JP5004681B2 - 宇宙機の軌道制御計画装置 - Google Patents

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Description

この発明は、中心天体の周りを周回する人工衛星等の宇宙機の軌道制御計画装置に関するものである。
人工衛星等の宇宙機の軌道は、中心天体の扁平性や中心天体以外の天体からの引力などの外乱を受けることにより理想的な軌道からずれていく。そのため、この誤差を補正して軌道を保持するための軌道保持制御が必要となる。
一般に、衛星の軌道は複数の軌道パラメータによって表される。例えば静止衛星の軌道の理想的な軌道からのずれは、南北方向および東西方向の軌道パラメータとして表されることが通例で、これらを許容範囲内に保持するためには、南北方向および東西方向の制御を定期的に行う必要がある。
また、地球観測衛星の軌道の理想的な軌道からのずれは、衛星の直下点軌跡が北から南に向かって赤道を横切る降交点の経度と軌道傾斜角の軌道パラメータとして表されることが通例で、これらを許容範囲内に保持するためには、軌道周期と軌道傾斜角の制御をそれぞれ定期的に行う必要がある。
このように、衛星の軌道を保持するためには、軌道パラメータの理想値からの誤差がある範囲内にとどまるように制御を行う必要がある。この制御に必要な処理は、
(1)現在の軌道パラメータを取得する処理、
(2)制御を行う軌道周期を設定する処理、
(3)制御後に実現する軌道パラメータの目標値を決定する処理、
(4)現在の軌道パラメータから目標とする軌道パラメータに変化させる制御量および制御時刻を算出する処理、
(5)人工衛星に搭載されているスラスタの動作条件を算出する処理
に分けられる。
(1)から(5)までの処理を行う装置を軌道制御装置と総称するが、(1)から(4)までの処理を行う軌道制御計画装置、(5)の処理を行う軌道制御実行装置のように分けて呼ぶことにする。軌道制御実行装置および軌道制御計画装置は、それぞれ人工衛星あるいは地上局にその一部あるいはすべてが設置される。
(1)の処理は、低高度および中高度の地球周回軌道であれば、人工衛星にGPS受信機を搭載して現在の軌道パラメータをオンボードで取得することが容易であり、静止軌道やほかの天体の周回軌道では地上局での軌道決定値を人工衛星に送信してオンボードで軌道伝搬することが可能であり、いずれの場合についても公知の技術で実現できる。
(2)の処理は、地球観測衛星のように観測計画に基づいて運用される人工衛星の場合は軌道保持制御の周期があらかじめ定められており、それに従うことになる。それ以外の人工衛星の場合には、軌道パラメータごとにそれぞれ誤差許容値を設定し、誤差が許容値を超える場合に直前の軌道周期において軌道制御を行うという方法が一般的である。
(3)の処理は、軌道パラメータの目標値を理想値に一致させて、軌道制御後には理想的な軌道に戻るようにするという方法が単純である。
(4)の処理は、例えば制御可能な時刻が固定されない場合には、例えば特許文献1に記載の手法を用いることもできる。また、制御可能な時刻が固定されている場合には、例えば特許文献2に記載の手法を用いることもできる。
また、(5)の処理は、特許文献3に記載の方法を用いることもできる。
しかし、軌道保持のための制御量が大きくなると、限りある推薬を大量に消費して衛星のミッション寿命を減少させることから、制御量はなるべく小さく抑えることが重要である。また、衛星のミッションへの影響や運用負荷などを考えると軌道制御を頻繁に行うことは望ましくなく、ミッション期間を通じて制御頻度はなるべく少なく抑える必要がある。
人工衛星の軌道保持制御における制御量および制御頻度を削減するための技術の例として、特許文献2に開示された従来の軌道制御装置は、各々の軌道パラメータについてあらかじめ与えられた誤差許容値以下の任意の値を制御要否の閾値として設定し、誤差が許容値を越える軌道パラメータが存在する時に、誤差が閾値以上となる軌道パラメータを制御対象として軌道制御量および軌道制御時刻を算出し、軌道制御を行う。
また、人工衛星の軌道保持制御における制御頻度を固定し、制御量を削減するための技術の例として、特許文献4に開示された従来の軌道制御計画装置は、制御周期を固定し、各制御時刻において次の制御周期までに生じる外乱の効果を近似した式に基づいて仮の目標値を設定する。この仮の目標値を初期値として軌道予測シミュレーションを行って次の制御周期における軌道パラメータを予測し、理想的な軌道パラメータからのずれが許容値に収まるまで仮の目標値の調整を繰り返す。許容値に収まった後は、目標値を実現する軌道制御量と軌道制御時刻を算出し、軌道制御を行う。
特開平11−139400号公報 特開2006−213089号公報 特開昭62−59200号公報 特開2003−212200号公報
しかし、特許文献2のような軌道制御計画装置にあっては、目標値が理想的な値に固定されているため、例えば外乱の影響で時間とともに理想的な値との差が小さくなるような場合であっても、現在の軌道パラメータの値が理想的な値にまで減少するように制御を行い、結果として制御量が大きくなるという問題点があった。
また、軌道制御を行うことができない期間が存在する場合がある。このような制御禁止期間が存在する場合に、その期間に軌道パラメータの値が許容範囲内に収まっているかどうかを事前に判定する手段を持たないため、軌道制御を行うことができない期間に軌道パラメータの値が許容範囲を逸脱してしまう場合があるという問題点もあった。
また、特許文献4のような軌道制御計画装置にあっては、仮の目標値を初期値として制御周期後の軌道誤差を予測して許容範囲内に収まるまで目標値の調整を繰り返すため、得られた目標値を実現するために大きな制御量が必要とされる可能性があるだけでなく、許容範囲内に収める必要のある軌道パラメータの数が多いと(特許文献4の説明では2つ)調整そのものが困難となる。
さらに、軌道制御を行うことができない期間が存在し、かつ無制御の場合にはその期間中に軌道パラメータの値が許容範囲を逸脱することが予測される場合にも、軌道制御を行うことができる期間内に制御時期をずらして軌道制御を計画することができないという問題点もあった。
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたものであり、軌道制御量と制御頻度を小さく抑えるとともに、軌道制御禁止期間中も軌道パラメータの値が許容範囲内に収まるようにすることができる宇宙機の軌道制御計画装置を得ることを目的としている。
この発明に係る宇宙機の軌道制御計画装置は、目標値の下限と上限とを設定する目標領域設定部と、軌道パラメータの値を許容範囲内に収める保持期間を設定する保持期間設定部と、軌道制御を禁止する制御禁止期間を軌道周期以上の長さにわたり連続して設定する制御禁止期間設定部と、前記保持期間および前記制御禁止期間における軌道誤差を予測する軌道誤差予測部と、制御量から構成される指標の値を算出する指標算出部と、予測された軌道誤差と現在の軌道パラメータの和が目標領域に保持されるような制御量のうち前記指標算出部で算出される指標の値を最小化するような制御量を算出する制御量算出部とを備えたものである。
この発明によれば、保持期間および制御禁止期間に予測された軌道誤差と現在の軌道パラメータの和が目標領域に保持されるような制御量のうち指標算出部で算出される指標の値を最小化するような制御量を算出するようにしたので、軌道制御量と軌道制御頻度を小さく抑えるとともに、軌道制御禁止期間中も軌道パラメータの値が許容範囲内に収まるようにすることができる、といった従来にない顕著な効果を奏するものである。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による宇宙機の軌道制御計画装置の構成を示すブロック図である。図に示すように、宇宙機としての人工衛星200の軌道制御計画装置100は、目標値の下限と上限とを設定する目標領域設定部101、軌道パラメータの値を許容範囲内に収める保持期間を設定する保持期間設定部102、前記保持期間および後述する制御禁止期間における軌道誤差を予測する軌道誤差予測部103、軌道制御を禁止する制御禁止期間を設定する制御禁止期間設定部104、予測された軌道誤差と現在の軌道パラメータの和が目標領域に保持されるような制御量のうち後述する指標算出部で算出される指標の値を最小化するような制御量を算出する制御量算出部105、制御量や軌道誤差などから構成される指標の値を算出する指標算出部106を備えている。なお、図1において、110は軌道制御実行装置110を示し、スラスタ111から構成され、スラスタ111は、供給された制御時刻と制御量に応じて人工衛星200に推進力を与え、軌道制御を実行する。
実施の形態1では、本発明の理解を容易とするために、軌道制御は軌道周期単位で計画し、軌道制御時刻は一軌道周期の中であらかじめ設定されているものとする。また、衛星の軌道制御系の設計における一般的な仮定として、各制御時刻に制御可能な制御軸の数の合計が制御すべき軌道パラメータの個数以上であるとする。
人工衛星200の軌道を、軌道長半径a、離心率e、軌道傾斜角i、昇交点赤経Ω、近地点引数ωおよびエポック時の平均近点離角Mの6つの軌道パラメータを用いて表現する。これら6つの軌道パラメータから構成される軌道パラメータベクトルbを式(1)で定義する。右肩の添え字Tはベクトルの転置を表す。
Figure 0005004681
なお、軌道パラメータには他のものを用いても良い。
次に、動作について説明する。目標領域設定部101では、各軌道パラメータについて許容される上限と下限を設定する。上限および下限から構成される軌道パラメータベクトルb、bを式(2)で定義する。右下の添え字UとLはそれぞれ上限、下限を表す。
Figure 0005004681
例えば準天頂衛星のように日本国内の複数の都市から見た衛星の仰角がある値以上であることが要求される場合には、6つの軌道パラメータすべてについて上限と下限が定まる。一方、静止衛星のように地上から見た衛星方向が南北および東西にある範囲に収まることが要求される場合には、2つないし3つの軌道パラメータについて上限と下限が定まる。
また、GPS衛星のように毎日同じ時間に同じ方向に衛星が見えることが要求される場合には、1つの軌道パラメータについて上限と下限が定まる。このように一部の軌道パラメータについて上限と下限が定まらない場合は、それぞれ理想の値から適当に大きく離れた値を設定すればよい。このとき、目標領域は、不等式(3)を満足する軌道パラメータベクトルbとして定義される。
Figure 0005004681
保持期間設定部102では、保持期間を設定する。保持期間とは、制御を行ったときにこの保持期間の間はさらに制御を行わなくても各軌道パラメータが目標領域に収まることを要請するものである。観測衛星のように運用計画から軌道制御周期が定まっているものは、保持期間として軌道制御周期を設定することが考えられる。また、GPS衛星や準天頂衛星のように制御頻度を少なくすることが要請される人工衛星では、この保持期間として平均的に期待される制御頻度よりも少ない頻度の逆数を設定することで、設計値よりも制御頻度を少なくすることが考えられる。
制御禁止期間設定部104では、ミッションやバスなどの要請で軌道制御を実施することが望ましくないあるいは困難な期間を、現在の軌道パラメータの値を用いてあらかじめ予測するものである。ある衛星の場合、軌道面と太陽方向とがなす角(β角)が大きいときに、軌道制御のために地球指向姿勢をとると電力確保や熱制御の観点で好ましくないという問題が指摘されている。現在の軌道パラメータと太陽の天体暦とからβ角が大きくなる時期は容易に予測でき、このような期間を制御禁止期間として設定する。
軌道誤差予測部103では、保持期間および制御禁止期間を含む期間について、現在の軌道パラメータの値を初期値として月や太陽の引力、大気抵抗、太陽輻射などによる将来の軌道のずれを既存の技術を利用して予測する。将来の軌道のずれを予測するには、理想的な軌道パラメータの値を用いてもよい。このようにして、経過時間t後の軌道パラメータのずれがベクトル△b(t)として与えられる。
制御量算出部105の動作を図2にしたがって説明する。図2は、実施の形態1による、制御量算出部105の動作のフローチャートである。ステップST101で、現在の軌道パラメータの値bに経過時間t後の軌道パラメータのずれ△b(t)を加えて、制御を行わない場合の経過時間t後の軌道パラメータb+△b(t)を求める。
ステップST102で、現在の軌道のずれbとマージンm(0≦m≦1)つきの目標領域とを比較する。ここで、マージンmつきの目標領域bは式(4)で定義される。式(4)においてbIDEALは理想的な軌道パラメータである。
Figure 0005004681
例えば、マージンmの値として0.10を設定する。マージンmつきの目標領域内におさまらない軌道パラメータの要素が一つでもあれば軌道制御が必要と判断し、ステップST104に進む。それ以外の場合はステップST103に進む。
ステップST103で、軌道制御禁止区間の開始までの時間を所定の時間と比較し、所定の時間よりも短い場合には軌道制御禁止区間における軌道パラメータの予測値とマージンm(0≦m≦1)つきの目標領域とを比較する。マージンmつきの目標領域内におさまらない要素が一つでもあれば軌道制御が必要と判断し、ステップST104に進む。それ以外の場合は軌道制御が不要であり本処理を終了する。例えば、マージンmの値として0.10を設定する。
ステップST104からステップST109は、軌道制御量を算出する一連の処理を行う。ステップST104で、保持期間Tの初期値を設定する。例えば、平均的に期待される制御頻度よりも少ない頻度の逆数を設定する。
ステップST105で、保持期間Tにおいて軌道パラメータを保持する範囲として、マージンm(0≦m≦1)つきの目標領域を設定する。例えば、マージンmの初期値として0.45を設定する。
ステップST106で、軌道制御量を算出するために必要な行列Eおよびベクトルfとhを準備する。準備の内容は以下のとおりである。
式(1)のように軌道パラメータを選ぶ場合、軌道制御による軌道パラメータの変化量δbを式(5)で定義する。
Figure 0005004681
軌道制御による軌道パラメータの変化量は微小であり、さきに求めた制御を行わない場合の経過時間t後の軌道パラメータb+△b(t)にこの変化量を加えることで、制御を行う場合の経過時間t後の軌道パラメータを求めることができる。ただし、軌道長半径aを長くすると軌道周期が長くなるために、時間とともに平均近点離角が遅れる、という影響については無視できないため、制御を行う場合の経過時間t後の軌道パラメータを式(6)で算出する。
Figure 0005004681
式(6)において、nは人工衛星200の平均運動である。
式(1)の軌道パラメータの取り方であれば、制御量とそれにともなう軌道パラメータの変化は線形の関係にあり、その算出方法は公知である(例えば、冨田信之:宇宙システム入門、第10章、東京大学出版会(1993)参照)。すなわち、制御量をベクトルxとすると、式(7)の関係があり、行列Aの各要素は軌道パラメータおよび制御周期の中の制御時刻(あるいは軌道上の位置を表す位相)によって決まる。
Figure 0005004681
ここで、制御量として機体軸ごとの増速度量を用いる場合には、+方向と−方向に分けてベクトルxを構成し、行列Aの対応する列ベクトルも+方向と−方向に分けて構成し、ベクトルxの各成分が0以上であることを要請することが考えられる。あるいは、制御量としてスラスタごとの噴射量を用いる場合には、行列Aにスラスタの取り付け方向を反映させることは言うまでもない。この場合も、ベクトルxの各成分が0以上であることが要請される。
式(4)、(6)、(7)より式(8)を満たすようなベクトルxを求めればよい。
Figure 0005004681
制御量の大きさに制約が無ければ、この不等式を満足するベクトルxは一般に無数に存在する。そこで、例えば制御量xの合計を指標Jとして選択し、指標算出部106にてこの指標の値を式(9)で算出するとき、制御量の合計を最小にするという意味で最適なベクトルxが存在する。
Figure 0005004681
式(8)と式(9)を式(10)のように整理するとき、ベクトルxを求めることは、一般に不等式拘束の線形計画問題として汎用的なソフトウェアを用いて解くことが可能である。
Figure 0005004681
時刻tを0から保持期間および制御禁止区間を含む期間Tまでをt=t、t、…、t、(t=0、t=T)のように適当に離散化すると、式(11)を解いて得られる制御量xの軌道制御を行うことで、時刻0からTまで軌道パラメータが目標領域内に保持される。
Figure 0005004681
さらに、ベクトルxの成分が0以上であることが要請される場合や、あるいは生成できる推力に上限がある場合にベクトルxの範囲の制約を追加することは言うまでもない。また、説明の都合上、ベクトルxの成分が0以上であることを要請する場合について述べたが、ベクトルxの符号に制約を設けない場合にも、適当な変数変換により式(10)あるいは式(11)の形に帰着できることは言うまでもない。
ステップST107では、不等式拘束の線形計画問題として式(10)あるいは式(11)を解いて、ベクトルxを求める。ベクトルxの範囲に制約がある場合には解が存在しない場合もある。その場合はステップST108に進む。解が得られた場合はステップST110に進む。
ステップST108では、マージンm3を適当な刻み幅で0に近づける。刻み幅として例えば0.05を用いる。これ以上0に近づけることができない場合はステップST109に進む。それ以外の場合はステップST106に戻る。
ステップST109では、保持期間Tを適当な刻み幅で短くする。刻み幅として例えば軌道周期の10倍を用いる。ステップST105に戻る。
ステップST110では、各制御時刻における制御量を軌道制御実行装置110に供給して、本処理を終了する。
マージンmが軌道制御の計算サイクルで自然外乱あるいは軌道制御誤差などで発生すると想定される最大値よりも十分に大きく設定されていれば、少なくとも現軌道周期において何らかの軌道制御を行うことで次の軌道周期においても軌道パラメータが目標領域内に収まるため、本処理では必ずベクトルxの解が得られる。
軌道制御実行装置110は、スラスタ111から構成される。スラスタ111は、供給された制御時刻と制御量に応じて人工衛星200に推進力を与え、軌道制御を実行する。
なお、この例では、指標算出部106の指標として制御量の単純和を選び式(8)の係数ベクトルfの要素をすべて1としたが、特定の制御軸に対応するベクトルfの要素を小さくあるいは大きくすることでその制御軸を優先して使用するあるいは使用を控えることを実現する、あるいは特定の制御時刻に対応するベクトルfの要素を小さくあるいは大きくすることでその制御時刻を優先して使用するあるいは使用を控えることを実現する、といったことが考えられる。
また、長半径、離心率、近地点引数および平均近点離角のような面内成分と、軌道傾斜角、昇交点赤経のように面外成分とに分けて、それぞれについて式(10)あるいは式(11)を構成する、あるいは下限や上限が設定されている軌道パラメータについてのみ式(10)あるいは式(11)を構成することで行列Eの列数を小さくして計算機負荷を緩和するといったことが考えられる。
また、時間変化の大きい軌道パラメータについては時間tの離散化の刻みを細かくし、時間変化の小さい軌道パラメータについては時間tの離散化の刻みを粗くすることで、行列Eの行数を小さくして計算機負荷を緩和するといったことが考えられる。
また、この例では、軌道パラメータについてそれぞれ目標領域に収まるように軌道制御量を求めたが、軌道パラメータの線形な組合わせで表現可能な設計パラメータ、例えば緯度引数や昇交点経度あるいは降交点経度を新たに定義して行列Eおよびベクトルhを拡張することで、新たに定義したパラメータについても保持期間において目標領域内に保持することができる。
また、この例では、ステップ110で各制御時刻における制御量を軌道制御実行装置110に供給して処理を終了したが、得られた制御量をもとに経過時間t後の軌道パラメータのずれを再予測し、軌道のずれの予測精度を向上する、あるいはその予測結果を用いてステップST101からST110を再実行することで、制御量や制御頻度などのさらなる最適化を実現できることはいうまでもない。
以上のように実施の形態1によれば、保持期間および制御禁止期間に予測された軌道誤差と現在の軌道パラメータの和が目標領域に保持されるような制御量のうち制御量の和を最小化するような制御量を算出するようにしたので、軌道制御量と軌道制御頻度を小さく抑えるとともに、軌道制御禁止期間中も軌道パラメータの値が許容範囲内に収まるようにすることができる。
また、軌道制御による軌道パラメータの修正が微小であることおよび軌道長半径の修正に伴う位相の変化は軌道長半径の修正量に比例して大きくなることに着目して、予測された軌道誤差と現在の軌道パラメータおよび軌道制御量の線形和で制御後の軌道パラメータを表現するようにしたので、軌道制御量を求めた後で、軌道誤差の予測をやり直す必要が無く、軌道パラメータの数が増えても軌道制御量を容易に求めることができる。
図3に実施の形態1による軌道保持計画例を示す。横軸が計画開始からの経過時間で3年分に相当する。上段がβ角、下段が軌道長半径の時間履歴を表す。この例ではβ角が40度以上のときに軌道制御を禁止している。従来技術では、制御禁止期間に軌道誤差が許容範囲を逸脱してしまって軌道制御が必要となるが、実施の形態1によれば軌道誤差を予測して軌道制御禁止期間が始まる前に軌道制御を行うように制御タイミングを再設定するようにしたので、制御禁止期間に軌道誤差を許容範囲に収めることができている。
実施の形態2.
図4は、この発明の実施の形態2による宇宙機の軌道制御計画装置の構成を示すブロック図である。図4に示す実施の形態2による人工衛星200の軌道制御計画装置100において、図1に示す実施の形態1の構成に対し、前回の軌道制御からの経過時間を計数して制御量算出部106に入力する制御期間計数部107をさらに備えており、同一部分は同一符号を付してその説明は省略する。
実施の形態2における制御量算出部106の動作を図5のフローチャートで説明する。図5のフローチャートのST201からST210は、それぞれ図2、すなわち実施の形態1における制御量算出部106の動作のフローチャートのST101からST110に対応して同一であるが、ステップST202のみ、ステップST102とは異なる動作をする。以下、ステップST202の動作を説明する。
ステップST202で、前回の軌道制御からの経過時間を閾値と比較する。閾値は平均的に期待される制御頻度の逆数よりも十分に大きく設定する。閾値未満のときは、ステップST102と同じ処理を行う。すなわち、現在の軌道のずれbとマージンm(0≦m≦1)つきの目標領域とを比較して、マージンmつきの目標領域内におさまらない軌道パラメータの要素が一つでもあれば軌道制御が必要と判断し、ステップST204に進み、それ以外の場合はステップST203に進む。閾値以上のときは、現在の軌道のずれbとマージンm(0≦m<m≦1)つきの目標領域とを比較して、マージンmつきの目標領域内におさまらない軌道パラメータの要素が一つでもあれば軌道制御が必要と判断し、ステップST204に進み、それ以外の場合はステップST203に進む。例えば、マージンmの値として0.60を設定する。
このように実施の形態2によれば、前回の軌道制御からの経過時間を計数して、その大きさが大きいときに目標領域のマージンを大きくとるようにしたので、前回の軌道制御からの経過時間が大きくなると軌道制御を行ってそれまでに蓄積した軌道のずれを補正して目標領域に対するマージンを確保するとともに、軌道制御の間隔を平準化することができる。
さらに、ステップST202で前回の軌道制御からの経過時間を比較する閾値として目標とする制御間隔を設定し、マージンmの値として例えば1を設定すると、制御間隔を目標とする間隔に保つ効果が得られる。
この発明の実施の形態1による宇宙機の軌道制御計画装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1による制御量算出部の動作内容を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1による軌道保持制御計画例を示す図である。 この発明の実施の形態2による宇宙機の軌道制御計画装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2による制御量算出部の動作内容を示すフローチャートである。
符号の説明
100 軌道制御計画装置、101 目標領域設定部、102 保持期間設定部、103 軌道誤差予測部、104 制御禁止期間設定部、105 制御量算出部、106 指標算出部、107 制御期間計数部、110 軌道制御実行装置、111 スラスタ、200 人工衛星(宇宙機)。

Claims (3)

  1. 目標値の下限と上限とを設定する目標領域設定部と、
    軌道パラメータの値を許容範囲内に収める保持期間を設定する保持期間設定部と、
    軌道制御を禁止する制御禁止期間を軌道周期以上の長さにわたり連続して設定する制御禁止期間設定部と、
    前記保持期間および前記制御禁止期間における軌道誤差を予測する軌道誤差予測部と、
    制御量から構成される指標の値を算出する指標算出部と、
    予測された軌道誤差と現在の軌道パラメータの和が目標領域に保持されるような制御量のうち前記指標算出部で算出される指標の値を最小化するような制御量を算出する制御量算出部と
    を備えた宇宙機の軌道制御計画装置。
  2. 請求項1に記載の宇宙機の軌道制御計画装置において、
    前回の軌道制御からの経過時間を計数する制御期間計数部をさらに備え、
    前記制御量算出部は、前記経過時間に応じて軌道制御の要否の判断基準を変える
    ことを特徴とする宇宙機の軌道制御計画装置。
  3. 目標値の下限と上限とを設定する目標領域設定部と、
    軌道パラメータの値を許容範囲内に収める保持期間を設定する保持期間設定部と、
    軌道制御を禁止する制御禁止期間を設定する制御禁止期間設定部と、
    前記保持期間および前記制御禁止期間における軌道誤差を予測する軌道誤差予測部と、
    制御量から構成される指標の値を算出する指標算出部と、
    予測された軌道誤差と現在の軌道パラメータの和が目標領域に保持されるような制御量のうち前記指標算出部で算出される指標の値を最小化するような制御量を算出する制御量算出部と
    を備えた宇宙機の軌道制御計画装置であって、
    前回の軌道制御からの経過時間を計数する制御期間計数部をさらに備え、
    前記制御量算出部は、前記経過時間に応じて軌道制御の要否の判断基準を変える
    ことを特徴とする宇宙機の軌道制御計画装置。
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