JP5006150B2 - 自由水の測定方法および測定装置 - Google Patents

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Description

この発明は、自由水の測定方法および測定装置に関し、特に、加熱乾燥式の自由水の測定方法および測定装置に関するものである。
食品などに含まれる水分には、食品を構成している成分と固く結合している結合水と、周囲の環境で変化する自由水(水分活性)に分類される。食品では、自由水の量によって腐敗や発酵の進み方が変化するため、自由水の量を測定することは、食品を管理する上で重要になっている。また、医薬品、化粧品についても同様で、自由水の測定は品質管理における重要な指標となっている。
一般に、加熱乾燥式水分計の場合、加熱によって揮発した量を測定するため、上記2水分を分離して測定することは困難である。この場合、自由水のみが揮発する加熱温度を選択すれば、自由水だけを測定することができるが、その温度を確定することは難しい。
そこで、従来、自由水は、水分活性として測定されており、この水分活性は、サンプルを入れた密閉容器内の蒸気圧(P)と、純水の飽和水蒸気圧(Po)との比で定義され、以下のような方法で測定されてきた。
〔1〕グラフによる内挿法、〔2〕二温度間平衡法、〔3〕気圧法、〔4〕毛髪湿度測定法、〔5〕等圧平衡法、〔6〕電気抵抗式湿度測定法、〔7〕化学的測定法、〔8〕凝固点降下法、〔9〕露点法などが知られている(「食品と水分活性」John.A.Troller著、平田孝訳、学会出版センター)。
しかし、上記した従来の水分活性の測定方法では、機器が大形となり重量も重く携帯性に欠け、精度も低いといった欠点があった。そこで、特許文献1には、このような課題を解決する水分活性測定器が提案されている。
特許文献1に開示されている水分活性測定器は、検体容器本体と共に検体を収容する密閉した容器内空間を形成する検体容器蓋体と、前記検体容器蓋体の容器内空間側に設けられ、前記容器内空間の湿度を検出する湿度検出部と、前記検体容器蓋体に内蔵され、前記湿度検出部によって検出した湿度に基づいて水分活性値を演算する電気回路部と、前記検体容器蓋体の表面に設けられ、前記電気回路部によって演算された水分活性値を表示する表示部とを含む構成となっている。
この特許文献1に開示されている水分活性測定器は、携帯性に優れるものの、以下に説明する技術的課題もあった。
特開平5−273168号公報
すなわち、特許文献1に開示されている水分活性測定器は、湿度から水分活性を求める方法であり、このような測定原理であると測定環境の影響を受けやすく、また、測定しているのは相対湿度であるため、物質に付着した自由水の全量を正確に測定することができないという問題があった。 本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、自由水の全量測定が正確にできる水分量の測定方法および測定装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、結合水と自由水とが含まれている試料中の前記自由水を加熱乾燥式水分計で計測する自由水の測定方法において、前記試料の自由水を完全放出させたサンプルを作成し、前記加熱乾燥式水分計で前記サンプルの加熱前後の質量差から結合水水分量を演算する工程と、前記試料を前記加熱乾燥式水分計で、前記自由水及び結合水の両方が完全に揮発する温度まで加熱して、前記試料の加熱前後の質量差から、前記結合水と自由水とからなる綜合水水分量を演算する工程と、前記各工程から得られた前記結合水水分量と綜合水水分量とに基づいて、自由水の割合=(綜合水水分量−結合水水分量)/(1−結合水水分量)から自由水の割合を求めるようにした。
前記サンプルは、前記試料を前記自由水しか放出されない温度まで加熱し、前記自由水が完全に放出されるまで放置することにより作成することができる。
また、前記サンプルは、密閉した空間内に前記試料をシリカゲルなどの吸湿材とともに収納し、前記自由水が完全に放出されるまで放置することにより作成することができる。
さらに、本発明は、上記目的を達成するために、試料を加熱する加熱部と、前記試料の質量を測定する質量測定部と、前記質量測定部の測定値に基づいて、前記試料の水分量を演算する演算処理部とを備えた加熱乾燥式水分計において、前記演算処理部は、結合水と自由水とが含まれている試料の前記自由水を完全放出させたサンプルを作成し、前記サンプルの加熱前後の質量を前記質量測定部で測定して結合水水分量を求め、前記試料を、前記自由水及び結合水の両方が完全に揮発する温度まで前記加熱部で加熱して、前記試料の加熱前後の質量を前記質量測定部で測定して、前記結合水と自由水とからなる綜合水水分量を演算し、得られた前記結合水水分量と綜合水水分量とに基づいて、自由水の割合=(綜合水水分量−結合水水分量)/(1−結合水水分量)から自由水の割合を求めるようにした。
前記加熱乾燥式水分計は、前記演算処理部で求めた前記結合水水分量を格納するメモリを備え、前記結合水水分量を前記試料の種別と関連付けて前記メモリに格納することができる。
また、本発明は、上記目的を達成するために、結合水と自由水とが含まれている試料中の前記自由水を加熱乾燥式水分計で計測する自由水の測定方法において、前記試料を前記加熱乾燥式水分計で、前記結合水が揮発しない温度まで加熱して、前記試料の単位時間当たりの質量変化が一定値以下になった時点での前記試料の加熱前後の質量差から、前記試料の自由水水分量を演算する工程と、引続いて、前記加熱乾燥式水分計で、前記結合水が完全に揮発する温度まで加熱して、前記試料の単位時間当たりの質量変化が一定値以下になった時点での前記試料の加熱前後の質量差から、前記試料の結合水水分量を演算する工程と、前記各工程から得られた前記自由水水分量と結合水水分量とに基づいて、前記自由水水分量と前記結合水水分量の合計である綜合水水分量を求め、自由水の割合=(綜合水水分量−結合水水分量)/(1−結合水水分量)から自由水の割合を求めるようにした。
また、本発明は、上記目的を達成するために、試料を加熱する加熱部と、前記試料の質量を測定する質量測定部と、前記質量測定部の測定値に基づいて、前記試料の水分量を演算する演算処理部とを備えた加熱乾燥式水分計において、前記演算処理部は、前記試料を前記加熱部で、前記結合水が揮発しない温度まで加熱して、前記試料の単位時間当たりの質量変化が一定値以下になった時点での前記試料の加熱前後の質量差から、前記試料の自由水水分量を演算するとともに、引続いて、前記加熱部で、前記結合水が完全に揮発する温度まで加熱して、前記試料の単位時間当たりの質量変化が一定値以下になった時点での前記試料の加熱前後の質量差から、前記試料の結合水水分量を演算し、前記各工程から得られた前記自由水水分量と結合水水分量とに基づいて、前記自由水水分量と前記結合水水分量の合計である綜合水水分量を求め、自由水の割合=(綜合水水分量−結合水水分量)/(1−結合水水分量)から自由水の割合を求めるようにした。
本発明にかかる自由水の測定方法および測定装置によれば、自由水の全量測定が正確にできるので、例えば、自由水の割合を高分解能(0.01%表示)で測定でき、加熱温度をパラメータとすることで、ある温度下での自由水の飛ぶ割合が測定できるとともに、自由水の蒸発する過程をグラフ化し、視認しながら確認することも可能になる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。図1から図3は、本発明にかかる自由水の測定方法及び測定装置の第1実施例を示している。
図1は、本発明の実施に用いる加熱乾燥式の水分計10の全体構成ブロック図である。同図に示した加熱乾燥式水分計10は、加熱部12と、質量測定部14と、温度制御部15と、演算処理部16とを備えている。
加熱部12は、試料Xを加熱するものであって、試料Xの上方を覆うカバー12aと、カバー12aの内部に設けられ、試料Xに向けて輻射熱を放射する加熱用のランプ12bとを有している。
質量測定部14は、試料Xの質量を測定するものであって、試料Xが載置される試料皿14aと、試料Xと試料皿14aとの合計質量を測定する荷重センサ14bとを有し、具体的には、上皿方式の電子天秤が好適に用いられる。
温度制御部15は、試料Xに加えられている温度を測定するものであって、加熱部12のカバー12a内に設置された温度センサ15aと、温度センサ15aが接続された温度コントローラ15bとを有している。
温度コントローラ15bは、加熱部12のランプ12bに接続されていて、ランプ12bの出力を制御することなどにより、試料Xに加えられる加熱温度を制御する。
演算処理部16は、質量測定部14の測定値に基づいて、試料Xの自由水水分量を演算するものであって、cpu16aと、表示部16b,インターフェイス16c,タイマ16d,メモリ16e,キースイッチ部16fとを有している。
cpu16aには、表示部16bなどが接続されるとともに、温度コントローラ15bが接続されており、cpu16aから温度コントローラ15bに制御信号が送出される。
また、cpu16aには、A/D変換器18を介して、質量測定部14の荷重センサ14bが接続されていて、荷重センサ14bの質量測定値が、デジタル変換されてcpu16aに入力される。表示部16bには、cpu16aで求められた水分量Mnなどが表示され、インターフェイス16cは、外部接続用のポートとなっている。
メモリ16eには、cpu16aで実行される制御手順などが格納されている。キースイッチ部16aからは試料Xに加えられる加熱条件などが入力される。本実施例の場合、演算処理部16は、結合水Wcと自由水Wfとが含まれている試料Xの自由水Wfを完全放出させたサンプルを作成し、このサンプルの加熱前後の質量を質量測定部14で測定して結合水水分量(A)を求め、試料Xを、自由水Wf及び結合水Wcの両方が完全に揮発する温度まで加熱部12で加熱して、試料Xの加熱前後の質量を質量測定部14で測定して、結合水Wcと自由水Wfとからなる綜合水水分量(B)を演算する。
そして、得られた結合水水分量(A)と綜合水水分量(B)とに基づいて、
自由水Wfの割合=(綜合水水分量(B)−結合水水分量(A))/(1−結合水水分量(A))
式から自由水Wfの割合を求めるようになっている。なお、ここでいうところの水分量は、結合水Wcや自由水Wf及びこれらの総和が、試料Xの全質量に占める割合をいう。また、ここでの水分量は、水分率に変えても同じ結果が得られる。
図2には、演算処理部16で実行される自由水Wfの水分量を測定する手順の具体的な例が示されている。同図に示した測定手順では、まず、手順がスタートすると、ステップ1で、自由水Wfの測定を行う試料Xの測定が過去に行われたか否かが判断される。
ステップ1で、試料Xの測定が過去に行われていると判断されると、ステップ2に移行し、ここでは、結合水Wcだけしか含まないサンプルの作成が行われ、続くステップ3では、作成したサンプルを試料皿14a上に載置し、荷重センサ14bで加熱前の質量W1を測定して、メモリ16eに記憶する。
続くステップ4では、ランプ12bでサンプルを加熱して、結合水Wcを揮発させ、加熱による揮発後の質量W2を荷重センサ14bで測定し、加熱前の質量W1との比率から結合水Wcの割合を計算し、結合水水分量(A)を求めて、これをメモリ16eに格納する。この格納に際しては、試料Xの種別と関連付けて記憶する。(ステップ5,6)
一方、ステップ1で、試料Xの測定が過去に行われていないと判断された場合、及び、ステップ6が実行されると、続くステップ7で、測定したい試料Xを試料皿14a上に載置し、荷重センサ14bで加熱前の質量W3を測定して、メモリ16eに記憶する。
次に、ステップ8で、ランプ12bでサンプルを加熱して、自由水Wfと結合水Wcを揮発させ、加熱による揮発後の質量W4を荷重センサ14bで測定し、加熱前の質量W3との比率から自由水Wfと結合水Wcとの合計からなる総合水水分量(B)を求めて、これをメモリ16eに格納する。(ステップ9)
ステップ10では、結合水水分量(A)と総合水水分量(B)とから、測定した試料Xの自由水Wfの割合を以下の式から計算して、これを表示及び格納して、手順が終了する。
自由水Wfの割合=(綜合水水分量−結合水水分量)/(1−結合水水分量)
図3及び図4には、図2に示したフローチャートのステップ2で作成される結合水Wcだけしか含まないサンプルの作成方法の2つの例を示している。図3に示した例では、測定試料を試料皿14a上に載せて、ランプ12bにより加熱して、自由水Wfだけを揮発させる。この時の質量を荷重センサ14bで測定する。
そして、ランプ12aによる加熱を継続しながら、荷重センサ14bの単位時間当たりの変化量を検出して、それが一定値以下になる時点を検出し、その状態が得られると、これを結合水Wcだけしか含まないサンプルとする。
一方、図4に示した例では、測定試料を試料皿14a上に載せて、シリカゲルなどの吸湿材を入れて密閉して、自由水Wfだけを吸着させる。この時の質量を荷重センサ14bで測定する。
そして、吸湿材による吸着を継続しながら、荷重センサ14bの単位時間当たりの変化量を検出して、それが一定値以下になる時点を検出し、その状態が得られると、これを結合水Wcだけしか含まないサンプルとする。図2に示した手順においては、図3,4に示したサンプルの作成例のいずれの方法でも採用することができる。
さて、以上のように構成した自由水の測定方法及び測定装置によれば、自由水の全量測定が正確にできるので、例えば、自由水の割合を高分解能(0.01%表示)で測定でき、加熱温度をパラメータとすることで、ある温度下での自由水の飛ぶ割合が測定できるとともに、自由水の蒸発する過程をグラフ化し、視認しながら確認することも可能になる。
なお、図2に示したフローチャートの実行により演算処理部16で求めた結合水水分量(A)を、メモリ16eに試料Xの種別と関連付けて格納しておくと、次回同じ試料Xの自由水Wfの割合を測定する際には、結合水水分量(A)が格納されているので、図2に示したステップ2〜6を省略して、測定の迅速化を図ることができる。
図5及び図6は、本発明にかかる自由水の測定方法及び測定装置の他の実施例を示しており、本実施例の場合には、測定装置の基本的構成は、図1に示したものと同じ加熱乾燥式水分計10が使用される。
試料Xの自由水Wfの割合を測定する際には、図5に示した手順に従って行われ、手順がスタートすると、ステップ11で、測定しようとする試料Xが試料皿14aに載置され、ステップ12で、その際の質量W0が荷重センサ14bにより測定されて、記憶される。
ステップ13では、試料Xの結合水Wcが揮発しない温度になるようにランプ12bで加熱して、自由水Wfを揮発させながら、質量の測定を継続し、単位時間当たりの質量の変化量が一定値以下になる時点を検出する。(ステップ14,15)
ステップ15で、単位時間当たりの質量の変化量が一定値以下になる時点が検出されると、ステップ16で、その時点の質量W1を記憶し、質量W0,W1の値から自由水Wfの量及び割合を計算して、これを格納する。
続くステップ17では、結合水Wcが揮発するような温度まで、ランプ12bで加熱して、結合水Wcを揮発させる。結合水Wcを揮発させながら、質量の測定を継続し、単位時間当たりの質量の変化量が一定値以下になる時点を検出する。(ステップ18,19)
ステップ19で、単位時間当たりの質量の変化量が一定値以下になる時点が検出されると、ステップ20で、その時点の質量W2を記憶し、質量W0,W1,W2の値から結合水Wcの量及び割合を計算して、これを格納して手順が終了する。
図6は、図5に示した手順で、試料Xを加熱した際の温度及び質量値の変化を時間軸で現わしたものである。同図に示した例では、自由水Wfが揮発する温度が約80℃で、結合水Wcが揮発する温度が約160℃であり、ステップ12で測定される試料Xの質量W0が5g、同ステップ16で測定される試料Xの質量W1が4g、同ステップ20で測定される試料Xの質量W2が2.5gとなっている。
この試料Xの自由水Wfの量は、1gで、結合水Wcの量は、1.5gとなっていて、自由水Wfの割合は、20%(1/5)となる。
さて、以上のように構成した自由水の測定方法及び測定装置によれば、上記実施例と同様に、自由水の全量測定が正確にできるので、例えば、自由水の割合を高分解能(0.01%表示)で測定でき、加熱温度をパラメータとすることで、ある温度下での自由水の飛ぶ割合が測定できるとともに、自由水の蒸発する過程をグラフ化し、視認しながら確認することも可能になる。
具体的な実験例
本発明者らは、本発明の有効性を確認するため、重曹(炭酸水素ナトリウム)の自由水を実際に測定した。
重曹の化学式は、NaHCO3で、加熱すると次式のように炭酸ナトリウム、水、二酸化炭素に分解される。
2NaHCO3 → Na2CO3 + CO2↑+ H20↑
この反応がおこると水と二酸化炭素が蒸発してしまい、加熱乾燥式水分計で自由水のみを測定することは難しい。分子量から計算すると、2NaHCO3が168g、CO2が44g、H20が18gなので、水分量が0%の重曹を加熱乾燥式で測定すると、理論上36.905%と測定される。 このため、高温で加熱して、化学反応と吸着した水分(自由水)の両方を飛ばしてしまい、結果から化学反応の理論値を引くことで、付着した水分量を測定することにした。
まず、理論値と同じ結果が測定されるかを確認するために、自由水の附着していない重曹を過熱温度200℃で測定したところ、36.9%と理論値と同じ結果が得られた。
次に、実験のため自由水が10.0%の重曹を作成し、加熱乾燥式水分計を使い、加熱温度200℃で測定した。理論値は、重曹(炭酸水素ナトリウム):27.1035g、精製水:3.021g
自由水の水分量=3.021/(27.1035+3.021)=10.028(%)
となった。 加熱乾燥式水分計の測定結果:43.087% 自由水の水分量=(自由水と結合水を合わせた水分量一結合水の水分量)/(1一結合水の水分量)=(0.43087−0.36905)/(1−0.36905)=0.097979=9.798(%)
となり、理論値とほぼ一致する測定値が得られ、本発明の有効性が確認された。なお、この実験は、図2に示した方法で測定を行った。
本発明にかかる自由水の測定方法及び測定装置によれば、自由水の全量測定が正確にできるので、自由水の測定管理を日常的に行う必要がある食品や医薬品及び化粧品などの加工製造の分野において、有効に活用することができる。
本発明にかかる自由水の測定装置の一実施例を示す全体構成図である。 図1に示した装置で自由水の割合を測定する際の測定手順のフローチャート図である。 図2に示した手順で、結合水しか含まないサンプルを作成する手順の一例である。 図2に示した手順で、結合水しか含まないサンプルを作成する手順の他の例である。 図1に示した装置で自由水の割合を測定する際の測定手順の他の例を示すフローチャート図である。 図5に示した手順で、試料Xを加熱した際の温度及び質量値の変化を時間軸で現わしたグラフである。
符号の説明
10 加熱乾燥式水分計
12 加熱部
14 質量測定部
16 演算処理部

Claims (7)

  1. 結合水と自由水とが含まれている試料中の前記自由水を加熱乾燥式水分計で計測する自由水の測定方法において、
    前記試料の自由水を完全放出させたサンプルを作成し、前記加熱乾燥式水分計で前記サンプルの加熱前後の質量差から結合水水分量を演算する工程と、
    前記試料を前記加熱乾燥式水分計で、前記自由水及び結合水の両方が完全に揮発する温度まで加熱して、前記試料の加熱前後の質量差から、前記結合水と自由水とからなる綜合水水分量を演算する工程と、
    前記各工程から得られた前記結合水水分量と綜合水水分量とに基づいて、
    自由水の割合=(綜合水水分量−結合水水分量)/(1−結合水水分量)
    から自由水の割合を求めることを特徴とする自由水の測定方法。
  2. 前記サンプルは、前記試料を前記自由水しか放出されない温度まで加熱し、前記自由水が完全に放出されるまで放置することにより作成することを特徴とする請求項1記載の自由水の測定方法。
  3. 前記サンプルは、密閉した空間内に前記試料をシリカゲルなどの吸湿材とともに収納し、前記自由水が完全に放出されるまで放置することにより作成することを特徴とする請求項1記載の自由水の測定方法。
  4. 試料を加熱する加熱部と、前記試料の質量を測定する質量測定部と、前記質量測定部の測定値に基づいて、前記試料の水分量を演算する演算処理部とを備えた加熱乾燥式水分計において、
    前記演算処理部は、結合水と自由水とが含まれている試料の前記自由水を完全放出させたサンプルを作成し、前記サンプルの加熱前後の質量を前記質量測定部で測定して結合水水分量を求め、
    前記試料を、前記自由水及び結合水の両方が完全に揮発する温度まで前記加熱部で加熱して、前記試料の加熱前後の質量を前記質量測定部で測定して、前記結合水と自由水とからなる綜合水水分量を演算し、
    得られた前記結合水水分量と綜合水水分量とに基づいて、
    自由水の割合=(綜合水水分量−結合水水分量)/(1−結合水水分量)
    から自由水の割合を求めることを特徴とする自由水の測定装置。
  5. 前記加熱乾燥式水分計は、前記演算処理部で求めた前記結合水水分量を格納するメモリを備え、前記結合水水分量を前記試料の種別と関連付けて前記メモリに格納することを特徴とする請求項4記載の自由水の測定装置。
  6. 結合水と自由水とが含まれている試料中の前記自由水を加熱乾燥式水分計で計測する自由水の測定方法において、
    前記試料を前記加熱乾燥式水分計で、前記結合水が揮発しない温度まで加熱して、前記試料の単位時間当たりの質量変化が一定値以下になった時点での前記試料の加熱前後の質量差から、前記試料の自由水水分量を演算する工程と、
    引続いて、前記加熱乾燥式水分計で、前記結合水が完全に揮発する温度まで加熱して、前記試料の単位時間当たりの質量変化が一定値以下になった時点での前記試料の加熱前後の質量差から、前記試料の結合水水分量を演算する工程と、
    前記各工程から得られた前記自由水水分量と結合水水分量とに基づいて、前記自由水水分量と前記結合水水分量の合計である綜合水水分量を求め、
    自由水の割合=(綜合水水分量−結合水水分量)/(1−結合水水分量)
    から自由水の割合を求めることを特徴とする自由水の測定方法。
  7. 試料を加熱する加熱部と、前記試料の質量を測定する質量測定部と、前記質量測定部の測定値に基づいて、前記試料の水分量を演算する演算処理部とを備えた加熱乾燥式水分計において、
    前記演算処理部は、前記試料を前記加熱部で、前記結合水が揮発しない温度まで加熱して、前記試料の単位時間当たりの質量変化が一定値以下になった時点での前記試料の加熱前後の質量差から、前記試料の自由水水分量を演算するとともに、
    引続いて、前記加熱部で、前記結合水が完全に揮発する温度まで加熱して、前記試料の単位時間当たりの質量変化が一定値以下になった時点での前記試料の加熱前後の質量差から、前記試料の結合水水分量を演算し、
    前記各工程から得られた前記自由水水分量と結合水水分量とに基づいて、前記自由水水分量と前記結合水水分量の合計である綜合水水分量を求め、
    自由水の割合=(綜合水水分量−結合水水分量)/(1−結合水水分量)
    から自由水の割合を求めることを特徴とする自由水の測定装置。
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