JP5010805B2 - 金属−有機骨格構造体の熱処理方法 - Google Patents

金属−有機骨格構造体の熱処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、金属原子又は金属イオンを有機分子又は有機イオンが囲繞するように配位結合した構造の金属−有機骨格構造体の熱処理方法に関する。
近年における環境保護への関心の高まりから、燃料電池を搭載した燃料電池車が着目されている。燃料電池車は燃料電池を走行駆動源とするので、ガソリンや軽油を燃焼させる必要がなく、従って、炭化水素ガスやNOx、SOx等を排出することがないからである。
燃料電池には、水素を含有する燃料ガスと、酸素を含有する酸化剤ガスとを供給する必要がある。酸化剤ガスとしては、例えば、大気を使用することができるが、燃料ガスは、例えば、水素ガス貯蔵タンク等の燃料ガス供給源から供給しなければならない。このため、燃料電池車には、燃料電池の他、燃料ガス供給源が搭載される。
このように水素ガス貯蔵タンクを燃料ガス供給源とする場合、その内部に水素吸着材が収容されることが検討されている。この場合、水素吸着材が水素を吸着保持するので、水素吸着材が収容されていない場合に比して多くの水素を貯留することができるからである。
この種の水素吸着材としては、錯体、活性炭、カーボンナノチューブ、アモルファスカーボン、グラファイト、ゼオライト又はメソポーラスシリケート等が例示される。この中、錯体の1種である、金属原子又は金属イオンを有機分子又は有機イオンが囲繞するように配位結合した構造の金属−有機骨格構造体が特に着目されている。金属−有機骨格構造体は、ゲスト分子が存在しない場合であっても安定な多孔性骨格構造を維持するからである。なお、水素ガスは、この多孔性骨格構造内に吸着される。
具体的な金属−有機骨格構造体及びその製造方法は、例えば、特許文献1、2に開示されている。
米国特許出願公開第2003/0004364号明細書 米国特許出願公開第2003/0148165号明細書
金属−有機骨格構造体は、一般的には、N,N’−ジエチルフォルムアミド、ジメチルフォルムアミド、N−メチルピロリドン等の有機溶媒中で合成される。この時点では、金属−有機骨格構造体の多孔性骨格構造には、前記有機溶媒分子が物理吸着されている。
そこで、次に、金属−有機骨格構造体をクロロフォルム(CHCl3)中に浸漬することによって有機溶媒分子をクロロフォルム分子に置換する。さらに、金属−有機骨格構造体を真空雰囲気に曝露するか、又は、150℃程度に保持することによって、クロロフォルム分子を多孔性骨格構造から離脱させる。
以上により、水素ガスやメタンガス等を多孔性骨格構造に保持可能な金属−有機骨格構造体が得られるに至る。
ところで、このようにして得られた金属−有機骨格構造体の中には、ガス吸着能が乏しいものが存在する。このような金属−有機骨格構造体を水素吸着材として水素ガス貯蔵タンクに収容すると、当然ながら、水素貯蔵可能量が低下する。
また、ガス吸着能が乏しい金属−有機骨格構造体をガス吸着能が優れるものと分別するようにすると、金属−有機骨格構造体の歩留まりが低下してコストが高騰するという不具合を招く。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、金属−有機骨格構造体のガス吸着能を向上させることが可能な、換言すれば、ガス吸着能に優れた金属−有機骨格構造体を大量に得ることが可能な金属−有機骨格構造体の熱処理方法を提供することを目的とする。
金属−有機骨格構造体のガス吸着能に相違が生じる原因を究明する過程で、本発明者は、金属−有機骨格構造体の結晶性に着目した。すなわち、金属−有機骨格構造体につきX線回折測定を行い、金属−有機骨格構造体のガス吸着能が低いほど、出現ピークがブロードでピーク強度も小さいこと、すなわち、構造がランダムで非晶質体に近いものであるという知見を得た。そして、この知見に基づき、金属−有機骨格構造体の結晶性を向上させれば、換言すれば、結晶質体に近い規則的な構造とすれば、ガス吸着能が向上すると推察した。
この観点から、本発明者は、金属−有機骨格構造体の結晶性を向上させることを鋭意検討し、本発明をするに至った。
すなわち、本発明に係る金属−有機骨格構造体の熱処理方法は、金属−有機骨格構造体を200℃以上熱分解温度未満の温度に30分以上保持する工程を有し、前記保持によって前記金属−有機骨格構造体の結晶性を向上させることを特徴とする。
結晶性が向上することに伴い、該金属−有機骨格構造体のガス吸着能が向上する。熱処理における保持温度が200℃未満である場合や、保持時間が30分未満である場合、ガス吸着能を向上させる効果に乏しい。また、熱分解温度以上の温度で保持を行うと、別の相が生成し、結局、ガス吸着能が低下する。
ここで、結晶性が向上することに伴ってガス吸着能が向上する理由は、金属−有機骨格構造体の孔部の体積が増加するためであると推察される。
なお、結晶性が向上していること、すなわち、より結晶質に近い構造であることは、例えば、X線回折測定プロファイルにおける出現ピークの強度が理論強度に近づいていることを確認することによって判定することができる。また、ガス吸着能は、各種の吸着試験を実施することによって評価すればよい。
保持時間は、60〜120分であることが好ましい。この温度範囲で熱処理を施した場合、ガス吸着能を向上させる効果が一層顕著となるからである。
なお、吸着されるガスは特に限定されるものではないが、好適な例としては、水素ガスやメタンガスが挙げられる。
本発明によれば、金属−有機骨格構造体に対して熱処理を施すことによって該金属−有機骨格構造体の結晶性を向上させるようにしている。これにより、該金属−有機骨格構造体のガス吸着能が向上するので、ガス吸着能の優劣に応じて金属−有機骨格構造体を分別する必要がなくなる。このため、歩留まりが向上し、コスト的に有利となる。
また、このような金属−有機骨格構造体を貯留した燃料ガス貯蔵タンクは、多量の燃料ガスを貯留することができる。従って、該燃料ガス貯蔵タンクを搭載した燃料電池車では、走行距離が長くなる。
以下、本発明に係る金属−有機骨格構造体の熱処理方法につき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
はじめに、金属−有機骨格構造体につき説明する。
上記したように、金属−有機骨格構造体は、金属原子又は金属イオンを有機分子又は有機イオンが囲繞するように配位結合した構造であり、具体例としては、[M2(4,4’−ビピリジン)3(NO34](ただし、MはCo、Ni、Znのいずれか)、[M2(1,4−ベンゼンジカルボキシレートアニオン)2](ただし、MはCu、Znのいずれか)、[Fe2(トランス−4,4’−アゾピリジン)4(NCS)4]等が挙げられる。
金属−有機骨格構造体の別の具体例としては、前記特許文献1(米国特許出願公開第2003/0004364号明細書)に記載されているように、その一般式がM4O(芳香族ジカルボキシレートアニオン)3で表されるものが挙げられる。なお、Mの好適な例としては、Znや遷移金属が挙げられる。また、芳香族ジカルボキシレートアニオンに代替して芳香族ジカルボキシレートアニオン誘導体であってもよい。
芳香族ジカルボキシレートアニオン又はその誘導体の好適な例としては、1,4−ベンゼンジカルボキシレートアニオン、2−ブロモ−1,4−ベンゼンジカルボキシレートアニオン、2−アミノ−1,4−ベンゼンジカルボキシレートアニオン、2,5−プロピル−1,4−ベンゼンジカルボキシレートアニオン、2,5−ペンチル−1,4−ベンゼンジカルボキシレートアニオン、シクロブテン−1,4−ベンゼンジカルボキシレートアニオン、1,4−ナフタレンジカルボキシレートアニオン、2,6−ナフタレンジカルボキシレートアニオン、4,4’−ビフェニルジカルボキシレートアニオン、4,5,9,10−テトラヒドロピレン−2,7−ジカルボキシレートアニオン、ピレン−2,7−ジカルボキシレートアニオン、4,4”−テルフェニルジカルボキシレートアニオン等が挙げられる。各々の構造式は、下記の通りである。
Figure 0005010805
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以下、本実施の形態に係る熱処理方法につき、Zn4 (2,6−ナフタレンジカルボキシレートアニオン)3に対して熱処理を施す場合を例として説明する。
先ず、Zn4 (2,6−ナフタレンジカルボキシレートアニオン)3を合成する。具体的には、0.12gの2,6−ナフタレンジカルボン酸と、1.1gのZn(NO32・4H2Oとを、密閉容器中で100mlのジエチルフォルムアミド(DEF)に溶解する。
この溶液を密閉容器に貯留し、且つ密閉容器を密閉状態に保ったまま、95℃で20時間加熱すれば、多孔性骨格構造にDEF分子が物理吸着したZn4 (2,6−ナフタレンジカルボキシレートアニオン)3・(DEF)6が生成する。この反応生成物をろ過して溶媒のDEFと分離した後、ろ過残留物をDEFで洗浄する。
ろ過残留物、すなわち、Zn4 (2,6−ナフタレンジカルボキシレートアニオン)3・(DEF)6をクロロフォルムに室温で24時間浸漬し、多孔性骨格構造に物理吸着したDEF分子をCHCl3分子に置換する。これをろ過等で溶媒と分離した後、さらに、真空引き装置内に静置して真空引きを行えば、多孔性骨格構造からCHCl3分子が脱離し、1.57gのZn4 (2,6−ナフタレンジカルボキシレートアニオン)3が得られる。
得られたZn4 (2,6−ナフタレンジカルボキシレートアニオン)3に対してX線回折測定を行った結果を図1に示す。本来ならば最大強度で出現すべき回折角5.8°におけるピークの強度が理論強度よりも低いことから、このZn4 (2,6−ナフタレンジカルボキシレートアニオン)3の結晶性が低いことが諒解される。
そこで、次に、Zn4 (2,6−ナフタレンジカルボキシレートアニオン)3に対して熱処理を施す。この際の熱処理温度は、熱重量変化測定に基づいて設定される。
すなわち、熱処理を施す前に予め、Zn4 (2,6−ナフタレンジカルボキシレートアニオン)3につき熱重量測定を行う。この測定結果を図2に示す。図2から、140℃〜460℃の温度範囲では、重量変化が極めて小さいことが分かる。そこで、熱処理温度は、最低でも200℃とする。
一方、400℃で熱処理を施すと、熱処理後のZn4 (2,6−ナフタレンジカルボキシレートアニオン)3の走査型電子顕微鏡観察から、構造の一部が崩壊していること、Zn4 (2,6−ナフタレンジカルボキシレートアニオン)3の結晶相とは別の相が生成することが認められる。なお、X線回折測定により、この別の相は、酸化亜鉛であることが確認された。すなわち、400℃を超える温度で熱処理を行った場合、Zn4 (2,6−ナフタレンジカルボキシレートアニオン)3が熱分解して酸化物が生成してしまう。これを回避するべく、Zn4 (2,6−ナフタレンジカルボキシレートアニオン)3の場合、400℃未満、例えば、300℃で熱処理を施す。
ここで、300℃で30分、120分、240分保持した後のZn4 (2,6−ナフタレンジカルボキシレートアニオン)3のX線回折測定結果を図3〜図5にそれぞれ示す。これら図3〜図5から諒解されるように、熱処理後では、回折角5.8°におけるピークやその他のピークの強度が著しく高くなり、理論強度に近づく。すなわち、熱処理を施すことによってZn4 (2,6−ナフタレンジカルボキシレートアニオン)3の結晶性が向上することが明らかである。
また、熱処理を施していないZn4 (2,6−ナフタレンジカルボキシレートアニオン)3と、300℃で30分、120分、240分保持することによって熱処理を施した上記のZn4 (2,6−ナフタレンジカルボキシレートアニオン)3とにつき、水素ガス吸着量測定試験を実施した。
なお、この吸着量測定試験は、0.31gの試料を容積型水素圧力組成等温線図測定装置にセットし、100℃に保持した状態で真空引きを24時間行った後に実施した。また、測定に際しては、真空引き状態から水素ガスを試料セル内に導入して加圧し、吸着平衡圧力から水素ガス吸着量を算出した。その後、さらに水素ガスを導入して約9MPaまで段階的に加圧し、各々の圧力での水素ガス吸着量を算出することを繰り返した。
結果をグラフにして図6に示す。なお、縦軸は、水素ガスを吸着した試料の水素ガス込みの質量に対しての吸着水素ガスの質量の割合を質量%で示したものである。
この図6から、熱処理を施すことによってZn4 (2,6−ナフタレンジカルボキシレートアニオン)3の水素ガス吸着能が向上することが明らかである。
次に、Zn4 (1,4−ベンゼンジカルボキシレートアニオン)3に対して熱処理を施す場合につき説明する。
Zn4 (1,4−ベンゼンジカルボキシレートアニオン)3は、例えば、以下のようにして合成される。すなわち、0.07gの1,4−ベンゼンジカルボン酸と、0.25gのZn(NO32・6H2Oとを、N,N’−ジメチルフォルムアミド (DMF)10ccに溶解する。
そして、この溶液に対し、濃度30%の過酸化水素水を0.1cc添加し、さらに、濃度40%のジメチルアミンをDMFで50倍に希釈した溶液を0.1cc添加する。
この混合溶液をDMFで10倍に希釈し、ろ過によって沈殿物を分離する。10日間程度放置して沈殿物を自然乾燥させれば、0.15gのZn4 (1,4−ベンゼンジカルボキシレートアニオン)3が得られる。
以上の作業を繰り返すことにより得られた約1gのZn4 (1,4−ベンゼンジカルボキシレートアニオン)3をクロロフォルムで洗浄し、吸引ろ過してクロロフォルムと分離した。
得られたZn4 (1,4−ベンゼンジカルボキシレートアニオン)3に対してX線回折測定を行った結果を図7に示す。最大強度で出現すべき回折角6.8°におけるピークの強度が理論強度よりも著しく低いことから、このZn4 (1,4−ベンゼンジカルボキシレートアニオン)3は、結晶性が低いものであることが諒解される。
次に、Zn4 (1,4−ベンゼンジカルボキシレートアニオン)3に対し熱重量測定を行う。この測定結果を図8に示す。図8から、Zn4 (1,4−ベンゼンジカルボキシレートアニオン)3においては、140℃〜400℃の温度範囲で重量変化が極めて小さいことが分かる。そこで、熱処理温度は、最低でも200℃とする。
Zn4 (1,4−ベンゼンジカルボキシレートアニオン)3においても、400℃で熱処理を施すと、走査型電子顕微鏡観察から構造の一部が崩壊していること、また、X線回折測定から酸化亜鉛が生成することが認められる。従って、Zn4 (1,4−ベンゼンジカルボキシレートアニオン)3が熱分解して酸化亜鉛が生成することを回避するべく、この場合においても、400℃未満、例えば、300℃で熱処理を施す。
300℃で30分、120分、240分保持した後のZn4 (1,4−ベンゼンジカルボキシレートアニオン)3のX線回折測定結果を図9〜図11にそれぞれ示す。これら図9〜図11から、熱処理により、回折角6.8°におけるピークやその他のピークの強度が著しく高くなって理論強度に近づいていること、換言すれば、Zn4 (1,4−ベンゼンジカルボキシレートアニオン)3の結晶性が向上することが明らかである。
ここで、熱処理を施していないZn4 (1,4−ベンゼンジカルボキシレートアニオン)3と、300℃で30分、120分、240分保持することによって熱処理を施したZn4 (1,4−ベンゼンジカルボキシレートアニオン)3とにつき、上記と同様の測定装置・測定条件下で水素ガス吸着量を測定した結果を図12に示す。この図12から、Zn4 (1,4−ベンゼンジカルボキシレートアニオン)3においても、熱処理を施すことによって水素ガス吸着能が向上することが認められる。
このように、金属−有機骨格構造体に対して熱分解温度未満の温度で熱処理を施すことにより、該金属−有機骨格構造体の結晶性が向上し(結晶質に近い構造となり)、これに伴い、該金属−有機骨格構造体の水素ガス吸着能を向上させることができる。従って、金属−有機骨格構造体を水素ガス吸着能の優劣によって分別する必要がないので、歩留まりが向上する。
また、水素ガス吸着能に優れる金属−有機骨格構造体を収容した水素ガス貯蔵タンクは、水素ガスをより大量に貯留することが可能となる。このような水素ガス貯蔵タンクを搭載した燃料電池車では、長時間にわたって燃料ガスを供給することができるので、結局、燃料電池車の走行可能距離が長くなる。
なお、上記した実施の形態においては、Zn4 (2,6−ナフタレンジカルボキシレートアニオン)3と、Zn4 (1,4−ベンゼンジカルボキシレートアニオン)3とを例示して説明したが、金属−有機骨格構造体は特にこれに限定されるものではないことはいうまでもない。また、金属−有機骨格構造体が異なれば熱分解温度も異なるので、熱処理温度の上限は、熱分解温度に応じて設定すればよい。
また、熱処理において、保持時間を30分、120分、240分とした例を挙げて説明したが、120分を超えると金属−有機骨格構造体の水素ガス吸着能が若干低下する傾向がある(図6及び図12参照)。このことから、保持は、30分〜120分とすることが好ましいが、30分以上保持すれば、熱処理を施さない場合に比して水素ガス吸着能を向上させることができる。
さらに、金属−有機骨格構造体に吸着されるガスは水素ガスに限定されるものではなく、メタンガスであってもよい。また、物理吸着ではなく化学吸着であってもよい。
未熱処理のZn4 (2,6−ナフタレンジカルボキシレートアニオン)3のX線回折測定プロファイルである。 Zn4 (2,6−ナフタレンジカルボキシレートアニオン)3の熱重量変化曲線である。 300℃で30分保持されたZn4 (2,6−ナフタレンジカルボキシレートアニオン)3のX線回折測定プロファイルである。 300℃で120分保持されたZn4 (2,6−ナフタレンジカルボキシレートアニオン)3のX線回折測定プロファイルである。 300℃で240分保持されたZn4 (2,6−ナフタレンジカルボキシレートアニオン)3のX線回折測定プロファイルである。 未熱処理のZn4 (2,6−ナフタレンジカルボキシレートアニオン)3と、300℃で30分、120分、240分保持されたZn4 (2,6−ナフタレンジカルボキシレートアニオン)3との、圧力と水素ガス吸着量との関係を示すグラフである。 未熱処理のZn4 (1,4−ベンゼンジカルボキシレートアニオン)3のX線回折測定プロファイルである。 Zn4 (1,4−ベンゼンジカルボキシレートアニオン)3の熱重量変化曲線である。 300℃で30分保持されたZn4 (1,4−ベンゼンジカルボキシレートアニオン)3のX線回折測定プロファイルである。 300℃で120分保持されたZn4 (1,4−ベンゼンジカルボキシレートアニオン)3のX線回折測定プロファイルである。 300℃で240分保持されたZn4 (1,4−ベンゼンジカルボキシレートアニオン)3のX線回折測定プロファイルである。 未熱処理のZn4 (1,4−ベンゼンジカルボキシレートアニオン)3と、300℃で30分、120分、240分保持されたZn4 (1,4−ベンゼンジカルボキシレートアニオン)3との、圧力と水素ガス吸着量との関係を示すグラフである。

Claims (2)

  1. O(芳香族ジカルボキシレートアニオン) を200℃以上熱分解温度未満の温度に30分以上保持する工程を有し、前記保持によって前記 O(芳香族ジカルボキシレートアニオン) の結晶性を向上させることで、該M O(芳香族ジカルボキシレートアニオン) の水素ガスに対する吸着能を向上させることを特徴とする金属−有機骨格構造体の熱処理方法(ただし、前記MはZn又は遷移金属を表す)
  2. 請求項1記載の熱処理方法において、保持時間を60〜120分とすることを特徴とする金属−有機骨格構造体の熱処理方法。
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