JP5015170B2 - 熱エネルギーを電気エネルギーに変換する素子 - Google Patents

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Description

本出願は、2005年12月14日出願の米国仮特許出願第60/750,575号に対する優先権の恩典を主張し、同出願の全内容を参考文献としてここに援用する。
本発明は、電流源に関する。より具体的には、本発明は、金属と半導体と絶縁体を含んでいる電流源に関する。
固体には、複数のエネルギー帯が存在する。それらエネルギー帯には、価電子帯と伝導帯が含まれている。伝導帯は、価電子帯よりも高いエネルギーにある。各エネルギー帯は、帯電したキャリア(電子又は正孔)が存在することのできる複数の状態を含んでいる。半導体及び絶縁体では、伝導帯は価電子帯から禁制帯によって分離されている。禁制帯には基本的に如何なる状態も存在しない。
半導体と絶縁体では、ゼロ温度にあって且つ励起条件下にないときは、価電子帯の状態は、電子に占有されており、一方、伝導帯の状態は、正孔に占有され、即ち電子が空の状態である。一方、金属では、価電子帯と伝導帯は同じである。而して、金属では、電子が基本的に自由であり、充満状態から非充満状態へと自由に動き回れることから、高い伝導性を有している。他方、絶縁体又はドーピングされていない半導体では、理論的には、電子が価電子帯を充満させており、電子が移動することのできる状態が無いため、伝導性は相対的に低い。但し、絶縁体又はドーピングされていない半導体には、熱励起による有限の導電率がある。価電子帯の電子の一部は、禁制帯を横断して通過するのに十分なエネルギーを受け取る。一旦、電子が伝導帯に入ると、それらは電気を伝導することができ、価電子帯に残った正孔も同様である。禁制帯が拡大すると、導電率は指数関数的に低下する。而して、金属では、伝導帯と価電子帯が重なっているために禁制帯はゼロであり、絶縁体では禁制帯は約4eVを超え(例えば、SiOでは8.0eV)、半導体ではゼロから約4eVの間にある。
エネルギー帯は、運動量空間で示される。即ち、固体のエネルギー帯は、エネルギーと運動量における得られる状態の間の関係という視点で表される。固体を特徴付ける際、他の構成概念が有効である。例えば、固体物理学では、固体の様々な態様を表すのにフェルミ面がしばしば使用される。フェルミ面とは、金属、半金属、及び半導体の熱的、電気的、磁気的、及び光学的性質を特徴付けて予測する際に有用な抽象的な境界又は界面である。フェルミ面は、結晶質固体を形成する格子の周期性(即ち、格子を形成している元素間の距離)、及びその様な材料における電子エネルギー帯の占有率に関係している。フェルミ面は、運動量空間内の一定のエネルギーの面を画定している。フェルミ面は、絶対零度では、非充満状態を充満状態から分離している。電流はフェルミ面付近の状態の占有率の変化に起因するため、材料の電気的性質は、フェルミ面の形状によって決まる。
多くの電子的その他の素子は、金属、絶縁体、及び半導体を使用している。その様な素子の一例として、電流源が挙げられる。電流源は、その端末の間の電圧とは無関係に、実質的に一定量の電流を供給する素子である。理想的な電流源は、指定された電流を維持するのに使用される電圧を作り出す。多くの電子素子は、電流源を含む回路装置を使用している。
米国仮特許出願第60/750,575号
電流源と、この電流源を製作する方法を規定している。電流源は、少なくとも金属層と半導体層を含んでいる。金属層と半導体層は電気的に接続され、磁場印加部を設けてもよい。層間の相互作用が自発電流を作り出す。電流源を横切って電荷が移動することにより電圧が発生し、この電圧は、平衡する逆電流が現れるまで上昇する。電流源に負荷が接続されていれば、電流は、負荷を通って流れ、電力は消散される。このエネルギーは、電流源の熱エネルギーによってもたらされ、素子は冷却される。
本発明を一例として説明するが、本発明は添付図面に限定されるものではなく、また各図を通して類似符号は同様の要素を表している。
当業者には理解頂けるように、図中の各要素は、簡単に、明確にすることを目的に示しており、必ずしも縮尺は合っていない。
図1を参照すると、1つの実施形態では、電流源100は、4つの層102、104、106、及び108を含んでいる。4つの層は、ソース102、バッファ104、フィルタ106、及びコレクタ108を含んでいる。4つの層のそれぞれは、少なくとも1つの他の層に接している;即ち、ソース102はバッファ104に接しており、バッファ104はフィルタ106に接しており、フィルタはコレクタ108に接している。電流を抽出するためのリード線110は、ソース102とコレクタ108に電気的に接続されている。コイルの様な磁気ソース120を介して、層102、104、106、108に対して実質的に垂直方向に、磁場Bが印加されてもよい。
層102、104、106、及び108は、それぞれ単一の層として示しているが、これらの層102、104、106、及び108の1つ又はそれ以上は、複数の層であってもよい。ソース102、バッファ104、フィルタ106、及びコレクタ108の相互作用が、自発電流を作り出す。電流源100を横切って電荷が移動することで電圧が発生し、この電圧は、平衡する逆電流が現れるまで上昇する。電流源100にリード線110を通して負荷112が接続されていれば、電流は、負荷112を通って流れ、電力は消散される。このエネルギーは、電流源100の熱エネルギーによってもたらされ、電流源100は冷却される。
ソース102は、伝導帯の底に局在化状態を有する金属又は金属の混合体である。伝導帯202の底の局在化状態204を図2aに図式的に示している。フェルミ面付近の電子と、局在化状態202に閉じ込められている局在化電子の間の相互作用によって、場合により、局在化電子がフェルミ面に押し上げられることがあり、これを図2bに移行1として示している。この移行のエネルギーは、約1eVから6eVの間であり、局在化電子と複数の自由電子との衝突のエネルギーによりもたらされる。通常の衝突では、電子は局在化状態に戻され、図2bの遷移2及び図2cに示すように、フェルミ面より上は余剰電子が、そしてフェルミ面より下は余剰正孔が発生する。これら活発な電子と正孔が電流の源となることができる。局在化電子とフォノンの間の相互作用によっても、局在化電子がフェルミ面に押し上げられることもある。この場合、移行のエネルギーは、複数のフォノンによりもたらされる。
適したソース金属は、少なくとも2つの特性を有している。第1に、ソースはその伝導帯の底に局在化状態を有している。これらの状態は、伝導帯の底より下で、約0.01eV<E<約0.05eVのエネルギーEでなければならない。これらの状態の数は、状態同士の重なりが小さくなるように、十分に少なくなければならない。これは、即ち、状態の数は、レベルを悪化させる(即ち、それらが、伝導帯と一体となる不純物帯に広がることがないように)ことのないように、十分に少なくなければならないということである。1つの実施形態では、濃度は、約1000ppm(part per million=百万分の1)未満である。第2に、図2bに示している移行1がソースに起こる確率が、十分な数の活発な電子を作り出せるだけ十分に大きくなければならない。金属中の局在化状態は、3通りのやり方で、即ち、金属内の不規則性、少量の不純物、又は磁場の印加(図1に図示)で作り出すことができる。
不規則金属は2つの等級、即ち、純金属と混合体に分類される。遷移金属及び希土類金属の原子は、部分的に満たされたd−殻を有している。遷移金属は、原子数が増すにつれ、内側のd電子軌道(又は殻)が満たされることを特徴とする元素である。遷移金属は、原子番号21から30、39から48、58から80、及び89から112を有する元素、即ち、チタンから銅までと、国際純正応用化学連合(IUPAC)の周期律表でそれらの下の列に入っている元素と、を含んでいる。
遷移金属は、d殻が完全に満たされていないためにランダムな方向に向いた磁気モーメントを有している。これらの殻の磁気モーメントがランダムな方向を向いているために、これらの金属内の伝導電子に不規則なポテンシャルが生じる。具体的には、伝導電子が原子上にあるときに受けるポテンシャルは、当該原子と最隣接原子の磁気モーメントの相対的な配向によって異なる。遷移金属の殆どは、全ての原子が12個の最隣接原子を有する結晶構造を有している。残りの遷移金属の殆どは、最隣接が8個の構造を有している。原子が、E>伝導帯の底より下約0.01eVとなる局在化状態を作り出せるだけの低い電位を有するには、その最隣接の内の9個は磁気モーメントが当該原子の磁気モーメントと整列しており、3個は当該電子の磁気モーメントと不整列である、ということであろう。モーメントがランダムに整列している場合は、局在化状態を有する原子の割合は、上に掲げた条件を満たすことができるほど小さくなることが多い。
殆どのd殻は2つ以上の配向の可能性を有している(jを角運動量量子数として、j>1/2)が、同じ原理が適用されることから、通常の状況は更に複雑である。強磁性体金属であるFe、Co、及びNiでは、隣接磁気モーメントの相対配向は、T<T(キュリー温度)ではランダムではない。T=0のとき、全ての磁気モーメントは整列しており、原子が平均より低い電位を有する可能性は無い。温度が上昇するにつれ、不規則性が増す。或る温度Tでは、幾つかの原子が局在化状態を有することができるようになる。温度が更に上昇すると、局在化状態の数は増加する。
2つ又はそれ以上の金属の混合体では、異なる原子のランダムな配置は、不規則なポテンシャルを作り出すことになる。混合体は、Ni−Cu、Pd−Ag、Pt−Auの様な普通に互いに溶け合う金属で構成されていても、普通は混ざり合わないが混合した状態に堆積させることはできる金属で構成されていてもよい。普通は混ざり合わない金属の例には、Fe−Co及びTi−Vがある。
不規則金属から不純物含有金属に視線を移すと、或る種の金属内の何らかの不純物が局在化状態を作り出すことがある。非遷移金属(新IUPAC表示の第2及び第13〜17列のものなど)では、不純物金属は、周期律表の親金属と同じ列で、通常はその列の中で下位のものでなければならない。例えば、Ga又はInはAlの不純物として使用することができ、又、K又はRbはNaの不純物として使用される。但し、それらの規則にも例外が存在する;例えば、Pbの中のBi不純物は局在化状態を作り出す。遷移金属については、不純物金属は、親金属と同じ列のものでもよいし、親金属の列の右の列のものでもよい。Niの中のCuが、その様な一例である。
不純物原子の濃度は、百万分の1未満から、隔離された局在化状態が重なり合って合体し不規則な局在化状態となる上限までの範囲を取り得る。低濃度(<1000ppm−百万分の1)では、発生する活発な電子の数は、不純物の濃度に比例する。
電流源を作り出すのに、不純物を加える代わりに外部磁場を印加してもよい。金属に磁場が印加されると、2次元的に局在化したランダウ状態と呼ばれる状態が、伝導帯の底に作り出される。ランダウ状態を出現させるために、金属は実質的に不規則性がない。例えば、非遷移金属の純度は、約99.9%よりも高くなければならない(例えば、10ppm未満)。図1に示すように、磁場Bは、ソース102の表面に対して実質的に垂直に印加される。
普通は、伝導帯の底の局在化状態からフェルミ面への電子の励起は、極めてまれにしか起こらない。後で確率増幅(probability amplification)と呼ぶことにするプロセスを通して、この事象の頻度を高めることができる。確率増幅は、遷移金属内で、隣接原子の不完全なd殻と原子格子の熱振動(フォノン)の相互作用の結果として起こり得る。非遷移金属では、確率増幅は、交番電場と非平行磁場Bを印加することにより、金属の物理的表面近く(例えば、約100Å以内)に作り出すことができる。
所与の金属では、確率増幅値は、各帯内の電子及びフォノンに割り当てることができる。例えば、S帯とD帯を有する遷移金属は、確率増幅値PAS(S帯)、PAD(D帯)、及びPAL(フォノン)を有している。多くの金属では、電子の固有の確率増幅は、外部発生的な確率増幅に比べて大きく、確率増幅を、印加される磁場、印加される電場、温度、及び圧力の様な外部要因から基本的に独立したものにしている。1つの伝導帯を有する金属では、電子の確率増幅の値は、電子が原子から原子へ移動する容易度とは逆に変動する。S電子は、最も容易に移動するので、PASは比較的小さい。P電子はそれほど容易には移動しないので、PAP(probability amplification in the P−band:P帯の確率増幅)はより大きくなる。D電子は、更に容易に移動しないので、PADは更に大きくなる。希土類金属内のF電子は、移動が非常に困難で帯を全く形成せず、これには上記規則は当てはまらない。
同じ傾向が、金属対金属に当てはまる。Cr、Mo、Wの群では、d電子は容易に移動するので、PADは比較的小さい。周期律表で右に移動するにつれ、d電子は移動性が下がり、PADが高くなり、最終的に、Ni、Pd、Ptの群でPADが最大になる。列内にも同じ変化がある。第5列の原子のd殻は第4列又は第6列の原子よりも深くなる傾向がある。従って、例えば、PdのPADはNi又はPtのPADよりも大きい。複数の伝導帯を有する金属では、原子内の異なる殻の電子間の相互作用が帯の確率増幅に影響することもある。遷移金属では、PASは、s殻とd殻の間の相互作用により、非遷移金属のPASよりも大きくなる(しかし、なおPADよりもずっと小さい)。それら遷移金属の中でPADが最大のものが、PASも最大になる。
フォノンの確率増幅PALと電子は、外的要因の影響を受けることもある。PALを物理的表面近く(例えば、約100Å以内)で実現することのできる1つの方法は、先に示したように、電場と磁場を交互に印加することによるものである。電場と磁場は互いに平行ではない。
電場を印加する1つの方法は、隣接する1つの層又は複数の層(即ち、バッファ層104又はフィルタ層106)を、高密度の光学的に活性な局在化フォノンモードを有する材料にすることである。そうすると、材料は多数の帯電した振動する原子を有することになり、交番電場が発生する。この交番電場は、ソース102の中に短い距離だけ浸透することができる。帯電した原子の振動の代表的な周波数は、約1012から1013Hzの間に広がっている。例えば、約1013Hzの振動周波数では、Cuは表皮厚さが200Åである。他の金属では、厚さは異なることもある。
磁場は外部から印加することもできる。異なる実施形態では、磁場は、電流源100を(図1に示すように)ソレノイド120の中に置くか、又は付近に永久磁石を置くことにより印加することができる。そうすると、ソース102の出力は、印加する磁場の強さを変えることにより制御することができる。
加えて、確率増幅は温度と共に大きくなる。低温では、単位時間単位体積当たりの励起数、dn/dtは、図3aに示すように、検出限界よりも下にある。有限ターンオン温度Tで、dn/dtは検出可能になり、温度と共に急激に上昇する、所与の金属のTの値は、局在化状態の性質及び確率増幅の有効性によって決まる。混合体のTの値は、具体的な混合体の組成を変えることにより、事前に決められた範囲に亘って連続的に変化させることができる。例えば、Cu−Ni合金では、不規則性は50%Cu−50%Ni近くで最大となる。Ni原子だけが不完全なd殻を有しているので、確率増幅は、Ni成分の増加と共に大きくなる。T対この合金系の組成のグラフは、図3bに示す形を有するものと予想される。
ソース102の厚さは、原子数個分の厚さ(約10Å)から電流源100全体に要求される最大厚さまで変化させることができる。約100Å未満の厚さでは、バッファは、ソース102の一方又は両方の側に使用することができる。
遷移金属は、不規則性と確率増幅を有しているので、全てソース金属になる候補と考えることができる。遷移金属の多くは、実用には高すぎるターンオン温度Tを有している。ターンオン温度Tは、遷移金属の一連の温度における熱伝導率、電気伝導率、及び熱出力を使用して求めることができる。より具体的には、ターンオン温度Tは、式(1)を使用して求めることができる:
L=k*r/T+S (1)
式(1)において、kは熱伝導率、rは電気抵抗率、Sは金属の熱出力である。Lは、高温では、2.443×10−8の大きさに近づくことになる。これから著しく外れる7種の金属は、Mo、W、Ni、Pd、Pt、Fe、及びCoである。Pd、W、及びNiに関するデータを表1、表2a、表2b、及び表3に示し、図4a、4b、及び4cに図示する。表のΔKは、金属内に存在する伝導電子によるものに加え、測定値Lを実現する場合の熱伝導率の量である。この追加の熱伝導率が格子熱伝導率(従来的に可能な唯一のもの)に由来する場合、この値は、金属のデバイ温度より高い温度については、1/Tに比例することになる。しかしながら、上記7種の金属は、良好なソース金属を作ることができるが、L対Tデータだけを使用することは、金属を使用から除外することはできない。局在化状態の励起は、常に熱及び電気の伝導率に影響するわけではない。金属の混合体は、同じやり方で調べることができる。Cu−Ni、Ag−Pd、及びAu−Pt合金は、良好なソース金属であるかもしれない。
Figure 0005015170
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表2bは、一連の対になった温度の温度変化(ΔK)の比率、並びに格子温度伝導率に起因する排他的に導き出されたΔKの理論上の比率を示している。Wについては、顕著な逸脱はT=600KからT=800Kの間で始まっている。これは、WのTの近似値、600<T<800Kと取ることができる。このTは、上で論じた確率増幅の技法を使用して下げることができる。Pdについて、ΔKは、T>100Kの全域で、Tに伴って大きくなる。PdのTの推定値は、T<200Kである。Niについて、ΔKは、T<300Kのとき、Tに伴って小さくなり、T>300Kのとき、Tに伴って大きくなる。Tは、Niに対して概ね250<T<350Kと取ることができる。Niは、T=620Kより下では強磁性体なので、このTの値は、上で論じたように、局在化状態の数が増えることにより確定される。FeとCoは同じ挙動を示し、T(Fe)が約370KでT(Co)が約500Kである。これら3種の強磁性金属内の少量の不純物は、それらのキュリー温度を下げることができて、それによってTも下がることになる。なお、これら金属のTの推定値は、内部的なものである。表面付近のTの値は異なっていることもあり、通常は、表面付近の原子の確率増幅は恐らく小さいので、Tはもっと高くなる。
遷移金属の中でソース金属として最良の候補となるであろう7種の金属は、Mo、W、Ni、Pd、Pt、Fe及びCoである。上記金属のL対Tデータのそれぞれは、励起の存在を示している。上記金属の1つと同じ列にあるが、そのL対Tデータが励起の証拠を示していない遷移金属にも見込みがあるかもしれない。それらの金属には、Cr、Ru、Rh、Os、及びIrが含まれる。残りの遷移金属は、既に説明した金属よりも候補としては劣るかもしれない。
隔離された不純物原子を有するソース金属は、既に論じた。ホスト金属が遷移金属である場合、確率増幅は金属に固有のものとなる。ホスト金属が、不規則性を作り出す不純物を含まない非遷移金属である場合、確率増幅は金属の外部から与えることもできる。磁場により局在化状態を作り出す場合、金属には、基本的に磁場の印加が無ければ不規則性は存在しない。この場合、例えば、Al又はSnなど、純粋な非遷移金属をどれでも使用することができる。ランダウ状態を作り出す磁場を、確率増幅に使用することができる。
次にバッファ104に移るが、バッファ104は、フェルミエネルギーから遠くの余剰電子と余剰正孔の相当の部分がソース102の表面に到達するように、ソース102の励起プロセスがソース102の表面の十分近くで起こるようにする。これを起こすには、局所化状態が存在しているソース102内の伝導帯の底をバッファ104の禁制帯と整列させる。適したバッファ104は、金属、絶縁体、又は半導体である。バッファ104は、活発な電荷(電子又は正孔)の大部分がフィルタ106を通過するように十分に薄く(約10〜50Å)なければならない。例えば、バッファ104が絶縁体の場合、ソース102からの電荷は、バッファ104を突き抜けてフィルタ106に至る。
2つの事例を図5aと図5bに示している。図5aは、特定のソースにとってはバッファとして適していない材料のエネルギー帯図を示す。図5aに示すように、ソース102内の伝導帯の局在化状態と底は、バッファ104の伝導帯と整列しており、ソース102とバッファ104それぞれの伝導帯の頂部は、エネルギーΔEだけずれている。バッファ104を形成している材料の存在が、ソース102の、界面近くで励起が起こる条件を壊している。この場合、活発な電子の数は、添付グラフに示すように、界面からの距離に伴って増える。図5bに示すように、ソース102内の伝導帯の局所化状態と底は、エネルギーΔEだけずれており、ソース102とバッファ104それぞれの伝導帯の頂部は整列している。フィルタ106の帯がソース102と正しく並んでいる場合は、バッファ104を省くことができて、そうするとフィルタ106がバッファの役目を果たす。この場合、活発な電子の数は、図示のように、界面からの距離が変わっても一定である。
次にフィルタ106に移るが、フィルタ106は、ソース102を起源とする高エネルギー電荷を伝導し、フェルミ面近くの電子の流れを遮断する機能を果たす。1つの実施形態では、フィルタ106は、半導体、例えば、Si又はGeの様な元素半導体又は、例えばIII−V族半導体など化合物半導体を備えている。代わりに、フィルタ106は、例えばSiO、CaO、又はAlNなど絶縁体を含んでいてもよい。様々な実施形態で、フィルタ106は、他の電荷キャリアを遮断しながら、高エネルギー電子及び/又は正孔を伝導することができる。例えば、1つの実施形態では、フィルタ106は、高エネルギー電子を伝導し、全ての他の電荷を遮断する。別の実施形態では、フィルタ106は、高エネルギー正孔を伝導し、全ての他の電荷を遮断する。別の実施形態では、高エネルギー電子と高エネルギー正孔は、共にフィルタ-106を通して輸送される。この最後の事例では、電流源100の出力電流の極性は、どちらの電荷キャリアが優勢かによって決まる。上記の実施形態を、図6に関連して以下に更に詳しく説明する。
コレクタ108は、金属でも、濃厚にドーピングされた半導体(例えば、約1017cm−3又はそれ以上のドーパント)でもよく、厚さは約10Åより厚ければどれほどでもよい。コレクタ108に外部電気接続を設ける場合には、少なくとも約1ミクロンの厚さがなくてはならない。コレクタ108は、ある場合には半導体フィルタ106とのオーム接触を形成するように選定し、他の場合には整流接触を形成するように選定する。図8に示すように、主にフェルミレベルの面状態のピン止めが、金属と半導体の間のバリアのサイズを決める。フィルタ106とコレクタ108の間のオーム接触は、この場合、フィルタ106のコレクタ側を濃厚にドーピングすることにより作ることができる。整流接触は、図9に示すように、バッファ層側の半導体を軽くドーピングすることにより、バッファ−フィルタ界面に作ることができる。この場合のコレクタ金属の選定は、隣接層との互換性に基づいて行うことができる。例えば、Snは良い選定であろう。
フィルタ106がII−VI族半導体、又は面状態のピン止めを持たない他の半導体である場合には、半導体と金属との間の接点の性質は、金属のフェルミレベルと、半導体の伝導帯及び価電子帯の各縁部との相対位置により決まることになる。例えば、PdとPtはZnOと整流接触を形成する。SnとAlは、ZnOとオーム接触を形成する。
ソース金属内の励起プロセスは、フェルミエネルギーとはかけ離れた、平衡統計力学により予測されるものよりも多くの電子と正孔を発生させる。バッファ104は、それら活発な電荷が、ソース102の表面に到達し、バッファ104に入ってこれを通り抜けて、フィルタ106に進入することができるようにする。フィルタ106は、高エネルギー電荷の一部が通り抜けてコレクタ108に進入するのを許容する。コレクタ108は、普通の金属なので、フィルタ106を通過することができる高エネルギー電荷の余分を持っていない。その結果、コレクタ108には電荷が蓄積され、フィルタ106には電場が生じる。場は、反対方向に流れる平衡電流が生じるまで成長する。場があまりにも大きく成長し過ぎると、半導体に絶縁破壊が起こって、フィルタとしての能力が破壊される。
また、フィルタ106とコレクタ108は、絶縁破壊が起きないように、十分な逆電流が流れることができるようにする。これは、複数の方法で行うことができる。半導体が十分に薄ければ(約50Å)、コレクタ108からバッファ104又はソース102へのトンネル現象が起こり得る。半導体が、例えば非晶質のシリコン又はゲルマニウムなどの様に十分な欠陥を有している場合は、禁制帯の真ん中の欠陥状態を通る伝導が起こり得る。コレクタ金属がフィルタ層半導体とオーム接触を形成している場合は、ショットキーダイオードが形成される。コレクタ内に電荷が蓄積されると、ショットキーダイオードはコレクタからソースの方向に順方向バイアスが掛かり、平衡逆電流が生じ得る。
フィルタ106内の半導体がドーピングされておらず、本来的に高い抵抗を有している場合、フィルタ106の厚さは、出力電流を不安定にすることになる空間電荷効果を防止するため、約100乃至200Åに制限される。半導体がドーピングされているか低抵抗である場合、厚さは約100Åを超えてもよい。
考えられる半導体には、数ある中でもSi、Ge、GaAs、AlAs、AlSb、SnOが含まれる。使用できる絶縁体には、MgOとCaOが含まれる。半導体が先に論じたように確率増幅も提供している場合は、多数の局在化フォノンモードを有している。混合物半導体としては、例えば、AlGa1−x又はAlAsSb1−x又はZnOxS1−xなどがあり、ここに、xは約0.25から0.75まで変化することができる。これら混合体は良好な半導体ではあるが、多くの局在化モードを含む不規則なフォノンスペクトルを有している。それらのモードは、交番電場を提供し、これが外から印加された磁場と組み合わされると、ソースに確率増幅を提供する。有機半導体の様な更に複雑な半導体も使用することができる。
上述のように、電流源100は、金属及び半導体及び/又は絶縁体の、一連の薄層102、104、106、及び108を含んでいる。各層102、104、106、及び108は、それらが互いに接触するように真空蒸着により製作することができる。電流ソース100の製作には異なった真空蒸着技術が適合しうる。これらの真空蒸着技術としては、スパッタリング、化学気相蒸着、及び電子ビーム蒸着が挙げられる。
堆積は、真空チャンバ内で起こる。チャンバには、真空を維持することができる容器が含まれる。チャンバは、電流をチャンバ内部のワイヤに送ることができるようにする電気的フィードスルーと、真空配管と弁を介して真空ポンプに接続されており、容器内の対象を動かすことができるようにする、運動フィードスルーを有している。真空チャンバは、蒸着の間、約10−6トル(1.33×10−4Pa)未満の真空を維持する。蒸着される材料は、例えば、タングステンフィラメント製の円錐形のバスケットに入れられている。蒸着される材料がワイヤ又は箔の形態であれば、タングステンフィラメントに巻きつけるだけでよい。タングステンフィラメントの一端を電気的フィードスルーに接続し、タングステンフィラメントの他端を、電気的接地として機能する容器の壁に接続する。外部から電気的フィードスルーに電圧を印加すると、フィラメントを通って電流が流れ、フィラメントとそれに接している材料が加熱される。十分な電流が流れると、材料は蒸発するのに十分なほど高温になる。真空中にあるので、原子は全方向に実質的に均一に放出される。対象物は、蒸発した材料を受け取るのに最適な位置に移動できるように、運動フィードスルーに接続された保持具上に置かれている。材料は、概ね、全方向に実質的に均一に放出されるので、対象物に当たる量、従って層の厚さは、バスケット内の材料の単純な形状と量の知識、及びバスケットから対象物までの距離から算出することができる。1つの層の蒸着が完了すると、対象物を新たな位置に移動させ、次の層の材料を保持している別のバスケットに電流を流して、プロセスを繰り返す。このようにして、多量の不純物を界面に発生させることなく各層が製作される。堆積した材料が対象物を均一に覆わずに、対象物の表面に島を形成する可能性があるので、隣り合う層の材料の選択には注意が払われ、特に、非常に薄い層についてそうである。
代表的な素子は、鋼の基板の上に一連の層が形成されている。これらの層は、1000ÅのSn、100ÅのGe、30ÅのPb、及び1000ÅのPdを含んでもよい。30ÅのPbの層はバッファを形成している。この配列は、必要に応じて何度も繰り返すことができる。この配列を必要な回数だけ繰り返した後、最後の層である1ミクロン(1μm)のSnを堆積させる。材料を充填し直すために真空を破る場合には、Pdの堆積後にこれを行ってもよい。そうすると、Pdと次のSn層の間にPdOの(約20Åの)薄層が導入される。1000ÅのSnの層はコレクタ層を形成し、Geはフィルタを形成し、30ÅのPbの層はバッファを形成し、Pdはソースを形成する。
鋼の基板は、直径が約1cmの通常の鋼製ワッシャでよい。この鋼の基板を洗浄し、蒸留水で濯ぎ、例えば窒素ガスを使用して乾燥させる。鋼の基板は、更に柔らかい綿布を使用して、適当な輝きで光るように研磨してもよい。例えばSnの単層を堆積させてもよい。この層が、例えばスコッチテープ(商標)の一片など、接着剤で剥ぎ取れるようであれば、基板を再度洗浄する。
適切な洗浄の後、ディスクを保持具に載せて、蒸着材料をバスケットの中に入れるかワイヤに載せる。上記各層を堆積させる場合、Snはバスケットに入れ、Geはバスケットに入れ、Pbはバスケットに入れ、Pdワイヤはタングステンフィラメントに巻き付ける。システム内部を排気し、10−6トル(1.33×10−4Pa)の真空が達成されるまで継続的に吸い出しを行う。真空システムの1つの例では、これに2時間かかる。
上記真空が達成できたら、堆積を開始することができる。最初に、Snを1000Å堆積させ、次いでGeを100Å堆積させ、続いてPbを30Å堆積させる。Geはこの段階では非晶形である。基板を、400Kに30分間加熱し、非晶質Geを多結晶Ge層に変える。多結晶Ge層の形成後、Pdを1000Å堆積させるが、PdはAgでドーピングされている。この手順を繰り返すために、チャンバを開けて、Sn、Ge、Pb、及びPdを再度充填する。チャンバを排気して、手順を繰り返す。最後に、1ミクロンの層のSnを堆積させる。次いで、ディスクの上部と下部に、金属導電体を、導電性エポキシで取り付けるか、又ははんだ付けして、電気的接続をする。
図6a、図6b、図6cは、異なる電流源の実施形態のバンド図を示している。これらの実施形態のそれぞれでは、ソース102の伝導帯の上端は、コレクタ108の伝導帯の上端と整列している。図6aに示す実施形態では、ソース102内で励起された電子は、バッファ104を突き抜け、フィルタ106を横断して、コレクタ108の伝導帯の空の部分に入り込む。図示のように、フィルタ106の価電子帯の頂上は、ソース102の伝導帯の底より下にある(即ち、それより低いエネルギーを有している)。換言すると、フィルタ106は半導体又は絶縁体の何れかであるが、このフィルタ106の禁制帯の底は、ソース102の伝導帯の底よりも下に在る。而して、フィルタ106の禁制帯には状態が無いので、電子の励起によりソース102に発生した正孔は、ソース102に留まる。
しかしながら、図6bに示す実施形態では、フィルタ106の価電子帯は、ソース102の伝導帯の底よりも上に伸びており、一方、伝導帯の底は励起した電子のエネルギーよりも高いエネルギーの位置にある。而して、ソース102内の正孔は、バッファ104を突き抜け、フィルタ106を横断して、コレクタ108の伝導帯の占有されている部分に入り込み、一方、ソース102に発生した励起電子は、フィルタ106の禁制帯には状態がないので、ソース102に留まる。
図6cに示す実施形態では、ソース102内で励起された電子と局在化状態で残された正孔は、共に、バッファ104を突き抜け、フィルタ106を横断して移動する。電子は移動してコレクタ108の伝導帯の空の部分に入り込み、正孔は移動してコレクタ108の伝導帯の占有されている部分に入り込む。図示のように、フィルタ106の禁制帯は、フィルタ106の価電子帯の頂上がソース102の伝導帯の底よりも上になり、フィルタ106の伝導帯の底がソース102の励起された電子のエネルギーレベルよりも下になるほど、十分に小さい。
図7a、図7b、及び図7cは、異なる電流ソースのバンド図と、これに付帯する等価回路並びに電流対電圧のグラフを示している。図7aに示すように、電子はソース102からコレクタ108の伝導帯の空の部分に移り、順方向電流Iを形成する。更に、コレクタ108の伝導帯の占有された部分の電子は、コレクタ108からフィルタ106の禁制帯を突き抜けてソース102のコレクタに至り、逆電流Iを形成する。逆電流Iの大きさは、電流源100を跨ぐ電圧、すなわちコレクタ108内の伝導帯の占有されている部分の頂上のエネルギーと、フィルタ106内の伝導帯の底のエネルギーの差に比例し、フィルタ106の厚さが増すにつれ指数関数的に小さくなる。電流源100の等価回路図は、図示のように、並列に繋がれた抵抗器R(電流源100の抵抗)を有する理想的な電流源のように見えるので、電流ソース100を跨ぐ電圧は抵抗Rに対して線形である。而して、順方向電流Iは一定であるが、逆電流Iは、電流ソース100を跨ぐ電圧Vに比例して線形に上昇する。
図7bに示すように、逆電流を上昇させることのできる別のメカニズムは、フィルタ106の禁制帯の欠陥ホッピングにより作り出される電流である。即ち、例えばフィルタ106の格子の不完全さに起因してフィルタ106に欠陥が存在し、それら欠陥が禁制帯に欠陥状態を作り出している場合、欠陥電流Iが生まれるかもしれない。図7aと同じように、図7bの電流ソース100の等価回路図は、並列に繋がれた抵抗器R(電流源100の抵抗)を有する理想的な電流源のように見える。而して、順方向電流Iは一定であるが、逆電流Iは、電流ソースを跨ぐ電圧Vに比例して線形に上昇する。
図7cに示すように、逆電流を上昇させることのできる別のメカニズムは、ソース102とコレクタ108の存在により、フィルタ106内に確立される内部電場により作り出される電流である。即ち、電流源100を製作するとき、フィルタ106の伝導帯と価電子帯の各縁部を、コレクタ108とバッファ108(存在する場合)の間の界面でピン止めすることができる。言い換えると、これにより、ソース102とコレクタ108の伝導帯同士が整列し、而して内部電場が確立されたときに、フィルタ106内の伝導帯と価電子帯が曲げられるかもしれない。この場合、図7cの電流源100の等価回路図は、並列に繋がれたダイオードD(電流源100の抵抗)を有する理想的な電流ソースのように見える。ダイオードの電流は電圧に対して指数関数的に上昇するので、ここでもやはり、順方向電流Iは一定であるが、逆電流IDIODEは、電流ソース100を跨ぐ電圧Vに対して線形に上昇する。
なお、明細書及び図面は、限定的な意味合いではなく例示的な意味合いを持つと捉えられるべきであり、全てのその様な変更は、本発明の範囲内に含まれるものとする。ここで使用する用語「備える」「備えている」又はそのこの他の変形は、非排他的な包含をカバーするものとし、要素一覧を備えているプロセス、方法、物品、又は装置は、これら要素のみならず、明示的には掲載されていないか又はその様なプロセス、方法、物品、又は装置に固有である他の要素も含むものとする。
従って、上記詳細な説明は、限定ではなく説明を目的としたものであると捉えられるべきであり、本発明の精神と範囲を定義するのは、全ての等価物を含め、特許請求の範囲であると理解頂きたい。また、上記説明中の何物も、特許請求の対象である本発明の範囲及びそのあらゆる等価物を否定するものではない。
電流源の1つの実施形態を示している。 図1のソースの或る実施形態での電子の移動を説明する帯の図解を示している。 図1のソースの或る実施形態での電子の移動を説明する帯の図解を示している。 図1のソースの或る実施形態での電子の移動を説明する帯の図解を示している。 図1の実施形態における、励起対温度の比及び最小検出温度対Ni組成の比のグラフである。 図1の実施形態における、励起対温度の比及び最小検出温度対Ni組成の比のグラフである。 図1のソースの実施形態における、W、Pd、及びNiのL対温度のグラフである。 図1のソースの実施形態における、W、Pd、及びNiのL対温度のグラフである。 図1のソースの実施形態における、W、Pd、及びNiのL対温度のグラフである。 図1の実施形態における、ソースと異なるバッファの帯の図解を示している。 図1の実施形態における、ソースと異なるバッファの帯の図解を示している。 異なる電流ソースの実施形態の帯の図解を示している。 異なる電流ソースの実施形態の帯の図解を示している。 異なる電流ソースの実施形態の帯の図解を示している。 異なる電流ソースの実施形態の、帯の図解、及び関係付けられた等価回路と電流−電圧のグラフを示している。 異なる電流ソースの実施形態の、帯の図解、及び関係付けられた等価回路と電流−電圧のグラフを示している。 異なる電流ソースの実施形態の、帯の図解、及び関係付けられた等価回路と電流−電圧のグラフを示している。 電流ソースの或る実施形態のフィルタ−コレクタ領域の帯の図解を示している。 電流ソースの或る実施形態のソース−バッファ−フィルタ領域の帯の図解を示している。

Claims (22)

  1. 伝導帯と、前記伝導帯の底の局在化状態と、フェルミ面と、確率増幅とを有する金属を含んでいるソースであって、前記金属の前記局在化状態における十分な量の電子が前記金属の前記フェルミ面にまで励起されるようにされた、ソースと、
    前記ソースに接し、禁制帯を有する層と、
    前記介して前記ソースと接続されているコレクタと、
    を備えており、
    前記金属の前記局在化状態が前記禁制帯と整列している、電流源。
  2. 前記金属は、不規則金属を含んでいる、請求項1に記載の電流源。
  3. 前記金属は、複数の異なる金属を含み、前記異なる金属の原子がランダムに配置されている、請求項に記載の電流源。
  4. 前記金属は、純粋な遷移金属を含んでいる、請求項1に記載の電流源。
  5. 前記金属は不純物を含んでいる、請求項1に記載の電流源。
  6. 前記金属が非遷移金属を含む場合には、前記不純物が周期律表において前記非遷移金属と同列となる物質であり、前記金属が遷移金属を含む場合には、前記不純物が周期律表において前記遷移金属と同列又は右側の列となる物質である、請求項5に記載の電流源
  7. 前記金属は鉛を含み、前記不純物はビスマスを含んでいる、請求項5に記載の電流源。
  8. 前記ソースに対し実質的に垂直な磁界を印加するための磁界源を更に備えており、前記金属は実質的に不規則性ではない、請求項1に記載の電流源。
  9. 前記ソースに対し磁界と平行でない向きの交番電界を印加するための電界源をさらに含む、請求項8に記載の電流源。
  10. 前記電界源は前記層からなっており、前記層は、高密度の光学活性な局在化フォノンモードを有している、請求項9に記載の電流源。
  11. 前記層はバッファを更に備え、前記バッファは金属、半導体、又は絶縁体の内の少なくとも1つを含んでおり、前記バッファと前記コレクタとの間にフィルタが更に設けられている、請求項1に記載の電流源。
  12. 前記バッファの厚さは、約10〜50Åである、請求項11に記載の電流源。
  13. 基板を更に備えており、前記基板の上には複数の構造体が形成され、各構造体が前記ソースと前記フィルタと、前記コレクタを備えている、請求項に記載の電流源。
  14. 前記金属は非遷移金属を含み、前記確率増幅が前記金属の物理表面の100Å以内に生成される、請求項1に記載の電流源。
  15. 伝導帯と、前記伝導帯の底の局在化状態と、フェルミ面と、確率増幅とを有する金属を含んでいるソースであって、前記金属の前記局在化状態における十分な量の電子が前記金属の前記フェルミ面にまで励起されるようにされた、ソースと、
    前記ソースに接し、禁制帯を有するバッファであって、帯電したキャリアが通過するのを許容するのに十分な厚さを有するバッファと、
    前記バッファに接している半導体フィルタと、
    前記フィルタに接しているコレクタと、
    を備えており、
    前記金属の前記局在化状態が前記バッファの前記禁制帯と整列している、電流源。
  16. 前記金属は、不規則金属を含んでいる、請求項15に記載の電流源。
  17. 前記金属は、複数の異なる金属を含み、前記異なる金属の原子が不規則に配置されている、請求項16に記載の電流源。
  18. 前記金属は、純粋な遷移金属を含んでいる、請求項15に記載の電流源。
  19. 前記金属は不純物を含んでおり、前記金属が非遷移金属からなる場合には、前記不純物が、周期律表において前記非遷移金属と同列となる物質であり、前記金属が遷移金属からなる場合には、前記不純物が、周期律表において前記遷移金属と同列又は右側の列となる物質である、請求項15に記載の電流源。
  20. 前記ソースに対し実質的に垂直な磁界を印加するための磁界源と、前記ソースに対し磁界と平行でない向きの交番磁界を印加するための電界源と、を更に備えており、前記金属は実質的に不規則性ではない、請求項15に記載の電流源。
  21. 前記バッファは、高密度の光学活性な局在化フォノンモードを有し、前記電界源は前記バッファを含む、請求項20に記載の電流源。
  22. 基板を更に備え、前記基板の上には複数の構造体が形成され、各構造体が前記ソースと、前記バッファと、前記フィルタと、前記コレクタを備えている、請求項21に記載の電流源。
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