JP5004234B2 - 膜マイクロドメイン又はコレステロール認識タンパク質検出用高感度分子プローブ - Google Patents

膜マイクロドメイン又はコレステロール認識タンパク質検出用高感度分子プローブ Download PDF

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Description

本発明は、膜マイクロドメインまたは膜ラフトおよびコレステロール認識タンパク質とコレステロールと同様の機序により、コレステロールよりも強く相互作用することにより、これらを蛍光による可視化、光反応によるラベル化、ビオチンによるラベル化に伴う精製の簡便化を目的とする膜マイクロドメインおよびコレステロール認識タンパク質検出用高感度分子プローブに関する。
膜マイクロドメイン(または膜ラフト)は、細胞膜および細胞内膜系に形成される脂質(コレステロールを含む)およびタンパク質分子の相分離した集合体であり、周囲の膜より強くパッキングされた状態であると考えられ、コレステロールおよびスフィンゴ脂質等が周辺の膜よりも高い濃度で含まれていると考えられている。
この膜マイクロドメイン(または膜ラフト)の形成は、細胞によって厳密にコントロールされており、細胞増殖、細胞分化、分子の輸送、免疫反応およびホルモンなどによるシグナル伝達の制御に関係している。また、様々なウイルスの感染の入り口および出口になっていることが示唆されている。
以上の性質を有することから膜マイクロドメイン(または膜ラフト)に関する研究は、極めて重要であるという認識が広く細胞に関する研究者の間に行き届いており、しかし、その取り扱いの難しさから全貌の解明には至っておらず研究が急がれている分野である。
また、コレステロールは、恒常性維持のために極めて重要な働きをしており、コレステロールなしでは動物は生きられない必須の成分である。一方で、個体、臓器、組織、細胞、細胞内器官、それぞれの場においてコレステロールの濃度は厳密にコントロールされており、それぞれの固有の至適濃度より高くても、低くても、細胞や個体に障害を与える。コレステロールの分布、輸送や濃度の維持に働くタンパク質は、現在でも新たに発見され続けており、このようなタンパク質に対応する遺伝子に以上がある場合には重篤な症状を生じるものが多い(動脈硬化からの心筋梗塞および脳梗塞、ニーマンピック症、タンジール病など)。
従って、コレステロールを認識するタンパク質を発見し、この機能を調べる研究は重要である。このようなタンパク質を検出するための分子プローブの開発は、この分野の研究を大きく進展させる主要なファクターの1つである。
膜マイクロドメインまたは膜ラフトを構成する分子およびコレステロール認識タンパク質は、コレステロール(図1)の化学的特徴を認識して相互作用している。これらの場合のコレステロールの特徴とは、疎水性である末端のアルキル鎖、疎水性の平板で剛直な環状構造、および水酸基であると考えられている。疎水性である末端のアルキル鎖とは疎水性相互作用が働き、疎水性の平板で剛直な環状構造とは疎水結合と強い分子間力と環状構造の形状認識(鍵と鍵穴の関係)が働き、水酸基は水素結合における水素供与部として働き強い水素結合を形成する。
このようなコレステロールを分子プローブとして用いる場合には、コレステローブ分子に可視化のための蛍光基、標識化のための反応性基(架橋剤や光反応性基)またはアフィニティ精製のためのビオチン基などを付加してやる必要がある。
現在、モレキュラーブローブズ社(インビトロジェン社)、アバンチポーラーリピッド社によって、このような蛍光プローブが市販されている。代表例が22-NBD-cholesterol(図2)とBODIPY-FL C5 cholesteryl ester(図3)である。しかし、22-NBD-cholesterol の場合には、コレステロール認識タンパク質を高感度で検出することができない。また、BODIPY-FL C5 cholesteryl esterの場合には、水酸基がエステル結合によって水素を失っているために水素結合で形成出来なくなっており(図3および図6)、細胞内への局在も膜マイクロドメインというより、リピッドボディというエステル化されたコレステロールを貯蔵する細胞内器官になっている。従って、相互作用する相手は、コレステロールとはかなり異なることが予測される。
また、近年コレステロールを認識した状態のタンパク質構造がNature誌に発表されたが(非特許文献1)、この論文ではコレステロールの水酸基および環状構造に加えて、疎水性である末端アルキル鎖が相互作用において重要であることが明らかにされた。
一方、アミド化コレステロール関連の分子プローブは、すでに2000年頃から米国ペンシルバニア州立大学のピーターソン教授らによって合成され、細胞へ導入する実験が行われている(非特許文献2、非特許文献3)。彼らの目的は、抗体が認識することの出来る化合物を細胞膜表面に効率よく埋め込むことのためにその化合物のアンカー(細胞膜にささり込む錨の役割)としてコレステロールを用いている。エンドサイトーシスによって一度細胞内へ取り込まれた化合物が再び細胞膜へ戻って来るシステムを作り出したことを主要な成果として発表している。このとき、アミド化コレステロールは細胞内のゴルジ体へ集積してしまうためにピーターソン教授らの目的には適さないために、アミド化でなく、コレステロールのアミノ基をアルキルアミン化合物に変換して抗体が認識する化合物を結合させた分子の方が機能的に良いと判断している。本来、コレステロールのゴルジ体への集積は、膜マイクロドメインや膜ラフトへの集積性を示すものであるが、この現象に関連してアミド化コレステロールの分子プローブが有効であることに言及しておらず、その有効性に気付いていない。
Y.J. Im, S. Raychaudhuri, W.A. Prinz and J.H. Hurley, Nature 2005, 437, 154-158. S.L. Hussey and B.R. Peterson, J. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 6265-6273. S. Boonyarattanakalin, S.E. Martin, S.A. Dykstra and B.R. Peterson, , J. Am. Chem. Soc. 2004, 126,16379-16386.
本発明は、膜マイクロドメインおよびコレステロール認識タンパク質を、高感度で、精度良く検出できるプローブを提供することである。
上記目的を達成するために本発明は、アミド化コレステロールに着目し、これを用いると、膜マイクロドメイン又はコレステロール認識タンパク質が高感度で検出できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
一般式(1)
(式中、Rは、ビオチン、ベンゾフェノン、ビオチン化ベンゾフェノン、ローダミン付加ベンゾフェノン、フルオレセイン、ローダミン、ピレン、BODIPY、Alexa Fluor、NBD、Texas Redからなる群れより選ばれる1種を表す。)
で表されるアミド化コレステロールを用いた膜マイクロドメインおよびコレステロール認識タンパク質検出用分子プローブである。コレステロール骨格3位の置換基であるアミノ基は、天然コレステロールの水酸基と同じベータ位である。
本発明のアミド化コレステロールを用いた膜マイクロドメインおよびコレステロール認識タンパク質検出用高感度分子プローブは、高感度で精度良く膜マイクロドメインを認識することができた。
本件発明では、コレステロールの水酸基をアミノ基へ変換し(図4)、このアミノ基に対して蛍光基、光反応性基、ビオチン等を、アミド結合を形成させることで付加することができる(図5)。
アミド結合は、水酸基よりも強い水素結合を形成することがタンパク質の水素結合から理解される。従って、アミド化コレステロールは、コレステロールよりも従来の相手と強く相互作用すると考えられ、高感度な分子プローブとなる。分子プローブを細胞内に導入し相互作用する相手を検出する場合には、細胞内在性のコレステロールと競合することとなるので、この性質は高感度を実現するためには重要な技術である。
また、近年コレステロールを認識した状態のタンパク質構造がNature誌に発表されたが(非特許文献1)、この論文ではコレステロールの疎水性アルキル鎖が相互作用において重要であることが明らかにされた。従来の分子プローブである22-NBD-cholesterolでは、この疎水性アルキル鎖が蛍光基に置換されていることから、このようなタンパク質との相互作用を検出するには非常に問題である。
一方、本件発明では、コレステロールの疎水性アルキル鎖を変化させないので、問題は生じない。このNature誌の論文が指摘するタンパク質と相互作用する際のコレステロールの構造のもう一つはコレステロールの水酸基が水素結合を形成していることであるが、本件発明では、この水素結合がより強くなることから、分子プローブとしての検出により適していることが示唆される。
本発明について実施例を用いてさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
分子プローブ(分子構造は図2、5および6)とスフィンゴ脂質との相互作用の強さを測定するために、人工脂質膜(リポソーム)を作成し、密度勾配遠心分離によって分子プローブの分布を解析した。その結果、アミド化コレステロールの分子プローブは、エステル化タイプや22-NBD-cholesterolよりもスフィンゴ脂質を含む膜マイクロドメインと強く相互作用することが示された。
その結果を図9(結果1)に示す。
三口フラスコ(100mL)に3β−アミノコレステロール20.4mg(0.053mmol)、トリエチルアミン7.1mg(0.07mmol)、脱水THF30mLを入れ、0℃で撹拌した。ジメトキシキノキサリノン酸クロライド10mg(0.035mmol)の脱水THF溶液30mLを滴下し、さらに室温で24時間撹拌した。反応液を5wt%塩酸150mLに注ぎ、クロロホルム100mLで抽出した。クロロホルム、THFを留去し、シリカゲルカラム(クロロホルム100%)で目的物(分子構造は図5)を精製した。
黄色固体
収率86%
395934、M=633.91
分子プローブ(分子構造は図5)を細胞内へ導入した場合の細胞内局在性をその蛍光を使って共焦点顕微鏡にて観察した。比較として、エステル化タイプのコレステロール蛍光分子プローブ(分子構造は図6)22-NBD-cholesterol(分子構造は図2)、および膜マイクロドメインにおいてコレステロールと相互作用する相手だと考えられている脂質の1種であるセラミドの蛍光分子プローブ(構造は図7)を同様に細胞内へ導入して観察を行った。その結果、アミド化コレステロールは、エステル化タイプの脂質よりも22-NBD-cholesterolやセラミドの蛍光分子プローブと同じような局在性を示した。
分子構造図5及び図7について、HeLa(ヒト上皮系腫瘍培養細胞)を用いた例を図9(結果2−1)、図10(結果2−2)及び図11(結果2−3)に示す。
分子構造図2及び図5について、HeLa(ヒト上皮系腫瘍培養細胞)を用いた例を図12(結果2−4)、図13(結果2−5)に示す。
分子構造図6及び図7について、HeLa(ヒト上皮系腫瘍培養細胞)を用いた例を図14(結果2−6)、図15(結果2−7)に示す。
出願人は、さらに一般式(1)で表されるアミド化コレステロールの置換基Rが異なる次のような化合物群を用意した。
1.ジメトキシメチルキノキサリノン(DMEQ)系プローブ
(1−1)コレステロールアミド−ジメトキシメチルキノキサリノンプローブ
2.ローダミン系プローブ
(2−1)コレステロールアミド−ローダミンプローブ
(2−2)コレステロールアミドスクシン酸ローダミンプローブ
(2−3)コレステロールアミドグリシルグリシンローダミンプローブ
(2−4)コレステロールアミドグリシルグリシンアミドスクシン酸ローダミンプローブ
(2−5)コレステロールアミドセバシン酸ローダミンプローブ
(2−6)コレステロールアミドテトラエチレングリコール酸ローダミンプローブ
(2−7)コレステロールアミドスクシン酸ドデカエチレングリコールスクシン酸ローダミンプローブ
(3−1)コレステロールアミド−ベンゾフェノンローダミンプローブ
(3−2)コレステロールアミド−ベンゾフェノンローダミンプローブ
4.フルオレセイン系プローブ
(4−1)コレステロールアミドスクシン酸フルオレセインプローブ
5.ベンゾフェノン−フルオレセイン系プローブ
(5−1)コレステロールアミドベンゾフェノンフルオレセインプローブ
6.ニトロベンゾジアゾール系プローブ
(6−1)コレステロールアミド−ニトロベンゾジアゾールプローブ
また、アミド化コレステロール系ではない次のような化合物についても用意し、性能比較用の化合物とした。
7.コレステロールエステルローダミン系プローブ
(7−1)コレステロールエステルスクシン酸ローダミンプローブ
8.コレステロールエステルフルオレセイン系プローブ
(8−1)コレステロールエステルスクシン酸フルオレセインプローブ
9.コレステロールアミンニトロベンゾジアゾール系プローブ
(9−1)コレステロールアミノニトロベンゾジアゾールプローブ
これらの化合物について、順次化合物とその合成方法そして代表的なものについてのテスト結果について示す。
1.ジメトキシメチルキノキサリノン(DMEQ)系プローブ
本発明のコレステロール、ジメトキシメチルキノキサリノンからなる蛍光分子プローブは、文献未記載の新規化合物であり、細胞内のコレステロール分子の分布およびその動きを蛍光顕微鏡により可視化するものである。
下記反応式に従って、キノキサリノン誘導体と3β−アミノコレステロールを反応させることによってプローブを合成することができる。
この反応に使用される溶媒としては、テトラヒドロフラン(THF)、ベンゼン、クロロホルム、ジクロロメタン、等の溶媒、好ましくはTHFが使用される。触媒としては、トリエチルアミン、ピリジン、ジイソプロピルエチルアミン等の塩基性化合物を用いて行うことができる。好ましくはトリエチルアミンが使用される。アミノコレステロールに対するキノキサリノン誘導体の反応割合は、前者1ミリモルに対して後者を0.2ミリモル以上、好ましくは0.3〜3ミリモルとすればよい。触媒の使用量は、アミノコレステロール1ミリモルに対して0.5ミリモル以上、好ましくは1〜3ミリモル程度とすればよい。反応温度は0〜80℃程度、好ましくは室温とすればよい。反応時間は2〜24時間程度とすればよい。
(1−1)コレステロールアミド−ジメトキシメチルキノキサリノンプローブ
で示されるコレステロールアミド−ジメトキシメチルキノキサリノンは、次のようにして合成した。
三口フラスコ(100mL)に3β−アミノコレステロール20.4mg(0.053mmol)、トリエチルアミン7.1mg(0.07mmol)、脱水THF30mLを入れ、0℃で撹拌した。ジメトキシキノキサリノン酸クロライド10mg(0.035mmol)の脱水THF溶液30mLを滴下し、さらに室温で24時間撹拌した。反応液を5wt%塩酸150mLに注ぎ、クロロホルム100mLで抽出した。クロロホルム、THFを留去し、シリカゲルカラム(クロロホルム100%)で目的物を精製した。
黄色固体
収率86%
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ 0.68 (3H, s), 0.86 (3H, d, J=2.3 Hz), 0.87 (3H, d, J=2.3 Hz), 0.92 (3H, d, J=6.9 Hz), 0.88〜1.75 (27H, m), 1.76〜2.40 (7H, m), 3.80 (3H, s), 3.96 (3H, s), 3.97〜4.05 (1H, m), 4.07 (3H, s), 5.37〜5.43 (1H, m), 6.71 (1H, s), 7.63 (1H, s)
395934、M=633.91

ローダミン系プローブ
本発明のコレステロール、ジメトキシメチルキノキサリノンからなる蛍光分子プローブは、文献未記載の新規化合物であり、細胞内のコレステロール分子の分布およびその動きを蛍光顕微鏡により可視化するものである。
以下、実施例を挙げて本発明を説明する。
(2−1)コレステロールアミド−ローダミンプローブ
(2−1−1)3β−コレステロールプロパルギルアミドの合成
で示される3β−コレステロールプロパルギルアミドは、次のようにして合成した。
三口フラスコ(100mL)にアミノコレステロール386mg(1mmol)、プロパルギル酸84mg(1.2mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)162mg(1.2mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)155mg(1.2mmol)、脱水THF50mLを入れ、0℃で撹拌した。ベンゾトリアゾールイルテトラメチルウロニウムヘキサフルオロフォスフェート(HBTU)417mg(1.1mmol)の脱水DMF溶液20mLを滴下し、さらに室温で24時間撹拌した。反応液を5wt%塩酸150mLに注ぎ、クロロホルム100mLで抽出した。クロロホルム、DMFを留去し、シリカゲルカラム(クロロホルム100%)で目的物を荒分けした。得られた固体をエタノール10mLで再結晶し、目的物を精製した。
淡黄色固体
収率43%
(2−1−2)コレステロールアミド−ローダミンプローブの合成
三口フラスコ(300mL)にコレステロールプロパルギルアミド263mg(0.6mmol)、アジドエチルローダミン274mg(0.5mmol)、脱水DMF40mL、脱水THF40mLを入れ、室温で撹拌した。アスコルビン酸ナトリウム198mg(1mmol)と硫酸銅五水和物125mg(0.5mmol)を加え、さらに室温で3日間撹拌した。反応液を5wt%塩酸100mLに注ぎ、クロロホルム150mLで抽出した。クロロホルム、DMF、THFを留去し、シリカゲルカラム(クロロホルム:メタノール=100:10)で目的物を精製した。
紫色固体
収率82%
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ 0.66 (3H, s), 0.8〜2.4 (52H, m), 3.54〜3.69 (8H, m), 3.82〜3.95 (1H, m), 4.50 (2H, t, J=4.8 Hz), 4.70 (2H, t, J=4.8 Hz), 5.32〜5.38 (1H, m), 6.78 (2H, s), 6.91 (2H, d, J=9.2 Hz), 7.03 (2H, d, J=9.2 Hz), 7.23 (1H, d, J=6.4 Hz), 7.32 (1H, d, J=7.4 Hz), 7.70〜7.81 (2H, m), 8.20 (1H, d, J=7.8 Hz), 8.44 (1H, s)
(2−2)コレステロールアミドスクシン酸ローダミンプローブ
(2−2−1)プロパルギルスクシン酸エステルの合成
で示されるプロパルギルスクシン酸エステルは、次のようにして合成した。
三口フラスコ(300mL)にプロパルギルアルコール1.12g(20mmol)、トリエチルアミン3.03g(30mmol)、THF100mLを入れ、室温で撹拌した。無水スクシン酸3.00g(30mmol)のTHF溶液50mLを滴下し、さらに室温で24時間撹拌した。水50mLを加えてさらに室温で12時間撹拌した後、反応液を5wt%塩酸200mLに注ぎ、クロロホルム300mLで抽出した。クロロホルムを留去し、得られた固体をヘキサン50mLで洗浄し、減圧乾燥してそのまま次の反応に用いた。
無色固体
粗収率100%
(2−2−2)プロパルギルスクシン酸クロライドの合成
で示されるプロパルギルスクシン酸クロライドは、次のようにして合成した。

ナスフラスコ(300mL)にプロパルギルスクシン酸エステル624mg(4mmol)、オキザリルクロライド2.54g(20mmol)、ベンゼン200mLを入れ、室温で撹拌した。DMF4滴を加え、さらに室温で6時間撹拌した。ベンゼンを留去し、減圧乾燥してそのまま次の反応に用いた。
淡黄色固体
粗収率100%
(2−2−3)コレステロールアミドスクシン酸プロパルギルエステルの合成
で示されるコレステロールアミドスクシン酸プロパルギルエステルは、次のようにして合成した。
三口フラスコ(300mL)にアミノコレステロール1.16g(3mmol)、トリエチルアミン1.52g(15mmol)、THF150mLを入れ、0℃で撹拌した。粗プロパルギルスクシン酸クロライド698mg(4mmol)のTHF溶液50mLを滴下し、さらに室温で24時間撹拌した。反応液を5wt%塩酸100mLに注ぎ、クロロホルム100mLで抽出した。クロロホルム、DMFを留去し、メタノール60mLで再結晶して目的物を精製した。
無色固体
収率70%
(2−2−4)コレステロールアミドスクシン酸ローダミンプローブの合成
で示されるコレステロールアミドスクシン酸ローダミンプローブは、次のようにして合成した。
三口フラスコ(300mL)に窒素雰囲気下コレステロールアミドスクシン酸プロパルギルエステル314mg(0.6mmol)、アジドエチルローダミン274mg(0.5mmol)、脱水DMF40mL、脱水THF40mLを入れ、室温で撹拌した。アスコルビン酸ナトリウム238mg(1.2mmol)と硫酸銅五水和物150mg(0.6mmol)を加え、窒素雰囲気下さらに室温で3日間撹拌した。反応液を5wt%塩酸100mLに注ぎ、クロロホルム150mLで抽出した。クロロホルム、DMF、THFを留去し、シリカゲルカラム(クロロホルム:メタノール=100:5〜10)で目的物を精製した。
紫色固体
収率69%
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ 0.64 (3H, s), 0.8〜2.3 (52H, m), 2.61〜2.74 (4H, m), 3.54〜3.69 (9H, m), 4.56 (2H, t, J=5.0 Hz), 4.73 (2H, t, J=5.0 Hz), 5.19 (2H, s), 5.23〜5.29 (1H, m), 6.75 (2H, s), 6.89 (2H, d, J=9.2 Hz), 7.06 (2H, d, J=9.2 Hz), 7.23 (1H, d, J=6.4 Hz), 7.52 (1H, d, J=8.3 Hz), 7.71〜7.82 (2H, m), 8.28 (1H, d, J=6.9 Hz), 8.54 (1H, s)
(2−3)コレステロールアミドグリシルグリシンローダミンプローブ
(2−3−1)Bocグリシルグリシンの合成
で示されるBocグリシルグリシンは、次のようにして合成した。
三口フラスコ(300ml)にグリシルグリシン13.2g(100mmol)、水酸化ナトリウム4.0g(100mmol)、ジオキサン100ml、水100mlを入れ、0℃で撹拌した。ジ−t−ブチルジカーボネート24.0g(110mmol)を滴下し、さらに室温で12時間撹拌した。クエン酸28.8g(150mmol)を加え、ジオキサンを留去し、酢酸エチル150mlで三回抽出した。酢酸エチル溶液を水200mlで水洗し、無水硫酸ナトリウムを加えて12時間脱水し、酢酸エチルを留去した。得られた固体を酢酸エチル200mLで再結晶して目的物を単離した。
白色固体
収率46%
(2−3−2)コレステロールアミドBocグリシルグリシンの合成
で示されるコレステロールアミドBocグリシルグリシンは、次のようにして合成した。
三口フラスコ(100mL)にアミノコレステロール386mg(1mmol)、Bocグリシルグリシン279mg(1.2mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)162mg(1.2mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)155mg(1.2mmol)、脱水THF50mLを入れ、0℃で撹拌した。ベンゾトリアゾールイルテトラメチルウロニウムヘキサフルオロフォスフェート(HBTU)417mg(1.1mmol)の脱水DMF溶液20mLを滴下し、さらに室温で24時間撹拌した。反応液を5wt%塩酸150mLに注ぎ、クロロホルム100mLで抽出した。クロロホルム、DMFを留去し、シリカゲルカラム(クロロホルム:メタノール=100:5)で目的物を精製した。
無色固体
収率83%
(2−3−3)コレステロールアミドグリシルグリシンの合成
で示されるコレステロールアミドグリシルグリシンは、次のようにして合成した。
ナスフラスコ(200mL)にコレステロールアミドBocグリシルグリシン600mg(1mmol)を入れ、氷冷した。トリフルオロ酢酸15mLを加え、さらに室温で2時間撹拌した。トリフルオロ酢酸を留去し、クロロホルム100mLと5wt%炭酸ナトリウム水溶液100mLを加え、抽出した。クロロホルムを留去し、減圧乾燥してそのまま次の反応に用いた。
無色固体
粗収率87%
(2−3−4)コレステロールアミドグリシルグリシンプロパルギルアミドの合成
で示されるコレステロールアミドグリシルグリシンプロパルギルアミドは、次のようにして合成した。
三口フラスコ(100mL)にコレステロールアミドグリシルグリシン500mg(1mmol)、プロパルギル酸84mg(1.2mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)162mg(1.2mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)155mg(1.2mmol)、脱水THF50mLを入れ、0℃で撹拌した。ベンゾトリアゾールイルテトラメチルウロニウムヘキサフルオロフォスフェート(HBTU)417mg(1.1mmol)の脱水DMF溶液20mLを滴下し、さらに室温で24時間撹拌した。反応液を5wt%塩酸150mLに注ぎ、クロロホルム100mLで抽出した。クロロホルム、DMFを留去し、シリカゲルカラム(クロロホルム:メタノール=100:5)で目的物を荒分けし、得られた固体をエタノール20mLで再結晶して目的物を精製した。
無色固体
収率32%
(2−3−5)コレステロールアミドグリシルグリシンローダミンプローブの合成
で示されるコレステロールアミドグリシルグリシンローダミンプローブは、次のようにして合成した。
三口フラスコ(300mL)に窒素雰囲気下コレステロールグリシルグリシンプロパルギルアミド331mg(0.6mmol)、アジドエチルローダミン274mg(0.5mmol)、脱水DMF80mL、脱水THF40mLを入れ、室温で撹拌した。アスコルビン酸ナトリウム238mg(1.2mmol)と硫酸銅五水和物150mg(0.6mmol)を加え、窒素雰囲気下さらに室温で3日間撹拌した。反応液を5wt%塩酸100mLに注ぎ、クロロホルム150mLで抽出した。クロロホルム、DMF、THFを留去し、シリカゲルカラム(クロロホルム:メタノール=100:10)で目的物を精製した。
紫色固体
収率67%
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ 0.65 (3H, s), 0.8〜2.4 (52H, m), 3.54〜3.74 (9H, m), 3.93 (2H, d, J=6.0 Hz), 4.27 (2H, d, J=6.0 Hz), 4.51 (2H, t, J=4.4 Hz), 4.60 (2H, t, J=4.4 Hz), 5.23〜5.29 (1H, m), 6.76 (2H, s), 6.86 (2H, d, J=9.6 Hz), 7.01 (2H, d, J=9.6 Hz), 7.20 (1H, d, J=6.9 Hz), 7.49 (1H, d, J=8.3 Hz), 7.72〜7.85 (2H, m), 8.21 (1H, t, J=6.2 Hz), 8.34 (1H, d, J=7.3 Hz), 8.87 (1H, s), 9.18 (1H, t, J=5.7 Hz)
(2−4)コレステロールアミドグリシルグリシンアミドスクシン酸ローダミンプローブ
(2−4−1)コレステロールアミドグリシルグリシンアミドスクシン酸プロパルギルエステルの合成
で示されるコレステロールアミドグリシルグリシンアミドスクシン酸プロパルギルエステルは、次のようにして合成した。
三口フラスコ(100mL)にコレステロールアミドグリシルグリシン500mg(1mmol)、トリエチルアミン505mg(5mmol)、THF50mLを入れ、0℃で撹拌した。粗プロパルギルスクシン酸クロライド349mg(2mmol)のTHF溶液20mLを滴下し、さらに室温で24時間撹拌した。反応液を5wt%塩酸150mLに注ぎ、クロロホルム100mLで抽出した。クロロホルム、DMFを留去し、シリカゲルカラム(クロロホルム:メタノール=100:2〜4)にて荒分けし、GPCにて目的物を精製した。
無色固体
収率25%
(2−4−2)コレステロールアミドグリシルグリシンアミドスクシン酸ローダミンプローブの合成
で示されるコレステロールアミドグリシルグリシンアミドスクシン酸ローダミンプローブは、次のようにして合成した。
三口フラスコ(300mL)に窒素雰囲気下コレステロールアミドグリシルグリシンアミドスクシン酸プロパルギルエステル383mg(0.6mmol)、アジドエチルローダミン274mg(0.5mmol)、脱水DMF40mL、脱水THF40mLを入れ、室温で撹拌した。アスコルビン酸ナトリウム238mg(1.2mmol)と硫酸銅五水和物150mg(0.6mmol)を加え、窒素雰囲気下さらに室温で3日間撹拌した。反応液を5wt%塩酸100mLに注ぎ、クロロホルム150mLで抽出した。クロロホルム、DMF、THFを留去し、シリカゲルカラム(クロロホルム:メタノール=100:5〜10)で目的物を精製した。
紫色固体
収率53%
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ 0.65 (3H, s), 0.8〜2.4 (52H, m), 2.71〜2.84 (4H, m), 3.54〜3.70 (9H, m), 3.80 (2H, t, J=5.6 Hz), 3.90 (2H, d, J=4.6 Hz), 4.53 (2H, t, J=4.6 Hz), 4.67 (2H, t, J=4.8 Hz), 5.19 (2H, s), 5.21〜5.28 (1H, m), 6.76 (2H, s), 6.87 (2H, d, J=9.6 Hz), 7.07 (2H, d, J=9.2 Hz), 7.21〜7.26 (1H, m), 7.30 (1H, d, J=8.3 Hz), 7.75〜7.88 (3H, m), 8.23〜8.31 (1H, m), 7.34 (1H, s), 9.58 (1H, s)
(2−5)コレステロールアミドセバシン酸ローダミンプローブ
(2−5−1)プロパルギルセバシン酸エステルの合成
で示されるプロパルギルセバシン酸エステルは、次のようにして合成した。

三口フラスコ(100mL)にセバシン酸クロライド1.20g(5mmol)とTHF50mLを入れ、0℃で撹拌した。プロパルギルアルコール280mg(5mmol)とトリエチルアミン1.01g(10mmol)のTHF溶液20mLを滴下し、さらに室温で24時間撹拌した。反応液に水30mLを加え、さらに室温で6時間撹拌した。反応液を5wt%塩酸100mLに注ぎ、クロロホルム150mLで抽出した。クロロホルム、THFを留去し、シリカゲルカラム(クロロホルム100%)で目的物を精製した。
・ジエステル体との分離は困難、この精製条件では1:1の混合物が得られる。
無色固体
収率21%

(2−5−2)コレステロールアミドセバシン酸プロパルギルエステルの合成
で示されるコレステロールアミドセバシン酸プロパルギルエステルは、次のようにして合成した。

三口フラスコ(100mL)にアミノコレステロール386mg(1mmol)、プロパルギルセバシン酸エステル572mg(50%、1.2mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)162mg(1.2mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)155mg(1.2mmol)、脱水THF50mLを入れ、0℃で撹拌した。ベンゾトリアゾールイルテトラメチルウロニウムヘキサフルオロフォスフェート(HBTU)417mg(1.1mmol)の脱水DMF溶液20mLを滴下し、さらに室温で24時間撹拌した。反応液を5wt%塩酸150mLに注ぎ、クロロホルム100mLで抽出した。クロロホルム、DMFを留去し、GPCで目的物を荒分けし、エタノール10mLで再結晶して目的物を精製した。
無色固体
収率50%

(2−5−3)コレステロールアミドセバシン酸ローダミンプローブの合成
で示されるコレステロールアミドセバシン酸ローダミンプローブは、次のようにして合成した。

三口フラスコ(300mL)に窒素雰囲気下コレステロールアミドセバシン酸プロパルギルエステル365mg(0.6mmol)、アジドエチルローダミン274mg(0.5mmol)、脱水DMF40mL、脱水THF40mLを入れ、室温で撹拌した。アスコルビン酸ナトリウム238mg(1.2mmol)と硫酸銅五水和物150mg(0.6mmol)を加え、窒素雰囲気下さらに室温で3日間撹拌した。反応液を5wt%塩酸100mLに注ぎ、クロロホルム150mLで抽出した。クロロホルム、DMF、THFを留去し、シリカゲルカラム(クロロホルム:メタノール=100:5〜10)で目的物を精製した。
紫色固体
収率78%
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ 0.64 (3H, s), 0.8〜2.3 (68H, m), 3.52〜3.74 (9H, m), 4.52 (2H, t, J=5.1 Hz), 4.75 (2H, t, J=5.3 Hz), 5.14 (2H, s), 5.28〜5.33 (1H, m), 6.04 (1H, d, J=5.3 Hz), 6.75 (2H, s), 6.91 (2H, d, J=9.2 Hz), 7.03 (2H, d, J=9.7 Hz), 7.25 (1H, d, J=7.4 Hz), 7.71 (1H, t, J=7.8 Hz), 7.77 (1H, t, J=7.4 Hz), 8.16 (1H, s), 8.21 (1H, d, J=7.8 Hz)
(2−6)コレステロールアミドテトラエチレングリコール酸ローダミンプローブ

(2−6−1)ジアゾ酢酸エチルの合成
で示されるジアゾ酢酸エチルは、次のようにして合成した。

三口フラスコ(1l)に亜硝酸ナトリウム38.07g(0.55mol)、グリシンエチルエステル塩酸塩68.39g(0.49mol)、酢酸ナトリウム1.36g、水250mlを入れ、溶かした後に0℃に冷却する一方で、10wt%硫酸水溶液200ml、10wt%炭酸ナトリウム水溶液500mlを調製し、同様に0℃に冷却した。冷却したジクロロメタン80mlと10wt%硫酸水溶液3mlを加え、0℃で5分間撹拌した後に分液ロートにてジクロロメタン層を分離し、水溶液は三口フラスコに、ジクロロメタン層は直ちに冷却した炭酸ナトリウム水溶液50mlで洗浄した後0℃で保存した。再び冷却したジクロロメタン80mlを加え、10wt%硫酸水溶液15mlを3分かけて滴下し、0℃で3分間撹拌した後に分液ロートにてジクロロメタン層を分離し、水溶液は三口フラスコに、ジクロロメタン層は直ちに冷却した炭酸ナトリウム水溶液50mlで洗浄した後0℃で保存した。この操作をジクロロメタン層に黄色い着色がなくなるまで繰り返した(7〜8回)。集めたジクロロメタン層をまとめて等量の水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて一晩脱水し、溶液のまま次の反応に用いた。
黄色液体
粗収率80%
4722、M=115.11

(2−6−2)ジエチレングリコールビスグリコール酸エチルエステルの合成
で示されるジエチレングリコールビスグリコール酸エチルエステルは、次のようにして合成した。

三口フラスコ(2L)にジエチレングリコール13.9g(131mmol)、粗ジアゾ酢酸45.1g(392mmol、ジクロロメタン溶液)、ジクロロメタン合計1.2Lを入れ、室温で撹拌した。三フッ化ホウ素エチルエーテル錯体エーテル溶液1.5mLを還流が維持できる速度で滴下し、さらに室温で3時間撹拌した。反応液を5wt%塩酸1Lに注ぎ、ジクロロメタン層を分離した。ジクロロメタンを留去し、減圧蒸留にて目的物を精製した。
無色液体、b.p.145〜150℃/0.3mmHg
収率18%

(2−6−3)ジエチレングリコールビスグリコール酸の合成
で示されるジエチレングリコールビスグリコール酸は、次のようにして合成した。
三口フラスコ(300mL)にジエチレングリコールビスグリコール酸エチルエステル2.79g(10mmol)とエタノール100mLを入れ、室温で撹拌した。水酸化ナトリウム8.00g(100mmol)の水溶液100mLを加え、12時間加熱還流した。放冷後反応液に濃塩酸を加えて酸性にした。エタノール、水を留去し、残渣にTHF100mLを加えて不溶物を除去した。THFを留去し、減圧乾燥してそのまま次の反応に用いた。
淡褐色液体
粗収率100%

(2−6−4)ジエチレングリコールビスグリコール酸クロライドの合成
で示されるジエチレングリコールビスグリコール酸クロライドは、次のようにして合成した。
ナスフラスコ(200mL)に粗ジエチレングリコールビスグリコール酸2.22g(10mmol)、オキザリルクロライド12.7g(100mmol)、ベンゼン150mLを入れ、室温で撹拌した。DMF4滴を加え、さらに6時間加熱還流した。放冷後ベンゼンを留去し、減圧乾燥してそのまま次の反応に用いた。
褐色液体
粗収率100%

(2−6−5)ジエチレングリコールビスグリコール酸モノプロパルギルエステルの合成
で示されるジエチレングリコールビスグリコール酸モノプロパルギルエステルは、次のようにして合成した。
三口フラスコ(300mL)に粗ジエチレングリコールビスグリコール酸クロライド2.59g(10mmol)とTHF200mLを入れ、0℃で撹拌した。プロパルギルアルコール561mg(10mmol)、トリエチルアミン3.03g(30mmol)のTHF溶液50mLを滴下し、さらに室温で24時間撹拌した。反応液に水30mLを加え、さらに室温で6時間撹拌した。反応液を5wt%塩酸100mLに注ぎ、クロロホルム100mLで2回抽出した。クロロホルム、THFを留去し、減圧乾燥してそのまま次の反応に用いた。
・粗生成物組成はモノエステルとジエステルの混合物、モル比2:3。
褐色液体
粗収率30%

(2−6−6)ジエチレングリコールビスグリコール酸プロパルギルエステルクロライドの合成
で示されるジエチレングリコールビスグリコール酸プロパルギルエステルクロライドは、次のようにして合成した。

ナスフラスコ(200mL)に粗ジエチレングリコールビスグリコール酸モノプロパルギルエステル260mg(1mmol)、オキザリルクロライド635mg(5mmol)、ベンゼン50mLを入れ、室温で撹拌した。DMF3滴を加え、さらに室温で6時間撹拌した。ベンゼンを留去し、減圧乾燥してそのまま次の反応に用いた。
無色液体
粗収率100%

(2−6−7)コレステロールアミドジエチレングリコールビスグリコール酸プロパルギルエステルの合成
で示されるコレステロールアミドジエチレングリコールビスグリコール酸プロパルギルエステルは、次のようにして合成した。
三口フラスコ(100mL)にアミノコレステロール193mg(0.5mmol)、トリエチルアミン303mg(3mmol)、THF50mLを入れ、0℃で撹拌した。粗ジエチレングリコールビスグリコール酸プロパルギルエステルクロライド698mg(40%、1mmol)のTHF溶液20mLを滴下し、さらに室温で24時間撹拌した。反応液を5wt%塩酸100mLに注ぎ、クロロホルム150mLで抽出した。クロロホルム、THFを留去し、GPCにて目的物を荒分けし、シリカゲルカラム(クロロホルム)にて目的物を精製した。
無色固体
収率45%

(2−6−8)コレステロールアミドジエチレングリコールビスグリコール酸ローダミンプローブの合成
で示されるコレステロールアミドジエチレングリコールビスグリコール酸ローダミンプローブは、次のようにして合成した。

三口フラスコ(300mL)に窒素雰囲気下コレステロールアミドジエチレングリコールビスグリコール酸プロパルギルエステル377mg(0.6mmol)、アジドエチルローダミン274mg(0.5mmol)、脱水DMF40mL、脱水THF40mLを入れ、室温で撹拌した。アスコルビン酸ナトリウム238mg(1.2mmol)と硫酸銅五水和物150mg(0.6mmol)を加え、窒素雰囲気下さらに室温で3日間撹拌した。反応液を5wt%塩酸100mLに注ぎ、クロロホルム150mLで抽出した。クロロホルム、DMF、THFを留去し、シリカゲルカラム(クロロホルム:メタノール=100:5〜10)で目的物を精製した。
紫色液体
収率14%
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ 0.66 (3H, s), 0.8〜2.3 (52H, m), 3.56〜3.77 (17H, m), 3.95 (2H, s), 4.15 (2H, s), 4.55 (2H, t, J=4.6 Hz), 4.78 (2H, t, J=5.0 Hz), 5.24 (2H, s), 5.31〜5.37 (1H, m), 6.76 (2H, s), 6.91 (2H, d, J=9.6 Hz), 7.06 (2H, d, J=9.2 Hz), 7.23 (1H, d, J=7.4 Hz), 7.71〜7.80 (2H, m), 8.24 (1H, d, J=7.3 Hz), 8.37 (1H, s)
(2−7)コレステロールアミドスクシン酸ドデカエチレングリコールスクシン酸ローダミンプローブ
(2−7−1)ドデカエチレングリコールモノプロパルギルスクシン酸エステルの合成
で示されるドデカエチレングリコールモノプロパルギルスクシン酸エステルは、次のようにして合成した。

三口フラスコ(100mL)にドデカエチレングリコール1.64g(3mmol)、トリエチルアミン1.52g(15mmol)、THF50mLを入れ、0℃で撹拌した。粗プロパルギルスクシン酸クロライド524mg(3mmol)のTHF溶液20mLを滴下し、さらに室温で24時間撹拌した。反応液を5wt%塩酸100mLに注ぎ、クロロホルム100mLで二回抽出した。クロロホルム、THFを留去し、減圧乾燥してそのまま次の反応に用いた。
・生成物はNMRではモノエステル:ジエステル4:5の混合物。
褐色液体
粗収率44%

(2−7−2)ドデカエチレングリコールプロパルギルスクシン酸エステルスクシン酸の合成
で示されるドデカエチレングリコールプロパルギルスクシン酸エステルスクシン酸は、次のようにして合成した。

三口フラスコ(100mL)に粗ドデカエチレングリコールモノプロパルギルスクシン酸エステル1.56g(44%、1mmol)、トリエチルアミン505mg(5mmol)、THF50mLを入れ、室温で撹拌した。無水スクシン酸1.00g(10mmol)のTHF溶液20mLを滴下し、さらに室温で12時間撹拌した。反応液に水20mLを加え、さらに室温で6時間撹拌した。THF、水を留去し、シリカゲルカラム(クロロホルム:メタノール=100:2〜5)にて目的物を精製した。
無色液体
収率49%

(2−7−3)ドデカエチレングリコールプロパルギルスクシン酸エステルスクシン酸クロライドの合成
で示されるドデカエチレングリコールプロパルギルスクシン酸エステルスクシン酸クロライドは、次のようにして合成した。

ナスフラスコ(200mL)にドデカエチレングリコールプロパルギルスクシン酸エステルスクシン酸785mg(1mmol)、オキザリルクロライド635mg(5mmol)、ベンゼン100mLを入れ、室温で撹拌した。DMF3滴を加え、さらに室温で6時間撹拌した。ベンゼンを留去し、減圧乾燥してそのまま次の反応に用いた。
無色液体
粗収率100%

(2−7−4)コレステロールアミドスクシン酸ドデカエチレングリコールスクシン酸プロパルギルエステルの合成
で示されるコレステロールアミドスクシン酸ドデカエチレングリコールスクシン酸プロパルギルエステルは、次のようにして合成した。

三口フラスコ(100mL)にアミノコレステロール386mg(1mmol)、トリエチルアミン505mg(5mmol)、THF50mLを入れ、0℃で撹拌した。粗ドデカエチレングリコールプロパルギルスクシン酸エステルスクシン酸クロライド964mg(1.2mmol)のTHF溶液20mLを滴下し、さらに室温で24時間撹拌した。反応液を5wt%塩酸100mLに注ぎ、クロロホルム100mLで2回抽出した。クロロホルム、THFを留去し、GPCにて荒分けをし、シリカゲルカラム(クロロホルム:メタノール=100:0〜2)にて目的物を精製した。
無色固体
収率33%

(2−7−5)コレステロールアミドスクシン酸ドデカエチレングリコールスクシン酸エステル−トリアゾールローダミンプローブの合成
で示されるコレステロールアミドスクシン酸ドデカエチレングリコールスクシン酸エステル−トリアゾールローダミンプローブは、次のようにして合成した。

三口フラスコ(300mL)に窒素雰囲気下コレステロールアミドスクシン酸ドデカエチレングリコールスクシン酸プロパルギルエステル692mg(0.6mmol)、アジドエチルローダミン274mg(0.5mmol)、脱水DMF40mL、脱水THF40mLを入れ、室温で撹拌した。アスコルビン酸ナトリウム238mg(1.2mmol)と硫酸銅五水和物150mg(0.6mmol)を加え、窒素雰囲気下さらに室温で3日間撹拌した。反応液を5wt%塩酸100mLに注ぎ、クロロホルム150mLで抽出した。クロロホルム、DMF、THFを留去し、シリカゲルカラム(クロロホルム:メタノール=100:5〜10)で目的物を精製した。
紫色液体
収率61%
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ 0.66 (3H, s), 0.8〜2.3 (52H, m), 2.45 (2H, t, J=6.9 Hz), 2.61〜2.70 (6H, m), 3.56〜3.70 (53H, m), 4.19〜4.24 (4H, m), 4.53 (2H, t, J=5.0 Hz), 4.75 (2H, t, J=5.0 Hz), 5.19 (2H, s), 5.31〜5.36 (1H, m), 5.94 (1H, d, J=8.2 Hz), 6.77 (2H, s), 6.92 (2H, d, J=9.7 Hz), 7.06 (2H, d, J=9.6 Hz), 7.25 (1H, d, J=7.3 Hz), 7.71〜7.80 (2H, m), 8.16 (1H, s), 8.23 (1H, d, J=7.8 Hz)
3.ベンゾフェノン−ローダミン系プローブ
本発明のコレステロール、ベンゾフェノン、ローダミンからなる光反応性蛍光分子プローブは、文献未記載の新規化合物であり、細胞内のコレステロール分子の分布およびその動きを蛍光顕微鏡により可視化し、かつ光照射によってコレステロールが集積する細胞内部位のタンパク質および脂質等を標識するものである。

(式3−1)
で示される化合物は、次のようにして合成した。

(式中R、R’はアルキル鎖、ペプチド鎖、オリゴエチレングリコール鎖等のリンカー)で表されるコレステロール、ベンゾフェノン、ローダミンからなる光反応性蛍光分子プローブ。
上記(式3−1)で表される化合物において、R、R’はアルキル鎖、ペプチド鎖、オリゴエチレングリコール鎖等のリンカーである。以下、本発明化合物の製造法を説明する。
まず下記反応式に従って、ローダミンBとエチレングリコールを反応させることによってローダミンBエチレングリコールエステルを得ることができる。
この反応は、触媒として硫酸、リン酸、トルエンスルホン酸等の酸性化合物を用いて行うことができる。好ましくは硫酸が使用される。ローダミンBに対するエチレングリコールの反応割合は、前者1ミリモルに対して後者を1mL以上、好ましくは15〜35mL程度とすればよい。触媒の使用量は、ローダミンB1ミリモルに対して5ミリモル以上、好ましくは20〜30ミリモル程度とすればよい。反応温度は、0〜120℃程度、好ましくは90〜110℃とすればよい。反応時間は1〜6時間程度とすればよい。
次に下記反応式に従って、ローダミンBエチレングリコールエステルとBocグリシンを反応させることによってローダミンBエチレングリコールBocグリシンを得ることができる。
この反応は、触媒としてEDC、HBTU、PyBOP、DCC等のカルボン酸活性化剤を用いて行うことができる。好ましくはEDCが使用される。さらに助触媒としてHOBtを用いる。使用される溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等の有機溶媒、好ましくはジメチルホルムアミドが使用される。ローダミンBエチレングリコールエステルに対するBocグリシンの反応割合は、前者1ミリモルに対して後者を0.8ミリモル以上、好ましくは1.1〜1.3ミリモル程度とすればよい。触媒の使用量は、ローダミンBエチレングリコールエステル1ミリモルに対して0.8ミリモル以上、好ましくは1.1〜1.3ミリモル程度とすればよい。助触媒の使用量は0.8ミリモル以上、好ましくは1.2モル程度とすればよい。反応温度は、0〜60℃程度、好ましくは0〜40℃とすればよい。反応時間は6〜36時間程度とすればよい。
次に下記反応式に従って、ローダミンBエチレングリコールBocグリシンとトリフルオロ酢酸を反応させることによってローダミンBエチレングリコールグリシンを得ることができる。
この反応は、トリフルオロ酢酸、硫酸、塩酸等の酸性化合物を用いて行うことができる。好ましくはトリフルオロ酢酸が使用される。ローダミンBエチレングリコールBocグリシン1ミリモルに対するトリフルオロ酢酸の反応割合は2mL以上、好ましくは15〜25mL程度とすればよい。反応温度は、0〜60℃程度、好ましくは0〜40℃とすればよい。反応時間は10分〜3時間程度とすればよい。
次に下記反応式に従って、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンとブロモ酢酸エチルを反応させることによって、4,4’−ベンゾフェノンビスエステルを得ることができる。
この反応は、触媒として水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の塩基性化合物を用いて行うことができる。好ましくは炭酸カリウムが使用される。使用される溶媒としては、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド等の有機溶媒、好ましくはアセトニトリルが使用される。4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンに対するブロモ酢酸エチルの反応割合は、前者1ミリモルに対して後者を2ミリモル以上、好ましくは5〜15ミリモル程度とすればよい。触媒の使用量は、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン1ミリモルに対して2モル以上、好ましくは9〜11ミリモル程度とすればよい。反応温度は、0〜120℃程度、好ましくは70〜90℃とすればよい。反応時間は6〜72時間程度とすればよい。
次に下記反応式に従って4,4’−ベンゾフェノンビスエステルを、水酸化ナトリウムを用いて加水分解することによって、4,4’−ベンゾフェノンビスカルボン酸を得ることができる。
この反応に使用される溶媒としては、水、エタノール、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の溶媒、好ましくは水−テトラヒドロフラン混合溶媒が使用される。4,4’−ベンゾフェノンビスエステルに対する水酸化ナトリウムの反応割合は、前者1ミリモルに対して後者を2ミリモル以上、好ましくは3〜5ミリモル程度とすればよい。反応温度は、0〜120℃程度、好ましくは70〜90℃とすればよい。反応時間は6〜24時間程度とすればよい。
次に下記反応式に従って4,4’−ベンゾフェノンビスカルボン酸とアミノコレステロールを反応させることによって、ベンゾフェノンコレステロールアミドを得ることができる。
この反応は、触媒としてEDC、HBTU、PyBOP、DCC等のカルボン酸活性化剤を用いて行うことができる。好ましくはEDCが使用される。さらに助触媒としてHOBtを用いる。使用される溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等の有機溶媒、好ましくはジメチルホルムアミド−テトラヒドロフラン混合溶媒が使用される。4,4’−ベンゾフェノンビスカルボン酸に対するアミノコレステロールの反応割合は、前者1ミリモルに対して後者を0.7〜1.3ミリモル、好ましくは等ミリモル程度とすればよい。触媒の使用量は、4,4’−ベンゾフェノンビスカルボン酸1ミリモルに対して0.8ミリモル以上、好ましくは1.1〜1.3ミリモル程度とすればよい。助触媒の使用量は0.8ミリモル以上、好ましくは1.2モル程度とすればよい。反応温度は、0〜60℃程度、好ましくは0〜40℃とすればよい。反応時間は6〜36時間程度とすればよい。

次に下記反応式に従ってベンゾフェノンコレステロールアミドとローダミンBエチレングリコールグリシンを反応させることによって、本発明の一般式(1)で表されるコレステロール、ベンゾフェノン、ローダミンからなる光反応性蛍光分子プローブを得ることができる。
この反応は、触媒としてEDC、HBTU、PyBOP、DCC等のカルボン酸活性化剤を用いて行うことができる。好ましくはEDCが使用される。さらに助触媒としてHOBtを用いる。使用される溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等の有機溶媒、好ましくはジメチルホルムアミドが使用される。ベンゾフェノンコレステロールアミドに対するローダミンBエチレングリコールグリシンの反応割合は、前者1ミリモルに対して後者を0.7〜1.3ミリモル、好ましくは等ミリモル程度とすればよい。触媒の使用量は、4,4’−ベンゾフェノンビスカルボン酸1ミリモルに対して0.8ミリモル以上、好ましくは1.1〜1.3ミリモル程度とすればよい。助触媒の使用量は0.8ミリモル以上、好ましくは1.2モル程度とすればよい。反応温度は、0〜60℃程度、好ましくは0〜40℃とすればよい。反応時間は6〜36時間程度とすればよい。このようにして得られる本発明化合物は、慣用されている分離精製手段に従って反応混合物から容易に単離、精製できる。
本発明のコレステロール、ベンゾフェノン、ローダミンからなる分子プローブは、ラフト部位に分散してラフト部位を可視化し、光照射によってラフト部位のタンパク質や脂質を標識するものであり、ラフト部位における生体機能を探る光反応性分子プローブとして有効に利用できる。
(3−1)コレステロールアミド−ベンゾフェノンローダミンプローブ
(3−1−1)ローダミンBエチレングリコールエステルの合成
で示されるローダミンBエチレングリコールエステルは、次のようにして合成した。
三口フラスコ(100mL)にローダミンB958mg(2mmol)とエチレングリコール50mLを入れ、室温で撹拌した。濃硫酸4.9g(50mmol)を加え、100℃で4時間撹拌した。放冷後反応液を5wt%塩化カルシウム水溶液100mLに注ぎ、クロロホルム200mLで抽出した。クロロホルム層を5wt%塩化カルシウム水溶液100mLで洗浄した。クロロホルムを留去し、減圧乾燥してそのまま次の反応に用いた。
紫色固体
粗収率100%

(3−1−2)ローダミンBエチレングリコールBocグリシンの合成
で示されるローダミンBエチレングリコールBocグリシンは、次のようにして合成した。

三口フラスコ(100mL)にローダミンBエチレングリコールエステル523mg(1mmol)、Bocグリシン210mg(1.2mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)162mg(1.2mmol)、脱水DMF50mLを入れ、0℃で撹拌した。エチルジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩(EDC)230mg(1.2mmol)の脱水DMF溶液20mLを滴下し、さらに室温で24時間撹拌した。反応液を5wt%塩化カルシウム水溶液200mLに注ぎ、クロロホルム100mLで抽出した。クロロホルム、DMFを留去し、シリカゲルカラム(クロロホルム:メタノール=10:1)にて目的物を精製した。
紫色固体
収率62%

(3−1−3)ローダミンBエチレングリコールグリシンの合成
で示されるローダミンBエチレングリコールグリシンは、次のようにして合成した。
ナスフラスコ(200mL)にローダミンBエチレングリコールBocグリシン340mg(0.5mmol)を入れ、氷冷した。トリフルオロ酢酸10mLを加え、さらに室温で2時間撹拌した。トリフルオロ酢酸を留去し、減圧乾燥してそのまま次の反応に用いた。
紫色液体
粗収率100%

(3−1−4)ベンゾフェノンビスエステルの合成
で示されるベンゾフェノンビスエステルは、次のようにして合成した。

三口フラスコ(300mL)に4,4’−ビスヒドロキシベンゾフェノン2.14g(10mmol)、ブロモ酢酸エチル16.7g(100mmol)、炭酸カリウム13.8g(100mmol)、アセトニトリル200mLを入れ、窒素雰囲気下48時間加熱還流した。放冷後アセトニトリルを留去し、5wt%塩酸200mLを加え、クロロホルム100mLで抽出した。クロロホルムを留去し、ヘキサン(50mL)−酢酸エチル(25mL)で再結晶を行い、目的物を精製した。
無色固体
収率78%

(3−1−5)ベンゾフェノンビスカルボン酸の合成
で示されるベンゾフェノンビスカルボン酸は、次のようにして合成した。

三口フラスコ(500mL)に4,4’−ベンゾフェノンビスエステル3.86g(10mmol)、水酸化ナトリウム1.6g(40mmol)、水150mL、エタノール300mLを入れ、12時間加熱還流した。放冷後反応液を5wt%塩酸250mLに注ぎ、クロロホルム250mLで抽出した。クロロホルムを留去し、えられた固体をクロロホルムで洗浄し、減圧乾燥してそのまま次の反応に用いた。
無色固体
収率85%

(3−1−6)ベンゾフェノンコレステロールアミドの合成
で示されるベンゾフェノンコレステロールアミドは、次のようにして合成した。
三口フラスコ(300mL)にベンゾフェノンビスカルボン酸330mg(1mmol)とヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)162mg(1.2mmol)の脱水DMF溶液100mL、3β−アミノコレステロール386mg(1mmol)のTHF溶液100mLを入れ、0℃で撹拌した。エチルジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩(EDC)211mg(1.1mmol)の脱水DMF溶液30mLを滴下し、さらに室温で24時間撹拌した。反応液を5wt%塩酸300mLに注ぎ、クロロホルム300mLで抽出した。クロロホルム、THF、DMFを留去し、GPCにて目的物を精製した。
無色固体
収率32%

(3−1−7)コレステロール、ベンゾフェノン、ローダミンからなる反応性蛍光分子プローブの合成
で示されるコレステロール、ベンゾフェノン、ローダミンからなる反応性蛍光分子プローブは、次のようにして合成した。

三口フラスコ(100mL)にローダミンBエチレングリコールグリシン290mg(0.5mmol)、ベンゾフェノンコレステロールアミド314mg(0.45mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)108mg(0.8mmol)、脱水DMF溶液50mLを入れ、0℃で撹拌した。エチルジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩(EDC)115mg(0.6mmol)の脱水DMF溶液20mLを滴下し、さらに室温で24時間撹拌した。反応液を5wt%塩化カルシウム水溶液200mLに注ぎ、クロロホルム100mLで抽出した。クロロホルム、DMFを留去し、シリカゲルカラム(クロロホルム:メタノール=10:1)にて目的物を精製した。
紫色固体
収率17%
1H NMR (CDCl3, 500MHz) δ 0.66 (3H, s), 0.8〜2.4 (52H, m), 3.61 (8H, q, J=7.0 Hz), 3.74〜3.88 (1H, m), 3.92〜3.98 (2H, m), 4.07 (2H, d, J=5.5 Hz), 4.18〜4.24 (2H, m), 4.54 (2H, s), 4.75 (2H, s), 5.34〜5.40 (1H, m), 6.53 (1H, d, J=8.3 Hz), 6.88〜6.96 (4H, m), 6.99 (2H, d, J=8.7 Hz), 7.04〜7.12 (4H, m), 7.25 (1H, d, J=6.9 Hz), 7.72〜7.80 (6H, m), 8.32 (1H, d, J=8.0 Hz), 8.98 (1H, t, J=5.7 Hz)
(3−2)コレステロールアミド−ベンゾフェノンローダミンプローブ
(3−2−1)ベンゾフェノンビスエステルの合成
で示されるベンゾフェノンビスエステルは、次のようにして合成した。
三口フラスコ(300mL)に4,4’−ビスヒドロキシベンゾフェノン2.14g(10mmol)、ブロモ酢酸エチル16.7g(100mmol)、炭酸カリウム13.8g(100mmol)、アセトニトリル200mLを入れ、窒素雰囲気下48時間加熱還流した。放冷後アセトニトリルを留去し、5wt%塩酸200mLを加え、クロロホルム100mLで抽出した。クロロホルムを留去し、ヘキサン(50mL)−酢酸エチル(25mL)で再結晶を行い、目的物を精製した。
無色固体
収率78%

(3−2−2)ベンゾフェノンビスカルボン酸の合成
で示されるベンゾフェノンビスカルボン酸は、次のようにして合成した。

三口フラスコ(500mL)にベンゾフェノンビスエステル3.86g(10mmol)、水酸化ナトリウム1.6g(40mmol)、水150mL、エタノール300mLを入れ、12時間加熱還流した。放冷後反応液を5wt%塩酸250mLに注ぎ、クロロホルム250mLで抽出した。クロロホルムを留去し、えられた固体をクロロホルムで洗浄し、減圧乾燥してそのまま次の反応に用いた。
無色固体
収率85%

(3−2−3)ベンゾフェノンビスカルボン酸クロライドの合成
で示されるベンゾフェノンビスカルボン酸クロライドは、次のようにして合成した。
ナスフラスコ(300mL)にベンゾフェノンビスカルボン酸1.65g(5mmol)、オキザリルクロライド6.35g(50mmol)、ベンゼン250mLを入れ、室温で撹拌した。DMF4滴を加え、さらに室温で12時間撹拌した。ベンゼン、過剰のオキザリルクロライドを留去し、減圧乾燥してそのまま次の反応に用いた。
淡褐色固体
粗収率100%

(3−2−4)ベンゾフェノンビスカルボン酸モノプロパルギルエステルの合成
で示されるベンゾフェノンビスカルボン酸モノプロパルギルエステルは、次のようにして合成した。

三口フラスコ(300mL)にプロパルギルアルコール280mg(5mmol)、トリエチルアミン2.53g(25mmol)、THF150mLを入れ、0℃で撹拌した。粗ベンゾフェノンビスカルボン酸クロライド1.84g(5mmol)のTHF溶液50mLを滴下し、さらに室温で24時間撹拌した。酸クロライドを分解するために反応液に水50mLを加え、さらに室温で6時間撹拌した。反応液を5wt%塩酸200mLに注ぎ、クロロホルム200mLで抽出した。クロロホルム、THFを留去し、得られた残渣にクロロホルム50mLを注ぎ、不溶であるベンゾフェノンビスカルボン酸を濾別した。クロロホルムを留去し、減圧乾燥してそのまま次の反応に用いた。
・NMRではモノ−:ジエステルモル比2:3。
淡褐色液体
粗収率41%

(3−2−5)ベンゾフェノンビスカルボン酸クロライドモノプロパルギルエステルの合成
で示されるベンゾフェノンビスカルボン酸クロライドモノプロパルギルエステルは、次のようにして合成した。

ナスフラスコ(200mL)に粗ベンゾフェノンビスカルボン酸モノプロパルギルエステル1.84g(40%、737mg、2mmol)、オキザリルクロライド1.27g(10mmol)、ベンゼン150mLを入れ、室温で撹拌した。DMF4滴を加え、さらに室温で12時間撹拌した。ベンゼン、過剰のオキザリルクロライドを留去し、減圧乾燥してそのまま次の反応に用いた。
淡褐色固体
粗収率100%

(3−2−6)コレステロールアミドベンゾフェノンビスカルボン酸プロパルギルエステルの合成
で示されるコレステロールアミドベンゾフェノンビスカルボン酸プロパルギルエステルは、次のようにして合成した。

三口フラスコ(100mL)にアミノコレステロール643mg(1.67mmol)、トリエチルアミン835mg(8.27mmol)、THF80mLを入れ、0℃で撹拌した。粗ベンゾフェノンビスカルボン酸クロライドモノプロパルギルエステル1.93g(40%、776mg、2mmol)のTHF溶液20mLを滴下し、さらに室温で24時間撹拌した。反応液を5wt%塩酸100mLに注ぎ、クロロホルム100mLで抽出した。クロロホルム、THFを留去し、GPCにて目的物を精製した。
無色固体
収率40%

(3−2−7)コレステロールアミドベンゾフェノンビスカルボン酸ローダミンプローブの合成
で示されるコレステロールアミドベンゾフェノンビスカルボン酸ローダミンプローブは、次のようにして合成した。

三口フラスコ(100mL)にコレステロールアミドベンゾフェノンビスカルボン酸プロパルギルエステル448mg(0.6mmol)、アジドエチルローダミン274mg(0.5mmol)、脱水DMF40mL、脱水THF40mLを入れ、室温で撹拌した。アスコルビン酸ナトリウム238mg(1.2mmol)と硫酸銅五水和物150mg(0.6mmol)を加え、さらに室温で3日間撹拌した。反応液を5wt%塩酸100mLに注ぎ、クロロホルム150mLで抽出した。クロロホルム、DMF、THFを留去し、シリカゲルカラム(クロロホルム:メタノール=100:5〜10)で目的物を精製した。
紫色固体
収率48%
1H-NMR (500 MHz, DMSO) δ 0.66 (3H, s), 0.8〜2.4 (61H, m), 3.52〜3.68 (8H, m), 3.74〜3.86 (1H, m), 4.52〜4.58 (4H, m), 4.73 (2H, s), 4.78 (2H, t, J=5.0 Hz), 5.31 (2H, s), 5.33〜5.38 (1H, m), 6.68 (2H, d, J=8.3 Hz), 6.74 (2H, s), 6.88 (2H, d, J=9.6 Hz), 6.93 (2H, d, J=8.7 Hz), 6.99 (2H, d, J=8.7 Hz), 7.04 (2H, d, J=9.6 Hz), 7.22 (1H, d, J=7.8 Hz), 7.67〜7.79 (6H, m), 8.22 (1H, d, J=7.8 Hz), 8.43 (1H, s)
4.フルオレセイン系プローブ
本発明のコレステロール、フルオレセインからなる蛍光分子プローブは、文献未記載の新規化合物であり、細胞内のコレステロール分子の分布およびその動きを蛍光顕微鏡により可視化するものである
以下、実施例を挙げて本発明を説明する。
(4−1)コレステロールアミドスクシン酸フルオレセインプローブ
(4−1−1)コレステロールアミドスクシン酸フルオレセインプローブの合成
で示されるコレステロールアミドスクシン酸フルオレセインプローブは、次のようにして合成した。
三口フラスコ(300mL)に窒素雰囲気下コレステロールエステルスクシン酸プロパルギルエステル315mg(0.6mmol)、アジドエチルフルオレセイン201mg(0.5mmol)、脱水DMF40mL、脱水THF40mLを入れ、室温で撹拌した。アスコルビン酸ナトリウム238mg(1.2mmol)と硫酸銅五水和物150mg(0.6mmol)を加え、窒素雰囲気下さらに室温で2日間撹拌した。反応液を5wt%塩酸100mLに注ぎ、クロロホルム150mLで抽出した。クロロホルム、DMF、THFを留去し、生成した固体をアセトン20mLで洗浄した。アセトン:クロロホルム=30:7.5mLにて得られた固体を再結晶し、目的物を精製した。
黄色固体
収率47%
1H-NMR (500 MHz, DMSO/D2O) δ 0.62 (3H, s), 0.8〜2.1 (41H, m), 2.30 (2H, t, J=7.5 Hz), 2.46 (2H, t, J=7.5 Hz), 3.29〜3.40 (1H, m), 4.36 (2H, t, J=5.0 Hz), 4.52 (2H, t, J=5.0 Hz), 5.06 (2H, s), 5.20〜5.26 (1H, m), 6.85 (2H, d, J=10.0 Hz), 6.97 (2H, s), 7.04 (2H, d, J=10.0 Hz), 7.46 (1H, d, J=7.0 Hz), 7.82 (1H, t, J=7.5 Hz), 7.89 (1H, t, J=7.5 Hz), 8.05 (1H, s), 8.16 (1H, d, J=7.5 Hz)
5.ベンゾフェノン−フルオレセイン系プローブ
本発明のコレステロール、ベンゾフェノン、フルオレセインからなる光反応性蛍光分子プローブは、文献未記載の新規化合物であり、細胞内のコレステロール分子の分布およびその動きを蛍光顕微鏡により可視化し、かつ光照射によってコレステロールが集積する細胞内部位のタンパク質および脂質等を標識するものである。
以下、実施例を挙げて本発明を説明する。

(5−1)コレステロールアミドベンゾフェノンフルオレセインプローブ
(5−1−1)コレステロールアミドベンゾフェノンビスカルボン酸フルオレセインプローブの合成
で示されるコレステロールアミドベンゾフェノンビスカルボン酸フルオレセインプローブは、次のようにして合成した。

三口フラスコ(100mL)にコレステロールアミドベンゾフェノンビスカルボン酸プロパルギルエステル448mg(0.6mmol)、アジドエチルフルオレセイン201mg(0.5mmol)、脱水DMF40mL、脱水THF40mLを入れ、室温で撹拌した。アスコルビン酸ナトリウム238mg(1.2mmol)と硫酸銅五水和物150mg(0.6mmol)を加え、さらに室温で48時間撹拌した。反応液を5wt%塩酸100mLに注ぎ、クロロホルム150mLで抽出した。クロロホルム、DMF、THFを留去し、アセトン30mLで再結晶して目的物を精製した。母液はさらにアセトン10mLで再結晶を行い、目的物を得た。
黄色固体
収率24%
1H-NMR (500 MHz, DMSO) δ 0.64 (3H, s), 0.8〜2.3 (52H, m), 4.39 (2H, t, J=5.0 Hz), 4.51〜4.59 (4H, m), 4.93 (2H, s), 5.24 (2H, s), 5.27〜5.32 (1H, m), 6.77 (2H, d, J=8.7 Hz), 6.86 (2H, s), 6.96 (2H, d, J=9.2 Hz), 7.05 (2H, d, J=8.7 Hz), 7.08 (2H, d, J=8.7 Hz), 7.47 (1H, d, J=6.9 Hz), 7.66 (2H, d, J=9.2 Hz), 7.70 (2H, d, J=9.2 Hz), 7.80 (1H, t, J=7.1 Hz), 7.88 (1H, t, J=6.9 Hz), 8. 06 (1H, d, J=8.3 Hz), 8.13 (1H, d, J=8.3 Hz), 8.14 (1H, s)
6.ニトロベンゾジアゾール系プローブ
本発明のコレステロール、ニトロベンゾジアゾールからなる蛍光分子プローブは、文献未記載の新規化合物であり、細胞内のコレステロール分子の分布およびその動きを蛍光顕微鏡により可視化するものである
下記反応式に従って、ニトロベンゾジアゾール(NBD)誘導体と3β−アミノコレステロールを反応させることによってニトロベンゾジアゾール(NBD)系アミドプローブを合成することができる。
この反応に使用される溶媒としては、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)、クロロホルム、等の溶媒が使用される。触媒としては、ジイソプロピルエチルアミン等の塩基性化合物およびEDC、HBTU、PyBOP、DCC等のカルボン酸活性化剤を用いて行うことができる。好ましくはジイソプロピルエチルアミンとHBTUが使用される。さらに助触媒としてHOBtを用いる。アミノコレステロールに対するNBD誘導体の反応割合は、前者1ミリモルに対して後者を0.1ミリモル以上、好ましくは1.2〜2ミリモルとすればよい。触媒の使用量は、アミノコレステロール1ミリモルに対して0.5ミリモル以上、好ましくは2〜3ミリモル程度とすればよい。反応温度は0〜70℃程度、好ましくは室温とすればよい。反応時間は2〜24時間程度とすればよい。
以下、実施例を挙げて本発明を説明する。

(6−1)コレステロールアミド−ニトロベンゾジアゾールプローブ
(6−1−1)ニトロベンゾジアゾール−βアラニンtブチルエステルの合成
で示されるニトロベンゾジアゾール−βアラニンtブチルエステルは、次のようにして合成した。
ナス型フラスコ(25mL)にβアラニンtブチルエステル塩酸塩22mg(0.12mmol)、フルオロニトロベンゾジアゾール18mg(0.1mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)39mg(0.3mmol)、アセトニトリル10mLを入れ、70℃で1時間撹拌した。反応液を飽和クエン酸水溶液400mLに注ぎ、ジエチルエーテル400mLで抽出した。ジエチルエーテル、アセトニトリルを留去し、シリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で目的物を精製した。
橙色固体
収率99%
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ 1.48 (9H, s), 2.72 (2H, t, J=6.2 Hz), 3.78 (2H, t, J=6.2 Hz), 6.23 (1H, d, J=8.7 Hz), 6.81 (1H, broad s), 8.50 (1H, d, J=8.7 Hz)

(6−1−2)ニトロベンゾジアゾール−βアラニンの合成
で示されるニトロベンゾジアゾール−βアラニンは、次のようにして合成した。

ナス型フラスコ(25mL)にニトロベンゾジアゾール−βアラニンtブチルエステル26mg(0.084mmol)、4規定塩酸ジオキサン溶液10mLを入れ、室温で15時間撹拌した。反応液にトルエンを加え、共沸による塩酸およびジオキサンの除去を5回繰り返し目的物を精製した。
橙色固体
収率99%
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ 2.76 (2H, t, J=6.7 Hz), 3.76 (2H, t, J=6.7 Hz), 6.36 (1H, d, J=8.7 Hz), 7.37 (1H, broad s), 8.50 (1H, d, J=8.7 Hz)

(6−1−3)コレステロールアミド−ニトロベンゾジアゾールプローブの合成
で示されるコレステロールアミド−ニトロベンゾジアゾールプローブは、次のようにして合成した。

ナス型フラスコ(25mL)にニトロベンゾジアゾール−βアラニン18mg(0.070mmol)、3β−アミノコレステロール26mg(0.068mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)13mg(0.1mmol)、ベンゾトリアゾールイルテトラメチルウロニウムヘキサフルオロフォスフェート(HBTU)38mg(0.1mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)1水和水23mg(0.15mmol)、クロロホルム1mL、DMF10mLを加え、室温で2時間撹拌した。反応液を飽和クエン酸水溶液200mLに注ぎ、クロロホルム200mLで抽出した。クロロホルム、DMFを留去し、シリカゲルカラム(クロロホルム:メタノール=20:1)で目的物を精製した。
橙色固体
収率92%
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ 0.67 (3H, s), 0.86 (3H, d, J=2.3 Hz), 0.87 (3H, d, J=2.3 Hz), 0.91 (3H, d, J=6.4 Hz), 0.88〜1.70 (27H, m), 1.75〜2.40 (7H, m), 2.62 (2H, t, J=6.0 Hz), 3.69〜3.76 (1H, m), 3.84 (2H, t, J=6.0 Hz), 5.33〜5.39 (1H, m), 5.48 (1H, d, J=8.2 Hz), 6.20 (1H, d, J=8.7 Hz), 7.36 (1H, broad s), 8.48 (1H, d, J=8.7 Hz) ), FAB MAS calcd: 620.4(M+H+), Found: 620.
以下の化合物(7〜9)は、上記アミド化コレステロール(1〜6)の性能を比較評価するために合成したアミド化ではないコレステロールからなる蛍光分子プローブである。

(参考例1)
7.コレステロールエステルローダミン系プローブ
本発明のエステル化コレステロール、ローダミンからなる蛍光分子プローブは、文献未記載の新規化合物であり、エステル化された貯蔵型コレステロール分子の分布およびその動きを蛍光顕微鏡により可視化するものである。
以下、参考例を挙げる。
(7−1)コレステロールエステルスクシン酸ローダミンプローブ
(7−1−1)コレステロールエステルスクシン酸プロパルギルエステルの合成
で示されるコレステロールエステルスクシン酸プロパルギルエステルは、次のようにして合成した。

三口フラスコ(100mL)にコレステロール774mg(2mmol)とトルエン60mLを入れ、室温で撹拌した。粗プロパルギルスクシン酸クロライド349mg(2mmol)のTHF溶液20mLを加え、24時間加熱還流した。放冷後トルエン、THFを留去し、メタノール30mLで再結晶して目的物を精製した。
無色固体
収率57%

(7−1−2)コレステロールエステルスクシン酸ローダミンプローブの合成
で示されるコレステロールエステルスクシン酸ローダミンプローブは、次のようにして合成した。
三口フラスコ(300mL)に窒素雰囲気下コレステロールエステルスクシン酸プロパルギルエステル315mg(0.6mmol)、アジドエチルローダミン274mg(0.5mmol)、脱水DMF40mL、脱水THF40mLを入れ、室温で撹拌した。アスコルビン酸ナトリウム238mg(1.2mmol)と硫酸銅五水和物150mg(0.6mmol)を加え、窒素雰囲気下さらに室温で3日間撹拌した。反応液を5wt%塩酸100mLに注ぎ、クロロホルム150mLで抽出した。クロロホルム、DMF、THFを留去し、シリカゲルカラム(クロロホルム:メタノール=100:5〜10)で目的物を精製した。
紫色固体
収率47%
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ 0.66 (3H, s), 0.8〜2.1 (50H, m), 2.25〜2.33 (2H, m), 2.54〜2.66 (4H, m), 3.55〜3.71 (8H, m), 4.53 (2H, t, J=5.0 Hz), 4.52〜4.63 (1H, m), 4.76 (2H, t, J=5.0 Hz), 5.18 (2H, s), 5.31〜5.37 (1H, m), 6.76 (2H, s), 6.92 (2H, d, J=10.0 Hz), 7.05 (2H, d, J=9.6 Hz), 7.25 (1H, d, J=7.3 Hz), 7.70〜7.79 (2H, m), 8.17 (1H, s), 8.23 (1H, d, J=7.8 Hz)
(参考例2)
8.コレステロールエステルフルオレセイン系プローブ
本発明のエステル化コレステロール、フルオレセインからなる蛍光分子プローブは、文献未記載の新規化合物であり、エステル化された貯蔵型コレステロール分子の分布およびその動きを蛍光顕微鏡により可視化するものである。

以下、参考例を挙げる。

(8−1)コレステロールエステルスクシン酸フルオレセインプローブ
(8−1−1)コレステロールエステルスクシン酸フルオレセインプローブの合成
で示されるコレステロールエステルスクシン酸フルオレセインプローブは、次のようにして合成した。

三口フラスコ(300mL)に窒素雰囲気下コレステロールエステルスクシン酸プロパルギルエステル315mg(0.6mmol)、アジドエチルフルオレセイン201mg(0.5mmol)、脱水DMF40mL、脱水THF40mLを入れ、室温で撹拌した。アスコルビン酸ナトリウム238mg(1.2mmol)と硫酸銅五水和物150mg(0.6mmol)を加え、窒素雰囲気下さらに室温で2日間撹拌した。反応液を5wt%塩酸100mLに注ぎ、クロロホルム150mLで抽出した。クロロホルム、DMF、THFを留去し、アセトン25mLで再結晶して目的物を精製した。
黄色固体
収率36%
1H-NMR (500 MHz, DMSO) δ 0.64 (3H, s), 0.8〜2.0 (39H, m), 2.20 (2H, m), 2.48〜2.56 (4H, m), 4.38 (2H, t, J=10.0 Hz), 4.34〜4.46 (1H, m), 4.54 (2H, t, J=10.0 Hz), 5.09 (2H, s), 5.29〜5.35 (1H, m), 6.82 (2H, d, J=10.0 Hz), 6.93 (2H, s), 7.01 (2H, d, J=10.0 Hz), 7.49 (1H, d, J=10.0 Hz), 7.82 (1H, t, J=7.5 Hz), 7.90 (1H, t, J=7.5 Hz), 8.10 (1H, s), 8.16 (1H, d, J=7.5 Hz)
(参考例3)
9.コレステロールアミンニトロベンゾジアゾール系プローブ
本発明のアミン系コレステロール、ニトロベンゾジアゾールからなる蛍光分子プローブは、文献未記載の新規化合物であり、エステル化された貯蔵型コレステロール分子の分布およびその動きを蛍光顕微鏡により可視化するものである。

下記反応式に従って、ニトロベンゾジアゾール(NBD)フルオロ誘導体と3β−アミノコレステロールを反応させることによってニトロベンゾジアゾール(NBD)系アミノプローブを合成することができる。
この反応に使用される溶媒としては、テトラヒドロフラン(THF)、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)、クロロホルム等の溶媒、好ましくはアセトニトリルが使用される。触媒としては、トリエチルアミン、ピリジン、ジイソプロピルエチルアミン等の塩基性化合物を用いて行うことができる。好ましくはジイソプロピルエチルアミン使用される。アミノコレステロールに対するニトロベンゾジアゾール(NBD)フルオロ誘導体の反応割合は、前者1ミリモルに対して後者を0.2ミリモル以上、好ましくは0.3〜0.5ミリモルとすればよい。触媒の使用量は、アミノコレステロール1ミリモルに対して0.5ミリモル以上、好ましくは1〜3ミリモル程度とすればよい。反応温度は25〜80℃程度、好ましくは70℃とすればよい。反応時間は0.5〜2時間程度とすればよい。
以下、参考例を挙げる。

(9−1)コレステロールアミノニトロベンゾジアゾールプローブ
(9−1−1)コレステロールアミノニトロベンゾジアゾールプローブの合成
で示されるコレステロールアミノニトロベンゾジアゾールプローブは、次のようにして合成した。
ナス型フラスコ(25mL)にフルオロニトロベンゾジアゾール15mg(0.082mmol)、3β−アミノコレステロール30mg(0.078mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)20mg(0.15mmol)、アセトニトリル1mL、クロロホルム1mL、DMF5mLを入れ、70℃で0.5時間撹拌した。反応液を飽和クエン酸水溶液200mLに注ぎ、クロロホルム200mLで抽出した。アセトニトリル、クロロホルム、DMFを留去し、シリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で目的物を精製した。
橙色固体
収率70%
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ 0.70 (3H, s), 0.86 (3H, d, J=2.3 Hz), 0.88 (3H, d, J=2.3 Hz), 0.93 (3H, d, J=6.4 Hz), 0.88〜1.75 (27H, m), 1.79〜1.92 (1H, m), 1.95〜2.40 (6H, m), 3.54〜3.68 (1H, m), 5.44〜5.51 (1H, m), 6.17 (1H, d, J=7.3 Hz), 6.19 (1H, d, J=8.7 Hz), 8.49 (1H, d, J=8.7 Hz), FAB MAS calcd: 549.4(M+H+), Found: 549.
細胞内におけるコレステロールは細胞内器官である細胞膜、輸送小胞(エンドソーム、リソゾーム)、ゴルジ体、小胞体に分布し、かつ各小器官を細胞の状態に応じて行き来している。特に細胞膜およびゴルジ体に多く存在し、小胞体には比較的少ない。また、過剰なコレステロールはエステル化され貯蔵型コレステロール(エステル化コレステロール)として、細胞内の脂肪顆粒に蓄積される。このようなエステル化コレステロールと区別する意味で、コレステロールは遊離コレステロールと呼ばれることもある。このような細胞内における遊離コレステロールの分布および動きは厳密に制御されており、この分布および動きの乱れは様々な疾患を引き起こすことが知られている(ニーマンピック病C型、タンジール病、動脈硬化症、様々な神経性疾患、等々)。細胞内のコレステロールの分布および動きを顕微鏡などで観察することは、細胞機能および疾患発症機構の解明および薬剤の探索に利用されることが期待されている。
しかし、これまでに学術論文にて報告および市販されてきたコレステロールを原料にした蛍光分子プローブのうち、細胞を生きたまま観察しながらコレステロールの分布を観察するために合成されたもの(図2および図3など)は、脂肪顆粒におもに分布し、細胞膜における分布は観察されず(図16および図17)、ゴルジ体における分布も非常にわずかである。
アミド化コレステロールの性状:
本発明のアミド化コレステロール(実施例4〜16参照)は、細胞膜によく分布し(図18)、またゴルジ体および輸送小胞へも分布している(図19)ことが蛍光顕微鏡観察により確認された。特に、細胞どうしが接触している箇所の細胞膜において強いシグナルが観察される。一方で、脂肪顆粒における分布はほとんど観察されなかったことから、細胞内における遊離コレステロールの分布および動きをよく反映していると結論づけられる。その一方で、比較のために合成したエステル化コレステロール(参考例1〜2参照)およびアミノ基コレステロール(参考例3参照)からなる蛍光分子プロールは、いづれも細胞膜には分布せず、脂肪顆粒に多く分布することが蛍光顕微鏡により確認された(図20)。従って、本特許申請で発明したアミド化コレステロールのアミド結合は、当該蛍光分子プロールの遊離コレステロールの分布および動きをよく反映するために必要であることが結論づけられた。
本特許申請で発明したアミド化コレステロール(実施例4〜16参照)は、遊離コレステロールが集積する膜領域(膜マイクロドメイン)を可視化し、コレステロール認識タンパク質検出用高感度分子プローブとして利用できる。
以上の結果から、本発明のアミド化コレステロール分子プローブは、膜マイクロドメインおよびコレステロール認識タンパク質の検出のためのより高感度な分子プローブの目的を十分満たすものである。
本発明のアミド化コレステロール分子プローブは、膜マイクロドメインおよびコレステロール認識タンパク質の検出の正確な検出ができるため、医療技術の開発におおいに寄与するものである。
コレステロール分子構造 22NBD−コレステロール BODIPYFL C12コレステリルエステル分子構造 3−アミノ−コレステン分子構造 DMEQ−3−アミノ−コレステロール分子構造 DMEQ−コレステロール分子構造 BODIPYFL C5セラミイド 分子プローブ(分子構造は図2、5および6)の比較結果(結果1) 図5の分子構造プローブと図7の分子構造プローブの細胞内局在性(遠心分離の結果) 図5の分子構造プローブと図7の分子構造プローブの細胞内局在性(共焦点レーザー走査型微鏡写真、蛍光観察)(結果2−2) 図5の分子構造プローブと図7の分子構造プローブの細胞内局在性(共焦点レーザー走査型微鏡写真、蛍光観察)(結果2−3) 図2の分子構造プローブと図5の分子構造プローブの細胞内局在性(共焦点レーザー走査型微鏡写真、蛍光観察)(結果2−4) 図2の分子構造プローブと図5の分子構造プローブの細胞内局在性(共焦点レーザー走査型微鏡写真、蛍光観察)(結果2−5) 図6の分子構造プローブと図7の分子構造プローブの細胞内局在性(共焦点レーザー走査型微鏡写真、蛍光観察)(結果2−6) 図6の分子構造プローブと図7の分子構造プローブの細胞内局在性(共焦点レーザー走査型微鏡写真、蛍光観察)(結果2−7) 図2のアミド化コレステロールでない市販の蛍光分子プローブの特性 図3のアミド化コレステロールでない市販の蛍光分子プローブの特性 実施例14の蛍光分子プローブの特性 実施例14の蛍光分子プローブの特性 参考例3の蛍光分子プローブの特性

Claims (1)

  1. 一般式(1)
    (式中、Rは、ビオチン、ベンゾフェノン、ビオチン化ベンゾフェノン、ローダミン付加ベンゾフェノン、フルオレセイン、ローダミン、ピレン、BODIPY、Alexa Fluor、NBD、Texas Redからなる群れより選ばれる1種を表す。)
    で表されるアミド化コレステロールを用いた膜マイクロドメインおよびコレステロール認識タンパク質検出用分子プローブ。
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