JP5014379B2 - 機会原油の精製装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、原油の精製装置及び方法に関し、特に、精製過程で装置の腐食を防止するとともに、安価の代替重油原料を生産するようにした機会原油の精製装置及び方法に関する。
一般に、原油のうち、一般原油と構成成分及び性状が異なり、少量採掘で生産される原油を機会原油(opportunity crude)と称するが、産地別に名称が区分されることもある。例えば、アフリカスーダン産の機会原油をDar Blendと呼び、チャド産の機会原油をDoba Blendと呼ぶが、Dar BlendとDoba Blendとはほぼ同様な性質を持っている。
上記のような機会原油から精製過程によって生産されるバンカーC油が、規格として限定する引火点である70℃以上を満たすためには、機会原油中に約3〜4%含まれた低沸点成分を除去しなければならない。
この機会原油に含まれた約3〜4%の低沸点成分を除去するために一般の製油所等が常圧条件で精製すると、装置に深刻な腐食を引き起こす物質が含まれることがある。
具体的には、高温で分解されて装置を大きく腐食させる塩酸を生成する塩(例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等)が多く含まれており、さらに、蒸留塔のリボイラーを腐食させる酸分(例えば、ナフテン酸(Naphthenic Acids)成分:その含量をTAN(Total Acid Number)で表示する。)も多く含まれており、装置に腐食を引き起す。
そして、酸分が特に、多いことから原油の粘度が非常に高い。常温で機会原油は固体として存在するが、その理由は一般原油に比べてTAN値が非常に高いためである。
一方、機会原油には硫黄成分が0.1%以下であるため、一般の製油所の精油工程で発生する硫黄成分による腐食は大きな問題にはならない。
一般の製油会社の原油は、機会原油を一般原油に少量添加して脱塩器(一般的に電気式脱塩器を使用し、全世界でNATCO社の脱塩器を多く使用する)容量に合わせて原油を使用しており、このようにして脱塩工程を経た原油は360〜380℃まで加熱炉で加熱された後に常圧蒸留塔に供給されて、ナフサ、ガソリン、灯油、軽油等を生産し、次の工程からは真空で運転して残留軽油を回収し、高沸点物質を生産する。
上記脱塩工程を経た原油中の塩の含量は、過去には1.5PTB(part per Thousand Barrel)以下で管理していたが、最近では脱塩技術の発達と、腐食の最小化による装置腐食防止を通じて工場整備期間を最小化にすることで生産性を向上させる目的から、脱塩器出口において塩の含量を0.15PTBに下げて管理している。
一方、塩化マグネシウムは、分解温度が約200℃と低く、分解時に塩化水素ガスを発生する。上記の脱塩器運転においてもpH調節のための薬品と乳化剤等、添加剤を注入せねばならず、精油工程には、酸分によるリボイラーの腐食防止のためにリン酸エステル等、様々な腐食防止剤を使用しなければならない。
ところが、機会原油を用いてバンカーC油に取って代わる燃料を直接生産しようとする時は、塩成分が高い上にTAN値も大きいため、粘度が普通170cP(60℃条件)であって脱塩器運転条件である粘度5cP(60℃条件)を満たすことはできず、機会原油には脱塩器の適用が不可能という問題があった。
さらに、上記脱塩器は、運転コストと設置コストも多くかかるという副次的な問題も抱えている。そこで、腐食を防止できる運転条件を研究して見出し、その代替工程を開発することによって、機会原油を用いて燃料として多く使用されるバンカーC油を生産する技術への開発が望まれてきた。引火点を満たすとしても、少量を使用する一部の消費者たちにとっては保管及び移送等において問題が発生する可能性があり、したがって、特に、この消費者たちが要求する低粘度燃料も部分的に供給するためには別の粘度改善剤を用いて供給しなければならない。
図1は、一般的な原油精製装置で機会原油を精製する方法を説明するための概略構成図である。
一般的な原油の精製装置は、図1に示すように、原油貯蔵タンク10、脱塩器(Desalter)20、加熱炉30、常圧蒸溜塔40及び真空蒸留塔50を含んで構成される。
ここで、原油貯蔵タンク10は原油を貯蔵している。この原油には、塩、鉄酸化物、砂等、各種固体が溶けている。
原油貯蔵タンク10に貯蔵された原油が供給される脱塩器20は、該原油中の塩分を除去する装置であり、170℃〜260℃に予熱される。この時、少量の機会原油を脱塩器20に供給すると共にpH調節のための薬品と乳化剤等の添加剤を注入し、酸分による装置の腐食防止のために、リン酸エステル等の様々な腐食防止剤を供給する。
加熱炉30は、脱塩工程を経た混合物である原油と機会原油を常圧蒸留するために必要な温度、すなわち、360〜380℃に加熱する装置である。この時、原油の蒸留または製品の種類によって異なるが、約340℃まで加熱する。
常圧蒸留塔40は、原油を沸点の差によって、LPG、ナフサ、灯油、軽油、バンカー油の油分に分離する装置で、原油構成成分が一定の圧力と温度で蒸発しようとする特性がそれぞれ異なることを利用して分離する。すなわち、内部の温度と圧力を高さによって異ならせることで、混合されている油分を分離するもので、ほぼ大気圧に等しい常圧で運転されることから常圧蒸留塔と呼ばれる。
常圧蒸留塔40は、内部が約30〜40個の段から構成され、上段から凝縮して流下する液相成分と、下段から気化して上昇する気相成分との接触を通じて原流を分離している。
一方、常圧蒸留塔40は、さらに、少量添加して使用する上記機会原油に含まれている約3〜4%の低沸点成分を除去する役割も果たす。
真空蒸留塔50は、真空で運転し、常圧蒸留塔40で分離された原油中に残留する軽油を回収することによって、高沸点のオイルを生産する役割を果たす。
このように、上記した構成の一般的な原油精製装置では、機会原油を一般原油に少量添加し、脱塩器20の容量に応じて原油を使用しており、また、このようにして脱塩工程を経た原油は、加熱炉30を経由して常圧蒸留塔30に供給され、ナフサ、ガソリン、軽油、灯油等を生産し、続いて、真空蒸留塔50での真空運転によって高沸点物質を生産する。この真空運転工程で、燃料として多く使われるバンカーC油を生産している。
しかしながら、上記のような機会原油のみを精油する分野についての技術は特に開発されていない現状である。
すなわち、機会原油を用いてバンカーC油に取って代わる燃料を直接生産しようとする時は、前述したように、塩成分が多く且つTAN値が大きいから、脱塩器の適用が不可能という問題がある。さらに、脱塩器は、運転コストと設置コストが多くかかるという副次的な問題もある。
本発明は、上記の従来の問題を解決するために見出されたものであり、その目的は、機会原油を精製する際に装置腐食に影響を与えない運転条件を見出し、脱塩器を使用せずに装置腐食も防止する真空運転条件で精油を行なってバンカーC油を生産するようにすることによって、安価の燃料を生産し、メーカの原価節減に大きく寄与できるようにした機会原油の精製装置及び方法を提供することである。
上記目的を達成するための本発明に係る機会原油の精製装置は、機会原油を貯蔵する機会原油貯蔵タンクと、該機会原油貯蔵タンクに貯蔵された機会原油を受け取り、その低沸点成分を真空で除去すると共に、引火点70℃以上の重油であるバンカーC油を生産する真空蒸留塔と、該真空蒸留塔で生産されたバンカーC油を貯蔵する貯蔵部と、を含んでなることを特徴とする。
また、上記目的を達成するための本発明に係る機会原油の精製方法は、貯蔵タンクに貯蔵された機会原油が提供され、その低沸点成分を真空状態で除去すると共に引火点70℃以上のバンカーC油を生産する段階と、低沸点成分を受け取って急冷処理し、低沸点凝縮油を生産する段階と、引火点70℃以上のバンカーC油を貯蔵する段階と、貯蔵された引火点70℃以上のバンカーC油に流動点改善油を混合して、低粘度バンカーC油を生産する段階と、を含んでなることを特徴とする。
本発明による機会原油の精製装置及び方法は、下記のような効果がある。
第一に、機会原油を脱塩器及びTANによる腐食防止のための添加剤等を使用せずに蒸留塔を運転することによって、装置腐食を防止しながら精油し、引火点70℃以上の重油(バンカーC)代用燃料を生産でき、経済的な精油工程を実現できる。
第二に、真空運転精油法で引火点を満たすために低沸点成分3〜4%を真空で除去すが、このとき、真空ポンプの前段に急冷器(chiller)を設置して液化させることによって、真空ポンプ容量の最小化、工程の安定化、及び有効成分の最大回収という効果を得ることができる。
第三に、精油工程で蒸留塔の下部から製品を生産(96〜97%)するようになるが、エネルギー節減と、熱による分解の最小化という面で製品と原油とを熱交換し、この熱交換によって生産製品の温度を60〜70℃とすることによって、製品タンクでの取り扱いと、船舶またはタンクローリーへの積み込みとを容易にさせ、エネルギー節減と熱源供給設備の最小化が図られ、投資費を節減できる。
第四に、常温でも取り扱い易い製品に対する一部消費者の要求に応じて、製品固有の引火点を満たしながら使用できる高沸点で且つ粘度の低い混合油を混合して流動点を改善し、その結果市場の多角化を通じた売上げの増加を図り、経済性を確保することができる。
図1は、一般的な原油精製装置で機会原油を精製する方法を説明するための概略構成図である。 図2は、本発明による機会原油の精製装置を示す概略構成図である。 図3は、TANによる腐食テストの結果を示すグラフである。 図4は、TANによる腐食テストの結果を示すグラフである。 図5は、本発明による機会原油の精製方法を示すフローチャートである。
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明による機会原油の精製装置及び方法についてより、詳細に、かつ、具体的に説明する。
図2は、本発明による機会原油の精製装置を示す概略構成図である。
同図の機会原油の精製装置は、機会原油貯蔵タンク110、熱交換器120、真空蒸留塔130、リボイラー140、急冷器150及び貯蔵部160を含んで構成される。
機会原油貯蔵タンク110は機会原油を貯蔵するためのもので、この機会原油中には、バンカーCの引火点規格値である引火点70℃以上を満たすために除去しなければならない成分、例えば、低沸点のブタン、ペンタン、シクロペンタン、メチルペンタン、ジメチルブタン、ジメチルペンタン、ノーマルヘキサン等であって、沸点70℃以下の成分が約3〜4%含まれている。
すなわち、この機会原油には、代表的には、高温で分解されて装置を大きく腐食させる塩酸を生成する塩(塩化カルシウム、塩化マグネシウム等)が含まれており、蒸留塔のリボイラーを腐食させる酸分(ナフテン酸成分、TAN)も多く含まれている。
この機会原油は38℃程度の流動点を有するもので、機会原油貯蔵タンク110に50℃程度で保管されており、その時の粘度は250cP程度である。
一方、流動点以上では粘度がバンカーC油よりも低いが、酸分含量のために常温ではチョコレートのように硬い固体形態となる。したがって、機会原油貯蔵タンク110から真空蒸留塔130への原油配管は、万一の場合に配管内で機会原油が硬くならないように、スチームジャケットまたはスチームトレーシングを設置したリボイラー140を含む。
すなわち、機会原油貯蔵タンク110と真空蒸留塔130間には、製品と原料とを熱交換させて熱を回収する熱交換器120と、精油塔に熱源を供給するリボイラー140とが構成されている。
下の表1は、機会原油に含まれた成分の真沸点(True Boiling Point)と収率(体積%)との関係を、表2は、機会原油の代表物性値を、それぞれ表している。
Figure 0005014379
表1
機会原油の特性上、分布は異なるが、一般原油とは違い、ガソリンと軽油に該当する部分が非常に少ない。一方、表1の真沸点実験は、15段ガラス蒸留器を使用し、還流比は5:1として実験した結果である。
Figure 0005014379
表2
真空蒸留塔130は、リボイラー140を通じて一定の温度に加熱されながら供給される機会原油を受け取り、約3〜4%の低沸点成分を除去しながら引火点70℃以上のバンカーC油を生産する。
すなわち、真空蒸留塔130は、機会原油に対して脱塩器を使用せずに真空圧力の条件下で蒸留塔を運転して装置腐食を防止しながら精油し、引火点70℃以上のバンカーC油を生産する。
ここで、真空蒸留塔130は、上部から沸点成分を排出し、下部から96〜97%である製品を生産するようになるが、このとき、エネルギー節減と熱による分解を最小化する目的から、熱交換器120を通じて製品と原油を熱交換して使用する最適の工程条件で進行する。この場合、熱交換器120の熱交換後に生産される製品の温度を60〜70℃とし、貯蔵部160での取扱いと船舶またはタンクローリーへの積み込みを容易にする。
表3は、真空圧力条件下の蒸留塔の上部除去量(Overhead cut、O/H cut)関連試験(腐食防止のために150℃以下で運転)を示すもので、このとき、引火点を満たすためにテスト実施した。理論段数15段のガラスで製作された蒸留塔を使用し、無還流条件で回分式実験した結果を示している。すなわち、表3は、150℃条件でO/H cut比率と引火点との関係を示すものである。
Figure 0005014379
(表3)
表4は、真空圧力条件による蒸留塔の上部除去量(Overhead cut、O/H cut)関連試験(腐食防止のために130℃以下で運転)を示すもので、このとき、引火点を満たすためにテスト実施した。理論段数15段のガラスで製作された蒸留塔を使用し、無還流条件で回分式実験した結果を示している。すなわち、表4は、130℃条件でO/H cut比率と引火点との関係を示すものである。
Figure 0005014379
表4
急冷器150は、真空蒸留塔130から分離された低沸点成分を凝縮し、真空ポンプ(図示せず)を設けて液化することで、真空ポンプ容量を最小化し、工程を安定して進行する。
すなわち、真空蒸留塔130を用いて70℃以上の引火点を満たすために低沸点成分3〜4%を除去する工程を真空で運転するには大型の真空ポンプが必要であるが、この問題を解決するために、真空ポンプの前段に急冷器150を設置して液化することによって、真空ポンプ容量を最小化し、工程を安定的に進行することができる。
表5は、理論段数10のPilot蒸留塔で真空条件下に運転したもので、表3及び表4は回分式運転、表5は連続式運転したものである。凝縮器は、ドライアイスを使用する急冷器であり、低沸点成分を凝縮し、無還流運転で実施する。
Figure 0005014379
(表5)
表5は、工程が安定化した後に3時間間隔で8個のサンプルを採取してテストした。O/H低沸点物質(C5以下、C5〜75℃)は、ドライアイスを使用して−5℃条件下で凝縮収集をした。
急冷器150は、ドライアイスを使用して真空蒸留塔130から分離された低沸点成分を凝縮し、低沸点凝縮油を排出する。
貯蔵部160は、真空蒸留塔130から蒸留されたバンカーC油を受け取って貯蔵し、ここに外部からの流動点改善油を混合し、低粘度バンカーC代替油を生産する。
ここで、流動点改善油を混合する理由は、一部の消費者は常温でも取り扱いやすい製品を要求することがあるためである。すなわち、このような要求に応じて、製品固有の引火点を満たしながら使用できる高沸点で、かつ、粘度の低い混合油を混合して供給している。
図3及び図4は、TANによる腐食テスト結果を示すグラフである。
図3及び図4に示されるように、SET Laboratories, Inc.(12873 Capricorn Drive Stafford, Texas, USA)のCritical Review of Naphthenic Acid Corrosion(paper No.380)に記載された資料によると、150℃以下でTANによる腐食が発生しないことがわかる。
表6には、機会原油を精製して得られた製品に流動性改善油を混合してテストした結果を示す。
Figure 0005014379
(表6)
表6に示すように、機会原油製品は、流動点が約40℃であるから、流動点に関して、B−重油(Bunker-B、流動点10℃)及びC−重油(Bunker-B、流動点30℃以上)よりも高いので、使いやすくするために常温で流動性を呈するように、低粘度混合油を混合した。その流動点をテストした結果、混合油を10〜12%混合した時に経済性混合油が得られた。
図5は、本発明による機会原油の精製方法を示すフローチャートである。
本発明による機会原油の精製方法は、図5に示すように、まず、機会原油を機会原油貯蔵タンクに貯蔵する(S100)。
ここで、機会原油中には、バンカーCの引火点規格値である引火点70℃以上を満たすために除去しなければならない成分、例えば、低沸点のブタン、ペンタン、シクロペンタン、メチルペンタン、ジメチルブタン、ジメチルペンタン、ノーマルヘキサン等の沸点70℃以下の成分が、約3〜4%が含まれている。
すなわち、機会原油には、代表として、高温で分解されて装置を大きく腐食させる塩酸を生成する塩(塩化カルシウム、塩化マグネシウム等)が含まれており、蒸留塔のリボイラーを腐食させる酸分(ナフテン酸成分、TAN)も多く含まれている。
機会原油は、流動点が38℃程度で、機会原油貯蔵タンク中に50℃程度で保管されており、この時の粘度は250cP程度である。
一方、流動点以上では粘度がバンカーC油よりも低いが、酸分含量のために常温ではチョコレートのように硬い固体形態となる。
続いて、機会原油貯蔵タンクから真空蒸留塔への原油供給配管は、万一の場合に配管内で機会原油が硬くならないようにスチームジャケットまたはスチームトレーシングを設置し、機会原油を一定の温度に加熱する(S120)。
一方、真空蒸留塔は、上部から沸点成分を排出し、下部から96〜97%となる製品を生産することになるが、エネルギー節減と、熱による分解を最小化するという目的から、製品と原油を熱交換器に通して熱交換して使用する最適の工程条件として進行する(S130)。
ここで、熱交換器の熱交換後に生産される製品の温度を60〜70℃とし、貯蔵部での取扱いと船舶またはタンクローリーへの積み込みを容易にさせる。
続いて、機会原油貯蔵タンクに貯蔵された機会原油を受け取り、真空状態で機会原油に含まれた約3〜4%の低沸点成分を除去すると共に、重油、バンカーC代替油を生産する(S140)。
続いて、真空状態で低沸点成分を受け取って急冷処理し、真空ポンプを用いて低沸点凝縮油を生産する(S150)。
その後、真空状態で生産された重油、バンカーC油代替油を貯蔵する(S160)。
そして、真空状態で生産された重油、バンカーC油代替油に流動点改善油を混合して、低粘度バンカーC代替油を生産する(S170)。
以上、具体的な実施例及び添付の図面により、本発明を説明してきたが、本発明はそれらに限定されず、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で様々な置換、変形例及び変更例が可能であるということは、本発明に属する技術分野における通常の知識を有する者(いわゆる当業者)にとっては明白である。

Claims (14)

  1. 機会原油を貯蔵する機会原油貯蔵タンクと、
    該機会原油貯蔵タンクに貯蔵された機会原油を受け取ってその低沸点成分を真空で除去すると共に、引火点70℃以上の重油であるバンカーC油を生産する真空蒸留塔と、
    該真空蒸留塔から生産されたバンカーC油を貯蔵する貯蔵部と、
    を、含んでなり、そして、
    該真空蒸留塔が、該機会原油を110〜150℃の温度で真空処理することを特徴とする、
    機会原油の精製装置。
  2. 前記低沸点成分が、前記真空蒸留塔の上部から排出され、前記引火点70℃以上のバンカーC油は、前記真空蒸留塔の下部から排出されることを特徴とする、請求項1に記載の機会原油の精製装置。
  3. 前記機会原油貯蔵タンクから前記真空蒸留塔に提供される前記機会原油を、一定温度で加熱するリボイラーをさらに含んでなることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の機会原油の精製装置。
  4. 前記真空蒸留塔から排出された前記低沸点成分を急冷させて、低沸点凝縮油を生産する急冷器をさらに含んでなることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の機会原油の精製装置。
  5. 前記急冷器で生産された前記低沸点凝縮油を排出させる真空ポンプをさらに含んでなることを特徴とする、請求項4に記載の機会原油の精製装置。
  6. 前記貯蔵部に流動点改善油を混合して低粘度バンカーC油を生産することを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の機会原油の精製装置。
  7. 前記貯蔵部が、前記バンカーC油を60〜70℃に貯蔵することを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の機会原油の精製装置。
  8. 前記真空蒸留塔が、回分式または連続式運転を通じてバンカーC油を生産することを特徴とする、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の機会原油の精製装置。
  9. 前記機会原油貯蔵タンクから前記真空蒸留塔への機会原油の配管に、スチームジャケットまたはスチームトレーシングを設置し、前記機会原油が配管内で硬くなるのを防止することを特徴とする、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の機会原油の精製装置。
  10. 前記機会原油貯蔵タンクと前記真空蒸留塔との間に、製品と原料とを熱交換させて熱を回収する熱交換器をさらに含んでなることを特徴とする、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の機会原油の精製装置。
  11. 貯蔵タンクに貯蔵された機会原油を受け取ってその低沸点成分を真空状態で除去すると共に、引火点70℃以上のバンカーC油を生産する工程と、
    前記低沸点成分を受け取って急冷処理して低沸点凝縮油を生産する工程と、
    前記引火点70℃以上のバンカーC油を貯蔵する工程と、
    前記貯蔵された引火点70℃以上のバンカーC油に流動点改善油を混合して、低粘度バンカーC油を生産する工程と、
    を、含んでなり、そして、
    該機会原油を110〜150℃の温度で真空処理することを特徴とする、
    機会原油の精製方法。
  12. 前記機会原油が、一定の温度に加熱された状態で提供することを特徴とする、請求項11に記載の機会原油の精製方法。
  13. 前記急冷処理が、ドライアイスを使って低沸点成分を凝縮することを特徴とする、請求項11又は請求項12に記載の機会原油の精製方法。
  14. 前記バンカーC油に流動点改善油を10〜12%混合することを特徴とする、請求項11から請求項13のいずれか1項に記載の機会原油の精製方法。
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