JP5020837B2 - 直流リアクトル - Google Patents

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本発明は、電気鉄道用直流変電所で整流器と直列接続し、帰線側に設置される直流リアクトルに関する。
従来より、電気鉄道用直流変電所において、その帰線側に直列にギャップ付鉄心形の直流リアクトルが設置されてきた。この直流リアクトルは変電所の整流器と直列に接続されることにより、整流器から発生する整流リップルを抑制する。また、この直流リアクトルは変電所近傍での地絡事故などが発生した場合に過渡的に流れる故障電流が大電流になることを抑制するものである。とりわけギャップ付鉄心形の直流リアクトルは、鉄心があるので小型であっても比較的大きなインダクタンスを有し、電気鉄道用直流変電所内の限られた空間に配置されるのに適している。
図10は、ギャップ付鉄心形の直流リアクトルに流す電流とインダクタンスの関係を示す図である。図10に示すように、ギャップ付鉄心形の直流リアクトルは、これに流す電流が定格電流(4000A)付近である場合には定格値の1.1〜1.3mHのインダクタンスを有するが、8000Aを超えるような大電流が流れると、鉄心が磁気飽和を起こして、インダクタンスが0.3mH以下に急激に低下する特性を有する。
したがって、ギャップ付鉄心形の直流リアクトルを比較的容量の大きな変電所に用いた場合、低抵抗地絡事故が発生すると、その多大な過渡的故障電流によって鉄心が磁気飽和を起こし、そのインダクタンスが低下することにより電流が急増するため、直流変電所機器、特に直流高速度気中遮断器の遮断性能に影響を及ぼす欠点がある。
そこで、近年では電気鉄道用直流変電所に空心形の直流リアクトルが設置されるようになっている。この空心形の直流リアクトルは、変電所の近傍においての低抵抗地絡事故などの大きな過渡的故障電流が発生した場合にも、これによってインダクタンスの低下が生じることがなく、故障電流の急増を防止できる。
しかしながら、空心形の直流リアクトルは従来のギャップ付鉄心形の直流リアクトルと同程度のインダクタンスを得ようとすると、機器が極めて大型化するという問題があった。このため、電気鉄道用直流変電所に必要な最低限度のインダクタンス(0.4〜0.5mH)を確保していた。
図11は従来の空心形の直流リアクトルに流す電流とインダクタンスの関係を示す図である。図11に示すように、従来の空心形の直流リアクトルでは、大電流を流す場合にもインダクタンスの低下が生じることはないものの、定格電流(4000A)付近ではギャップ付鉄心形の直流リアクトルに比べてインダクタンスが低くならざるを得ず、それだけ、整流器から発生する整流リップルの抑制効果が低くなるため、この整流リップルを抑制するために電力ろ波器に負担をかけてしまうという問題がある。さらに、空心形の直流リアクトルでは、地絡事故などの発生時に流れる故障電流も事故発生初期から従来のギャップ付鉄心形の直流リアクトルより早く増加するので、遮断器が故障電流を遮断する時点までに故障電流が高い電流値に到達してしまうという問題もある。
図12は従来の直流リアクトルにおける故障電流の増加を示す図である。図12に一点鎖線で示すように、空心形の直流リアクトルはギャップ付鉄心形の直流リアクトルに比べて低電流時においてインダクタンスが低いので、故障発生初期の時点では実線に示すギャップ付鉄心形の直流リアクトルに比べて早く故障電流が増加する。一方、ギャップ付鉄心形の直流リアクトルはこれに流れる電流が8000Aを超える頃に鉄心が磁気飽和し、インダクタンスが急激に低下するので、故障電流も急増しておよそ10msの時点で空心形の直流リアクトルよりも多くの故障電流を流すことになる。
すなわち、遮断器で故障電流を遮断する場合は、地絡事故等の発生を検出してから遮断器が開放動作を開始するまでの間に増大する故障電流をできるだけ小さく抑えることにより、その損耗も少なく、且つ安全に遮断できることになるが、従来のギャップ付鉄心形の直流リアクトルまたは空心形の直流リアクトルの何れを用いた場合にも、故障電流の増大を十分に抑えることが困難である。つまり、それだけ遮断器の損耗を早め、また遮断時の安全性を低下させてしまうという問題があった。
本発明は、上述の事柄を考慮に入れてなされたものであり、その目的は、故障発生時に流れる電流の急増を防止し、かつ、整流によって生じる整流リップルの低減を図ることができる電気鉄道用直流変電所の整流器と直列接続し、帰線側に設置される直流リアクトルを提供することである。
前記課題を解決するため、発明は、電気鉄道用直流変電所の整流器と直列接続し、帰線側に設置される直流リアクトルであって、空心状態のインダクタンスが地絡事故発生時における故障電流の立ち上がりを遮断器によって遮断できる大きさに抑えるために必要な大きさである巻線と、2000A以上の定格電流領域のインダクタンスが整流に伴って発生する整流リップルを低減できる大きさになるように、前記巻線内に挿入される磁性体コアとを有し、前記定格電流領域のインダクタンスが1.1〜1.3mHであると共に、磁性体コアが磁気飽和する電流領域のインダクタンスが0.5〜0.7mHであり、かつ、前記磁性体コアは強磁性体からなる複数の鉄心ブロックと、各鉄心ブロックの間に介在する複数の常磁性体ブロックとを交互に積層したギャップ付鉄心コアであることを特徴とする直流リアクトルを提供する(請求項1)。
前記構成の直流リアクトルによれば、巻線内に磁性体コアを挿入することにより空心形の直流リアクトルと同程度の大きさであっても、定格電流において整流に伴って発生する整流リップルを低減できる程度に高いインダクタンスを得ることができる。さらに、地絡故障が発生した場合には、過渡的な故障電流が流れるが、地絡故障発生時点から故障電流が定格電流を大幅に超えるまでの間は、直流リアクトルが高いインダクタンスを保つことができるので、故障電流の立ち上がりを低く抑えることができる。
加えて、地絡故障発生後短い時間が経過するにつれて過渡的に流れる故障電流が定格電流を大幅に上回る大電流になると、磁性体コア内の磁性体が磁気飽和することにより、直流リアクトルのインダクタンスが低下する。しかしながら、巻線は空心状態でも事故発生時における故障電流の立ち上がりを遮断器によって遮断できる大きさに抑えるために必要なインダクタンスを確保するものであるから、地絡事故などの事故発生時に、事故発生を検出した時点から遮断器などを用いて故障電流を遮断するまでの間に増加する故障電流の立ち上がりを従来の直流リアクトルに比べて低く抑えるので、遮断器によって故障電流をさらに安全、確実に遮断することができる。
加えて、巻線内に磁性体コアを挿入することにより空心形の直流リアクトルと同程度の大きさであっても定格電流において空心形に比べて約2倍の1.1〜1.3mHの高いインダクタンスを得ることができる。したがって、整流器から発生する整流リップルを効果的に抑制することができる。この整流リップルを低減する効果を得るためには1.1mH以上であって大きければ大きいほど良いが、1.3mH以下に抑えることにより直流リアクトルによる損失を小さくすると共に設置面積、コスト等の費用対効果を高くすることができる。
さらに、地絡事故などの故障が発生し、故障発生後時間が経過するにつれて故障電流が定格電流を大幅に上回る大電流になると、磁性体コア内の磁性体が磁気飽和することにより、インダクタンスが低下するが、巻線は空心状態でも従来のギャップ付鉄心形の直流リアクトルに比べて2倍以上の0.5〜0.7mHを保つことができるものであるから、磁性体コアが完全に飽和した状態であっても故障電流の立ち上がりを従来よりも低く抑えることができる。
発明において、電気鉄道用直流変電所の整流器は三相交流を全波整流するものが多いので、6次、12次、18次…の高調波成分がリップルとなって現れるが、本発明の直流リアクトルを用いることにより、定格電流付近またはそれ以下の電流では、整流リップルを抑えてリップルの少ない安定した電力供給を行うことが可能である。
前記磁性体コアは、二つの脚部と継鉄部を備えて環状に連結された磁路を形成するものであることが好ましく、これによって巻線を通らない磁束の漏れを少なくすることができる。また、前記巻線は二つの脚部にそれぞれ配置され互いに並列に接続された一対の巻線を用いることが好ましい。すなわち、磁性体コアの二つの脚部にはほぼ同じ程度の磁束が流れるものであるから、各脚部に巻回するように配置された両巻線にバランス良く分流することができ、直流リアクトルの電流容量を大きくすることができる。また、磁性体コアを構成する磁性体は例えば低損失で飽和磁束密度が高い珪素鋼板を積層したものであることが好ましい。
さらに、磁性体コアが、鉄心ブロックと常磁性体ブロックとを交互に積層したギャップ付鉄心コアであることにより、直流リアクトルとして必要十分なインダクタンスを得ることができる。また、ギャップは磁性体コアの非線形の磁気特性(ヒステリシス)の直線性を高め、連続使用に対して安定したインダクタンスが得られる。
本発明の直流リアクトルを電気鉄道用直流変電所に用いることにより、これに流れる直流電流の大きさに合わせて二重に設定されたインダクタンスによって、整流リップルの低減および故障電流の抑制の両立を可能としている。つまり、整流器を介して定格電流を流す通常の使用状態では直流リアクトルが1.1〜1.3mH程度の高いインダクタンスを有するので、整流リップルを抑制し、十分に平滑された電流を出力することができる。
さらに、故障発生時に定格電流を大きく超えた故障電流が流れる場合には、少なくとも空心状態における巻線のインダクタンス0.5〜0.7mHを確保することができるので、故障発生時点から遮断器が故障電流を遮断するまでの間に増加する故障電流の立ち上がりをできるだけ小さくすることができる。加えて、故障電流発生直後から故障電流が定格電流を大きく上回るまでの間は、直流リアクトルは大きなインダクタンスを持っているので、故障電流の立ち上がりをさらに遅くすることができる。すなわち、遮断器が遮断する故障電流を低く抑えることができればできるほど、遮断時の安全性は高くなり、また遮断器の寿命も長くなるので、遮断器のメンテナンスを容易に行うことができる。
次に、本発明の直流リアクトルの構成を示す実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1〜図3は本発明の第1実施形態にかかる直流リアクトル1の構成を示す図であり、図1に示すように、本実施形態の直流リアクトル1は、並列接続された一対の巻線2A,2Bと、この巻線2A,2Bに挿入される磁性体コア3とを有する定格電流4000Aの乾式コイルである。
前記巻線2A,2Bは2並列に接続されており、その形状は各部の導線が可能な限り円形に配置されるように円筒形状に形成され、その形状を高い強度で保つように構成されている。なお、以下の説明において、並列接続された両巻線2A,2Bの全体を巻線2という。
図2に示すように、各巻線2A,2Bの平均直径Dは800〜1100mmであり、その幅Wは250〜280mmである。そして、巻線2が空心状態で、事故発生時における故障電流の立ち上がりを遮断器によって遮断できる大きさに抑えるために必要なインダクタンスの大きさとして、0.5mH〜0.7mHのインダクタンスを得ることができるように、各巻線2A,2Bの巻数および高さHを設計する。
前記磁性体コア3は図3に示すように、一対の脚部3A、3Bと両脚部3A,3Bの上下端部を連結する継鉄部3Cとを備えて環状に連結された磁路Mを形成するギャップ付鉄心コアである。また、各脚部3A,3Bはそれぞれ断面形状矩形の強磁性体からなる複数の鉄心ブロック10と、各鉄心ブロック10の間に介在する常磁性体からなる複数の常磁性体ブロック11とを交互に積層して形成されている。
なお、前記鉄心ブロック10は渦電流を阻止するために鉄に珪素を含有させた複数の珪素鋼板の間に絶縁層を介して積層したものであることが好ましい。また、磁性体コア3の断面形状は矩形であることにより、その製造コストを削減することができるが、異なる大きさの珪素鋼板を段積みすることによって、鉄心ブロック10の断面形状を円形に近いものとして、磁性体コア3の脚部3A,3Bの断面形状をほぼ円形としてもよい。
前記鉄心ブロック10の断面積は900〜1000cmであり、各脚部3A,3Bを構成する鉄心ブロック10および常磁性体ブロック11の大きさおよび数は巻線2内に磁性体コア3を挿入した状態で、巻線2の定格電流4000Aの領域におけるインダクタンスを引き上げるものである。本実施形態の磁性体コア3は、例えば定格電流4000Aでその定格電流領域における巻線2のインダクタンスが整流に伴って発生する整流リップルを低減できる大きさの一例として1.1mHとなるように構成されている。
また、前記直流リアクトル1はその絶縁媒体として、例えば空気を用いる。しかしながら、絶縁媒体として絶縁油または絶縁ガスを使用してもよい。
図4は本実施形態の直流リアクトルにおける巻線と鉄心の大きさを定格電流4000Aである従来のギャップ付鉄心形の直流リアクトルと比較した一覧表T1を示す図である。この比較一覧表T1に示すように、同じ定格電流4000Aの乾式コイルであるときに、従来のギャップ付鉄心形の直流リアクトルでは巻線の平均直径Dpは650mm程度、巻線の幅は200〜230mmであるのに対し、本実施形態の直流リアクトル1では巻線2の平均直径が800〜1100mmであり、幅Wが250〜280mmである。このように、本実施形態の直流リアクトル1は、従来のギャップ付鉄心形の直流リアクトルに比べて、巻線2A,2Bの平均直径D、幅Wをそれぞれ僅かに大きくしているので、空心状態におけるインダクタンスを大きくすることができる。
図5は前記直流リアクトル1を用いる電気鉄道用直流変電所20の構成を説明する図である。図5に示すように、電気鉄道用直流変電所20は電源となる整流器用変圧器21に接続されてこれを全波整流することにより負荷として電車22に電気的に接続される帰線23およびき電線24間に直流の電力を供給する整流器25と、整流器25と並列に接続される電力ろ波器26と、整流器25のき電線24側に設けた直流高速度気中遮断器27(以下、単に遮断器27という)と、き電線24を流れる電流などを測定して故障電流を検出したときに遮断器27を遮断させる故障検出器28とを備える。そして、本実施形態の直流リアクトル1は前記整流器25の帰線23側に直列接続されるものである。
次に、図6〜図9を用いて、本発明の直流リアクトル1の動作を説明する。図6は本実施形態の直流リアクトル1に流す電流とインダクタンスの関係を示す図である。この図6に示すように、本実施形態の直流リアクトル1は定格電流である4000A以下の電流が流れるときには、直流リアクトル1のインダクタンスは1.1mH以上を得ることができる。したがって、電気鉄道用変電所20が平常運転を行っている状態では、直流リアクトル1によって、定格運転時に整流器25によって発生する6次、12次、18次…の高調波成分を十分に低減することができる。
図7は、本実施形態の直流リアクトル1の定格運転時において、6次、12次、18次、24次のリップルの高調波成分の抑制効果を、従来のギャップ付鉄心形の直流リアクトル及び、従来の空心形の直流リアクトルと比較した一覧表T2を示す図である。図7に示すように、本実施形態の直流リアクトル1では、6次,12次,18次,24次のリップルの高調波成分をそれぞれ、30.0A,7.1A,3.7A,2.1A低減することができるので、従来のギャップ付鉄心形の直流リアクトルと同程度の高調波成分の抑制効果を得ることができることが分かる。したがって、き電線24と帰線23の間に設置される平滑用の電力ろ波器26の容量も従来のギャップ付鉄心形の直流リアクトルを用いる場合と同程度の性能を有するものを用いることができる。
一方、図5に矢印Fに示すように地絡事故や短絡事故などの故障が発生した時には、故障発生直後から過渡的な大電流が流れようとするが、図6に示すように、本実施形態の直流リアクトル1は定格電流領域のインダクタンスが1.1mH以上であり、かつ、磁性体コア3が磁気飽和した状態であっても、巻線2の空心状態におけるインダクタンスを下回ることがない。
つまり、巻線2は空心状態でも、事故発生時における故障電流の立ち上がりを遮断器によって遮断できる大きさに抑えるために必要な0.5〜0.7mHのインダクタンスを得ることができるように構成されているので、本実施形態の直流リアクトル1はたとえ磁性体コア2が完全に磁気飽和したとしても、0.5〜0.7mHのインダクタンスを保つことができる。
図8は本実施形態の直流リアクトル1を電気鉄道用直流変電所20に用いた場合に直流リアクトル1に流れる故障電流の過渡的な増加を示す図である。図8に示すように、故障発生直後から約6ms程度までは直流リアクトル1が1.1mH程度のインダクタンスを保つことができるので、実線で示す本実施形態の直流リアクトル1は仮想線で示す従来のギャップ付鉄心形の直流リアクトルと同様に、一点鎖線で示す従来の空心形の直流リアクトルに比べて緩やかに増加する。そして、故障電流が8000Aを超えて磁性体コア3が磁気飽和する領域では、インダクタンスの低下によって比較的急峻な電流増加を示すものの仮想線で示す従来のギャップ付鉄心形の直流リアクトルほどではなく、一点鎖線で示す従来の空心形の直流リアクトルと同程度の割合で電流が増加する。
したがって、本発明の直流リアクトル1を用いることにより、従来の何れの方式の直流リアクトルを用いた場合よりも故障電流の立ち上がりを小さく抑えることができる。
図9は本実施形態のギャップ付鉄心形直流リアクトル1と従来の他の方式の定格電流4000Aで1.1mHの直流リアクタンスの損失の大きさを比較した一覧表T3を示す図である。図9に示すように、本実施形態のギャップ付鉄心形直流リアクトル1は磁性体コア3を用いているので、従来の他の方式の空心形の直流リアクトルおよび磁気遮蔽空心形の直流リアクトルに比べて損失が小さい。このため、定格電流領域でのインダクタンスが同等である場合には、空心形や磁気遮蔽空心形の従来構成の直流リアクトルに比べて、本発明の直流リアクトル1はその大きさを小さくすることができる。
上述の実施形態においては、定格電流4000Aの領域でインダクタンスが1.1mH、磁性体コア3が磁気飽和する電流領域のインダクタンスが0.5〜0.7mHの直流リアクトル1を例示しているが、本発明はこの大きさに限定されるものではない。すなわち、定格電流は2000A以上の大型の直流リアクトルであれば、電気鉄道用直流変電所の整流器に直列接続させて故障電流の立ち上がりを抑える効果を得るために用いることが可能である。
また、定格電流領域におけるインダクタンスは1.1mH〜1.3mHの範囲であれば、損失による効率の低下を抑えることが可能である。さらに、前記巻線2は二つの巻線2A,2Bを直列に接続するものであっても、単一の巻線であってもよい。くわえて、絶縁媒体として、空気、絶縁油、そして、絶縁ガスの何れを用いるものであってもよい。
本発明の直流リアクトルの全体構成を示す斜視図である。 前記直流リアクトルの要部を示す断面図である。 前記直流リアクトルの磁性体コアの構成を示す図である。 前記直流リアクトルの大きさを従来のギャップ付鉄心形の直流リアクトルと巻線の高さを等しくした場合を比較して示す図である。 本発明の直流リアクトルを取り付ける電気鉄道用直流変電所および負荷の構成を示す図である。 本実施形態の直流リアクトルに流す電流とインダクタンスの関係を示す図である。 本実施形態の直流リアクトルの整流リップルの高調波成分の抑制効果を従来の直流リアクトルと比較して示す図である。 本実施形態の直流リアクトルに流れる故障電流の過渡的な増加を示す図である。 本実施形態の直流リアクトルと従来の他の方式の直流リアクトルの損失の大きさを比較して示す図である。 従来のギャップ付鉄心形の直流リアクトルに流す電流とインダクタンスの関係を示す図である。 従来の空心形の直流リアクトルに流す電流とインダクタンスの関係を示す図である。 従来の直流リアクトルにおける故障電流の増加を示す図である。
1 直流リアクトル
2(2A,2B) 巻線
3 磁性体コア
10 鉄心ブロック
11 常磁性体ブロック
20 電気鉄道用直流変電所
25 整流器

Claims (1)

  1. 電気鉄道用直流変電所の整流器と直列接続し、帰線側に設置される直流リアクトルであって、空心状態のインダクタンスが地絡事故発生時における故障電流の立ち上がりを遮断器によって遮断できる大きさに抑えるために必要な大きさである巻線と、2000A以上の定格電流領域のインダクタンスが整流に伴って発生する整流リップルを低減できる大きさになるように、前記巻線内に挿入される磁性体コアとを有し、前記定格電流領域のインダクタンスが1.1〜1.3mHであると共に、磁性体コアが磁気飽和する電流領域のインダクタンスが0.5〜0.7mHであり、かつ、前記磁性体コアは強磁性体からなる複数の鉄心ブロックと、各鉄心ブロックの間に介在する複数の常磁性体ブロックとを交互に積層したギャップ付鉄心コアであることを特徴とする直流リアクトル。
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