JP5007187B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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本発明は、経血やおりものなどを吸収するための生理用ナプキン、パンティライナー、失禁パッド等の吸収性物品に係り、詳しくは太もも付け根の鼠径部を吸収体によって埋めることにより、該鼠径部からの横漏れを確実に防止した吸収性物品に関する。
従来より、生理用ナプキン、パンティライナー、おりものシート、失禁パッドなどの吸収性物品としては、ポリエチレンシートまたはポリエチレンラミネート不織布などからなる不透液性裏面シートと、不織布または透孔性プラスチックシートなどからなる透液性表面シートとの間に綿状パルプなどからなる吸収体を介在させたものが知られている。
この種の吸収性物品としては、装着状態で経血やおりもの等の体液の漏れを防止するため、排血口や排血口周辺の体型にフィットするように、表面に起立する立体ギャザーを配設したり、吸収体の側部に防漏壁を配設したり、吸収体表面にエンボスを施したりする対策が行われていた。具体的には、下記特許文献1では、着用者の排泄部付近に密着して、この付近に付着した体液を中高部へ誘導して吸収させることを目的として、吸収体が中高部を有しており、該中高部の両側縁に沿って、一対の前後方向に延びる防漏クッション堤が設けられた吸収性物品が開示されている。
また、下記特許文献2では、着用時に吸収体が肌側へ向かって隆起し、優れたフィット性を有するようにすることを目的として、吸収層における肌当接面側の長手方向両側部に一対の溝が設けられ、この一対の溝のそれぞれが、長手方向中央領域において幅方向外側に凸に湾曲するように形成された生理用ナプキンが開示されている。
さらに、下記特許文献3では、股下部における吸収性コアが、中央コアとその両側に配された側部コアとから構成されるとともに、中央コアと側部コアとの間に、屈曲補助部として機能する隙間が形成され、吸収性本体の両側部それぞれに、立ち上げ用の側部弾性部材を伸張状態で配設することにより、吸収性本体が股下部における両側部で起立するようになされた使い捨ておむつが開示されている。
特開2006−346305号公報 特開2006−325639号公報 特開2006−81651号公報
しかしながら、上記特許文献1記載の吸収性物品では、一対の防漏クッション堤は、それぞれ疎水性を有するとともに、弾性及び圧縮変形性を兼ね備えており、その材質は発泡ウレタンから形成されるものであるため、あくまで壁としての役割しか有しておらず、体液を吸収する機能を有していないため、大量の体液が放出された場合、この防漏クッション堤を乗り越えて横漏れを生じ、鼠径部に滞留するおそれがあった。
また、上記特許文献2記載の生理用ナプキンでは、着用の際、着用者の両太ももの付け根内側により左右から幅方向内側へ圧縮力を受け、この圧縮力が前記一対の溝に伝わって隆起部全体が肌側へ向かって隆起するものであるため、両太ももの付け根内側からの圧縮力が確実に前記一対の溝に伝わって隆起部が形成されるようにするためには、生理用ナプキンの両側部を厚く形成し、且つ両太ももからの圧縮力に耐えるようにこの両側部を高強度に形成しなければならない。このような構成では、万一横漏れが生じた場合、前述の下記特許文献1と同様に鼠径部に体液が滞留するおそれがあるとともに、仮に生理用ナプキンの両側部が鼠径部に入り込んで、前記滞留した体液を吸収したとしても、両側部の厚みが厚く且つ高強度に形成されているため、装着時の違和感や鼠径部の擦れやかぶれが生じていた。
さらに、上記特許文献3記載の使い捨ておむつでは、吸収体の両側部が起立した所定幅の部分は、着用者の肌に面接触するようになっているため、この面接触が解除されると比較的容易に体液の横漏れが生じ、前述の通り体液が鼠径部に滞留するおそれがあった。また、股下部における吸収性コアが中央コアとその両側に配された側部コアとから構成され、中央コアと側部コアとの間に、屈曲補助部として機能する隙間が形成されるようになっているため、側部コアに吸収された体液は、中央コアに速やかに移行されにくく、側部コアの吸収性能に問題があった。さらに、吸収性本体の両側部が一時的に鼠径部に入り込んだとしても、この両側部には側部弾性部材が配設されているため、元の所定幅に復元しようとする復元力が作用し、鼠径部に入り込んだ状態を維持できないとともに、たとえ鼠径部に入り込んだ状態が維持されたとしても、側部弾性部材の復元力を常時受けるため装着中の違和感や鼠径部の擦れやかぶれを生じる原因となるおそれがあった。
そこで本発明の主たる課題は、吸収体が鼠径部にフィットすることにより、体液の横漏れが確実に防止でき、装着中の違和感や鼠径部の擦れやかぶれを起こさずに鼠径部にフィットした状態を維持できる吸収性物品を提供することにある。
前記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に吸収体が介在された吸収性物品において、
前記吸収体は、下層吸収体と上層吸収体とから構成され、少なくとも排血口対応位置及びその近傍において、前記下層吸収体は、展開状態の横断面形状が略水平な底面と、底面の両側縁部から斜め外方に立ち上がる側面と、該側面の頂部から上面中央に形成された最薄部に向かう傾斜面によって略V字状の谷溝を有する断面形状を成し、前記上層吸収体は、展開状態の横断面形状が前記下層吸収体の上面に形成された略V字状の谷溝を埋めるように略逆三角形状の断面形状を成し、
前記上層吸収体の表面より前記下層吸収体の両側部に形成された頂部の方が高く形成され、身体への装着状態時に前記頂部が鼠径部を埋めるように身体に当接することを特徴とする吸収性物品が提供される。
上記請求項1記載の発明では、吸収体が、下層吸収体と上層吸収体とから構成され、少なくとも排血口対応位置及びその近傍において、前記下層吸収体は、展開状態の横断面形状が略水平な底面と、底面の両側縁部から斜め外方に立ち上がる側面と、この側面の頂部から上面中央に形成された最薄部に向かう傾斜面によって上面に略V字状の谷溝を有する断面形状を成し、前記上層吸収体は、展開状態の横断面形状が前記下層吸収体の上面に形成された略V字状の谷溝を埋めるように略逆三角形状の断面形状を成し、前記上層吸収体の表面より前記下層吸収体の両側部に形成された頂部の方が高く形成され、身体への装着状態時に前記頂部が鼠径部を埋めるように身体に当接するようにしている。
従って、下層吸収体の頂部が太ももの内側付け根部分に形成される鼠径部に入り込み易くなり、吸収体が鼠径部にフィットして、この鼠径部にまで達した体液を素早く吸収することによって体液の横漏れが確実に防止できるようになる。
また、鼠径部に入り込む下層吸収体は、鼠径部の形状にあった三角形状を成しているため、装着中の違和感や鼠径部のかぶれを起こさずに、鼠径部にフィットした状態を維持できるようになっている。
請求項2に係る本発明として、前記下層吸収体は、少なくとも排血口対応位置及びその近傍において、前記谷溝の最薄部に、長手方向に沿ってエンボスを付与してある請求項1記載の吸収性物品が提供される。
上記請求項2記載の発明では、少なくとも排血口対応位置及びその近傍において、前記谷溝の最薄部に、長手方向に沿ってエンボスが形成されているため、断面形状を保持することが可能になるとともに、このエンボスを基端として、両側部の山形部分(頂部)が内側に立ち上がりやすくなり、鼠径部の動きに対して追従性を良好にすることができる。
請求項3に係る本発明として、前記下層吸収体は、少なくとも排血口対応位置及びその近傍であって、上層吸収体側縁よりも外側の前記頂部を含む吸収体部分において、高吸水性樹脂が他の領域よりも含有量が多くなるように偏在して混入されている請求項1〜2いずれかに記載の吸収性物品が提供される。
上記請求項3記載の発明は、少なくとも排血口対応領域及びその近傍において、下層吸収体の鼠径部に入り込む吸収体部分の高吸水性樹脂を他の領域よりも含有量が多くなるように偏在して混入するようにしたものである。前記頂部が山形状のシャープな形状とされているため、体液を吸収し湿潤状態になった際、吸収体の繊維がへたり、形状を維持しづらくなるが、高吸水性樹脂を多く混入することにより、体液の多くを高吸水性樹脂に吸収させることにより繊維のヘタリを防止することが可能となる。
請求項4に係る本発明として、前記下層吸収体の両側面及び底面の外側を覆うように、防水シートが配設されている請求項1〜3いずれかに記載の吸収性物品が提供される。
請求項5に係る本発明として、前記下層吸収体の両側面を覆うように、先端部が外側に向けて延在する立体ギャザーが配設されている請求項1〜4いずれかに記載の吸収性物品が提供される。
上記請求項4,5記載の発明は、頂部に吸収した体液が側面から滲出し、太もも側に漏れ出る問題を解決するためになされたものであり、上記請求項4記載の発明では、前記下層吸収体の両側面及び底面の外側を覆うように防水シートを配設したものであり、上記請求項5記載の発明では、下層吸収体の両側面を覆うように先端部が外側に向けて延在する立体ギャザーを配設することにより、鼠径部に入り込んだ吸収体から体液が太もも側に滲出しないようにしている。
以上詳説のとおり本発明によれば、吸収体が鼠径部にフィットすることにより、体液の横漏れが確実に防止でき、装着中の違和感や鼠径部のかぶれを起こさずに鼠径部にフィットした状態を維持できるようになる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。図1は本発明の第1形態例に係る生理用ナプキン1の一部破断展開図であり、図2は図1のII−II線矢視図である。
前記生理用ナプキン1は、ポリエチレンシートなどからなる不透液性裏面シート2と、経血やおりものなどを速やかに透過させる透液性表面シート3と、これら両シート2,3間に介装された綿状パルプまたは合成パルプなどからなる吸収体4と、この吸収体4の形状保持および拡散性向上のために前記吸収体4を囲繞するクレープ紙5と、表面側両側部にそれぞれ長手方向に沿って形成されたサイド不織布7、7とから主に構成されている。前記吸収体4の周囲において、その上下端縁部では、前記不透液性裏面シート2と透液性表面シート3との外縁部がホットメルトなどの接着剤やヒートシール等の接着手段によって接合され、またその両側縁部では吸収体4よりも側方に延出している前記不透液性裏面シート2と、前記サイド不織布7とがホットメルトなどの接着剤やヒートシール等の接着手段によって接合され、これら不透液性裏面シート2とサイド不織布7とによる積層シート部分によって側方に突出するウイング状フラップW、Wが形成されるとともに、これよりも臀部側に位置する部分にヒップホールド用フラップW、Wが形成されている。
以下、さらに前記生理用ナプキン1の構造について詳述すると、
前記不透液性裏面シート2は、ポリエチレン等の少なくとも遮水性を有するシート材が用いられるが、近年はムレ防止の観点から透湿性を有するものが用いられる傾向にある。この遮水・透湿性シート材としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を溶融混練してシートを成形した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートが好適に用いられる。
次いで、前記透液性表面シート3は、有孔または無孔の不織布や多孔性プラスチックシートなどが好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンレース法は柔軟性、ドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法は嵩高でソフトである点で優れている。前記透液性表面シート3に多数の透孔を形成した場合には、経血やおりもの等(以下、まとめて体液という。)が速やかに吸収されるようになり、ドライタッチ性に優れたものとなる。
前記吸収体4は、図2に示されるように、下層吸収体41と上層吸収体42とから構成され、少なくとも排血口対応位置及びその近傍において、前記下層吸収体41は、略水平な底面43と、底面の両側縁部から斜め外方に立ち上がる側面44,44と、該側面の頂部45、45から上面中央に形成された最薄部46に向かう傾斜面47、47によって上面に略V字状の谷溝48を有する断面形状を成し、前記上層吸収体42は前記下層吸収体41の上面に形成された略V字状の谷溝48を埋めるように略逆三角形状の断面形状を成している。そして、前記上層吸収体42の表面より前記下層吸収体41の両側部に形成された頂部45,45の方が高く形成されるとともに、前記頂部45が鼠径部を埋めるように身体に当接するようになっている。ここで、前記底面43から頂部45までの高さhは、20mm以上、好ましくは25mm以上であることが望ましい。また、前記上層吸収体42の表面と頂部45との高低差は5mm以上、好ましくは10mm以上であることが望ましい。
なお、臀部に対応する領域では、下層吸収体41に両側端が表面側に突出した頂部45,45が形成されたままであると、吸収体4が臀部から離間して、体液の伝い漏れの原因となるため、この領域の頂部45,45は、頂部45に切込みを加えた上で、エンボスなどによって上層不織布42の形成高さまで圧縮しておくのが望ましい。
前記上層吸収体42の表面の排血口対応領域には、図示しないが、排血口との密着性を高めるため、幅方向中央部に、ナプキン長手方向に細長く区画される領域に、使用面側に高い吸収体の中高部を形成するとともに、この中高部の周縁に沿ってその近傍外側部位置には周方向に閉合するエンボスを付与するようにしてもよい。
このように、排血口対応領域及びその近傍に、前記頂部45,45が形成された吸収体4とすることにより、前記頂部45,45が、太ももの内側付け根部分に形成される鼠径部S、S(図3参照)に入り込み、排血口対応領域にフィットする吸収体4部分を超えて鼠径部S、Sにまで達した体液を吸収でき、体液の横漏れが確実に防止されるようになる。
前記吸収体4は、たとえばパルプ中に高吸水性樹脂を混入したもの、或いはパルプ中に化学繊維を混入させるとともに、粒状の高吸水性樹脂を混入したものが使用される。前記吸収体4は、図示のように、形状保持、および経血等を速やかに拡散させるとともに、一旦吸収した経血等の逆戻りを防止するためにクレープ紙5によって囲繞するのが望ましい。前記パルプとしては、木材から得られる化学パルプ、溶融パルプ等のセルロース繊維や、レーヨン、アセテート等の人工セルロース繊維からなるものが挙げられ、広葉樹パルプよりは繊維長の長い針葉樹パルプの方が機能および価格の面で好適に使用される。
前記高吸水性樹脂としては、たとえばポリアクリル酸塩架橋物、自己架橋したポリアクリル酸塩、アクリル酸エステル−酢酸ビニル共重合体架橋物のケン化物、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体架橋物、ポリスルホン酸塩架橋物や、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミドなどの水膨潤性高吸水性樹脂を部分架橋したもの等が挙げられる。これらの内、吸水量、吸水速度に優れるアクリル酸またはアクリル酸塩系のものが好適である。前記吸水性能を有する高吸水性樹脂は製造プロセスにおいて、架橋密度および架橋密度勾配を調整することにより吸水力と吸水速度の調整が可能である。前記高吸水性樹脂の含有率は10〜60%とするのが望ましい。高吸水性樹脂含有率が10%未満の場合には、十分な吸収能を与えることができず、60%を超える場合にはパルプ繊維間の絡み合いが無くなり、シート強度が低下し破れや割れ等が発生し易くなる。
一方、本生理用ナプキン1の表面がわ両側部にはそれぞれ、両側端から前記頂部45を超えて前記谷溝48の所定範囲にかけて、長手方向に沿ってかつナプキン1のほぼ全長に亘ってサイド不織布7、7が設けられ、このサイド不織布7、7の一部が側方に延在されるとともに、同じく側方に延在された不透液性裏面シート2の一部とによりウイング状フラップW、Wが形成されるとともに、これよりも臀部側に位置する部分にヒップホールド用フラップW、Wが形成されている。
前記サイド不織布7としては、鼠径部Sに入り込んだ吸収体4の吸収性を阻害しないように、親水処理不織布を使用することが望ましい。この親水処理を施した不織布としては、たとえば、合成繊維の製造過程で親水基を持つ化合物、例えばポリエチレングリコールの酸化生成物などを共存させて重合させる方法や、塩化第2スズのような金属塩で処理し、表面を部分溶解し多孔性とし金属の水酸化物を沈着させる方法等により合成繊維を膨潤または多孔性とし、毛細管現象を応用して親水性を与えた親水処理不織布を用いることができる。
前記透液性表面シート3と不透液性裏面シート2との間に吸収体4が介在された本体部分の非肌当接面には、下着に対する固定のために適宜の塗布パターンによって複数条の本体ズレ止め粘着剤層9,9…(後段で詳述)が形成されている。また、図1に示されるように、前記ウイング状フラップW、Wの不透液性裏面シート2側の面には、ウイングズレ止め粘着剤層10、10が形成されるとともに、前記ヒップホールド用フラップW、Wの不透液性裏面シート2側の面には、ヒップズレ止め粘着剤層11、11が形成されている。
ところで、上記生理用ナプキン1の基本構造に対して、以下に述べるような種々の形態を付加又は変更することが可能である。
すなわち、前記下層吸収体41の頂部45,45は、山形状のシャープな形状とされているため、体液を吸収し湿潤状態になった際に吸収体の繊維がへたり、断面形状を維持しづらくなるおそれがある。このため、頂部45,45には湿潤によるヘタリに対する抵抗性を持たせる必要がある。そこで本発明では、図4(A)に示されるように、少なくとも排血口対応領域及びその近傍であって、上層吸収体側縁よりも外側の前記頂部を含む吸収体部分において、高吸水性樹脂20,20…を他の領域よりも含有量が多くなるように偏在して混入することにより、体液の多くを高吸水性樹脂に吸収させることにより繊維のヘタリを防止することが可能となる。なお、同図に模式的に示されるように、前記高吸水性樹脂20は、頂部45,45に散布される他、下層吸収体41の高さ方向に対し、パルプ層と交互に複数段に亘って高吸水性樹脂層が形成され、分散配置されるのが望ましい。
さらに加えて、前記高吸水性樹脂20は、図4(B)に示されるように、上層吸収体42の底部にも多く散布するのが望ましい。これにより、上層吸収体42の吸収性能が向上するので好ましい。
一方、図5に示されるように、下層吸収体41の断面形状を保持するとともに、前記頂部45,45が鼠径部S、Sに入り込みやすくするため、排血口対応領域及びその近傍の谷溝48の底部46には、長手方向に沿って所定深さで線状のエンボス49を形成することが好ましい。谷溝48の最薄部46にエンボス49を付与することにより、断面形状を保持することが可能になるとともに、エンボス49を基端として、両側部の山形部分(頂部45)が内側に立ち上がりやすくなり、鼠径部S、Sの動きに対して追従性がよくなる。
一方、上記基本構造では、サイド不織布7を親水性不織布で構成していたため、鼠径部Sで吸収した体液が下層吸収体41の側面44から滲出し、太もも側に漏れ出るおそれがある。そこで、この側面44からの滲出を防止するため、図6に示されるように、下層吸収体41の両側面44,44及び底面43の外側、図示例では両側面44,44においてはクレープ紙5と透液性表面シート3との間、底面43においてはクレープ紙5と不透液性裏面シート2との間に、撥水性または不透液性を示す例えばポリエチレンなどからなる防水シート21を配設することが望ましい。これにより鼠径部Sでの吸収性を確保した上で、吸収した体液の吸収体側面44からの滲出が防止できる。
また、これとは別に、吸収した体液の吸収体側面からの滲出を防止するため、図7に示されるように、前記下層吸収体41の両側面44,44に、少なくとも排血口対応領域及びその近傍において、先端部が外側に向けて延在する立体ギャザーBSを、前記サイド不織布7によって形成する手段を採ることもできる。前記立体ギャザーBSは、サイド不織布7の内方側部分がほぼ二重に折り返され、この二重シート内部に、その高さ方向中間部に両側または長手方向の適宜の位置が固定された糸状弾性部材23が配設されるとともに、前記糸状弾性伸縮部材23の外側部位に複数本の、図示例では2本の糸状弾性伸縮部材24、24が両側または長手方向の適宜の位置が固定された状態で配設されている。
ここで、前記立体ギャザー22を形成するサイド不織布7としては、上記基本構造の生理用ナプキン1においては、両側端から頂部45を超えて谷溝48の所定範囲にかけて配設されていたため、鼠径部Sに入り込んだ吸収体4の吸収性を阻害しないように親水処理不織布を使用しているが、本形態では、鼠径部Sに入り込んだ吸収体4に吸収された体液が浸透するのを防止する、シリコン系、パラフィン系、アルキルクロミッククロリド系撥水剤などをコーティングした撥水処理不織布を用いることが望ましい。従来の生理用ナプキンでは、立体ギャザーを起立させて股下部に密着させることによって体液の横漏れを防止する機構であったため、立体ギャザーの高さをある程度高くしなければならなかったが、本発明に係る生理用ナプキン1では、鼠径部Sに吸収体4が入り込むことによって既に横漏れが防止されており、立体ギャザー22は太ももの付け根部分に密着することによって鼠径部Sに入り込んだ吸収体41に吸収された体液が太もも側に滲出しないようにするためのものであるから、従来の生理用ナプキンのように高さを高くする必要がなく、下層吸収体41の頂部45とほぼ同等の高さで形成されていればよい。
図8、9に示される形態例は、吸収体4をより身体にフィットさせるため、吸収体4が介在された本体部分の非肌当接面に形成された本体ズレ止め粘着剤層9、9…の塗布パターンを最適化したものである。図8は、第1の塗布パターンを示したものである。臀部に形成される下層吸収体41の頂部45は、前述の通り、吸収体4が臀部に沿いやすくするため、圧縮して上層吸収体42の高さまで潰されている。第1の塗布パターンでは、臀部に形成される下層吸収体41の頂部45が前記の圧縮された状態を維持して、吸収体4全体が臀部に沿いやすくなるようにするため、臀部における吸収体41の頂部45,45に対応する位置にズレ止め粘着剤層9a、9aを設けるようにしている。
第2の塗布パターンでは、図9に示されるように、吸収体4が臀部の溝に沿うように、ナプキン1の後方中央部に、長手方向に沿って後側が幅広とされたズレ止め粘着剤層9bを設けるようにしている。
一方、図10に示されるように、透液性表面シート3と吸収体4との間に親水性セカンドシート25を配設することによって、体液が吸収体4に移行し易くなるので好ましい。ここで、前記親水性セカンドシート25は、同図に示されるように、少なくとも上層吸収体42の表面を覆うように配設する。これによって、排血口部での吸収スピードが向上するとともに、臀部の溝を伝った体液をすばやく吸収することができるようになる。前記親水性セカンドシート25としては、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることにより素材自体に親水性を有するものを用いるか、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維を親水化剤によって表面処理し親水性を付与した繊維を用いることができる。この不織布も前記透液性表面シート3と同様に、嵩高性を与えるためにエアスルー法又はサーマルボンド法によって製造された不織布を用いるのが望ましく、透液性表面シート並の伸度を有するために、エアスルー不織布、捲縮繊維を用いた不織布、スチレン系やウレタン系に代表されるエラストマーからなる伸縮性不織布などを用いるのが好適とされる。
次に、上記生理用ナプキン1の製造工程のうち、吸収体4の製造方法について詳述する。
前記下層不織布41の製造に際しては、図11に示されるように、下層不織布41を裏返した形状に対応した下層不織布用積繊型枠30を用意する。そして、排血口対応領域及びその近傍であって下層不織布41の頂部45に対応する部分の下層不織布用積繊型枠30内に、先ず前記高吸水性樹脂20を散布しておき、その上からパルプを積繊する。その後、パルプと高吸水性樹脂を交互に層状に積層する。このように積層することにより、高吸水性樹脂20が適度に分散して吸収体の形状が保持されやすくなるとともに、高吸水性樹脂20の偏りを防止することができる。
一方、上層不織布42の製造に際しては、図12に示されるように、上層不織布42の形状に対応した上層不織布用積繊型枠31を用意する。そして、排血口対応領域及びその近傍であって、谷溝48の底部に高吸水性樹脂20を散布しておき、その上から所定の形成高さまでパルプを積繊する。
上述のようにして製造された下層不織布41に上層不織布42を積層した後、後側の臀部に対応する部位では、頂部45、45にカッターで切込みを加えた上で、エンボスを掛けて上層不織布42の形成高さまで圧縮するのが望ましい。
本発明に係る生理用ナプキン1の展開図である。 図1のII−II線矢視図である。 人体の鼠径部S付近を示す正面図である。 (A)、(B)は、高吸水性樹脂20の散布状態を示す吸収体4の横断面図である。 下層吸収体41の最薄部46に形成されるエンボス49を示す、(A)は生理用ナプキン1の展開図、(B)は吸収体4の横断面図((A)のB−B線矢視図)である。 防水シート21の配設形態を示す図1のII−II線矢視相当図である。 立体ギャザーBSの配設形態を示す図1のII−II線矢視相当図である。 本体ズレ止め粘着剤層9の第1の塗布パターンを示す生理用ナプキン1の裏面図である。 本体ズレ止め粘着剤層9の第2の塗布パターンを示す生理用ナプキン1の裏面図である。 セカンドシート25の配設形態を示す生理用ナプキン1の展開図である。 下層吸収体41の製造方法を示す下層吸収体用型枠30の横断面図である。 上層吸収体42の製造方法を示す上層吸収体用型枠31の横断面図である。
符号の説明
1…生理用ナプキン、2…不透液性裏面シート、3…透液性表面シート、4…吸収体、5…クレープ紙、7…サイド不織布、9…本体ズレ止め粘着剤層、10…ウイングズレ止め粘着剤層、11…ヒップズレ止め粘着剤層、41…下層吸収体、42…上層吸収体、43…底面、44…側面、45…頂部、46…最薄部、47…傾斜面、48…谷溝、49…エンボス、BS…立体ギャザー、S…鼠径部、W…ウイング状フラップ、W…ヒップホールド用フラップ

Claims (5)

  1. 透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に吸収体が介在された吸収性物品において、
    前記吸収体は、下層吸収体と上層吸収体とから構成され、少なくとも排血口対応位置及びその近傍において、前記下層吸収体は、展開状態の横断面形状が略水平な底面と、底面の両側縁部から斜め外方に立ち上がる側面と、該側面の頂部から上面中央に形成された最薄部に向かう傾斜面によって略V字状の谷溝を有する断面形状を成し、前記上層吸収体は、展開状態の横断面形状が前記下層吸収体の上面に形成された略V字状の谷溝を埋めるように略逆三角形状の断面形状を成し、
    前記上層吸収体の表面より前記下層吸収体の両側部に形成された頂部の方が高く形成され、身体への装着状態時に前記頂部が鼠径部を埋めるように身体に当接することを特徴とする吸収性物品。
  2. 前記下層吸収体は、少なくとも排血口対応位置及びその近傍において、前記谷溝の最薄部に、長手方向に沿ってエンボスを付与してある請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記下層吸収体は、少なくとも排血口対応位置及びその近傍であって、上層吸収体側縁よりも外側の前記頂部を含む吸収体部分において、高吸水性樹脂が他の領域よりも含有量が多くなるように偏在して混入されている請求項1〜2いずれかに記載の吸収性物品。
  4. 前記下層吸収体の両側面及び底面の外側を覆うように、防水シートが配設されている請求項1〜3いずれかに記載の吸収性物品。
  5. 前記下層吸収体の両側面を覆うように、先端部が外側に向けて延在する立体ギャザーが配設されている請求項1〜4いずれかに記載の吸収性物品。
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