JP5010324B2 - 多湿気体の冷却方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、発電プラントに供給される燃焼用又はガス化用の湿り空気等を予冷する多湿気体の冷却方法及び装置に関し、該多湿気体と伝熱管内を流れる冷却媒体との伝熱効率を向上させ熱交換率を改善したものである。
ガスタービン発電プラント等では、圧縮器で圧縮した空気を燃料と混合してガス燃料とし、このガス燃料を燃焼器のライナ内に噴射させて燃焼させ、これにより高温燃焼ガスをガスタービンに供給して駆動力を得ている。そのため空気を含んだガス燃料ではタービンの出力効率を上げるためには、空気の比重量が大きい状態で吸気して使用することが好ましい。空気は低温ほど比重量が大きいため、ガスタービンに吸気される空気は低温であることが望ましい。
また石炭ガス化複合発電で石炭ガス化炉にガス化空気を供給するガス化空気製造設備では、ガスタービンの圧縮器で圧縮過程途中の空気から一部抽気した圧縮空気を用いてガス化空気を製造している。この場合も前記と同様の理由で該圧縮空気を冷却器で冷却して比重量を増大させることにより、空気供給の要する動力低減を図っている。例えば冷却媒体として30℃の冷却水を冷却器に供給し、数百度(例えば200℃前後)の圧縮空気を50〜60℃に冷却している。冷却器の出口で冷却水の温度は約40℃に上昇する。
特許文献1(特開平11−36887号公報)には、ガスタービンの吸気通路に設置され、吸込み空気を熱交換によって冷却する多数の伝熱管群を備えた吸気冷却器が開示されている。特許文献1に開示された装置の一構成例を図11により説明する。図11において、吸気通路の最上流側である吸込み空気取入れ口01に吸気冷却器02が設置されており、その下流側にダンパ室03、吸気フィルタ室04、吸気ダクト05が順次に接続され、冷却された空気がガスタービン06の圧縮器07の入口に導かれるようになっている。
吸気冷却器02は、熱交換用の多数の伝熱管08からなる伝熱管群09を配置した構成とされており、伝熱管08を流れる冷却媒体と伝熱管08の外面に接触する吸込み空気010との間の熱交換によって吸気冷却が行なわれる。吸気冷却器02の下方には、空気中の水分の凝縮によって生じたドレンを排出するためのドレン排出管011が設けられている。なおダンパ室03内には複数の開閉可能なダンパ012が設けられ、タービン運転時と停止時とにおいて、空気流を変化させるようになっている。
また吸気フィルタ室04には吸気フィルタ013が設けられ、吸込み空気中に含まれる粉塵を除去して清浄空気010aとしてガスタービン06の圧縮器07の入口に供給する。伝熱管08内を流れる冷却媒体は、図示しない冷凍サイクルを構成する冷凍機によって冷却される。伝熱管群09のうち、上下配置の一群の伝熱管08の下方に、ドレン水を受け止めるためのトレイ021が複数段下流側に向かって次第に低くなるドレン勾配を有して配置されている。
かかる構成により、吸込み空気010は吸気冷却器02の内部に設置された伝熱管08を通り抜け、吸込み空気010の冷却により伝熱管08の表面には凝縮したドレン019が発生し、液滴となって下方へ流れ落ちてゆく。伝熱管08の下方にはドレン回収用のトレイ021が設置されているので、伝熱管08の外周面で発生したドレン019の液滴が回収される。そしてトレイ021の勾配により吸込み空気下流側へドレンが流れていき、トレイ021の下流端側からドレン液滴019aとなって落下する。
この装置では、伝熱管08で発生したドレン019を吸込み空気010の下流側に落下させ、ドレン09を均一に吸込み空気010に接触させることにより、粉塵の捕集効率を向上させ、吸気フィルタ013の補助的防塵効果を有効に行なわせ、該吸気フィルタの長寿命化とコンパクト化を図っている。
また特許文献2(特開2000−161081号公報)には、ガスタービンプラントの空気圧縮器の吸気ダクトに空気冷却器を設け、該空気冷却器の直上流側に散水部と、吸込み空気に含まれる不純物を吸着したドレンを回収再生して再び該散水部に供給するドレン回収再生処理部とを備え、これによって吸込み空気の冷却と清浄化を行なう装置が開示されている。
特開平11−36887号公報 特開2000−161081号公報
特許文献1に開示された装置は、伝熱管表面に形成されたドレンを利用して吸込み空気に含まれる粉塵の捕集効率を向上させようとするもので、ドレンを伝熱管の熱伝達に利用しようとしたものではない。
また特許文献2は、吸気冷却器の吸込み空気の清浄化を目的としたものであり、吸気冷却器での熱伝達向上を目的としたものではない。
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、発電プラントに供給される燃焼用又はガス化用の湿り空気等を予冷する多湿気体の冷却装置において、該多湿気体を冷却することによって発生した凝縮液を利用することによって該多湿気体と伝熱管内を流れる冷却媒体との伝熱効率を向上させ該多湿気体の冷却効果を向上させることを目的とする。
かかる目的を達成するため、本発明の多湿気体の冷却方法は、
多湿気体の流路に配設された伝熱管群内に冷却媒体を流して該多湿気体を冷却する熱交換器において、
前記多湿気体の流路の入口部よりも下流側に位置する前記伝熱管群との熱交換によって前記多湿気体が冷却されて生じた凝縮液を集め、
前記多湿気体の流路の前記入口部の近傍に位置する前記伝熱管群に、集めた前記凝縮液を散布又は滴下して該凝縮液の液膜を形成するものである。
発明の多湿気体の冷却装置は、
前記多湿気体の流路の入口部よりも下流側に位置する前記伝熱管群との熱交換によって前記多湿気体が冷却されて生じた凝縮液を集める手段と、
前記多湿気体の流路の前記入口部の近傍に位置する前記伝熱管群に、前記凝縮液を集める手段によって集めた前記凝縮液を散布又は滴下して該凝縮液の液膜を形成する手段と、を備えたものである。
なお、冷却装置は、
多湿気体の流路に配置され内部に冷却媒体を流して該多湿気体を冷却する伝熱管群と、
冷却液を該伝熱管群の少なくとも一部の領域に散布又は滴下して該冷却液の液膜を形成する手段と、を備えたものとしてもよい。
ガスタービン発電プラント等に設置される空気冷却器は、大気空気が冷却されるため、減温とともに空気中水分の凝縮が生じる。本発明者等は、石炭ガス化炉に供給されるガス化空気の製造設備に用いられる空気冷却器を想定し、熱伝達特性に及ぼす凝縮水の挙動の影響がより顕著となることが予想される高圧下の冷却管群で湿り空気冷却に関する実験を行った。この実験は、水平方向に配置し内部に冷却媒体を流した伝熱管群に向けて湿り空気の下降流を流した熱交換領域を形成し、湿り空気と冷却媒体との熱伝達状況を調べたものである。その結果図1及び図2示す実験結果を得た。
この実験は、圧力0.9MPaの湿り空気(冷却器入口温度;60〜120℃)を流量500kg/hで該熱交換領域を流したものである。また伝熱管群を流れる冷却水の流量を(144〜288)×10−3/h、入口温度を40℃とした。図1中のwinは湿り空気の冷却器入口水蒸気濃度を示す。
図1は、凝縮水が最も多くなるwin=0.050、露点温度時の実験結果であり、伝熱管群の湿り空気流れ方向4区間ごとに冷却水温度上昇計測値より求められる熱交換量Qci(i=1〜4)と、各区間で実験と同じ入口条件を基に乾き空気熱伝達係数予測式と熱伝達のアナロジ成立を仮定して計算される熱交換量Qci,analogyとの比Qci/Qci,analogyを示したものである。図1から、凝縮水が多く存在する下方の伝熱管群ほどQci/Qci,analogyは高い値となっている。
また図2は、伝熱管全体の熱交換量Qcに対し、図1と同様な評価を行なった結果を示す。横軸のmは単位時間当たりの凝縮水量である。データに多少のバラツキがあるものの、mの増加に伴いQc/Qc,analogyは増加傾向にある。凝縮水量の増加により、伝熱管表面の波立ちによる熱伝達促進と熱伝達面積の実質的増加の影響が大きかったことを意味するものと考えられる。
前記知見に基づき、本発明方法及び本発明装置においては、多湿気体と伝熱管群との熱交換領域において多湿気体が冷却されて生じた凝縮液を集めて伝熱管群の一部の領域に散布又は滴下することにより、冷却液の液滴の表面と多湿気体とが接触して熱交換する正味伝熱面積を増加させ、これによって熱伝達効果を向上させる。
また本発明方法及び本発明装置においては、散布又は滴下した凝縮液によって伝熱管の表面に液膜を形成することによって熱伝達効果を向上させるようにしている。
本発明方法及び本発明装置において、生じた凝縮液を集めて伝熱管群の一部の領域に散布又は滴下する場合、凝縮液はその過程で露点温度より冷えて過冷却ドレンとなっており、この過冷却ドレンの液膜を伝熱管に形成するため、該過冷却ドレンの顕熱熱交換により該過冷却ドレンに接する多湿気体を冷却できる。その後過冷却ドレンは多湿気体の熱を吸収して露点温度まで上昇して蒸発し、蒸発潜熱を多湿気体から奪う。この潜熱熱交換により、多湿気体をさらに冷却することができる。
このように凝縮液の液膜表面とこれに接する多湿気体との間で顕熱熱交換と潜熱熱交換とが行なわれるため、伝熱管の表面に液膜を形成しない場合と比べて多湿気体の冷却効果を増大することができる。このことは冷却液を伝熱管群に散布又は滴下して伝熱管表面に該冷却液の液膜を形成する場合も同様である。冷却液の液膜を伝熱管表面に形成する場合、熱交換領域で発生した凝縮液の代わりに外部供給源から冷却液を供給できる。従って凝縮液のように冷却液の供給量や温度に制約を受けない。そのため該冷却液の供給量又は温度を調節することにより、多湿気体との熱交換量を調整して所望の冷却効果を得ることができる。
また伝熱管表面に形成された液膜の膜厚に応じて、あるいは該液膜の周囲に形成される多湿気体の乱流等によって該液膜の表面に波が形成される。この波の形成によって該液膜の正味伝熱面積が増加し、該液膜による多湿気体の冷却効果をさらに増大できる。
発明装置において、好ましくは、伝熱管群を多湿気体流路に沿って並設するとともに、該伝熱管群内を流れる冷却媒体を多湿気体の流れ方向と逆方向に流すように構成するとよい。これによって全熱交換領域で多湿気体と冷却媒体との温度差を確保できるため、全体として熱交換量を最大にすることができる。
そして凝縮液又は冷却液による液膜を多湿気体流路の入口近傍に配置された伝熱管群領域に形成するとよい。該液膜と多湿気体間の熱伝達効果は、該液膜を多湿気体流路の入口近傍に配置された伝熱管に形成する場合に著しい。多湿気体流路の入口近傍では高温で相対湿度の低い多湿気体が流れるので、多湿気体と液膜との温度差が大きく、両者間の熱交換が促進される。
発明装置において、伝熱管群を多湿気体流路に沿って並設するとともに、該伝熱管群内を流れる冷却媒体を該多湿気体の流れ方向と逆方向に流し、多湿気体流路と伝熱管群とで構成される熱交換領域を横方向に形成するとともに、該熱交換領域を迂回部を介して接続される上下熱交換領域に分割形成し、該多湿気体流路の入口部を下部熱交換領域に設けるとともに、該冷却媒体入口を上部熱交換領域に設け、該上下熱交換領域の間に該迂回部を除き該上下熱交換領域を仕切るとともに上部熱交換領域の凝縮液を受ける仕切り板を設け、該仕切り板を傾斜させて該多湿気体入口部の上方に最下方に位置する散布又は滴下部を形成し、該散布部に凝縮液を散布又は滴下する多数の細孔を配設した構成とすることができる。
かかる構成において、上部熱交換領域で発生した凝縮液を前記仕切り板で受け、該仕切り板で受けた凝縮液を前記散布又は滴下部に集める。該散布又は滴下部に集めた凝縮液を前記細孔を通し重力を利用して下方に散布することにより、下部熱交換領域の多湿気体入口部近傍に位置する伝熱管群に容易に散布できる。このように上下熱交換領域間に細孔を有する仕切り板を設けるという簡単な構成で、多湿気体入口部近傍の高温でかつ相対湿度の低い多湿気体が流れる伝熱管群に凝縮液の液膜を形成できる。また前述のように該液膜の形成により多湿気体の冷却効果を向上させることができる。
た本発明装置において、伝熱管群を多湿気体流路に沿って並設するとともに、該伝熱管群内を流れる冷却媒体を多湿気体の流れ方向と逆方向に流し、該多湿気体流路と該伝熱管群とで構成される熱交換領域を縦方向に形成し、該多湿気体流路の出口部及び冷却媒体の入口部を該熱交換領域の下部に設け、該熱交換領域に発生した凝縮液を受けて順々に下方に受け渡す複数のドレン受けからなり、凝縮液を最後に該多湿気体流路出口部の近傍に形成された熱交換領域の上方に設けたドレン受けに集めるドレン収集手段を備え、
該熱交換領域上方に設けた該ドレン受けに設けた多数の小孔から凝縮液を該熱交換領域に散布又は滴下して該熱交換領域の伝熱管表面に液膜を形成するように構成としてもよい。
かかる構成において、縦型の熱交換領域を形成し、熱交換領域で発生した凝縮液を前記ドレン収集手段により重力を利用して多湿気体流路出口部の近傍に形成された熱交換領域の上方に設けたドレン受けに集める。次に該ドレン受けに集めた凝縮液を該熱交換領域に散布する。従ってドレン受けだけの簡単な構成で凝縮液を該熱交換領域に集めることができる。
また該熱交換領域の上方に設けたドレン受けに設けた多数の小孔から凝縮液を重力を利用して該熱交換領域の伝熱管群に散布又は滴下することにより、該伝熱管群の表面に容易に液膜を形成できる。なおこの構成において、多湿気体流路の入口部を熱交換領域の上部に設け、多湿気体の出口部を熱交換領域の下部に設け、入口部から出口部に向けて下降流を形成させることにより、入口部から出口部に向けて徐々に冷却されて容積が縮小し重くなる多湿気体の流れを重力の作用で促進し、滞留させないようにすることができる。
た本発明装置において、伝熱管群を多湿気体流路に沿って並設するとともに、該伝熱管群内を流れる冷却媒体を多湿気体の流れ方向と逆方向に流し、多湿気体流路と伝熱管群とで構成される熱交換領域を縦方向に形成するとともに、該熱交換領域を上部迂回部を介して接続される左右熱交換領域に分割形成し、該多湿気体流路の入口部を該左右熱交換領域のどちらか一方の下部に設け、該左右熱交換領域の間に設けられ上部迂回部を除き該左右熱交換領域を仕切る仕切り板と、該左右熱交換領域に発生した凝縮液を受けて順々に受け渡す複数のドレン受けからなり最後に該多湿気体流路入口部の近傍に形成された熱交換領域の上方に設けたドレン受けに集めるドレン収集手段と、を備え、該熱交換領域上方に設けた該ドレン受けに設けた多数の小孔から凝縮液を該熱交換領域に散布又は滴下して該熱交換領域の伝熱管表面に液膜を形成するように構成してもよい。
かかる構成では、前記構成と同様に、縦型の熱交換領域を形成し、熱交換領域で発生した凝縮液を前記ドレン収集手段により重力を利用してドレン受けに集めるものである。この構成では、左右熱交換領域を形成するので、前記構成に比べて2倍の熱交換領域を形成できるので、熱交換率を向上できる。また該ドレン受けに集めた凝縮液を多湿気体が最も高温の流路入口部の近傍に形成された熱交換領域に散布又は滴下するので、多湿気体と伝熱管の表面に形成される液膜との温度差を大きく取ることができる。従って、熱交換量を増加できる。
た本発明装置において、多湿気体と伝熱管との熱交換領域を内部に形成する複数のケーシングを備え、該複数のケーシングに形成された該多湿気体流路及び該冷却媒体流路を直列に接続するとともに、上流側多湿気体流路を形成するケーシングを下流側多湿気体流路を形成するケーシングの下方に配置し、該上方に配置されたケーシング内の凝縮液を該下方に配置されたケーシングに送る凝縮液送給管を設け、該送給管によって送給された凝縮液を該下方に配置されたケーシングの伝熱管に散布して伝熱管表面に液膜を形成するように構成してもよい。
かかる構成とすれば、多湿気体と伝熱管との熱交換領域を内部に形成する複数のケーシングを該ケーシングを上下に配置して組み合わせるだけで比較的容易に組み立てることができる。また上方に配置されたケーシング内の全熱交換領域で発生した大量の凝縮液を集めて下方に配置されたケーシングに供給できるので、広い領域の伝熱管群に凝縮液を散布でき、広い領域で液膜を形成できる。従って単一のケーシングを用いた空気冷却器と比べて多湿気体の冷却効果を格段に向上できる。
本発明方法又は本発明装置によれば、多湿気体の冷却器において、多湿気体が冷却されて生じた凝縮液を集めて伝熱管群に散布又は滴下することにより、該伝熱管群の少なくとも一部の領域に凝縮液の液膜を形成するようにするため、散布される凝縮液と多湿気体との正味伝熱面積を増大でき、かつ該液膜形成による熱伝達効率の向上によって多湿気体の冷却効果を向上させることができる。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではない。
(実施形態1)
次に本発明の第1実施形態を図3〜図5に基づいて説明する。図3はガスタービン発電プラント又は石炭ガス化複合発電プラントに設置される本実施形態の空気冷却器をケーシングの一部を断截して示す立面図、図4の(a)は、本発明の湿り空気冷却効果を示す模式図、(b)は特許文献1の湿り空気冷却効果を示す模式図である。図5の(a)は本発明により伝熱管表面に液膜を形成した場合の模式図、(b)は伝熱管に液膜を形成しない場合の模式図を示す。
図3において、本実施形態の空気冷却器1を構成するケーシング2の両端には左右ヘッダ3及び4が設けられる。左側ヘッダ3の上部には冷却水rの入口管5が設けられ、下部には出口管6が設けられる。左側ヘッダ3の内部には入口管5側と出口管6側とを仕切る仕切り7が設けられる。左右ヘッダ3及び4は水平方向に配置された多数の伝熱管8で接続される。伝熱管8は上部伝熱管群9aと下部伝熱管群9bとに分けられ、仕切り兼トレイ10で仕切られる。
かかる構成によって、冷却水rは、入口管5から左側ヘッダ3に導入され、上部伝熱管群9aを経て右側ヘッダ4に入る。右側ヘッダ4に到達した冷却水rは、その後下部伝熱管群9bを通って左側ヘッダ3に達し、出口管6から排出される。
一方、被冷却対象である湿り空気aは、ケーシング2の下部に配設された入口管11から入り、仕切り兼トレイ10に遮られて下部熱交換領域13bを迂回する。その後迂回領域bを経て、上部熱交換領域13aに至り、出口管12から外部に排出される。伝熱管8の内部を流れる冷却水rと湿り空気aとは上部熱交換領域13a及び下部熱交換領域13bにおいて熱交換され、湿り空気aが冷却される。
仕切り兼トレイ10は、左側ヘッダ3側に向かって下方に傾斜して配置され、湿り空気aの入口管11の上部位置において最下方に位置し多数の細孔15aが分散配置された散水部15が形成されている。湿り空気aは上部熱交換領域13a及び下部熱交換領域13bで冷却水rと熱交換して冷却されるが、このとき湿り空気aに含まれる水蒸気の露点温度以下となって凝縮水が生じ、該凝縮水は伝熱管8に付着し、多数の液滴c1となって伝熱管8から下方に滴り落ちる。上部熱交換領域13aで滴り落ちた凝縮水の液滴c1は、仕切り兼トレイ10で受けられる。
仕切り兼トレイ10で受けられた液滴c1は矢印d方向に移動し、最下方に配置された散水部15に達する。そこで液滴c1は細孔15aを通して下方に落下し、入口管11上方の入口領域16の伝熱管群に落下する。図4(a)に示すように、液滴c1が落下する際に、多数の液滴c1の表面に湿り空気aが接触するため、正味伝熱面積が増大する。従って湿り空気aの冷却効果が高まる。一方、図4(b)に図示された特許文献1の落下した空気冷却器では、液滴c1をトレイ021で受けて液滴c1を集め、排水してしまう。従って液滴c1と湿り空気aとの伝熱面積が増大しないので、湿り空気aの冷却効果は小さい。
その後液滴c1は、図5(a)に示すように、伝熱管8の表面に付着して液膜c2を形成する。入口領域16は、高温かつ相対湿度が低い湿り空気aが流れている。一方上部熱交換領域13aで生じた凝縮水は、仕切り兼トレイ10で受け止められ、細孔15を通って下方に落ちる間に冷却されて露点温度より低温の過冷却状態となっている。従って過冷却状態となった液膜c2と該湿り空気aとの間で顕熱熱交換が行なわれる。該顕熱熱交換で温度上昇した液膜c2は露点温度に達した後で蒸発し、そのとき湿り空気aから蒸発潜熱を奪う潜熱熱交換が行なわれる。
従って湿り空気aと液膜c2との間で該顕熱熱交換と潜熱熱交換とが連続して行なわれるため、熱伝達効率の良い熱交換が行なわれる。従って、図5(b)に示す液膜c2を形成しない従来の熱交換方式に比べて、伝熱管群の表面に液膜c2を形成する本実施形態では、冷却水rと湿り空気aとの熱交換量が多く、湿り空気の冷却効果を増すことができる。また凝縮水が入口領域16の伝熱管8に形成した液膜c2は、付近を流れる湿り空気流a1が生じる乱流a2等によって表面に波c3を形成する。波c3が形成されることによって、液膜c2と湿り空気aとの正味伝熱面積が増大し、熱伝達効率がさらに向上する。
(実施形態2)
次に本発明の第2実施形態を図6に基づいて説明する。図6の(a)は本実施形態をケーシングの一部を断裁して示す立面図、(b)は仕切り板34aを図6(a)中のA−A矢視方向から視た平面図である。図6において、ガスタービン発電プラント等に設置される空気冷却器21のケーシング22は垂直方向に立設されている。ケーシング22の上下両端には下部ヘッダ23及び上部ヘッダ24が設けられている。下部ヘッダ23には冷却水rの入口管25が設けられ、上部ヘッダ24には冷却水rの出口管26が設けられている。
上下ヘッダ23及び24間には多数の伝熱管28が並設されてなる伝熱管群29が垂直方向に架設されている。かかる構成により冷却水rは入口管25から下部ヘッダ23内に導入され、伝熱管群29を経て上部ヘッダ24に達し、出口管26から外部に排出される。
一方湿り空気aは、ケーシング22の上部に設けられた入口管31から導入され、伝熱管群29を包む流路を下降するその後湿り空気aは、ケーシング22の下部に設けられた出口管32から外部に排出される。従って伝熱管28の内部を流れる冷却水rと湿り空気aとは熱交換領域33で熱交換され、湿り空気aが冷却される。
熱交換領域33には、入口管31から導入された湿り空気aが熱交換領域33で蛇行するように仕切り兼ドレン受け34a〜fが配設される。熱交換領域33のうち湿り空気aの出口管32の近傍に形成される出口領域36の上方に仕切り兼ドレン受け34aが設けられる。図6(b)に示すように、仕切り兼ドレン受け34aには伝熱管挿入孔37に面して凝縮水散布用の小孔37aが設けられている。
かかる構成において、湿り空気aが熱交換領域33で伝熱管28内を流れる冷却水rと熱交換して冷却される。湿り空気aは水蒸気を含むため、冷却されて露点温度以下になると、凝縮水を生じる。生じた凝縮水は伝熱管28の表面に付着し、液滴c1となって落下する。落下した液滴c1は各仕切り兼ドレン受けに受け止められる。このうち仕切り兼ドレン受け34b〜dは、開口35に向かって傾斜して配置されているので、これら仕切り兼ドレン受けに受け止められた凝縮水cは開口35から下方に落下する。そして凝縮水cは上方から下方に向かって配置された仕切り兼ドレン受けに順々に受け渡され、最後に水平に配置された仕切り兼ドレン受け34aの上面に溜まる。
図6(b)に示すように、仕切り兼ドレン受け34aには伝熱管挿入孔37に面して凝縮水散布用の小孔37aが穿設されているので、仕切り兼ドレン受け34aの上面に溜まった凝縮水cは該小孔37aから伝熱管28の表面を伝って下方に流下する。このとき図5(a)に示すように、伝熱管28の表面で凝縮水の液膜c2を形成する。熱交換領域33で生じた凝縮水cは、各仕切り兼ドレン受け34で受け止められ、小孔37aを通って出口領域36に達する間に冷却されて過冷却状態となっている。
従って過冷却状態となった液膜cと該湿り空気aとの間では、前記第1実施形態と同様に、顕熱熱交換と潜熱熱交換が連続して行なわれ、熱伝達効率の良い熱交換が行なわれる。従って図5(b)に示す液膜c2を形成しない従来の熱交換方式に比べて、熱交換量が多く、湿り空気の冷却効果を増すことができる。また液膜c2は、付近を流れる湿り空気流a1が生じる乱流a2等によって表面に波c3を形成する。該波c3が形成されることによって、液膜c2と湿り空気aとの接触面積が増えるので、正味伝熱面積が増大し、熱伝達効率がさらに向上する。
(実施形態3)
次に本発明の第3実施形態を図7に基づいて説明する。図7の(a)は本実施形態をケーシングの一部を断裁して示す立面図、(b)は仕切り板34aを図7(a)中のB−B矢視方向から視た平面図である。図7において、ガスタービン発電プラント等に設置される空気冷却器41のケーシング42は垂直方向に立設されている。ケーシング42の上下両端には下部ヘッダ43及び上部ヘッダ44が設けられる。下部ヘッダ43には左右に冷却水rの入口管45及び出口管46が設けられ、下部ヘッダ43の内部には入口管45側と出口管46側を仕切る仕切り47が設けられる。
下部ヘッダ43及び上部ヘッダ44間には多数の伝熱管48が垂直方向に架設されている。伝熱管48は、中央に立設された仕切り50によって左伝熱管群49aと右伝熱管群49bに分けられる。かかる構成により冷却水rは入口管45から下部ヘッダ43内に導入され、左伝熱管群49aを経て上部ヘッダ44に達する。その後冷却水rは、右伝熱管群49b内を流下して下部ヘッダ43に達し、出口管46から外部に排出される。
一方、湿り空気aは、ケーシング42の下部に設けられた入口管51から導入され、仕切り50に遮られて右伝熱管群49bに沿って上昇する。その後湿り空気aは迂回領域bで迂回し、左伝熱管群49aに沿って下降し、出口管52から外部に排出される。従って伝熱管48の内部を流れる冷却水rと湿り空気aとは右熱交換領域53b及び左熱交換領域53aを形成し、これら領域において熱交換され、湿り空気aが冷却される。
右熱交換領域53b及び左熱交換領域53aには、入口管51から導入された湿り空気aがこれら領域で蛇行するように仕切り兼ドレン受け54a〜fが配設される。右熱交換領域53bのうち入口管51の近傍に形成される入口領域56の上方に仕切り兼ドレン受け54aが設けられる。図7(b)に示すように、仕切り兼ドレン受け54aには伝熱管挿入孔57に面して凝縮水散布用の小孔57aが設けられる。
かかる構成において、湿り空気aが右熱交換領域53b及び左熱交換領域53aで伝熱管48内を流れる冷却水rと熱交換して冷却される。湿り空気aは水蒸気を含むため、冷却されて露点温度以下になると、凝縮水を生じる。生じた凝縮水は伝熱管48の表面に付着し、液滴c1となって落下する。落下した液滴c1は各仕切り兼ドレン受けに受け止められる。
このうち仕切り兼ドレン受け54b〜54eは、開口55に向かって傾斜して配置されているので、これら仕切り兼ドレン受けに受け止められた凝縮水cは開口55から下方に落下する。そして凝縮水cは上方から下方に向かって配置された仕切り兼ドレン受けに順々に受け渡され、最後に仕切り兼ドレン受け54aの上面に溜まる。なお仕切り50が仕切り兼ドレン受け54b及び54dと接続される部分には凝縮液cを通すための図示しない開孔が設けられている。
図7(b)に示すように、仕切り兼ドレン受け54aには伝熱管挿入孔57に面して凝縮水散布用の小孔57aが穿設されているので、仕切り兼ドレン受け54aの上面に溜まった凝縮水cは該小孔57aから伝熱管48の表面を伝って下方に流下する。このとき図5(a)に示すように、伝熱管48の表面で凝縮水の液膜c2を形成する。
入口領域56には高温で相対湿度の低い湿り空気aが導入されているのに対し、左右熱交換領域53a及び53bで生じた凝縮水は、各仕切り兼ドレン受け54a〜eで受け止められ、小孔57aを通って入口領域56に達する間に冷却されて過冷却状態となっている。
従って過冷却状態となった液膜cと該湿り空気aとの間では、前記第1実施形態と同様に、顕熱熱交換と潜熱熱交換が連続して行なわれ、熱伝達効率の良い熱交換が行なわれる。従って図5(b)に示す液膜c2を形成しない従来の熱交換方式に比べて、熱交換量が多く、湿り空気の冷却効果を増すことができる。また液膜c2は、付近を流れる湿り空気流a1が生じる乱流a2等によって表面に波c3を形成する。該波c3が形成されることによって、液膜c2と湿り空気aとの接触面積が増えるので、正味伝熱面積が増大し、熱伝達効率がさらに向上する。
(実施形態4)
次に本発明の第4実施形態を図8に基づいて説明する。図8は本実施形態をケーシングの一部を断截して示す立面図である。図8において、本実施形態の空気冷却器61は、内部に湿り空気aと冷却水rとの熱交換領域を有する2組のケーシング62及び82から構成されている。ケーシング62及び82は水平方向に配置され、ケーシング62はケーシング82の上方に位置する。
ケーシング62は両端に左右ヘッダ63及び64を有する。該左右ヘッダ間に多数の伝熱管68が水平方向に装架され、伝熱管68の間には仕切りと凝縮水を受けるトレイとを兼用する仕切り兼トレイ70が水平方向に設けられ、これによって伝熱管68は上部伝熱管群69aと下部伝熱管群69bとに分けられる。
冷却水rは、入口管65から左側ヘッダ63内に導入され、その後上部伝熱管群69aを経て右側ヘッダ64に達する。その後冷却水rは下部伝熱管群69bを経て左側ヘッダ63に戻り、出口管66から排出される。左側ヘッダ63内には入口管65側と出口管66側を仕切る仕切り67が設けられる。
ケーシング82は両端に左右ヘッダ83及び84を有する。該左右ヘッダ間には多数の伝熱管88が架設され、該伝熱管は仕切り板90によって上部伝熱管群89aと下部伝熱管群89bとに分けられる。右側ヘッダ84の内部には冷却水rの入口管85側と出口管86側とを仕切る仕切り87が設けられる。
ケーシング62の出口管66から出た冷却水rは、連絡管101を介して入口管85に導入され、右側ヘッダ84から上部伝熱管群89a内を通り、左側ヘッダ83に達する。その後冷却水rは下部伝熱管群89bを通り、右側ヘッダ84に達し、出口管86から外部に排出される。
一方、湿り空気aは、ケーシング82の下部に設けられた入口管91からケーシング82内に導入され、下部伝熱管群89bに沿って流れ、下部伝熱管群89bと熱交換する。その後湿り空気aは迂回領域bに達し、その後湿り空気aはを囲む下部熱交換領域93bを通り、下部伝熱管群89bを流れる冷却水rと熱交換した後、迂回領域bに達する。その後湿り空気aは、上部伝熱管群89aに沿って流れ、上部伝熱管群89aと熱交換する。こうして湿り空気aは下部伝熱管群89bを囲む下部熱交換領域93bと、上部伝熱管群89aを囲む上部熱交換領域93aとを形成する。上部伝熱管群89aを経た湿り空気aは、ケーシング82の上部に設けられた出口管92から排出される。
出口管92から出た湿り空気aは、連絡管102を通ってケーシング62の下部に設けられた入口管71からケーシング62内に導入される。ケーシング62内に導入された湿り空気aは、下部伝熱管群69bを囲む下部熱交換領域73bを通って下部伝熱管群69bを流れる冷却水rと熱交換する。その後湿り空気aは、迂回領域bを経て上部伝熱管群69aを囲む上部熱交換領域73aに至り、そこで冷却水rと熱交換する。このように湿り空気aは、ケーシング82の上下熱交換領域89a及び89bとケーシング62の上下熱交換領域69a及び69bで冷却水rと熱交換して冷却される。
湿り空気aは、冷却水rに冷却され、露点温度以下になると凝縮水を生じる。ケーシング62の上部熱交換領域73aで発生し凝縮水は、上部伝熱管群69aの表面に付着する。その後伝熱管表面から液滴c1となって落下する。仕切り兼トレイ70は、右側ヘッダ64に向かって下方に傾斜しているので、仕切り兼トレイ70で受け止められた凝縮水cは、右側ヘッダ64側に向かって流れ、仕切り兼トレイ70の先端から下方に流下する。そして排水口103から排出される。また下部伝熱管群69bに付着し下部伝熱管群69bからケーシング62の底面に流下した凝縮水も排水口103に集まり、排水口103から排出される。
排水口103から出た凝縮水cは、連絡管104を経てケーシング102の上部に配設された入口管105からケーシング82内に供給される。入口管105の下方には多数の小孔106aが分散配置されたトレイ106が設けられている。従って、入口管105からケーシング82内に導入された凝縮水cは、トレイ106の小孔106aを通ってトレイ106の下方に配置された上下伝熱管群93a及び93bに散布される。
このようにケーシング62内で生じた凝縮水cが集められてケーシング82に移送される間に露点温度より低温に冷却されて過冷却状態となる。過冷却状態となった凝縮水をケーシング82内の上下伝熱管群89a及び89bに散布して、図5(a)に示すように、伝熱管表面に凝縮水の液膜c2を形成する。一方該凝縮水散布領域は、湿り空気aが導入される入口管91に近い領域であるので、該領域には未だ高温で相対湿度が低い湿り空気aが流れている。
従って前記第1実施形態及び第2実施形態と同様に、該液膜c2と湿り空気aとの間で顕熱熱交換と潜熱熱交換とが連続して行なわれるため、熱伝達効率の良い熱交換が行なわれる。そのため湿り空気aの冷却効果を向上させることができる。また伝熱管表面に形成された液膜c2には、付近を流れる湿り空気流a1が生じる乱流a2等によって表面に波c3を形成する。該波c3が形成されることによって、正味伝熱面積が増大し、熱伝達効率がさらに向上する。
変形例
次に本発明の変形例を図9に基づいて説明する。図9は本変形例をケーシングの一部を断截して示す立面図である。図9において、空気冷却器111は横方向に配置されたケーシング112からなり、ケーシング112は両端に左右ヘッダ113及び114を有し、該左右ヘッダ間に多数の伝熱管117が並列に架設され、伝熱管群118を構成している。冷却水rは左側ヘッダ115の上部に設けられた入口管115から左側ヘッダ113に入る。その後冷却水rは伝熱管117内を通り右側ヘッダ114に達し、右側ヘッダ114の下部に設けられた出口管116から外部に排出される。
一方、湿り空気aは、右側ヘッダ114近傍のケーシング上部に設けられた入口管119からケーシング112内に入り、伝熱管群118に沿って流れて左側ヘッダ115近傍のケーシング112上部に設けられた出口管120から外部に排出される。冷却水rと湿り空気aとは伝熱管群118を囲む熱交換領域121で熱交換し、湿り空気aが冷却される。またケーシング112の中央上部には散水用冷却水Rを導入する入口管122が設けられている。ケーシング112の内部には入口管121を囲むトレイ123が設けられている。トレイ123は伝熱管117の長手軸方向に延設された形状をなし、冷却水Rを伝熱管群118に散布するための細孔123aが分散配置されている。
かかる構成において、入口管122から冷却水Rが導入され、冷却水Rはトレイ123の細孔123aを通って伝熱管群118に散布される。伝熱管群118に散布された冷却水Rは、液滴r1となって滴下し、図5(a)に示すように、各伝熱管117の表面に液膜c2を形成する。
変形例によれば、冷却水Rを伝熱管117の長手軸方向に延設された形状のトレイ123を介して広範囲に散布することができる。しかも前記第1〜第4実施形態のように空気冷却器内で生じた凝縮水ではなく、別途設けられた供給源から冷却水を供給するので、冷却水量及び温度に制約がなく、適宜調整可能である。従って大量かつ低温の冷却水Rを導入して湿り空気aの冷却能力を増大させることも可能である。また前記第1〜第4実施形態と同様に、伝熱管117の表面で液膜を形成して冷却水rと湿り空気aとの熱伝達効率を向上できるとともに、液膜表面に波を形成して正味伝熱面積を増大させ、熱伝達効率をさらに向上させることができる。
図10は、の変形例を示す一部断截立面図である。図10において、本変形例の空気冷却器111’は、湿り空気aの入口管119’を右側ヘッダ114に近いケーシング112の下部に設け、その上方位置のケーシング112の上部に散水用冷却水Rの入口管122’を設けている。また細孔123a’を有する散水用トレイ123’は、入口管119’上方の入口領域124に限定して配置されている。その他の構成は図9に示す変形例と同一であり、同一の部位及び機器には第4実施形態と同一の符号を付している。それら同一部位及び機器の説明を省略する。
本変形例は、湿り空気入口管119’上方の入口領域124に限定して冷却水Rを散布するようにしている。入口領域124には高温でかつ相対湿度の低い湿り空気aが流れるため、この領域に冷却水Rを散布すれば、冷却水Rと湿り空気aとの熱伝達効率が向上し、湿り空気aの冷却効果を向上できる。また冷却水Rの散布を入口領域124に限定しているので、冷却水量を節減できる。
本発明によれば、ガスタービン発電プラント又は石炭ガス化複合発電プラント等に設置される空気冷却器等において、多湿気体の冷却効果を複雑な工程を経ることなく、簡単な装置構成で向上させることができる。
冷却管の伝熱管群の熱交換量を示す線図である。 冷却管の凝縮水量と熱交換量との関係を示す線図である。 本発明の第1実施形態の一部断截立面図である。 (a)は本発明の湿り空気冷却効果を示す模式図、(b)は特許文献1の湿り空気冷却効果を示す模式図である。 (a)は本発明により伝熱管表面に液膜を形成した場合の模式図、(b)は伝熱管に液膜を形成しない場合の模式図である。 (a)は本発明の第2実施形態の一部断截立面図、(b)は(a)中のA−A矢視図である。 (a)は本発明の第3実施形態の一部断截立面図、(b)は(a)中のB−B矢視図である。 本発明の第4実施形態の一部断截立面図である。 本発明の変形例の一部断截立面図である。 の変形例を示す一部断截立面図である。 従来の空気冷却器の縦断立面図である。
1、21、41、61、111、111’ 空気冷却器
2、22、42、62、82、112 ケーシング
8、28、48、68、88、117 伝熱管
9a、69a、89a 上部伝熱管群
9b、69b、89b 下部伝熱管群
10、70 仕切り兼トレイ
11、31、51、91、119、119’ 湿り空気入口管
13a、73a、93a 上部熱交換領域
13b、73b、93b 下部熱交換領域
15 散水部
15a、106a、123a、123a’ 細孔
16、56、124 入口領域
49a 左伝熱管群
49b 右伝熱管群
50,90 仕切り板
53a 左熱交換領域
53b 右熱交換領域
34a〜d、54a〜f 仕切り兼ドレン受け
35、55 開口
37a、57a 小孔
104 連絡管(凝縮液移送管)
106、123、123’ トレイ
118 伝熱管群
121 熱交換領域
a 湿り空気
b 迂回領域
c 凝縮水
c1 液滴
c2 液膜
r 冷却水
R 散布用冷却水

Claims (10)

  1. 多湿気体の流路に配設された伝熱管群内に冷却媒体を流して該多湿気体を冷却する熱交換器において、
    前記多湿気体の流路の入口部よりも下流側に位置する前記伝熱管群との熱交換によって前記多湿気体が冷却されて生じた凝縮液を集め、
    前記多湿気体の流路の前記入口部の近傍に位置する前記伝熱管群に、集めた前記凝縮液を散布又は滴下して該凝縮液の液膜を形成することを特徴とする多湿気体の冷却方法。
  2. 前記多湿気体の流路の前記入口部は、前記熱交換器のケーシングの下部に配設されており、
    前記下流側に位置する前記伝熱管群と前記多湿気体との熱交換によって生じた前記凝縮液を板部材で受けて、
    前記入口部の近傍に位置する前記伝熱管群の上方において前記板部材に形成された孔を介して、前記板部材で受けた前記凝縮液を前記入口部の近傍に位置する前記伝熱管群に向けて落として該伝熱管群に前記凝縮液の液膜を形成することを特徴とする請求項1に記載の多湿気体の冷却方法。
  3. 多湿気体の流路に配置され内部に冷却媒体を流して該多湿気体を冷却する伝熱管群と、
    前記多湿気体の流路の入口部よりも下流側に位置する前記伝熱管群との熱交換によって前記多湿気体が冷却されて生じた凝縮液を集める手段と、
    前記多湿気体の流路の前記入口部の近傍に位置する前記伝熱管群に、前記凝縮液を集める手段によって集めた前記凝縮液を散布又は滴下して該凝縮液の液膜を形成する手段と、を備えたことを特徴とする多湿気体の冷却装置。
  4. 前記伝熱管群を多湿気体の流路に沿って並設するとともに、該伝熱管群内を流れる冷却媒体を該多湿気体の流れ方向と逆方向に流し、
    前記液膜形成手段によって多湿気体流路の入口近傍に配置された伝熱管群の領域に前記液膜を形成するように構成したことを特徴とする請求項3に記載の多湿気体の冷却装置。
  5. 前記多湿気体流路と前記伝熱管群とで構成される熱交換領域を横方向に形成するとともに、該熱交換領域を迂回部を介して接続される上下熱交換領域に分割形成し、
    該多湿気体流路の入口部を下部熱交換領域に設けるとともに、該伝熱管の冷却媒体入口を上部熱交換領域に設け、
    該上下熱交換領域の間に該迂回部を除き該上下熱交換領域を仕切るとともに上部熱交換領域の凝縮液を受ける仕切り板を設け、
    該仕切り板を傾斜させて該多湿気体流路入口部の上方に最下方に位置する散布又は滴下部を形成し、
    該散布又は滴下部に凝縮液を散布又は滴下する多数の細孔を配設したことを特徴とする請求項4に記載の多湿気体の冷却装置。
  6. 多湿気体の流路に配置され内部に冷却媒体を流して該多湿気体を冷却する伝熱管群と、
    前記多湿気体の流路の出口部よりも上流側に位置する前記伝熱管群との熱交換によって前記多湿気体が冷却されて生じた凝縮液を集める手段と、
    前記多湿気体の流路の前記出口部の近傍に位置する前記伝熱管群に、前記凝縮液を集める手段によって集めた前記凝縮液を散布又は滴下して該凝縮液の液膜を形成する手段とを備え、
    前記多湿気体流路と前記伝熱管群とで構成される熱交換領域を縦方向に形成し、
    該多湿気体流路の出口部及び前記冷却媒体の入口部を該熱交換領域の下部に設け、
    該熱交換領域に発生した凝縮液を受けて順々に下方に受け渡す複数のドレン受けからなり、凝縮液を最後に該多湿気体流路出口部の近傍に形成された熱交換領域の上方に設けたドレン受けに集めるドレン収集手段を備え、
    該熱交換領域上方に設けた該ドレン受けに設けた多数の小孔から凝縮液を該熱交換領域に散布又は滴下して該熱交換領域の伝熱管表面に液膜を形成するように構成したことを特徴とする多湿気体の冷却装置。
  7. 前記多湿気体流路と前記伝熱管群とで構成される熱交換領域を縦方向に形成するとともに、該熱交換領域を上部迂回部を介して接続される左右熱交換領域に分割形成し、
    該多湿気体流路の入口部を該左右熱交換領域のどちらか一方の下部に設けるとともに、前記冷却媒体の入口部を該左右熱交換領域の他方の下部に設け、
    該左右熱交換領域の間に設けられ上部迂回部を除き該左右熱交換領域を仕切る仕切り板と、
    該左右熱交換領域に発生した凝縮液を受けて順々に受け渡す複数のドレン受けからなり凝縮液を最後に該多湿気体流路入口部の近傍に形成された熱交換領域の上方に設けたドレン受けに集めるドレン収集手段と、を備え、
    該熱交換領域上方に設けた該ドレン受けに設けた多数の小孔から凝縮液を該熱交換領域に散布又は滴下して該熱交換領域の伝熱管表面に液膜を形成するように構成したことを特徴とする請求項に記載の多湿気体の冷却装置。
  8. 前記多湿気体と前記伝熱管群との熱交換領域を内部に形成する複数のケーシングを備え、
    該複数のケーシングに形成された該多湿気体流路及び該冷却媒体流路を直列に接続するとともに、上流側多湿気体流路を形成するケーシングを下流側多湿気体流路を形成するケーシングの下方に配置し、
    該上方に配置されたケーシング内の凝縮液を該下方に配置されたケーシングに送る凝縮液移送管を設け、
    該凝縮液移送管によって移送された凝縮液を該下方に配置されたケーシングの伝熱管群に散布又は滴下して伝熱管表面に液膜を形成するように構成したことを特徴とする請求項6に記載の多湿気体の冷却装置。
  9. 前記多湿気体の流路の前記入口部は、前記冷却装置のケーシングの下部に配設されており、
    前記凝縮器を集める手段は、前記下流側に位置する前記伝熱管群と前記多湿気体との熱交換によって生じた前記凝縮液を受ける板部材であり、
    前記液膜を形成する手段は、前記入口部の近傍に位置する前記伝熱管群の上方において前記板部材に形成された孔であり、
    前記板部材の前記孔を介して、前記板部材で受けた前記凝縮液を前記入口部の近傍に位置する前記伝熱管群に向けて落として該伝熱管群に前記凝縮液の液膜を形成することを特徴とする請求項3に記載の多湿気体の冷却装置。
  10. 前記伝熱管群内における前記冷却媒体の流れ方向は、前記流路内における前記多湿気体の流れ方向とは逆方向であることを特徴とする請求項6〜9のいずれか一項に記載の多湿気体の冷却装置。
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