JP5012204B2 - ハウジング装着中空糸膜モジュール - Google Patents

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Description

本発明は、ハウジング装着中空糸膜モジュールに関する。さらに詳しくは、束着管が胴体部とその両末端に接合されるヘッド部とからなり、それをハウジングに装着した中空糸膜モジュールに関する。
多孔質セラミックスは、化学的および熱的安定性が高いため、有機質分離膜が適用できないような工程において、分離膜あるいはその支持体としての利用が期待されている。中でも、中空糸膜形状の多孔質セラミックスは、比表面積が大きいなどすぐれた特性を有している。
このような中空糸膜形状の多孔質セラミックスを使用する場合には、これらを固定・密封する必要があり、そのために多孔質セラミックス中空糸膜群を束着管端部に嵌装させた貫通孔穿設平板の貫通孔に挿入し、貫通孔穿設平板の外面側をガラスシール材で被覆した多孔質セラミックス中空糸膜モジュールが、先に本出願人によって提案されている。
特開2004−267852号公報 特開2003−251164号公報
しかしながら、ここで提案された多孔質セラミックス中空糸膜モジュールには、次のような点で改善の余地がみられた。
(1)多孔質セラミックス中空糸膜群を、束着管両端部に嵌装させた貫通孔穿設平板の貫通孔に挿入するに際し、貫通孔穿設平板同士の向きをうまく合わせる必要があり、それに伴う貫通孔穿設平板を束着管端部に嵌装させるという作業が煩雑となる。
(2)嵌装させた貫通孔穿設平板を束着管内壁に嵌装させたときに生ずる隙間を確実に封止する必要がある。
(3)束着管は、基本的には円筒形なので、その外周面にシール部材を設け、ハウジング装着時のシールを行っているが、この場合にはモジュールをハウジングに装着する際、シール部材の締付力を受けながらモジュールをハウジング内に挿入する必要があり、作業性の点で問題がみられた。
(4)このような円筒形外周面でのシールには、一般にOリング等が用いられるが、モジュールの挿入時にOリングが捩れたりして、シール性を低下させるという問題を生じ易い。
(5)多孔質セラミックス中空糸膜モジュールの利点として高い耐熱性であることが挙げられるが、このような利点を十分に発揮させるためには、高温気密性を目的として、シール部材として例えばCリングやEリング等として知られる金属製シールを使用することが考えられるが、かかる円筒形状束着管外周面でのシール構成として、このような金属製シールを使用することは実際に困難である。
本出願人は先に、束着管が胴体部とその両末端に接合されるヘッド部とからなる中空糸膜モジュールにおいて、中空糸膜を挿通、固定するヘッド部と束着管胴体部との装着が容易であり、しかもこの中空糸膜モジュールをハウジングに収容する際の装着性が改善され、また金属製シールによる装着を可能とするものとして、束着管が胴体部とその両末端に接合されるヘッド部とからなり、胴体部はその側面に流体が流れる開口部を有する筒状部材から形成され、ヘッド部は鍔部、胴体接合部、および束着管開口部に中空糸膜を挿通し、固定する貫通孔が穿設された封止面から形成された中空糸膜モジュールを提案している(特開2008-238068号公報)。
ここに提案された中空糸膜モジュールは、中空糸膜、特に多孔質セラミックス中空糸膜を挿通させる貫通孔を有する部材として、ヘッド部材の封止面を用いているため、束着管胴体部との装着が容易になるという効果が奏せられる。
さらに、この中空糸膜モジュールには、ヘッド部に鍔部が設けられているので、ハウジングへの装着性が改善される。また、ハウジングへの装着に際し、例えばCリングやEリング等として知られる金属製シールを使用することができ、このことはハウジングに収容された中空糸膜モジュールの高温での使用を可能とさせる。
このような効果を奏する上記提案において、ヘッド部は一般にセラミックス製であるが、ヘッド部の鍔部(ヘッド鍔部)の厚みが厚すぎると、中空糸膜を固定封止するモジュール端面ガラス封止の際熱衝撃により割れ易く、逆に薄いと強度が低下し、キャップ部共締めの際に破損し易いとう相反する問題がある。
そこで、本出願人はまた、束着管が胴体部とその両末端に接合されるヘッド部とからなり、胴体部はその側面に流体が流れる開口部を有する筒状部材から形成され、ヘッド部は鍔部、胴体接合部、および束着管開口部に中空糸膜を挿通し、固定する貫通孔が穿設された封止面から形成された中空糸膜モジュールを用い、中空糸膜モジュールのヘッド鍔部をシール部材を介してキャップ部材と受け板とで挟み込んでハウジングに装着するに際し、ヘッド鍔部およびモジュール端面ガラス封止部の破損を有効に抑制したハウジング装着中空糸膜モジュールとして、中空糸膜モジュールのヘッド鍔部をシール部材を介してキャップ部材と受け板とで挟み込んでハウジングに装着するに際し、該受け板はそれぞれ複数部分に分割された第1の受け板と第2の受け板との多段構成とし、第1の受け板の分割部と第2の受け板の分割部とが互いに重ならない位置関係で設置されたハウジング装着中空糸膜モジュールを提案している(特開2008-259928号公報)。
上記の如く種々提案された中空糸膜モジュールにおいては、モジュールのヘッド鍔部をシール部材を介してキャップ部材と受け板とで挟み込んでハウジングに装着することが行われており、シール部材として金属製シールを用いたモジュールの場合には、金属製シールを常に高い応力で押し潰しておくことが必要であるが、キャップ部材として用いられたSUSステンレス鋼等の金属と束着管を形成するアルミナ等のセラミックスとの間には大きな線熱膨張係数の差があり、モジュールを高温雰囲気下におくと、それらの熱膨張差(キャップ部材である金属製部材の方が熱膨張は大きい)により、金属製シールの締付け力が低下するという問題がみられる。
本発明の目的は、中空糸膜モジュールを用いた高温環境下での分離操作においても、耐熱性にはすぐれているが、強い締付け力を必要とする金属製シールの締付け力の低下をより抑制し得る中空糸膜モジュールを提供することにある。
かかる本発明の目的は、セラミックス製またはガラス製束着管が胴体部とその両末端に接合されるヘッド部とからなり、胴体部はその側面に流体が流れる開口部を有する筒状部材から形成され、ヘッド部は鍔部、胴体接合部、および束着管開口部に多孔質セラミックス中空糸膜を挿通し、固定する貫通孔が穿設された封止面から形成された中空糸膜モジュールを用い、中空糸膜モジュールのヘッド鍔部を金属製キャップ部材と受け板とで挟み込んで耐熱性金属製ハウジングに装着するに際し、キャップ部材とヘッド鍔部との間に金属製シールを介在させ、かつヘッド鍔部と金属製またはセラミックス製受け板との間にキャップ部材材質よりも線熱膨張係数の大きい金属製シールの潰し厚さを調整するために、線熱膨張係数の選定および厚さの設定が、下記(a)、(b)において(a)>(b)となる設定条件により行われた
(a):スペーサ材質の線熱膨張係数からキャップ部材材質の線熱膨張係数を引いた 差分にスペーサの厚みを乗じた値
(b):キャップ部材材質の線熱膨張係数から束着管材質の線熱膨張係数を引いた差 分に束着管のヘッド鍔部の厚みTを乗じた値と共締めによる潰し後の金属製シ ール厚みにキャップ部材材質の線熱膨張係数を乗じた値とを足した値から、 金属製シールの限界弾性回復量Rを使用温度とモジュール作製時の温度(室温) との温度差で除した値を引いた値
金属製スペーサを配置してなるハウジング装着中空糸膜モジュールによって達成される。
本発明に係る中空糸膜モジュールは、中空糸膜モジュールを用いた高温環境下での分離操作においても、耐熱性にはすぐれているが、強い締付け力を必要とする金属製シールの締付け力の低下をより抑制し得る中空糸膜モジュールであり、また金属製のキャップ部材の溝と束着管ヘッド鍔部との熱膨張差が、金属製シールの限界弾性回復量Rを超えないように、スペーサの線熱膨張係数を調整しかつ特定範囲の厚みを設定しているので、室温乃至高温度に至る広い温度範囲における中空糸膜モジュールの気密化を維持することができる。
すなわち、金属製シールを用いた金属とセラミックスとの間の高温気密化において、シール材質の選定やシール構造の設計が容易となる。これによって、ガス分離用多孔質セラミックス中空糸膜モジュールの高温気密化を可能とさせる。
中空糸膜モジュールをハウジングに装着させたものは、クロスフロー型反応器、デッドエンド型反応器等として、水素の製造および精製、酸素の製造、炭酸ガス等のガスの分離、円筒型固体酸化物型燃料電池などに有効に使用される。
束着管21は、図4に示される如く、束着管21の胴体部2とその両末端に接合されたヘッド部3、3′とからなる。束着管胴体部2の材質としては、気密性および耐熱性を有し、そこに収容される多孔質セラミックス中空糸膜の熱膨張係数と同じかまたは近い値を有するもの、好ましくは多孔質セラミックス中空糸膜と同材質のもの、例えばアルミナ管、ジルコニア管、チタニア管、シリカ管、そしてガラス管などを用いることができる。束着管の内部には、中空糸膜、好ましくは多孔質セラミックス中空糸膜が1〜500本程度束ねたものが収容される。多孔質セラミックス中空糸膜としては、AlO、YO、MgO、SiO、SiN、ZrO製などであって、その孔径が約0.1〜0.6μm、外径が約0.5〜4mm、好ましくは約1〜3mm程度、また膜厚が約0.1〜0.5mm、好ましくは約0.15〜0.3mm程度のものが用いられる。
胴体部2の両末端に接合されるヘッド部3、3′は、図5に示される如く、鍔部4、胴体接合部5、および束着管開口部に中空糸膜を挿通し、固定する貫通孔6が穿設された封止面7から形成される。かかる構成を有するヘッド部3、3′も、胴体部2と同様の材質で形成される。
胴体部2およびヘッド部3、3′を接合して構成される中空糸膜モジュールをハウジングに装着する際に金属製シールでシールする場合には、そこに大きな締付力がかかるので、ヘッド部3、3′の鍔部4の形状寸法が重要な要素となる。例えば、高純度アルミナ製ヘッドの場合には、その厚さTは約3〜15mm、好ましくは約5〜10mmとされる。この厚さをこれよりも大きく設定すると、束着管モジュールを端面封止するためのガラス溶着時の熱衝撃により破損し易くなり、一方これよりも小さく設定すると、材料強度自体が小さくなり、キャップ部材取付け時の締付け応力により破損し易くなる。また、鍔部ネックには曲率半径が約0.5〜3mm、好ましくは約1〜2mmのRを設け、シールの締め込みによる鍔部が破損をし易くなるのを防止することが望ましい。しかるに、本発明の構成をとることにより、鍔部の厚さTを限定する必要性が弱まり、また曲率半径Rを設けないことにすることもできる。
中空糸膜貫通孔が穿設された封止面7の厚さは約3〜10mm、好ましくは約4〜7mm程度とされ、中空糸膜を挿通させる貫通孔6の内径は、中空糸膜の外径よりも約0.1〜1.0mm、好ましくは約0.1〜0.4mm程度大きく設定される。挿通された中空糸膜の開放端面および貫通孔-中空糸膜間に形成された間隙は、ガラスシール材によって封止される。封止は、ガラス粉末を分散させたペーストを封止開放面に厚さ2mm以下、好ましくは約0.01〜1.0mmで塗布し、これを約400〜1300℃、好ましくは約500〜1200℃で約5〜60分間程度焼成することにより行われる。同時に上記間隙の封止も行われる。
胴体部2の両末端薄肉部8、8′を鍔部3の接合部5の内周面にガラスまたはセラミックス等の無機系接合剤を介して嵌装接合させた中空糸膜モジュールは、一般にSUSステンレス鋼製などの耐熱性金属製ハウジングに装着して使用される。金属製シールであるCリングで固定したクロスフロー型反応器での代表例が図1に示される。ここで、符号1は中空糸膜モジュール、9は流体が流れる開口部であるガス導入・排気用枝管、10はハウジング、11はCリング、12はキャップ部材、13は2枚に半割りした金属製受け板、15はスペーサ、16はベローズ、20は多孔質セラミックス中空糸膜であり、鍔部4はキャップ部材12および2分割金属製受け板13で挟み込まれている。
中空糸膜モジュール1のハウジング10への装着は、中空糸膜モジュール1のヘッド鍔部4を金属製シール11を介してキャップ部材12と金属製受け板13とで挟み、これをボルトで締め込み、固定することで、ヘッド鍔部4およびキャップ部材12が密閉装着される。キャップ部材12には、流体用配管17、17′が設けられており、これを外部に延出した状態でハウジングは密閉される。
なお、金属製シールとしては、金属Oリングの「O」形の一部分、例えば内周部分を除去し、「C」字形状の断面を有する金属弾性ガスケットであるCリングやフランジのたわみが大きな条件に対応するリーク許容のガスシール用金属ガスケットであるEリング等を用いることができ、これらは例えばインコネル・ステンレス鋼を母材とし、金、銀、PTFE等のコーティング材でコーティングされているものであってもよい。Cリングにあっては、内圧用フェースタイプ、外圧用フェースタイプの2種類タイプのものがあり、その平面形状を円形の他に四角形、楕円形、レーストラック形状といった非円形形状のものもあり得る。また、Eリングにあっては、内圧、外圧用の標準型とスパンの長い高伸縮型のものもあり得る。
図6は、2分割された受けの平面図およびA-A線断面図であり、これらの受け板は、熱的にすぐれたセラミックス製、例えばAl2O3、Y2O3、MgO、SiO2、Si3N4、ZrO2製などでも構成されるが、一般には金属製であり、特に熱的および機械的にすぐれたステンレス鋼、好ましくはSUSステンレス鋼が好適に用いられる。
金属製受け板は、それぞれ複数部分に分割され、ボルト貫通孔を備えたリング状体であって、リングを2つ以上に分割した形状からなり、好ましくは装着作業性の点から2分割されたものが用いられる。
受け板の厚さは、特に限定されるものではないが、あまり厚すぎるとスペースの無駄となるばかりではなく、鍔部への共締め応力が不均一になり易く、一方薄すぎると共締めの際の力で容易に変形するなどの現象がみられるので、受け板は約3〜20mm、好ましくは約6〜10mm程度の厚さで構成される。その分割部14の分割溝の幅は、受け板の大きさや一般に約8〜30mm程度に設定されるリング幅によっても異なるが、一般には約0.5〜2mm程度に設定される。なお、ボルトによる固定は、受け板の貫通孔をネジ孔として行うが、別途ナットで固定する構成とすることもできる。
金属製受け板13と共にヘッド鍔部4を挟み込むのに用いられるキャップ部材12は、やはり金属製であり、特に熱的および機械的強度にすぐれたステンレス鋼、好ましくはSUSステンレス鋼で好適に構成される。その形状は、図8の中心線縦断面図に示される如く、断面凸字状筒状体であって、そこには金属製シール装着溝11aおよび流体用配管17、17′が設けられており、流体用配管17、17′の先端部を外部に突出させた状態でハウジングは密閉される。なお、符号18はボルト孔である。
このモジュール作製に際しては、ヘッド鍔部と受け板との間に熱膨張緩和の目的で、銅製のスペーサを挟んでいる。スペーサの材質は、銅製以外に黄銅、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属製であってもよく、その厚さは一般に約0.5〜2mm程度に設定される。また、スペーサは、図7に示されるように、受け板と同様に複数部分に分割された形状として用いられる。
ヘッド鍔部は、アルミナ等のセラミックス製であり、一方キャップ部材と受け板はステンレス鋼製のため、分離操作を行うためにこのモジュールを高温環境下におくと、これら両者の材質の熱膨張係数の差の関係で金属製シールの締付け力が低下し、密閉性を低下させる。そこで、ステンレス鋼よりも熱膨張係数の大きい銅、アルミニウム等の材質からなるスペーサを、ヘッド鍔部と第1の受け板との間に配置することにより、ステンレス鋼が熱膨張しても金属製シールを締め付ける面圧の低下を有効に抑制することができる。
本発明においては、室温から高温に至る広い温度範囲における気密化が維持されるように、すなわち高温においても金属製のキャップ部材の溝と束着管ヘッド鍔部との熱膨張差が金属製シールの限界弾性回復量Rを超えないように、スペーサの線熱膨張係数を調整しかつ特定範囲の厚みを設定することが行われる。
例えば、金属製ヘッドの材質には通常SUSステンレス鋼が用いられるため、スペーサの材質には銅、黄銅、アルミニウム等のSUSステンレス鋼よりも線熱膨張係数の大きい材質が用いられる。しかるに、線熱膨張係数が大きい金属は、耐熱性の点で若干劣るものが多い。このように使用温度環境下で金属が軟化する場合には、これよりも線熱膨張係数が若干低く、耐熱性の高い材質を選定し、代わってスペーサの厚みを大きくする。
詳しくは、スペーサの線熱膨張係数の選定ならびに厚さの設定が、下記式(6)を満足させるように行われる。より具体的には、下記式(8)に示されるように、下記定義において(a)>(b)となるような線熱膨張係数の選定ならびに厚さの設定が行われる。
(a):スペーサ材質の線熱膨張係数からキャップ部材材質の線熱膨張係数を引いた 差分にスペーサの厚みを乗じた値
(b):キャップ部材材質の線熱膨張係数から束着管材質の線熱膨張係数を引いた差 分に束着管のヘッド鍔部の厚みTを乗じた値と共締めによる潰し後の金属製シ ール厚みにキャップ部材材質の線熱膨張係数を乗じた値とを足した値から、 金属製シールの限界弾性回復量Rを使用温度とモジュール作製時の温度(室温) との温度差で除した値を引いた値
なお、ここで使用される束着管およびスペーサは、金属製シールの潰し圧に比べて硬度的に高いものが通常使用され、共締め時のこれらの部材の圧縮変形は無視できるものとして説明している。また、線熱膨張係数の測定は、熱機械分析装置(TMA)、例えばリガク製CN8098F1を用いて、示差膨張方式によって行われる。より具体的には、電気炉中に供試体と標準試料をホルダによって支え、定速昇温すると共にこれらの試料が膨張し、それぞれに付随している検出棒を押し下げ、それらの膨張量の差をTMA回路で検出することによって行われる。
DT=RT=d1,T=RT+d2,T=RT+d3 (1)
DT=HT=DT=RT(1+χ・ΔT) (2)
d1,T=HT=d1,T=RT(1+χ1・ΔT) (3)
d2,T=HT=d2,T=RT(1+χ2・ΔT) (4)
d1,T=HT+d2,T=HT+d3+r=DT=HT (5)
d1,T=HT+d2,T=HT+d3+R>DT=HT (6)
d1,T=RT(1+χ1・ΔT)+d2,T=RT(1+χ2・ΔT)+d3+R
>(d1,T=RT+d2,T=RT+d3)(1+χ・ΔT) (7)
d1,T=RT1-χ)〔(a)〕>d2,T=RT(χ-χ2)+d3・χ-R/ΔT〔(b)〕 (8)
DT=RT:室温(モジュール作製時の環境温度;以下同じ)における共締め時の金属
シール、鍔部、スペーサの総厚み(=キャップ部材溝12aの深さ12d +潰し金属シール厚み)
d1,T=RT:室温におけるスペーサ厚み
d2,T=RT:室温における束着管鍔部の厚み
d3:潰し後の金属シール(Cリング)の厚み
χ:キャップ部材(ヘッド)材質の線熱膨張係数
χ1:スペーサの線熱膨張係数
χ2:束着管鍔部材質の線熱膨張係数
DT=HT:高温使用温度における共締め時の金属シール、鍔部、スペーサの総厚み
d1,T=HT:高温使用温度におけるスペーサ厚み
d2,T=HT:高温使用温度における束着管鍔部の厚み
R:金属シール(Cリングガスケット)の限界弾性回復量
r:高温使用温度における金属製シールの実質弾性回復量
ΔT:高温使用温度と室温(モジュール作製時の環境温度)との温度差
次に、実施例について本発明を説明する。
実施例1〜3、比較例
束着管胴体部側面に開口部を設けない束着管を用いて、これに多孔質セラミックス中空糸膜を収容することなく、ヘッド鍔部を金属製Cリングガスケットおよびスペーサを介して、キャップ部材と受け板とで挟み込み、一定の締付け力でボルトによる固定を行った。このようなヘッドを取り付けた束着管をハウジングに装着することにより、モジュールの作製を行った。なお、金属製Cリングガスケットとしては、潰し後の厚みが2.6mm、限界弾性回復量Rが0.07mmのものを使用した。
高温使用温度となる雰囲気温度600℃において、ハウジング胴体側面のガス導入部から常圧の窒素ガスを200ml/分の流量で流通させた。透過ガス出口の一方のバルブを閉じ、他方側を真空吸引した。束着管内部の真空度が一定となったところで、真空ライン間のバルブを閉じ、吸引を停止させた。この束着管内部の圧力の経時的変化を測定することにより、シール部を介して束着管内部にリークした窒素ガスの透過率を算出した。
なお、符号9,9′は、ガス導入・排気のための枝管部分である。また、図9は、実施例で用いられた評価試験装置の概要図であり、ここで符号21はヘッド、22は側面無開口束着管、23はハウジング、24はガス導入部、25はヒータ、26は窒素ガスボンベ、27は調圧器、28は窒素ガスライン、29はマスフローコントローラ、30は開閉バルブ、31は真空計、32は真空ポンプをそれぞれ指している。
用いられた各部材により作製したモジュールの高温気密性についての測定が行われ、得られた結果は次の表に示される。なお、次の各項目が共通の設定項目として用いられた。
d3:2.6mm
χ:17.3×10-6/℃(ステンレス鋼)
χ1:23.6×10-6/℃(アルミニウム;実施例1〜2)
17.3×10-6/℃(ステンレス鋼;実施例3、比較例)
χ2:7.8×10-6/℃(アルミナ)
R(限界弾性回復量):0.07mm
ΔT(高温使用温度とモジュール作製時の環境温度との温度差):573℃


項目 実施例1 実施例2 実施例3 比較例
〔設定項目〕
d1,T=RT (mm) 1.4 5 1.4 1.4
d2,T=RT (mm) 5 10 5 10
〔測定値〕
(a) (mm) 8.9×10-6 2.2×10-5 0 0
(b) (mm) -2.9×10-7 1.0×10-5 -2.9×10-5 1.9×10-5
(a)、(b)の関係 (a)>(b) (a)>(b) (a)>(b) (a)<(b)
N2リーク量(モル/秒・Pa) 6.7×10-15 9.5×10-15 1.8×10-15 1.7×10-13
本発明の中空糸膜モジュールをハウジングに装着させたクロスフロー型反応器の中心線縦面図である。 室温組付け時の金属製シールの要部断面図である。 高温使用温度での金属製シールの要部断面図である。 本発明で用いられる中空糸膜モジュールの中心線縦断面図である。 束着管ヘッド部の中心線縦断面図である。 受け板の平面図およびA-A線断面図である。 スペーサの平面図および中心線正面図である。 キャップ部材の中心線縦断面図である。 実施例で用いられた評価試験装置の概要図である。
符号の説明
中空糸膜モジュール
2 胴体部
3、3′ ヘッド部
4 鍔部
5 胴体接合部
6 貫通孔
7 封止面
8、8′ 胴体部両末端薄肉部
9、9′ ガス導入・排気用枝管(流体が流れる開口部)
10 ハウジング
11 金属製シール
11a 金属製シール装着溝
12 キャップ部材
12a キャップ部材の溝
12d キャップ部材の溝深さ
13 2分割金属製受け板
14 受け板分割部
15 スペーサ
16 ベローズ
17、17′ 流体用配管
18 ボルト孔
20 多孔質セラミックス中空糸膜
21 束着管

Claims (4)

  1. セラミックス製またはガラス製束着管が胴体部とその両末端に接合されるヘッド部とからなり、胴体部はその側面に流体が流れる開口部を有する筒状部材から形成され、ヘッド部は鍔部、胴体接合部、および束着管開口部に多孔質セラミックス中空糸膜を挿通し、固定する貫通孔が穿設された封止面から形成された中空糸膜モジュールを用い、中空糸膜モジュールのヘッド鍔部を金属製キャップ部材と受け板とで挟み込んで耐熱性金属製ハウジングに装着するに際し、キャップ部材とヘッド鍔部との間に金属製シールを介在させ、かつヘッド鍔部と金属製またはセラミックス製受け板との間にキャップ部材材質よりも線熱膨張係数の大きい金属製シールの潰し厚さを調整するために、線熱膨張係数の選定および厚さの設定が、下記(a)、(b)において(a)>(b)となる設定条件により行われた
    (a):スペーサ材質の線熱膨張係数からキャップ部材材質の線熱膨張係数を引いた 差分にスペーサの厚みを乗じた値
    (b):キャップ部材材質の線熱膨張係数から束着管材質の線熱膨張係数を引いた差 分に束着管のヘッド鍔部の厚みTを乗じた値と共締めによる潰し後の金属製シ ール厚みにキャップ部材材質の線熱膨張係数を乗じた値とを足した値から、 金属製シールの限界弾性回復量Rを使用温度とモジュール作製時の温度(室温) との温度差で除した値を引いた値
    金属製スペーサを配置してなるハウジング装着中空糸膜モジュール。
  2. キャップ部材のヘッド鍔部接触面側に設けられた装着溝に金属製シールを装着させた請求項1記載のハウジング装着中空糸膜モジュール。
  3. 金属製シールがCリングまたはEリングである請求項1または2記載のハウジング装着中空糸膜モジュール。
  4. 受け板とスペーサをボルトで締め込み、ヘッド鍔部を固定した請求項1記載のハウジング装着中空糸膜モジュール。
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