JP5019056B2 - 伝送路の減衰特性推定方法 - Google Patents

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本発明は、電源系統における電力線を伝送路にして通信を行う電力線通信において、この伝送路の減衰特性を推定する方法に関する。
電力線通信は、電源系統における電力線を伝送路として用い、この電力線に高周波信号を重畳して通信を行う技術である。このような電力線通信においても、無線回線の設計等と同様に、伝送路の状態を把握しないと通信システムの設計を行うことができない。そのため、電源系統を構成する個々の構成部材の特性をネットワークアナライザ等を用いて測定してモデル化し、伝送路のトポロジーよりF行列等を解析的に解くことにより伝送特性を求める方法が開発されている(例えば、非特許文献1〜3参照)。あるいは、電力線上で実際に通信を行いそのときの信号の状態から伝送路の伝送特性を表示する方法が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
北山匡史、外3名、「高速電力通信における伝送特性シミュレーション」、電気学会論文誌C部門、社団法人電気学会、2007年、127巻8号、p.1212−1220 石野隆一,外2名,「高速配電線搬送シミュレ−タの開発 −OFDM通信方式を対象としたシミュレータの開発−」,電力中央研究所報告,2001年,報告書番号R00009 鈴木正,外4名,「低圧配電線搬送の高速化の可能性−搬送信号伝搬プログラムの開発−」,電力中央研究所報告,2000年,報告書番号R99029 特開2006−295479号公報
しかしながら、従来の手法では電力線の状態(電源系統の構成)を正確に把握する必要があるが、現実的には既設建築物に敷設された電源系統における電力線の配線状況を正確に把握することは困難であり、また、この電力線に対する負荷機器の接続状態をすべて把握することは困難であるという課題があった。さらに、図10に示すように、電源系統の構成が複雑になると、従来の手法でシミュレーションにより求めた減衰量Ssと実測した値Smとが一致しないという課題もあった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、電源系統の個々の構成部材を等価回路でモデル化をしなくても、当該構成部材の減衰特性及び分岐点等における分岐数を用いて伝送路の減衰特性を求めることができる伝送路の減衰特性推定方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、第1の本発明に係る伝送路の減衰特性推定方法は、電力系統上の二点間で所定の周波数帯域の信号を送受信する際の伝送路の減衰特性を推定する方法であって、当該伝送路の減衰量を、当該伝送路を構成する構成部材による減衰量と、当該伝送路上において電力系統が分岐する分岐点がある場合、当該分岐点において当該伝送路から分岐する分岐数により算出される減衰量と、の和により算出する。
このとき、構成部材の少なくとも1つは、長さの要素を有する部材(例えば、実施形態におけるケーブルC1〜C4)であることが好ましい。また、構成部材の少なくとも1つは、長さの要素を有さない部材(例えば、実施形態における電力量計やブロッキングフィルタE)であっても良い。
また、第2の本発明に係る伝送路の減衰特性推定方法は、電力系統上の二点間で所定の周波数帯域の信号を送受信する際の伝送路の減衰特性を推定する方法であって、この伝送路上に、長さの要素を有する部材と分岐点とがあるときに、信号の周波数をfとし、伝送路を構成する長さの要素を有する部材の種別をiとして、当該種別毎の長さの要素を有する部材の単位長さ当たりの減衰量をLc(i,f)、長さをl(i)としたとき、この伝送路における当該長さの要素を有する部材による減衰量L1(f)を、次式
Figure 0005019056
但し、Sは、当該伝送路を構成する長さの要素を有する部材の種類の数
により求めるステップ、分岐点のうち、第j番目の分岐点における伝送路から分岐する支線の分岐数をNb(j)としたとき、この伝送路における当該分岐点による減衰量L2を、次式
Figure 0005019056
但し、Tは、当該伝送路にある分岐点の数
により求めるステップ、及び、長さの要素を有する部材の減衰量L1(f)及び分岐点による減衰量L2を加算して、当該伝送路における減衰量L(f)を求めるステップ、から構成される。
このような第2の本発明に係る伝送路の減衰特性推定方法において、伝送路上に、3相交流のいずれか2相と中性線の3線からなる幹線ケーブルから供給される電力を、前記3線のいずれか2線に接続された支線に分岐する分電盤があり、且つ、この伝送路が当該分電盤において同じ2線の組に接続された支線で構成されているときに、当該分電盤に接続されている幹線ケーブルの数をNtとし、当該伝送路が接続されている2線の組に接続されている支線の数をN10とし、当該伝送路が接続されている2線の組以外の2線の組に接続されている支線の数をN11,N12としたとき、伝送路におけるこの分電盤による減衰量L31を、次式
Figure 0005019056
により、当該伝送路に接続された分電盤毎に求めるステップ、及び、分電盤による減衰量L31の全てを、伝送路における減衰量L(f)に加算するステップ、を有することが好ましい。
また、このような第2の本発明に係る伝送路の減衰特性推定方法において、伝送路上に上述の分電盤があり、且つ、伝送路が当該分電盤において異なる2線の組に接続された支線で構成されているときに、当該分電盤に接続されている幹線ケーブルの数をNtとし、当該伝送路が接続されていない2線の組に接続されている支線の数をN20とし、当該伝送路が接続されている残りの2線の組に接続されている支線の数をN21,N22としたとき、伝送路におけるこの分電盤による減衰量L32を、次式
Figure 0005019056
により、伝送路に接続された分電盤毎に求めるステップ、及び、分電盤による減衰量L32の全てを、伝送路における減衰量L(f)に加算するステップ、を有することが好ましい。
さらに、このような第2の本発明に係る伝送路の減衰特性推定方法において、伝送路上に長さの要素を有さない部材があるときに、伝送路を構成する長さの要素を有さない部材のうち、第m番目の長さの要素を有さない部材の減衰量をLx(m,f)としたとき、伝送路における当該長さの要素を有さない部材による減衰量L4(f)を、次式
Figure 0005019056
但し、Uは、当該伝送路を構成する長さの要素を有さない部材の数
により求めるステップ、及び、長さの要素を有さない部材による減衰量L4(f)を、伝送路における減衰量L(f)に加算するステップ、を有することが好ましい。
本発明に係る伝送路の減衰特性推定方法を以上のように構成すると、電源系統の個々の構成要素を等価回路等でモデル化する必要はなく、これらの構成要素の減衰特性の測定、及び、分岐点の分岐数を調べれば伝送路の減衰特性(減衰量)を推定することが可能となる。また、電源系統のすべての情報を知る必要はなく、送受信点間の最短経路(伝送路)のみを考慮すれば減衰特性(減衰量)を推定することが可能である。さらに、伝送路上に分電盤があり、且つ、この分電盤において送信点が接続された回路と受信点が接続された回路とが同相間結合若しくは異相間結合していたとしても、この分電盤における幹線ケーブル及び支線の数(すなわち、この分電盤における分岐数)から減衰量を推定することが可能となる。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。図10を用いて説明したように、実際の電力線における周波数特性は、インピーダンス不整合による反射に起因して定在波が発生するため、特定の周波数でディップ(他の周波数に比べて減衰量が大きくなる部分)が存在する。しかし、電力線通信(特に高速電力線通信)では、OFDM(直交周波数分割多重)やスペクトラム拡散等をベースとする広帯域変調方式が採用されており、個々の周波数の伝送特性を把握することとはあまり意味を持たない。そこで、この伝送路の減衰特性推定方法においては、反射による定在波を無視することで簡単に伝送路の状況を把握することを第1の特徴としている。
また、このような電源系統では、分岐点において分岐する線路が所定の長さ以上(例えば5〜6m以上)になると、この分岐線に電気機器が接続されているか否かに拘わらず線路インピーダンスとして取り扱える。そして、このような電力線通信を行う住宅やオフィスビル等においては、分岐線は5m以上あることが一般的である。そこでこの点に着目し、この伝送路の減衰特性推定方法においては、分岐点においては、分岐数のみから減衰量を算出することを第2の特徴としている。
さらに、分岐点の特殊な形態として分電盤が伝送路上にある場合も、この分電盤における分岐数のみから減衰量を算出することを第3の特徴としている。具体的には、このような分電盤においては、赤、黒、及び、白(中性線)の3線からなる幹線ケーブルから供給される電力を、この3線のうちのいずれか2線の組(以下、「赤白相」、「黒白相」、若しくは、「赤黒相」と呼ぶ)を選択して単相交流として分岐するが、送信点Psが接続されている回路と受信点Prが接続されている回路とが同一の2線の組に接続されている場合(これを「同相間結合」と呼ぶ)と、送信点Psが接続されている系統と受信点Prが接続されている系統とがそれぞれ異なる2線の組に接続されている場合(これを「異相間結合」と呼ぶ)とに分けて、それぞれの場合で、この分電盤において各相につながる支線の数及び幹線ケーブルの数(すなわち、この分電盤における分岐数)のみから減衰量を算出することができる。
それでは、図1〜図9を用いて、本発明に係る伝送路の減衰特性推定方法について、事例に沿って説明する。この推定方法は、送信点Psと受信点Prとの間の伝送路上において、電力線(ケーブル)等の長さの要素を有する部材の減衰特性と、分電盤以外の分岐数と、分電盤における分岐数と、電力量計やブロッキングフィルタ等の長さの要素を有さない部材の減衰特性とからこの伝送路の減衰特性を推定するものである。
まず、送信点Psと受信点Prとを決定し、これらの送受信点Ps,Prの間の伝送路上に存在する電源系統の構成部材のうち、電力線(ケーブル)等の長さの要素を有する部材の単位長さ当たりの減衰特性を測定する(ステップS100)。この減衰特性は、例えばスペクトラムアナライザ等により測定する。図2に示す例の場合、「VVF−2c」という種類のケーブルC2,C3と「VVR」という種類のケーブルC1,C4との2種類で構成されるため、これらの種類毎に単位長さ当たりの減衰特性を測定する。なお、対象となる電源系統にどのような種類のケーブルが使用されているかは、電源系統図等から確認することが可能である。これらの構成部材の減衰特性の測定結果は、図3に示すように、減衰量が周波数に依存する値となり、以降の説明では、ケーブルの種別をiとし、周波数をfとして、この単位長さ当たりの減衰量をLc(k,f)として表す。
そして、電源系統図により、伝送路の構成部材のうち、長さの要素を有する部材について伝送路上の長さを上記種別毎に求める(ステップS110)。以降の説明では、この長さをl(i)として表す。図2に示す例では、「VVF−2c」のケーブルの種別iを「1」とし、このケーブルが30mの部材C1と20mの部材C3から構成されるため、l(1)=50となり、「VVR」のケーブルの種別iを「2」とし、このケーブルが6mの部材C1と6mの部材C4とから構成されるため、l(2)=12となる。
以上より、このような長さの要素を有する部材における減衰量L1(f)は、次式(1)により算出される。但し、この式(1)において、Sは、当該伝送路を構成する長さの要素を有する部材の種類の数であり、図2に示す例では2種類のケーブルから構成されているため、S=2となる。
Figure 0005019056
次に、電源系統図より、送信点Ps〜受信点Pr間の伝送路上の分電盤以外の線路の分岐点を確認し、これらの分岐点毎に当該伝送路から分岐する分岐数を求める(ステップS120)。以降の説明では、伝送路上に存在する分岐点の番号をjとして、第j番目の分岐点の分岐数をNb(j)と表す。図4に示す例の場合、送信点Psに最も近い分岐点D1はこの送信点Psが接続されている分岐線以外に1つの分岐があるためN(1)=1となり、以降、分岐点D2はNb(2)=2、分岐点D3はNb(3)=2、分岐点D4はNb(4)=4となり、分岐点D5は受信点Prが接続されている分岐線以外に3つの分岐があるためNb(5)=3となる。
ここで、図5及び図6を用いて、分岐点における減衰量について説明する。図5に示すように、送信点Psに送信機が接続され、受信点Prに受信機が接続され、これらの伝送路上に分岐点が1つあるとする。なお、線路の特性インピーダンスはZ0とし、送信機のインピーダンスはZ0に等しいものとする。また、分岐点からはN本の分岐線路が分岐しているものとし、この分岐点から見たそれぞれの分岐線路のインピーダンス及びアドミッタンスをZBn,YBnとする(nは1〜Nの整数)。図6は、図5に示す回路を変形したものである。この図6において、送信機以外の分岐線(#1〜#N)の合計アドミッタンスをYB(=ΣYBn)として分岐損失を計算する。なお、分岐線路の伝搬損失は無視することとする。
まず、受信機の負荷YRで消費される電力PRを求める。分岐点での電圧Vは、そこから受信点Ps側を見たアドミッタンスYin=YB+YRを用いて次式で表される。
Figure 0005019056
また、負荷を流れる電流はIR=YR・Vだから、負荷YRで消費される電力PRは次式となる。
Figure 0005019056
そして、負荷インピーダンスが線路の特性インピーダンスに等しい(YR=Y0)とすると、電力PRは次式(a)で表される。
Figure 0005019056
次に、分岐点での分岐損失を求めるための、基準の電力を求める。基準電力P0を「分岐が無いときの負荷での消費電力」と定義する。このとき、基準電力P0は、上述の式(a)において分岐線の合計アドミッタンスYB=0の電力で表されるから、次式(b)となる。
Figure 0005019056
分岐点における分岐損失LBは、負荷YRで消費される電力PRと基準電力P0の比として定義されるから、上述の式(a),(b)より次式(c)として表される。
Figure 0005019056
この例に示すように、分岐線路の本数がN本で、全て特性インピーダンスZ0と整合している場合は、分岐線の合計アドミッタンスYB=N・Y0となるから、分岐損失LB(デシベルで表す)は、次式(d)となる。
Figure 0005019056
以上より、このような分岐点における減衰量L2は、伝送路上に存在する分岐点の分岐数Nb(j)と上述の式(d)とから、次式(2)により算出される。但し、この式(2)において、Tは、当該伝送路上に存在する分岐点の数であり、図4に示す例の場合、5箇所の分岐点があるため、T=5となる。
Figure 0005019056
さらに、図2又は図4に示すように、電源系統図より、伝送路上に分電盤SBがある場合は、その分電盤SBの分岐数を確認するとともに(ステップS130)、送信点Psが接続されている系統及び受信点Prが接続されている系統が同相間結合であるか異相間結合かを判断して、この判断結果に応じて当該分電盤における減衰量を決定する。それでは、ここで、分電盤における減衰量の算出方法について、詳細に説明する。
上述のように、分電盤においては、3相交流のうちのいずれか2相である赤線及び黒線と、中性線である白線の3線からなる幹線ケーブルから供給される電力を、これらの3線のうちのいずれか2線の組(「赤白相」、「黒白相」、若しくは、「赤黒相」)に接続された支線に分配して供給している。そこで、屋内配線における全てのケーブルインピーダンスをZ0とし、この分電盤に接続されている幹線ケーブルの数をNtとし、赤白相に接続されている支線の数をNRWとし、黒白相に接続されている支線の数をNBWとし、赤黒相に接続されている支線の数をNRBとして、分電盤をモデル化すると、図7のような回路構成と等価となり、インピーダンスと幹線ケーブル及び支線の数(分岐数)とで表現することができる。以降の説明ではこの分電盤のモデルに基づいて同相間接続の場合と異相間接続の場合に分けて説明を行う。
まず、同相間接続の場合について、送信点Psと受信点Prとの回路がある分電盤において伝送路が赤白相に接続されている場合について考える。この回路構成を、上記分電盤のモデル回路を元に表現すると、図8のようになる。この図8におけるモデル回路において、合成インピーダンスΣZ1及びΣZ2を求め、受信点Prにおける電圧VRから、この受信点Prにおいて受信される信号の電力を求め、さらに、この分電盤が無いときの減衰をケーブルインピーダンスZ0及び送信点Psから注入される信号の電圧E0から算出してこの分電盤による減衰量L31を求めると、次式(3)のように表される。なお、この式(3)においては、接続される相を一般化するために、当該伝送路が接続されている2線の組(上述の例では赤白相)に接続されている支線の数をN10とし、当該伝送路が接続されていない残りの2線の組(上述の例では黒白相及び赤黒相)に接続されている支線の数をN11,N12としている。
Figure 0005019056
一方、送信点Psの回路が分電盤において黒白相に接続され、受信点Prの回路が分電盤において赤白相に接続されている異相間接続の場合をモデル化すると、図9のように表される。この図9におけるモデル回路において、合成インピーダンスΣZ1、ΣZ2及びΣZ3を求め、ケーブルインピーダンスZ0、送信点Psにおいて注入される信号の電圧E0及び受信点Prにおいて受信される信号の電圧VRからこの分電盤による減衰量L32を求めると、次式(4)のように表される。なお、この式(4)においては、接続されている相を一般化するために、当該伝送路が接続されていない2線の組(上述の例では赤黒相)に接続されている支線の数をN20とし、当該伝送路が接続されている残りの2つの2線の組(上述の例では黒白相及び赤白相)に接続されている支線の数をN21,N22としている。
Figure 0005019056
このように、伝送路上に分電盤が存在する場合も、その分電盤における幹線ケーブル及び支線の数により減衰量L31,L32を推定することができる。なお、伝送路上に、幹線ケーブルを介して接続された分電盤がある場合も、幹線ケーブルにおける減衰量は、上述の式(1)により推定し、分電盤についてはその接続状態に応じて上述の式(3)又は式(4)により推定することができる。
また、以上の実施例においては、赤、黒、白の3線からなる幹線ケーブルから供給される電力を、分電盤においていずれか2線の組に接続された支線に分配するように構成された場合について説明したが、本発明がこのような構成の幹線ケーブルと分電盤とに限定されるものではなく、3相交流のそれぞれの相に対応する3線と中性線からなる幹線ケーブルから供給される電力を支線に分配する分電盤においても、上述のようにモデル化することにより、当該分電盤における幹線ケーブル及び支線の数により減衰量を推定することが可能である。また、3相交流のうちいずれか1線と中性線からなる幹線ケーブルに接続された分電盤も、同様の考え方で減衰量を推定することができる。
以上より、伝送路上に分電盤がある場合は、電源系統図より当該分電盤における分岐数(幹線ケーブルの数及び支線の数)を求め(ステップS130)、次に、同相間結合か位相間結合かを判断し(ステップS140)、同相間結合の場合は上述の式(3)により減衰量を求め(ステップS150)、異相間結合の場合は上述の式(4)により減衰量を求める(ステップS160)。
また、図2及び図4に示すように、電源系統図より、伝送路上に長さの要素を有さない部材(例えば、電力量計やブロッキングフィルタE)がある場合は、それぞれの減衰特性をスペクトラムアナライザ等で測定する(ステップS170)。以降の説明では、これらの構成部材の番号をmとして、第m番目の構成部材の減衰量をLx(m,f)で表す(このような構成部材も、周波数に依存した特性を有する場合がある)。このような長さの要素を有しない部材の減衰量L4(f)は、次式(5)のように表される。なお、この式(5)において、Uは、当該伝送路を構成する長さの要素を有さない部材の数であり、図2等においては、1個であるため、U=1となる。
Figure 0005019056
最後に、以上のようにして求められた各値を用いて、次に示す式(6)からこの伝送路の減衰特性として減衰量L(f)を求める(ステップS180)。なお、この式(6)において伝送路上に存在しない構成要素の減衰量は0として扱う。
Figure 0005019056
図10に、以上のようにして求めた伝送路の減衰特性So(減衰量L(f))を示す。この図10から明らかなように、この伝送路の減衰特性推定方法では、定在波によるディップは考慮されていないが、実測値Smの特性を十分表していることが分かる。また、図11に、図10のSm,Ss,Soの減衰特性に対して、周波数に対して均一な減衰を付加した場合にOFDM方式により電力線通信を行ったときの付加減衰と各キャリアに対するSN比により計算した物理速度を表すグラフを示す。このグラフは、実際に測定した減衰特性Smに対して付加減衰を加えたときの物理速度Rmと、本発明に係る伝送路の減衰特性推定方法により推定した減衰特性Soに対して付加減衰を加えたときの物理速度Roと、上述のシミュレータにより算出された減衰特性Ssに対して付加減衰を加えたときの物理速度Rsとを示している。この図9から分かるように、定在波によるディップを考慮しなくても、本発明に係る推定方法による減衰特性Soから適当なフロアノイズを仮定して計算した物理速度は、実測値で求めた減衰特性Smより計算した物理速度Rmとほぼ一致する物理速度を算出することができる。
図12は、本発明に係る伝送路の減衰特性推定方法により、伝送路の減衰特性を求めるための推定システム1の構成を示すものである。この推定システム1は、伝送路に関する情報を設定するステップS100〜S170を実行する設定部11と、この設定部11で設定された情報に従って、上述のステップS180の処理の実行、すなわち、式(1)〜(6)により伝送路の減衰量L(f)を算出する演算部12と、設定部11に情報を入力するための入力部13と、演算部12で算出された減衰量L(f)を出力する出力部14とから構成される。なお、設定部11と演算部12とは、例えばコンピュータ10に実装される。また、入力部13をキーボードで構成し、電源系統における伝送路の各種情報(上述のLc(i,f),l(i),Lx(m,f)、並びに、分岐点及び分電盤の分岐数)を、この入力部13から設定部11に対して入力するように構成しても良いし、これらの情報を予め記憶部15に記憶させておき、設定部11が記憶部15から読み出して設定するように構成しても良い。また、出力部14はディスプレイで構成しても良いし、プリンタで構成しても良い。
以上に説明した、本発明に係る伝送路の減衰特性推定方法の主要な効果をまとめると、次のようになる。第1に、電源系統の個々の構成要素を等価回路等でモデル化する必要はなく、ケーブル等の長さの要素を有する構成要素と電力量計やブロッキングフィルタ等の長さの要素を有さない構成要素の減衰特性の測定のみ行い、さらに、電源系統図で分岐点等の分岐数の確認を行えば伝送路の減衰特性(減衰量)を推定することが可能である。また、第2に、すべての電源系統の情報を知る(入力する)必要はなく、送受信点間の最短経路(すなわち、上述の伝送路)のみを考慮すれば減衰特性(減衰量)を推定することが可能である。
第3に、伝送路上に分電盤があり、且つ、この分電盤において送信点Psが接続された回路と受信点Prが接続された回路とが同相間結合若しくは異相間結合していたとしても、この分電盤における結合方式と幹線ケーブル及び支線の数(分岐数)から減衰量を推定することが可能である。さらに、第4に、本発明に係る伝送路の減衰特性推定方法は、定在波によるディップの影響等を考慮することができないが、電力線通信(特に高速電力線通信)における伝送システムの設計に対しては、その推定される減衰特性(減衰量)は実際の伝送路の状態を十分表すことができる。
本発明に係る伝送路の減衰特性推定方法を説明するためのフローチャートである。 長さの要素を有する構成要素の情報を説明するための説明図である。 長さの要素を有する構成要素の減衰特性を説明するためのグラフである。 分岐点の情報を説明するための説明図である。 分岐点を含む伝送路のモデル回路を示す説明図である。 図5に示す回路を変形したときの回路を示す説明図である。 分電盤のモデル回路を示す説明図である。 同相間接続しているときのモデル回路を示す説明図である。 異相間接続しているときのモデル回路を示す説明図である。 本発明に係る伝送路の減衰特性推定方法で求められた減衰量を実測値等と比較するためのグラフである。 本発明に係る伝送路の減衰特性推定方法で求められた減衰量から算出される伝送速度を実測値等と比較するためのグラフである。 本発明に係る伝送路の減衰特性推定方法が実装される推定システムの構成を示すブロック図である。
符号の説明
Ps 送信点
Pr 受信点
C1〜C4 ケーブル(長さの要素を有する部材)
D1〜D5 分岐点
SB 分電盤
E 電力量計、ブロッキングフィルタ(長さの要素を有さない部材)

Claims (7)

  1. 電力系統上の二点間で所定の周波数帯域の信号を送受信する際の伝送路の減衰特性を推定する方法であって、
    当該伝送路の減衰量を、当該伝送路を構成する構成部材による減衰量と、当該伝送路上において前記電力系統が分岐する分岐点がある場合、当該分岐点において当該伝送路から分岐する分岐数により算出される減衰量と、の和により算出する伝送路の減衰特性推定方法。
  2. 前記構成部材の少なくとも1つは、長さの要素を有する部材である請求項1に記載の伝送路の減衰特性推定方法。
  3. 前記構成部材の少なくとも1つは、長さの要素を有さない部材である請求項1または2に記載の伝送路の減衰特性推定方法。
  4. 電力系統上の二点間で所定の周波数帯域の信号を送受信する際の伝送路の減衰特性を推定する方法であって、
    前記伝送路上に、長さの要素を有する部材と分岐点とがあるときに、
    前記信号の周波数をfとし、
    前記伝送路を構成する前記長さの要素を有する部材の種別をiとして、当該種別毎の前記長さの要素を有する部材の単位長さ当たりの減衰量をLc(i,f)、長さをl(i)としたとき、前記伝送路における当該長さの要素を有する部材による減衰量L1(f)を、次式
    Figure 0005019056
    但し、Sは、当該伝送路を構成する長さの要素を有する部材の種類の数
    により求めるステップ、
    前記分岐点のうち、第j番目の分岐点における前記伝送路から分岐する支線の分岐数をNb(j)としたとき、前記伝送路における当該分岐点による減衰量L2を、次式
    Figure 0005019056
    但し、Tは、当該伝送路にある分岐点の数
    により求めるステップ、及び、
    前記長さの要素を有する部材の減衰量L1(f)及び前記分岐点による減衰量L2を加算して、当該伝送路における減衰量L(f)を求めるステップ、から構成される伝送路の減衰特性推定方法。
  5. 前記伝送路上に、3相交流のいずれか2相と中性線の3線からなる幹線ケーブルから供給される電力を、前記3線のいずれか2線に接続された支線に分岐する分電盤があり、且つ、前記伝送路が当該分電盤において同じ2線の組に接続された前記支線で構成されているときに、
    当該分電盤に接続されている前記幹線ケーブルの数をNtとし、当該伝送路が接続されている前記2線の組に接続されている前記支線の数をN10とし、当該伝送路が接続されている前記2線の組以外の2線の組に接続されている前記支線の数をN11,N12としたとき、前記伝送路における当該分電盤による減衰量L31を、次式
    Figure 0005019056
    により、当該伝送路に接続された前記分電盤毎に求めるステップ、及び、
    前記分電盤による減衰量L31の全てを、前記伝送路における減衰量L(f)に加算するステップ、を有する請求項4に記載の伝送路の減衰特性推定方法。
  6. 前記伝送路上に、3相交流のいずれか2相と中性線の3線からなる幹線ケーブルから供給される電力を、前記3線のいずれか2線に接続された支線に分岐する分電盤があり、且つ、前記伝送路が当該分電盤において異なる2線の組に接続された前記支線で構成されているときに、
    当該分電盤に接続されている前記幹線ケーブルの数をNtとし、当該伝送路が接続されていない前記2線の組に接続されている前記支線の数をN20とし、当該伝送路が接続されている残りの前記2線の組に接続されている前記支線の数をN21,N22としたとき、前記伝送路における当該分電盤による減衰量L32を、次式
    Figure 0005019056
    により、当該伝送路に接続された前記分電盤毎に求めるステップ、及び、
    前記分電盤による減衰量L32の全てを、前記伝送路における減衰量L(f)に加算するステップ、を有する請求項4または5に記載の伝送路の減衰特性推定方法。
  7. 前記伝送路上に長さの要素を有さない部材があるときに、
    前記伝送路を構成する前記長さの要素を有さない部材のうち、第m番目の長さの要素を有さない部材の減衰量をLx(m,f)としたとき、前記伝送路における当該長さの要素を有さない部材による減衰量L4(f)を、次式
    Figure 0005019056
    但し、Uは、当該伝送路を構成する長さの要素を有さない部材の数
    により求めるステップ、及び、
    前記長さの要素を有さない部材による減衰量L4(f)を、前記伝送路における減衰量L(f)に加算するステップ、を有する請求項4〜6いずれか一項に記載の伝送路の減衰特性推定方法。
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