JP5003024B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関するものである。トレッドパターンの少なくとも一部がブロック基調となって形成される空気入りタイヤに関するものである。
従来の空気入りタイヤでは、ウェット路面を走行する際における排水性やトラクション性能を向上させるために、縦溝や横溝を形成し、トレッドパターンをブロック基調にしているものがある。また、トレッドパターンがブロック基調となる空気入りタイヤでは、ピッチピークを分散させるため、横溝が傾斜角度を有して形成されているものがある。このように、横溝が傾斜している場合、縦溝と横溝との交差部に鋭角部分が生じるので、トレッドパターンを形成するブロック部には、鋭角部が生じる。このような鋭角部は、ブロック部の角部の角度が90°以上となった角部よりも、剛性が低くなっているため、偏摩耗が生じる虞がある。また、トレッド部に縦溝が形成される場合には、トレッド面の接地に気柱管共鳴音が生じる虞がある。これらのため、従来の空気入りタイヤには、気柱管共鳴音と偏摩耗とを共に低減させているものがある。
例えば、特許文献1に記載の空気入りタイヤは、ブロック部の鋭角部における縦溝側の溝壁面に、突出部を形成している。これにより、空気入りタイヤの接地時に縦溝内に生じる圧縮空気を乱反射させることができ、気柱共鳴音を低減することができる。また、鋭角部に突出部を形成しているので、突出部により鋭角部を補強することができる。これにより、ブロック部の鋭角部と当該ブロック部の他の部分との剛性差が低減するので、鋭角部のみが大きく摩耗することを抑制でき、偏摩耗を低減することができる。これらの結果、気柱管共鳴音と偏摩耗とを共に低減させているものがある。
特開2002−293109号公報
しかしながら、ウェット路面でのトラクション性を確保するためには、排水性を考慮して縦溝の溝幅を確保する必要があるが、ブロック基調のトレッドパターンで縦溝の溝幅を広くすると、相対的にブロック部の大きさが小さくなる。このため、ブロック部の剛性が低下し、ブロック部の欠け、即ちブロックティアや、偏摩耗が発生する虞がある。従って、ウェット性や耐ブロックティア性を確保しつつ耐偏摩耗性を向上させるのは困難なものとなっていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ウェット性及び耐ブロックティア性を確保しつつ耐偏摩耗性の向上を図ることのできる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明に係る空気入りタイヤは、トレッド部の表面であるトレッド面にタイヤ周方向に延びる主溝とタイヤ幅方向に延びる副溝とをそれぞれ複数有すると共に、前記主溝と前記副溝とにより区画された複数の陸部を有しており、前記複数の陸部のうち少なくとも一部の前記陸部はブロック部として形成される空気入りタイヤにおいて、前記ブロック部は、タイヤ周方向における中央方向からタイヤ周方向における端部である周方向端部に近付くに従ってタイヤ幅方向における幅が狭くなっており、前記主溝の壁面である主溝壁面には、前記主溝の溝幅方向に突出した凸部が複数形成されており、複数の前記凸部のうち、少なくとも一部の前記凸部は、前記主溝壁面のうち前記ブロック部を形成する前記主溝壁面に形成され、且つ、前記ブロック部を形成する前記主溝壁面における前記周方向端部側の端部に接続されており、さらに、前記凸部は、前記主溝の開口部から前記主溝の溝底に向かうに従って突出量が増大している共に前記溝底における位置で最大突出量となっていることを特徴とする。
この発明では、ブロック部が周方向端部に近付くに従って幅が狭くなっているため、より排水性を高くすることができる。また、このように幅が狭くなっているブロック部の周方向端部付近の主溝壁面に凸部を形成しており、この凸部は、トレッド面から主溝の溝底に向かうに従って突出量が増大している。これにより、ブロック部において幅が狭くなっている部分付近の剛性の向上を図ることができ、ブロックの欠け、即ちブロックティアや、ブロック部の幅が狭い部分のみが摩耗する偏摩耗を抑制することができる。この結果、ウェット性及び耐ブロックティア性を確保しつつ耐偏摩耗性の向上を図ることができる。
また、この発明に係る空気入りタイヤは、前記ブロック部を形成する前記主溝壁面に設けられる前記凸部は、前記最大突出量をSとし、前記凸部が形成される前記主溝壁面を有する前記主溝の溝幅をwcとした場合に(wc×0.35≦S≦wc×0.45)の範囲内で形成されていると共に、前記凸部のタイヤ周方向における長さをLTとし、当該凸部が形成される前記ブロック部のタイヤ周方向における長さをLGとした場合に(LG×0.20≦LT≦LG×0.30)の範囲内で形成されていることを特徴とする。
この発明では、凸部の最大突出量S、及びタイヤ周方向における凸部の長さLTを上記の範囲内にすることにより、より確実に排水性を確保すると共に、ブロック部において幅が狭くなっている部分付近の剛性の向上を図ることができる。つまり、凸部の最大突出量Sが主溝の溝幅wcの0.35倍未満である場合、または、凸部の長さLTがブロック部の長さLGの0.20倍未満である場合には、凸部の体積が小さ過ぎるため、ブロック部における幅が狭い部分の剛性の向上を図るのが困難になる虞がある。また、凸部の最大突出量Sが主溝の溝幅wcの0.45倍よりも大きい場合には、凸部の最大突出量Sの位置での主溝の溝幅が狭くなるので、トレッド面の摩耗末期に主溝の溝幅が狭くなり過ぎる虞がある。このため、トレッド面の摩耗末期における溝容積が減少し、排水性が低下する虞がある。また、凸部の長さLTがブロック部の長さLGの0.30倍よりも長い場合には、凸部の最大突出量の部分が凸部のタイヤ周方向における長さの中央付近に位置している場合に、ブロック部の周方向端部付近での凸部の突出量が小さくなる虞がある。このため、この周方向端部付近の剛性の向上を図るのが困難になる虞がある。
従って、凸部を、主溝の溝幅をwcとした場合における最大突出量Sが(wc×0.35≦S≦wc×0.45)の範囲内で、且つ、ブロック部のタイヤ周方向における長さをLGとした場合における凸部のタイヤ周方向における長さLTが(LG×0.20≦LT≦LG×0.30)の範囲内になるように形成することにより、より確実に排水性を確保すると共に、ブロック部において幅が狭くなっている部分付近の剛性の向上を図ることができる。この結果、より確実にウェット性及び耐ブロックティア性を確保しつつ耐偏摩耗性の向上を図ることができる。
また、この発明に係る空気入りタイヤは、前記凸部は、前記最大突出量となって形成される部分が、当該凸部が突出している方向に凸となった曲面により形成されており、前記曲面は、曲率半径が4mm以下となっていることを特徴とする。
この発明では、凸部の最大突出量となって形成されている部分を曲面によって形成することにより、凸部の最大突出量の部分と主溝の溝底との接続部分での応力集中を抑制することができる。つまり、凸部の最大突出量となって形成される部分が曲面で形成されず、主溝の溝幅方向への突出量が急激に変化する場合には、凸部の最大突出量の部分と主溝の溝底との接続部分で応力集中が発生する虞がある。これにより、この部分でクラックが発生する虞がある。従って、凸部の最大突出量となって形成されている部分を、曲率半径が4mm以下となる曲面によって形成することにより、凸部の最大突出量の部分と主溝の溝底との接続部分での応力集中を抑制することができる。この結果、主溝の溝底クラックの発生を抑制することができる。
また、この発明に係る空気入りタイヤは、前記主溝は、少なくとも4本形成されていることを特徴とする。
この発明では、主溝を4本以上形成するので、適度な溝幅で主溝を設けることができる。これにより、排水性を確保でき、より確実にウェット性能を向上させることができる。また、主溝を4本以上形成することにより、タイヤ幅方向におけるエッジ成分を増加させることができるので、降雪時などにおけるコーナリング性能の向上を図ることができる。これらの結果、より確実に耐ウェット性を向上させると共に操縦安定性の向上を図ることができる。
また、この発明に係る空気入りタイヤは、前記凸部は、対向している前記主溝壁面の双方の前記主溝壁面にタイヤ周方向に並んで複数形成されており、且つ、対向している前記主溝壁面に形成される複数の前記凸部は、対向している前記主溝壁面間でタイヤ周方向において交互に形成されていることを特徴とする。
この発明では、互いに対向している主溝壁面の双方に複数の凸部を設け、さらに、複数の凸部を、対向している主溝壁面間でタイヤ周方向において交互に形成している。これにより、陸部全体における剛性差を低減することができる。この結果、より確実に耐偏摩耗性の向上を図ることができる。
また、この発明に係る空気入りタイヤは、前記トレッド部には、前記複数の陸部のうちタイヤ幅方向における両端に位置する前記陸部のタイヤ幅方向外方に、タイヤ周方向に延びる細溝が形成されていることを特徴とする。
この発明では、タイヤ幅方向における両端に位置する陸部のタイヤ幅方向における外方に、タイヤ周方向に延びる細溝を形成することにより、この陸部に作用する荷重を分散して受けることができる。この結果、より確実に耐偏摩耗性の向上を図ることができる。
また、この発明に係る空気入りタイヤは、前記細溝のタイヤ幅方向外方には、前記細溝によって区画されると共にタイヤ周方向に延びる細リブが形成されており、前記細リブのタイヤ径方向外側の端部である細リブ先端部は、タイヤ幅方向における両端に位置する前記陸部の前記トレッド面の、前記細リブ側の端部であるトレッド面外端部よりもタイヤ径方向内方に位置していることを特徴とする。
この発明では、細溝のタイヤ幅方向外方に細リブを設け、この細リブが有する細リブ先端部が、トレッド面外端部よりもタイヤ径方向内方に位置するように細リブ形成する。これにより、トレッド面外端部を有する陸部のトレッド面に荷重が作用した場合に、この陸部は変形し易くなるので、より確実に荷重を分散することができる。この結果、より確実に耐偏摩耗性の向上を図ることができる。
また、この発明に係る空気入りタイヤは、前記細溝は、溝幅wdが(1.5mm≦wd≦2.5mm)の範囲内で形成されており、前記細リブ先端部と前記トレッド面外端部とのタイヤ径方向の差heは、前記細溝の溝深さをhdとした場合に(hd×0.10≦he≦hd×0.20)の範囲内であることを特徴とする。
この発明では、溝幅wdが1.5mm≦wd≦2.5mmの範囲内になるように前記細溝を形成しているので、この細溝に隣接する陸部のトレッド面に荷重が作用した際に、より確実に陸部を変形させ、より確実に荷重を分散することができる。また、細リブ先端部とトレッド面外端部とのタイヤ径方向の差heを上記の範囲内にすることにより、トレッド面外端部を有する陸部を適度に変形させて、適度に荷重を分散することができる。つまり、細リブ先端部とトレッド面外端部とのタイヤ径方向の差heが、細溝の溝深さhdの0.10倍未満の場合、細リブ先端部とトレッド面外端部との差が小さ過ぎるため、トレッド面外端部を有する陸部のトレッド面に荷重が作用した場合に、陸部が変形し難くなる虞がある。また、細リブ先端部とトレッド面外端部とのタイヤ径方向の差heが、細溝の溝深さhdの0.20倍よりも大きい場合、細リブ先端部とトレッド面外端部との差が大き過ぎる虞がある。ここで、細リブは、トレッド面外端部を有する陸部のトレッド面に荷重が作用して変形した際に、この陸部を支えて陸部を適度に変形させる作用をするが、細リブ先端部とトレッド面外端部との差が大き過ぎる場合には、陸部の変形が大きくなり過ぎ、偏摩耗が生じる虞がある。従って、細リブ先端部とトレッド面外端部とのタイヤ径方向の差heが、細溝の溝深さhdに対して(hd×0.10≦he≦hd×0.20)の範囲内になるように細リブを形成することにより、トレッド面外端部を有する陸部を適度に変形させて、適度に荷重を分散することができる。この結果、より確実に耐偏摩耗性の向上を図ることができる。
また、この発明に係る空気入りタイヤは、前記複数の陸部は、タイヤ周方向に沿って形成され、且つ、タイヤ幅方向に並んだ複数の陸部列を構成しており、前記複数の陸部のうち、タイヤ幅方向における両端に位置する前記陸部はタイヤ周方向に連続して形成されたショルダー陸部となっていると共に前記複数の陸部列のうちの一部をなしており、前記ブロック部は、前記複数の陸部列のうち、タイヤ幅方向において前記ショルダー陸部同士の間に位置する前記陸部列を形成しており、前記複数の陸部列のうち前記ブロック部からなる前記陸部列は、ブロック列となっていることを特徴とする。
この発明では、複数の陸部のうち、タイヤ径方向外方における両端に位置する陸部は、タイヤ周方向に連続して形成されたショルダー陸部として形成しているので、タイヤ幅方向両端に位置する陸部はショルダー陸部となっている。このため、ショルダー部付近でのヒール&トウ摩耗などの偏摩耗を抑制することができる。また、タイヤ幅方向におけるショルダー陸部同士の間に位置にブロック列を形成しているので、より確実にウェット路面の走行時の排水性、及びトラクション性能を確保できる。この結果、より確実にウェット性を確保しつつ耐偏摩耗性の向上を図ることができる。
また、この発明に係る空気入りタイヤは、前記ブロック列のタイヤ幅方向における幅をwaとし、タイヤ幅方向における両端に位置する前記ショルダー陸部のうち、一方の前記ショルダー陸部のタイヤ幅方向外側の端部から他方の前記ショルダー陸部のタイヤ幅方向外側までのタイヤ幅方向における幅であるトレッド展開幅をTDWとした場合に、前記ブロック列は、(TDW×0.15≦wa≦TDW×0.20)の範囲内で形成されることを特徴とする。
この発明では、トレッド展開幅TDWに対するブロック列のタイヤ幅方向における幅waが上記の範囲になるようにブロック列を形成することにより、ブロック部の剛性と溝面積とを適切な範囲で共に確保することができる。つまり、ブロック列の幅waがトレッド展開幅TDWの0.15倍未満の場合には、ブロック部の剛性が低くなり過ぎる虞があり、ブロックティアや偏摩耗を効果的に抑制できない虞がある。また、ブロック列の幅waがトレッド展開幅TDWの0.20倍よりも大きい場合には、溝面積が低下するため、排水性が低下し、ウェット性能の確保が困難になる虞がある。従って、トレッド展開幅TDWに対するブロック列のタイヤ幅方向における幅waが(TDW×0.15≦wa≦TDW×0.20)の範囲内になるようにブロック列を形成することにより、ブロック部の剛性と溝面積とを適切な範囲で共に確保することができる。この結果、より確実にウェット性及び耐ブロックティア性を確保しつつ耐偏摩耗性の向上を図ることができる。
また、この発明に係る空気入りタイヤは、前記ショルダー陸部のタイヤ幅方向における幅をwbとし、タイヤ幅方向における両端に位置する前記ショルダー陸部のうち、一方の前記ショルダー陸部のタイヤ幅方向外側の端部から他方の前記ショルダー陸部のタイヤ幅方向外側までのタイヤ幅方向における幅であるトレッド展開幅をTDWとした場合に、前記ショルダー陸部は、(TDW×0.15≦wb≦TDW×0.20)の範囲内で形成されることを特徴とする。
この発明では、トレッド展開幅TDWに対するショルダー陸部のタイヤ幅方向における幅wbが上記の範囲になるようにショルダー陸部を形成することにより、ショルダー陸部の剛性とブロック列の幅とが適切な範囲になるようにショルダー陸部を形成することができる。つまり、ショルダー陸部の幅wbがトレッド展開幅TDWの0.15倍未満の場合には、ショルダー陸部の剛性が低くなり過ぎる虞があり、ショルダー陸部の偏摩耗を効果的に抑制できない虞がある。また、ショルダー陸部の幅wbがトレッド展開幅TDWの0.20倍よりも大きい場合には、ショルダー陸部とショルダー陸部との間に位置するブロック列の幅が狭くなり、ブロック列によるトラクション性能が低下する虞がある。従って、トレッド展開幅TDWに対するショルダー陸部のタイヤ幅方向における幅wbが(TDW×0.15≦wb≦TDW×0.20)の範囲内になるようにショルダー陸部を形成することにより、ショルダー陸部の剛性とブロック列の幅とが適切な範囲になるようにショルダー陸部を形成することができる。この結果、より確実にウェット性を確保しつつ耐偏摩耗性の向上を図ることができる。
また、この発明に係る空気入りタイヤは、前記複数の副溝のうち、前記ショルダー陸部を区画する前記主溝に接続され、且つ、当該主溝よりもタイヤ幅方向外方に位置する前記副溝は、タイヤ幅方向における両端部のうち前記主溝に接続されている側の端部の反対側に位置する端部が前記ショルダー陸部によって閉塞されたショルダー陸部副溝として形成されており、前記ショルダー陸部副溝のタイヤ幅方向における長さの最大値t_maxは、前記ショルダー陸部のタイヤ幅方向における幅をwbとした場合に(wb×0.25≦t_max≦wb×0.30)の範囲内であることを特徴とする。
この発明では、ショルダー陸部にショルダー陸部副溝が形成されているので、ショルダー陸部におけるエッジ成分を増加させることができ、氷雪上性能の向上を図ることができる。さらに、ショルダー陸部のタイヤ幅方向における幅wbに対するショルダー陸部副溝のタイヤ幅方向における長さの最大値t_maxが上記の範囲になるようにショルダー陸部副溝を形成することにより、ショルダー陸部の剛性が低下し過ぎることなくエッジ成分を増加させることができる。つまり、ショルダー陸部副溝の長さの最大値t_maxがショルダー陸部の幅wbの0.25倍未満の場合には、ショルダー陸部副溝の長さが短過ぎるため、エッジ成分の増加量が少なくなり、氷上性能を効果的に向上させることが困難になる虞がある。また、ショルダー陸部副溝の長さの最大値t_maxがショルダー陸部の幅wbの0.30倍よりも大きい場合には、ショルダー陸部副溝の長さが長過ぎるため、ショルダー陸部の剛性が低下し、ショルダー陸部に偏摩耗が発生する虞がある。従って、ショルダー陸部の幅wbに対するショルダー陸部副溝の長さの最大値t_maxが(wb×0.25≦t_max≦wb×0.30)の範囲内になるようにショルダー陸部副溝を形成することにより、ショルダー陸部の剛性が低下し過ぎることなくエッジ成分を増加させることができる。この結果、氷雪上性能を向上させつつ耐偏摩耗性の向上を図ることができる。
また、この発明に係る空気入りタイヤは、前記ショルダー陸部には、前記ショルダー陸部のタイヤ幅方向内側の端部から外側の端部にかけて形成されたサイプであるオープンサイプが設けられていることを特徴とする。
この発明では、ショルダー陸部にオープンサイプを形成しているので、エッジ成分の向上を図ることができる。この結果、より確実に氷雪上性能の向上を図ることができる。
また、この発明に係る空気入りタイヤは、前記ブロック部及び前記ショルダー陸部には、両端部のうち一端が閉塞されたサイプであるクローズドサイプが形成されており、前記クローズドサイプは、両端部のうち閉塞された端部の反対側の端部が前記主溝壁面に接続されていることを特徴とする。
この発明では、ブロック部やショルダー陸部にクローズドサイプを形成しているので、エッジ成分の向上を図ることができ、氷雪上性能の向上を図ることができる。また、このようにクローズドサイプを形成することにより、ブロック部やショルダー陸部のトレッド面に荷重が作用した際に、クローズドサイプが形成されている部分でブロック部やショルダー陸部は変形し易くなるため、荷重を分散することができる。これにより、偏摩耗の発生を抑制することができる。従って、これらの結果、より確実に氷雪上性能と耐偏摩耗性の向上を図ることができる。
また、この発明に係る空気入りタイヤは、上述した空気入りタイヤは、重荷重用空気入りタイヤに適用されることを特徴とする。
この発明では、上述した空気入りタイヤを重荷重用空気入りタイヤに適用しているが、重荷重用空気入りタイヤでは、使用時に荷重が大きな荷重が作用した状態で使用される場合が多いため、偏摩耗の発生が顕著になっている。このため、その抑制に関する需要も極めて高くなっている。従って、このような重荷重用空気入りタイヤに上述した構成を適用することにより、より確実に上述した効果を得ることができる。この結果、より確実にウェット性及び耐ブロックティア性を確保しつつ耐偏摩耗性の向上を図ることができる。
本発明に係る空気入りタイヤは、ウェット性及び耐ブロックティア性を確保しつつ耐偏摩耗性の向上を図ることができる、という効果を奏する。
以下に、本発明に係る空気入りタイヤの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
(実施の形態)
以下の説明において、タイヤ幅方向とは、空気入りタイヤの回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内方とはタイヤ幅方向において赤道面に向かう方向、タイヤ幅方向外方とは、タイヤ幅方向において赤道面に向かう方向の反対方向をいう。また、タイヤ径方向とは、前記回転軸と直交する方向をいい、タイヤ周方向とは、前記回転軸を回転の中心となる軸として回転する方向をいう。図1は、この発明に係る空気入りタイヤのトレッド部を示す説明図である。同図に示す空気入りタイヤ1は、タイヤ径方向の最も外側に、弾性力を有するゴム材料からなるトレッド部10が形成されており、このトレッド部10の表面、即ち、当該空気入りタイヤ1を装着する車両(図示省略)が走行した場合に、路面と接触する部分はトレッド面11として形成されている。また、このトレッド部10のタイヤ幅方向における両端部は、ショルダー部15となっている。さらに、このトレッド面11には、タイヤ周方向に延びる主溝20と、タイヤ幅方向に延びる副溝であるラグ溝25とが、それぞれ複数形成されており、このためトレッド面11には、これらの主溝20とラグ溝25とによる区画された陸部40が複数形成されている。
また、主溝20は、4本がタイヤ幅方向に並んでほぼ平行に形成されており、陸部40を介して隣り合う主溝20と主溝20との間に位置する陸部40、及び4本の主溝20のうちタイヤ幅方向における両端に位置する主溝20のタイヤ幅方向外方に位置する陸部40は、タイヤ周方向に沿って形成された陸部列50を構成している。この陸部列50は、4本の主溝20によって区画されるため5本形成されており、5本の陸部列50がそれぞれの間に主溝20を挟んでタイヤ幅方向に並んで形成されている。
また、このように陸部列50を構成して形成される複数の陸部40のうち、タイヤ幅方向における両端に位置する陸部40は、タイヤ周方向に連続して形成されたショルダー陸部であるショルダーリブ41となっている。このショルダーリブ41は、5本の陸部列50のうちの一部をなしている。また、タイヤ幅方向に並んで形成される4本の主溝20のうち、タイヤ幅方向における両端に位置する主溝20は、ショルダーリブ41に隣接している。つまり、タイヤ幅方向の両端に位置する2つのショルダーリブ41のタイヤ幅方向における内側、或いは赤道面5側には、4本の主溝20のうちタイヤ幅方向における両端に位置する2本の主溝20が隣接しており、この2本の主溝20は、ショルダーリブ41を区画している。
また、複数のラグ溝25のうち、ショルダーリブ41を区画する主溝20に接続され、且つ、当該主溝20よりもタイヤ幅方向外方に位置するラグ溝25は、ショルダーリブラグ溝26となっている。このショルダーリブラグ溝26は、タイヤ幅方向における両端部のうち、一方の端部が主溝20に接続されており、他方の端部、即ち、主溝20に接続されている側の端部の反対側に位置する端部は、ショルダーリブ41によって閉塞されている。なお、このショルダーリブラグ溝26は、ショルダーリブ41のタイヤ幅方向における幅をwbとした場合に、ショルダーリブラグ溝26のタイヤ幅方向における長さの最大値t_maxが(wb×0.25≦t_max≦wb×0.30)の範囲内で形成されるのが好ましい。
また、複数のラグ溝25のうち、タイヤ幅方向においてショルダーリブ41間に位置するラグ溝25は、センター副溝であるセンターラグ溝27となっている。このセンターラグ溝27は、少なくとも陸部40を介して隣り合う主溝20同士を接続している。つまり、トレッド面11においてセンターラグ溝27が形成されている領域では、陸部40は、主溝20とセンターラグ溝27とにより区画されたブロック部45として形成されている。このように、ブロック部45は、主溝20とセンターラグ溝27とにより区画されているため、ブロック部45はタイヤ幅方向において2本の主溝20の間に位置している。また、ブロック部45は複数がタイヤ周方向に沿って形成されており、5本の陸部列50のうち、ブロック部45によって形成される陸部列50は、ブロック列51となっている。即ち、ブロック部45は、5本の陸部列50のうちタイヤ幅方向においてショルダーリブ41同士の間に位置する陸部列50であるブロック列51を形成しており、このブロック列51は、それぞれの間に主溝20を挟んでタイヤ幅方向に並んで3本形成されている。
なお、ブロック列51のタイヤ幅方向における幅をwaとし、タイヤ幅方向における両端に位置するショルダーリブ41のうち、一方のショルダーリブ41のタイヤ幅方向外側の端部から他方のショルダーリブ41のタイヤ幅方向外側までのタイヤ幅方向における幅であるトレッド展開幅をTDWとした場合に、ブロック列51は、(TDW×0.15≦wa≦TDW×0.20)の範囲内で形成されるのが好ましい。また、ショルダーリブ41は、当該ショルダーリブ41のタイヤ幅方向における幅wbと、トレッド展開幅TDWと比較した場合に、(TDW×0.15≦wb≦TDW×0.20)の範囲内で形成されるのが好ましい。
また、センターラグ溝27は、タイヤ幅方向に延びつつタイヤ周方向に傾斜している。即ち、センターラグ溝27は、タイヤ幅方向、及びタイヤ周方向の双方に対して傾斜している。このため、主溝20とセンターラグ溝27との接続部分は、鋭角となって接続されている部分を有している。これにより、センターラグ溝27と主溝20とにより区画されているブロック部45は、当該ブロック部45のタイヤ周方向における中央方向からタイヤ周方向における端部である周方向端部46に近付くに従ってタイヤ幅方向における幅が狭くなっている。即ち、周方向端部46付近では、主溝20の壁面である主溝壁面30と、センターラグ溝27の壁面であるラグ溝壁面31とで形成する角度が鋭角になっており、ブロック部45におけるこの部分は鋭角部47となっている。なお、ブロック部45の周方向端部46は、ブロック部45のタイヤ周方向における最端部のみでなく、この最端部から連続して形成された所定の範囲を含んでいる。
また、主溝壁面30には、主溝20の溝幅方向に突出した凸部60が形成されている。主溝20は、ブロック部45とブロック部45との間、及びブロック部45とショルダーリブ41との間に形成されているが、このため主溝壁面30は、ブロック部45及びショルダーリブ41の一部を形成している。凸部60は、ブロック部45を形成する主溝壁面30とショルダーリブ41を形成する主溝壁面30との双方の主溝壁面30に形成されている。
また、主溝壁面30は主溝20の溝幅方向の両側に形成されるため、主溝壁面30は、主溝20の溝幅方向の両側に位置する主溝壁面30同士が対向して形成されている。凸部60は、このように対向している主溝壁面30の双方の主溝壁面30に、対向している主溝壁面30の方向に突出してタイヤ周方向に並んで複数形成されている。また、対向している主溝壁面30に形成される複数の凸部60は、対向している主溝壁面30間でタイヤ周方向において交互に形成されている。つまり、対向している主溝壁面30のうち一方の主溝壁面30に形成される凸部60のタイヤ周方向における中心と、他方の主溝壁面30に形成される凸部60と凸部60との間の位置とのタイヤ周方向における位置が、同じ位置となっている。
また、トレッド部10には、ショルダーリブ41のタイヤ幅方向における外方に、タイヤ周方向に延びる細溝であるショルダー部細溝28が形成されている。さらに、このショルダー部細溝28のタイヤ幅方向における外方には、ショルダー部細溝28によって区画され、タイヤ周方向に延びる細リブであるショルダー部細リブ55が設けられている。
また、ショルダーリブ41には、当該ショルダーリブ41のタイヤ幅方向内側の端部から外側の端部にかけて形成されたサイプであるオープンサイプ65が設けられている。つまり、オープンサイプ65は、ショルダーリブ41に隣接する主溝20から、当該ショルダーリブ41に隣接するショルダー部細溝28にかけて形成され、これらの主溝20とショルダー部細溝28とに接続されている。
また、ブロック部45及びショルダーリブ41には、両端部のうち一端が閉塞されたサイプであるクローズドサイプ66が形成されている。このクローズドサイプ66は、両端部のうち閉塞された端部の反対側の端部が、主溝壁面30に接続されている。また、クローズドサイプ66は、この形状で、ブロック部45における主溝20近傍、及びショルダーリブ41における主溝20近傍に形成されており、複数がほぼ平行にタイヤ周方向に並んで形成されている。
図2は、図1のA部詳細図である。図3は、図2のC−C断面図である。図4は、図2のD−D断面図である。図5は、図2に示すブロック部の斜視図である。ブロック部45を形成する主溝壁面30に形成される凸部60のうち、ブロック部45の周方向端部46付近に形成される凸部60は、当該凸部60が形成される主溝壁面30における周方向端部46側の端部に接続されている。これにより、凸部60は、ブロック部45の鋭角部47に形成されている。また、このように形成される凸部60は、主溝20の開口部21から主溝20の溝底22に向かうに従って、対向している主溝壁面30方向へ大きく突出している。即ち、主溝20の開口部21から主溝20の溝底22に向かうに従って突出量が増大している。さらに、この凸部60は、主溝20の溝底22における位置で突出量が最も大きくなっており、凸部60の突出量は、主溝20の溝底22における位置で最大突出量になっている。
なお、ブロック部45を形成する主溝壁面30に設けられる凸部60は、最大突出量をSとし、凸部60が形成される主溝壁面30を有する主溝20の溝幅をwcとした場合に、(wc×0.35≦S≦wc×0.45)の範囲内で形成されるのが好ましい。また、ブロック部45を形成する主溝壁面30に設けられる凸部60は、凸部60のタイヤ周方向における長さをLTとし、当該凸部60が形成されるブロック部45のタイヤ周方向における長さをLGとした場合に、(LG×0.20≦LT≦LG×0.30)の範囲内で形成されるのが好ましい。
図6は、図2のE部詳細図である。凸部60は、当該凸部60のタイヤ周方向における両端部からタイヤ周方向における中央方向に向かうに従って突出量が増大しており、タイヤ周方向における中央付近で最大突出量になっている。凸部60における、この最大突出量となっている部分は、最大突出部61となっており、この最大突出部61は、凸部60が突出している方向に凸となった曲面により形成されている。詳しくは、この最大突出部61は、ブロック部45をタイヤ径方向に見た場合に、凸部60が突出している方向に凸となった円弧の形状で形成されている。なお、この最大突出部61は、当該最大突出部61の形状である円弧の曲率半径Rが、4mm以下となって形成されているのが好ましい。
図7は、図1のB−B断面図である。ショルダーリブ41のタイヤ径方向における外方には、ショルダー部細溝28及びショルダー部細リブ55が形成されているが、ショルダー部細リブ55は、ショルダーリブ41よりもタイヤ径方向における高さが低くなっている。つまり、ショルダー部細リブ55のタイヤ径方向外側の端部である細リブ先端部56は、タイヤ幅方向における両端に位置するショルダーリブ41のトレッド面11の、ショルダー部細リブ55側の端部であるトレッド面外端部42よりもタイヤ径方向内方に位置している。
なお、ショルダー部細溝28は、溝幅wdが(1.5mm≦wd≦2.5mm)の範囲内で形成されるのが好ましい。また、ショルダー部細リブ55は、ショルダー部細溝28の溝深さをhdとした場合に、細リブ先端部56とトレッド面外端部42とのタイヤ径方向における差heが(hd×0.10≦he≦hd×0.20)の範囲内で形成されるのが好ましい。
この空気入りタイヤ1を車両に装着して走行すると、トレッド面11のうち下方に位置するトレッド面11が路面(図示省略)に接触しながら当該空気入りタイヤ1は回転する。その際に、トレッド面11には荷重が作用するが、この荷重はトレッド面11に形成されたブロック部45やショルダーリブ41などの陸部40によって受ける。このようにトレッド面11に作用する荷重を受ける陸部40のうち、ブロック部45は、タイヤ周方向において周方向端部46に近付くに従って幅が狭くなっている。即ち、ブロック部45は主溝20とセンターラグ溝27とにより区画されているが、主溝20はタイヤ周方向に沿って形成されており、センターラグ溝27は、タイヤ幅方向、及びタイヤ周方向の双方に対して傾斜している。
ここで、雨などの水で濡れた路面を、空気入りタイヤ1を装着した車両によって走行すると、路面上の水はトレッド面11の主溝20やラグ溝25に入り込み、トレッド面11が路面に接触した状態になる。即ち、路面上の水は主溝20やラグ溝25内に流れて排水される。このように、路面上の水は主溝20やラグ溝25により排水されるが、センターラグ溝27は、タイヤ幅方向、及びタイヤ周方向の双方に対して傾斜している。このため、回転中の空気入りタイヤ1の主溝20やラグ溝25で路面上の水を排水する際に、センターラグ溝27内に流れた水は、センターラグ溝27がタイヤ幅方向に沿って形成されている場合と比較して、主溝20の方向に流れ易くなり、排水性が高くなる。
また、トレッド面11に荷重が作用した場合には、タイヤ周方向において周方向端部46に近付くに従って幅が狭くなっているブロック部45でも荷重を受けるが、ブロック部45の周方向端部46付近の主溝壁面30には凸部60が形成されている。また、この凸部60は、主溝20の開口部21から主溝20の溝底22に向かうに従って突出量が増大している。これにより、ブロック部45において幅が狭くなっている部分付近の剛性の向上を図ることができる。従って、ブロック部45が欠ける不具合であるブロックティアや、ブロック部45の幅が狭い部分のみが摩耗する偏摩耗を抑制することができる。さらに、このように凸部60は、主溝20の開口部21から主溝20の溝底22に向かうに従って突出量が増大しているため、トレッド面11の摩耗初期での偏摩耗を抑制することができる。これらの結果、ウェット性及び耐ブロックティア性を確保しつつ耐偏摩耗性の向上を図ることができる。
また、凸部60の最大突出量S、及びタイヤ周方向における凸部60の長さLTを上記の範囲内にすることにより、より確実に排水性を確保すると共に、ブロック部45において幅が狭くなっている部分付近の剛性の向上を図ることができる。つまり、凸部60の最大突出量Sを主溝20の溝幅wcの0.35倍以上にすることにより、または、凸部60の長さLTをブロック部45の長さLGの0.20倍以上にすることにより、凸部60の体積を確保でき、ブロック部45における幅が狭い部分の剛性を、より確実に向上させることができる。また、主溝20において凸部60が形成されている部分では、凸部60が形成されていることにより溝幅が狭くなっており、凸部60は主溝20の溝底22に向かうに従って突出量が大きくなっている。このため、主溝20において凸部60が形成されている部分では、溝底22に向かうに従って溝幅が狭くなっているが、凸部60の最大突出量Sを主溝20の溝幅wcの0.45倍以下にすることにより、凸部60の最大突出量Sの位置で主溝20の溝幅が狭くなり過ぎることを抑制できる。これにより、トレッド面11の摩耗末期に主溝20の溝幅が狭くなり過ぎることを抑制でき、トレッド面11の摩耗末期に溝容積が減少することに起因して排水性が低下することを抑制できる。
また、凸部60は、当該凸部60のタイヤ周方向における両端部からタイヤ周方向における中央方向に向かうに従って突出量が増大し、タイヤ周方向における中央付近で最大突出量になっているため、凸部60のタイヤ周方向における端部付近では、突出量は小さくなっている。また、凸部60のタイヤ周方向における長さが長い場合には、凸部60は緩やかに突出量が変化するため、タイヤ周方向における端部付近の突出量は、より小さくなるが、凸部60の長さLTをブロック部45の長さLGの0.30倍以下にすることにより、凸部60のタイヤ周方向における長さが長くなり過ぎることに起因して凸部60のタイヤ周方向における端部付近の突出量が小さくなり過ぎることを抑制できる。これにより、ブロック部45の周方向端部46付近において凸部60の突出量が小さくなり過ぎることを抑制でき、より確実に周方向端部46付近の剛性の向上を図ることができる。
従って、凸部60を、主溝20の溝幅をwcとした場合における最大突出量Sが(wc×0.35≦S≦wc×0.45)の範囲内で、且つ、ブロック部45のタイヤ周方向における長さをLGとした場合における凸部60のタイヤ周方向における長さLTが(LG×0.20≦LT≦LG×0.30)の範囲内になるように形成することにより、より確実に排水性を確保すると共に、ブロック部45において幅が狭くなっている部分付近の剛性の向上を図ることができる。この結果、より確実にウェット性及び耐ブロックティア性を確保しつつ耐偏摩耗性の向上を図ることができる。
また、凸部60は、最大突出量となっている部分である最大突出部61を曲面によって形成しているので、最大突出部61と主溝20の溝底22との接続部分での応力集中を抑制することができる。つまり、最大突出部61が曲面で形成されず、主溝20の溝幅方向への突出量が最大突出部61で急激に変化する場合には、凸部60の最大突出部61と主溝20の溝底22との接続部分で応力集中が発生する虞がある。これにより、この部分でクラックが発生する虞がある。従って、凸部60の最大突出部61を、曲率半径が4mm以下となる曲面によって形成することにより、最大突出部61と主溝20の溝底22との接続部分での応力集中を抑制することができる。この結果、主溝20の溝底クラックの発生を抑制することができる。
また、主溝20を4本形成しているので、適度な溝幅で主溝20を設けることができる。これにより、排水性を確保でき、より確実にウェット性能を向上させることができる。また、主溝20を4本形成することにより、タイヤ幅方向におけるエッジ成分、即ち、トレッド面11が路面に接地した際に、路面と交差する方向に形成されている部分を増加させることができるので、降雪時などにおけるコーナリング性能の向上を図ることができる。これらの結果、より確実に耐ウェット性を向上させると共に操縦安定性の向上を図ることができる。
また、互いに対向している主溝壁面30の双方に複数の凸部60を設け、さらに、複数の凸部60を、対向している主溝壁面30間でタイヤ周方向において交互に形成しているので、陸部40全体における剛性差を低減することができる。この結果、より確実に耐偏摩耗性の向上を図ることができる。
また、タイヤ幅方向における両端に位置するショルダーリブ41のタイヤ幅方向における外方に、タイヤ周方向に延びるショルダー部細溝28を形成しているので、ショルダーリブ41におけるタイヤ幅方向外方寄りの部分に大きな荷重が作用した場合に、ショルダーリブ41は容易に変形することができる。これにより、ショルダーリブ41で荷重を受けた際に、ショルダーリブ41に作用する荷重を分散して受けることができる。この結果、より確実に耐偏摩耗性の向上を図ることができる。
また、ショルダー部細溝28のタイヤ幅方向外方にショルダー部細リブ55を設けており、このショルダー部細リブ55が有する細リブ先端部56が、トレッド面外端部42よりもタイヤ径方向内方に位置するようにショルダー部細リブ55形成している。これにより、トレッド面外端部42を有する陸部40であるショルダーリブ41のトレッド面11に荷重が作用した場合に、ショルダーリブ41は変形し易くなるので、より確実に荷重を分散することができる。この結果、より確実に耐偏摩耗性の向上を図ることができる。
また、溝幅wdが1.5mm≦wd≦2.5mmの範囲内になるようにショルダー部細溝28を形成しているので、ショルダー部細溝28に隣接する陸部40であるショルダーリブ41のトレッド面11に荷重が作用した際に、より確実にショルダーリブ41を変形させ、より確実に荷重を分散することができる。また、細リブ先端部56とトレッド面外端部42とのタイヤ径方向の差heを上記の範囲内にすることにより、トレッド面外端部42を有する陸部40であるショルダーリブ41を適度に変形させて、適度に荷重を分散することができる。
つまり、細リブ先端部56とトレッド面外端部42とのタイヤ径方向の差heが、ショルダー部細溝28の溝深さhdの0.10倍以上になるようにショルダー部細リブ55を形成することにより、細リブ先端部56とトレッド面外端部42との差を確保でき、ショルダーリブ41のトレッド面11に荷重が作用した場合に、ショルダーリブ41をより確実に変形し易くすることができる。また、細リブ先端部56とトレッド面外端部42とのタイヤ径方向の差heが、ショルダー部細溝28の溝深さhdの0.20倍以下になるようにショルダー部細リブ55を形成することにより、細リブ先端部56とトレッド面外端部42との差が大きくなり過ぎることを抑制できる。ここで、ショルダー部細リブ55は、トレッド面外端部42を有する陸部40であるショルダーリブ41のトレッド面11に荷重が作用して変形した際に、ショルダーリブ41を支えてショルダーリブ41を適度に変形させる作用をするが、細リブ先端部56とトレッド面外端部42との差が大き過ぎる場合には、ショルダーリブ41の変形が大きくなり過ぎ、偏摩耗が生じる虞がある。
従って、細リブ先端部56とトレッド面外端部42とのタイヤ径方向の差heが、ショルダー部細溝28の溝深さhdに対して(hd×0.10≦he≦hd×0.20)の範囲内になるようにショルダー部細リブ55を形成することにより、ショルダーリブ41を適度に変形させて、適度に荷重を分散することができる。この結果、より確実に耐偏摩耗性の向上を図ることができる。
また、複数の陸部40のうち、タイヤ幅方向外方における両端に位置する陸部40は、タイヤ周方向に連続して形成されたショルダーリブ41として設けられている。このため、ショルダー部15にはラグ溝25が形成されていないため、ショルダー部15付近で発生するヒール&トウ摩耗などの偏摩耗を抑制することができる。また、タイヤ幅方向におけるショルダーリブ41同士の間の位置にブロック列51を形成しているので、より確実にウェット路面の走行時の排水性、及びトラクション性能を確保できる。この結果、より確実にウェット性を確保しつつ耐偏摩耗性の向上を図ることができる。
また、トレッド展開幅TDWに対するブロック列51のタイヤ幅方向における幅waが上記の範囲になるようにブロック列51を形成しているので、ブロック部45の剛性と溝面積とを適切な範囲で共に確保することができる。つまり、ブロック列51の幅waがトレッド展開幅TDWの0.15倍以上になるようにブロック部45を形成することにより、ブロック部45の剛性を確保することができるので、ブロックティアや偏摩耗を、より確実に抑制することができる。また、ブロック列51の幅waがトレッド展開幅TDWの0.20倍以下になるようにブロック部45を形成することにより、ブロック列51が形成されている領域において溝面積の割合が低くなり過ぎることを抑制できる。これにより、排水性を確保することができるので、より確実にウェット性能を確保することができる。
従って、トレッド展開幅TDWに対するブロック列51のタイヤ幅方向における幅waが(TDW×0.15≦wa≦TDW×0.20)の範囲内になるようにブロック列51を形成することにより、ブロック部45の剛性と溝面積とを適切な範囲で共に確保することができる。この結果、より確実にウェット性及び耐ブロックティア性を確保しつつ耐偏摩耗性の向上を図ることができる。
また、トレッド展開幅TDWに対するショルダーリブ41のタイヤ幅方向における幅wbが上記の範囲になるようにショルダーリブ41を形成しているので、ショルダーリブ41の剛性とブロック列51の幅とが適切な範囲になるようにショルダーリブ41を形成することができる。つまり、ショルダーリブ41の幅wbがトレッド展開幅TDWの0.15倍以上になるようにショルダーリブ41を形成することにより、ショルダーリブ41の剛性を確保することができ、より確実にショルダーリブ41の偏摩耗を抑制することができる。また、ショルダーリブ41の幅wbがトレッド展開幅TDWの0.20倍以下になるようにショルダーリブ41を形成することにより、ショルダーリブ41とショルダーリブ41との間に位置するブロック列51の幅が狭くなり過ぎることを抑制でき、より確実にブロック列51によるトラクション性能を確保することができる。
従って、トレッド展開幅TDWに対するショルダーリブ41のタイヤ幅方向における幅wbが(TDW×0.15≦wb≦TDW×0.20)の範囲内になるようにショルダーリブ41を形成することにより、ショルダーリブ41の剛性とブロック列51の幅とが適切な範囲になるようにショルダーリブ41を形成することができる。この結果、より確実にウェット性を確保しつつ耐偏摩耗性の向上を図ることができる。
また、ショルダーリブ41にショルダーリブラグ溝26を形成しているので、ショルダーリブ41におけるエッジ成分を増加させることができ、氷雪上性能の向上を図ることができる。さらに、ショルダーリブ41のタイヤ幅方向における幅wbに対する、ショルダーリブラグ溝26のタイヤ幅方向における長さの最大値t_maxが上記の範囲になるようにショルダーリブラグ溝26を形成することにより、ショルダーリブ41の剛性が低下し過ぎることなくエッジ成分を増加させることができる。
つまり、ショルダーリブラグ溝26の長さの最大値t_maxがショルダーリブ41の幅wbの0.25倍以上になるようにショルダーリブラグ溝26を形成することにより、ショルダーリブラグ溝26の長さを確保することができる。これにより、より確実にエッジ成分を増加させることができるので、より確実に氷上性能を向上させることができる。また、ショルダーリブラグ溝26の長さの最大値t_maxがショルダーリブ41の幅wbの0.30倍以下になるようにショルダーリブラグ溝26を形成することにより、ショルダーリブラグ溝26の長さが長くなり過ぎることを抑制できる。これにより、ショルダーリブ41の剛性が低くなり過ぎることを抑制でき、より確実にショルダーリブ41の偏摩耗を抑制できる。
従って、ショルダーリブ41の幅wbに対するショルダーリブラグ溝26の長さの最大値t_maxが(wb×0.25≦t_max≦wb×0.30)の範囲内になるようにショルダーリブラグ溝26を形成することにより、ショルダーリブ41の剛性が低下し過ぎることなくエッジ成分を増加させることができる。この結果、氷雪上性能を向上させつつ耐偏摩耗性の向上を図ることができる。
また、ショルダーリブ41にオープンサイプ65を形成しているので、ショルダーリブ41が形成されている領域におけるエッジ成分の向上を図ることができる。この結果、より確実に氷雪上性能の向上を図ることができる。
また、ブロック部45やショルダーリブ41にクローズドサイプ66を形成しているので、エッジ成分の向上を図ることができ、氷雪上性能の向上を図ることができる。また、このようにクローズドサイプ66を形成することにより、ブロック部45やショルダーリブ41のトレッド面11に荷重が作用した際に、クローズドサイプ66が形成されている部分でブロック部45やショルダーリブ41は変形し易くなるため、荷重を分散することができる。これにより、偏摩耗の発生を抑制することができる。従って、これらの結果、より確実に氷雪上性能と耐偏摩耗性の向上を図ることができる。
なお、上述した構成の空気入りタイヤ1は、重荷重用空気入りタイヤに適用されるのが好ましい。重荷重用空気入りタイヤでは、使用時に荷重が大きな荷重が作用した状態で使用される場合が多いため、偏摩耗の発生が顕著になっている。このため、その抑制に関する需要も極めて高くなっている。従って、このような重荷重用空気入りタイヤに上述した構成を適用することにより、より確実に上述した効果を得ることができる。この結果、より確実に耐ウェット性及び耐偏摩耗性の向上を図ることができる。
また、トレッド面11に形成される主溝20の本数は、4本以外でもよい。主溝20が4本以外の場合でも、タイヤ幅方向において2つのショルダーリブ41の間に複数の主溝20及びラグ溝25を形成し、この部分にブロック部45を形成することにより、ウェット性を確保することができる。さらに、センターラグ溝27をタイヤ周方向及びタイヤ幅方向の双方に対して斜めに形成しているので、より確実に排水性を確保することができ、より確実にウェット性を確保することができる。また、このようにセンターラグ溝27を斜め方向に形成した場合でも、ブロック部45を形成する主溝壁面30におけるブロック部45の周方向端部46付近に凸部60を形成することにより、より確実にブロック部45における幅が狭い部分の剛性の向上を図ることができる。これにより、ブロックティアや偏摩耗を抑制することができる。これらの結果、ウェット性及び耐ブロックティア性を確保しつつ耐偏摩耗性の向上を図ることができる。
また、このように、主溝20の本数は4本以外でも、ウェット性及び耐ブロックティア性を確保しつつ耐偏摩耗性の向上を図ることができるが、主溝20を4本以上形成することにより、エッジ成分を増加させることができる。これにより、より確実にウェット性の向上を図ることができるので、主溝20は4本以上形成するのが好ましい。
また、凸部60は、ブロック部45を形成する主溝壁面30やショルダーリブ41を形成する主溝壁面30に設けられているが、凸部60は全ての主溝壁面30に形成されていなくてもよい。凸部60は、複数の凸部60のうち、少なくとも一部の凸部60がブロック部45を形成する主溝壁面30に形成され、且つ、当該主溝壁面30におけるブロック部45の周方向端部46側の端部に接続されていればよい。このように凸部60を形成することにより、より確実にブロック部45における幅が狭い部分の補強をすることができ、ブロック部45の偏摩耗やブロックティアを抑制することができる。この結果、ウェット性及び耐ブロックティア性を確保しつつ耐偏摩耗性の向上を図ることができる。
以下、上記の空気入りタイヤ1について、従来の空気入りタイヤ1と本発明の空気入りタイヤ1とについて行なった性能の評価試験について説明する。性能評価試験は、耐偏摩耗性、耐ブロックティア性、ウェット性との3項目について行なった。
試験方法は、タイヤサイズが245/70R19.5の空気入りタイヤ1を、リムサイズが19.5×6.75のホイールに組付け、空気圧を850kPaに設定し、正規荷重が負荷された状態で行なった。各試験項目の評価方法は、耐偏摩耗性と耐ブロックティア性については、試験を行なう空気入りタイヤ1が装着された試験車両でテストコースを50,000km走行し、走行後にブロック部45及びショルダーリブ41に発生した偏摩耗状況、及びブロックティアを確認することにより行なった。この耐偏摩耗性、及び耐ブロックティア性についての評価は、後述する従来例1の空気入りタイヤ1の耐偏摩耗性と耐ブロックティア性との評価結果をそれぞれ100とする指数で示しており、指数が大きいほど耐偏摩耗性または耐ブロックティア性が優れている。なお、ここでいう正規荷重とは、JATMAに規定される「最大負荷能力」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「LOAD CAPACITY」をいう。
また、耐ウェット性については、試験を行なう空気入りタイヤ1が装着された車両でウェット路面を走行して初速度40km/hからのロック制動を行ない、制動距離を測定することにより行なった。このウェット性についての評価は、後述する従来例1の空気入りタイヤ1の測定結果を100とする指数で示しており、指数が大きいほどウェット性が優れている。
試験を行なう空気入りタイヤ1は、5種類の本発明と、本発明と比較する5種類の比較例、さらに、従来の空気入りタイヤ1の一例である1種類の従来例を、上記の方法で試験する。なお、試験を行なう空気入りタイヤ1のうち、本発明1〜5、及び比較例1〜5は、主溝20が4本形成されており、従来例1は、主溝20が3本形成されている。また、本発明1〜5は、ブロック部45を形成する主溝壁面30に凸部60が形成されており、比較例1〜5、従来例1には、ブロック部45を形成する主溝壁面30に凸部60が形成されていない。
これらの本発明1〜5、比較例1〜5、及び従来例1の空気入りタイヤ1を上記の方法で評価試験をし、得られた結果を表1−1、表1−2に示す。これらの表のうち、表1−1は本発明1〜5の評価試験の結果を表示しており、表1−2は比較例1〜5、及び従来例1の評価試験の結果を表示している。
Figure 0005003024
Figure 0005003024
表1−1及び表1−2に示した上記の試験結果で明らかなように、ブロック部45に所定の範囲内の大きさで形成される凸部60を設けることにより、ブロック部45を補強することができ、偏摩耗やブロックティアを抑制することができる。また、ブロック列51やショルダーリブ41のタイヤ幅方向における幅が所定の範囲内の幅になるようにブロック部45やショルダーリブ41を形成することにより、溝面積を確保でき、排水性を確保できる。これらの結果、ウェット性及び耐ブロックティア性を確保しつつ耐偏摩耗性の向上を図ることができる。
以上のように、本発明に係る空気入りタイヤは、ウェット性及び耐ブロックティア性を確保しつつ耐偏摩耗性を向上させる場合に有用であり、特に、重荷重用空気入りタイヤに適している。
この発明に係る空気入りタイヤのトレッド部を示す説明図である。 図1のA部詳細図である。 図2のC−C断面図である。 図2のD−D断面図である。 図2に示すブロック部の斜視図である。 図2のE部詳細図である。 図1のB−B断面図である。
符号の説明
1 空気入りタイヤ
5 赤道面
10 トレッド部
11 トレッド面
15 ショルダー部
20 主溝
21 開口部
22 溝底
25 ラグ溝
26 ショルダーリブラグ溝
27 センターラグ溝
28 ショルダー部細溝
30 主溝壁面
31 ラグ溝壁面
40 陸部
41 ショルダーリブ
42 トレッド面外端部
45 ブロック部
46 周方向端部
47 鋭角部
50 陸部列
51 ブロック列
55 ショルダー部細リブ
56 細リブ先端部
60 凸部
61 最大突出部
65 オープンサイプ
66 クローズドサイプ

Claims (13)

  1. トレッド部の表面であるトレッド面にタイヤ周方向に延びる主溝とタイヤ幅方向に延びる副溝とをそれぞれ複数有すると共に、前記主溝と前記副溝とにより区画された複数の陸部を有しており、前記複数の陸部のうち少なくとも一部の前記陸部はブロック部として形成される空気入りタイヤにおいて、
    前記複数の陸部は、タイヤ周方向に沿って形成され、且つ、タイヤ幅方向に並んだ複数の陸部列を構成しており、
    前記複数の陸部のうち、タイヤ幅方向における両端に位置する前記陸部はタイヤ周方向に連続して形成されたショルダー陸部となっていると共に前記複数の陸部列のうちの一部をなしており、
    前記ブロック部は、前記複数の陸部列のうち、タイヤ幅方向において前記ショルダー陸部同士の間に位置する前記陸部列を形成しており、
    前記複数の陸部列のうち前記ブロック部からなる前記陸部列は、ブロック列となっており、
    前記ブロック列のタイヤ幅方向における幅をwaとし、タイヤ幅方向における両端に位置する前記ショルダー陸部のうち、一方の前記ショルダー陸部のタイヤ幅方向外側の端部から他方の前記ショルダー陸部のタイヤ幅方向外側までのタイヤ幅方向における幅であるトレッド展開幅をTDWとした場合に、前記ブロック列は、(TDW×0.15≦wa≦TDW×0.20)の範囲内で形成されており、
    前記ブロック部は、タイヤ周方向における中央方向からタイヤ周方向における端部である周方向端部に近付くに従ってタイヤ幅方向における幅が狭くなっており、
    前記主溝の壁面である主溝壁面には、前記主溝の溝幅方向に突出した凸部が複数形成されており、
    複数の前記凸部のうち、少なくとも一部の前記凸部は、前記主溝壁面のうち前記ブロック部を形成する前記主溝壁面に形成され、且つ、前記ブロック部を形成する前記主溝壁面における前記周方向端部側の端部に接続されており、
    さらに、前記凸部は、前記主溝の開口部から前記主溝の溝底に向かうに従って突出量が増大している共に前記溝底における位置で最大突出量となっていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記ブロック部を形成する前記主溝壁面に設けられる前記凸部は、前記最大突出量をSとし、前記凸部が形成される前記主溝壁面を有する前記主溝の溝幅をwcとした場合に(wc×0.35≦S≦wc×0.45)の範囲内で形成されていると共に、前記凸部のタイヤ周方向における長さをLTとし、当該凸部が形成される前記ブロック部のタイヤ周方向における長さをLGとした場合に(LG×0.20≦LT≦LG×0.30)の範囲内で形成されていることを特徴とする請求項1に記載空気入りタイヤ。
  3. 前記凸部は、前記最大突出量となって形成される部分が、当該凸部が突出している方向に凸となった曲面により形成されており、
    前記曲面は、曲率半径が4mm以下となっていることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記主溝は、少なくとも4本形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記凸部は、対向している前記主溝壁面の双方の前記主溝壁面にタイヤ周方向に並んで複数形成されており、且つ、対向している前記主溝壁面に形成される複数の前記凸部は、対向している前記主溝壁面間でタイヤ周方向において交互に形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記トレッド部には、前記複数の陸部のうちタイヤ幅方向における両端に位置する前記陸部のタイヤ幅方向外方に、タイヤ周方向に延びる細溝が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記細溝のタイヤ幅方向外方には、前記細溝によって区画されると共にタイヤ周方向に延びる細リブが形成されており、
    前記細リブのタイヤ径方向外側の端部である細リブ先端部は、タイヤ幅方向における両端に位置する前記陸部の前記トレッド面の、前記細リブ側の端部であるトレッド面外端部よりもタイヤ径方向内方に位置していることを特徴とする請求項6に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記細溝は、溝幅wdが(1.5mm≦wd≦2.5mm)の範囲内で形成されており、
    前記細リブ先端部と前記トレッド面外端部とのタイヤ径方向の差heは、前記細溝の溝深さをhdとした場合に(hd×0.10≦he≦hd×0.20)の範囲内であることを特徴とする請求項7に記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記ショルダー陸部のタイヤ幅方向における幅をwbとし、タイヤ幅方向における両端に位置する前記ショルダー陸部のうち、一方の前記ショルダー陸部のタイヤ幅方向外側の端部から他方の前記ショルダー陸部のタイヤ幅方向外側までのタイヤ幅方向における幅であるトレッド展開幅をTDWとした場合に、前記ショルダー陸部は、(TDW×0.15≦wb≦TDW×0.20)の範囲内で形成されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記複数の副溝のうち、前記ショルダー陸部を区画する前記主溝に接続され、且つ、当該主溝よりもタイヤ幅方向外方に位置する前記副溝は、タイヤ幅方向における両端部のうち前記主溝に接続されている側の端部の反対側に位置する端部が前記ショルダー陸部によって閉塞されたショルダー陸部副溝として形成されており、
    前記ショルダー陸部副溝のタイヤ幅方向における長さの最大値t_maxは、前記ショルダー陸部のタイヤ幅方向における幅をwbとした場合に(wb×0.25≦t_max≦wb×0.30)の範囲内であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  11. 前記ショルダー陸部には、前記ショルダー陸部のタイヤ幅方向内側の端部から外側の端部にかけて形成されたサイプであるオープンサイプが設けられていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  12. 前記ブロック部及び前記ショルダー陸部には、両端部のうち一端が閉塞されたサイプであるクローズドサイプが形成されており、
    前記クローズドサイプは、両端部のうち閉塞された端部の反対側の端部が前記主溝壁面に接続されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の空気入りタイヤは、重荷重用空気入りタイヤに適用されることを特徴とする空気入りタイヤ。
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