JP5020092B2 - 動的質量移送迅速応答動力変換システム - Google Patents

動的質量移送迅速応答動力変換システム Download PDF

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Description

本発明は一般にその燃焼サイクルからエネルギを発生させるための内燃エンジンと、発生したエネルギを引き出し、それを使用可能なエネルギ又は仕事に変換するように形状づけられた動力変換装置とを利用する動力変換システムに関する。特に、本発明は動的質量移送迅速応答動力変換システム、及び、内燃エンジンにより発生されるエネルギを迅速に引き出し、変換する方法に関し、内燃エンジンは、発生したエネルギを使用可能な動力に変換するために使用されるエネルギ移送素子とは独立に作動して、エネルギの引き出しを最適化できるようにする。
1又はそれ以上の目的のために仕事を遂行するように設計された、化石燃料又は他の燃料を使用可能なエネルギ又は動力に変換するために利用できる多くの異なる形式の主動力源が存在する。このような動力源を利用するいくつかの応用は自動車、芝刈機、発電機、液圧装置等のような日常の普通の品目を含む。多分、主動力源の最も知られた例は周知の内燃エンジンであり、このエンジンは、化石燃料の燃焼から得られるか又は発生されるエネルギを、機械エネルギ、電気エネルギ、液圧エネルギ等のような使用可能なエネルギに変換する。実際、内燃エンジンはモータとして、及び、ポンプのような種々の品目を駆動又は作動させるために使用される動力源としての、多くの用途を有する。使用可能なエネルギへの化石燃料の変換はまた、数千の個々の使用者によりアクセスされるグリッド即ち敷設網を駆動するために電力を供給する大きな電気設備において達成される。
主動力源は上述のいくつかの機能を遂行するために首尾よく使用されたが、このような主動力源は多くの応用において独立に首尾よく使用されなかった。その理由は、その応答特性が比較的遅いからである。1つの燃料液滴内に多量のエネルギが含まれるが、内燃エンジンは、駆動されている機械的構造体の運動においてリアルタイムの調整を行うためにフィードバックループを利用する小さな装置特にロボット装置及び他の同様のシステムを駆動する際に特に問題を生じる。ロボット装置又は迅速応答を必要とする任意の他のシステムにおいては、動力源は、典型的には、ロボット装置の適正な作動を維持するのに必要な、受け取ったフィードバックにより決定されるような、瞬間的な修正又はほぼ瞬間的な修正を行うことのできる出力動力を発生させることができるものでなければならない。エネルギ生産のために化石燃料を利用する主動力源は、このような環境において作動が困難であるか又は殆ど作動できない。
一層精確にはシステムの帯域幅として言及される、機械的なシステム内で機能する動力源の応答速度即ち応答時間は、動力源により生じたエネルギが応用によってどのように迅速に変換でき、アクセスでき及び利用できるかを示す。迅速応答動力システムの1つの例は液圧動力システムである。液圧システムにおいては、任意の数の源からのエネルギは液圧流体を加圧するために使用でき、加圧された流体は後の使用のためにアキュムレータに貯蔵される。これはアキュムレータをチャージすることを意味する。貯蔵された加圧流体内に含まれるエネルギは、液圧被駆動アクチュエータの伸長又は引き戻しのような仕事を遂行する目的でシステムの弁を開き、アキュムレータ内の流体を解放することにより、ほぼ直ちにアクセスすることができる。この形式の液圧システムの応答時間は極めて迅速であり、数ミリ秒又はそれ以下である。
比較的遅い応答式の動力変換システムの例は上述のような内燃エンジンである。内燃エンジンを備えた車両のアクセルは毎分の回転数(「rpm」)として測定されるエンジンの回転速度を制御する。動力を望む場合、アクセルを作動させれば、エンジンはそれに従ってその回転速度を増す。インピーダンス因子を無視すると、エンジンの内部のいくつかの慣性力及び燃焼工程の特性のため、エンジンは極めて迅速な態様で所望の変化に達することができない。エンジンの最大回転出力を7000rpmとした場合、エンジンが0から7000rpmまでに達するのに要する時間はエンジンの応答時間の尺度であり、これは数秒又はそれ以上になることがある。更に、0から7000rpmまで及びそこから0rpmに戻るような迅速サイクルでエンジンを繰り返し作動させるようにした場合、エンジンが周期的な信号に応答しようとするので、エンジンの応答時間は更に遅くなる。逆に、液圧シリンダはミリ秒又はそれ以下程度で作動でき、その速い応答時間を損なうことなく迅速サイクルで作動できる。
この理由のため、(内燃エンジンのような)遅い応答式の主動力システムを利用する多くの応用は、主動力源により発生したエネルギを、エネルギに対して後で直ちにアクセスできるようにエネルギを保存保持できる別の一層迅速に応答するエネルギシステム内に貯蔵させることを必要とする。このような応用の1つの例は、上述の液圧システムを利用するバックホー(backhoes)や前端ローダのような重土壌移動装置である。このような重労働装置は、一般に、装置の操作及び駆動に対して十分な動力を供給するが、バケットやバックホーのような種々の機能的な素子のエネルギ応答要求を満たすことのできない(普通はディーゼルエンジンである)内燃エンジンにより作動される。内燃エンジンからの動力を液圧システム内に貯蔵し、これを増幅することにより、重労働装置は極めて精確な制御の下に迅速な応答で大きな力を発生させることができる。しかし、この多能性は費用がかかる。システムに対して、エネルギ的に自主性を持たせ、迅速かつ精確な制御を可能にするためには、一層多くの構成部品又は構造体が必要となり、従ってシステムの重量及びその作動コストを増大させてしまう。
迅速応答動力供給源の別の例は電気供給グリッド又はバッテリーのような電気貯蔵装置である。動力供給グリッド又はバッテリーにおいて利用できる動力に対しては、スイッチの開閉と同じ迅速さでアクセスすることができる。無数のモータ及び他の応用がこのような電気動力源を利用するために開発されてきた。動力グリッドに接続できる静止の応用は発生源からの直接電気入力を利用できる。しかし、システムを動力グリッドに接続せずにシステム内で電力を使用するためには、システムは、極めて大型で重くなることのあるバッテリーのようなエネルギ貯蔵装置を使用するように形状づけなければならない。近代の技術は装置の小型化を目指しているので、動力源及びこれに付随する変換ハードウエアの余分な重量及び容積は有意義な発展に対して大きな障害となる。
迅速応答源を駆動するために主動力源を使用するに当っての固有の複雑さは、ロボットのような応用における問題を増大させる。ロボットを人間の動きに精確に類似させるためには、ロボットは精確に制御された適時の運動を行うことができるものでなければならない。このレベルの制御は上述の液圧又は電気システムのような迅速応答システムを必要とする。このような迅速応答システムがある主動力源からの動力を必要とするので、ロボットは、迅速応答システムに動力を供給する一層大きなシステムの一部としなければならないか、または、ロボットは1又はそれ以上の重労働主動力源又は電気貯蔵装置を直接具備しなければならない。しかし、理想的には、ロボット及び他の応用は最小重量を有するべきであり、液圧又は電気供給ラインを介して動力源に接続されることなく、エネルギ的に自主性を持たせるべきである。しかし、現在まで、技術は、迅速応答、最小重量、有効な制御及び作動の自主性のこの組合せを実現するために悪戦苦闘していた。
従来固有の問題及び欠点に照らして、本発明は、燃焼可能な流体の燃焼からエネルギを発生させるように作動する内燃エンジンと、燃焼から発生したエネルギの最適の部分を引き出す迅速応答素子とを有する、動的質量移送迅速応答動力変換システム(DRPS)を提供することにより、従来の問題や欠点を克服することを目的とする。DRPSは更に迅速応答素子及び内燃エンジンとは独立に作動するエネルギ移送素子を有し、このエネルギ移送素子は、迅速応答素子とエネルギ移送素子との間に位置する動的質量構造体を介して迅速応答素子からエネルギを受け取る。
それ故、本発明のいくつかの例示的な実施の形態の目的は、エネルギを発生させるように内燃エンジンを作動させることである。
本発明のいくつかの例示的な実施の形態の別の目的は、燃焼において発生したエネルギを引き出し、それを運動エネルギに変換するように形状づけられた迅速応答素子の作動を最適化することである。
本発明のいくつかの例示的な実施の形態の更に別の目的は、迅速応答素子内の運動エネルギを、受け取ったエネルギを装置又はシステムを作動させるために使用できる出力動力に変換するように形状づけられたエネルギ移送素子に移送することである。
本発明のいくつかの例示的な実施の形態の更なる目的は、迅速応答素子とは独立にエネルギ移送素子を作動させて、迅速応答素子が内燃エンジンからのエネルギの引き出しを最適化できるようにすることである。
本発明のいくつかの例示的な実施の形態の更に別の目的は、迅速応答素子内に貯蔵された運動エネルギを、迅速応答素子とエネルギ移送素子との間に位置する動的質量構造体内へ移送することであり、この場合、動的質量構造体はエネルギ移送素子に衝突し、それによって、システムの出力動力を最適化するようにエネルギ移送素子への動的質量構造体内の運動エネルギの完全又は実質上完全な移送を実施する。
本発明のいくつかの例示的な実施の形態の更に別の目的は、燃焼可能な流体の局部的又は遠隔的な圧縮を伴う2ストローク又は4ストローク内燃エンジン及びエネルギを発生させるように形状づけられた任意の他の形式のエンジンを使用するDRPSを提供することである。
種々の例示的な実施の形態のうちのいくつかの数個の目的をここで特に述べたが、これらはいかなる意味においても本発明の要旨を限定するものと解釈すべきではない。事実、種々の例示的な実施の形態の各々はここでは特に述べない他の目的を含むことが考えられる。このような他の目的は、ここに教示され記載されたような本発明を実践する際に、当業者にとっては明白であり、認識できよう。
上述の目的を達成するため、ここで具体化し広く述べるような本発明に従えば、本発明の特徴は迅速点火迅速応答動力変換システムであり、このシステムは(a)室へ燃焼可能な流体を供給するように形状づけられた少なくとも1つの流体ポートと、取り出しポートとを有する室;(b)圧縮された燃焼可能な流体を室へ供給するためのピストンを有する局部コンプレッサ;ここで、ピストン及び少なくとも1つの流体ポートは、可変圧力を室へ選択的に提供し、室内での燃焼を少なくとも部分的に容易にするように形状づけられる;(c)エネルギを発生させるために室の燃焼部分内での流体の燃焼を開始し、制御するためのコントローラ;(d)室に流体連通し、室の燃焼部分に隣接して位置する迅速応答素子;ここで、迅速応答素子は燃焼から発生したエネルギの最適化された部分を引き出し、エネルギのこの最適化された部分を運動エネルギに変換するように形状づけられる;及び(e)迅速応答素子とエネルギ移送素子との間に位置し、迅速応答素子及びエネルギ移送素子が互いに独立になるのを許容する動的質量構造体;を有し、動的質量構造体は迅速応答素子により作用を受けたときに迅速応答素子からすべて又は実質上すべての運動エネルギを受け取り、貯蔵するように形状づけられ、動的質量構造体は、エネルギ移送素子に衝突まである速度である距離だけ変位し、それによって、その中に貯蔵された運動エネルギの実質上すべてをエネルギ移送素子内へ移送する。動的質量構造体によるエネルギ移送素子内への貯蔵された運動エネルギの移送は、エネルギ移送素子と一緒に作動できる装置又はシステムを作動させるために使用される仕事を遂行させるようにエネルギ移送素子を有効に作動させる。別の実施の形態においては、本発明の迅速応答動力変換システムは局部コンプレッサの代わりに遠隔コンプレッサを有する。
本発明は更に動力装置を駆動する方法を特徴とし、この方法は、(a)燃焼室内で生じる燃焼からエネルギを発生させ、動力装置を作動させるように形状づけられた内燃エンジンを提供する工程;(b)燃焼室に流体連通するようになった迅速応答素子を提供する工程;ここで、迅速応答素子は燃焼に応答して変位し、発生したエネルギを引き出し、そのエネルギを運動エネルギに変換するように形状づけられ;(c)迅速応答素子とは別個で独立したエネルギ移送素子を提供する工程;ここで、エネルギ移送素子は動力装置に作動的に結合され、内燃エンジンにより発生したエネルギから動力装置を駆動するように形状づけられ;(d)燃焼からエネルギを発生させるように内燃エンジンを作動させる工程;(e)実質上すべての発生したエネルギが引き出されるまで、燃焼に応答して変位するように迅速応答素子を形状づける工程;ここで、迅速応答素子はエネルギを運動エネルギに変換する;(f)迅速応答素子と相互作用するように形状づけられた動的質量構造体を提供する工程;ここで、動的質量構造体は迅速応答素子及びエネルギ移送素子とは独立である;(g)実質上すべての運動エネルギを動的質量構造体内へ移送させるように迅速応答素子を動的質量構造体と相互作用させる工程;ここで、相互作用は動的質量構造体を変位させる;(h)迅速応答素子からの実質上すべての運動エネルギが動的質量構造体へ移送された時点で又はその時点の直後に、迅速応答素子から離れるように動的質量構造体を形状づける工程;及び(i)動的質量構造体をエネルギ移送素子に衝突させ、動的質量構造体の運動エネルギをエネルギ移送素子内へ移送する工程;を有し、エネルギ移送素子は運動エネルギを、動力装置を駆動し、作動させることのできる使用可能なエネルギに変換する。
本発明は更にまた内燃エンジンの出力動力を最適化する方法を特徴とし、この方法は、(a)燃焼室内で生じる燃焼からエネルギを発生させるように内燃エンジンを作動させる工程;(b)燃焼室に流体連通するように迅速応答素子を位置決めする工程;ここで、迅速応答素子は内燃エンジンにより発生されたエネルギを引き出し、これを運動エネルギに変換するように形状づけられる;及び(c)実質上すべてのエネルギが引き出されて運動エネルギに変換されるまで、燃焼に応答して迅速応答素子の変位を許容する工程;を有する。方法は更に、実質上すべての運動エネルギを受け取るために迅速応答素子と相互作用するように形状づけられた独立の変位可能な動的質量構造体を提供する工程を有し、ここで、動的質量構造体は、実質上すべての運動エネルギが動的質量構造体へ移送された後に、迅速応答素子から離れるように形状づけられる。
本発明は添付図面に関連して行う次の説明及び特許請求の範囲から更に一層明らかとなろう。これらの図面は本発明の例示的な実施の形態をそのまま単に示すものであり、それ故、本発明の要旨を限定するものと考えるべきではない。ここで一般的に説明し図示するような本発明の素子は種々の異なる形状で配列し、設計できることを容易に認識できよう。それにも拘らず、本発明を添付図面の使用を通して更に特定に及び詳細に記述し、説明する。
本発明の例示的な実施の形態の以下の詳細な説明はその一部を形成する添付図面を参照し、添付図面においては、本発明を実施できる例示的な実施の形態を例として示す。これらの例示的な実施の形態は当業者にとって本発明を実践するのに十分な程度に詳細に説明するが、他の実施の形態を実現することができ、また、本発明の精神及び要旨から逸脱することなく、本発明に対する種々の変更を行うことができることを理解すべきである。従って、図1ないし8に示すような本発明の実施の形態の以下の一層詳細な説明は特許請求の範囲に記載されているように本発明の要旨を限定する意図のものではなく、単なる図示の目的で提示されるものであり、発明の作動の最良の形態を明らかにするために本発明の特質及び特徴を非限定的に述べ、当業者が本発明を十分に実施できるようにすることを意図するものである。従って、本発明の要旨は特許請求の範囲によってのみ規定されるべきである。
本発明の以下の詳細な説明及び例示的な実施の形態は添付図面を参照することにより最良に理解できるはずであり、図面においては、本発明の素子及び構造は全体を通して符合で示す。
一般に、本発明では、迅速点火又は他の同様の形式の内燃エンジンからエネルギを発生させるための及びユニークな動的質量移送迅速応答動力変換システム(DRPS)を介して、そのエネルギを、高帯域幅で動力装置を作動させるために使用できるエネルギ又は動力に変換するための方法及びシステムを説明する。DRPSは、迅速応答素子が内燃エンジンの燃焼サイクル中に生じるエネルギから最適な量のエネルギを引き出すことができ、また、引き出されたすべてのエネルギを運動エネルギに変換できるようにする動的質量構造体を有する。動的質量構造体は迅速応答素子内の運動エネルギを受け取り、続いて、このエネルギのすべてを、衝突により、独立に支持され作動するエネルギ移送素子内へ移送する。
最初に図1を参照すると、本発明の1つの例示的な実施の形態に係る動的質量移送迅速応答動力変換システム10の簡単化した概略図を示す。このようなシステム10は4ストローク火花点火ICエンジン、2ストローク火花点火迅速点火ICエンジン又はディーゼルICエンジンのような典型的な内燃(「IC」)エンジンを一部として有することができる。圧縮点火ICエンジン、非燃焼エンジン又は任意の他の適当なエンジンのような他の形式のエンジンも本発明に利用することができる。図示のように、ここでは、迅速応答エネルギ引き出しシステム10は典型的な4ストローク火花点火ICエンジンに関連して示し、この場合、本発明では、単一の室18を示す。
室18は室壁22により画定され、酸化剤(例えば空気又は酸素)と混合された燃料のような燃焼可能な流体30を別個に又は混合物として受け取る1又はそれ以上の吸入ポート26と、燃焼した排気ガス38を放出するための取り出しポート34とを有する。吸入ポート26及び取り出しポート34の各々は弁(図示せず)を有し、各弁は室18に対する燃焼可能な流体30の流入及び室からの排気ガス38の放出を許容するように特定の時期に開閉するように形状づけられる。室18は主要なピストン50と、補助のピストン70と、これらのピストンの間の燃焼部分90とを含む。主要なピストン50はピストンロッド54に接続され、このロッドはクランクシャフト58に接続される。主要なピストン50は、主要なピストン50からクランクシャフト58への直線運動62を回転エネルギ66に変換するために室18内でほぼ直線的に運動するように寸法決めされ、形状づけられる。このような回転エネルギ66は、典型的にはIC燃焼エンジンを利用する任意の形式の応用のような広範囲の外部の応用に対して駆動を行うために使用することができる。
主要なピストン50の直線運動62は上死点(TDC)位置と下死点(BDC)位置との間で行われる。TDC位置はピストン50がクランクシャフト58から最も遠いその位置へ移動してしまったときに生じ、BDC位置は主要なピストン50がクランクシャフト58に最も近いその位置に移動してしまったときに生じる。TDC位置とBDC位置との間での主要なピストン50の直線運動は室18の燃焼部分90内での周期的な燃焼により発生させることができる。主要なピストン50はまた、バッテリーからのエネルギを使用する電気モータのような他の適当な手段により室18内で直線的に移動することができる。
ICエンジンの4ストロークサイクルは、ピストン50がTDCにある状態で、開始する。ピストン50がBDCの方へ移動すると、燃料及び酸化剤又は燃焼可能な混合物30は吸入ポート26を通して室18内へ導入され、この吸入ポートは1又はそれ以上の開口を有することができ、また、室18内への燃料の流れ及び量を変更するための可変開口とすることができる。燃料が室18へ入った後、吸入ポート26は閉じ、ピストン50はTDCの方へ戻り、室18内で燃焼可能な混合物及び(又は)燃料30を圧縮する。制御モジュール又はコントローラ102により制御される点火源98は火花を供給し、その時点で、圧縮された燃料が燃焼し、ピストン50をBDCへ戻るように駆動する。コントローラ102はまた、燃焼可能な流体即ち燃料及び(又は)酸化剤を混合し室内へ送給できるか又は室18内へ別個に送給できるような量を制御するために吸入ポート26及び取り出しポート34における弁(図示せず)を制御するように形状づけることができる。ピストン50が再度TDCの方へ戻ると、燃焼した排気ガス38は取り出しポート34を通して強制的に押し出される。次いで、取り出しポート34が閉じ、吸入ポート26が開き、4ストロークサイクルを再度開始することができる。このようにして、一連の燃焼サイクルがクランクシャフト58を駆動し、これが外部の応用に対して回転エネルギ66を提供する。別の態様では、一連の燃焼サイクルは迅速応答素子を駆動するために使用され、この迅速応答素子は燃焼から発生したエネルギを引き出し、このエネルギをエネルギ移送素子へ移送し、このエネルギ移送素子はエネルギを液圧ポンプのような動力装置を駆動及び作動させるための使用可能な動力に変換する。この概念は後に一層詳細に説明する。
本発明によれば、システム10は更に室18内に位置し支持される補助のピストン70の形をした迅速応答素子を有する。補助のピストン70は面即ちエネルギ受け取り端部78と、補助のピストンロッド74と、補助のピストンロッド74に結合された衝突部分82とを有する。エネルギ受け取り端部78は、主要なピストン50及び補助のピストン70の長手方向の運動が室18の長手軸線に対応するように、主要なピストン50に対面して室18内に位置することができる。不活動位置においては、補助のピストン70のエネルギ受け取り端部78はバネ又は圧力リザーバのような他の適当な偏倚力により偏倚されて、リップ部又はある他の適当なシール手段に対して実質上シールされた引き戻し位置へ偏倚することができ、その結果、補助のピストン70は、室18の燃焼部分90内への燃料の導入前又はシステム100の周期的な燃焼間の燃焼の前に、偏倚された方法で位置決めされる。
本発明の1つの重要な態様は、補助のピストン70が主要なピストン50よりも実質上小さな慣性を有することである。室18の燃焼部分90に隣接して位置するこのような実質上小さな慣性は燃焼に対する迅速応答を容易にし、室18の長手軸線に沿った補助のピストン70の直線運動86を提供する。補助のピストン70の慣性が主要なピストン50の慣性よりも一層小さいので、補助のピストン70は、ICエンジンにおいて固有の非効率性により失われる前に、燃焼により生じたエネルギの大半の部分を有効に引き出すことができる。この構成により、補助のピストン70のエネルギ受け取り端部78は衝突部分82に直線運動86を提供するように室18内での燃焼に反応するように寸法決めされ、位置決めされ、形状づけられる。
システム10は更に、燃焼からICエンジンの迅速応答素子により引き出されたエネルギを受け取り、このエネルギを動力装置170のエネルギ移送素子172内へ移送するように形状づけられた動的質量構造体110を有する。動力装置170は動的質量構造体110により衝突されたエネルギ移送素子172の結果として駆動又は作動することのできる任意の形式の構造体又はシステムとすることができる。1つの例示的な実施の形態においては、動力装置170はポンプからなり、エネルギ移送素子172はポンプピストンからなり、これらはアクチュエータへ液圧流体をポンピングするように作動する。動力装置の別の例は後に提供される。
動的質量構造体110はエネルギ受け取り側114とエネルギ移送側118とを有し、支持手段122により支持され、この支持手段は、動的質量構造体110が両方向で又はICエンジンの迅速応答素子とエネルギ移送素子172との間で変位するのを許容するように、変位手段126と作動的に関連するように形状づけられる。動的質量構造体110はIC内での燃焼から迅速応答素子により引き出されたエネルギを受け取るように形状づけられる。エネルギのこの交換は、この場合補助のピストン70である迅速応答素子が動的質量構造体110のエネルギ受け取り側114と相互作用したときに、生じる。これら2つの素子の相互作用は衝突を介して、又は、動的質量構造体110が燃焼前のその初期の位置で補助のピストン70に隣接又は並置して位置する場合のような、他の形式の関連を介して、行うことができる。この相互作用により、ICエンジン内の燃焼から補助のピストン70により引き出されたエネルギは動的質量構造体110へ移送され、運動エネルギをその源即ちICエンジンから分離する。
本発明の1つのユニークな特徴は、動的質量構造体110により、動力装置170がICエンジン及びICエンジンに連通する動力変換システム特に迅速応答素子即ち補助のピストン70とは完全に独立に作動するのを許容されることである。更に、動的質量構造体110はICエンジンが最適化されるのを許容する。ICエンジンは好ましくは常に作動し、迅速応答素子はICエンジンから出て迅速応答素子へ入る大半の動力を得るか又は利用するように常に作用を受ける。これはICエンジンの出力を最適化することを意味する。動的質量構造体110を利用することにより、迅速応答素子から上流側の圧力は迅速応答素子の駆逐に影響を与えないか又はこれを妨げない。その理由は、2つのシステムが互いに独立で、動的質量構造体110により分離されるからである。別の言い方をすれば、動的質量構造体110の存在のため、ICエンジン及び迅速応答素子の作動は高いレベルの出力動力を得るように最適化することができ、この出力動力は、動力装置170又は下流側の任意の他のシステムや装置から迅速応答素子上に作用する負荷又は圧力が存在しないため、迅速応答素子を最適に変位させるように迅速応答素子へ移送することができる。実際、動力装置170は概して、その分離及び独立した作動のため、いかなる方法でも迅速応答素子上に直接影響又は作用することができない。動力装置170と迅速応答素子との互いの唯一の相互作用は動的質量構造体110を介するものである。
燃焼が生じた後、迅速応答素子は燃焼中に生じたエネルギの少なくとも一部好ましくは最適化された部分を引き出す。発生したエネルギの引き出しは迅速応答素子の変位を生じさせ、この場合、燃焼からのエネルギは運動エネルギに変換される。換言すれば、引き出されたエネルギは迅速応答素子の運動即ち変位を通して運動エネルギに変換される。ICエンジンが作動すると、その作動は燃焼から生じた利用可能なエネルギのすべて又はほぼすべてを使用する最大の負荷能力で迅速応答素子を最も遠い距離だけ変位させるように最適化される。迅速応答素子が変位すると、この素子はその初期の始動即ち休止位置において迅速応答素子に隣接又は近くに位置する動的質量構造体110と相互作用を行う。衝突の形をしていてもしていなくてもよいこの相互作用は所定の距離だけ一定の速度で動的質量構造体110を推進させるように機能し、それによって、迅速応答素子内の実質上すべての運動エネルギを動的質量構造体110へ有効に移送する。ICエンジン内の任意の与えられたスロットル設定値に対して、迅速応答素子は与えられた速度に推進又は加速される。従って、異なるスロットル設定値は迅速応答素子の異なる速度及び動的質量構造体110へ引き続き移送される迅速応答素子内へ入力される運動エネルギの異なる量に移行する。動的質量構造体110の推進を生ぜしめたとき、迅速応答素子はその初期の始動位置へ戻り、そのエネルギ受け取り面78は燃焼部分90に再度隣接する。この位置において、迅速応答素子は次の燃焼サイクルにより発生されるエネルギを引き出すための準備が再度整う。エンジンの各サイクルにおいて、迅速応答素子は常に最適化される一定の動力出力を生じさせるために、エンジンのスロットル速度に応じて、一定の速度及び一定の周波数で変位するように形状づけられる。迅速応答寄生体70の速度及び周波数は固定又は可変とすることができるが、大半の実施の形態はICエンジンからの一定の動力出力で機能する。
動的質量構造体110の推進、及びそれ故、後での動力装置170のエネルギ移送素子172との衝突のための迅速応答素子70から動的質量構造体110への運動エネルギの移送は、所定の時間期間だけその源であるICエンジンからエネルギを分離するように機能する。エネルギのこの分離は、動的質量構造体110が迅速応答素子を去った後及び動的質量構造体110が動力装置170のエネルギ移送素子172に衝突する前に、生じる。動的質量構造体110がICエンジンの燃焼により発生され迅速応答素子により該動的質量構造体へ移送されたエネルギを、運動エネルギの形で所有するのはこの時間中である。
上述のように、動的質量構造体110は、迅速応答素子から運動エネルギを受け取り、動力装置170のエネルギ移送素子172に衝突するまで、この運動エネルギを貯蔵する。エネルギ移送素子172との衝突は、動的質量構造体110が所定の距離だけ進行即ち変位してしまった後に、生じ、この距離は、迅速応答素子がそのすべてのエネルギを動的質量構造体110へ移送し始める地点と、動的質量構造体が動力装置170のエネルギ移送素子172に衝突する地点との間の距離により、画定される。この所定の距離は異なるデザイン制約に応じて変えることができる。更に、動的質量構造体110は、動的質量構造体110がその貯蔵したすべての運動エネルギをエネルギ移送素子172へ移送するのに要する時間に応じて、エネルギ移送素子172との衝突後に更なる距離だけ変位することができる。
衝突時にエネルギ移送素子172へ入力される運動エネルギの量は、動的質量構造体の寸法、動的質量構造体上の負荷、エネルギ移送素子172上の負荷、燃焼により発生するエネルギ量、迅速応答素子と動的質量構造体との間のエネルギ損失量、動的質量構造体110とエネルギ移送素子172との間のエネルギ損失量等のようないくつかの因子に応じて変化することができる。
支持手段122は動的質量構造体110をその静的及び動的状態で支持できる任意の構造体又は装置とすることができる。1つの例示的な実施の形態においては、支持手段122は室壁22の延長部により画定されるような室18の延長部とすることができ、この場合、動的質量構造体110はその中で適正に機能する変位手段126を有する。この実施の形態においては、支持手段122は補助のピストン70を支持するために使用されるものと同様のデザイン及び機能を有する。別の例示的な実施の形態においては、支持手段122は室18とは独立であるが、動的質量構造体110を適正に収容する構造体を有することができる。この実施の形態においては、支持手段122は、動的質量構造体110が室18及びその中に収容された迅速応答素子と連通するように、形状づけられる。支持手段122はまた、動的質量構造体110がまた動力装置170及びその中で支持されたエネルギ移送素子172と連通するように、形状づけられる。ここでは特に述べないが、動的質量構造体110を支持するように機能し、また、迅速応答素子によりその変位を可能にするように機能する他の形式の支持手段122は、当業者にとって明らかかつ明白であり、ここで保護されることを意図する。
変位手段126はまた、動的質量構造体110が支持手段122内で変位できるように形状づけられた異なる実施の形態を有することができる。1つの実施の形態においては、変位手段126は図1に示すホイールのようなホイールを有することができる。別の例示的な実施の形態においては、変位手段126は潤滑された表面対表面形状を有することができ、この場合、動的質量構造体110の表面は支持手段122の表面に接触してその上に摺動自在に位置する。支持手段122の表面に沿った動的質量構造体110の摺動能力を増大させるために潤滑剤を付与することができる。更に別の例示的な実施の形態においては、変位手段126はその中で動的質量構造体110を摺動自在に支持するために使用される、支持手段122内で支持されたホイール又は軸受を有することができる。ここでは特に述べないが、迅速応答素子による動的質量構造体110の変位を容易及び可能にするように機能する他の形式の変位手段126は、当業者にとって明らかかつ明白であり、ここで保護されることを意図する。
動的質量構造体110は意図する応用に適する任意の寸法及び任意の形状の質量を有することができる。動的質量構造体110の寸法及び形状は所望の出力動力を含む所望の応答に応じて変えることができる。動的質量構造体110の特性はエンジンサイクル中に変化できることが考えられる。別の実施の形態として、動的質量構造体110は前後に移動する共振構造体とすることができる。
迅速応答素子が動的質量構造体110に作用する前に、この構造体はその静的な休止状態にあり、その中に運動エネルギを蓄えない速度vを有する。ICエンジン内の燃焼に応答して迅速応答素子により作用を受けたとき、動的質量構造体110は迅速応答素子から運動エネルギを受け取り、加速させられる。エネルギ移送素子172との衝突時点で、動的質量構造体110は最終速度vを有する。動的質量構造体110の寸法とともに質量mを有するこの最終速度vは、式F=ma(又はp(運動量)=mv)(ここに、mは動的質量構造体110の質量であり、a=(v−v)である)に従って動的質量構造体110がエネルギ移送素子172に衝突する際の力の量又は運動量を決定する。
エネルギ移送素子172との衝突時点での動的質量構造体110内に貯蔵された運動エネルギの量は式KE=1/2mv に基づく。1つの実施の形態においては、システムは、動的質量構造体110がそのKEを即座にエネルギ移送素子172に移送するように形状づけることができ、この場合、動的質量構造体110は衝突時点で最終速度f=0を有する。別の実施の形態においては、システムは、KEの移送が所定の時間量にわたって又は衝突に続く所定の変位距離内で生じるように形状づけることができ、この場合、KEは瞬間的に移送されるのではなく、漸進的に移送される。この漸進的な移送は、エネルギ移送素子上に作用する負荷の形式及びエネルギ移送素子がそれ自体変位される又は変位すべき距離に由来する。例えば、動力装置170が液圧ポンプであり、エネルギ移送素子172が液圧ポンプピストンである場合、液圧ポンプピストンは動的質量構造体110とは反対側のピストンの側に作用するある形式の圧力によりほとんどプレロードされる。動的質量構造体110が液圧ピストンに衝突したとき、動的質量構造体110内のKE及び液圧ピストンに作用する対抗する圧力に応じて、液圧ピストンを与えられた距離だけ変位させる。この状況においては、KEは液圧ピストンに即座に移送できず、代わりに経時的に移送される。別の例においては、エネルギ移送素子172が負荷の下に回転装置を旋回させるように作動的に形状づけられたロッドである場合、負荷に打ち勝って回転装置を旋回させるロッドの能力は動的質量構造体110内に貯蔵されたKEの量及び回転装置従って最終的にロッドに作用する負荷により決定される。このような例は図5に示し、後に説明する。
上述の説明に続き、動力装置170により生じる利用可能な即ち潜在的な出力動力の表現は衝突時に動的質量構造体110内に貯蔵された運動エネルギKE及びエネルギ移送素子172に作用し及び(又は)対抗する負荷又はエネルギの関数として述べることができる。
動的質量構造体110が迅速応答素子とエネルギ移送素子との間で変位するように設計されているので、本発明は更に、エネルギ移送素子に衝突した後に動的質量構造体110をその初期の始動位置へ戻す手段を特徴とし、この初期の始動位置は迅速応答素子に隣接又は近接する。これを達成するため、1つの例示的な実施の形態においては、動的質量構造体110はバネ素子のような任意の形式の既知の偏倚手段を使用して偏倚することができる。動的質量構造体110を引き戻すために使用される他の形式のシステム又は装置は当業者にとって明白であろう。いずれにしても、動的質量構造体110は、再び迅速応答素子により作用を受けるように、エネルギ移送素子712への衝突後に、その準備位置へ戻らなければならない。これはICエンジンの各サイクルに対して生じる。従って、動的質量構造体110は、迅速応答素子により作用を受け推進されるようなその初期の始動位置から、エネルギ移送素子172に衝突するような位置へ進み、次のエンジンサイクルにおいて迅速応答素子を再度受け入れるようにその初期の始動位置へ戻る。
ここで説明し図示したような動的質量構造体を提供することにより、従来の関連するシステムよりも優れたいくつかの利点が得られる。第1に、迅速応答素子及びICエンジンは最終的に駆動される装置又はシステムとは独立に作動できる。換言すれば、迅速応答素子から上流側の圧力はICエンジンとは独立しており、迅速応答素子に作用しない。第2に、迅速応答システム及びICエンジンは最高で最も有効な出力動力を生じるように最適化できる。その理由は、これらが動力装置又は動力装置に対して作用する制約に直接接続されても連通してもおらず、それ故これらの動力装置等により全く制限されないからである。第3に、動的質量構造体の物理的な制約及び特性はエネルギ移送素子の変位距離を変更するために変えることができる。第4に、動的質量構造体はその推進が二次累計速度となるように形状づけることができる。第5に、ICエンジン及び迅速応答素子は、寄生体上に作用するICエンジンにより発生したエネルギの引き出しを最大にし、たとえ負荷(例えば迅速応答素子上の負荷)が何でも、エネルギを動的質量構造体に加えるように、最適化される。この最適化はICエンジンの任意のスロットル値で(例えば任意の圧力モードで)達成される。第6に、動的質量構造体がエネルギ移送素子に衝突したとき(この時点で、質量速度は0に等しい)、動的質量構造体内のすべてのエネルギはエネルギ移送素子内へ移送される。第7に、運動エネルギはその元の源(ICエンジン)から分離され、それによって、損失を減少させる。第8に、動的質量構造体の特性はエネルギ移送素子の最大の及び(又は)最も有効な変位を達成するように最適化される。第9に、ICエンジンの寸法、形状及び作動パラメータは異なる出力動力を達成するように変更することができる。他の利点は当業者なら認識できよう。
図2には、本発明の別の例示的な実施の形態に係るDRPS200の簡単化した概略側面図を示す。この実施の形態は図1について上述したものと類似するが、違いは、室218が第1のコンパートメント222と第2のコンパートメント226とを画定し、その間に分割部分230が位置することである。分割部分230はその中に孔234を画定し、この孔234は第1のコンパートメント222と第2のコンパートメント226との間を延びる。この構成においては、主要なピストン50は第1のコンパートメント222内に位置し、迅速応答素子即ち補助のピストン70は第2のコンパートメント226内に位置する。吸入ポート238は、燃料242及び(又は)燃焼可能な混合物が第1のコンパートメント222へ入るのを許容する。燃料242及び(又は)燃焼可能な混合物は主要なピストン50により孔234を通して第1のコンパートメント222から第2のコンパートメント226内へ押し出される。燃料242及び(又は)燃焼可能な混合物は補助のピストン70に直接隣接する室226の燃焼部分90において圧縮される。次いで、点火源98が燃焼のために燃料を点火し、この場合、補助のピストン70は燃焼に迅速に応答して矢印で示すように直線的に移動する。次いで、燃焼排気物244は取り出しポート246を通って流出する。第1のコンパートメント222及び第2のコンパートメント226は互いに遠く離れることができることに留意すべきであり、この場合、第1及び第2のコンパートメント222、226はチューブを介して互いに連通することができる。
補助のピストン70が変位された後、補助のピストン70に結合された衝突部分82は補助のピストン70に隣接又は近接して位置する動的質量構造体110のエネルギ受け取り側114上に作用する。動的質量構造体110上への作用は、上述のように、動的質量構造体110への補助のピストン70内の運動エネルギの移送を生じさせる。動的質量構造体110は、エネルギ移送側118が動力装置170のエネルギ移送素子172に衝突するまで、変位する。これが生じたとき、動的質量構造体110は、図1に関して上述したものと同様に、そのエネルギを動力装置のエネルギ移送素子172内へ移送する。
この実施の形態においては、主要なピストン50は室218の第1のコンパートメント222から第2のコンパートメント226へ燃料242を押し出すように燃焼又は電力源を介して往復運動することができる。分割部分230を設けることにより、室218の燃焼部分90での燃焼は少なくとも部分的に又は全体的にさえ主要なピストン50から分離することができる。システム10の要求に応じて、コントローラ102は主要なピストン50から燃焼を分離するように可変の度合いで孔234を開閉するように形状づけることができる。このように、完全分離の場合、燃焼に対する迅速応答により、補助のピストン70へ最大量のエネルギを移送することができる。また、第1のコンパートメント222内の主要なピストン50は遠心コンプレッサのような容積式コンプレッサ及び(又は)空気力学コンプレッサを含むことができることが考えられる。
図3には、本発明の更に別の例示的な実施の形態に係るDRPS300の概略側面図を示す。特に、図3は本発明の1つの例示的な実施の形態に係る迅速点火迅速応答動力変換システムの概略側面図を示す。この実施の形態においては、システム300は迅速点火内燃エンジンと、迅速応答エネルギ変換システムとを有する。迅速点火内燃エンジンはここで述べるような迅速応答エネルギ変換システムと一緒に作動するように設計されたユニークな2ストロークエンジンである。
「迅速点火」は、室の燃焼部分内への燃料混合物の射出(即ちスロットリング)及び点火源の火花タイミングを選択的に制御することにより迅速応答装置即ち補助のピストンを選択的及び連続的に駆動するための内燃エンジンの能力を意味する。迅速点火内燃エンジンは、燃焼が生じ、かつ、補助のピストンが主要なピストンの各サイクル時又は選択されたサイクル時に駆動され、補助のピストンを燃焼内で作動又は駆動させるように、選択的に作動できる2ストロークエンジンである。
図3に示す例示的な迅速点火内燃エンジンはバリヤ壁即ち仕切り330により分割された複数の室即ち第1の室322及び第2の室326を有する。仕切り330の利点は、第2の室326の燃焼部分90内で生じる燃焼に関連し、即ち、燃焼部分90従って燃焼を主要なピストン50から部分的又は全体的に分離できることである。したがって、完全分離の場合、燃焼に対する迅速応答により、補助のピストン70へ最大量のエネルギを移送することができる。
第1及び第2の室322、326は室壁320により画定される。第1の室322は、燃料/オイル混合物及び空気又は酸素のような酸化剤を、個別に又は混合物として、受け取るための吸入ポート334を有する。図示の実施の形態においては、混合物338は燃料/オイル/空気の混合物である。第2の室326は燃焼性の排気ガス346を解放するための取り出しポート342を有する。吸入ポート334は室322内への燃料混合物338の進入を規制するために特定の時期に開閉するように形状づけられた弁(図示せず)を有する。同様に、取り出しポート342は燃焼排気ガス346の排気を規制するために特定の時期に開閉するように形状づけられた弁(図示せず)を有する。第1及び第2の室322、326は更に燃料移送ライン350を介して互いに流体連通する。これについては後述する。
図3に示す内燃エンジンは、主要なピストン50が第1の室322内に収容されるような局部圧縮デザインを有する。主要なピストン50は容積式コンプレッサ及び(又は)遠心コンプレッサのような空気力学的コンプレッサを含むことができる。主要なピストン50はピストンロッド54に相互接続され、このピストンロッドはクランクシャフト58に相互接続される。主要なピストン50は主要なピストン50からクランクシャフト58への直線運動を回転エネルギ66に変換するために室322内で直線的に移動するように寸法決めされ、形状づけられる。このような回転エネルギ66は典型的には2ストローク内燃エンジンを利用する任意の形式の応用のような広範囲の外部の応用を駆動するために使用することができる。
主要なピストン50の直線運動は上述と同様の方法で上死点(「TDC」)位置と下死点(「BDC」)位置との間において生じ、上述と同様の結果を得る。
第2の室326はこれまた補助のピストン70として示す迅速応答素子を含む。他の実施の形態におけるように、第2のピストン70は第2の室22の燃焼部分90に対して隣接又は並置する面即ちエネルギ受け取り部分78を有する。補助のピストン70から延びるピストンロッド74は動的質量構造体110に衝突するように形状づけられた衝突部分82に結合される。
エネルギ受け取り部分78は、主要なピストン50及び補助のピストン70の長手方向の運動が第1及び第2の室322、326の双方の長手軸線に対応するように、主要なピストン50に対面して第2の室326内に位置することができる。不活動位置では、補助のピストン70のエネルギ受け取り部分78はバネ又は圧力リザーバのような他の適当な偏倚力により偏倚されて、リップ部又はある他の適当なシール手段に対して実質上シールされた引き戻し位置へ偏倚することができ、その結果、補助のピストン70は、第2の室326の燃焼部分90内への燃料混合物338の導入前又はシステム300の周期的な燃焼間の燃焼の前に、偏倚された位置に位置決めされる。
他の実施の形態におけるように、補助のピストン70は主要なピストン50よりも実質上小さな慣性を有する。第2の室22の燃焼部分90に隣接して位置するこのような実質上小さな慣性は燃焼に対する迅速応答を容易にし、第2の室326の長手軸線に沿った補助のピストン70の直線運動を提供する。補助のピストン70の慣性が主要なピストン50の慣性よりも一層小さいので、補助のピストン70は、従来の関連するICエンジンにおいて固有の非効率性により失われる前に、燃焼により生じたエネルギの大半の部分を有効に引き出すことができる。この実施の形態では、補助のピストン70のエネルギ受け取り部分78は、エネルギ受け取り部分78に直線運動を提供し、次いで動的質量構造体110に作用するように、第2の室326の燃焼部分90内で生じる燃焼に反応するように寸法決めされ、位置決めされ、形状づけられる。仕切り330は更に、補助のピストン70へのエネルギの移送を各燃焼に対して最適化できるように、燃焼及び発生したある量のエネルギを収容する補助を行う。
内燃エンジンの2ストロークサイクルは、主要なピストン50がTDCに位置する状態で、開始する。これは、典型的には、主要なピストン50が燃焼時にあるときの位置である。ピストン50がBDCの方へ移動すると、燃焼可能な混合物である燃料/オイル/空気の混合物338は吸入ポート334を通して第1の室322内へ導入され、この吸入ポートは1又はそれ以上の開口を有することができる、また、第1の室322内への燃料混合物338の流れ及び量を変更するための可変開口とすることができる。燃料混合物338が第1の室322へ入った後、吸入ポート334は閉じ、主要なピストン50はTDCの方へ戻り、第1の室322内で燃焼可能な燃料混合物338を圧縮する。この圧縮ストロークは燃料移送ライン350を通して燃料射出ポート354から燃料混合物338を押し出す。燃料移送ライン350を通しての燃料混合物338の移送は当業界で普通に知られた形式の規制手段により規制される。図示のように、規制手段の1つの例はダイオード358又は燃料移送ライン350を通る流体の流れを制御する形式の弁構造体とすることができる。ダイオード358は第1の室322から第2の室326への圧縮された燃料混合物338の移送を制御し、ここで、燃料混合物は燃焼される前に燃焼部分90内に収集される。吸入ポート334は弁を使用して開閉することができ、または、吸入ポートは第1の室322内での主要なピストン50の変位位置に応じて開閉するように位置決めすることができる。
コントローラ102により制御される点火源98は火花を供給し、その時点で、燃焼部分90内の圧縮された燃料が燃焼し、ピストン50をBDCへ戻るように駆動するが、この場合、燃料混合物338は再度第1の室322内へ導入される。コントローラ102はまた、燃料混合物338が補助の室326内へ入る量を制御するために、吸入ポート334及び取り出しポート342における弁(図示せず)及び燃料移送ライン350内の規制手段を制御するように形状づけることができる。
燃焼時に、補助のピストン70は変位させられ、それによって、燃焼から発生したエネルギを引き出し、これを使用可能な運動エネルギに変換し、この運動エネルギは引き続いて動的質量構造体110内へ移送される。補助のピストン70がその初期の始動位置から最終位置へ変位すると、取り出しポート342を通過する。取り出しポート342を通過したとき、燃焼した排気ガス346は補助の室326から排出できる。これは、弁を介して又は単に補助のピストン70の変位により行うことができる。いずれにしても、ピストンが十分に前進した後には、取り出しポート342は補助の室326と連通させられる。補助のピストン70がその初期の始動位置へ戻ると、補助の室326に対する取り出しポート342の連通は遮断され、燃焼部分90が再度提供される。
主要なピストン50が再度TDCへ前進すると、燃料混合物338は圧縮され、燃料移送ライン350及び燃料射出ポート354を通して第1の室322から第2の室326の燃焼部分90へ移送される。TDC位置においては、点火源102により燃焼が再度開始され、2ストロークサイクルが再度開始する。このようにして、一連の迅速な高駆動燃焼サイクルが達成される。そして、補助のピストン70が主要なピストン50よりも実質上小さな慣性を有するので、その反応時間は一層速くなり、それにより、高燃焼率又はスロットル速度においてさえ補助のピストン70が変位され再位置決めされるのを許容する。
更に、燃料混合物338の燃焼が(4ストロークエンジンにおけるような各2サイクルの後ではなく)各サイクル後に生じるので、システム300は迅速高動力システムとして機能することができる。
これまた他の実施の形態におけるように、補助のピストン70が変位させられた後、補助のピストンロッド74に接続されたような衝突部分82は補助のピストン70に隣接又は近接して位置する動的質量構造体110のエネルギ受け取り側114上に作用する。動的質量構造体110上に作用すると、上述のように、動的質量構造体110への補助のピストン70内の運動エネルギの移送が行われる。エネルギ移送側118が動力装置170のエネルギ移送素子172に衝突するまで、動的質量構造体110は変位する。これが生じたとき、動的質量構造体110は、図1を参照して説明したものと同様の動力装置のエネルギ移送素子172へそのエネルギを移送する。
図4には、本発明の更に別の例示的な実施の形態に係るDRPS400の概略側面図を示す。この実施の形態は図3に示すものと類似しているが、ただ、システム400は遠隔コンプレッサ構成を有する。特に、システム400は迅速応答動力変換システムと一緒に作動できる迅速点火ICエンジンを有する。図示のように、迅速点火ICエンジンは当業界で普通に知られているような燃料源408から受け取るような燃料混合物438を圧縮するように形状づけられた遠隔コンプレッサ404を有する。圧縮された後、燃料混合物438は燃料ライン412を通して移送され、次いで、射出ポート434を通して室418内へ射出される。燃料混合物438の射出は、ダイオード又は弁形式の構造体とすることのできる規制手段430により規制又は制御される。
燃料混合物438が室418特に燃焼部分90内へ射出されるとき、補助のピストン70はその初期の始動位置にある。この位置においては、取り出しポート442は遮蔽されている。制御モジュール102により制御されるような点火源98が圧縮された燃料混合物438を燃焼させるように始動されるという点で、ICエンジンは図3に示したものと同様に機能する。燃焼時に、補助のピストン70のエネルギ受け取り部分78が作用を受け、補助のピストン70は室418を通して直線変位される。このようにして、補助のピストン70は燃焼から発生したエネルギを引き出し、上述のようにこれを使用可能な運動エネルギに変換する。補助のピストン70が取り出しポート442を通過すると、燃焼排気ガス446は室418から排出される。このプロセスはICエンジン及び遠隔コンプレッサ404の2ストロークサイクル中数回繰り返される。遠隔コンプレッサ404は内燃エンジンの作動の目的のために圧縮された燃料混合物を燃焼室に供給するような当業界で既知の任意の形式の圧縮システムとすることができることに留意されたい。
迅速応答素子即ち補助のピストン70は再度動的質量構造体110に作用する。事実、補助のピストン70が変位させられた後、補助のピストンロッド74に結合されたような衝突部分82は補助のピストン70に隣接又は近接して位置する動的質量構造体110のエネルギ受け取り側114上に作用する。動的質量構造体110上に作用すると、上述のように、動的質量構造体110への補助のピストン70内の運動エネルギの移送が行われる。エネルギ移送側118が動力装置170のエネルギ移送素子172に衝突するまで、動的質量構造体110は変位する。これが生じたとき、動的質量構造体110は、図1を参照して上述したのと同様に、そのエネルギを動力装置のエネルギ移送素子172に移送する。
図5には、迅速応答動力変換システムのエネルギ移送素子を通してのエネルギ移送の種々の形を示す、種々の部分概略側面図に関連するブロック線図を示す。特に、図5は、エネルギ移送素子172が任意の数のエネルギ変換装置を有することができるか及び(又は)これらの装置に結合できることを示す。特に、エネルギ移送素子172は動的質量構造体110の直線運動即ち変位、それ故その中に貯蔵された運動エネルギを、液圧エネルギ、空気エネルギ、電気エネルギ及び(又は)機械エネルギの任意の1つに移送(変換)するように形状づけられる。このような種々の形式のエネルギへの直線運動の移送は当業界で周知である。
例えば、液圧システム500においては、動的質量構造体110を介して液圧室508内の液圧ピストン504に移送される直線運動は、当業界で既知のように、液圧圧力及び流れ512を提供できる。同様に、空気システム520においては、動的質量構造体110は空気圧力及びガス流れ532の形をした出力エネルギを提供するために空気室528内の空気ピストン524に直線運動を提供できる。
他のシステムは電気システム540及び機械システム560を含むことができる。当業界で周知のように、電気システム540においては、動的質量構造体110の直線運動はそのまわりに巻かれたコイル548を備えたアーマチュア544に衝突するように形状づけることができ、この場合、アーマチュア544はコイル548内で往復運動し、電気エネルギ出力552を発生させる。更に、機械システム560においては、動的質量構造体110からの直線運動は、回転エネルギ572を提供するようにクランクシャフト570を押圧する爪568により、回転エネルギ572に移送(変換)することができる。エネルギを変換する他の方法は当業者にとって明らかであろう。例えば、回転発電機、歯車駆動システム及びベルト駆動システムは本発明の動的質量構造体110により駆動することができる。
図5に示す例示的なシステムの各々を見ると、各場合、エネルギ移送素子172は動的質量構造体110による衝突に応答してその指定された機能を遂行するためにある距離だけ進行するように形状づけられる。この距離は動力装置170によりエネルギ移送素子172上に作用する負荷又は力を含む多数の因子により決定される。例えば、ポンプピストン504上に作用するポンプ内の対抗する圧力は、ポンプピストン504が進行する距離及び、ポンプを作動させるためにポンプピストンを駆動するのに必要なエネルギ量が如何なるものであることを、部分的に規定する。動的質量構造体110がポンプピストン504に衝突したとき、ポンプピストンが進行する距離はポンプピストン上に作用する負荷に依存する。負荷が比較的大きい場合、一層大きな力及び一層短いストロークが達成される。負荷が比較的小さい場合は、一層小さな力及び一層長いストロークが達成される。ポンプピストン504上の負荷は、動的質量構造体110によってのみリンクされるので、エンジンとは独立である。それ故、サイクル当りのICエンジンからの(可変又は一定の)各与えられた出力動力に対して、ポンプピストン504はこのような因子に従って移動又は変位し、このような因子とは、ICエンジンの出力動力、動的質量構造体の重量、衝突時の質量構造体の速度、ポンプピストン上に作用する負荷及び摩擦による何等かの損失である。これは他の装置に対しても同じである。事実、ポンプはICエンジン及び動的質量構造体動力変換組立体により駆動されこれと対向する構造体にする必要はない。動的質量構造体は、当業者なら認識できるように、他の構造体又はシステムに影響を与えるか又はこれに作用するように形状づけることができる。
図6は内燃エンジンにより生じるような利用可能なエネルギ量の経時的なグラフ及び迅速応答素子によるこのエネルギの引き出しを示す。特に、図6は、内燃エンジン内で燃焼が生じる時間地点即ち時点574を示す。この時点574において、利用可能なエネルギ量は地点576で示すように最大となる。しかし、このエネルギは、引き出されるか又は失われるまで、曲線578により示すように経時的に減少する。グラフに示す地点580は、従来の関連するICエンジンが燃焼ガスを排気し、次の燃焼の準備を開始する時点を表す。それ故、地点580の左側は従来の関連するICエンジンにより利用されるエネルギであり、地点580の右側は従来の関連するICエンジンにより使用されないか又は浪費されるエネルギである。それ故、分かるように、従来の関連するICエンジンは極めて非効率的であり、かなりの損失を伴って作動する。このような損失は摩擦及び消費ガスの通気からの熱及び圧力損失のような、従来の関連するICエンジンにおいて多くの制限をもたらす。
従来の関連するICエンジンとは異なり、本発明のDRPSはICエンジン特にICエンジンから発生したエネルギの引き出しを最適化することができる。引き出したエネルギの最適化は迅速応答素子の存在及び動的質量構造体とのその相互作用から由来する。このような2つの素子を利用すると、ICエンジンにより発生したすべて又は実質上すべてのエネルギが、浪費されるのではなく、使用される。事実、図6のグラフに沿った地点582は、迅速応答素子がすべてではないが大半の利用可能なエネルギを排出してしまった時点を示す。この時点においては、迅速応答素子はその最大の距離だけ変位しており、その最大の速度で進行している。また、この時点582においては、迅速応答素子は動的質量構造体を推進し、又は、どちらかといえば、動的質量構造体が迅速応答素子を去った時点で、迅速応答素子はそのすべてのエネルギを動的質量構造体へ移送してしまっている。すべて又は実質上すべての利用可能なエネルギが迅速応答素子により引き出され、動的質量構造体へ移送されてしまうまで、動的質量構造体は迅速応答素子を去らない。迅速応答素子がすべて又は実質上すべての利用可能なエネルギを引き出すことのできる理由は、この素子が動力装置又は動力装置により駆動すべき負荷から離れているからである。従って、燃焼から最適な量のエネルギが引き出されるまで、迅速応答素子は変位することができる。
迅速応答素子がICエンジンからエネルギを引き出しているとき、この素子は動的質量構造体を変位又は推進させるように相互作用する。図7は迅速応答素子により作用を受けるような動的質量構造体の速度を経時的に示すグラフである。分かるように、燃焼の時点即ち地点586では、迅速応答素子はゼロに等しい速度を有する。しかし、燃焼が生じた後は、迅速応答素子は、地点588でそのピーク即ち最大速度に達するまで、曲線584により示すように、速度を増大させる。この地点588においては、迅速応答素子は燃焼により発生したすべての利用可能なエネルギを引き出し、このエネルギを運動エネルギに変換し、この運動エネルギを動的質量構造体へ移送してしまっている。従って、この地点588において、迅速応答素子の変位、速度及び運動エネルギは最適化又は最大化され、又は、どちらかといえば、利用可能なエネルギの引き出しは最適化又は最小化されると言うことができる。その理由は、引き出すべきいかなる利用可能なエネルギも存在せず、従って動的質量構造体へ入力又は移送すべきエネルギが存在しないからである。最適又は最適化という用語は、迅速応答素子によるICエンジンによって発生したすべて又は実質上すべてのエネルギの引き出し、及び、この引き出されて変換されたすべて又は実質上すべての運動エネルギの動的質量構造体への移送として考えることができる。
当業者なら、本発明が可変トルク出力を提供することを認識できよう。可変トルク出力はここで述べるユニークな動力変換及びエネルギ引き出し及び移送システムの結果として達成される。特に、動的質量構造体からエネルギ移送素子へ移送される運動エネルギは動的質量構造体自体の特性、異なるレベルのエネルギを生じさせるためのICエンジン内での燃焼のタイミング、迅速応答素子の特性及びエネルギ移送素子上に作用する負荷の1つ又はそれ以上を操作又は変更することにより、変更することができる。
更に、当業者なら、本発明がディーゼルエンジンに関して有する利点を認識できよう。事実、燃焼がいつ(例えば、早く又は遅く)生じても、迅速応答素子が単一のサイクル毎に燃焼から発生したすべて又は実質上すべてのエネルギを引き出すので、燃焼のタイミングがエンジンの効率とは無関係になるため、本発明はディーゼルエンジンへの応用に対して十分に適する。
地点588においては、動的質量構造体はエネルギ移送素子に衝突するために迅速応答素子を離れるか又はこれにより推進される。衝突が生じた後、動的質量構造体は迅速応答素子により再度作用を受けるようにその初期の始動位置へ戻り、この迅速応答素子も、動的質量構造体を推進した後に次の燃焼サイクル中にその初期の始動位置へ戻る。
図8には、負荷に取り付けられた単一のアクチュエータに対して出入りする液圧流体の圧力及び流れを規制するように形状づけられた圧力制御弁に液圧流体を提供するために使用される液圧ポンプを駆動するために利用される単一の例示的なDRPS600の使用を示す、種々の部分概略側面図に関連するブロック線図を示し、これらの素子はここでは集合的に動力アクチュエータシステムとして参照する。特に、この実施の形態においては、内燃エンジン14は補助のピストン70として示すような迅速応答素子を作動又は駆動するために使用される。1つの態様においては、内燃エンジン14は上述のような局部コンプレッサ608を有することができる。別の態様においては、内燃エンジン14は燃料源604から燃料を受け取り、その燃料を圧縮し、これまた上述したような燃料ライン612を通して燃料を室618の燃焼部分90へ移送する遠隔コンプレッサ616を有することができる。図示の実施の形態においては、燃焼時に、補助のピストン70は動的質量構造体110に衝突させられ、この動的質量構造体は次いで、エネルギ移送素子672が液圧ピストンであるような液圧ポンプとして示す動力装置670のエネルギ移送素子672に衝突する。それ故、迅速応答装置即ち補助のピストン70は加圧流体特に液圧流体をライン678を通して圧力制御弁682内へポンピングするために使用される。ポンプはリザーバライン674を通して液圧リザーバ676から液圧流体を受け取るように作動する。内燃エンジン及び動力変換システムにより作動又は駆動されているとき、ポンプは、種々の選択された圧力の下で液圧流体を圧力制御弁682に提供するように形状づけられたアキュムレータ680をチャージする。
圧力制御弁682は圧力ライン678に流体結合された圧力入口と、弁688により制御される帰還ライン686を介してリザーバ684に流体結合された帰還入口と、を有する。これまた圧力制御弁に流体結合されたパイロット弁690は圧力制御弁682に第1のステージ圧力を提供するように形状づけられる。圧力制御弁682から延びる主ライン692は圧力制御弁682の両側に形成された負荷圧力フィードバックポート、及び、これまた圧力力制御弁682内に形成された圧力及び帰還出口ポートに流体連通し、これらの出口ポートは、圧力制御弁682内で戦略的に支持された第1及び第2のスプール(図示せず)の選択的な位置決め時に、圧力及び帰還入口ポートと連通する。主ライン692は更に負荷送りライン694に流体連通し、この負荷送りラインは負荷支持体698及びアクチュエータ696を介して作用する負荷700に流体連通する。液圧ポンプ、圧力制御弁682及びアクチュエータ696の特定の機能性は2005年12月1日に出願された「固有のフィードバックシステムを有する圧力制御弁」という名称の米国特許出願番号第 号明細書;及び2005年12月1日に出願された「固有の機械的なフィードバックシステムを有する圧力制御弁」という名称の米国特許出願番号第 号明細書に一層詳細に記載されており、これらの各々はその全体を参照としてここに組み込む。
米国特許出願番号第 号明細書 米国特許出願番号第 号明細書 図示の形状においては、DRPS600はアクチュエータ696を駆動するために使用され、アクチュエータは次いで負荷700を駆動する。迅速点火ICエンジン14は、システムの燃焼及びスロットルのタイミングに応じて、迅速燃焼又は一層安定した又は一定の方法で多量のエネルギを発生させることができる。この迅速エネルギ発生機能は、液圧ポンプを駆動するように動的質量構造体110を駆動するために使用される迅速出力動力を達成するように、迅速動力変換システム16を通して移送又は変換される。液圧ポンプは、アクチュエータ696従って最終的に負荷700を精確かつ適時に駆動するように圧力制御弁682に必要な圧力を提供することにより、迅速に応答する。これに関しては、高動力迅速点火動力変換システムの使用は、アクチュエータが必要に応じて短時間で受け取った多量の動力を使用して負荷を駆動できるという点で、有利である。それ故、システムにおいては、内燃エンジンとアクチュエータ及び負荷の実際の駆動との間での損失が一層少なく、出力動力は増大する。例えば、パイロット及び圧力制御弁の詳細な機能を述べなくても、負荷700が重力に打ち勝つために連続的に駆動されるか又は適所に保持された場合、迅速点火内燃エンジンは動力変換システムにより使用可能な動力に変換できる一定のエネルギを生じさせるように連続的にスロットリングできる。ポンプはアクチュエータを駆動モードに維持するのに必要とされる必要な加圧液圧流体を供給するように連続的に作動される。別の例においては、アクチュエータ696が作動され、負荷700が周期的に(無秩序に又は系統的な燃焼として)駆動された場合、迅速点火内燃エンジンは迅速燃焼のエネルギを生じさせるように周期的にスロットリングできる。この例においては、ポンプは特定の又は所定の時間量に対してアクチュエータを駆動するのに必要とされる必要な加圧液圧流体を供給するように周期的に作動される。動力変換装置の迅速応答及びエネルギ引き出しを伴うように結合された迅速点火内燃エンジンの利点は、システムが従来の関連する4サイクル又は4ストロークシステムよりも優れた、短時間で多量で爆発的な量の出力動力を生じさせることができることである。
上述の詳細な説明は特定の例示的な実施の形態に関して本発明を述べたものである。しかし、特許請求の範囲で規定したような本発明の要旨から逸脱することなく、種々の修正及び変更を行うことができることを認識できよう。詳細な説明及び添付図面は限定ではなく単なる例示とみなすべきであり、たとえあるとしても、すべてのこのような修正又は変更はここで説明し述べたような本発明の要旨内に入るものとする。
特に、本発明の図示の例示的な実施の形態をここで述べたが、本発明はこれらの実施の形態に限定されず、上述の詳細な説明に基づいて当業者により認識されるような修正、省略、(例えば種々の実施の形態にわたる態様の)組み合わせ、適用及び(又は)変形を含む任意の及びすべての実施の形態を含む。特許請求の範囲における限定は特許請求の範囲で使用される言語に基づいて広義に解釈すべきであり、上述の詳細な説明において又は適用の遂行中に述べた例に限定されず、このような例は排他的ではないものと解釈すべきである。例えば、この開示において、「好ましくは」という用語は排他的ではなく、「好ましいが、これに限定されない」という意味である。任意の方法又はプロセスの請求項において述べる任意の工程は任意の順序で実行することができ、請求項で示した順序に限定されない。手段+機能又は工程+機能の限定は、特定の請求項の限定に対して、次の条件のすべてがその限定内に存在するような場合にのみ使用される:このような条件とは、a)「手段」又は「工程」が表現的に列挙されること;b)対応する機能が表現的に列挙されること;c)構造、材料又はその構造を支持する行為が、明細書におけるものを除いて、表現的に列挙されないこと;である。従って、本発明の要旨は、上述の説明及び例によってではなく、特許請求の範囲及びその法律上の等価物によってのみ決定すべきである。
本発明の1つの例示的な実施の形態に係るDRPSの概略側面図である。 本発明の別の例示的な実施の形態に係るDRPSの概略側面図である。 本発明の更に別の例示的な実施の形態に係るDRPSの概略側面図である。 本発明の更に他の例示的な実施の形態に係るDRPSの概略側面図である。 迅速応答動力変換システムのエネルギ移送素子を通しての種々の形のエネルギ移送を示す、種々の部分的な概略側面図に関連するブロック線図である。 内燃エンジンにより発生されるような利用可能なエネルギの量及び迅速応答素子によるこのエネルギの引き出しを示す経時的なグラフである。 迅速応答素子により作用を受けるような動的質量構造体の速度の経時的なグラフである。 負荷に取り付けたアクチュエータに対して出入りする液圧流体の圧力及び流れを規制するように形状づけられた圧力制御弁に液圧流体を提供するために使用される液圧ポンプを駆動するための例示的なDRPSの使用を示す、種々の部分的な概略側面図に関連するブロック線図である。

Claims (27)

  1. 迅速応答動力変換システムにおいて、
    そこへ燃焼可能な流体を供給するように形状づけられた少なくとも1つの流体ポート、及び取り出しポートを有する室;
    上記室へ可変圧力を選択的に提供し、当該室内での燃焼を容易にするように形状づけられたコンプレッサ;
    エネルギを発生させるために上記室の燃焼部分内での上記燃焼可能な流体の燃焼を開始し、制御するためのコントローラ;
    上記室及び当該室の上記燃焼部分に流体連通する迅速応答素子;
    上記迅速応答素子は上記燃焼から発生した利用可能なエネルギの最適化された部分を引き出し、上記エネルギの上記最適化された部分を運動エネルギに変換するように形状づけられ;
    上記迅速応答素子とは独立しており、動力装置を駆動するために利用可能なエネルギを変換するように形状づけられたエネルギ移送素子;及び
    上記迅速応答素子と上記エネルギ移送素子との間に位置する動的質量構造体であって、上記迅速応答素子と上記エネルギ移送素子とは分離独立しており、当該迅速応答素子との衝突時に上記運動エネルギを受け取り、貯蔵するように形状づけられた動的質量構造体;
    を有し、
    上記動的質量構造体が、上記動力装置を駆動するために実質上すべての上記運動エネルギを上記エネルギ移送素子に移送するように、変位させられ、当該エネルギ移送素子に衝突させられることを特徴とする迅速応答動力変換システム。
  2. 上記迅速応答素子が上記室内に位置する補助のピストンを有し、同補助のピストンがエネルギ受け取り部分と衝突部分とを有し、上記エネルギ受け取り部分が当該室内での上記燃焼から発生する上記エネルギの上記最適化された部分を引き出すように形状づけられることを特徴とする請求項1に記載の迅速応答動力変換システム。
  3. 上記衝突部分が上記燃焼から受け取った上記エネルギの上記最適化された部分を上記動的質量構造体へ移送するように形状づけられることを特徴とする請求項2に記載の迅速応答動力変換システム。
  4. 上記エネルギ移送素子が上記動的質量構造体から受け取った上記運動エネルギを、液圧エネルギ、空気エネルギ、電気エネルギ及び機械エネルギからなるグループから選択された少なくとも1つの使用可能なエネルギの形に変換することを特徴とする請求項1に記載の迅速応答動力変換システム。
  5. 上記迅速応答素子が、上記動的質量構造体への上記運動エネルギの移送後に、初期の始動位置へ戻るように形状づけられることを特徴とする請求項1に記載の迅速応答動力変換システム。
  6. 上記動的質量構造体が上記エネルギ移送素子に衝突する前に所定の距離だけ変位することを特徴とする請求項1に記載の迅速応答動力変換システム。
  7. 上記動的質量構造体が所定の質量を有することを特徴とする請求項1に記載の迅速応答動力変換システム。
  8. 上記動的質量構造体が、上記エネルギ移送素子に衝突した後、次の燃焼前に、上記迅速応答素子に隣接するその初期の始動位置へ戻るように形状づけられることを特徴とする請求項1に記載の迅速応答動力変換システム。
  9. 上記動的質量構造体が、上記エネルギ移送素子に衝突した後、次の燃焼前に、上記迅速応答素子に隣接するその初期の始動位置へ戻るように偏倚されることを特徴とする請求項1に記載の迅速応答動力変換システム。
  10. 上記迅速応答素子が次の燃焼前にその初期の始動位置へ戻るように偏倚されることを特徴とする請求項1に記載の迅速応答動力変換システム。
  11. 上記コントローラが上記室内での上記燃焼を少なくとも部分的に容易にするように形状づけられた火花点火源を有することを特徴とする請求項1に記載の迅速応答動力変換システム。
  12. 上記コントローラが上記室内での上記燃焼を少なくとも部分的に容易にするように燃料を酸化剤と混合するための燃料コントローラを有することを特徴とする請求項1に記載の迅速応答動力変換システム。
  13. 上記酸化剤が純酸素及び空気からなるグループから選択されることを特徴とする請求項12に記載の迅速応答動力変換システム。
  14. 上記コントローラが上記室内での上記燃焼を少なくとも部分的に容易にするように燃料を圧縮された酸化剤流体内に解放するための構造体を有することを特徴とする請求項1に記載の迅速応答動力変換システム。
  15. 上記室が火花点火内燃エンジン及び圧縮点火内燃エンジンからなるグループから選択されたエンジンと組み合わさって作動するように形状づけられることを特徴とする請求項1に記載の迅速応答動力変換システム。
  16. 上記迅速応答素子が、上記燃焼の最近の瞬間から、上死点位置と下死点位置との間の中間位置への上記ピストンの往復動の前の、時間期間中に、上記室から上記エネルギの上記部分を引き出すように形状づけられることを特徴とする請求項1に記載の迅速応答動力変換システム。
  17. 上記コンプレッサが上記室内で往復運動するように形状づけられたピストンを有することを特徴とする請求項1に記載の迅速応答動力変換システム。
  18. 上記コントローラが上記コンプレッサのピストンの1又はそれ以上のサイクルのうちの選択されたサイクルにおいて上記燃焼を開始させるように形状づけられ、上記選択された燃焼のサイクルは非連続であることを特徴とする請求項14に記載の迅速応答動力変換システム。
  19. 迅速応答動力変換システムにおいて、
    そこへの燃焼可能な流体を受け取るように形状づけられた少なくとも1つの流体吸入ポート、及び取り出しポートを有する室;
    上記室に流体連通し、その中での燃焼を少なくとも部分的に容易にするために、上記流体吸入ポートを通して上記室へ圧縮された燃焼可能な流体を可変圧力で選択的に提供するように形状づけられた遠隔コンプレッサ;
    エネルギを発生させるために上記室の燃焼部分内での上記燃焼可能な流体の燃焼を開始し、制御するためのコントローラ;
    上記室及び当該室の上記燃焼部分に流体連通する迅速応答素子;
    上記迅速応答素子は上記燃焼から発生した上記エネルギの最適化された部分を引き出し、当該エネルギの上記最適化された部分を運動エネルギに変換するように形状づけられ;
    上記迅速応答素子とは独立しており、動力装置を駆動するために利用可能なエネルギを変換するように形状づけられたエネルギ移送素子;及び
    上記迅速応答素子と上記エネルギ移送素子との間に位置する動的質量構造体であって、上記迅速応答素子と上記エネルギ移送素子とは分離独立しており、当該迅速応答素子との衝突時に上記運動エネルギを受け取り、貯蔵するように形状づけられた動的質量構造体;
    を有し、
    上記動的質量構造体が、上記動力装置を駆動するために実質上すべての上記運動エネルギを上記エネルギ移送素子に移送するように、変位させられ、かつ当該エネルギ移送素子に衝突させられることを特徴とする迅速応答動力変換システム。
  20. 動力装置を駆動する方法において、
    燃焼室内で生じる燃焼からエネルギを発生させ、動力装置を駆動するように形状づけられた内燃エンジンを提供する工程;
    上記燃焼室に流体連通するようになった迅速応答素子を提供する工程;
    上記迅速応答素子は上記燃焼に応答して変位し、発生したエネルギを引き出し、そのエネルギを運動エネルギに変換するように形状づけられ;
    上記迅速応答素子とは別個で独立したエネルギ移送素子を提供する工程;
    上記エネルギ移送素子は上記動力装置に作動的に結合され、上記内燃エンジンにより発生したエネルギから上記動力装置を駆動するように形状づけられ;
    上記燃焼から上記エネルギを発生させるように上記内燃エンジンを作動させる工程;
    実質上すべての発生した上記エネルギが引き出されるまで、上記燃焼に応答して変位するように上記迅速応答素子を形状づける工程;
    上記迅速応答素子は上記エネルギを運動エネルギに変換し;
    上記迅速応答素子と衝突するように形状づけられた動的質量構造体を提供する工程;
    上記動的質量構造体は上記迅速応答素子及び上記エネルギ移送素子とは分離独立しており
    上記運動エネルギの少なくとも一部を上記動的質量構造体内へ移送させるように上記迅速応答素子を当該動的質量構造体と衝突させる工程;
    上記衝突は上記動的質量構造体を変位させ;
    上記迅速応答素子から離れるように上記動的質量構造体を形状づける工程;及び
    上記動的質量構造体を上記エネルギ移送素子に衝突させて、当該動的質量構造体内の上記運動エネルギを当該エネルギ移送素子内へ移送する工程;
    を有し、
    上記エネルギ移送素子が上記運動エネルギを、上記動力装置を駆動し、作動させることのできる使用可能なエネルギに変換することを特徴とする方法。
  21. 次のエンジンサイクルの前に、上記迅速応答素子を初期の始動位置へ戻す工程を更に有することを特徴とする請求項20に記載の方法。
  22. 次のエンジンサイクルの前に、上記動的質量構造体を初期の始動位置へ戻す工程を更に有することを特徴とする請求項20に記載の方法。
  23. 上記動的質量構造体は、上記迅速応答素子からのすべての上記運動エネルギが当該動的質量構造体へ移送された時点で、当該迅速応答素子から離れることを特徴とする請求項20に記載の方法。
  24. 内燃エンジンの出力動力を最適化する方法において、
    燃焼室内で生じる燃焼からエネルギを発生させるように内燃エンジンを作動させる工程;
    上記燃焼室に流体連通するように迅速応答素子を位置決めする工程;
    上記迅速応答素子は上記内燃エンジンにより発生された上記エネルギを引き出し、これを運動エネルギに変換するように形状づけられる;
    実質上すべての上記エネルギが引き出されて運動エネルギに変換されるまで、上記燃焼に応答して変位するように上記迅速応答素子を形状づける工程;
    上記迅速応答素子から分離されかつ独立しており、上記内燃エンジンから発生されたエネルギにより動力装置を駆動するように形状づけられたエネルギ移送素子を提供する工程;
    上記迅速応答素子と上記エネルギ移送素子との間に動的質量構造体を提供する工程;
    上記動的質量構造体は上記迅速応答素子および上記エネルギ移送素子とは分離独立しており;
    上記迅速応答素子を上記動的質量構造体と衝突させて同動的質量構造体を変位させ、これにより実質上すべての上記運動エネルギーを上記動的質量構造体に移送させ、上記迅速応答素子は該移送した際に静止され、上記動的質量構造体は運動をしつづけ、したがって、上記運動エネルギーを該迅速応答素子から分離させる工程;及び
    上記動的質量構造体の運動エネルギーを上記エネルギ移送素子へ移送するように該動的質量構造体を該エネルギ移送素子に衝突させ、該エネルギ移送素子が該運動エネルギーを上記動力装置を駆動するために利用可能なエネルギに変換する工程;
    を有することを特徴とする方法。
  25. 上記動的質量構造体は、実質上すべての当該運動エネルギが当該動的質量構造体に移送された後に、当該迅速応答素子から離れるように形状づけられることを特徴とする請求項24に記載の方法。
  26. 次のエンジンサイクルの前に、上記迅速応答素子及び上記動的質量構造体を初期の始動位置へ戻す工程を更に有することを特徴とする請求項25に記載の方法。
  27. 上記室はその中に少なくとも1つの孔を有する分割部分を有し、該孔は上記コンプレッサと上記室との間の流体連通を与える請求項1に記載の迅速応答動力変換システム。
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