JP5017420B2 - セッション情報整合処理方法及び呼制御サーバ - Google Patents

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Description

本発明は、SIPに係るセッション情報を整合する技術に関する。
図15は、SIPを用いて呼制御を行うSIP通信ネットワークのシステム構成を概略的に示す図である。このSIP通信ネットワークは、ネットワークの加入者が利用する端末5と、端末5から送信された呼接続要求等の呼を制御する呼制御サーバ1と、呼制御サーバ1の指示に従って転送網内外のターミネーション(Termination)を結びつけるメディアゲートウェイ(MG:Media Gateway)3と、端末5と呼制御サーバ1とメディアゲートウェイ3との間をそれぞれ通信可能に物理的に接続するルータRT,スイッチSW,ホームゲートウェイHGW等の様々なネットワーク機器7とで構成されている。
所望する相手に対して音声通話や動画通信を開始する場合、端末5から相手先の端末(不図示)に対してINVITE等の呼接続に要するSIP信号が送信される。実際には、端末5aからのSIP信号が呼制御サーバ1に送信され、そのSIP信号を受信した呼制御サーバ1は、隣接接続された他の呼制御サーバ1aや、その先の呼制御サーバ1bを経由して、当該SIP信号に基づく呼の接続を相手先の端末に要求する。
そして、両者の端末間(詳細には、呼制御サーバ間や、呼制御サーバと端末との間等)で、SDP(Session Description Protocol)の内容に基づいてSIPネゴシエーションが行われ、そのネゴシエーション結果がOKである場合に、両者の端末間でSIPセッションが確立する。なお、SDPのメディア情報には、音声や動画等の各種のメディア通信に必要とされる要求帯域や転送品質クラス等の情報が記載されている。
その後、音声通信や動画通信等のメディア通信のためのセッション情報が決定され、メディアセッションが確立した後に、音声通信や動画通信が可能となる。なお、図15では、装置間又は機器間の物理的な接続状態,SIPのパケットやメディアのトラフィックが実際に流れる通信経路を実線で示し、SIP信号の論理的な流れを破線で示している。
ここで、呼制御サーバ1の構成について説明する。呼制御サーバ1は、端末5から送信された呼接続要求等の呼を処理する呼処理部(CSCF:Call Session Control Function)11と、SIP通信ネットワークを構成している装置間又は機器間の通信経路(具体的には、メディアゲートウェイとルータとの間や、ルータとスイッチとの間等の各ノード間のリンク又はパス)のリソースを管理するリソース管理部(RACS:Resource and Admission Control Subsystem)12とで構成されている。
なお、リソース管理部12は様々な機能部により構成されているが、特に、リソース管理機能部(A−RACF:Resource and Admission Control Function)と、ポリシー設定機能部(SPDF:Service Policy Decision Function)とで構成された機能部は、呼処理部11からの要求に基づいてメディアゲートウェイ3を制御することから、メディアゲートウェイコントローラ(MGC:Media Gateway Controller)121と呼ばれている。
リソース管理部12(実際には、メディアゲートウェイコントローラ121、以下同様)は、上述したように、優先度や品質に応じて区分けされた上記通信経路の使用帯域や上限帯域等を仮想的なリソースや仮想パスとして予めメモリ等に記憶管理しておき、端末5からの新たな呼接続要求に基づいて呼処理部11から通信経路の新規確立要求が送信された場合に、上記SIPネゴシエーションの際に決定されるSDPの一部又は全部のメディア情報に従ってメディア帯域を確保し、現在の使用帯域に積上又は積下を行って、要求されたメディア帯域が仮想パスの上限帯域を超えるか否かの受付判定(例えば、SIPネゴシエーションによって確立する1以上のメディアのトラフィック同士が転送網を通過する際に干渉しあってパケットロスするか否かの受付判定)を行う。
なお、帯域の積上又は積下とは、リソース管理部12が管理している全ての仮想パスから端末間の経路を特定した後に、該当する1以上の仮想パスに対して、通話開始時は要求帯域を加算し、通話終了時は加算されている帯域を減算することを意味している。
そして、その受付判定の結果、上記新たな呼接続確立要求に基づくメディアセッションの確立が仮想パス上限帯域内で使用可能である場合には、端末同士を結びつけるターミネーションがメディアゲートウェイ3に生成され、SIPネゴシエーションの結果毎に図15に示したようなメディア情報(各メディア情報には、メディア種別、要求帯域、方向属性等が含まれている)を含むセッション情報が格納される。
その後、リソース管理部12は、メディアゲートウェイ3に対してピンホール制御及びポリシング制御を行う(図15に示す一点鎖線)。なお、ここでいうピンホール制御とは、メディアゲートウェイ3に対して、端末間や、端末と呼制御サーバ1との間で音声通信や動画通信等のメディアの転送に用いられるメディアポートの設定等を実際に行う制御を意味する。
一方、リソース管理部12は、上記ピンホール制御及びポリシング制御を行う前に、SIPネゴシエーションに用いるSIP信号を通過させるために、上記とは異なる内容のピンホール制御及びポリシング制御を行っている。このピンホール制御とは、SIP信号の制御に用いられるSIPポートをメディアゲートウェイ3に設定する処理であり、加入者契約情報を呼制御サーバ1に投入する契機で行われている。なお、設定されるSIPポートは、呼制御サーバ1に既に登録されている加入者契約情報と、端末5から送信されるREGISTER情報と、端末5に払い出されたDHCP情報とに基づいて加入者登録を契機に生成され、SIPポート情報として管理されている。そして、加入者契約情報の削除を契機に削除される。
なお、ピンホール制御やポリシング制御にはmegacoプロトコルが用いられる(megaco制御)。また、帯域の予約要求・確保要求・変更要求の受付時には、各要求と要求内のメディア情報と受付時刻とを記録する。一方、帯域の削除要求の受付時には、受付済の要求情報と各メディア情報をメモリ等から削除する。
また、ポリシング制御においては、発ユーザ種別や着ユーザ種別、SDP情報内のプライオリティや加入者情報の優先度を識別して、SIP通信ネットワークに輻輳が発生した時に呼の優先度を識別してパケットの通信が規制される。
以上により、リソース管理部12は、SIP通信ネットワークの転送網内外に流入出するパケットの制御を行っている。なお、このような技術については、特許文献1に開示されている。
一方、メディアゲートウェイ3は、リソース管理部12からの指示に従って、SIPポートを設定し、転送網内外を通信可能に結び付けるターミネーションを生成し、ピンホール制御やポリシング制御の設定に基づいて端末間等の通信に必要なメディアポートを設定する。なお、メディアゲートウェイ3は、通常、C−BGF(Core Border Gateway Function)、I−BGF(Interconnection Border Gateway Function)、RCEF(Resource Control Enforcement Function)と呼ばれる機能部で構成されている。
以上より、リソース管理部12とメディアゲートウェイ3とは、少なくともSIPポート情報とメディアポート情報とを有するセッション情報をそれぞれ記憶管理している。そして、呼制御サーバ1は、一方の装置が故障等した場合に備え、それら2つのセッション情報を対比して一致させる整合処理が可能であった。
なお、呼制御サーバ1は、呼制御サーバ1とメディアゲートウェイ3との間や、呼制御サーバ1を構成している呼処理部11とリソース管理部12との間や、呼制御サーバ1と端末5との間といったいずれかの間で、セッション情報以外にも、ピンホール制御やポリシング制御に係る情報、加入者契約情報、REGISTER情報、DHCP情報をそれぞれ整合処理することも可能であった。
特開2003−258855号公報
従来、メディアゲートウェイの物理IF(インタフェース)情報を収集して正確に管理することは困難であるため、メディアゲートウェイ単位や加入者単位でピンホール制御やポリシング制御を行っていた。
しかしながら、メディアゲートウェイは加入者契約情報を保持していないため、メディアゲートウェイ単位で整合処理する場合には、更新する必要のない加入者についてまでメディアゲートウェイ側で処理することになり、整合処理に多大な時間を要するものであった。また、加入者単位で整合処理する場合には、リソース管理部での処理数が増加する、又はメディアゲートウェイで管理する物理単位で重複処理が必要となり、非効率なものであった。
また、本来、メディアゲートウェイの故障時やリソース管理部でのメモリ非救済再開時には、全ての通信が不通となり切断可能であるため、加入者単位で整合を行うことは効率が悪く、理想的には、メディアゲートウェイの設定を一端白紙にして新規の通信機会を増やすことが望ましく、一方、定期処理や通信が救済されるメモリ救済再開時においては、通信断中のイベントによる未必の不一致や無駄なメモリ確保を解放することが目的となり、時間を要しても通常処理に影響を与えないで整合処理を行って一致化させることが必要であった。特に、加入者契約情報は通信断やメディアゲートウェイの故障により変更される情報ではないため、リソース管理部で情報が維持されている場合には、メディアポート情報と区別して扱う必要があったが、整合処理ルートが増加して複雑となるため、実現できていなかった。
また、メディアゲートウェイの故障等のイベントが競合した場合には、一定のポリシーに従って、イベントの組み合わせを判断する必要があった。
また、加入者契約情報を更新する場合に、メディアゲートウェイが故障状態であっても、メディアゲートウェイに一様な制御を実行し、タイムアウトに到達するまで待った後に更新失敗と処理していたため、更新処理に時間を要し、加入者契約情報を適時に登録できなかった。
また、SIP信号を通過させるピンホール制御やポリシング制御に係る情報と、これらをメディアゲートウェイに生成するための呼制御サーバの加入者契約情報やREGISTER情報等の比較対象が少なかったため、二者間での不一致を検出できず、無用なリソースを確保することとなっていた。
以上より、加入者契約情報が存在する限り保持されるSIPポート情報や、呼毎に生成・削除されるメディアポート情報といった使用目的が異なる2つの情報を1つのセッション情報として整合処理していたため、場合によっては不要な整合処理が含まれて整合処理に時間がかかるという問題があった。
また、整合処理の契機となる定期整合やMG故障回復等、それらイベントが異なる場合であっても整合処理を一様に行っていたため、イベント毎で故障回復等するまでの処理が非効率であるという問題があった。
また、定期整合イベントを契機として整合処理中にMG故障回復等のイベントが発生して整合処理が競合した場合であっても、各整合処理を順次実行していたため、上記と同様に、故障回復等するまでの処理が非効率であるという問題があった。
また、加入者契約情報を呼制御サーバに投入する契機でメディアゲートウェイにSIPポートを設定していたため、メディアゲートウェイに故障等の不具合が発生した場合には加入者契約情報を呼制御サーバに登録できないという問題があった。
本発明は、上記を鑑みてなされたものであり、セッション情報の整合処理に要する時間を短縮することを課題とする。
請求項1に記載のセッション情報整合処理方法は、SIPを用いて呼を処理し、SIPネゴシエーションの結果決定されるメディアを転送可能なメディアゲートウェイを制御する呼制御サーバにより、前記呼を処理する呼処理手段により管理され、前記メディアゲートウェイでSIPの制御に用いられるSIP制御用ポート情報と、前記メディアゲートウェイで前記メディアの転送に用いられるメディア転送用ポート情報とで構成されるセッション情報を第1の記憶手段に記憶する第1のステップと、前記メディアが転送される転送系ネットワークのリソースを管理するリソース管理手段により管理され、前記SIP制御用ポート情報と前記メディア転送用ポート情報とで構成されるセッション情報を第2の記憶手段に記憶する第2のステップと、前記第1の記憶手段から読み出したセッション情報と、前記第2の記憶手段から読み出したセッション情報とを対比して、一方のセッション情報を他方のセッション情報に一致させる整合処理を行う第3のステップと、前記メディアゲートウェイで管理され、前記SIP制御用ポート情報と前記メディア転送用ポート情報とで構成されるセッション情報と、前記リソース管理手段により管理されている前記セッション情報とを対比して、前記整合処理を行う第4のステップと、を有し、前記第3のステップ及び前記第4のステップは、前記SIP制御用ポート情報と前記メディア転送用ポート情報とを区別して整合処理を行うことを特徴とする。
本発明によれば、SIP制御用ポート情報とメディア転送用ポート情報とを区別して整合処理を行うため、必要な整合処理のみを実行することが可能となり、セッション情報の整合処理に要する時間を短縮することができる。
請求項2に記載のセッション情報整合処理方法は、請求項1に記載のセッション情報整合処理方法において、前記SIP制御用ポート情報と前記メディア転送用ポート情報とのそれぞれの整合処理内容をイベントの種類に応じて異なるように格納手段に格納しておき、前記第3のステップは、発生したイベントに応じた前記整合処理内容で前記整合処理を行い、前記第4のステップは、発生したイベントに応じた前記整合処理内容で前記整合処理をメディアゲートウェイ毎に行うことを特徴とする。
本発明によれば、SIP制御用ポート情報とメディア転送用ポート情報とのそれぞれの整合処理内容をイベントの種類に応じて異なるように格納しておき、発生したイベントに応じた整合処理内容で整合処理を行うため、イベントに応じて整合の範囲を限定することが可能となり、セッション情報の整合処理に要する時間を更に短縮することができる。
請求項3に記載のセッション情報整合処理方法は、請求項2に記載のセッション情報整合処理方法において、前記第3のステップ及び前記第4のステップは、所定のイベントに基づいて整合処理中に他のイベントに基づく整合処理が発生して複数の整合処理が競合した場合において、後発イベントが障害発生又は障害回復系のイベントである場合には、先発イベントの整合処理を停止して後発イベントに基づく整合処理を行い、先発イベントが前記障害発生又は障害回復系のイベントである場合には、後発イベントに基づく整合処理を行わないことを特徴とする。
本発明によれば、後発イベントが障害発生又は障害回復系のイベントである場合には、先発イベントの整合処理を停止して後発イベントに基づく整合処理を行い、先発イベントが障害発生又は障害回復系のイベントである場合には、後発イベントに基づく整合処理を行わないため、競合の組み合わせを判断して必要な整合処理のみの実行が可能となり、セッション情報の整合処理に要する時間を更に短縮することができる。
請求項4に記載のセッション情報整合処理方法は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のセッション情報整合処理方法において、前記メディアゲートウェイが動作不能時に、加入者契約情報の追加要求、更新要求、削除要求のうちいずれかの要求があった場合に、前記リソース管理手段は、前記メディアゲートウェイに前記SIP制御用ポートを設定することなく一定の仮状態を記憶し、前記加入者契約情報に対する前記要求が可能である応答を前記呼処理手段に送信することを特徴とする。
本発明によれば、メディアゲートウェイが動作不能時に、加入者契約情報の追加要求、更新要求、削除要求のうちいずれかの要求があった場合に、リソース管理手段は、メディアゲートウェイにSIP制御用ポートを設定することなく一定の仮状態を記憶し、加入者契約情報の追加・更新・削除に対する要求が可能である応答を呼処理手段に送信するため、メディアゲートウェイに故障等の不具合が発生した場合であっても、加入者契約情報を呼制御サーバに登録することができる。
請求項5に記載の呼制御サーバは、SIPを用いて呼を処理し、SIPネゴシエーションの結果決定されるメディアを転送可能なメディアゲートウェイを制御する呼制御サーバにおいて、前記呼を処理する呼処理手段により管理され、前記メディアゲートウェイでSIPの制御に用いられるSIP制御用ポート情報と、前記メディアゲートウェイで前記メディアの転送に用いられるメディア転送用ポート情報とで構成されるセッション情報を記憶する第1の記憶手段と、前記メディアが転送される転送系ネットワークのリソースを管理するリソース管理手段により管理され、前記SIP制御用ポート情報と前記メディア転送用ポート情報とで構成されるセッション情報を記憶する第2の記憶手段と、前記第1の記憶手段から読み出したセッション情報と、前記第2の記憶手段から読み出したセッション情報とを対比して、一方のセッション情報を他方のセッション情報に一致させる整合処理を行う第1の整合手段と、前記メディアゲートウェイで管理され、前記SIP制御用ポート情報と前記メディア転送用ポート情報とで構成されるセッション情報と、前記リソース管理手段により管理されている前記セッション情報とを対比して、前記整合処理を行う第2の整合手段と、を有し、前記第1の整合手段及び前記第2の整合手段は、前記SIP制御用ポート情報と前記メディア転送用ポート情報とを区別して整合処理を行うことを特徴とする。
本発明によれば、SIP制御用ポート情報とメディア転送用ポート情報とを区別して整合処理を行うため、必要な整合処理のみを実行することができ、セッション情報の整合処理に要する時間を短縮することができる。
請求項6に記載の呼制御サーバは、請求項5に記載の呼制御サーバにおいて、前記SIP制御用ポート情報と前記メディア転送用ポート情報とのそれぞれの整合処理内容をイベントの種類に応じて異なるように格納しておく格納手段を更に有し、前記第1の整合手段は、発生したイベントに応じた前記整合処理内容で前記整合処理を行い、前記第2の整合手段は、発生したイベントに応じた前記整合処理内容で前記整合処理をメディアゲートウェイ毎に行うことを特徴とする。
本発明によれば、SIP制御用ポート情報とメディア転送用ポート情報とのそれぞれの整合処理内容をイベントの種類に応じて異なるように格納しておき、発生したイベントに応じた整合処理内容で整合処理を行うため、イベントに応じて整合の範囲を限定することが可能となり、セッション情報の整合処理に要する時間を更に短縮することができる。
請求項7に記載の呼制御サーバは、請求項6に記載の呼制御サーバにおいて、前記第1の整合手段及び前記第2の整合手段は、所定のイベントに基づいて整合処理中に他のイベントに基づく整合処理が発生して複数の整合処理が競合した場合において、後発イベントが障害発生又は障害回復系のイベントである場合には、先発イベントの整合処理を停止して後発イベントに基づく整合処理を行い、先発イベントが前記障害発生又は障害回復系のイベントである場合には、後発イベントに基づく整合処理を行わないことを特徴とする。
本発明によれば、後発イベントが障害発生又は障害回復系のイベントである場合には、先発イベントの整合処理を停止して後発イベントに基づく整合処理を行い、先発イベントが障害発生又は障害回復系のイベントである場合には、後発イベントに基づく整合処理を行わないため、競合の組み合わせを判断して必要な整合処理のみの実行が可能となり、セッション情報の整合処理に要する時間を更に短縮することができる。
請求項8に記載の呼制御サーバは、請求項5乃至7のいずれか1項に記載の呼制御サーバにおいて、前記メディアゲートウェイが動作不能時に、加入者契約情報の追加要求、更新要求、削除要求のうちいずれかの要求があった場合に、前記リソース管理手段は、前記メディアゲートウェイに前記SIP制御用ポートを設定することなく一定の仮状態を記憶し、前記加入者契約情報に対する前記要求が可能である応答を前記呼処理手段に送信することを特徴とする。
本発明によれば、メディアゲートウェイが動作不能時に、加入者契約情報の追加要求、更新要求、削除要求のうちいずれかの要求があった場合に、リソース管理手段は、メディアゲートウェイにSIP制御用ポートを設定することなく一定の仮状態を記憶し、加入者契約情報の追加・更新・削除に対する要求が可能である応答を呼処理手段に送信するため、メディアゲートウェイに故障等の不具合が発生した場合であっても、加入者契約情報を呼制御サーバに登録することができる。
本発明によれば、セッション情報の整合処理に要する時間を短縮することができる。
呼制御サーバの機能ブロック構成を示す図である。 SIPポート情報、メディアポート情報、加入者契約情報、REGISTER情報、DHCP情報の内容の一部を示す図である。 整合処理を説明する図である。 整合処理内容の一例を示す図である。 整合処理の契機が呼処理部であり、整合処理対象がSIPポート情報である場合における、呼処理部とリソース管理部との間での定期整合イベント時の整合処理フローを示す図である。 整合処理の契機が呼処理部であり、整合処理対象がメディアポート情報である場合における、呼処理部とリソース管理部との間での定期整合イベント時の整合処理フローを示す図である。 整合処理の契機がリソース管理部である場合における呼処理部とリソース管理部との間での整合処理フローを示す図である。 リソース管理部とメディアゲートウェイとの間での定期整合イベント時の整合処理フローを示す図である。 呼処理部とリソース管理部とメディアゲートウェイとの全てがSIPポート情報を有している場合の整合処理シーケンスを示す図である。 リソース管理部とメディアゲートウェイとのみがSIPポート情報を有している場合の整合処理シーケンスを示す図である。 呼処理部のみがSIPポート情報を有している場合の整合処理シーケンスを示す図である。 呼処理部とリソース管理部とメディアゲートウェイとの全てがSIPポート情報を有していない場合の整合処理シーケンスを示す図である。 整合処理競合時に優先される整合処理の一例を示す図である。 加入者契約情報が投入された場合の処理シーケンスを示す図である。 SIPを用いて呼制御を行うSIP通信ネットワークのシステム構成を概略的に示す図である。
以下、本発明を実施する一実施の形態について図面を用いて説明する。但し、本発明は多くの異なる様態で実施することが可能であり、本実施の形態の記載内容に限定して解釈すべきではない。
〔呼制御サーバの構成及び機能について〕
図1は、本実施の形態に係る呼制御サーバの機能ブロック構成を示す図である。この呼制御サーバ1は、図15を用いて背景技術で説明したように、SIPを用いて呼を処理し、SIPネゴシエーションの結果決定されるメディアを転送可能なメディアゲートウェイ3を制御するものであって、呼処理部11と、リソース管理部12と、アドレス管理部13と、第1セッション情報整合部104と、第2セッション情報整合部105と、発生するイベントの種類に応じて異なる整合処理内容が格納された整合処理内容格納部106とで構成されている。以下、それら各機能部について説明する。
呼処理部11は、端末(不図示)から送信された呼接続要求等の呼を処理する機能を有し、メディアゲートウェイ3でSIPの制御に用いられるSIPポート情報(SIP制御用ポート情報)とメディアゲートウェイ3でメディアの転送に用いられるメディアポート情報(メディア転送用ポート情報)とで構成されるセッション情報や、端末から送信されるREGISTER情報及び加入者契約(SO)情報を呼処理部用記憶部101で記憶管理している。
リソース管理部12は、SIP通信ネットワークを構成している装置間等の通信経路のリソースを管理する機能を有し、上記SIPポート情報と上記メディアポート情報とで構成されるセッション情報や、端末から送信された加入者契約情報をリソース管理部用記憶部102で記憶管理している。
アドレス管理部13は、契約者の端末のアドレス等を管理する機能を有し、端末から呼接続があった際に払い出されたDHCP情報や、端末から送信された加入者情報をアドレス管理部用記憶部103で記憶管理している。
なお、これら呼制御サーバ1に記憶管理されているSIPポート情報、メディアポート情報、加入者契約情報、レジスター情報、DHCP情報の内容の一部を図2に記載しておく。SIPポート情報とメディアポート情報とはデータフォーマットを共通とし、メディアタイプにSIPが記載されている場合に、そのデータはSIPポート情報となる。
第1セッション情報整合部104は、呼処理部11で記憶管理しているセッション情報と、リソース管理部12で記憶管理しているセッション情報とを対比して、一方のセッション情報を他方のセッション情報に一致させる整合処理を行う際に、SIPポート情報とメディアポート情報とを区別してそれぞれ整合処理を行う機能を有している。具体的には、セッション情報が異なる場合には、ターミネーションの削除によってリソースを解放することにより、SIPポート情報又はメディアポート情報を整合する。但し、整合処理対象がSIPポート情報である場合には、リソースの解放後、該当するターミネーションの加入者が呼処理部11の加入者契約情報に未だ存在している場合に、ターミネーションの再設定を行う。
また、第1セッション情報整合部104は、IPアドレスマップの有無を判断し、呼処理部11の加入者契約情報に加入者データが存在する場合に、IPアドレスマップを再生成する機能を有している。IPアドレスマップは、呼処理部11において端末の認証やSIP信号内のアドレス変換に用いられるが、そのマップ情報が削除された場合には、端末のアドレスをアドレス管理部13と整合し、メディアゲートウェイ3への払い出しアドレスについてはリソース管理部12と整合する。
また、第1セッション情報整合部104は、AAA(Authentication,Authorization,Accounting)で呼処理部11に通知したSIPポート情報をREGISTER契機で照合する機能を有している。また、REGISTER契機でリソース管理部12のSIPポート情報と照合することも可能である。
また、第1セッション情報整合部104は、呼処理部11の加入者契約情報の有無を判断し、SIPポート情報のターミネーションを再設定する機能を有している。呼処理部11とリソース管理部12とが共にセッション情報を有していない場合であっても、加入者契約情報が存在する場合には、SIPポートの再設定を行う。
第2セッション情報整合部105は、メディアゲートウェイ3のメディアゲートウェイ用記憶部301で記憶管理され、上記SIPポート情報と上記メディアポート情報とで構成されるセッション情報と、リソース管理部12で記憶管理しているセッション情報とを対比して、一方のセッション情報を他方のセッション情報に一致させる整合処理を行う際に、第1セッション情報整合部104と同様に、SIPポート情報とメディアポート情報とを区別してそれぞれ整合処理を行う機能を有している。
また、第2セッション情報整合部105は、ターミネーションの内容を判断し、端末側のターミネーションACと網側のターミネーションBBとのペアが揃っていない場合には、ターミネーション無しと判定する機能を有している。
また、第2セッション情報整合部105は、ターミネーション状態を判断してリソース管理部12のターミネーション状態に合うようにメディアゲートウェイ3のターミネーション状態を更新する機能を有している。端末からのメディア通信要求の可否を判断するために、ターミネーション状態がINS(InService:受付可),OUT(OutOfService:受付不可)として管理されている(図2に示したサービス状態に相当)。
また、第2セッション情報整合部105は、ソフトリソースの呼状態(全呼状態対象)を判断して整合する機能を有している。リソース管理部12からメディアゲートウェイ3へターミネーション設定の要求を行い、メディアゲートウェイ3からの応答待ち状態(ペンディング状態)についても整合の対象としている。
また、第2セッション情報整合部105は、リソース管理部12の加入者契約情報の有無を判断して、メディアゲートウェイ3にSIPポートを設定する機能を有している。リソース管理部12の加入者契約情報は加入者の収容情報であり、この情報からメディアゲートウェイ3を特定したり、提供条件を判定してSIPポートをメディアゲートウェイ3に設定する。
なお、図1に示した機能ブロック構成図では、第1セッション情報整合部104及び第2セッション情報整合部105が他の機能部の外に記載されているが、これは発明を概念的に説明するためにそのように記載しているものである。例えば、呼処理部11で記憶管理しているセッション情報を、リソース管理部12で記憶管理しているセッション情報に一致させる場合には、第1セッション情報整合部104は、呼処理部11の一機能(すなわち、呼処理部11)として動作する。逆に、リソース管理部12で記憶管理しているセッション情報を、呼処理部11で記憶管理しているセッション情報に一致させる場合には、第1セッション情報整合部104は、リソース管理部12の一機能(すなわち、リソース管理部12)として動作する。また、第2セッション情報整合部105にあっては、リソース管理部12の一機能(すなわち、リソース管理部12)として動作している。
〔呼制御サーバの整合処理について〕
次に、呼制御サーバ1の整合処理について具体的に説明する。図3は、整合処理を説明する図である。
最初に、SIPポート情報の整合処理について説明する。第1セッション情報整合部104により、呼処理部11において端末5から送信されたREGISTER情報と、リソース管理部12のSIPポート情報とが比較一致され、アドレス管理部13で記憶管理されているDHCP情報に基づく呼処理部11のSIPポート情報と、リソース管理部12のSIPポート情報とが比較一致される。例えば、1日1回の定期整合のイベントを契機に、セッションID等をキーにして、加入者契約情報やターミネーション状態等がそれぞれ対比されて一致化が実行される。これにより、呼処理部11とリソース管理部12との間でのSIPポート情報が整合されることになる。
また、第2セッション情報整合部105により、リソース管理部12のSIPポート情報と、メディアゲートウェイ3のSIPポート情報(SIPのターミネーション情報)とが比較一致される。例えば、MGC再開、MG再開、1日1回の定期整合のイベントを契機に、SIPポート毎に管理しているターミネーションIDやターミネーション状態等が対比されて一致化が実行される。これにより、リソース管理部12とメディアゲートウェイ3との間でのSIPポート情報が整合されることになる。
なお、SIPポートは加入者契約情報が存在する限り保持される運用データであるため、SIPポート情報の上記整合処理は、不整合検出時に、該当するターミネーションを解放した後に、呼制御サーバ1からメディアゲートウェイ3へSIPポートの再設定を行う処理により、一致化が実現される。
続いて、メディアポート情報の整合処理について説明する。第1セッション情報整合部104により、上記SIPポート情報の整合処理とは別に、SIPネゴシエーション結果によって生成されてメディア情報の通信に用いる呼処理部11のメディアポート情報と、呼処理部11からの呼の要求毎にSIPポート情報に関連付けて管理されているリソース管理部12のメディアポート情報とが比較一致される。例えば、SIP信号のアップデートやrefreshタイマ等のイベントを契機に、メディアポートのセッションID等をキーにして、セッションに関連付けて管理しているターミネーションID等が対比されて一致化が実行される。これにより、呼処理部11とリソース管理部12との間でのメディアポート情報が整合されることになる。
また、第2セッション情報整合部105により、上記SIPポート情報の整合処理とは別に、呼処理部11からの呼の要求毎にSIPポート情報に関連付けて管理されているリソース管理部12のメディアポート情報と、メディアゲートウェイ3のメディアポート情報(メディアのターミネーション情報)とが比較一致される。例えば、MGC再開、MG再開、1日1回の定期整合イベントを契機に、SIPポート毎に管理しているターミネーションIDやターミネーション状態等が対比されて一致化が実行する。これにより、リソース管理部12とメディアゲートウェイ3との間でのメディアポート情報が整合されることになる。
なお、メディアポートは呼毎に生成される情報であるため、メディアポート情報の上記整合処理は、不整合検出時に、該当するターミネーションを解放することにより、一致化が実現される。
なお、第1セッション情報整合部104は、第2セッション情報整合部105についても同様に、あるタイミングでSIPポート情報又はメディアポート情報のみを整合処理することも可能であり、それら2つの情報を同時に整合処理することも可能である。
〔呼制御サーバの整合処理の内容について〕
次に、SIPポート情報及びメディアポート情報の整合処理の内容について説明する。図1に示した整合処理内容格納部106には、図4に示すように、SIPポート情報とメディアポート情報とでそれぞれ実行される整合処理内容が、定期整合,MG故障回復(MG再開,Megaco断回復),MGのIF故障回復,呼制御サーバ障害回復(再開)等といった様々なイベントの種類に応じて異なるように予め設定されている。
SIPポートは、加入者契約情報の登録に伴って呼制御サーバ1で生成され、上述したように加入者契約情報の廃止までの間救済される運用データであるため、整合処理内容格納部106に設定されているSIPポート情報の整合処理内容は、不整合検出時に、該当するターミネーションを一旦解放し、呼制御サーバ1からメディアゲートウェイ3へSIPポートの再設定による復旧を実行することにより、一致化を実現することを基準として設定されている。
また、メディアポートは、上述したように呼毎に生成されるコールデータであるため、整合処理内容格納部106に設定されているメディアポート情報の整合処理内容は、不整合検出時に、非救済リソースとして、該当するターミネーションを解放することにより、一致化を実現することを基準として設定されている。
第1セッション情報整合部104及び第2セッション情報整合部105は、整合契機がどのイベントかを識別し、発生したイベントに応じた整合処理内容を整合処理内容格納部106から取得して、SIPポート情報又はセッション情報の整合処理をそれぞれ実行する。特に、第2セッション情報整合部105は、呼制御サーバ1が管理している全てのメディアゲートウェイ3についてではなく、メディアゲートウェイ単位で整合処理を実行する。
例えば、メディアゲートウェイ3の物理IF単位又はMG単位の状態を記憶管理しておき、MG再開時には、MG単位の管理状態をINSに変更した後に、MG状態を照合することなく、IF単位で、SIPポート情報→メディアポート情報の順に削除する。また、定期整合やMGC再開時には、メディアゲートウェイ3の物理IF単位で、SIP,メディア種別毎に照合する。さらに、メディアゲートウェイ3の物理IF故障時には、管理しているメディアゲートウェイ3の物理IF状態を引き当てた後に、管理状態をINSに変更した後に、該当する物理IFのみを対象として、SIP,メディア種別毎に照合する。それら照合の結果、リソース管理部12とメディアゲートウェイ3との間で不一致を検出した場合には、合わせこみ一致化を実行する。
〔呼制御サーバの整合処理フローについて〕
次に、呼制御サーバ1の整合処理フローについて定期整合のイベント時を一例に説明する。最初に、呼処理部11とリソース管理部12との間での整合処理フローについて説明する。
図5は、整合処理の契機が呼処理部であり、整合処理対象がSIPポート情報である場合における、呼処理部とリソース管理部との間での定期整合イベント時の整合処理フローを示す図である。
まず、呼処理部11のSIPポート情報から整合対象リストが生成され(S1)、呼処理部11の加入者契約情報が1件取得される(S2)。
次いで、S2で取得した加入者契約情報が整合対象リストに含まれている場合には、リソース管理部12のSIPポート情報のタイマが更新される(S3)。
次いで、S3でタイマ更新が失敗した場合には、リソース管理部12のSIPポート情報が削除され(S4)、DHCP情報が取得された後に(S5)、リソース管理部12のSIPポート情報が再生成される(S6)。なお、S3でタイマ更新が成功した場合には、何も実行することなく処理を終了する。
一方、S2で取得した加入者契約情報が整合対象リストに含まれていない場合には、S5に進んでDHCP情報が取得された後に、リソース管理部12のSIPポート情報が再生成される(S6)。
図6は、整合処理の契機が呼処理部であり、整合処理対象がメディアポート情報である場合における、呼処理部とリソース管理部との間での定期整合イベント時の整合処理フローを示す図である。
まず、呼処理部11のメディアポート情報が参照されてタイマが確認される(S11)。なお、メディアポート情報のタイマは、端末やHGWからのタイマ更新要求により更新される。
次いで、タイマが切れていた場合には、呼処理部11とリソース管理部12とのメディアポート情報が削除される(S12)。一方、S11でタイマが切れていない場合には、何も実行することなく処理を終了する。
図7は、整合処理の契機がリソース管理部である場合における呼処理部とリソース管理部との間での整合処理フローを示す図である。なお、この整合処理フローは、SIPポート情報、メディアポート情報のどちらにも共通している。
まず、リソース管理部12により保持されているセッション情報(SIPポート情報又はメディアポート情報)のタイマが確認される(S21)。
次いで、S21でタイマが切れている場合には、呼処理部11のセッション情報(SIPポート情報又はメディアポート情報)の有無が確認される(S22)。一方、S21でタイマが切れていない場合には、何も実行することなく処理を終了する。
次いで、S22で呼処理部11にセッション情報(SIPポート情報又はメディアポート情報)が有る場合には、リソース管理部のセッション情報(SIPポート情報又はメディアポート情報)のタイマが更新され(S23)、S22で呼処理部11にセッション情報(SIPポート情報又はメディアポート情報)が無い場合には、タイマ満了によりセッション情報(SIPポート情報又はメディアポート情報)が削除される(S24)。
次に、リソース管理部12とメディアゲートウェイ3との間での整合処理フローについて説明する。
図8は、リソース管理部とメディアゲートウェイとの間での定期整合イベント時の整合処理フローを示す図である。なお、この整合処理フローについても、SIPポート情報、メディアポート情報のどちらにも共通している。
まず、リソース管理部12のセッション情報(SIPポート情報又はメディアポート情報)から整合対象リスト1が生成され(S31)、リソース管理部12からメディアゲートウェイ3に送信された情報収集要求に対する応答結果から整合対象リスト2が生成されて(S32)、それら2つのリストが対比される(S33)。
S33での対比の結果、整合対象リスト1にのみ有る場合には、リソース管理部12のセッション情報(SIPポート情報又はメディアポート情報)が削除され(S34)、呼処理部11により加入者契約情報の有無が確認されて(S35)、加入者契約情報が有る場合には、呼処理部11によりセッション情報(SIPポート情報又はメディアポート情報)が設定される(S36)。
一方、S33での対比の結果、整合対象リスト2にのみ有る場合には、メディアゲートウェイ3に削除要求が送信されて、メディアゲートウェイのセッション情報(SIPポート情報又はメディアポート情報)が削除される(S37)。
一方、S33での対比の結果、整合対象リスト1及び整合対象リスト2の両方に有る場合には、何も実行することなく処理を終了する。
〔呼制御サーバの整合処理シーケンスについて〕
次に、定期整合のイベントを契機に呼処理部11からのSIPポート情報の整合処理シーケンスについて説明する。
図9は、呼処理部とリソース管理部とメディアゲートウェイとの全てがSIPポート情報を有している場合の整合処理シーケンスを示す図である。
最初に、呼処理部11により、定期整合契機で、保持している自身のSIPポート情報が確認され、SIPポート情報のタイマを更新するための状態問い合わせ信号がリソース管理部12に送信される(S101)。
次いで、リソース管理部12により、自身のSIPポート情報が確認され、呼処理部11が保持しているSIPポート情報と同じSIPポート情報が存在する場合には、該当するSIPポート情報のタイマが更新され、更新成功の応答結果が呼処理部11に送信される(S102)。
なお、以上の整合処理シーケンスは、図5に示したS1〜S3に対応している。
図10は、リソース管理部とメディアゲートウェイとのみがSIPポート情報を有している場合の整合処理シーケンスを示す図である。
最初に、呼処理部11により、定期整合契機で、保持している自身のSIPポート情報が確認され、加入者契約情報があるのにもかかわらずSIP情報が無い場合には、端末のアドレスがアドレス管理部13から取得される(S201)。
次いで、呼処理部11により、取得したアドレスを含めたSIPポート再設定要求がリソース管理部12に送信される(S202)。
次いで、リソース管理部12により、自身のSIPポート情報とメディアゲートウェイ3とのSIPポート情報が一旦削除される(S203)。
次いで、リソース管理部12により、情報収集要求がメディアゲートウェイ3に送信され、その応答結果に基づいてSIPポート情報が再設定される(S204)。
なお、以上の整合処理シーケンスのうち、S201〜S202については、図5に示したS4〜S5に対応し、S204については、図8に示したS31〜S37に対応している。
図11は、呼処理部のみがSIPポート情報を有している場合の整合処理シーケンスを示す図である。
最初に、呼処理部11により、定期整合契機で、保持している自身のSIP情報が確認され、SIPポート情報のタイマを更新するための状態問い合わせ信号がリソース管理部12に送信される(S301)。
次いで、リソース管理部12により、自身のSIPポート情報が確認され、呼処理部11が保持しているSIPポート情報と同じSIPポート情報が存在しない場合には、更新失敗の応答結果が呼処理部11に送信される(S302)。
次いで、呼処理部11により、リソース管理部12からの応答結果が更新失敗である場合には、削除要求後に(不図示)、SIPポート再設定要求がリソース管理部12に送信される(S302)。なお、削除要求は、呼処理部11が保持しているSIPポート情報を更新することや、リソース管理部12の不要なSIPポート情報を確実に削除するために実行するものであるが、削除要求を行わないことも可能である。
次いで、リソース管理部12により、情報収集要求がメディアゲートウェイ3に送信され、その応答結果に基づいて、SIPポート情報が再設定される(S304)。
図12は、呼処理部とリソース管理部とメディアゲートウェイとの全てがSIPポート情報を有していない場合の整合処理シーケンスを示す図である。
最初に、呼処理部11により、定期整合契機で、保持している自身のSIP情報が確認され、加入者契約情報があるのにもかかわらずSIP情報が無い場合には、端末のアドレスがアドレス管理部13から取得される(S401)。
次いで、呼処理部11により、取得したアドレスを含めたSIPポート再設定要求がリソース管理部12に送信される(S402)。
次いで、リソース管理部12により、情報収集要求がメディアゲートウェイ3に送信し、その応答結果に基づいて、SIPポート情報が再設定される(S403)。
以上より、本実施の形態によれば、SIPポート情報とメディアポート情報とを区別してそれぞれ整合処理を行うので、必要な整合処理のみを実行することが可能となり、セッション情報の整合処理に要する時間を短縮することができ、不要なリソースの確保を回避することができる。
以上より、本実施の形態によれば、SIPポート情報とメディアポート情報とのそれぞれの整合処理内容をイベントの種類に応じて異なるように格納しておき、発生したイベントに応じた整合処理内容で整合処理を行うので、イベントに応じて整合の範囲を限定することが可能となり、セッション情報の整合処理に要する時間を更に短縮することができ、通常時の呼処理への負荷を低減することができる。
〔イベント競合時の処理について〕
次に、所定のイベントに基づいて整合処理中に、他のイベントに基づく整合処理が発生した場合について説明する。このように複数の整合処理が競合した場合には、先発イベントによる先の整合処理を停止(中断又は中止であっても可)し、後発イベントによる後の整合処理を開始する後発優先と、先の整合処理を優先し、後の整合処理を実行しない先発優先のいずれかの優先処理を行う。
優先処理の基準としては、後発イベントが障害発生又は障害回復系のイベントである場合には、先発イベントの整合処理を停止して後発イベントに基づく整合処理を行うものとする。一方、先発イベントが障害発生又は障害回復系のイベントである場合には、先発イベントの整合処理のみを実行し、後発イベントについては、整合処理を行うことなくエラーとするか、次周期で行う。
図13は、整合処理競合時に優先される整合処理の一例を示す図である。図13に示す(1)のパターンでは、例えば、定期整合の先発イベントで、リソース管理部12に記憶している各メディアゲートウェイ3を順番(メディアゲートウェイ3に付与された番号の昇順に)に各メディアゲートウェイ3とリソース管理部12との間で整合処理を実行している最中に、整合中のメディアゲートウェイ3が通信断となる後発イベント(MG−MGC間通信断)が発生した場合には、実行中の先発イベントの整合処理を停止して、後発イベントの整合処理を実行する。
(2)のパターンでは、例えば、先発イベント(MG−MGC間通信断回復)で該当するメディアゲートウェイ3との間で整合処理中に、後発イベントで同じメディアゲートウェイのMG再開が発生した場合には、実行中の先発イベントの整合処理を停止して、後発イベントの整合処理を実行する。
(3)のパターンでは、例えば、MG再開の先発イベントで該メディアゲートウェイとの間で整合処理中に、後発イベント(同じメディアゲートウェイへのコマンド整合)が発生した場合には、先発イベントの整合処理を継続して、後発イベントの整合処理をエラー応答又はスキップする。
なお、メディアゲートウェイ3との整合処理はMG単位で排他制御され、あるメディアゲートウェイ3の整合処理中に同じメディアゲートウェイの整合処理が発生した場合には競合状態となるが、他のメディアゲートウェイの整合処理は競合として扱われない。
以上より、本実施の形態によれば、後発イベントが障害発生又は障害回復系のイベントである場合には、先発イベントの整合処理を停止して後発イベントに基づく整合処理を行い、先発イベントが障害発生又は障害回復系のイベントである場合には、後発イベントに基づく整合処理を行わないので、競合の組み合わせを判断して必要な整合処理のみの実行が可能となり、セッション情報の整合処理に要する時間を更に短縮することができる。
〔加入者契約情報更新時の処理について〕
次に、メディアゲートウェイ又はメディアゲートウェイのインタフェースが故障等により動作不能時に、加入者契約情報の追加要求、更新要求、削除要求があった場合の処理動作について説明する。
図14は、加入者契約情報が投入された場合の処理シーケンスを示す図である。なお、リソース管理部12は、メディアゲートウェイ3の動作状態遷移を予め記憶管理しているものとする。
まず、加入者契約情報が新規に投入された場合には、呼制御サーバ1を構成している呼処理部11とリソース管理部12とアドレス管理部13とで加入者契約情報の設定が開始される(S501)。
次いで、呼処理部11により、その新規投入された加入者契約情報に対するSIP情報は未だ生成されていないため、その加入者契約情報に係る端末のアドレスがアドレス管理部13から取得される(S502)。
次いで、呼処理部11により、その端末からのSIP信号の制御に使用するSIPポートの設定要求がリソース管理部12に送信される(S503)。
次いで、リソース管理部12により、メディアゲートウェイ又はメディアゲートウェイのインタフェースが故障中の場合に、メディアゲートウェイ3にSIPポート設定(SIP信号を通過させるピンホール制御やポリシング制御)は実行されることなく、リソース管理部12の内部情報を用いてSIPポート設定済に相当する一定の仮状態が生成して記憶され、S503での呼処理部11からの要求に対してSIPポート設定終了である応答結果(換言すれば、加入者契約情報投入をOKとする旨)が送信される(S504)。これにより、呼処理部11は、新規な加入者契約情報を追加することが可能となる。
一方、メディアゲートウェイ又はメディアゲートウェイのインタフェースが故障中でなければ、メディアゲートウェイ3に対してSIPポート設定が実行される(S505)。
その後、リソース管理部12により、MG再開,IF故障回復,MG−MGC間通信断回復等のイベントを契機に、メディアゲートウェイ3に対して、S503の設定要求に対するSIPポート設定(SIP信号を通過させるピンホール制御やポリシング制御)が実行される(S506)。
なお、加入者契約情報が削除される場合には、メディアゲートウェイ3を制御することなく、リソース管理部12とメディアゲートウェイ3との間の定期整合のイベント時に整合させる。
以上より、本実施の形態によれば、メディアゲートウェイ3が動作不能時に、加入者契約情報の追加要求、更新要求、削除要求のうちいずれかの要求があった場合に、リソース管理部12は、メディアゲートウェイ3にSIPポートを設定することなく一定の仮状態を記憶し、加入者契約情報の追加・更新・削除に対する要求が可能である応答を呼処理部11に送信するので、メディアゲートウェイ3に故障等の不具合が発生した場合であっても、加入者契約情報を呼制御サーバ1に登録することができる。
最後に、本実施の形態で説明した呼制御サーバ1は、コンピュータで構成される。すなわち、呼処理部用記憶部101と、リソース管理部用記憶部102と、アドレス管理部用記憶部103と、整合処理内容格納部106とは、メモリ等の記憶手段で実現される。また、呼処理部11と、リソース管理部12と、アドレス管理部13と、第1セッション情報整合部104と、第2セッション情報整合部105とは、CPU等の演算手段で実現され、プログラムで実行される。
また、本実施の形態で説明した呼制御サーバ1をプログラムとして光記憶装置や磁気記憶装置等の記録媒体に読出可能に記録し、この記録媒体をコンピュータに組み込んだり、若しくは記録媒体に記録されたプログラムを、任意の通信回線を介してコンピュータにダウンロードしたり、又は記録媒体からインストールし、該プログラムでコンピュータを動作させることにより、上述した各処理動作を呼制御サーバ1として機能させることができるのは勿論である。
1…呼制御サーバ
11…呼処理部(呼処理手段)
12…リソース管理部(リソース管理手段)
13…アドレス管理部
101…呼処理部用記憶部(第1の記憶手段)
102…リソース管理部用記憶部(第2の記憶手段)
103…アドレス管理部用記憶部
104…第1セッション情報整合部(第1の整合手段)
105…第2セッション情報整合部(第2の整合手段)
106…整合処理内容格納部(格納手段)
3…メディアゲートウェイ
301…メディアゲートウェイ用記憶部
5…端末
7…ネットワーク機器
S…ステップ

Claims (8)

  1. SIPを用いて呼を処理し、SIPネゴシエーションの結果決定されるメディアを転送可能なメディアゲートウェイを制御する呼制御サーバにより、
    前記呼を処理する呼処理手段により管理され、前記メディアゲートウェイでSIPの制御に用いられるSIP制御用ポート情報と、前記メディアゲートウェイで前記メディアの転送に用いられるメディア転送用ポート情報とで構成されるセッション情報を第1の記憶手段に記憶する第1のステップと、
    前記メディアが転送される転送系ネットワークのリソースを管理するリソース管理手段により管理され、前記SIP制御用ポート情報と前記メディア転送用ポート情報とで構成されるセッション情報を第2の記憶手段に記憶する第2のステップと、
    前記第1の記憶手段から読み出したセッション情報と、前記第2の記憶手段から読み出したセッション情報とを対比して、一方のセッション情報を他方のセッション情報に一致させる整合処理を行う第3のステップと、
    前記メディアゲートウェイで管理され、前記SIP制御用ポート情報と前記メディア転送用ポート情報とで構成されるセッション情報と、前記リソース管理手段により管理されている前記セッション情報とを対比して、前記整合処理を行う第4のステップと、を有し、
    前記第3のステップ及び前記第4のステップは、
    前記SIP制御用ポート情報と前記メディア転送用ポート情報とを区別して整合処理を行うことを特徴とするセッション情報整合処理方法。
  2. 前記SIP制御用ポート情報と前記メディア転送用ポート情報とのそれぞれの整合処理内容をイベントの種類に応じて異なるように格納手段に格納しておき、
    前記第3のステップは、
    発生したイベントに応じた前記整合処理内容で前記整合処理を行い、
    前記第4のステップは、
    発生したイベントに応じた前記整合処理内容で前記整合処理をメディアゲートウェイ毎に行うことを特徴とする請求項1に記載のセッション情報整合処理方法。
  3. 前記第3のステップ及び前記第4のステップは、
    所定のイベントに基づいて整合処理中に他のイベントに基づく整合処理が発生して複数の整合処理が競合した場合において、後発イベントが障害発生又は障害回復系のイベントである場合には、先発イベントの整合処理を停止して後発イベントに基づく整合処理を行い、先発イベントが前記障害発生又は障害回復系のイベントである場合には、後発イベントに基づく整合処理を行わないことを特徴とする請求項2に記載のセッション情報整合処理方法。
  4. 前記メディアゲートウェイが動作不能時に、加入者契約情報の追加要求、更新要求、削除要求のうちいずれかの要求があった場合に、
    前記リソース管理手段は、
    前記メディアゲートウェイに前記SIP制御用ポートを設定することなく一定の仮状態を記憶し、前記加入者契約情報に対する前記要求が可能である応答を前記呼処理手段に送信することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のセッション情報整合処理方法。
  5. SIPを用いて呼を処理し、SIPネゴシエーションの結果決定されるメディアを転送可能なメディアゲートウェイを制御する呼制御サーバにおいて、
    前記呼を処理する呼処理手段により管理され、前記メディアゲートウェイでSIPの制御に用いられるSIP制御用ポート情報と、前記メディアゲートウェイで前記メディアの転送に用いられるメディア転送用ポート情報とで構成されるセッション情報を記憶する第1の記憶手段と、
    前記メディアが転送される転送系ネットワークのリソースを管理するリソース管理手段により管理され、前記SIP制御用ポート情報と前記メディア転送用ポート情報とで構成されるセッション情報を記憶する第2の記憶手段と、
    前記第1の記憶手段から読み出したセッション情報と、前記第2の記憶手段から読み出したセッション情報とを対比して、一方のセッション情報を他方のセッション情報に一致させる整合処理を行う第1の整合手段と、
    前記メディアゲートウェイで管理され、前記SIP制御用ポート情報と前記メディア転送用ポート情報とで構成されるセッション情報と、前記リソース管理手段により管理されている前記セッション情報とを対比して、前記整合処理を行う第2の整合手段と、を有し、
    前記第1の整合手段及び前記第2の整合手段は、
    前記SIP制御用ポート情報と前記メディア転送用ポート情報とを区別して整合処理を行うことを特徴とする呼制御サーバ。
  6. 前記SIP制御用ポート情報と前記メディア転送用ポート情報とのそれぞれの整合処理内容をイベントの種類に応じて異なるように格納しておく格納手段を更に有し、
    前記第1の整合手段は、
    発生したイベントに応じた前記整合処理内容で前記整合処理を行い、
    前記第2の整合手段は、
    発生したイベントに応じた前記整合処理内容で前記整合処理をメディアゲートウェイ毎に行うことを特徴とする請求項5に記載の呼制御サーバ。
  7. 前記第1の整合手段及び前記第2の整合手段は、
    所定のイベントに基づいて整合処理中に他のイベントに基づく整合処理が発生して複数の整合処理が競合した場合において、後発イベントが障害発生又は障害回復系のイベントである場合には、先発イベントの整合処理を停止して後発イベントに基づく整合処理を行い、先発イベントが前記障害発生又は障害回復系のイベントである場合には、後発イベントに基づく整合処理を行わないことを特徴とする請求項6に記載の呼制御サーバ。
  8. 前記メディアゲートウェイが動作不能時に、加入者契約情報の追加要求、更新要求、削除要求のうちいずれかの要求があった場合に、
    前記リソース管理手段は、
    前記メディアゲートウェイに前記SIP制御用ポートを設定することなく一定の仮状態を記憶し、前記加入者契約情報に対する前記要求が可能である応答を前記呼処理手段に送信することを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の呼制御サーバ。
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