JP5005653B2 - 連結装置 - Google Patents

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Description

本発明は、二つの別々の構成要素を互いに解放自在に固定するための連結装置に関する。ロックは、掘削作業等に関して磨耗部材をマウントに固定するのに特に適している。
磨耗部品は、特に掘削産業において、通常、磨耗部材が磨耗したときに交換しなければならない材料の量を最小にするように、別々の構成要素でできている。一例として、土中の材料の収集を改善し掘削縁部を早期磨耗から保護するため、地面に食い込んでこれを掘り起こすために掘削用バケットの掘削縁部に沿ってバケットの前側に掘削歯が固定される。このような歯は、通常は、アダプタ、ポイント即ちチップ、ポイントをアダプタに取り外し自在に固定するロック又はリテーナを含む。
アダプタは、掘削機の掘削縁部に溶接や機械的取り付けによって固定された、又はバケットチップの一体の部分として鋳造された、ベース構成要素である。アダプタ自体は多数の部品であってもよく、特に大型の歯であってもよいが、一般的には単一の構成要素である。いずれにせよ、アダプタは、磨耗部材用のマウントとして前方に突出したノーズを含む。ポイントは全体に楔形状形体であり、上壁及び底壁が掘削縁部まで先細になっている。ポイントのベース又は後端には後方に開放したソケットが設けられ、これによりポイントはアダプタノーズ上に受け入れられる。アダプタノーズ及びポイントの整合した開口部によって集合的に画成された通路にロックを挿入する。通路は、歯の中央部分を通って垂直方向に又は水平方向に延びていてもよいし、外部ロックを受け入れるようにノーズの外側に画成される。例えば、クライツベルグに付与された米国特許第6,030,143号、クォートフォードに付与された米国特許第6,385,871号、及びエンリッヒに付与された米国特許第4,965,945号を参照されたい。
米国特許第6,030,143号 米国特許第6,385,871号 米国特許第4,965,945号 わかるように、掘削歯は、多くの場合、厳しい条件で使用される。ポイントに加わる負荷は、特に大型の鉱石掘削用バケットについては非常に大きく、種類が様々であり、連続的に変化する。ポイントが無くならないように、使用中、ロックを画成された通路に維持することが重要である。ポイントがなくなると、ポイントの交換が必要になり、アダプタの早期磨耗を生じるが、そればかりでなく、掘削した材料を加工するための下流の機械を損傷する。従って、通常は、抜けたり無くなったりしないようにロックを所定の通路内にぴったりと嵌着する。弾性締め付け部材を通路に挿入することにより、ぴったりと係合させることができ、アダプタ及びポイントの穴が部分的に不整合になったり、穴とロックとの間の寸法がきつくなる。従来、ロックを通路に打ち込んだり外したりするために代表的には大型のハンマーが必要とされてきた。これは、オペレータが現場で行う厄介で時間がかかる仕事であり、作業員を危険に曝す。
当該技術産業では、ハンマーで打ち込むことなく磨耗アッセンブリに容易に挿入でき且つ取り外しことができるが、過酷な状況でも磨耗部品を所定位置に効果的に保持できるロックが必要とされている。
本発明は、分離可能な二つの構成要素を互いに解放自在に保持するための連結装置に関する。この連結装置は、掘削作業で磨耗部品をベースに保持する上で使用するのに特に適している。それにも拘わらず、本発明は、一つの部材を他の部材に、接合された構成要素が画成する開口部に受け入れられたロックを介して解放自在に固定するのが望ましいその他の環境でも使用できる。
本発明の一つの特徴では、ロックは、ハンマーによって打撃を繰り返し加える必要なしに設置され、取り外されるようになっている。ロックは、現場で容易に且つ手早く設置でき且つ取り外すことができ、磨耗した構成要素を新たな交換部品と交換する上で代表的に必要とされてきた困難性や時間が減少する。これは、機器の停止時間が大きな経済的損失に繋がる大型の掘削機器に磨耗部品を連結装置を使用して固定する場合に特に有利である。更にハンマーで打ち込む必要をなくすことによって、本発明の連結装置は、掘削作業で磨耗部品を交換する場合に使用者が通常曝される危険を減少する。
別の特徴では、本発明の連結装置は、大きな負荷が加わった場合でも構成要素を互いに固定的に保持できる。どれ程ぴったりと嵌着しているのかに依存するのでなく、ロックをアッセンブリに積極的に保持できるように解放位置と係止位置との間で移動自在の係止部材を含むロックを使用する。従って、ロックは、構成要素が互いにぴったりと嵌着しているか或いは緩く嵌着しているのかに拘わらず、アッセンブリに等しく保持される。これは、顕著な磨耗が作用する部品とともに使用する場合に特に有利である。これは、部品の一方又は両方が磨耗するにつれて緩みが必ず生じるためである。この構成では、厳しい状況でも及び/又は掘削作業中に加わるような大きな変化する負荷が加わった場合でも、ロックがアッセンブリに止まって磨耗部品又は他の構成要素を所定位置に保持する。
一実施例では、連結装置のロックは、一方が他方によって支持された二つの部材を含む。移動自在の係止部材は、ロックをアッセンブリ内に受け入れるため、支持本体又はベース部材の境界内にある第1位置と、ベース部材の境界の外側に少なくとも部分的に延び、ロックをアッセンブリ内に積極的に保持する第2位置との間でシフトできる。好ましい構造では、移動自在の部材は、第2位置において、アッセンブリの壁の後側に置かれ、ロックの放出を積極的に阻止する。
このような実施例では、本発明の連結装置は、掘削機の磨耗部品をベースに保持するのに使用される。ロックの移動自在の部材は、一つの位置から別の位置に移動する場合に回転移動だけを行い、磨耗部品から負荷圧力が加わらない。従って、この部材は、構成要素を互いに連結したり外したりするための容易で手早く且つ安全な手順で、解放位置と係止位置との間で回転できる。
本発明の別の特徴では、ロックを使用し、磨耗部材を掘削機のアダプタ又は他のマウントに固定する。ロックの本体又はベース部材は、マウントに画成された開口部内に受け入れられる。本体は、磨耗部品がマウントから外れないようにするため、磨耗部品に画成された穴の縁部に当てて置かれる支承部分を含む。ロックの係止部材は、ロックをアッセンブリに保持し又はこれから解放するため、係止位置と解放位置との間で選択的に移動自在である。好ましい構造では、係止部材は本体に対して回転し、係止部材の係止部分は、磨耗部品の強度を最大にするために磨耗部品の開口部の必要な大きさを最小にするため、本体を越えて軸線方向に位置決めされる。
本発明の別の特徴によれば、二つの構成要素を互いに保持するためのロックは、開口部を備えた弾性部材を持つ本体及び解放位置と係止位置との間で回転する係止構成要素を含む。係止部材は非円形のステムを有し、このステムが弾性部材の穴に受け入れられる。ステム及び穴は対応する非円形形状を有し、そのため、ステムを回転させると弾性材料が変形する。弾性材料は、係止部材の望ましからぬ移動に抵抗するが、ロックの作動を容易に、確実に、且つ費用の掛からないものにでき、係止部材を解放位置及び係止位置に適正に設定する上での確実性を提供する。
一つの別の特徴では、ロックは、ロックをアッセンブリに積極的に保持するばかりでなく、アッセンブリの一方の構成要素(例えば磨耗部品)を他方の構成要素(例えばマウント)に締め付ける係止部材を含む。一実施例では、係止部材は回転自在のカムを含み、このカムは、ロックをアッセンブリに挿入できる解放位置、及びカムが連結部を締め付ける係止位置に選択的に位置決めできる。好ましくは、カムは、係止位置においてアッセンブリの壁の後側に置かれてロックを所定位置に積極的に保持する部分を更に含む。
一つの特徴では、本発明によるロックは、キャップと協働してロックをシールドし、微粒子がロックの周囲に堆積しないようになっている。ロックの移動自在の係止部材には、(i)係止部材の回転を行うための、(ii)接合された構成要素からロックを引っ張るための、及び(iii)キャップの設置、保持、及び取り外しを容易にするための構造を含むヘッドが設けられている。好ましい構造では、ヘッドは、係止部材を廻し易くするための平坦部、梃子工具と係合するための梃子縁部、及びキャップをロックに設置したりロックから取り外したりできるようにするため、ヘッドの外側及び内側に設けられた面取りを施した表面を含む。この場合、梃子工具は、好ましくは、ロックをアッセンブリから引っ張るために面取りを施した内面(梃子縁部を形成する)と噛み合い係合するグリップ面を含む。
本発明の別の特徴では、磨耗部品(又は他の構成要素)は、ソケットを画成する壁を含む。このソケットには、対応するマウント(例えばアダプタノーズ)が受け入れられる。磨耗部品の壁の一つには、ロックを受け入れる開口部が設けられている。この開口部は、ロックが当接し、磨耗部品をマウントに保持するようになった支承面として後縁を含む。加えられた負荷に耐えるのに十分な支持を提供するため、支承面は、開口部が画成された壁のほぼ全厚を含む。しかしながら、開口部の別の側は、ロックがアッセンブリから外れないようにロックの一部を置くことができる凹所を形成するように、減少した壁厚によって画成される。
本発明は、分離可能な二つの構成要素を互いに取り外し自在に固定するための連結装置10に関する。本発明は、掘削作業で磨耗部品をベースに対して保持するのに特に適している。本発明についての好ましい構造は掘削歯を含むが、本発明の範囲は掘削歯に限定されない。
図1乃至図5に示すように、本発明による歯12は、アダプタ14、ポイント即ちチップ16、及びロック即ちリテーナ18を含む。本発明は、この用途では、説明を容易にするために「上」及び「下」等の相対的用語で説明する場合がある。これらの用語は、全体として、図1に示す磨耗アッセンブリの配向と関連していると理解されるべきである。しかしながら、磨耗アッセンブリは全ての種類の配向で配置でき、本発明を説明する上で使用される相対的用語は、本発明を限定しようとするものではない。
アダプタ14は、図示(図3参照)のように、前方に突出したノーズ20、及び掘削バケット(図示せず)のリップを受け入れるようになった一対の二叉脚部22を含む。これらの脚部は、機械的手段によって(例えばホイッスラー型連結部によって)固定されるようになっているが、溶接されてもよいしリップの部品として鋳造されてもよい。アダプタは、特に大型の歯の場合、ロック等によって互いに固定された多数の部品でできていてもよい。いずれにせよ、ノーズ20は、代表的には、前方に突出してポイント16用のマウントを画成する(しかし、ノーズをポイントに設け、ソケットをアダプタに画成してもよい)。ノーズ20は、所期の使用の必要及び/又は他の要因に合わせて多くの様々な形体を持つように形成されていてもよい。一例として、ノーズは、ジョーンズ等に付与された米国特許第5,709,043号に記載されているように形成される。同特許に触れたことにより、この特許に開示された内容は本明細書中に含まれたものとする。好ましい構造では、ノーズ20は一対の先細の表面24及び一対の側壁28を含む。一方の側壁には、ロック18を受け入れるためのポケット32が形成されている。ポケット32は、ロックと実質的に一致する形状を有し、好ましくはノーズの前端に向かって延びるにつれて狭幅になる非円形形体を有する。使用中にロックが回転しないようにするため、非円形形状が好ましい。ポケット32は、周壁34及び内壁36によって画成される。別の態様では、ロック18を歯のいずれの側に配置してもよいようにするため、又はロックを各側で使用できるようにするため、ポケットを各側壁28に形成してもよい。
ポイント16は、前方に突出した掘削端38及び後取り付け端40を含む(図4参照)。取り付け端には、ノーズ20を内部に受け入れるために後方に開放したソケット42が設けられている。ソケットは、全体として、先細の壁44及び側壁48によって画成される。ソケットの内部形体は、米国特許第5,709,043号に開示されているように、ノーズの形状と一致するようになっている。磨耗を均等にし且つ寿命を延ばすためにポイントをアダプタに逆に取り付けることができるように、好ましくは、両側壁48に穴52が形成されている。それにも拘わらず、逆にできないポイントについては一方の側壁48に単一の穴52が設けられていてもよい。穴52は周縁54によって画成され、好ましくは、ロック18を受け入れるため、ポケット32の形状と同様の外形体(即ちポイントの外側から見た形体)を有する。歯に設置されたときにロックが確実に適正に配向されるように、穴52について他の形状を使用し、独特の形状のロックの形状に合わせるのが好ましい。別の態様では、ポケット32の形状は、ロックを多くの配向で挿入できるように穴52が形成され及び/又は穴52の大きさが定められている場合には、ロックが不適正に挿入されることがないように定められていてもよい。周縁54はロック18の部品を受け入れるため、以下に論じるように、穴52の下部分に沿って凹所56を画成する。この凹所は、周縁54の他の部分に沿って形成されていてもよい(又は多数の凹所が形成されていてもよい)が、好ましくは、穴52の後壁部分58に沿っては形成されない。後壁部分58は実質的に側壁48の全厚に亘って延びており、大きな負荷が加わった場合でも、ロックに当接してポイントをアダプタに保持するための支承面を画成する。
ロック18は、好ましくは二つの主要構成要素、即ち本体即ちベース部材60及び係止部材62(図6乃至図15参照)を含む。本体60は、好ましくは剛性保持部材63及び弾性部材64を含む。係止部材62は、ロックを歯(又は他のアッセンブリ)に設置したりこれから取り外したりできる解放位置とロックが歯に保持された係止位置との間で移動するように、本体60に取り付けられる。
好ましい構造では、保持部材63(図6乃至図13参照)は、ノーズ20のポケット32の形状と実質的に一致する形体で形成されたベース66を有する。ベースは、平らな周面70及び内面71を含む全体にD形状形体を持つキャビティ68を画成する中空構造である。ベース66の外側にリム72が設けられている。このリム72はベース66の前方及び後方に延びており、ノーズ20の側壁28に当接することによりロックをポケット32に適正に配置するロケーター面74を画成する。リム72の後部分72aは、好ましくは拡大されており、これによってポイントをアダプタに保持する。更に、以下に説明するように、ベース66の後部分66aは、予想負荷に対して十分な抵抗を提供するため、前部分66bよりも長い延長部を有する。保持部材63は、好ましくは、係止部材62の突出部77を受け入れるための浅い中央窪み75をその前側に沿って有する。この窪みは、ヘッド106の張り出しを小さくし、ロックの全長を小さくするために設けられる。窪みは、好ましくは、保持部材の前面又は外面に盛り上がったストップ81、83を設けることによって形成される。一方のストップ81は、窪みの頂部に沿って延び、一方のストップ83は窪みの前部に沿って延びる。ボア85が窪み75をキャビティ68に連結する。ボア85により、係止部材62は保持部材63を通って延びることができる。
弾性部材64は、好ましくは、ゴム等で形成された一部品エラストマーとして形成される(図11参照)。弾性部材64はキャビティ68に嵌着し、及びキャビティの内壁とほぼ一致するように形成された外面86を有する。平らな表面70により、弾性部材64は保持部材内で回転しないようにされるが、この他の構成を使用してもよい。弾性部材64は内壁71に当接し、正方形又は他の非円形断面形体を持つ軸線方向通路88を備えている。この軸線方向通路88はボア85と整合する。
係止部材62は、好ましくは、ステム90を持つ剛性の一体の部材であり、このステムは、保持部材63のボア85及び弾性部材64の軸線方向通路88を通して受け入れられる(図11、図14、及び図15参照)。ステム90は本体60よりも長く、弾性部材64を越えて内方に延びる。好ましい構造では、穴94、96に通したロールピン(図示せず)によってカラー92をステムに固定する。しかしながら、カラーをステムに固定するため、及び本体及び係止部材を互いに保持する上でカラーを交換するため、この他の手段を使用してもよい。弾性部材は、カラー92と内面71との間に捕捉される。ステム90は、好ましくは、長さの大部分に沿って軸線方向通路88と形状が一致する正方形断面を持つシャンク部分97を有する。しかしながら、他の非円形形状を使用してもよい。ステム90は、更に、係止部材62を保持部材63に対して安定させるため、ボア85にぴったりと嵌着する円形部分99を含む。
突出部77がステム90に固定されている。この突出部はカラー92と協働し、係止部材62を本体60に固定する。突出部77は窪み75に置かれるが、これは、保持部材63(窪みを備えていない)の前側に単に置かれてもよい。フランジ又はタブ104が突出部77を越えて、その側部の一つに沿って延びる。これは、以下に説明するように、ロック18を歯12に保持するように機能する。別の態様では、複数のフランジ等を使用してロックを所定位置に固定してもよい。ステム90は、係止部材62を廻し易くするための平坦部107又は他の手段を含むヘッド106で終端する。
使用にあたっては、ポイント16をアダプタ14のノーズ20に、穴52の一方がポケット32と整合するように(図5参照)配置する。次いで、ロック18を穴52を通してポケット32内に手作業で配置する。ハンマーを用いる必要はないが、ロックを所定位置に固定するのが所望であれば、使用してもよい。ロケーター面74が側壁28に当接するまでロックをポケット32に挿入する。このように位置決めすることにより、磨耗が生じる掘削プロセス中に保護されるようにロックを磨耗部品16の外側の十分内側に配置する。ロックを設置したとき、突出部77は、フランジ104が全体に後方に位置決めされるようにその解放位置に配向される。この解放位置では、フランジ104は本体60の境界内、即ち周囲断面形状内にある(図5及び図9参照)。ロック18がポケット32に一杯に挿入された後、レンチ等(図示せず)を使用して係止部材62を時計廻り方向に係止位置まで回転する(図2及び図8参照)。この回転によりフランジ104を本体60の境界の外側にポイント16の凹所56内に移動し、延長部104を側壁28の押縁部分108の後側に置く。この構成により、ロックを歯に挿入したりぴったりと嵌着させるために加えられる弾性部材の保持力に頼ることなく、ロックを歯に積極的に保持する。弾性部材64は、以下に説明するように係止部材が回転しないようにするけれども、使用中に磨耗部品から負荷が加えられることがない。係止部材が係止位置にある場合には、たとえポイント及び/又はアダプタが磨耗して互いの嵌着が緩くなっても、ロックを歯12から取り外すことができない。
更に、ロックが所定位置にある場合には、リム72の後支承部分72aがポイント16の穴52の後壁部分58と向き合い、ポイントがアダプタノーズから抜けないようにする(図6参照)。ポイントに前方への圧力が加わると、穴52の後壁部分がリム72に押し付けられる。保持部材63の前部分66bは、この場合、ポケット32の前部分110に当接する。この圧力がロック18の外区分に沿って加えられるため、ロックには、このロックを垂直軸線(図示せず)を中心として回転するように押圧しようとするモーメントが加わる。ポケット32の後部分112に当接するベース66の細長い後部分66a及び側壁28に当接する前ロケーター面74がこの移動に抵抗する。
弾性部材64の正方形通路88内に受け入れられた正方形シャンク部分97は、係止部材62の回転に抵抗する(図11参照)。使用者が係止部材を回転すると、シャンク部分97の隅部が通路88の側壁を延ばす。弾性部材は、好ましくは、保持部材63にぴったりと受け入れられているけれども、延ばすための隙間がポケット32には設けられている。隙間は、材料を延ばすための追加の空間を提供するため、弾性部材64と保持部材63との間に隙間が形成される。別の態様では、弾性部材は、圧縮性フォーム等で形成されている。正方形シャンク部分97がオーバセンタ位置を越えると、弾性部材は、係止部材を押圧して90°回転を完了する、即ちシャンク部分が通路88内に再び噛み合い受け入れされるまで係止部材を押圧する。この場合、正方形通路は、係止位置又は解放位置を越えるフランジの移動に抵抗する傾向がある。ストップ81、83は係止部材が誤った方向に回転しないように機能する(図8、図9、及び図12参照)。例えば、係止位置では、ストップ83は、これ以上の時計廻り方向移動を阻止する。解放位置では、ストップ81は、係止部材が反時計廻り方向にこれ以上移動しないようにする。
土が緩く締まっていない場合には、ロックは、通常は、アッセンブリから手作業で引き出すことができる。土が締まっている場合やセメントの場合には、ポイントをアダプタから取り外す必要がある場合、好ましくは、ロックをポケット32から梃子の作用で引き出す(図16参照)。好ましい構造では、ヘッド106の両側に梃子レリーフ115を形成する。図15でわかるように、レリーフは、開放した一つの側部117aに沿った部分を除き、周縁117によって境界が定められた浅い窪みである。外セグメントは梃子縁部117bを画成する。ここに梃子工具が係合し、ロックを歯から引き出す。梃子縁部117bは、レリーフのフロア117dに対して約125°の角度をなした傾斜面であり、キャップを所定位置に保持するが、必要な場合にキャップを取り外すことができる。しかしながら、梃子縁部117bは、広い角度範囲に亘って変化させることができ、その角度に設定できる。
好ましい梃子工具121は、レバー123、このレバーの一端に設けられた支点125、及び一対の梃子アーム127を含む(図15及び図16参照)。アームは、互いに向かって延びるように内方に差し向けられたフィンガ129を各々含む。各フィンガは、アーム127の内面138に対し、梃子縁部117bの角度と一致する約125°の角度をなすグリップ面137を含むが、このグリップ面137は変化させることができ、広い角度範囲で設定できる。図15でわかるように、開放した側部117aは、ロックを取り外すために係止部材62が解放位置にある場合には上方に開放している。使用に当たっては、フィンガ129を開放した側部117aを介して、即ちこれらのフィンガが縁部分117bに当接するまでレリーフ115内に入れる。使用者は、支点125をポイント16の下部分に当て、レバー123を外方に押圧する。フィンガ129のグリップ面137は、梃子縁部117bと噛み合い係合し、ロックを歯から完全に取り出されるまで外方に引っ張る。ロックが穴52から外れると、ロックは、その重量分布により本体が下方に揺動し、フィンガは縁部117bと係合し続け、使用者が掴むためにロックを一時的に保持する。次いで、フィンガ129を開放した側部117aを通して手作業で摺動させることによりロックを取り出すことができる。
上述のように、所望であれば、ゴム又は他のエラストマー製のキャップ133を穴52に嵌めてこの穴を覆い、ロックの周囲に微粒子が付着しないようにする。好ましくは、キャップ133は、ヘッド106とほぼ同じ形状の凹所135を含む。ヘッド106が凹所135に受け入れられることにより、キャップを所定位置にしっかりと保持する。キャップは、キャップを取り外そうとする様々な力から保護するため、穴52内に一杯に受け入れられる。
ヘッド106は、好ましくは、係止部材を廻し易くするように、ロックに梃子の作用を加え易くするように、及び穴52を塞いで使用中に微粒子がロックの周囲に付着しないようにするキャップ133の設置及び取り外しを容易にするように形成される。図8及び図9でわかるように、ヘッドには、レンチ(図示せず)が係合するための平坦部134を形成するために六角形(この他の形状を使用してもよい)の外形が形成されている。キャップ133の凹所135の壁をヘッド上に受け入れてキャップを所定位置に保持するため、二つの反対側の平坦部134と隣接して面取り面136が設けられている(図14及び図15参照)。
本発明の第2実施例では、ロック218を使用してポイント216をアダプタ214に固定する(図18乃至図32参照)。この実施例では、ロックは、ハンマーで打ち込むことなく設置されるばかりでなく、アッセンブリに締め付け力を加え、ロックを歯に積極的に保持する。
アダプタ214は、ロック218を受け入れるためのポケット232が一方の側壁228に設けられたノーズ220を含む(図20参照)。ポケットは前端に向かって狭幅の非円形形状を備えているが、この他の形状を使用してもよい。アダプタ14とは異なり、アダプタ214は、側壁228の外方に延びるリブ225がポケット232の前側に設けられている。リブ225はテーパ形体を有し、後方に末広がりになっており、ロック218用の支承面226を画成する。
ポイント216は、ノーズ220を受け入れるソケット242を有し、側壁248にはロック218を受け入れる穴252が設けられている(図21参照)。穴252の各々は、ロックの形状とほぼ一致する形体を有する。各穴252の後端は、カム277から延びる係止フランジ304を受け入れるために垂直方向に拡大してある。拡大部分252aにより、使用者はロックを歯に適正に確実に挿入する。リブ225を受け入れるため、各側壁248の内面245には、ポイントの後端から穴252の前側の位置まで延びる長さ方向チャンネル246が設けられている。
好ましい構造では、ロック218は本体260及び係止部材262を含む(図22乃至図32参照)。係止部材262は、解放位置と係止位置との間で移動するように本体260内に回転自在に取り付けられる。
本体260は、剛性保持部材263に結合された弾性部材264(ゴム等で形成されている)を含む(図22乃至図32参照)。保持部材は、この実施例では、全体に平らな形体の後支承部材である。弾性部材はブロック形状であり、中央通路288が貫通している。好ましい構造では、弾性部材は、全体に円形の円弧に沿った大きく湾曲した前部分264a、及び全体に平らな表面264b、264cを有する。これらの平らな表面は、係止部材を回転させたときに本体が廻らないようにする。中央通路288は、好ましくは正方形形状(又は他の鬚剃機円形形状)断面を有する(図32参照)。弾性部材264及び保持部材263は接着剤で互いに結合され、一緒に型成形され、又は他の手段によって結合されている。保持部材263の端部263c、263dは、更に、係止部材を回転させたときに弾性部材264の平らな表面264b、264cと協働して本体が廻らないようにするのを補助する。
係止部材262は、ステム290、カム277、フランジ即ちタブ304、及びヘッド306を含む。ロック18と同様に、ステム290は、全体に正方形断面(又は他の非円形形状)のシャンク部分297を含み、このシャンクは正方形形状通路288に受け入れられる。正方形通路内の正方形シャンクは、ロック18に関して上文中に説明したように作動する。好ましくは、係止部材262を本体260に固定するため、ステム290の自由端にカラー292が取り付けられる。カラー292は、好ましくは、カラー及びステムの整合した穴に挿入したロールピンを使用することによって所定位置に固定される。別の態様では、図31及び図32に示すようにカラーをクリップ291及び293に代えてもよい。この実施例では、クリップ291がステム290にスナップ嵌めし、弾性部材264をクリップ291とフレーム部材267との間に捕捉する。好ましくは、ワッシャ293をクリップ291と弾性部材264との間に配置する。勿論、他の構成を使用してもよい。
全体に長円形形状のカム277がステム290に固定されている。フランジ304がカム277の一方の側部から半径方向外方に端部305と307との間を延びている。フランジ304は細長い円弧状形状で示してあるけれども、この他の形状も可能である。ヘッド306はヘッド106と本質的に同じ形状であり、平坦部及びレリーフ315を含む。
使用に当たっては、係止部材262がその解放位置にあるとき、ロック218を穴252を通してポケット232内に配置する(図22参照)。解放位置では、ロック218の幅はAである(図29参照)。ステム290の先端320がポケット232の内面32と接触するまでロックをポケット232に挿入する。この位置で、保持部材263の外部分324が穴252の後壁部分258と向き合う。しかしながら、チャンネル246のため、後壁部分258はチャンネル246の各側に間隔が隔てられた二つの支承面258a、258bを画成する。これらの支承面は、保持部材263の支承点263a、263bと当接する。
ロックが適正に位置決めされた後、好ましくはレンチ(図示せず)の係合ヘッド306によって係止部材262を回転する。カム277が回転し、端部305が支承面226に押し付けられ、ロックを後方に押す。回転させたときにカム277によって加えられた圧力により、リブ225に当接した端部305が弾性部材264を保持部材263に対して圧縮する。ロック218がこのように後方にシフトすることにより、ポイント216をノーズ220に更に押し付ける。図29及び図30でわかるように、ロック218は、係止位置では、幅Aよりも大きい幅Bを有する。このように幅が増大することにより、歯アッセンブリで締めつけ機能が生じる。更に、係止位置では、ロック18と同様にフランジ304が回転して押縁308の後側にある凹所256に入り、ロック218をポケット232に積極的に保持し、これにより望ましからぬロックの放出を阻止する。
ロックを歯アッセンブリ又は他のアッセンブリから取り出そうとする場合には、カム277を反時計廻り方向に解放位置まで回転する。キャップ333を使用することは、通常、微粒子がヘッド306の周囲に溜まらないようにする上で有効であるけれども、微粒子は、多くの場合、キャップの周囲の穴252に入り込み、可能な全ての開口部に溜まる。図23でわかるように、カム277は保持部材263の外部分324と整合する。従って、端部307と保持部材263の前面との間に小さな隙間が存在する。通常はこの隙間で微粒子が圧縮されるため、305と397との間(フランジ304の後側)を延びるカム277の周囲の下半分は、好ましくは、実質的に円形の円弧形状であり、隙間内の微粒子による抵抗をなくす。端部305と307との間のカムの周囲の上半分(解放位置で前方に面する)は、好ましくは、実質的に楕円形の円弧形状であり、カムを回転させるときにカム機能を果たす(即ち異なる幅A及びBを画成する)。それにも拘わらず、この他の形状が可能である。
ロック内でのモーメントの発生を最小にするため、カム277の回転センタは、好ましくは、ノーズ220の支承面226、保持部材263の外支承部分324、及びポイント216の壁部分258と整合する。更に、カム277と保持部材263の外部分324との整合により、弾性部材264が大きな側方負荷の作用で大きく変形したとき、保持部材をカムの移動に対するバックストップとして作用できる。
本発明によるこれらの及び他の実施例を、掘削歯、他の磨耗部材、又は分離可能な他の構成要素と関連して使用できる。ここに説明した実施例は例示であって、本発明の範囲を限定しようとするものではない。
本発明による連結装置を組み込んだ掘削歯の斜視図である。 キャップを取り外した状態の歯の斜視図である。 歯のアダプタの斜視図である。 歯のポイントの斜視図である。 キャップを省略した、ロックを取り外した状態の歯の斜視図である。 図1の6−6線に沿った断面図である。 係止部材が係止位置にある、ロックの側面図である。 係止部材が係止位置にある、ロックの正面図である。 係止部材が解放位置にある、ロックの正面図である。 ロックの背面図である。 ロックの分解斜視図である。 ロックの保持部材の正面図である。 図12の13−13線に沿った断面図である。 ロックの係止部材の底面図である。 ロックの係止部材の側面図である。 本発明による梃子工具を用いた歯からのロックの取り外しを示す斜視図である。 梃子工具の作用端の拡大斜視図である。 本発明による歯の第2実施例を組み込んだ歯の斜視図である。 キャップを取り外した状態の第2実施例の斜視図である。 第2実施例のアダプタの斜視図である。 第2実施例のポイントの斜視図である。 ロックを取り外した、第2実施例の斜視図である。 ロックをポケットに入れた、第2実施例のアダプタの斜視図である。 ロックがポイントの穴内にある、第2実施例のポケットの斜視図である。 図18の25−25に沿った断面図である。 図18の26−26に沿った断面図である。 ロックの係止部材が解放位置にある、第2実施例の歯の側面図である。 ロックの係止部材が係止位置にある、第2実施例の歯の係止部分の拡大側面図である。 係止部材が解放位置にある、第2実施例のロックの正面図である。 係止部材がロック位置にある、第2実施例のロックの正面図である。 第2実施例のロックの後面図である。 第2実施例のロックの分解斜視図である。
符号の説明
10 連結装置
12 歯
14 アダプタ
16 ポイント
18 ロック
20 ノーズ
22 二叉脚部
24 先細の表面
28 側壁
32 ポケット
34 周壁
36 内壁
38 掘削端
40 頂取り付け端
42 ソケット
44 先細の壁
48 側壁
52 穴
54 周縁
56 凹所
58 後壁部分
60 ベース部材
62 係止部材
63 剛性保持部材

Claims (10)

  1. 掘削バケット用磨耗アッセンブリにおいて、
    ノーズを含む、前記掘削バケットに固定されるベースと、
    前記ノーズを受け入れるソケットを含む磨耗部品であって、該磨耗部品を通って伸び前記ソケットの中に開口する、周縁外形を有する穴を含む磨耗部品と、
    前記磨耗部品を前記ベースに解放自在に保持するためのロックとを含み、
    前記ロックは、
    前記磨耗部品が前記ベースから抜けないようにするため、前記磨耗部品及び前記ベースと接触する支承面と、
    係止部材と、
    弾性部材とを含み
    前記弾性部材は、前記係止部材を受け入れるための通路を画定する開口部を含み、
    前記係止部材は、前記ロックが前記磨耗部品を前記ベースに固定する係止位置と、前記係止位置から回転的に離間した解放位置との間で、前記弾性部材の前記通路内で回転でき、
    前記弾性部材と前記係止部材は、使用中に前記係止位置からの前記係止部材の移動に抵抗するために前記係止位置で互いに係合する非円形形成部を有し、
    前記弾性部材は、前記係止部材がオペレータによって前記解放位置へ回転されたときに前記非円形形成部の係合を外すように曲がる、磨耗アッセンブリ。
  2. 請求項1に記載の磨耗アッセンブリにおいて、
    前記係止部材が前記係止位置から前記解放位置に移動するとき回転軸を中心にして円弧状に動く半径方向に伸びるフランジを含む、磨耗アッセンブリ。
  3. 請求項1又は2に記載の磨耗アッセンブリにおいて、
    前記係止部材は、前記解放位置から前記係止位置に前記係止部材を回転させるための工具と係合する形成部を一端部に含む、磨耗アッセンブリ。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一つに記載の磨耗アッセンブリにおいて、
    前記通路は、前記解放位置及び前記係止位置で前記係止部材の相補的外面を受け入れるための非円形形状を有する、磨耗アッセンブリ。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一つに記載の磨耗アッセンブリにおいて、
    前記弾性部材は、
    前記係止部材が前記解放位置及び前記係止位置にあるときに第1状態にあり、前記係止部材が前記解放位置と前記係止位置との間で回転している間に前記弾性部材が前記第1状態に対して曲がっている第2状態にある、磨耗アッセンブリ。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一つに記載の磨耗アッセンブリにおいて、
    前記弾性部材は、エラストマーで構成されている、磨耗アッセンブリ。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一つに記載の磨耗アッセンブリにおいて、
    前記弾性部材の前記開口部は、前記係止部材を完全に取り囲む貫通穴である、磨耗アッセンブリ。
  8. 掘削機器に固定されるベースに磨耗部品を解放自在に保持するためのロックであって、
    前記ロックは、
    前記磨耗部品が前記ベースから抜けないようにするため、前記磨耗部品及び前記ベースと接触する支承面と、
    係止部材と、
    弾性部材とを含み
    前記弾性部材は、前記係止部材を受け入れるための通路を画定する開口部を含み、
    前記係止部材は、前記ロックが前記磨耗部品を前記ベースに固定する係止位置と、前記係止位置から回転的に離間した解放位置との間で、前記弾性部材の前記通路内で回転でき、
    前記弾性部材と前記係止部材は、使用中に前記係止位置からの前記係止部材の移動に抵抗するために前記係止位置で互いに係合する非円形形成部を有し、
    前記弾性部材は、前記係止部材がオペレータによって前記解放位置へ回転されたときに前記非円形形成部の係合を外すように曲がる、ロック。
  9. 請求項8に記載のロックにおいて、
    前記弾性部材の前記開口部は、前記係止部材を完全に取り囲む貫通穴である、ロック。
  10. 請求項8又は9に記載のロックにおいて、
    前記弾性部材は、エラストマーで構成されている、ロック。
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