JP5023846B2 - 光学フィルム - Google Patents
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また、特許文献2には、赤外線領域を反射する特殊インキを印刷した透明部材を用いた座標入力装置が開示されている。
しかし、特許文献1及び2には、具体的な透明シートの例示はなく、透明シートのアイデアもしくは願望が記載されているに過ぎないのが現状である。
しかしコレステリック液晶を配向させると、基材に対して0°からの読取はできるものの、広い読取角度を得るためには螺旋ピッチを保ったまま配向を湾曲させる必要がある。そのため広い読取角度を得ることは技術的に非常に困難である。
また、再帰反射材料を用いると広い読取角度が期待されるが、通常の再帰反射ビーズ径は約50μm程度なので、光学フィルムに使用するには大き過ぎる。
すなわち、本発明は、基材の上に酸化チタンを含む白色顔料組成物をパターン印刷してなる光学フィルムを提供するものである。
本発明の光学フィルム1は、図1に示すように、基材2の上に酸化チタンを含む白色顔料組成物からなるインキを用いて種々のパターン3を印刷してなるものである。図1においては、基材2の上に、所望により配設されるプライマー層4が積層され、そのプライマー層4の上にパターン3が印刷されている。
本発明に係るパターン2の配列方法は、ペン型センサー等を備えた入力端末(図示しない)にて読み取った部分的なパターンから、光学フィルム1面上における位置情報を導き出すことが出来るように設定されれば良く、図2に示すように不規則に配列されていても良いし、規則的に配列されていても良い。
例えば、パターン2のいずれの配列方法においても、ドットの形状を複数設定し、平面内に於いて、所定範囲内に配置されたこれら複数形状のドットの組み合わせをパターン化したようなもの、縦横に配置した罫線の太さを変えて、所定範囲内の前記罫線の重なり部分の大きさの組み合わせをパターン化したようなもの、x、y座標の値を直接ドットの縦横の大きさと結びつけたもの等が挙げられるが、特に簡素で好適なものとしては、縦横に等間隔に並ぶ基準点を設定して、この基準点に対して上下左右に変位したドットを配置し、これらドットの当該基準点からの相対的な位置関係を利用する方法が挙げられる。この方法はドットのサイズを小さく一定に出来るため入力装置の高分解能化に有利である。このように、パターン2は、ドット形状であることが好ましく、個々のドットは、隣接するドットと容易に区別できれば特に制限はなく、上から見て、円形、楕円形、正方形、矩形、多角形、他の点形状が所望により選ばれる。ドットの平面内での大きさ(円の場合は直径、楕円の場合は長径、多角形の場合は外接円の直径で評価)は10〜1000μm程度である。またドットの立体形状についても特に制限はなく、通常円盤状であるが、半球状、楕円半球状、円柱状又は凹面状であっても良い。
酸化チタンは、金属酸化物で表面処理されていることが好ましい。ここで、金属酸化物の金属として、ヒ素、アンチモン、ビスマス、ケイ素、ゲルマニウム、ホウ素、テルル、ポロニウム等の半金属(メタロイド)も含まれる。金属酸化物としては、通常シリカ又はアルミナが用いられるが、シリカが好ましい。
酸化チタンの平均粒子径としては、0.1〜0.5μmが好適である。
該ウレタン樹脂としては、例えば、ポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテルポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン、ポリカプロラクタムポリウレタン等のウレタン樹脂、及びそれらの混合物が挙げられる。
上記のポリイソシアネート化合物としては、従来のウレタン樹脂の製造に使用されるものであればよく、例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、2,2,4−又は2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート;1,3−又は1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート等の脂環族イソシアネート;m−又はp−フェニレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−又は2、6−トリレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート等が挙げられる。
上記のポリエステルポリオールは、多価カルボン酸と多価アルコールからなるポリエステルポリオールやラクトン環の開環重合で得られるポリエステルポリオールが挙げられる。上記の多価カルボン酸としては、直鎖飽和炭化水素系のアジピン酸、アゼライン酸、コハク酸、セバシン酸等の脂肪族多価カルボン酸;不飽和脂肪酸系のフマル酸、マレイン酸等の不飽和脂肪族多価カルボン酸;シクロヘキシル基を有する1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族多価カルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族多価カルボン酸等が挙げられる。
上記の多価カルボン酸と反応する多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、キシリレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−又は1,3−プロパンジオール、1,2−、1,3−及び1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール等の脂肪族、脂環族等の多価アルコール及び芳香族多価アルコール等が挙げられる。
上記の硬化剤を使用する場合は、その使用量は、前記の樹脂成分に対して0.8〜10質量%配合するのが好ましい。上記の硬化剤の配合割合が多過ぎると、得られる白色被膜が脆くなる。
上記の樹脂成分の配合において、本発明の目的を妨げない範囲で、ニトロセルロース、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースダイアセテート、セルローストリアセテート等のセルロース誘導体、アルキッド樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリビニルブチラール、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等、前記の樹脂成分と相溶する樹脂成分を併用することができる。
本発明に係る白色顔料組成物は、必要に応じ、着色剤を添加して白色以外の所望する色に着色してもよいが、スクリーン等のディスプレイ媒体の視認性を高めるためには白色にて用いることが好ましい。
前記基材2として、TACフィルム等の高分子フィルム等のような溶媒に溶解乃至膨潤し易い物を用いる場合には、パターン印刷時に使用するコーティング液中の溶媒で基板が侵されないように、基材2上にバリア層を設けても良い。この場合、バリア層が配向膜を兼ねるようにしても良く、例えば、PVA(ポリビニルアルコール)やHEC(ヒドロキシエチルセルロース)等の水溶性物質をバリア層として用いれば良い。
前記熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラニン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂、硬化性アクリル樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂を用いる場合、必要に応じて、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤等を更に添加して使用することができる。
微粒子としては、通常用いられるものを特に制限なく適量添加することができるが、例えば無機物ではα−アルミナ、シリカ、カオリナイト、酸化鉄、ダイヤモンド、炭化ケイ素等の球状粒子が挙げられる。粒子形状は、球、楕円体、多面体、鱗片形等が挙げられ、特に制限はないが、球状が好ましい。有機物では架橋アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の合成樹脂ビーズが挙げられる。これらの中でも、硬度が高く、耐摩耗性の向上に対する効果が大きいこと、また、球状の粒子を得やすい点で、α−アルミナ及びシリカが好ましく、球状のものが特に好ましい。また、微粒子の平均粒径は、0.01〜20μm程度である。
なお、プライマー層4の厚みは、通常0.1〜10μm程度であり、より薄いフィルムを作製し、より広い読取角度を得る観点より、0.1〜5μmが好ましい。
更に、本発明の光学フィルム1の背後にあるスクリーン等のディスプレイ媒体の視認性を確保するために、シート表面又は内部に反射防止膜等を設けても良い。反射防止膜の材質としては、特に限定されず、通常のディスプレイ用透明シートやレンズの分野において用いられているものが使用できる。例えば、弗化マグネシウム、弗素系樹脂等の低屈折率物質の薄膜と、酸化ジルコニウム、酸化チタニウム等の高屈折率物質の薄膜とを該低屈折率の薄膜が最表面になる様積層した誘電体多層膜等が代表的なものである。
ペン型センサー等の入力端末は、非可視光線照射部を具備し、光学フィルム1上の特定のパターン3に照射し、反射した非可視光線をセンサーにより受信し、入力情報、例えば位置情報、として読み取る。その入力情報は、入力端末と無線又は有線により接続された情報処理装置に送信され、例えば、手書き入力時の軌跡をディスプレイ媒体画面上に表示することができる。このように表示すれば直感的な入力が可能であるため好ましいが、本発明は手書き入力に限定されず、入力方法は何でも良い。
ここで手書き又はその他の方法で入力された入力情報を扱う情報処理装置としては、入力端末で読み取った連続的な撮像データから位置情報(座標に相当する)を算出し、それを時間情報と組み合わせ、情報処理装置で扱える入力軌跡データとして提供する機能を有するものであれば特に限定されず、プロセッサ、メモリ、通信インタフェース及びバッテリ等の部材を具備していれば良い。例えば、携帯電話、PDA等の各種携帯端末や、パーソナルコンピュータ、テレビ電話、相互通信機能を備えたテレビジョン、インターネット端末等が挙げられる。ディスプレイ媒体がスクリ−ンの場合は、プロジェクター等で画像に変換され投影される。
上述の非可視光線としては、赤外線又は紫外線が好ましい。
このような装着手段として、例えばバックル状のものをディスプレイ媒体のコーナ部に引っ掛けるようなものや、ディスプレイ媒体の端部を挟み込むようなもの等が挙げられるが、簡単で好適な具体的態様としては、ディスプレイ媒体の前面に対向して装着するような場合において、ディスプレイ媒体に接触する接触面側に設けられ、ディスプレイ媒体に貼り付けるための接着性を有する貼着具が挙げられる。また、貼着具としては、光学フィルム1に一体的に取り付けられた接着性を有するものや、接触面に直接塗装された接着剤等をも含むものが挙げられる。尚、接着性の中でも、特に、化学反応、或いは放射線照射、加熱等のエネルギー供給によること無く、加圧のみで接着可能であり、接着後に再剥離が可能な接着性の形態のことを特に粘着性と呼称する。又、接着剤の中で、特に、その接着性が粘着性である形態を粘着剤と呼称する。
また、このような使い方が可能であれば、位置情報を提供するパターンが印刷された一のシートを分割し、それぞれのシートが異なる座標範囲を示すようにすることが可能になる。このようなシートを用いる場合、例えば隣接したディスプレイ媒体に対して連続した座標を示すシートを適用すれば、入力データに連続性を与えることが出来る。また、1つの入力装置に対し異なる座標範囲の光学フィルム1を複数切り替えて使用することで、それぞれの光学フィルム1に対し異なる意味を付与することが出来る。
実施例
下記の成分を均一に混練分散して、白色インキを調製した。
・ポリウレタン系樹脂(荒川化学工業(株)製、商品名「ユリアーノ2466」):40.0質量部
・硝化綿:2.0質量部
・硬化剤(三井化学ポリウレタン(株)製、商品名「タケネートD−110N」):4.0質量部
・イソプロピルアルコール 5.0質量部
・メチルエチルケトン 6.0質量部
・酢酸エチル 4.0質量部
・酸化チタン 39.0質量部(シリカで表面処理されたもの、平均粒径:0.3μm)
次に、厚さ100μmのポリエチレンテフタレート(PET、ザ・インクテック(株)製:HDI系アダプトタイプ)基材上に膜厚1μmのアクリル樹脂から成るプライマー層を積層した。このアクリル樹脂は、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA、日本化薬株式会社製、商品名「KAYARAD PET−30」)100重量部とレベリング剤((ビックケミー社製、商標名「BYK361」)0.03重量部、光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チバスペシャリティケミカルズ株式会社製、商標名「イルガキュア184」)4重量部を添加混合し、さらにメチルエチルケトンを樹脂分が50質量%になるように添加適合してプライマー組成物溶液を調製し、PET基材上に塗工した後、光硬化したものである。
このプライマー層上に、上記の白色インキをグラビア印刷法にて図2に示すようなドット形状(円盤状で直径が約100μm)にパターン印刷した。
この光学フィルムを用いて、赤外線を反射してその反射光を画像として検知するペン型センサーで読み取ったところ、70°程度まで読み取り可能であった。
厚さ100μmのポリエチレンテフタレート(PET、ザ・インクテック(株)製:HDI系アダプトタイプ)基材上に、溶媒に溶かしたポリイミド(JSR株式会社製、オプトマー、商品名「AL1254」)をスピンコーターによりスピンコーティングし、乾燥後、200℃で成膜し(膜厚0.1μm)、ラビングして配向膜を形成した。
次に、両末端に重合可能なアクリレート構造(アクリレート基)、中央部にメソゲン構造、前記アクリレートとの間にスペーサーを有し、ネマチック−アイソトロピック転移温度が110℃付近であるモノマー(下記化学式(1)で示される分子構造を有するもの)100質量部と、両末端に重合可能なアクリレート基を有するカイラル剤(下記化学式(2)で示される分子構造を有するもの)3質量部と、4質量部の光重合開始剤ジフェニル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキサイド(BASF社製、商標名「ルシリンTPO」)とをメチルイソブチルケトンに溶解させた溶液を調製し、パターン形成インキとした。このパターン形成インキを用いて上記配向膜上に実施例1と同様なドット形状にパターン形成した。
この光学フィルムを用いて、赤外線を反射してその反射光を画像として検知するペン型センサーで読み取ったところ、読取角度は0°であった。
2: 基材
3: パターン
4: プライマー層
Claims (4)
- 透明基材フィルムの上に、バインダー樹脂中に平均粒径が0.1〜0.5μmの酸化チタンを分散して含有し、かつ赤外吸収顔料を含まない白色顔料組成物をドット形状にパターン印刷してなる光学フィルム。
- 前記酸化チタンが、金属酸化物で表面処理されてなる請求項1に記載の光学フィルム。
- 前記バインダー樹脂がウレタン樹脂である請求項1又は2に記載の光学フィルム。
- 前記透明基材フィルムが、プライマー層を塗工したものである請求項1〜3のいずれかに記載の光学フィルム。
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