以下、図を参照しながら、この発明による装置、方法の一実施の形態について説明する。以下に説明する実施の形態においては、この発明による装置、方法の一実施の形態を携帯電話端末に適用した場合を例にして説明する。
[携帯電話端末の構成例]
まず、この実施の形態の携帯電話端末100の構成例について説明する。図1は、この実施の形態の携帯電話端末100の構成例を説明するためのブロック図である。図1に示すように、内蔵アンテナ101、通信回路102、マイクロホン(以下、単にマイクという。)103、スピーカ104、メモリ部105、操作部106、表示部107、制御部108、制御ライン109、データライン110、無線LAN通信アンテナ111、無線LAN通信制御部112、赤外線送受部113、近距離用通信アンテナ114、電子マネー決済処理部115、GPS用受信アンテナ116、GPS部117、カメラ部118、メモリスロット119を備えたものである。
そして、図1に示すように、制御ライン109に対しては、通信回路102、メモリ部105、操作部106、表示部107、制御部108、無線LAN通信制御部112、赤外線送受部113、電子マネー決済処理部115、GPS部117、カメラ部118、メモリスロット119が接続され、データライン110に対しては、通信回路102、マイク103、スピーカ104、メモリ部105、表示部107、無線LAN通信制御部112、電子マネー決済処理部115、GPS部117、カメラ部118、メモリスロット119が接続されている。
ここで、内蔵アンテナ101は、携帯電話ネットワークを通じて通信を行うためのものである。すなわち、内蔵アンテナ101は、携帯電話ネットワークを通じて送信されてくる信号の受信と、自機から携帯電話ネットワークに送出する信号の送信とを行うものである。
内蔵アンテナ101が接続される通信回路102は、内蔵アンテナ101により受信された自機宛ての受信データの復調処理や復号処理を行ったり、内蔵アンテナ101を通じて自機から携帯電話ネットワークに送出する送信データの符号化処理や変調処理を行ったりするものである。
マイク103は、送話器としての機能を実現するものであり、音声を集音して電気信号に変換し、これをA/D(Analog/Digital)変換するものである。ここでデジタル化された音声信号(デジタル音声信号)は、後述もするように、データライン110を通じ通信回路102に供給され、符号化処理、変調処理が施されて、内蔵アンテナ101を通じ、携帯電話ネットワークに送出される。
スピーカ104は、受話器としての機能を実現するものであり、データライン110を通じて通信回路102からのデジタル音声信号の供給を受けて、これをD/A(Digital/Analog)変換し、さらに増幅処理などを行って供給された音声信号に応じた音声を放音するものである。
また、メモリ部105は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)やフラッシュメモリなどのいわゆる不揮発性メモリなどからなるものである。
ここで、ROMは、後述する制御部108を構成するCPU(Central Processing Unit)で実行される各種のプログラムコードや、図示しないが電子メールを編集するメール処理部を動作させるためのプログラムコードなど、各種のプログラムや、携帯電話端末の識別情報(識別ID)、各種の処理で必要になるデータなどの重要なデータを記憶保持する。
RAMは、各種の処理において、処理の途中結果を一時記憶するなど、主に作業領域として用いられるものである。また、不揮発性メモリは、携帯電話端末100の電源が落とされても保持しておくべきデータを記憶保持する。この不揮発性メモリに記憶保持されるデータとしては、アドレス帳データ、電子メールデータ、後述するカメラ部118を通じて撮影した画像の画像データ、インターネットを通じてダウンロードしてきた画像データやテキストデータなどの種々のWebデータ、種々の設定パラメータ、辞書情報、追加プログラムなどが挙げられる。
このように、メモリ部105は、ROM、RAMの他、画像データや電子メールデータ、Webデータなどのいわゆるコンテンツデータ(コンテンツ情報)、さらには、後述するオントロジ辞書などの辞書情報などを記憶保持する不揮発性メモリなどからなるものである。特に、不揮発性メモリは比較的に記憶容量の大きなものであり、多数のコンテンツデータ、辞書情報などを、例えば、フォルダを分けて記憶保持するなどのこともできるようにされているものである。
操作部106は、数字キー、いくつかの記号キー、いくつかのファンクションキー、回動操作と押下操作とが可能ないわゆるジョグダイヤルキーなどを備え、使用者からの操作入力を受け付けて、これを電気信号に変換し、制御ライン109を通じて制御部108に供給することができるものである。これにより、制御部108は、使用者からの指示に応じて各部を制御し、使用者の指示に応じた処理を行うことができるようにしている。
表示部107は、例えば、有機EL(Electro Luminescence)パネル、LCD(Liquid Crystal Display)などの薄型表示素子と、そのコントロール回路とを備えたものであり、制御ライン109を通じて供給される種々の情報を表示するものである。例えば、内蔵アンテナ101及び通信回路102を通じて取り込んだ種々の画像データや電子メールデータ、あるいは、操作部106を通じて入力するようにしたテキストデータ、予め用意された操作ガイダンスや種々のメッセージ情報、カメラ部118を通じて取り込んだ画像データなどの情報を表示することができるものである。
制御部108は、上述もしたようにCPUからなり、メモリ部105のROMに記憶されているプログラムを実行して、各部に供給する制御信号を形成し、これを制御ライン109を通じて各部に供給したり、また、各部からの情報の提供を受けて、これに応じて新たな制御信号を形成して供給したりするなど、この携帯電話端末100の制御の主体となるものである。
また、制御部108は、詳しくは後述もするが、コンテンツデータに付加されたメタデータや、コンテンツデータが電子メールデータなどのテキストデータであるときには、タイトルや本文を、オントロジ辞書に基づいて解析し、高レイティングのメタデータやワード(語)を有するコンテンツデータほど上位に位置するように分類し、他の携帯電話端末から収集するようにした属性情報をも考慮して、関連性のあるコンテンツデータの系統立った出力を行うようにすることもできるものである。
また、制御ライン109は、主に制御信号や制御に伴う種々の情報を伝送するためのバスラインである。また、データライン110は、音声データ、画像データ、電子メールデータなど、送受の対象となる種々のデータ、あるいは、処理の対象となる種々のデータの伝送用のものである。
さらに、この実施の形態の携帯電話端末100は、無線LAN通信アンテナ111、無線LAN通信制御部112を備え、アドホックモードで1対1に無線通信を行うようにしたり、また、近隣のアクセスポイントを通じて無線LANに接続し、この無線LANを介して通信を行ったりすることもできるようにしている。すなわち、この実施の形態の携帯電話端末100は、公衆電話通信網やインターネットなどの広域ネットワークに接続する機能を有すると共に、無線LANにも接続して通信を行うことができるものである。
また、赤外線送受部113は、赤外線発光用のLED(Light Emitting Diode)や赤外線受光用のフォトディテクタを備え、可視光よりわずかに下の周波数帯の赤外線を使用して、信号の送受信を行えるようにしている。この赤外線受光部113を通じては、端末同士を近づけて赤外光による通信により、ごく近隣の携帯電話端末同士で、例えば、アドレス交換や画像データ交換などを行うことができるようにしている。ごく近隣の携帯電話端末同士で通信を行うので、セキュリティを保って通信を行うことができる。
近距離用通信アンテナ114および電子マネー決済処理部115は、店舗に設置されている電子マネー決済システムや自動販売機に併設されている電子マネー決済システムとの間で通信を行うことにより、この携帯電話端末100の例えば電子マネー決済処理部115が備えるメモリに予め登録されている電子マネーを用いて代金の決済を行うことができるようにするものである。
GPS用受信アンテナ116およびGPS部117は、複数の人口衛星から送信されてくるGPS信号を受信して、これら受信したGPS信号を解析することにより、自機の現在位置を特定するものである。すなわち、GPS用受信アンテナ116は、複数の人口衛星からのGPS信号を受信して、これらをGPS部117に供給するものである。GPS部117は、GPS用受信アンテナ116を通じて受信したGPS信号を、同期を取って復調して解析することにより、自機の現在位置を特定するものである。
GPS部117によって特定された自機の現在位置は、例えば、メモリ部105に記憶保持されている地図情報上に、現在位置を示して表示部107に表示することによって、道案内を行うようにしたり(ナビゲーション機能を実現したり)、後述するカメラ部118を通じて取得する画像データに対して、撮影位置を示すメタデータとして付加したりするなどのことに用いられるようにされる。
なお、この実施の形態の携帯電話端末100は、図示しないが、現在年月日、現在曜日、現在時刻を提供する時計回路を備え、この時計回路から取得される現在日時を、後述するカメラ部118を通じて取得する画像データに対して、撮影日時を示すメタデータとして付加するなどのこともできるようにしている。
カメラ部118は、対物レンズ、シャッター機構、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子を備え、被写体の画像を電気信号として取り込んで、これをデジタルデータに変換し、これをデータライン110を通じてメモリ部105の所定のメモリに供給して記録することができるものである。
また、メモリスロット119は、例えば、着脱可能に構成されたICカードメモリなどの外部メモリ120を装着する部分である。これにより、メモリ部105のユーザーが利用可能なメモリの記憶容量が不足してきた場合に、外部メモリ120をユーザーメモリとして用いることができるようにしたり、あるいは、新たな機能を実現するためのプログラムが記録された外部メモリ120を装着することにより、携帯電話端末100に新たな機能を追加したりするなどのことができるようにしている。
そして、この実施の形態の携帯電話端末100が待ち受け状態にあるときに、アンテナ101、通信回路102を通じて自機宛ての呼び出し信号(着信信号)を受信したことを制御部108が検出すると、制御部108は、メモリ部105を制御して、メモリ部105に記憶保持されている着信音データを読み出して、これをデータラインを110を通じてスピーカ104に供給し、スピーカ104から着信音を放音するようにする。
あるいは、図示しないリンガを制御して、呼び出し音を放音することにより着信を通知したり、マナーモードにすることによって、図示しないバイブレータを制御して、携帯電話端末100を振動させることにより着信を通知したりすることもできるようにしている。
そして、呼び出し音などにより、携帯電話端末100に着信があることが通知された場合に、ユーザーが操作部106を通じてオフフック操作を行うと、これに応じて制御部108は応答信号を生成して、これを通信回路102、アンテナ101を通じて送信するとともに、通信回路102を制御して発呼先の通信端末との間に通信回線を接続し、通話をできるようにする。
また、自機から発呼する場合には、ユーザーは、操作部106を通じてオフフック操作をおこなって電話番号を入力したり、あるいは、登録済みのアドレス帳データの中から目的とする相手先の電話番号を選択したりすると、これに応じて制御部108が目的の相手先を読み出す呼び出し信号(発呼信号)を形成し、これを通信回路102、アンテナ101を通じて送出する。この呼び出し信号に応じて、目的とする相手先から応答信号が返信されてきた場合に、制御部108は、通信回路102を制御して通信回線を接続し、通話をできるようにする。
上述のようにして、自機への着信に応じて、あるいは、自機から発呼することにより、通信回線が接続されると、相手先からの音声信号は、内蔵アンテナ101を通じて通信回路102により受信され、ここで復調、復号された後、データライン110を通じてスピーカに供給さる。これにより、受信した音声信号に応じた音声がスピーカ110から放音される。
また、マイク103を通じて集音されて、電気信号に変換されるとともに、デジタル信号に変換された当該携帯電話端末100のユーザーの音声に応じた音声信号は、通信回路102に供給され、ここで符号化、変調して、内蔵アンテナ101を通じて送出する。これにより自機からの音声信号が、相手先に送信される。このようにして、音声の送受を行うことにより、通話が行うようにされる。
また、操作部106を通じてメモリ部105に作成した電子メールデータを、制御部108が通信回路102を制御して、目的とする相手先のメールサーバに送信することができる。また、操作部106を通じて所定の操作を行うことにより、帯電話端末100のユーザーのメールサーバに、通信回路102、アンテナ101を通じてアクセスして、自機宛ての電子メールを受信し、これをメモリ部105に取り込んで、これを制御部108の制御により、表示部107の表示画面に表示して確認することもできる。
もちろん、通信回路102、アンテナ101、及び、携帯電話網を通じてインターネットに接続し、インターネット上の目的とするサーバにアクセスして、必要な情報、例えば、音楽データ(音楽コンテンツ)や画像データ(画像コンテンツ)などをダウンロードしてきて利用するなどのこともできるようにしている。
なお、ダウンロードしてきた画像データについては、制御部108の制御により、メモリ部105に記憶保持すると共に、これを表示部107に表示して利用することができるようにされる。また、ダウンロードしてきた音楽コンテンツについては、制御部108の制御により、メモリ部105に記憶保持すると共に、これを図示しない音楽再生処理部、ヘッドホンなどを通じて再生して利用することができるようにされる。
また、この実施の形態の携帯電話端末100は、上述もしたように、赤外線送受部113を備え、ごく近隣の他の携帯電話端末との間で赤外線通信を行って、アドレス交換や画像交換などを行うことができるようにしている。
また、この実施の形態の携帯電話端末100は、上述もしたように、無線LAN通信アンテナ111、無線LAN通信制御部112を内蔵しており、アクセスポイントを通じて所定の無線LANに接続して、他の通信機器との間で情報の送受を行ったり、所定の通信機器との間においてアドホックモードで通信回線を接続し、電子メールアドレスや電話番号などの交換など、必要な情報の送信や受信を行ったりすることができるようにしている。
そして、この実施の形態の携帯電話端末100は、インターネットを通じて取得した画像データ(画像コンテンツ)や自機宛ての電子メールデータ、さらには、カメラ部118を通じて撮影して得た画像データなどの種々のコンテンツデータを、メモリ部106の不揮発性メモリに記憶保持して、いつでも読み出して利用することができるようにされる。
また、インターネットを通じてダウンロードしてきたコンテンツデータや、カメラ部118を通じて撮影して得た画像データであって、メモリ105の不揮発性メモリに記録されるコンテンツデータには、図示しない時計回路からの現在日時情報をメタデータとして自動的に付加したり、カメラ部118を通じて撮影して得た画像データに対して、GPS部115を通じて取得した現在位置を示す情報をメタデータとして自動的に付加したりすることができるようにされる。
さらに、メモリ部105の不揮発性メモリに記憶保持されている目的とするコンテンツデータに対して、操作部106を通じてユーザーが入力する種々の情報を、制御部108の機能によりメタデータとして付加することができるようにしている。
そして、この実施の形態の携帯情報端末100は、上述もしたように、赤外線送受部113を通じて、あるいは、無線LAN通信アンテナ111および無線LAN通信制御部112を通じて、アドレス交換を行うことができるものであるが、アドレス交換時において、各携帯電話端末に予め登録される使用者に関する属性情報の交換をも行うことができるようにしている。なお、取得した他機からの使用者に関する属性情報(他者属性情報)は、メモリ部105の不揮発性メモリに形成されるアドレス帳データファイルに、名前やメールドレスなどと共に記憶するようにされる。
そして、詳しくは後述するが、各ワード(語)に対して、属性を設定することができると共に、各ワード間に意味上のつながりを持つように記述されたいわゆるオントロジ辞書が、例えば、メモリ部105の不揮発性メモリに記憶保持されている。そして、上述もしたように、制御部108は、オントロジ辞書に基づいて、コンテンツデータに付加されたメタデータや、コンテンツデータが電子メールデータなどのテキストデータであるときには、タイトルや本文を解析し、高レイティングのメタデータやワード(語)を有するコンテンツデータほど上位に位置するように分類し、他の携帯電話端末から収集するようにした他機の使用者の属性情報(他者属性情報)やオントロジ辞書をも考慮して、関連性のあるコンテンツデータの系統立った出力を行うようにすることもできるものである。
このように、この実施の形態の携帯電話端末100は、コンテンツ記憶手段としてのメモリ部105と、コンテンツデータにメタデータを付加するための付加手段として機能を実現する制御部108および操作部106などと、他者属性情報を受信する受信手段としての無線LAN通信アンテナ111および無線LAN通信制御部112、赤外線送受部113、あるいは、内蔵アンテナ101と通信回路102と、他者属性情報記憶手段としてのメモリ部105と、オントロジ辞書を記憶保持するメモリ部105と、コンテンツデータに付加されたメタデータやテキストデータであるコンテンツデータを、オントロジ辞書に基づいて解析し、分類する分類手段としての機能や、関連性のあるコンテンツデータを抽出する抽出手段としての機能を実現する制御部108と、コンテンツデータを出力する出力手段としての機能を主に実現する表示部107とを有するものである。
さらに、この実施の形態の携帯電話端末100の無線LAN通信アンテナ111および無線LAN通信制御部112、赤外線送受部113、あるいは、内臓アンテナ101および通信回路102は、使用者に関する情報や自己のオントロジ辞書を交換するために、自機の使用者に関する属性情報(自己属性情報)を送信する送信手段としての機能や、自己の辞書情報を送信する辞書情報送信手段としての機能をも実現するものである。
[属性情報、メタデータ、オントロジ辞書について]
次に、この実施の形態の携帯電話端末100において、関連性のあるコンテンツデータの系統立った表示(出力)を実現するために、必要となる情報について説明する。
[使用者アドレスデータ]
図2は、当該携帯電話端末100の使用者(ユーザー)の使用者アドレスデータ(本人情報)について説明するための図である。この図2に示す使用者アドレスデータは、携帯電話端末100の使用者自身によって、操作部106を通じて、予め登録され、携帯電話端末100のメモリ部105の不揮発性メモリに記憶保持されるものである。もちろん、図2に示す使用者アドレスデータは、操作部106を通じて使用者が、修正したり、削除したりすることもできるものである。
図2に示すように、この実施の形態において、使用者アドレスデータは、この携帯電話端末100の使用者の氏名、住所、メールアドレス1、メールアドレス2、電話番号1、電話番号2、属性情報からなるものである。ここで、氏名、住所は、この携帯電話端末100の使用者の氏名、住所である。
メールアドレス1は、この携帯電話端末100を通じてアクセス可能な携帯電話端末100用のアドレス情報であり、メールアドレス2は、例えば、自宅や勤務先のパーソナルコンピュータを通じてアクセス可能なパーソナルコンピュータ用のアドレス情報である。また、電話番号1は、この携帯電話端末100用の電話番号であり、電話番号2は、例えば、自宅や勤務先などの電話番号である。
そして、属性情報は、この携帯電話端末100の使用者に関する属性情報であり、図2に示すように、当該携帯電話端末100の使用者の「好きなもの」についての情報や、「欲しいもの」についての情報の他、「気になっているもの」についての情報、「嫌いなもの」についての情報、生年月日や血液型など、使用者に関する種々の情報からなるものである。
この図2に示す使用者アドレスデータは、例えば、メールアドレスの交換時において、自機から他機に対して送信することができるものである。なお、メールアドレス交換時においては、図2に示した使用者アドレスデータの全てを相手先に提供する必要はなく、携帯電話端末100の使用者が送信可能な情報として設定したもののみを送信することができるようにしている。例えば、氏名とメールアドレス1と属性情報だけを提供し、住所や電話番号は提供しないように予め設定しておくこともできるようにされる。
なお、メールアドレスの交換は、上述もしたように、赤外線送受部113を通じて、赤外線通信により行うことも可能であるし、無線LAN通信アンテナ111および無線LAN通信制御部112を用い、無線LANを介して行うことも可能である。また、アンテナ101および通信回路102を用い、携帯電話端末ネットワークを介して行うことも可能である。
[一般アドレスデータ(アドレス帳データ)]
図3は、当該携帯電話端末100から電話をかけたり、電子メールを送信したりする相手先についての情報、いわゆるアドレス帳データについて説明するための図である。この実施の形態の携帯電話端末100のメモリ部105の不揮発性メモリには、少なくとも数百人分のアドレスデータを記憶保持することができるようにしている。
図3に示すように、一般アドレスデータは、通信の相手先の氏名、住所、メールアドレス1、メールアドレス2、電話番号1、電話番号2、属性情報からなるものである。すなわち、通信の相手先毎の情報は、図2に示した使用者アドレスデータの場合と同じである。そして、氏名、住所は、通信の相手先の使用者の氏名、住所である。
メールアドレス1は、通信の相手先の携帯電話端末を通じてアクセス可能な携帯電話端末用のアドレス情報であり、メールアドレス2は、例えば、通信の相手先の自宅や勤務先のパーソナルコンピュータを通じてアクセス可能なパーソナルコンピュータ用のアドレス情報である。また、電話番号1は、通信の相手先の携帯電話端末用の電話番号であり、電話番号2は、通信の相手先の例えば自宅や勤務先などの電話番号である。
そして、属性情報は、通信の相手先の携帯電話端末の使用者に関する属性情報であり、図2を用いて説明した使用者アドレスデータの属性情報と同様に、「好きなもの」についての情報や、「欲しいもの」についての情報の他、「気になっているもの」についての情報、「嫌いなもの」についての情報、生年月日や血液型など、通信の相手先の携帯電話端末の使用者に関する種々の情報からなるものである。
そして、図3に示した一般アドレスデータの通信の相手先についての各情報は、上述もしたように、例えば、赤外線送受部113や、無線LAN通信アンテナ111および無線LAN通信制御部112や、内蔵アンテナ101および通信回路102などの通信手段を通じて行われるメールアドレスの交換時において、他機からの情報を受信して、図3に示した態様で、自機のメモリ部105の所定の不揮発性メモリに格納することができるものである。
また、図3に示した一般アドレスデータは、メールアドレスの交換時において他機から提供を受けて蓄積することができるものであるが、操作部106を通じて使用者自身が登録するようにしたり、修正したり、削除したりすることもできるようにされる。
なお、通信の相手先から供給されるアドレスデータもまた、図3に示した全ての情報が提供されるとは限らず、氏名とメールアドレスと属性情報だけが提供されるなどというように、限られた情報のみが提供される場合もある。このような場合、提供されなかったデータの格納領域は初期化(イニシャライズ)され、データが存在しないものとされる。
図2に示した使用者アドレスデータと図3に示した一般アドレスデータとの説明から分かるように、この実施の形態の携帯電話端末100は、アドレスデータの交換時において、氏名やメールアドレスの他に、従来の携帯電話端末においては扱っていなかった使用者に関する種々の属性情報についても、相互に交換することができるようにしている。
すなわち、メールアドレス交換時においては、自己の氏名やメールアドレスの他に、自己に関する属性情報(使用者に関する属性情報)をも相手先に提供し、また、相手先からも氏名やメールアドレスの他に、使用者に関する属性情報をも提供を受けて、そのそれぞれを記憶保持し、利用することができるようにしている。
なお、受信した通信の相手先の属性情報を、図3に示したように、一般アドレスデータを構成する1つのデータとして記憶保持しておくことにより、自己の交友関係における「好きなもの」の傾向や「欲しいもの」の傾向など、属性情報を解析することにより、種々の情報を得ることが可能となる。
[コンテンツデータのメタデータ]
図4は、この実施の形態の携帯電話端末100のメモリ部105の不揮発性メモリに記憶保持される種々のコンテンツデータに対して付加されるメタデータについて説明するための図である。
この実施の形態の携帯電話端末100は、いくつかの経路を通じて種々のコンテンツデータを取得し、これをメモリ部105の不揮発性メモリに記憶保持して、必要に応じて読み出し利用することができるものである。
すなわち、この実施の形態の携帯電話端末100は、通信回路102、アンテナ101を介して、インターネットに接続し、目的とするサーバ装置から画像データ、テキストデータ、音楽データなどの種々のコンテンツデータを取得し、これをメモリ部105の不揮発性メモリに格納することができる。
また、無線LANアンテナ111、無線LAN通信制御部112を通じて、無縁LAN上のパーソナルコンピュータなどの機器から画像データ、テキストデータ、音楽データなどの種々のコンテンツデータを取得し、これをメモリ部105の不揮発性メモリに格納することができる。
また、カメラ部118を通じて被写体を撮影することにより、当該被写体の画像データを取り込んで、これをメモリ部105の不揮発性メモリに格納することができる。また、インターネットを通じて受信した自機宛ての電子メールや、操作部106を通じて入力した自機から送信する電子メールなどに付いても、メモリ部105の不揮発性メモリに格納しておくことができる。
また、図示しないが、この実施の形態の携帯電話端末は、例えば、デジタルインターフェイスの入出力端を備えており、当該デジタルインターフェイスを通じて外部機器からコンテンツデータの提供を受けて、これをメモリ部105の不揮発性メモリに記憶保持し、他のコンテンツデータと同様に、必要に応じて読み出して利用することもできるようにされる。
このように、この実施の形態の携帯電話端末100は、インターネット、LAN、カメラ部118、操作部106、デジタルインターフェイスなどを通じて取り込んだ種々のデータをコンテンツデータとして利用することができるようにしている。そして、この実施の形態の携帯電話端末100においては、自機に取り込んで記憶保持している種々のコンテンツデータに対しては、図4に示すように、タイトル、取得日(撮影日)、キーワードなどの種々のメタデータを付加することができるようにしている。
ここで、タイトルは、そのコンテンツデータに対するタイトル(表題)であり、テキストデータである。取得日(撮影日)は、そのコンテンツデータを取得した日を示す年月日情報であり、コンテンツデータがカメラ部118を通じて取得データ画像データの場合には撮影した日を示す年月日情報である。なお、ここでは、取得日(撮影日)は年月日情報としたが、曜日情報や時刻情報などを含めるようにしてももちろんよい。
キーワードは、操作部106を通じてユーザーが任意に入力可能なテキストデータであり、例えば、「おいしいケーキ」、「おいしいお店」などの情報、バッグ、ジュエリーなどの「好きなもの」や「欲しいもの」としての商品の一般名称や商品名、目的する商品の製造元や販売元の会社名、目的とする商品を販売しているお店の店名、コンテンツデータの作成者や関係者の名前など、そのコンテンツデータについての種々の属性情報を複数設定するようにすることができるものである。
このようなメタデータは、コンテンツデータが格納されているファイルの予め決められた領域に付加するようにされたり、また、ファイル名などにより関連付けられて、メタデータだけをコンテンツデータとは別に管理するようにしたりすることができるようにされる。
また、図4に示したメタデータは一例であり、例えば、カメラ部118を通じて被写体を撮影して画像データを得た場合には、当該画像データに対しては、図示しない時計回路を通じて取得した撮影日時情報と共に、GPS受信アンテナ116、GPS部117を通じて取得した撮影位置を示す位置情報をメタデータとして付加するようにすることもできる。
[オントロジ辞書]
図5〜図7は、この実施の形態の携帯電話端末100に搭載されたオントロジ辞書について説明するための図である。オントロジという文言は、本来、存在論を意味するものであるが、近年においては、人々が無意識のうちに頭の中に形成している知識体系を構造化する技術、他者との知識の共有、融合を容易にするための技術として注目を集めいている技術を指す文言として用いられている。
すなわち、オントロジは、簡単な定義意味情報を定義するための技術的な方法であり、オントロジを利用することによって、意味上のつながりを利用して、知識を共有できるようにするものである。そして、このオントロジを利用して形成される辞書がオントロジ辞書と呼ばれるものである。
図5は、オントロジ辞書を記述するために用いるUML(Unified Modeling Language)のクラス図を説明するための図である。オントロジ辞書の場合には、各ワード(語)間に意味上のつながりを定義するために、UMLなどの記述方式が用いられる。図5に示すように、UMLの場合には、モデル要素として、クラス、関連(汎化)、関連(集約)の3つが用意されている。
クラスは、本来、同様のものの一まとまりを意味するが、この例の場合には、各ワード(語)に相当する。すなわち、各クラスのクラス名が、オントロジ辞書を構成するワード(語)に相当するものとなり、各クラス(各ワード)に対しては、属性名を付加することができるようにされる。
また、関連(汎化)は、クラス間の汎化/特化の関係を表すものであり、図5の中段に示したように、クラス間をいわゆる三角矢印で接続するように記述するものである。そして、図5の中段に示したように、クラスB側に三角形が位置するように、クラスAとクラスBとを関連(汎化)によって接続するようにした場合には、クラスAはクラスBの部分集合の関係にあることが示される。すなわち、図5の中段に示したように、クラスAとクラスBとを関連(汎化)によって接続した場合には、クラスAはクラスBに含まれるものであり、実装上、クラスAはクラスBの持つ特徴を承継して拡張するものとされる。
また、関連(集約)は、クラス間の集約関係を表すものであり、図5の下段に示したように、クラス間をいわゆる四角矢印(ひし形矢印)で接続するように記述するものである。そして、図5の下段に示したように、クラスB側に四角形(ひし形)が位置するように、クラスAとクラスBとを関連(集約)によって接続するようにした場合には、クラスAを集約したものがクラスBであることが示される。
図5を用いて説明したUMLを用いて記述したオントロジ辞書の一例を図6に示す。図6は、UMLを用いて記述するようにした「食べ物」についてのオントロジ辞書の一部を示すものである。図6に示すように、この例のオントロジ辞書は、「ティラミス」、「クリームチーズケーキ」、「チーズケーキ」、「デザート」、「メインディッシュ」、「料理」、「食べ物」という各ワード(語)をクラスとしたものである。
そして、図6に示したように、各クラスには「+テイスト(味)」が示すように、例えば、「おいしい」、「まずい」といった味についての属性を付加することができると共に、必要に応じて「+タイプ」が示すように、タイプについての属性をも付加することもできるようにされている。
そして、そして、図6に示したように、「ティラミス(クラスC11)」と「クリームチーズケーキ(クラスC12)」とは、「チーズケーキ(クラスC21)」との間に汎化関係(is−a関係)があり、「チーズケーキ(クラスC21)」は、「デザート(クラスC31)」との間に汎化関係(is−a関係)があり、「料理(クラスC41)」は、「食べ物(クラスC51)」との間に汎化関係(is−a関係)があり、「デザート(クラスC31)」と「メインディッシュ(クラスC32)」とは、「料理(クラスC41)」との間に集約関係(part of関係)があることが示されている。
換言すれば、図6に示したオントロジ辞書においては、「ティラミス(クラスC11)」と「クリームチーズケーキ(クラスC12)」とは、「チーズケーキ(クラスC21)」に属し、「チーズケーキ(クラスC21)」は、「デザート(クラスC31)」に属し、「料理(クラスC41)」は、「食べ物(クラスC51)」に属し、「デザート(クラスC31)」と「メインディッシュ(クラスC32)」とは、「料理(クラスC41)」に集約されるという一連の関係あることが明確に示される。
図7は、図6に示した「食べ物」のオントロジ辞書に基づいて、「おいしい」という属性(属性値)が付加された「食べ物」に関するワード(語)の階層関係を示す図である。図6に示した「食べ物」に関するオントロジ辞書において、「食べ物」、「料理」、「デザート」、「メインディッシュ」、「クリームチーズケーキ」の5つの各ワードには、「おいしい」という属性が付加されているものとする。
そして、図6に示したオントロジ辞書の各ワードの階層関係を示すと、図7に示すように、第1階層が「食べ物」、第2階層が「料理」、第3階層が「デザート」と「メインディッシュ」、第4階層が「チーズケーキ」、第5階層が「ティラミス」と「クリームチーズケーキ」となる。
そして、図6、図7を用いて説明したように、オントロジ辞書は単にワード(語)を蓄積したものではなく、各ワード間には関連付けがなされている。このため、図6、図7を用いて説明したオントロジ辞書を、自機と通信の相手先との双方で持つことにより、「食べ物」についての情報交換を円滑に行うようにすることができ、知識や情報の共有・融合を容易にすることができる。
このように、この実施の形態の携帯電話端末100は、図2を用いて説明した使用者アドレスデータ、図3を用いて説明した一般アドレスデータ、図5〜図7を用いて説明したオントロジ辞書を有すると共に、図4を用いて説明したように、自機に記憶保持している種々のコンテンツデータに対してメタデータを付加することができるようにしている。
そして、この実施の形態の携帯電話端末100の場合、例えば、アドレス交換時において、氏名や電子メールアドレスの他に、使用者アドレスデータとして登録された属性情報についても交換することができるようにされる。すなわち、自機から氏名、電子メールアドレス、属性情報を送信して相手先に提供することができると共に、この実施の形態の携帯電話端末100と同様の構成を有する相手先の通信端末から送信されてくる氏名、電子メールアドレス、属性情報を受信し、これを図3に示した一般アドレスデータに追加記録することができるようにされる。
したがって、この実施の形態の携帯電話端末100は、アドレス交換を行うたびに、相手先の氏名や電子メールアドレスに加えて、その相手先の通信端末の使用者に関する情報である属性情報の提供を受けて、図3に示したように、氏名、電子メールアドレスなどの他に属性情報をも収集して記憶保持することができるようにしている。
そして、この実施の形態の携帯電話端末100は、自機に記憶保持されているコンテンツデータに付加されているメタデータを、あるいは、コンテンツデータが電子メールデータなどのテキストデータである場合には、そのタイトルやテキストデータ本文についても、自機に搭載されているオントロジ辞書を用いて解析を行って、出現したワード(語)に基づいてコンテンツデータを分類する。
このようにして分類したコンテンツデータの中から、図3を用いて説明した一般アドレスデータに含まれる属性情報のうち、高レイティングの属性情報と同じメタデータやワードを有するコンテンツデータを検索して抽出し、収集した属性情報に応じて、関連性のあるコンテンツデータの系統立った出力を実現することができるようにしている。
[コンテンツデータを系統立てて出力する場合の具体例について]
図8は、携帯電話端末100Aと携帯電話端末100Bとの間でアドレスデータの交換を行うことによって属性情報の交換をも行い、携帯電話端末100A、携帯電話端末100Bとのそれぞれにおいて、収集した属性情報や、コンテンツデータに付加されているメタデータなどの情報や、オントロジ辞書を用いることによって、使用者(ユーザー)の手を煩わせることなく、自機に蓄積されているコンテンツデータを系統立てて出力する場合の処理の一例を説明するための処理フローである。
ここで、携帯電話端末100A、携帯電話端末100Bのそれぞれは、図1に示した構成を有し、メモリ105の不揮発性メモリには、図2に示した使用者アドレスデータ、図3に示した一般アドレスデータ、図4に示したようなメタデータが付加するようにされたコンテンツデータ、図5〜図7を用いて説明したオントロジ辞書が記憶保持されているものである。
そして、携帯電話端末100A、携帯電話端末100Bのそれぞれは、図1を用いて説明したように、内蔵アンテナ101及び通信回路102を通じて広域ネットワークに接続する系と、無線LAN通信アンテナ111及び無線LAN通信制御部112を通じて無線LANに接続する系と、赤外線送受部113を通じて赤外線により1対1で通信する系とを備えている。この図8に示す例においては、無線LAN通信アンテナ111及び無線LAN通信制御部112を通じて、アドホックモードで通信することにより、アドレス交換を行う場合を例にして説明することとする。
図8に示すように、携帯電話端末100Aは、オントロジ辞書AJ、使用者アドレスデータA1、一般アドレスデータA3を備えている。携帯電話端末100Bは、オントロジ辞書BJ、使用者アドレスデータB1、一般アドレスデータB3を備えている。オントロジ辞書AJ、BJは、図5〜図7を用いて説明したように構成されるものである。
また、使用者アドレスデータA1、B1は、図2を用いて説明したよう形成されるものである。また、一般アドレスデータは、図3を用いて説明したように、氏名、住所、メールアドレス1、2、電話番号1、2、属性情報からなるものである。しかし、ここでは、説明を簡単にするため、一般アドレスデータA3、B3のそれぞれは、通信の相手先となる複数の通信先についての少なくとも氏名、メールアドレス、属性情報を有するものとして説明する。
そして、図8に示す例の場合には、携帯電話端末100Aの使用者がアドレス交換を行うようにする所定の操作を行うことにより、携帯電話端末100Aから携帯電話端末100Bに対して、アドホックモードで1対1に通信を行うようにする要求を送信し、これに携帯電話端末100Bから応答が返信されてきた場合に、通信回線が接続され、1対1のアドホックモードでの通信(アドホック通信)が開始される(ステップS1)。
具体的には、アドレス交換を行うようにする所定の操作を受け付けると、携帯電話端末100Aの制御部108は、無線LAN通信制御部112を制御して、当該無線LAN通信制御部112、無線LAN用通信アンテナ111を通じて、アドホックモードで1対1に通信を行うようにする要求を送信する。
これを受信した携帯電話端末100Bにおいては、当該携帯電話端末100Bの使用者が応答する所定の操作を行うことにより、携帯電話端末100Bの制御部108が、無線LAN通信制御部112を制御して、当該無線LAN通信制御部112、無線LAN用通信アンテナ111を通じて、応答を返信することにより、携帯電話端末100Aと携帯電話端末100Bとの間に無線LAN上において通信回線が接続され、アドホックモードで1対1に通信を行うことができるようにされる。
そして、携帯電話端末100Aは、自機の使用者アドレスデータA1に基づいて、交換データA2を形成して、これを通信の相手先である携帯電話端末100Bに送信する(ステップS2)。なお、交換データA2は、図2を用いて説明した使用者アドレスデータから形成されるものであるが、交換するデータを予め制限することもできるようにされる。
すなわち、使用者アドレスデータを構成する各データについては、セキュリティレベルの設定が可能であり、提供可能なデータと提供しないデータとを使用者が事前に設定しておくことができるようにしている。特に、属性情報については、提供可能なものとそうでないものとを細かく指定することができるようにしている。図8に示す例において、携帯電話端末100Aから携帯電話端末100Bに送信される交換データA2は、氏名、メールアドレス、属性情報からなるものである。
そして、携帯電話端末100Aからの交換データA2の提供を受ける携帯電話端末100Bにおいては、携帯電話端末100Aからの交換データA2を受信し、これを自機の一般アドレスデータB3に追加する。図8において、携帯電話端末100Bの一般アドレスデータB3の最後尾の斜線で示した部分のデータが、携帯電話端末100Aからの交換データA2に応じた情報である。
これに対応し、携帯電話端末100Bは、自機の使用者アドレスデータB1に基づいて、交換データB2を形成して、これを通信の相手先である携帯電話端末100Aに送信する(ステップS3)。携帯電話端末100Bにおいても、交換データB2は、図2を用いて説明した使用者アドレスデータから形成されるものであるが、携帯電話端末100Aにおいて、使用者アドレスデータから交換データA2を形成した場合と同様に、交換するデータを予め制限することもできるようにされる。
すなわち、図8に示す例において、携帯電話端末100Bから携帯電話端末100Aに送信される交換データB2は、氏名、メールアドレス、属性情報からなるものである。そして、携帯電話端末100Bからの交換データB2の提供を受ける携帯電話端末100Aにおいては、携帯電話端末100Bからの交換データB2を受信し、これを自機の一般アドレスデータA3に追加する。図8において、携帯電話端末100Aの一般アドレスデータA3の最後尾の斜線で示した部分のデータが、携帯電話端末100Bからの交換データB2に応じた情報である。
このようにして、携帯電話端末100Aと携帯電話端末100Bとが相互にアドレス交換を行った後に、接続した無線LAN上の通信回線を解放し、1対1のアドホックモードでの通信(アドホック通信)が終了するようにされる(ステップS4)。
この後、携帯電話端末100Aにおいては、オントロジ辞書と一般アドレスデータの属性情報とに基づいて、記憶保持しているコンテンツデータについての属性判定処理を行う(ステップT1)。具体的には、携帯電話端末100Aの制御部108は、自機のオントロジ辞書辞書AJに基づいて、自機に保持されている画像コンテンツデータのメタデータや電子メールのタイトルや本文中に含まれるキーワードの構文解析と分類とを実施し、自機に登録されている一般アドレスデータの中で、高レイティングの属性情報が付加されている、あるいは、含められているコンテンツデータを検索して抽出する。
そして、携帯電話端末100Aの制御部108は、ステップT1の結果に基づいて、高レイティングの属性情報が付加されている、あるいは、含められているコンテンツデータを自動選択すると共に、オントロジ辞書に基づいて、系統立ててコンテンツデータを出力する(ステップT2)。
このステップT2においては、例えば、携帯電話端末100Aのメモリ部105の不揮発性メモリには、図8においてコンテンツデータ群A4に示すように、コンテンツデータとして画像c、画像d、画像e、画像f、メールg、メールh、メールiが記憶保持されており、この内、画像e、画像f、メールg、メールh、メールiが、属性情報として情報aが付加されていたり、含まれていたりする場合には、これら画像e、画像f、メールg、メールh、メールiが、出力対象のコンテンツデータとして選択され、オントロジ辞書に基づいて、系統立てて出力するようにされる。この例の携帯電話端末100Aにおいては、表示部107に表示するようにされる。
一方、携帯電話端末100Bにおいても、携帯電話端末100AにおけるステップT1の場合と同様にして、オントロジ辞書と一般アドレスデータの属性情報とに基づいて、記憶保持しているコンテンツデータについての属性判定処理を行う(ステップT3)。
そして、携帯電話端末100Bの制御部108は、ステップT3の結果に基づいて、高レイティングの属性情報が付加されている、あるいは、含められているコンテンツデータを自動選択すると共に、オントロジ辞書に基づいて、系統立ててコンテンツデータを出力する(ステップT4)。
このステップT4においては、例えば、携帯電話端末100Bのメモリ部105の不揮発性メモリには、図8においてコンテンツデータ群B4に示すように、コンテンツデータとして画像c、画像d、画像l、画像m、メールn、メールo、メールpが記憶保持されており、この内、画像l、画像m、メールn、メールo、メールpが、属性情報として情報bが付加されていたり、含まれていたりする場合には、これら画像l、画像m、メールn、メールo、メールpが、出力対象のコンテンツデータとして選択され、オントロジ辞書に基づいて、系統立てて出力するようにされる。この例の携帯電話端末100Bにおいては、表示部107に表示するようにされる。
このように、この例の携帯電話端末100A、携帯電話端末100Bのそれぞれにおいては、使用者がコンテンツデータを予め分類するなどの面倒な手間をかけることなく、通信の相手先から取得した種々の属性情報と、オントロジ辞書と、コンテンツデータに付加されたメタデータやコンテンツデータを構成するテキストデータなどのコンテンツに関する情報に基づいて、コンテンツデータを分類、整理し、出力するべきコンテンツデータを特定して、これを系統立てて出力することができるようにしている。
なお、上述もしたように、使用者アドレスデータを構成する各データ、特に、属性情報については、セキュリティレベルの設定も可能であり、辞書以外のデータを交換する場合において、予め設定されたセキュリティレベルに合わせて、データの交換可否を制御することが可能である。また、オントロジ辞書を備えていない携帯電話端末に対しては、自機の保持するオントロジ辞書を提供するようにしたり、また、携帯電話端末間でオントロジ辞書の交換を行うようにしたりすることも可能である。
また、上述した実施の形態においては、アドホックモードで通信を行うものとして説明したが、いわゆるアドホック通信以外に、WLANなどのネットワークを利用する場合においても、交換データについては、例えば、データ毎に予め設定されるセキュリティレベルに応じて交換するようにすることが可能である。
また、図8のステップT1の説明においては、自機のオントロジ辞書辞書に基づいて、自機に保持されている画像コンテンツデータのメタデータや電子メールのタイトルや本文中に含まれるキーワードの構文解析と分類とを実施し、自機に登録されている一般アドレスデータの中で、高レイティングの属性情報が付加されている、あるいは、含められているコンテンツデータを検索して抽出するものとして説明したが、これに限るものではない。
一般アドレスデータにおける高レイティングの属性情報を有するコンテンツデータを抽出する他にも、分類されたコンテンツデータについて、一般アドレスデータの属性情報とは無関係に、高レイティングの属性情報を有するコンテンツデータを検索して抽出するようにしてもよい。
また、上述した例の場合には、一般アドレスデータ中の高レイティングの属性情報を含むコンテンツデータを抽出したり、一般アドレスデータとは無関係に高レイティングの属性情報を有するコンテンツデータを抽出したりする場合を説明したが、これに限るものではない。例えば、使用者が指定した属性情報を含むコンテンツデータを抽出し、これをオントロジ辞書に基づいて系統立てて出力するようにすることもできる。
また、オントロジ辞書に基づいたコンテンツデータの系統立てた出力は、is−a関係(汎化/特化の関係)、part of関係(集約の関係)に従った階層出力(階層表示)を行うことも可能である。
[コンテンツデータの系統立てた出力の具体例について]
次に、図8を用いて説明した携帯電話端末100Aの場合のコンテンツデータの系統立てた出力(表示)の具体例について、図9〜図13を用いてより具体的に説明する。
図9は、携帯電話端末100Aの一般アドレスデータに格納されている属性情報について説明するための図である。図8において、一般アドレスデータA3に示したように、携帯電話端末100Aが記憶保持している一般アドレスデータは、Cさん、Dさん、Bさんの3人ついてのものである。Bさんについてのアドレスデータは、ステップS3の処理によりBさん所有の携帯電話端末100Bから提供され最新に収集したものである。
なお、本来、一般アドレスデータを蓄積するいわゆるアドレス帳は、通信を行う可能性のある相手先の情報を数百人単位で記憶保持し、管理することができるものであるが、ここでは説明を簡単にするために、Cさん、Dさん、Bさんの3人のデータが記憶保持されている場合としている。
そして、図8の一般アドレスデータA3の場合には、Cさんの属性情報は「b」であるが、Dさん、Bさんの属性情報はいずれも「a」である。なお、属性情報は1つに限るものではなく複数存在する場合ももちろんある。ここで、より具体的に、属性情報「b」、「a」は、それぞれ「好きなもの」を示す情報であり、属性情報「a」は、「クリームチーズケーキ」という属性情報であり、属性情報「b」は、「ラーメン」という属性情報であるとする。
この状態を図にまとめると、図9Aに示すようにまとめることができる。そして、この例の場合、図9Aからも明らかなように、Cさん以外の、Dさん、Bさんの属性情報がいずれも「クリームチーズケーキ」であるので、高レイティングの属性情報(この例では出現頻度の高い属性情報)は、図9Bに示すように、「クリームチーズケーキ」ということになる。
また、図8において、携帯電話端末100Aの使用者であるAさんの使用者アドレスデータA1から形成される交換データA2を見るとわかるように、携帯電話端末100Aの使用者Aさんの属性情報もまた「a」、すなわち「クリームチーズケーキ」である。このため、以下に説明するように、携帯電話端末100Aのメモリ部105の不揮発性メモリに蓄積されているコンテンツデータには、「クリームチーズケーキ」という属性情報が付加されたものが存在するものとする。
図10は、図8に示した携帯電話端末100Aのメモリ部105の不揮発性メモリに蓄積されているコンテンツデータについて説明するための図である。図10に示すように、携帯電話端末100Aの不揮発性メモリには、複数の画像コンテンツデータPT1、PT2、PT3、…と、複数の電子メールデータML1、ML2、ML3、…とが蓄積されている。
ここで、画像コンテンツデータPT1、PT2、PT3、…のそれぞれは、上述もしたように、インターネットや無線LANを通じて取得したものや、カメラ部118を通じて撮影して得たものや、赤外線送受部113を通じて取得したものなどである。また、電子メールデータML1、ML2、ML3、…のそれぞれは、上述もしたように、インターネットを通じて受信した自機宛てのものである。
そして、図10において、画像コンテンツデータPT1は、セーター(衣服)についてのものであり、「秋・冬」、「セーター」という2つのメタデータが付加されているものである。また、画像コンテンツデータPT1、PT2、PT3のそれぞれは、クリームチーズケーキについてのものであり、「おいしい」、「クリームチーズケーキ」という2つのメタデータが付加されているものである。
また、画像コンテンツデータPT5は、指輪についてのものであり、「ダイヤ」、「リング」という2つのメタデータが付加されているものである。また、画像コンテンツデータPT6は、ペンダントについてのものであり、「ダイヤ」、「ペンダント」という2つのメタデータが付加されているものである。
なお、ここでは、各画像コンテンツデータに対して、それぞれ2つのメタデータが付加されているものとして説明したが、これに限るものではない。1つ以上の任意の数のメタデータを付加することができる。また、その内容も、上記のようなキーワードだけでなく、取得日時、取得位置、URL(Uniform Resource Locators)など、種々の情報をメタデータとして付加することができるし、さらに、数百字程度の説明文(テキストデータ)などの情報を付加することもできるようにされている。
また、図10において、電子メールデータML1は、クリームチーズケーキに関する情報のものであり、本文に「クリームチーズケーキ」というワード(語)を含むものである。また、電子メールデータML2は、新作セーターを購入したことを知らせるものであり、電子メールデータML3は、メールアドレスを変更したことを知らせるものであり、また、電子メールデータML4は、予定変更を知らせるものである。すなわち、電子メールデータML1が、一般アドレスデータにおける高レイティングの属性情報である「クリームチーズケーキ」というワード(語)を含むものである。
そして、携帯電話端末100Aの制御部108は、例えば、図7に示したように形成されているオントロジ辞書に基づいて、コンテンツデータに付加されているメタデータやテキストデータである電子メールデータのタイトルや本文について、構文解析し、分類する。より具体的には、制御部108は、メタデータや電子メールデータのタイトルや本分について、構文解析を行ってワード(語)を特定し、図7に示したように形成されているオントロジ辞書を構成するワード(語)か否かを判別しながら、高レイティングのメタデータやワード(語)を有するコンテンツデータほど上位に位置するように分類する。
この後、制御部108は、当該分類結果に基づいて、図9Bに示したように、一般アドレスデータの属性情報において、高レイティングの属性情報をメタデータやワード(語)として含むコンテンツデータを抽出し、これをオントロジ辞書にしたがって出力(表示)するようにする。
図11は、一般アドレスデータ中の高レイティングの属性情報をメタデータやワード(語)として含むコンテンツデータを優先して表示する場合の例を説明するための図である。すなわち、図9Bに示したように、携帯電話端末100Aの一般アドレスデータの属性情報の内、高レイティングのものは、「クリームチーズケーキ」であるので、図10に示したコンテンツデータの内、構文解析と分類処理、及び、抽出処理が行われることにより、画像コンテンツデータPT2、PT3、PT4と、電子メールデータML1とが抽出され、これらが優先的に、図7に示したオントロジ辞書に基づいて、「クリームチーズケーキ」というワード(語)が最終的に集約される「食べ物」というフォルダFL1の構成要素に割り当てられる。
これにより、図11に示すように、「食べ物」のフォルダFL1を開く(オープンする)と、「食べ物」のフォルダFL1の構成要素として割り当てられた、画像コンテンツデータPT2、PT3、PT4、電子メールデータML1が選択可能なように表示される。この図11に示す状態にあるときに、画像コンテンツデータPT2、PT3、PT4のいずれかを選択すれば、例えば、その拡大画像や詳細情報を表示部107に表示するなどのことができるようにされる。また、電子メールデータML1を選択した場合には、その本文データを表示部107に表示するなどのことができるようにされる。
このように、携帯電話端末100Aの使用者は、自機に蓄積している画像コンテンツデータに対しては、解析、分類が可能なようにメタデータを付すようにしておくだけで、画像コンテンツデータや電子メールデータなどのテキストデータについても、オントロジ辞書に従った構文解析と分類処理を行うと共に、アドレス交換時において収集した属性情報をも考慮して、一般アドレスデータとして収集した属性情報の内、高レイティングの属性情報をメタデータやワード(語)として有するコンテンツデータを抽出し、これをオントロジ辞書に基づいて優先して表示することができるようにされる。
この例の場合には、最終的に抽出されたコンテンツデータを最上位の「食べ物」のフォルダに格納するようにしている。このため、図11を用いて説明したように、例えば「クリームチーズケーキ」というフォルダを開かなくても、「食べ物」というフォルダを開いただけで、一般アドレスデータの高レイティングの属性情報に応じて抽出された「クリームチーズケーキ」というメタデータやワード(語)を有するコンテンツデータを系統立てて出力することができるようにされるので、それらの情報を他のコンテンツデータに優先して利用することができるようにされる。
また、アドレス交換時に収集するようにした一般アドレスデータの属性情報の内の高レイティングの属性情報に対応するメタデータやワード(語)を有するコンテンツデータを優先して抽出するようにしているので、自己の交友関係に従った属性情報に応じて、系統立ててコンテンツデータを出力することができる。これにより、使用者が必要としているであろうコンテンツデータを優先的に提供することができるようにされる。
また、図7に示したオントロジ辞書に基づいて階層表示を行うこともできる。図12、図13は、オントロジ辞書にしたがった階層表示を行うようにする場合の例を説明するための図である。すなわち、図7に示したオントロジ辞書に従えば、図12に示すように、食べ物のフォルダFL1、料理のフォルダFL2、メインディッシュのフォルダFL3、デザートのフォルダFL4、チーズケーキのフォルダFL5、クリームチーズケーキのフォルダFL6、ティラミスのフォルダFL7を形成することができるようにされる。
そして、この例の場合においても、図7に示したように形成されているオントロジ辞書に基づいて、コンテンツデータに付加されているメタデータやテキストデータである電子メールデータのタイトルや本文について、構文解析し、分類する。この後、当該分類結果に基づいて、一般アドレスデータの属性情報において、高レイティングの属性情報をメタデータやワード(語)として含むコンテンツデータを抽出し、これをオントロジ辞書にしたがって、目的とするフォルダに割り当てる。
具体的には、携帯電話端末100Aの一般アドレスデータについての属性情報の状態が図9に示した状態にあり、コンテンツデータが図10に示す状態にあるときには、画像コンテンツデータPT2、PT3、PT4、電子メールデータML1が、高レイティングの属性情報である「クリームチーズケーキ」をメタデータやワード(語)として有するものであるので、これらが抽出されて、この例の場合には、クリームチーズケーキのフォルダFL6に割り当てられるようにされる。
そして、図12Aに示すように、食べ物のフォルダFL1を開ければ、料理のフォルダFL2にアクセスでき、料理のフォルダFL2を開ければ、メインディッシュのフォルダFL3と、デザートのフォルダFL4とにアクセスできる。そして、デザートのフォルダFL4を開くとチーズケーキのフォルダFL5にアクセスでき、チーズケーキのフォルダFL5を開くとクリームチーズケーキのフォルダFL6と、ティラミスのフォルダFL7とにアクセスすることができる。
このときに、クリームチーズケーキのフォルダFL6を開くと、図13に示すように、上述したように抽出され、クリームチーズケーキのフォルダFL6に割り当てられた画像コンテンツデータPT2、PT3、PT4、電子メールデータML1に対してアクセスすることができるようにされる。
この場合には、図7に示したオントロジ辞書に基づいた階層表示を行うことができるので、オントロジ辞書にしたがって、フォルダの階層を辿っていくことにより、上述したように、オントロジ辞書に基づいて解析、分類され、一般アドレスデータの高レイティングの属性情報をメタデータやワード(語)として含むものとして抽出されたコンテンツデータを利用することができるようにされる。
なお、ここでは、説明を簡単にするため、一般アドレスデータの属性情報を用いるようにしたが、これに限るものではない。一般アドレスデータの属性情報だけでなく、使用者アドレスデータの属性情報をも含めるようにしてももちろんよい。
[オントロジ辞書の他の例とコンテンツデータの表示態様について]
次に、オントロジ辞書の他の例について説明するとともに、当該オントロジ辞書を用いたコンテンツデータの表示態様について説明する。
図14、図15は、オントロジ辞書の他の例を説明するための図である。図14、図15に示すように、この例のオントロジ辞書は、第1階層〜第8階層までの8階層からなり、図14には、第1階層〜第5階層までを、また、図15には、第5階層〜第8階層までを示している。すなわち、図14と図15とで、第5階層を重複して記載している。
そして、図14に示すように、この例のオントロジ辞書は、第1階層として、「社会」、「文化」、「趣味」、「実用」、「科学」、「政治」、「生活」といった項目からなる大カテゴリ(大分類)を有し、当該大カテゴリの「社会」という項目を選択すると、「ブランド品」という項目からなる第2階層(小カテゴリ(小分類))が有するようにされている。
なお、図14においては、第2階層の小カテゴリを構成する項目は「ブランド品」のみである。しかし、これに限るものではなく、後述もするように、小カテゴリを構成する項目を追加するなどして、オントロジ辞書の内容を増やして行くようにすることもできる。例えば、「ノーブランド品」、「ショップ(店)」などの種々の項目を第2階層に追加していくこともできるようにされる。
第2階層の「ブランド品」を選択すると、「フランス」、「アメリカ」、「イタリア」という項目からなる第3階層(産地の階層)が有するようにされている。第3階層の項目「フランス」を選択すると、「VVVVV」、「EEEEE」といった項目からなる第4階層(店名(ブランド名)階層)が有するようにされている。
同様に、第3階層の項目「アメリカ」を選択すると、「CCCCC」といった項目からなる第4階層(店名(ブランド名)階層)が有するようにされ、第3階層の項目「イタリア」を選択すると、「FFFFF」といった項目からなる第4階層(店名(ブランド名)階層)が有するようにされている。
そして、第4階層の項目であるブランド名「VVVVV」を選択すると、レディス(女性)用として、「シティバッグ」、「ラゲージ」、「ポシェット&クラッチ」、「財布&レザーグッズ(小物)」、「ダイアリー」、「シューズ」、「ジュエリー」、…などの項目を有すると共に、細かくは図示しないがメンズ(男性)用としの項目をも有する第5階層(商品ジャンル階層)が有するようにされている。同様に、第4階層の項目であるブランド名「EEEEE」を選択した場合にも、レディス用の各項目、メンズ用の各項目を有する第5階層(商品ジャンル階層)が有するようにされる。
次に、図15に示すように、ブランド名「VVVVV」についての第5階層(商品ジャンル階層)の項目「シティバッグ」を選択すると、「通常模様タイプ」、「通常模様タイプ・デニム」、「通常模様タイプ・マルチカラー」、「通常模様タイプ・VVX」、「通常模様タイプ・スエード」、「複合模様タイプ」、…などの項目を有する第6階層(商品カテゴリ階層)が有するようにされる。
そして、第6階層(商品カテゴリ階層)の項目「通常模様タイプ・デニム」を選択すると、「ミニ○○○○」、「GGGG」、「PPPP」、…などの項目を有する第7階層(商品名階層)が有するようにされる。この第7階層(商品名階層)の項目「ミニ○○○○」を選択すると、「青」、「ピンク」などの項目からなる第8階層(商品属性(色)階層)が有するようにされる。
また、第6階層(商品カテゴリ階層)の項目「通常模様タイプ・マルチカラー」を選択すると、「XX」、「YYYYY」、「ZZZZZ」、…などの項目を有する第7階層(商品名階層)が有するようにされる。この第7階層(商品名階層)の項目「XX」を選択すると、「青」、「ピンク」などの項目からなる第8階層(商品属性(色)階層)が有するようにされる。
同様に、図15に示すように、ブランド名「EEEEE」についての第5階層(商品ジャンル階層)の項目「シティバッグ」を選択すると、「AA」、「BB」、「CC」、「DD」、…などの項目を有する第6階層(商品カテゴリ階層)が有するようにされる。
そして、第6階層(商品カテゴリ階層)の項目「AA」を選択すると、「AA−1」、「AA−2」、…などの項目を有する第7階層(商品名階層)が有するようにされる。この第7階層(商品名階層)の項目「AA−1」を選択すると、「グレー」、「ベージュ」などの項目からなる第8階層(商品属性(色)階層)が有するようにされる。
このように、この例のオントロジ辞書は、8つの階層からなるものであり、インターネットを通じてダウンロードしたり、無線LANを通じて外部機器から取得したり、あるいは、他の携帯電話端末から提供を受けるなどして取得することができるようにされる。そして、オントロジ辞書の取得後においては、当該オントロジ辞書を構成する各項目(ワード(語))に対して、例えば、「好き」、「嫌い」、「欲しい」、「欲しくない」、「安い」、「高い」などの属性情報を付加することができるようにされる。
また、このオントロジ辞書に基づいて、コンテンツデータに付加されているメタデータやコンテンツデータがテキストデータを含むものであるときにはタイトルや本分を、当該オントロジ辞書に基づいて解析、分類し、特定の属性情報を持つコンテンツデータのサマリ情報を取得して保持したりするなどのことができるようにされる。
また、オントロジ辞書を取得した後において、足りないブランチ、例えば、図14、図15に示したオントロジ辞書の場合には、ブランド名「CCCCC」やブランド名「FFFFF」についての商品ジャンル、商品カテゴリ、商品名、商品属性などを取得して追加することもできるようにされる。
したがって、オントロジ辞書について、属性情報を付加したり、足りないブランチを追加したりしていくことにより、機器に搭載するようにされたオントロジ辞書をカスタマイズしていき、各使用者の携帯電話端末毎に固有のカスタマイズ辞書にしていくこともできるようにされる。
次に、図14、図15を用いて説明したオントロジ辞書を記憶保持しているこの実施の形態の携帯電話端末100において、コンテンツデータを出力(表示)する場合の具体的な態様について説明する。なお、図8を用いて説明した例の場合には、アドレス交換時などにおいて提供を受けて収集するようにした属性情報を用いて、自機が蓄積しているコンテンツデータを系統立て出力するようにした。しかし、以下に説明する例の場合には、使用者アドレスデータに対して使用者が設定した属性情報を用いて、自機が蓄積しているコンテンツデータを系統立て出力する場合について説明する。
図16は、この実施の形態の携帯情報端末100に記憶保持されている使用者アドレスデータ中の属性情報の一覧リストである。図16に示すように、携帯電話端末100のメモリ部105の不揮発性メモリに記憶保持されている使用者アドレスデータ中には、「性別」、「好きなもの」、「欲しいもの」という3種類の属性情報が登録するようにされている。
そして、図16に示すように、性別は「女性」、「好きなもの」は、「○○ちゃん(モデル)」、「VVVVV(ブランド名)」、「通常模様タイプ・デニム」、「バッグ」、「ピンク」、「ジュエリー」であり、欲しいものは、「安いブランド品」、「通常模様タイプ・マルチカラー」であるというように登録されているものとする。
図17は、この例において、操作部106を通じて、オントロジ辞書を用いたコンテンツデータの表示を行うようにする操作を受け付けた携帯電話端末100の制御部108が、携帯電話端末100の表示画面107に最初に表示する表示画像について説明するための図である。
図17に示すように、表示画面107の最上部107Tには、基地局からの送信信号の受信電界強度を通知するための電界強度アイコンと、電子メール機能の実行を指示するための電子メールアイコンと、バッテリ残量を示すバッテリ残量アイコンと、現在時刻表示とが表示するようにされている。
また、図17に示すように、表示画面107の最下部には、ガイダンス情報として、機能部71、MENU(メニュー)部72、選択部73、開く部74、表示切替部75とが設けられている。そして、それぞれ操作部106に設けられる操作キーであって、機能部71に対応する操作キーを操作することにより、目的とする機能を実行することができるようにされ、MENU部72に対応する操作キーを操作することにより、メニューを表示することができるようにされる。
また、選択部73の各三角印に対応する操作キーを操作することにより、カーソルを移動して項目を選択することができるようにされ、開く部74に対応する操作キーを操作することにより、選択したフォルダやファイルを開いて、目的とする情報を表示するなどのことができるようにされ、また、表示切替部75に対応する操作キーを操作することにより、表示部107の表示を切り替えることができるようにされる。
そして、上述したように、オントロジ辞書を用いたコンテンツデータの表示を行うようにする操作を受け付けた携帯電話端末100の制御部108は、図14、図15に示したオントロジ辞書に基づいて、項目「ブランド品」が唯一の構成要素である第2階層から3階層分の項目を表示する。
すなわち、図17に示すように、第1階層の「ブランド品」の中には、第2階層として「フランス」、「アメリカ」、「イタリア」が存在し、第2階層の「フランス」の中にはブランド名として「VVVVV」と「EEEEE」とが存在することが示される。また、第2階層の「アメリカ」の中にはブランド名として「CCCCC」が存在することが示され、第2階層の「イタリア」の中にはブランド名「FFFFF」が存在することが示される。
そして、携帯電話端末100の使用者が、選択部73の各三角形に対応する操作部106の操作キーを操作することにより、図17においてカーソルSLをブランド名「VVVVV」に位置付けて、開く部74に対応する操作キー部106の対応する操作キーを操作し、カーソルSLを位置付けたフォルダを開くようにする操作を行うと、当該携帯電話端末100の制御部108は、図18に示すように表示部107の表示画像を変更する。
図18は、図17に続く画面表示を説明するための図である。図17において、ブランド名「VVVVV」にカーソルSLを位置付けて、当該ブランド名「VVVVV」に対応するフォルダを開くようにすると、制御部108は、図14に示した第4階層のブランド名「VVVVV」を最上位に位置付け、当該ブランド名「VVVVV」から3階層分の項目を表示する。具体的には、図18Aに示すように、第4階層のブランド名「VVVVV」〜第6階層の商品カテゴリまでの項目である。
すなわち、この図18Aに示した例の場合には、図14、図15を用いて説明したブランド品についてのオントロジ辞書に従った階層表示を行うが、図16に示した自機の使用者の属性情報をも考慮し、自機の使用者の「好きなもの」や「欲しいもの」として登録されている属性情報に対応するアイテムを優先的に表示する。すなわち、図16に示した属性一覧にいては、「通常模様タイプ・デニム」が好きなものの属性情報とて登録されており、第6階層の商品カテゴリにおいては、「通常模様タイプ・デニム」が最上位に位置するようにされる。
そして、図18Aの表示の状態にあるときに、商品カテゴリの「通常模様タイプ・デニム」にカーソルSLを位置付けて、当該商品カテゴリ「通常模様タイプ・デニム」に対応するフォルダを開くようにすると、制御部108は、表示画面を図18Bに示すように遷移させる。すなわち、すなわち、図15に示した第6階層の商品カテゴリ「通常模様タイプ・デニム」を最上位に位置付け、図14、図15に示したブランド品についてのオントロジ辞書にしたって、自機内のコンテンツデータを表示する。
制御部108は、まず、図14、図15を用いて説明したブランド品についてのオントロジ辞書にしたがって、商品カテゴリ「通常模様タイプ・デニム」を最上位に位置付けると共に、「通常模様タイプ・デニム」に属する第7階層の商品名である「GGGG」、「ミニ○○○○」、「ミニXXXX」などの項目を表示する。
次に、制御部108は、オントロジ辞書にしたがって、自機に蓄積されているコンテンツデータに付加されているメタデータやコンテンツデータが電子メールデータなどのテキストデータである場合には、そのタイトルや本文についての構文解析を行うと共に、認識した各ワード(語)にしたがって分類処理を行い、この分類処理の結果を用い、表示対象の商品カテゴリや商品名を有するコンテンツデータを抽出して出力するようにする。
この場合、使用者アドレスデータの属性情報をも考慮し、使用者アドレスデータ中に登録されている使用者についての属性情報に対応する商品カテゴリや商品名をメタデータやタイトル中や本文中に有するコンテンツデータを優先的に出力(表示)するようにする。ここで、優先的という文言は、上位に出力するようにしたり、他のコンテンツデータよりも大きく出力したりするなど、属性情報を有さないコンテンツデータよりも優位に出力することを意味している。
このように、ブランド品についてのオントロジ辞書を用いて解析、分類を行うので、当該オントロジ辞書に応じたワード(語)をメタデータなどに有するコンテンツデータを抽出して表示することが可能であり、さらに使用者の属性情報と同じ情報をメタデータとして有していたり、タイトル中や本文中にワード(語)として有していたりするコンテンツデータを優先的に出力することができるようにされる。
図18Bの場合には、画像SN11、画像SN12、画像SN13が、上述したように、解析、分類の結果に基づいて抽出された表示対象の商品カテゴリや商品名をメタデータなどとして有する画像コンテンツデータである。この場合、使用者の属性情報にも対応しているコンテンツデータについては、上述もしたように優先的に表示するようにされる。
また、画像コンテンツデータだけでなく電子メールデータに付いても出力することができる。図18Bの例の場合には、Mina(ミナ)さんから、商品カテゴリ「通常模様タイプ・デニム」に属する商品名「ミニ○○○○」であるものを購入したことを知らせる電子メールがあることが表示されている。そして、電子メールアイコンP11を選択することにより、当該電子メールの本文を表示して、読むことができるようにされる。
また、アイコンP12を選択することにより、自機に登録されている使用者の嗜好などに応じた属性情報に基づいて、関連する情報をインターネットなどのネットワークを経由して取得し、これを表示することもできる。なお、当該関連する情報としては、例えば、RSS(RDF Site Summary/Rich Site Summary/Really Simple Syndication)によって記述されたヘッドライン情報などである。
また、アイコンP13を選択することにより、自己が保持するGPS(Global Positioning System)地図情報やインターネット上に公開された地図情報などから、自機に登録されている使用者の嗜好などに応じた属性情報に基づいて、当該属性情報に応じたものを販売しているショップの位置を示す地図情報などを取得して表示することなどもできるようにされる。
なお、表示切替部75に対応する操作キーを操作することによって、使用者の属性情報については考慮せずに、オントロジ辞書に応じた階層表示を行うようにすることもできる。
また、コンテンツデータに対して付加されているメタデータや、コンテンツデータが電子メールデータなどのテキストデータであるときには、タイトルや本文に含まれるワード(語)のうち、多いものについては、使用者アドレスデータの属性情報に登録する。これにより、属性情報自体を入力しなくても、自機に蓄積するコンテンツデータに対してメタデータを付加するなど、コンテンツデータについて整備していくことにより、属性情報をも整備することができる。
また、図14、図15を用いて説明したブランド品についてのオントロジ辞書を構成する各ワード(語)に対して、上述もしたように、「好き」、「欲しい」、「安い」などの属性情報を設定して、カスタマイズしたオントロジ辞書を作成するようにしている場合には、当該オントロジ辞書の属性情報が「好き」となっているワード(語)や「欲しい」となっているワード(語)を、使用者アドレスデータの属性情報として登録するようにすることもできる。
このように、オントロジ辞書の階層に応じると共に、自機に登録された使用者の属性情報をも考慮することによって、コンテンツデータを系統立てて表示するようにし、使用者が必要とするであろうコンテンツデータを優先的に表示することができるようにされる。
[辞書交換を行う場合について]
次に、この実施の形態の携帯電話端末100と同様に構成される携帯電話端末100Aと携帯電話端末100Bとの間において、属性情報を含むアドレス交換を行うだけでなく、辞書情報全般を交換する場合の具体例について説明する。
図19は、携帯電話端末100A、携帯電話端末100Bそれぞれの表示画面の例について説明するための図である。携帯電話端末100A、携帯電話端末100Bのそれぞれは、ブランド品についてのオントロジ辞書を供え、これが使用者によってカスタマイズされているものとする。また、使用者アドレスデータには、使用者についての属性情報が登録されているものとする。
そして、携帯電話端末100Aにおいては、図19Aに示すように、ブランド品のオントロジ辞書の第6階層の商品カテゴリ「通常模様タイプ・デニム」を最上位に位置付けると共に、「通常模様タイプ・デニム」に属する第7階層の商品名である「GGGG」、「ミニ○○○○」、「ミニXXXX」などの項目を表示している。
さらに、図19Aに示すように、携帯電話端末100Aの表示部107の表示画面には、オントロジ辞書に応じたメタデータなどの解析処理、分類処理、および、属性情報に応じた抽出処理を経て抽出されたが画像コンテンツデータに応じた画像SN11、SN12、SN13や電子メールデータのタイトル、その他の関連情報が表示されると共に、アイコンP11、P12、P13が表示されている。
また、携帯電話端末100Bにおいては、図19Bに示すように、ブランド品のオントロジ辞書の第5階層の商品ジャンル「シューズ」と、同「シティバック」とを最上位に位置付けると共に、「シューズ」については、第6階層の商品カテゴリ「通常模様タイプ・デニム」、および、オントロジ辞書に応じたメタデータなどの解析処理、分類処理、および、属性情報に応じた抽出処理を経て抽出されたが画像コンテンツデータに応じた画像SN21や関連情報や関連情報を取得するためのアイコンP21が表示されている。
また、「シティバック」については、第6階層の商品カテゴリ「通常模様タイプ・マルチカラー」、および、オントロジ辞書に応じたメタデータなどの解析処理、分類処理、および、属性情報に応じた抽出処理を経て抽出されたが画像コンテンツデータに応じた画像SN22や関連情報やGPS地図情報を取得するためのアイコンP22が表示されている。
この図19に示したような画像表示を行う携帯電話端末100A、携帯電話端末100Bは、図20に示すような使用者に関する属性情報を記憶保持している。図20は、この例の携帯電話端末100A、携帯電話端末100Bに記憶保持されている使用者に関する属性情報の一覧リストである。
図20Aは、携帯電話端末100Aの使用者に関する属性一覧リストであり、属性情報として、名前(Aya)、性別(女性)、好きなもの(○○ちゃん(モデル)、VVVVV(ブランド名)、通常模様タイプ・デニム、バッグ、ピンク、ジュエリー、欲しいもの(安いブランド品、通常模様タイプ・マルチカラー)といった情報が登録されていることを示している。
また、図20Bは、携帯電話端末100Bの使用者に関する属性一覧リストであり、属性情報として、名前(Mina)、性別(女性)、好きなもの(VVVVV(ブランド名)、通常模様タイプ・デニム、通常模様タイプ・マルチカラー、靴(シューズ)、○○ちゃん(モデル))、知りたいこと(安い店、おいしい店)といった情報が登録されていることを示している。
そして、携帯電話端末100Aと携帯電話端末100Bとの間において、辞書交換を行うようにする。ここで辞書交換は、単に、オントロジ辞書の交換を意味するものではなく、オントロジ辞書の足りないブランチの情報の他、使用者に関する属性情報、高レイティングの属性情報をメタデータなどとして有するコンテンツデータ(すなわち、属性情報に基づいた集計を行うことにより抽出されるコンテンツデータ(コンテンツデータについてのサマライズ(集計)結果))、収集した通信の相手先についての属性情報などについても一括して交換することができるものとする。
なお、辞書交換においては、交換条件の設定が可能である。例えば、属性情報の部分一致がある場合に辞書交換を行うようにしたり、属性情報が全体一致している場合に辞書交換を行うようにしたり、あるいは、高レイティングの属性情報の部分一致や全体一致の場合に辞書交換を行うようにしたり、同一種類のオントロジ辞書を有している場合に辞書交換を行うようにしたりするなどの、適宜の条件を設定することができるようにされる。また、交換可能な情報と交換不能な情報とを予め定めておくことにより、交換可能な情報のみに基づいて、辞書交換を行うようにすることもできる。
そして、携帯電話端末100Aと携帯電話端末100Bとの間で辞書交換を行った後に、コンテンツデータの表示を行うようにすると、図21に示すように、コンテンツデータの表示を行うことができるようにされる。図21は、辞書交換後のコンテンツデータなどの表示例について説明するための図である。
図19のようなコンテンツデータなどの表示を行っていた携帯電話端末100Aと携帯電話端末100Bとの間で辞書交換を行った後において、コンテンツデータなどの表示を行うようにすると、携帯電話端末100Aにおいては、図21Aに示すように、図19Aを用いて説明した表示内容に加えて、点線で囲んだ部分の表示が携帯電話端末100Bからの情報に応じて追加するようにされる。すなわち、ブランド品のオントロジ辞書の第6階層の商品カテゴリ「通常模様タイプ・マルチカラー」の項目と、これに属する画像コンテンツデータに応じた画像SN22、関連情報、および、関連するGPS地図情報を取得する処理を実行するためのアイコンP22が表示するようにされる。
同様に、携帯電話端末100Bにおいては、図21Bに示すように、図19Bを用いて説明した表示内容に加えて、点線で囲んだ部分の表示が携帯電話端末100Aからの情報に応じて追加するようにされる。すなわち、ブランド品のオントロジ辞書の第6階層の商品カテゴリ「通常模様タイプ・デニム」の項目と、これに属する関連情報、および、関連情報を取得する処理を実行するためのアイコンP12、関連するGPS地図情報を取得する処理を実行するためのアイコンP13が表示するようにされる。
具体的に説明すると、図21Aにおいて点線で囲んだ部分の表示は、オントロジ辞書の足りないブランチの情報の他、属性情報である「好き」という情報をメタデータなどとして有するコンテンツデータや、高レイティングの属性情報をメタデータなどとして有するコンテンツデータなどを携帯電話端末100Bから提供を受けることによって実現される表示である。
同様に、図21Bにおいて点線で囲んだ部分の表示は、オントロジ辞書の足りないブランチの情報の他、属性情報である「好き」という情報をメタデータなどとして有するコンテンツデータや、高レイティングの属性情報をメタデータなどとして有するコンテンツデータなどを携帯電話端末100Aから提供を受けることによって実現される表示である。
このように、携帯電話端末100A、携帯電話端末100Bの使用者は、自機に対して種々の情報を手入力したりするなどの複雑な操作をすることなく、辞書交換を行うことによって、オントロジ辞書の足りないブランチ情報などを収集し、これに応じて、コンテンツデータの系統立てた表示を行い、必要なコンテンツデータを迅速に利用することができるようにされる。なお、ここでは、オントロジ辞書は、足りないブランチ部分の情報を交換するものとして説明したが、辞書全体を交換するようにしてももちろんよい。なお、ここで、交換という文言は、入れ換えるという意味ではなく、相互に提供し合うことを意味している。
次に、携帯電話端末100Aと携帯電話端末100Bとの間で、辞書交換を行うようにする場合の処理について、図22の処理フローを参照しながら説明する。図22は、辞書交換を行う携帯電話端末100Aと携帯電話端末100Bとのそれぞれにおいて行う処理と、協働して行うようにする処理について説明するための処理フローである。
携帯電話端末100Aは、事前に、例えば、インターネット上の所定のシステム200からオントロジ辞書をダウンロードしてきて、自己のオントロジ辞書AJとしてメモリ部105の不揮発性メモリに記憶保持しておくようにする(ステップS11)。なお、オントロジ辞書AJは、例えば、図14、図15を用いて説明したブランド品についてのオントロジ辞書である。
また、携帯電話端末100Bも、自己のメモリ部105の不揮発性メモリにオントロジ辞書BJを備えている。このオントロジ辞書BJは、例えば、製造時などにおいて、メーカーによって予め記録するようにされたものである。なお、オントロジ辞書BJは、携帯電話端末100Aのオントロジ辞書AJと同様に、ブランド品に関するものであるが、例えば、ブランド名「EEEEE」についての第5階層以下の情報、すなわち、商品ジャンル、商品カテゴリ、商品名、商品属性についての情報は備えないものである。このように、個の例において、オントロジ辞書AJとオントロジ辞書BJとは、同じブランド品についての辞書であるが、有するブランチが異なっているものである。
また、携帯電話端末100Aは、使用者アドレスデータA1と一般アドレスデータA3とを有しており、携帯電話端末100Bもまた、使用者アドレスデータB1と一般アドレスデータB2とを有している。これら、使用者アドレスデータA1、B1、一般アドレスデータA3、B3は、図8を用いて説明したものと同様のものである。
そして、携帯電話端末100Aにおいては、随時に、辞書カスタマイズ処理(ステップT111)、コンテンツデータ取り込み処理(ステップS112)を行うことによって、オントロジ辞書AJが徐々にカスタマイズされると共に、コンテンツデータが蓄積されて行く(ステップT11)。
ここで、辞書カスタマイズ処理は、各ワード(クラス)に対して属性情報を追加したり、足りないブランチの情報を追加したりする処理である。また、コンテンツデータの取り込み処理は、インターネットを通じて目的とするコンテンツデータをダウンロードしてきたり、無線LANを通じてコンテンツデータを収集したり、赤外線送受部113を通じてコンテンツデータを取得したり、カメラ部118を通じて画像を撮影することにより画像データを取得したりする処理である。
同様に、携帯電話端末100Bにおいても、随時に、辞書カスタマイズ処理(ステップT211)、コンテンツデータ取り込み処理(ステップS212)が行われ、オントロジ辞書BJが徐々にカスタマイズされると共に、コンテンツデータが蓄積されて行く(ステップT21)。
そして、この段階で、携帯電話端末100Aにおいては、カスタマイズされたオントロジ辞書AJ(図22においてはカスタマイズ辞書と記載)と、使用者アドレスデータA1や一般アドレスデータA3の属性情報とを用いることによって、図19Aに示したように、コンテンツデータに関する表示を行うことができるようにされる(ステップT12)。
同様に、携帯電話端末100Bにおいては、カスタマイズされたオントロジ辞書BJ(図22においてはカスタマイズ辞書と記載)と、使用者アドレスデータB1と一般アドレスデータB3の属性情報とを用いることによって、図19Bに示したように、コンテンツデータに関する表示を行うことができるようにされる(ステップT22)。
この後、通信回線を接続し(ステップS12)、相互に辞書交換を行う(ステップS13、ステップS14)。ステップS13において行われる携帯電話端末100Aから携帯電話端末100Bに対して提供する情報は、オントロジ辞書AJ、使用者アドレス情報A1、これらのタグを含むコンテンツのサマリ情報、一般アドレスデータA3などの情報である。
また、ステップS14において行われる携帯電話端末100Bから携帯電話端末100Aに対して提供する情報は、オントロジ辞書BJ、使用者アドレス情報B1、これらのタグを含むコンテンツのサマリ情報、一般アドレスデータB3などの情報である。
そして、この実施の形態において、携帯電話端末100Aの制御部108は、まず、携帯電話端末100Bからのオントロジ辞書BJと使用者アドレス情報B1のタグを含むコンテンツのサマリ情報の中から、自機のオントロジ辞書AJと使用者アドレス情報A1のタグと、属性の部分一致、あるいは、属性の全体一致、あるいは、高レイティングの属性情報などの予め決められた条件にしたがって、合致するコンテンツのサマリを抽出して記憶保持するようにすると共に、一般アドレスデータB3を一般アドレスデータA3へ追加する処理をも行う。この場合、重複するアドレスデータは追加されないようにされる。
また、この実施の形態において、携帯電話端末100Bの制御部108は、まず、携帯電話端末100Aからのオントロジ辞書AJと使用者アドレス情報A1のタグを含むコンテンツのサマリ情報の中から、自機のオントロジ辞書BJと使用者アドレス情報B1のタグと、属性の部分一致、あるいは、属性の全体一致、あるいは、高レイティングの属性情報などの予め決められた条件にしたがって、合致するコンテンツのサマリを抽出して記憶保持するようにすると共に、自機のオントロジ辞書BJに足りないブランチを、オントロジ辞書AJから抽出して追加する処理を行う。
そして、携帯電話端末100Aにおいては、辞書交換により取得した情報をも含めて、属性判定処理を実行する(ステップT13)。このステップT13においては、オントロジ辞書AJに基づいて、コンテンツデータのメタデータやタイトル本文を解析して分類し、この分類結果に基づいて、使用者アドレスデータA1の属性情報などをも考慮して、優先的に表示すべきコンテンツデータを抽出する。
このステップT13の属性判定処理に基づいて、コンテンツデータなどの表示を行う(ステップST14)。このステップT14においては、図21Aを用いて説明したように、図19Aに示した表示に加えて、辞書交換により得た情報を含めた表示が行うようにされる。
同様に、携帯電話端末100Bにおいては、辞書交換により取得した情報をも含めて、属性判定処理を実行する(ステップT23)。このステップT23においては、オントロジ辞書BJに基づいて、コンテンツデータのメタデータやタイトル本文を解析して分類し、この分類結果に基づいて、使用者アドレスデータB1の属性情報などをも考慮して、優先的に表示すべきコンテンツデータを抽出する。
このステップT23の属性判定処理に基づいて、コンテンツデータなどの表示を行う(ステップST24)。このステップT24においては、図21Bを用いて説明したように、図19Bに示した表示に加えて、辞書交換により得た情報を含めた表示が行うようにされる。
このように、辞書交換を行うことによって、各携帯電話端末の使用者は、自身が種々の情報を自己の携帯電話端末に登録するなどの面倒な操作を行わなくても、必要な情報を取得し、この情報に応じてコンテンツデータを系統立てて表示するようにすることによって、使用者が必要とするであろうコンテンツデータを優先的に表示することができるようにされる。
[その他]
なお、上述した実施の形態においては、アドレス交換や辞書交換を行う場合には、相互に情報を提供し合うものとして説明したが、これに限るものではない。少なくとも、他者の使用者属性情報や、辞書情報などの必要な情報を他機から貰うことができれば、自機から情報を提供する構成を備えなくてもよい。
また、上述した実施の形態においては、携帯電話端末にこの発明を適用した場合を例にして説明したが、これに限るものではない。無線LAN、赤外線通信、近距離無線通信、有線経由の通信など、何らかの手段を用いて、コンテンツデータを収集したり、使用者属性情報や辞書情報などの必要な情報を収集したりすることが可能な構成を有する種々の機器、例えば、PDA(Personal Digital Assistant)などと呼ばれる携帯情報端末、ノート型のパーソナルコンピュータ、電子手帳などの種々の電子機器にこの発明を適用することができる。
また、オントロジ辞書は、上述した食べ物に関するものや、ブランド品に関するものだけでなく、様々な分野において様々なものが作成されており、種々のオントロジ辞書を用いるようにすることが可能である。したがって、複数の異なるオントロジ辞書を保持するようにし、どの辞書を用いてコンテンツデータに付加されたメタデータやテキストデータであるコンテンツデータのタイトルや本文の解析、分類を行うようにするかを、選択するようにすることもできる。また、複数の異なるオントロジ辞書のそれぞれを用いて、コンテンツデータに付加されたメタデータやテキストデータであるコンテンツデータのタイトルや本文の解析、分類を行うようにすることもできる。
また、上述した実施の形態においては、通信先のアドレスデータを蓄積した一般アドレスデータ(アドレス帳データ)の属性情報だけを用いたり、使用者アドレスデータだけを用いたりする場合を例にして説明したが、これに限るものではない。例えば、名前や性別などの使用者に固有の属性情報については、使用者アドレスデータから取得し、「好きなもの」、「嫌いなもの」、「欲しいもの」などの嗜好に応じた属性情報については、使用者アドレスデータと一般アドレスデータとの両方から集めて、1つの属性一覧データを形成し、これをコンテンツデータの系統立てた表示に用いるようにしてもよい。
また、上述した実施の形態において、属性情報についてのレイティングは、主に出現頻度の場合を例にして説明したが、これに限るものではない。上述もしたように、この明細書において、レイティングという文言は、出現頻度、ユーザーによるプライオリティづけ(重み付け)、格付け、ランク付けなどを意味する。
したがって、例えば、属性情報毎にユーザーがプライオリティづけを行って(プライオリティを設定して)、設定されているプライオリティの高い属性情報と同じメタデータやワードなどの情報を有するコンテンツデータを抽出し、これを出力するようにしてももちろんよい。
また、属性情報毎にランク付けを行って、高いランクが設定された属性情報と同じメタデータやワードなどの情報を有するコンテンツデータを抽出し、これを出力するなど、種々のレイティング情報を属性情報に自動、または、手動で設定し、これを用いて、コンテンツデータを抽出して出力するようにすることができる。
また、上述した実施の形態においては、画像データやテキストデータなどの表示対象のコンテンツデータを扱い場合について説明したが、これに限るものではない。音楽データなどの音声コンテンツデータについても、系統立てて出力するコンテンツデータに含めることもできる。例えば、コンテンツデータを系統立てて表示する場合に、音楽コンテンツデータをも含める場合には、音楽コンテンツデータに付加するようにされている題名(テキストデータ)やイメージ画像を出力するようにすればよい。
また、コンテンツデータの系統立てた出力は、表示に限るものではない。例えば、プリンタを通じて出力したり、コンテンツデータが音楽データの場合には、優先して出力すべき音楽コンテンツを特定して、これを順次に再生して音声を放音したりするようにしてもよい。
100、100A、100B…携帯電話端末、101…内蔵アンテナ、102…通信回路、103…マイクロホン、104…スピーカ、105…メモリ部、106…操作部、107…表示部、108…制御部、109…制御ライン、110…データライン、111…無線LAN通信アンテナ、112…無線LAN通信制御部、113…赤外線送受部、114…近距離用通信アンテナ、115…電子マネー決済処理部、116…GPS用受信アンテナ、117…GPS部、118…カメラ部、119…外部メモリスロット