JP5014209B2 - プラズマディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プラズマディスプレイパネルの製造方法に関し、特に、パネル内に存在する不純ガスを排出する方法に関するものである。
プラズマディスプレイパネル(以下、PDPという)は、高精細化、大画面化の実現が可能であることから、例えば65インチ以上の大型サイズのテレビジョンなどの画像表示デバイスに用いられている。
PDPは、前面板と背面板とを対向配置して周辺部を封着用シール材によって封着した構造を有している。前面板と背面板との間には放電空間が形成され、当該放電空間にはNe(ネオン)及びXe(キセノン)などの放電ガスが封入されている。前面板は、ガラス基板の一方の面に形成された複数の表示電極と、これらの表示電極を覆う誘電体層と、当該誘電体層を覆う誘電体保護層とを備えている。背面板は、ガラス基板の一方の面に形成された複数のアドレス電極と、これらのアドレス電極を覆う下地誘電体層と、放電空間をアドレス電極毎に区画するように形成された隔壁と、隔壁の側面と下地誘電体層とで形成される溝部に順次塗布された赤色、緑色、及び青色の蛍光体層とを備えている。表示電極とアドレス電極とは互いに直交しており、その交差部が放電セルになる。これらの放電セルはマトリクス状に配列されており、表示電極の延在方向に並ぶ赤色、緑色、及び青色の蛍光体層を有する3個の放電セルが、カラー表示のための画素になる。PDPは、順次、各電極間に所定の電圧を印加してガス放電を発生させ、そのガス放電によって生じる紫外線で蛍光体層を励起して可視光を発光させることによりカラー画像を表示することができる。
従来、前面板の誘電体保護層の材料としては、酸化マグネシウムがよく用いられている。しかしながら、酸化マグネシウムのような金属酸化物は、水や二酸化炭素などの不純ガスを吸着し、水酸化化合物や炭酸化合物を容易に形成するという性質がある。このため、上記構成のPDPの製造工程において、誘電体保護層を形成した後、前面板と背面板のアライメント、基板搬送、封着などの工程を大気中で行った場合には、大気中の水分子が不純ガスとなる恐れがある。この場合、当該水分子が誘電体保護層に吸着され、当該水分子と誘電体保護層の材料とが反応して、水酸化化合物や炭酸化合物が形成されることとなる。水酸化化合物や炭酸化合物は、本来の金属酸化物に比べて2次電子放出効率が低いものである。このため、放電開始電圧が上昇して放電効率や発光効率が低下し、また、耐スパッタ特性を低下させて信頼性が低下するという問題が生じる。従って、誘電体保護層に吸着された水分子を、誘電体保護層の材料と反応する前に除去する必要がある。
一方、最近では、前面板の誘電体保護層の材料として、PDPの動作電圧を低減するために、2次電子放出効率が酸化マグネシウムよりも高い、アルカリ土類金属の酸化物(例えば、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウムなど)を用いることが提案されている。しかしながら、これらのアルカリ土類金属の酸化物は、吸湿性が酸化マグネシウムよりも高いため、誘電体保護層として酸化マグネシウムを用いるよりもアルカリ土類金属の酸化物を用いる方が、不純ガスの除去は困難である。
上記問題を解決する方法として、前面板と背面板との間を、封着用シール材を溶融、固化することによって封着するときに、所定のタイミングで前面板と背面板との間にガラス管を通じて乾燥ガスを導入することで、吸着された不純ガスを除去する方法(例えば、特許文献1参照)がある。
図13〜図15は、従来例のPDPの製造工程を模式的に示す説明図である。ここでは、前面板と背面板とが対向配置され、その周辺部に固化前の封着用シール材が配置されたものを「パネル」という。また、前記封着用シール材が溶融、固化した後、前面板と背面板との間に放電ガスが封入されたものを「PDP」という。
まず、図13を用いて、初期セッティング状態について説明する。
図13において、パネル101を構成する前面板110と背面板120とは、互いの電極(表示電極,アドレス電極)形成側の面が対向するように配置され、その周辺部には、例えば低融点ガラスなどの封着用シール材130が配置されている。前面板110及び背面板120は、封着用シール材130を介して所定の隙間を空けて密着するように板バネ141により付勢されて固定されている。このようにして構成されるパネル101は、当該パネル101に対して所定の温度プロファイルで加熱を行う加熱炉148内に配置されている。
また、背面板120には、第1及び第2のガラス管142,143がパネル101内と連通するように接続されている。第1のガラス管142は、加熱炉148を貫通し、排気弁144を介して排気装置145に接続されている。第2のガラス管143は、加熱炉148を貫通し、ガス供給弁146を介して乾燥ガス導入装置147に接続されている。第1及び第2のガラス管142,143と背面板120との間には、パネル及びガラス管内の気密性を確保するためにシール材が設けられ、それらは板バネ(図示せず)で固定されている。
次に、PDPの製造工程について説明する。
まず、加熱炉148内を加熱して、パネル101の温度を室温(例えば約25℃)から封着用シール材130の軟化点温度(例えば約350℃)まで上昇させる。この間において、ガス供給弁146を開け、乾燥ガス導入装置147から第2のガラス管143を通じてパネル101内へ乾燥ガス161を導入する。これにより、図14に示すように、パネル101内の圧力が高くなって前面板110と背面板120とが互いに離れる方向に凸状に反るように変形する。なお、このとき、封着用シール材130の表面の粗さ(凹凸)により、封着用シール材130と前面板110との間には微細な隙間(図示せず)が生じている。このため、パネル101内に存在していた水蒸気などの不純ガスが、パネル101内へ導入された乾燥ガス161に押されて、当該微細な隙間を通じてパネル101の外部に排出される。これにより、パネル101内の圧力が過剰に高くなることが抑えられ、パネル101内の圧力が外部の圧力よりも例えば1kPa程度高い状態で保持される。一方、微細な隙間から外部の空気がパネル101内に流入することを防ぐことができ、パネル101内を乾燥ガス161で充満させることができる。なお、上記とは逆に、パネル101内の圧力が外部の圧力より小さい場合には、微細な隙間を通じて大気中の不純ガスがパネル101内に流入することとなる。このため、この封着用シール材130の軟化点温度まで上昇させる工程においては、排気弁144を開けてパネル101内を減圧状態にしてはいけない。
上記工程により、パネル101内に存在していた不純ガスが乾燥ガス161に置換されるとともに、背面板120の表面の残留有機成分が燃焼及び分解されてパネル101の外部へ排出される。
次いで、加熱炉148の加熱により、パネル101の温度を封着用シール材130の軟化点温度以上であるピーク温度(例えば約450℃)まで上昇させて、封着用シール材130を完全に溶融させる。これにより、溶融した封着用シール材130により微細な隙間が封止される。なお、このとき、封着用シール材130は、固化していない状態であるので、封着用シール材130の散逸や基板の割れを防止するために、ガス供給弁146及び排気弁144を閉じて乾燥ガス161の導入及び排気は行わないようにする。
次いで、加熱炉148の加熱により、パネル101の温度をピーク温度から封着用シール材130の軟化点温度以下まで下降させる。封着用シール材130は軟化点温度以下では凝固するので、ガス供給弁146の閉状態を維持して乾燥ガス161の導入を行わず、排気弁144を開けて排気装置145により第1のガラス管142を通じてパネル101内のガス162を図15に示すように排気する。この結果、放電空間となるパネル101内に水蒸気などの不純ガスが閉じ込められることがなく、残留不純ガスを低減することができる。
次いで、パネル101内に所定の圧力になるまで放電ガスを導入する。その後、第1及び第2のガラス管142,143をバーナーなどにより溶断して、それらが接続されていた穴を封止する。これにより、パネル101内の放電空間の雰囲気が固定され、PDPの製造が完了する。
しかしながら、上記従来例の方法においては、加熱炉148内の温度を室温から封着用シール材130の軟化点温度まで上昇させる際に、微細な隙間から不純ガスを排出するようにしているので、パネル101内に導入する乾燥ガス161の流量を大きくし過ぎると、パネル101内の圧力上昇により前面板110及び背面板120が破損する恐れがある。従って、乾燥ガス161の流量を大きくするのにも限界があり、結果としてパネル101内の不純ガスを乾燥ガス161に置換する能力を十分に確保することができない。
また、上記従来例の方法においては、加熱炉148内の温度をピーク温度まで上昇させるときにおいても、パネル101の外部への封着用シール材130のはみ出し及び吸い込みを防止するために、パネル101内を一定範囲内の圧力にする必要がある。また、このピーク温度まで上昇させる工程においては、上記微細な隙間が封止された状態であるので、パネル101内を一定範囲内の圧力にするために、乾燥ガス161をさらに導入することができない。したがって、ガス置換や排気が不完全で、結果的に不安定な放電特性となるという課題があった。
この課題を解決する方法としては、例えば、特許文献2,3に開示された方法がある。特許文献2の方法は、前面板及び背面板のそれぞれのガラス基板の熱膨張係数の差を利用したり、一方のガラス基板を真空吸着したりすることによって、一方のガラス基板を凸状に反らせてコンダクタンスを大きく確保し、不純ガスの排気能力を向上する方法である。また、特許文献3の方法は、パネル内の圧力がパネルの外部の圧力よりも高くなるように制御して、各基板を互いに離れる方向に凸状に反らせることによってコンダクタンスを大きく確保し、不純ガスの排気能力を向上する方法である。
特開平5-234512号公報 特開2005−56732号公報 特開2002−229468号公報
しかしながら、誘電体保護層としてアルカリ土類金属の酸化物を用いたPDPの製造においては、上記各方法を用いても誘電体保護層の表面を変質させる不純ガスを十分に除去することはできない。
また、上記特許文献2における一方のガラス基板と他方のガラス基板との熱膨張係数を異ならせる方法では、ガラス基板の選定に大きく制約を受けることになる。また、パネルの封着工程において、パネルの温度は、上述したように室温から400℃程度までの広い温度範囲で変化する。ガラス基板の熱膨張量は温度に応じて変化するものであるため、パネルの封着工程の間、コンダクタンスを一定に確保することはできず、結果的に不純ガスの排気能力を十分に確保することができない。
また、上記特許文献2における真空吸着によりガラス基板を変形させる方法では、当然ながら真空吸着のための機器が別途必要となる。また、ガラス基板を真空吸着しながら、封着のための熱処理を行うため、パネルの搬送や封着のための装置の構成が極めて複雑となり、実現は容易ではない。
また、特許文献3の方法では、パネル内の圧力とパネルの外部の圧力差を制御するために、パネルを完全に収納できる大きさのチャンバーが必要となる。また、封着工程中において、上述したようにパネルの温度は大きく変化し、その温度に応じて不純ガスの放出量も大きく変化する。このため、乾燥ガスの導入量、チャンバー内の排気、パネル内の排気などを、上記変化に応じて精度よく制御する必要がある。このような制御を実現するには、圧力制御及び封着のための装置の構成が極めて複雑となり、実現は容易ではない。
従って、本発明の目的は、上記問題を解決することにあって、パネル内に存在する不純ガスの排気能力を従来例よりもさらに向上させて、PDPの放電効率、発光効率、及び信頼性の向上を図ることができるPDPの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の第1態様によれば、互いの間に放電空間が形成されるように対向配置した第1の基板と第2の基板との間の空間を、その空間の周辺部に配置した封着用シール材により封着する封着工程を含むプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
上記封着工程は、
上記第1及び第2の基板の間の空間に乾燥ガスを導入しながら、室温から軟化点温度まで第1の昇温を行って、上記周辺部に配置した封着用シール材を軟化させ、
上記第1の昇温後、上記空間への上記乾燥ガスの導入及び上記空間内のガスの排気を制御することにより、上記第1及び第2の基板が互いに平らな非弾性変形位置と、上記第1及び第2の基板のうちの少なくとも一方が他方の基板から離れる方向に凸状に反った弾性変形位置とに、交互に弾性変形させながら、上記軟化点温度から上記軟化点温度よりも高い溶融温度まで第2の昇温を行って、上記軟化した封着用シール材を溶融させ、
上記第2の昇温後、上記溶融温度から上記軟化点温度より低い温度まで降温を行って、上記溶融した封着用シール材を凝固させて上記第1及び第2の基板を封着し、
上記降温後、上記空間内を排気したのち上記空間内に放電ガスを封入すること、
を含み、
上記第2の昇温中において、
上記第1及び第2の基板の上記非弾性変形位置から上記弾性変形位置への弾性変形は、上記空間に上記乾燥ガスを導入することにより行われ、
上記第1及び第2の基板の上記弾性変形位置から上記非弾性変形位置への弾性変形は、上記第1及び第2の基板のうちの少なくとも一方の弾性力により、上記空間内のガスを上記空間内から押し出し排気することにより行われる、
プラズマディスプレイパネルの製造方法を提供する。
本発明の第2態様によれば、互いの間に放電空間が形成されるように対向配置した第1の基板と第2の基板との間の空間を、その空間の周辺部に配置した封着用シール材により封着する封着工程を含むプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
上記封着工程は、
上記第1及び第2の基板の間の空間に乾燥ガスを導入しながら、室温から軟化点温度まで第1の昇温を行って、上記周辺部に配置した封着用シール材を軟化させ、
上記第1の昇温後、上記空間への上記乾燥ガスの導入及び上記空間内のガスの排気を制御することにより、上記第1及び第2の基板が互いに平らな非弾性変形位置と、上記第1及び第2の基板のうちの少なくとも一方が他方の基板から離れる方向に凸状に反った弾性変形位置とに、交互に弾性変形させながら、上記軟化点温度から上記軟化点温度よりも高い溶融温度まで第2の昇温を行って、上記軟化した封着用シール材を溶融させ、
上記第2の昇温後、上記溶融温度から上記軟化点温度より低い温度まで降温を行って、上記溶融した封着用シール材を凝固させて上記第1及び第2の基板を封着し、
上記降温後、上記空間内を排気したのち上記空間内に放電ガスを封入すること、
を含み、
上記降温時において、上記溶融温度から上記軟化点温度近傍まで降温するとき、上記非弾性変形位置と上記弾性変形位置とに上記第1及び第2の基板を交互に弾性変形させない、プラズマディスプレイパネルの製造方法を提供する。
本発明の第3態様によれば、上記第2の昇温中における上記空間内のガスの排気は、上記第1及び第2の基板のうちの少なくとも一方の弾性力を利用して行われる、第2態様に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法を提供する。
本発明の第4態様によれば、上記乾燥ガスには、N、He、Ne、Ar、Xe、Kr、Oのうちのいずれか1つが含まれる、第1〜3態様のいずれか1つに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法を提供する。
本発明の第態様によれば、上記第1の昇温は、上記空間への上記乾燥ガスの導入及び上記空間内のガスの排気を制御することにより、上記非弾性変形位置と上記弾性変形位置とに上記第1及び第2の基板を交互に弾性変形させながら行なわれる、第1〜態様のいずれか1つに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法を提供する。
本発明の第態様によれば、上記乾燥ガスの導入は、流量が徐々に増えるようにして行われる、第1〜態様のいずれか1つに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法を提供する。
本発明にかかるPDPの製造方法によれば、上記空間への上記乾燥ガスの導入及び上記空間内のガスの排気を制御することにより、上記第1及び第2の基板を上記非弾性変形位置と上記弾性変形位置とに交互に弾性変形させながら、上記軟化点温度から上記溶融温度までの第2の昇温を行う。これにより、封着用シール材の散逸やパネル間の間隔のバラツキが生じないような圧力の範囲内に上記空間内の圧力を抑えることができ、上記軟化点温度から上記溶融温度までの第2の昇温時においても、ガス置換を行うことができる。なお、不純ガスは、上記溶融温度付近において、パネルの表面から最も離脱しやすい状態にある。従って、パネル内に存在する不純ガスの排気能力を従来例よりもさらに向上させて、PDPの放電効率、発光効率、及び信頼性の向上を図ることができる。また、これにより、PDPの長寿命化を図ることができる。
本発明の記述を続ける前に、添付図面において同じ部品については同じ参照符号を付している。
以下、本発明の最良の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
《第1実施形態》
本発明の第1実施形態にかかるPDPの製造方法を説明する前に、まず、図1を用いて当該PDPの製造方法に使用する第1の基板の一例である前面板と第2の基板の一例である背面板の基本構造について説明する。
図1において、前面板10は、例えば硼硅酸ナトリウム系ガラス又は鉛系ガラスなどで構成された前面ガラス基板11を備えている。前面ガラス基板11の一面上には、帯状の表示電極12が、互いに平行に複数配列(ストライプ状に形成)されている。また、前面ガラス基板11の一面上には、それぞれの表示電極12を覆うように形成されてコンデンサとしての働きをする誘電体層13が配置されている。誘電体層13上には、誘電体層13を覆うように誘電体保護層14が形成されている。前面板10は、ある程度の曲げを許容できるように弾性を有している。
また、図1において、背面板20は、前面ガラス基板11と同様に構成された背面ガラス基板21を備えている。背面ガラス基板21の一面上には、帯状のアドレス電極22が、互いに平行に複数配列(ストライプ状に形成)されている。また、背面ガラス基板21の一面上には、それぞれのアドレス電極22を覆うように誘電体層23が形成されている。誘電体層23上には、複数の隔壁24がストライプ状に形成されている。互い隣り合う隔壁24,24の側面と誘電体層23とで形成される溝部26にはそれぞれ、蛍光体層25が塗布されている。蛍光体層25は、赤色蛍光体層25aと、緑色蛍光体層25bと、青色蛍光体層25cとで構成され、それらはアドレス電極22と直交する方向に順次形成されている。背面板20は、ある程度の曲げを許容できるように弾性を有している。
次に、図2〜図7を用いて、本発明の第1実施形態にかかるPDPの製造方法を説明する。図2〜図4は、本発明の第1実施形態にかかるPDPの製造工程を模式的に示す説明図である。図5は、本発明の第1実施形態にかかるPDPの製造工程を示すフローチャートである。図6は、封着用シール材と前面板との間に存在する微細な隙間を模式的に示す図である。図7は、当該PDPの製造工程におけるパネルの温度プロファイルを示す図である。なお、ここでは、前面板10と背面板20とが対向配置され、その周辺部に固化前の封着用シール材30が配置されたものを「パネル」という。また、封着用シール材30が溶融・固化した後、前面板10と背面板20との間に放電ガスが封入されたものを「PDP」という。
まず、図2を用いて、初期セッティング状態について説明する。
図2において、パネル1を構成する前面板10と背面板20とは、互いの電極(表示電極12,アドレス電極22)形成側の面が対向し且つ互いの電極が直交するように配置され、その周辺部には、例えば低融点ガラスなどの封着用シール材30が配置されている。前面板10及び背面板20は、封着用シール材30を介して所定の隙間を空けて密着するように板バネ41により付勢されて固定されている。このようにして構成されるパネル1は、当該パネル1に対して図7に示す温度プロファイルとなるように加熱を行う加熱炉48内に配置されている。
また、背面板20には、第1及び第2のガラス管42,43がパネル1内と連通するように接続されている。第1のガラス管42は、加熱炉48を貫通し、排気弁44を介して排気装置45と接続されている。第2のガラス管43は、加熱炉48を貫通し、ガス供給弁46を介して乾燥ガス導入装置47に接続されるとともに、圧力逃がし弁50と接続されている。圧力逃がし弁50の開閉動作は、圧力制御部49により制御される。第1及び第2のガラス管42,43と背面板20との間には、パネル及びガラス管内の気密性を確保するためにシール材が設けられ、それらは板バネ(図示せず)で固定されている。
なお、各装置45,47、各弁44,46、加熱炉48、及び圧力制御部49は、図示しない主制御部に接続されており、それらの動作は図7に示す温度プロファイルに従って制御部の制御の下に行われる。
次に、PDPの製造工程について説明する。
まず、ステップS1では、加熱炉48内を加熱して、パネル1の温度を、図7に示すように、室温T1(例えば約25℃)から封着用シール材30の軟化点温度T2(例えば約350℃)まで上昇させる第1の昇温h1を行う。この第1の昇温の間において、ガス供給弁46を開け、乾燥ガス導入装置47から第2のガラス管43を通じてパネル1内へ乾燥ガス61を連続的に導入する。これにより、図3に示すように、パネル1内の圧力が高くなって、前面板10と背面板20とが、互いに平らな非弾性変形位置1Aから互いに離れる方向に凸状(例えば一方の基板の中央の点に関して、非弾性変形位置1Aから弾性変形位置1Bまでの距離が0.3mm〜3mm)に反った弾性変形位置1Bまで弾性変形する。
このとき、封着用シール材30と前面板10との間には、図5に示すように微細な隙間31が生じている。このため、パネル1内に存在していた水蒸気などの不純ガスが、パネル1内へ導入された乾燥ガス61に押されて、微細な隙間31を通じてパネル1の外部に排出される。これにより、パネル1内の圧力が過剰に高くなることが抑えられ、パネル1内の圧力が外部の圧力よりも例えば1kPa程度高い状態で保持される。一方、微細な隙間31から外部の空気がパネル1内に流入することを防ぐことができ、パネル1内を乾燥ガス61で充満させることができる。なお、上記とは逆に、パネル1内の圧力が外部の圧力より小さい場合には、微細な隙間31を通じて大気中の不純ガスがパネル1内に流入することとなる。このため、この第1の昇温時においては、排気弁44を開けてパネル1内を減圧状態にしてはいけない。
なお、ここで用いる乾燥ガス61としては、水蒸気をほとんど含まないガスであればよく、例えば、N、He、Ne、Ar、Xe、Kr、Oのうちのいずれか1つが用いられることが好ましい。これらのガスを用いることにより、不純ガスにより誘電体保護層14の表面が変質することを効果的に予防することができる。また、ガスの濃度は1ppm以下が好ましい。また、ガスの流量は20sccm〜10SLM程度が好ましい。流量が少なすぎると外部の大気が混入する恐れがあり、逆に流量が多すぎることはコスト的に不利である。
上記第1の昇温により、パネル1内に存在していた不純ガスが乾燥ガス61に置換されるとともに、背面板20の表面の残留有機成分が燃焼及び分解されてパネル1の外部へ排出される。
次いで、ステップS2では、加熱炉48の加熱により、パネル1の温度を、図7に示すように封着用シール材30の軟化点温度T2以上である溶融温度の一例としてのピーク温度T3(例えば約450℃)まで上昇させる第2の昇温h2を行い、封着用シール材30を完全に溶融させる。これにより、溶融した封着用シール材30により微細な隙間31が封止される。このとき、封着用シール材30は、固化していない状態であるので、この状態で高圧の乾燥ガス61をパネル1内に導入すると、封着用シール材30の散逸や前面板10と背面板20との間隔にバラツキが生じる恐れがある。
このため、上記シール材の散逸等の問題が生じないように、パネル1内が例えば約3〜20kPaの圧力の範囲内となるように、乾燥ガス61の流量を制御してパネル1内に導入する。これにより、パネル1内が加圧状態となり、パネル1は、図3の点線で示すように膨らんだ状態、すなわち弾性変形位置1Bまで弾性変形する
一方、このとき、溶融した封着用シール材30により微細な隙間31は封止された状態にあるので、パネル1内にさらに乾燥ガス61を導入した場合には、パネル1内の圧力が高くなって上記シール材の散逸等の問題が発生する。このため、圧力制御部49の制御により圧力逃がし弁50を開け、パネル1内の余剰なガス63を外部に排出する。その後、ガス供給弁10を閉じて乾燥ガス61の導入を停止する。これにより、非弾性変形位置1Aに戻ろうとするパネル1の弾性力によって、パネル1内の乾燥ガス61と不純ガスとが混在したガスが押されて、当該ガスが圧力逃がし弁50を通じて外部に排出される。その後、パネル1が、図3の実線で示すように元の平らな状態、すなわち非弾性変形位置1Aに戻る。
本第1実施形態においては、パネル1が非弾性変形位置1Aと弾性変形位置1Bとに交互に弾性変形するように、ガス供給弁46と圧力逃がし弁50の開閉を制御する。これにより、上記シール材の散逸等の問題が生じないようにパネル1内の圧力を抑えつつ、パネル1内の不純ガスを排出するのに十分な量の乾燥ガス61をパネル1内に供給することが可能になる。なお、不純ガスは、温度が高い程、パネル1の表面から離脱しやすい。このため、このステップS2では、ステップS1よりも効率よく不純ガスを排気することができる。なお、排気弁8の開閉を制御することにより、パネル1内のガスを排気することも可能である。しかしながら、本第1実施形態のように、パネル1の弾性変形を利用してパネル1内の不純ガスを排気するようにした方が、その制御が容易である。
次いで、ステップS3では、加熱炉48の加熱により、パネル1の温度をピーク温度T3から封着用シール材30の軟化点温度T2近傍(軟化点温度T2より低い)まで下降させる第1の降温h3を行う。これにより、封着用シール材30が徐々に固化していく状態になる。
なお、このとき、ステップS2と同様に、非弾性変形位置1Aと弾性変形位置1Bとにパネル1を交互に弾性変形させてガス置換を行うこともできる。この場合、さらに不純ガスの排気能力を向上させることができる。一方、上記パネル1を交互に弾性変形させるガス交換を行わないようにした場合には、以下の利点がある。すなわち、ステップS2と同様に上記パネル1を交互に弾性変形させるガス交換を行った場合には、非弾性変形位置1Aと弾性変形位置1Bとの間で弾性変形する瞬間にパネル1内の圧力が大きく変動する。上記第1の降温時においては、封着用シール材30が未だ固化していない状態であるので、上記圧力変動があった場合、図9に示すように、封着用シール材30中に気泡32が発生する恐れがある。図9は、図8の太線で囲まれる部分を拡大した図である。この気泡32の複数が連結して封着用シール材30を貫通した状態で封着用シール材30が凝固した場合には、リーク不良につながる恐れがある。従って、上記パネル1を交互に弾性変形させるガス交換を行わないようにすることで、リーク不良の発生を確実に抑えることができる。また、パネル1の封着後において、連結した気泡32を通じて不純ガスがパネル1内に侵入することも防止できる。
次いで、ステップS4では、加熱炉48の加熱により、パネル1の温度を軟化点温度T2近傍(例えば約330℃)からそれより低い温度まで下降させる第2の降温h4を行う。これにより、封着用シール材30が完全に凝固し、前面板10と背面板20とが接着される。なお、この状態においても、パネル1が非弾性変形位置1Aと弾性変形位置1Bとに交互に弾性変形するようにして、ガス置換を行うことが可能である。これにより、不純ガスの排気能力を向上させることができる。
次いで、ステップS5では、ガス供給弁46の閉状態にして乾燥ガス61の導入を行わず、排気弁44を開けて排気装置45により第1のガラス管42を通じてパネル1内のガス62を図4に示すように排気する。この結果、放電空間となるパネル1内に水蒸気などの不純ガスが閉じ込められることがなく、残留不純ガスを低減することができる。
次いで、ステップS6では、パネル1内に所定の圧力になるまで放電ガスを導入する。当該放電ガスとしては、Xe(キセノン)や、Ne(ネオン)とXeの混合ガス、あるいはそれらのガスにHe(ヘリウム)を混合させたもので挙げられる。その後、第1及び第2のガラス管42,43をバーナーなどにより溶断して、それらが接続されていた穴を封止する。これにより、パネル1内の放電空間の雰囲気が固定され、PDPの製造が完了する。
このような製造方法により製造されたPDPにおいては、パネル1内への乾燥ガス61の導入及びパネル1内のガスの排気を制御することにより、パネル1を非弾性変形位置1Aと弾性変形位置1Bとに交互に弾性変形させながら、軟化点温度T2からピーク温度T3まで第2の昇温h2を行う。これにより、封着用シール材の散逸やパネル間の間隔のバラツキが生じないような圧力の範囲内に上記空間内の圧力を抑えることができ、第2の昇温時においても、ガス置換を行うことができる。従って、パネル1内に存在する不純ガスの排気能力を従来例よりもさらに向上させて、PDPの放電効率、発光効率、及び信頼性の向上を図ることができる。また、これにより、PDPを長時間駆動させても、放電電圧・輝度等の変化が少なく、パネル寿命に優れたPDPを製造できる。また、仕事関数が酸化マグネシウムより小さいアルカリ土類金属の酸化物(例えば酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウムなど)を誘電体保護層14として用いた場合においても、安定な放電特性を得ることができる。また、上記製造方法により製造されたPDPにおいては、誘電体保護層14の表面に変質層がほとんどなく、背面板20の表面への不純ガスの吸着も極めて少ないため、エージングがほとんど不要か、又は極めて短時間で済むという利点がある。
また、本発明の第1実施形態にかかるPDPの製造方法によれば、安定したプロセスで従来例の封着工程で発生した蛍光体の発光特性劣化を抑えることが可能となり、且つ放電特性が安定したPDPが実現できる。また、特殊な治具を必要とせず、パネル1内に連続的に乾燥ガス61を導入することができ、常にパネル1内を乾燥ガス雰囲気に保つことができる。
《第2実施形態》
次に、図10を用いて、本発明の第2実施形態にかかるPDPの製造方法について説明する。図10は、本発明の第2実施形態にかかるPDPの製造方法を示すフローチャートである。本第2実施形態は、第1の昇温h1を行うステップS1に代えて、ステップS11を行う点で上記第1実施形態と異なる。それ以外の点については、上記第1実施形態と同様であるので、重複する説明は省略し、主に相違点について説明する。
第1の昇温時において、第2のガラス管43を通じてパネル1内に導入された乾燥ガス61は、上述したように余剰分が隙間31(図6参照)から排出される。しかしながら、上記第1実施形態のように乾燥ガス61を連続的に導入する場合、乾燥ガス61の導入圧力が高すぎると、例えば図11Aに示すように、乾燥ガス61の流れ方向が一定となり且つ流速が一定となる恐れがある。この場合、乾燥ガス61がパネル1内に均一に供給されず、不純ガスの除去にムラが生じ、不純ガスがパネル1内に残留する部分が生じる恐れがある。従って、結果として不純ガスの排出能力が不十分となる可能性がある。
このため、本第2実施形態においては、ステップS11において、パネル1内への乾燥ガス61の導入及びパネル1内のガスの排気を制御して非弾性変形位置1Aと弾性変形位置1Bとにパネル1を交互に弾性変形させながら、第1の昇温h1を行うようにしている。このようにしてガス置換を行った場合、乾燥ガス61は、以下のように流れる。すなわち、乾燥ガス61を導入したときにおいては、パネル1内が加圧状態となり、乾燥ガス61は、隙間31(図6参照)から排出される。一方、乾燥ガス61の導入を停止するとともに圧力逃がし弁50を開けてパネル1内のガスを排出するときには、パネル1が弾性変形位置1Aから非弾性変形位置1Bまで弾性変形することによって、パネル1内の余剰な乾燥ガス61が、図11Bに示すように流れる。すなわち、乾燥ガス61は、パネル1の中央部から放射状に広がり、隙間31から排出されるようになる。従って、不純ガスの除去を均一に行うことができる。これにより、不純ガスの排出能力を向上させて、PDPの色ムラや輝度のムラを抑えることができ、パネル特性に優れたPDPを製造することができる。
《第3実施形態》
次に、本発明の第3実施形態にかかるPDPの製造方法について説明する。本第3実施形態は、以下の点を除いて上記第1実施形態と同様であるので、重複する説明は省略し、主に相違点について説明する。
本第3実施形態では、乾燥ガス61の導入を、その流量が徐々に増すようにして行う。より具体的には、例えば、圧力制御部49でパネル3内の圧力を監視しながら、乾燥ガス供給装置11の設定流量を徐々に増やすようする。これにより、第2のガラス管43近傍の局所的、瞬間的な昇圧、乾燥ガス61の流量のオーバーシュートを防止することができ、パネル1の割れや封着用シール材30の散逸等の問題を防止することができる。この結果、PDPの製造工程においての不良率を低減し、歩留まり向上を実現することができる。
なお、乾燥ガス供給装置11の設定流量を徐々に増やす具体的方法としては以下の方法が挙げられる。例えば、乾燥ガス供給装置11より乾燥ガス61を連続的に供給したまま、ガス供給弁46を徐々に開けることで実現できる。また、乾燥ガス供給装置11より乾燥ガス61を連続的に供給したまま、圧力逃がし弁50を徐々に開けることでも実現できる。後者の場合、パネル1内に許容される分だけ乾燥ガス61が導入されることとなり、パネル1内を常に微陽圧の状態に保つことができる。これにより、パネル1内に外部から隙間31を通じて不純ガスが流入することを防ぐことができる。また、逃がし側をガス導入側よりもコンダクタンスを大きく取ることにより、ガス導入によりパネル1内の急な昇圧を防止することができる。これによりパネル1の割れなどの不良を防止することができる。さらに、圧力逃がし弁50の制御に加えて、ガス導入ラインにMFC(マスフローコントローラ)を設けて流量制御をしてもよい。このような構成にすることによってガス供給弁46や圧力逃がし弁50の開閉回数を少なくすることができ、装置寿命を大幅に延ばすことができる。
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。例えば、誘電体保護層14は、典型的には酸化マグネシウムであるが、これに微量の元素(シリコン、アルミニウムなど)を添加したものであってもよい。一般的には、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウムのうち少なくとも1種類以上を含むことが望ましい。酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウムを用いることにより、駆動電圧の低いPDPが実現できる。
また、封着用シール材30としてガラスフリットを用いる場合、当該ガラスフリットを塗布した後、前面板10と背面板20のアライメントの前に、当該ガラスフリットの仮焼成を行ってもよい。また、背面板20の蛍光体層25の形成時に、あらかじめ蛍光体層25を焼成することなく、上記ガラスフリットの仮焼成と同時に一括して蛍光体層25を焼成することも可能である。
また、上記では、ガスの導入用と排気用として2つのガラス管42,43を使用したが、図12に示すように設備の簡略化のために1つのガラス管43がガスの導入と排気の機能を兼用するようにしてもよい。この場合でも、上述した製造方法と手順的には同じである。但し、PDPの色ムラや輝度のムラ等を抑えることを優先する場合には、上述したガスの導入用と排気用として2つのガラス管42,43を使用する方が好ましい。
また、上記では、面放電型のPDPを例示したが、対向放電型のPDPなど、封着するための熱工程が必要なPDPの全てに適用することができる。
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本発明にかかるPDPの製造方法は、パネル内に存在する不純ガスの排気能力をさらに向上させて、PDPの放電効率、発光効率、及び信頼性を向上させることができるので、
例えば、小型から大型の薄型テレビジョン、高精細テレビジョン、又は薄型情報機器端末など、映像機器産業、情報機器産業、宣伝機器産業、産業機器やその他の産業分野に用いられる画像表示デバイスとして有用である。
本発明の第1実施形態にかかるPDPの製造方法に使用する前面板及び背面板の基本構造を模式的に示す斜視図である。 本発明の第1実施形態にかかるPDPの製造工程を模式的に示す説明図である。 図2に続く工程を模式的に示す説明図である。 図3に続く工程を模式的に示す説明図である。 本発明の第1実施形態にかかるPDPの製造工程を示すフローチャートである。 封着用シール材と前面板との間に存在する微細な隙間を模式的に示す説明図である。 本発明の第1実施形態にかかるPDPの製造工程におけるパネルの温度プロファイルを示すグラフである。 第1の降温時に非弾性変形位置と弾性変形位置とにパネルを交互に弾性変形させたときの様子を示す説明図である。 図8の太線で囲まれた部分の拡大図である。 本発明の第2実施形態にかかるPDPの製造工程を示すフローチャートである。 乾燥ガスが一方向に流れる例を示す説明図である。 乾燥ガスがパネルの中央部から放射状に流れる様子を示す説明図である。 本発明の変形形態にかかるPDPの製造工程において、背面板に接続するガス導入用及びガス排気用のガラス管を1つにした場合の各部及び各装置の配置を模式的に示す説明図である。 従来例にかかるPDPの製造工程を模式的に示す説明図である。 図13に続く工程を模式的に示す説明図である。 図14に続く工程を模式的に示す説明図である。
符号の説明
1 パネル
10 前面板
11 前面ガラス基板
12 表示電極
13 誘電体層
14 誘電体保護層
20 背面板
21 背面ガラス基板
22 アドレス電極
23 誘電体層
24 隔壁
25 蛍光体層
26 溝部
30 封着用シール材
31 隙間
32 気泡
41 板バネ
42 第1のガラス管
43 第2のガラス管
44 排気弁
45 排気装置
46 ガス供給弁
47 乾燥ガス供給装置
48 加熱炉
49 圧力制御部
50 圧力逃がし弁
61 乾燥ガス
62,63 ガス

Claims (6)

  1. 互いの間に放電空間が形成されるように対向配置した第1の基板と第2の基板との間の空間を、その空間の周辺部に配置した封着用シール材により封着する封着工程を含むプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
    上記封着工程は、
    上記第1及び第2の基板の間の空間に乾燥ガスを導入しながら、室温から軟化点温度まで第1の昇温を行って、上記周辺部に配置した封着用シール材を軟化させ、
    上記第1の昇温後、上記空間への上記乾燥ガスの導入及び上記空間内のガスの排気を制御することにより、上記第1及び第2の基板が互いに平らな非弾性変形位置と、上記第1及び第2の基板のうちの少なくとも一方が他方の基板から離れる方向に凸状に反った弾性変形位置とに、交互に弾性変形させながら、上記軟化点温度から上記軟化点温度よりも高い溶融温度まで第2の昇温を行って、上記軟化した封着用シール材を溶融させ、
    上記第2の昇温後、上記溶融温度から上記軟化点温度より低い温度まで降温を行って、上記溶融した封着用シール材を凝固させて上記第1及び第2の基板を封着し、
    上記降温後、上記空間内を排気したのち上記空間内に放電ガスを封入すること、
    を含み、
    上記第2の昇温中において、
    上記第1及び第2の基板の上記非弾性変形位置から上記弾性変形位置への弾性変形は、上記空間に上記乾燥ガスを導入することにより行われ、
    上記第1及び第2の基板の上記弾性変形位置から上記非弾性変形位置への弾性変形は、上記第1及び第2の基板のうちの少なくとも一方の弾性力により、上記空間内のガスを上記空間内から押し出し排気することにより行われる、
    プラズマディスプレイパネルの製造方法。
  2. 互いの間に放電空間が形成されるように対向配置した第1の基板と第2の基板との間の空間を、その空間の周辺部に配置した封着用シール材により封着する封着工程を含むプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
    上記封着工程は、
    上記第1及び第2の基板の間の空間に乾燥ガスを導入しながら、室温から軟化点温度まで第1の昇温を行って、上記周辺部に配置した封着用シール材を軟化させ、
    上記第1の昇温後、上記空間への上記乾燥ガスの導入及び上記空間内のガスの排気を制御することにより、上記第1及び第2の基板が互いに平らな非弾性変形位置と、上記第1及び第2の基板のうちの少なくとも一方が他方の基板から離れる方向に凸状に反った弾性変形位置とに、交互に弾性変形させながら、上記軟化点温度から上記軟化点温度よりも高い溶融温度まで第2の昇温を行って、上記軟化した封着用シール材を溶融させ、
    上記第2の昇温後、上記溶融温度から上記軟化点温度より低い温度まで降温を行って、上記溶融した封着用シール材を凝固させて上記第1及び第2の基板を封着し、
    上記降温後、上記空間内を排気したのち上記空間内に放電ガスを封入すること、
    を含み、
    上記降温時において、上記溶融温度から上記軟化点温度近傍まで降温するとき、上記非弾性変形位置と上記弾性変形位置とに上記第1及び第2の基板を交互に弾性変形させない、プラズマディスプレイパネルの製造方法。
  3. 上記第2の昇温中における上記空間内のガスの排気は、上記第1及び第2の基板のうちの少なくとも一方の弾性力を利用して行われる、請求項に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  4. 上記乾燥ガスには、N、He、Ne、Ar、Xe、Kr、Oのうちのいずれか1つが含まれる、請求項1〜3のいずれか1つに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  5. 上記第1の昇温は、上記空間への上記乾燥ガスの導入及び上記空間内のガスの排気を制御することにより、上記非弾性変形位置と上記弾性変形位置とに上記第1及び第2の基板を交互に弾性変形させながら行なわれる、請求項1〜のいずれか1つに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  6. 上記乾燥ガスの導入は、流量が徐々に増えるようにして行われる、請求項1〜のいずれか1つに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
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