴリズムに基づき前記変調・マッピング回路に対する擬似ランダム信号を生成するため、前記変調・マッピング回路と共に動作する擬似ランダム信号生成手段と、
    を有するデータ通信装置。
  2. 前記サブキャリアマッピング回路は、前記暗号化アルゴリズムに基づきサブキャリアをマッピングする、請求項1記載の装置。
  3. 固定的又は可変的な直交周波数分割多重(OFDM)シンボルレートに基づき、OFDM通信信号を構成するよう互いに直交した複数のサブキャリア周波数に通信データを分散するステップと、
    ガードインターバルが縮小又は排除されるように、連続するOFDMシンボルが同一周波数によりサブキャリアを送信しないように、暗号化アルゴリズムに基づき擬似ランダム信号を生成するステップと、
    前記通信データを変調し、パイロット及びPAPR(Peak−to−Average Power Ratio)キャリアを挿入し、マトリックス演算により各キャリアを逆高速フーリエ変換(IFFT)にマッピングすることによって、傍受及び検出確率を低下させ、周波数毎のパワー(dB/Hz/sec)を低下させ、瞬間的な信号対ノイズ比を維持しながら要求される送信パワーを低下させるOFDMシンボルレートにより各サブキャリアを周波数ホッピングするステップと、
    PAPRを低下させるため、信号を挿入するステップと、
    前記周波数ホッピングしたサブキャリアを含む通信信号を介し前記通信データを送信するステップと、
    を有するデータ通信方法。
  4. 前記複数のサブキャリア周波数が送信される主キャリア信号を変調するステップをさらに有する、請求項記載の方法。
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