JP5000165B2 - 渦流式流水管及びその設計方法 - Google Patents
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図17中に示すように、浸水対策施設が備える渦流式流水管1は、軸を上下方向に向けて配置されるとともに底面が閉塞された円筒状の流水管2と、流水管2と連通する流水通路4を有する接近水路6と、接近水路6よりも下方で流水管2と連通する接続管8とを備えている。
接近水路6は、本体通路部20を有する本体部26と、傾斜通路部24を有するとともに、切り欠き10に連結されることにより、傾斜通路部24を流水管2の接線方向に連結させる導入部28とを備えている。
この設計方法は、予め、水理模型実験によって得られた結果に基づいて求められた計算方法により、流水管2内へ単位時間当たりに流入させる液体の計画流量に基づいて、以下の表に示す各施設諸元を設計する方法である。
図18は、浸水対策施設が備える渦流式流水管1と、シールドマシンの発進立抗32を示す斜視図である。
図18中に示すように、この渦流式流水管1は、流水管2が、シールドマシンの発進立抗や到達立抗等、流水管2よりも内径の大きい抗内に設置されている。この場合、発進立抗や到達立抗の内径が、流水管2の内径と比較して、数倍の規模で設計されているため、発進立抗や到達立抗が十分な減勢機能を有することとなる。したがって、水理模型実験を行うことなく、渦流式流水管1の各施設諸元を設計することが多い。なお、図18中では、一例として、流水管2が、シールドマシンの発進立抗32内に設置されている場合を示している。
浸水対策施設毎に水理模型実験を行って、減勢部及び接続管の各施設諸元を設計する場合、渦流式流水管の設計期間が長期化してしまうという問題が生じるおそれがある。また、水理模型実験を行って、減勢部及び接続管の各施設諸元を設計する場合、水理模型実験の製造コスト等、各施設諸元の設計に係るコストが増加してしまうという問題が生じるおそれがある。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、水理模型実験を必要とせずに各施設諸元を設計することが可能であるとともに、渦流式流水管自体が十分な減勢機能を有する渦流式流水管及びその設計方法を提供することを課題とする。
前記流水管は、前記接近水路が連結されて前記流水通路と前記流水管とを連通させる切り欠きが設けられた立坑部と、前記接続管が連結されて接続管と前記流水管とを連通させる流出口が設けられるとともに前記立坑部の下方に配置される減勢部と、を備え、
前記流水通路は、当該流水通路の長手方向に亘って同一幅に形成された本体通路部と、前記流水管側へ向かうにつれて幅が狭く形成されるとともに底面が流水管側へ向かうにつれて下方へ傾斜する傾斜通路部と、を備え、
前記接近水路は、前記本体通路部を有する本体部と、前記傾斜通路部を有するとともに前記切り欠きに連結されて傾斜通路部を前記流水管の接線方向に連結させる導入部と、を備えた渦流式流水管であって、
前記接続管の軸を、前記流水管の軸と直交する方向に向けて配置し、
前記本体通路部の幅をBとし、前記立坑部の内径をDaとしたときに、
前記本体通路部の長さLcを5B以上とし、
前記減勢部の内径Dbを3Da以上、前記接続管の内径Dcを1.5Da以上とし、
前記立坑部の下端から前記流出口の上端までの高さHbを5Da以上、前記流出口の下端から前記減勢部の底面までの高さHcを2.2Da以上、前記傾斜通路部から前記立坑部の下端までの高さHdを5Da以上とし、
前記流水通路内を流れる液体の水面から前記減勢部の底面までの高さHtを25Da以下としたことを特徴とするものである。
また、本発明によると、渦流式流水管の構成を、以下に示す(1)〜(8)の各作用を奏する構成とすることが可能となるため、渦流式流水管自体が十分な減勢機能を有する構成とすることが可能となり、流水管の底面に加わる衝撃を低減させることが可能となる。
(3)立坑部の内径Daに基づいて、減勢部の内径Dbを3Da以上としたため、流水管内を落下する液体によって流水管の底面に作用する圧力を減少させることが可能となるとともに、流水管内を落下する液体によって流水管の底面に作用する圧力変動の振幅を縮小させることが可能となる。
(6)立坑部の内径Daに基づいて、接続管の内径Dcを1.5Da以上としたため、流水管と接続管との連結部において発生する負圧を低減させることが可能となり、流水管と接続管との連結部に生じる破損を防止することが可能となる。
(8)立坑部の内径Daに基づいて、流水通路内を流れる液体の水面から減勢部の底面までの高さHtを25Da以下としたため、流水管内を落下する液体によって流水管の底面に作用する圧力を減少させることが可能となるとともに、流水管内を落下する液体によって流水管の底面に作用する圧力変動の振幅を縮小させることが可能となる。
本発明によると、立坑部の内径Daに基づいて、接続管の長さLbを8Da以上としたため、接続管内を流れる液体の乱れを低減させて、接続管内における液体の流れの安定性を向上させることが可能となる。
本発明によると、立坑部の内径Daに基づいて、傾斜通路部から立坑部の下端までの高さHdを10Daとしたため、傾斜通路部から立坑部の下端までの高さHdを10Da未満とした場合と比較して、流水管内を落下する液体によって、安定した渦流を形成させることが可能となる。
本発明によると、本体通路部の幅Bに基づいて、本体通路部の長さLcを10B以上としたため、本体通路部の長さLcを10B未満とした場合と比較して、本体通路部内を流れる液体の乱れを更に低減させることが可能となり、本体通路部内における液体の流れの安定性を更に向上させることが可能となる。
前記流水管は、前記接近水路が連結されて前記流水通路と前記流水管とを連通させる切り欠きが設けられた立坑部と、前記接続管が連結されて接続管と前記流水管とを連通させる流出口が設けられるとともに前記立坑部の下方に配置される減勢部と、を備え、
前記流水通路は、当該流水通路の長手方向に亘って同一幅に形成された本体通路部と、前記流水管側へ向かうにつれて幅が狭く形成されるとともに底面が流水管側へ向かうにつれて下方へ傾斜する傾斜通路部と、を備え、
前記接近水路は、前記本体通路部を有する本体部と、前記傾斜通路部を有するとともに前記切り欠きに連結されて傾斜通路部を前記流水管の接線方向に連結させる導入部と、を備えた渦流式流水管の設計方法であって、
前記接続管の軸を、前記流水管の軸と直交する方向に向けて配置し、
前記本体通路部の幅をBとし、前記立坑部の内径をDaとしたときに、
前記本体通路部の長さLcを5B以上とし、
前記減勢部の内径Dbを3Da以上、前記接続管の内径Dcを1.5Da以上とし、
前記立坑部の下端から前記流出口の上端までの高さHbを5Da以上、前記流出口の下端から前記減勢部の底面までの高さHcを2.2Da以上、前記傾斜通路部から前記立坑部の下端までの高さHdを5Da以上とし、
前記流水通路内を流れる液体の水面から前記減勢部の底面までの高さHtを25Da以下として設計したことを特徴とするものである。
また、本発明によると、流水管の軸の方向、本体通路部の幅及び立坑部の内径に基づいて、渦流式流水管の構成を、渦流式流水管自体が十分な減勢機能を有する構成とすることが可能となり、流水管の底面に加わる衝撃を低減させることが可能となる。
本発明によると、立坑部の内径Daに基づいて、接続管の長さLbを8Da以上としたため、接続管内を流れる液体の乱れを低減させて、接続管内における液体の流れの安定性を向上させることが可能となる。
まず、図1から図16を参照して本実施形態の構成を説明する。
図1は本実施形態の渦流式流水管1の全体を示す斜視図である。なお、図18に示した従来の渦流式流水管1と同様の構成については、同一符号を付して説明する。
図1に示すように、本実施形態の渦流式流水管1は、中心軸線CL1を上下方向に向けて配置される円筒状の流水管2と、流水管2と連通する流水通路4を有する接近水路6と、接近水路6よりも下方で流水管2と連結する接続管8とを備えている。流水管2、接近水路6及び接続管8は、例えば、耐水性を有するコンクリートによって形成されている。
接近水路6は、本体通路部20を有する本体部26と、傾斜通路部24を有するとともに、切り欠き10に連結されることにより、傾斜通路部24を流水管2の接線方向に連結させる導入部28とを備えている。
接続管8は、中心軸線CL2を流水管2の中心軸線CL1と直交する方向に向けて配置されており、流水管2と下流管30を連通している。下流管30は、図外の貯留施設に連結されている。
図2は、流水管2が有する減勢機能の比較実験に用いる、流水管2と接続管8との連結状態と、流水管2及び接続管8の構成が異なる五種類の水理模型を示す図である。なお、図2中に示されている流水管2は、立坑部12と減勢部16が同一の内径に形成されている。また、図2中には、流水管2内を落下して、流水管2から接続管8へ流入する液体の流れを、破線で示している。
また、上述した従来の渦流式流水管(図18参照)と同様に、本実施形態の渦流式流水管1においても、流水管2内へ単位時間当たりに流入させる液体の計画流量に基づいて、以下の表に示す各施設諸元が設計されている。
また、本実施形態の渦流式流水管1では、上記の表1中に示した各施設諸元の他に、本体通路部20の幅Bと立坑部12の内径Daに基づいて、以下の表に示す各施設諸元が設計されている。
図3は、図1に示した渦流式流水管1を、図1中に記載した矢印IIIの方向から見た図であり、図4は、図1に示した渦流式流水管1を、図1中に記載した矢印IVの方向から見た図である。
図3及び図4に示す本体通路部20の長さLcは、本体通路部20の幅Bに基づいて、10B以上に設計されている。これは、本体通路部20の長さLcを10B未満とした場合と比較して、本体通路部20内を流れる液体の乱れを低減させることが可能となるためである。なお、本体通路部20の長さLcの上限値は、流水管2等、その他の施設との関係や施工状況に応じて、任意の値とすることが可能である。
ここで、図5から図16を参照して、減勢部16の内径Db及び接続管8の内径Dcと、立坑部12の下端から流出口14の上端までの高さHb及び流出口14の下端から減勢部16の底面までの高さHcを、上述した値に設定した理由について説明する。なお、図5から図16内に示されている立坑部12の内径Daは、全て、Da=1.8mに設定されている。
減勢部16の内径Db及び接続管8の内径Dcと、立坑部12の下端から流出口14の上端までの高さHbを、上述した値に設定する際には、流水管2及び接続管8の構成が異なるA〜Dの四種類の条件下において、流水管2内に液体を落下させる実験を行い、A〜Dの各実験結果から設定した。
図5は、実験Aに用いる渦流式流水管1を示す図である。なお、図5には、説明のために、流水管2、接続管8及び下流管30のみを記載している。
本実験では、図5に示すように、流水管2及び接続管8を、以下に示す(1)〜(3)の条件に設計して実験を行った。
(1)流水管2の構成を、立坑部12の内径と減勢部16の内径が同一に形成されている構成とする。すなわち、減勢部16の内径Dbが、立坑部12のDaと同一に設計されている。
(2)接続管8の内径が、立坑部12と同一の内径に形成されている。すなわち、接続管8の内径Dcが、立坑部12のDaと同一に設計されている。
(3)流出口14の下端から減勢部16の底面までの高さHcを、0m,1m,2m,3m,4m,5mの六段階に変化させ、それぞれの条件下で実験を行う。
本実験では、流水管2内を落下する液体が殆ど減勢されずに落下しており、流水管2は減勢機能を殆ど有していないことが確認された。また、流出口14の上端及び下端において、−3m以上の負圧が発生していることが確認された。
図6は、実験Bに用いる渦流式流水管1を示す図である。なお、図6には、説明のために、流水管2、接続管8及び下流管30のみを記載している。
本実験では、図6に示すように、流水管2及び接続管8を、以下に示す(1)〜(3)の条件に設計して実験を行った。
(1)流水管2の構成を、立坑部12の内径Daに基づいて、減勢部16の内径Dbが2Daに設計されている構成とする。
(2)接続管8の内径が、立坑部12と同一の内径に形成されている。すなわち、接続管8の内径Dcが、立坑部12のDaと同一に設計されている。
(3)流出口14の下端から減勢部16の底面までの高さHcを、0m,1m,2m,3m,4m,5mの六段階に変化させ、それぞれの条件下で実験を行う。
図7中に示されるように、底板18に作用した最大圧力の分布は、14m〜16mの範囲が約48%と最も多く、約42%を占める14m〜16mの範囲と併せて約90%となっている。
また、特に図示しないが、本条件下における実験では、流水管2内を落下した液体が減勢部16の底部において多量の泡立ちを発生し、減勢部16内において自由水面を確保することが困難であり、流水管2内における流れの状態が不安定であることが確認された。これは、流出口14の下端から減勢部16の底面までの高さHcを、3m,4m,5mとした条件下で実験を行った場合も同様であった。
図9は、実験Cに用いる渦流式流水管1を示す図である。なお、図9には、説明のために、流水管2、接続管8及び下流管30のみを記載している。
本実験では、図9に示すように、流水管2及び接続管8を、以下に示す(1)〜(4)の条件に設計して実験を行った。
(1)流水管2の構成を、立坑部12の内径Daに基づいて、減勢部16の内径Dbが2Daに設計されている構成とする。
(2)接続管8の内径が、立坑部12と同一の内径に形成されている。すなわち、接続管8の内径Dcが、立坑部12のDaと同一に設計されている。
(3)流出口14の下端から減勢部16の底面までの高さHcを、0m,1m,2m,3m,4m,5mの六段階に変化させ、それぞれの条件下で実験を行う。
(4)立坑部12の下端から流出口14の上端までの高さHbが5Daに設計されている。
図10中に示されるように、底板18に作用した最大圧力の分布は、8m〜10mの範囲が約70%と最も多く、約18%を占める10m〜12mの範囲と併せて約88%となっている。
したがって、底板18に作用した最大圧力及び圧力変動の振幅が、上記の実験Bよりも小さくなっている。また、特に図示しないが、流出口14の上端及び下端において発生している負圧が−1mとなっており、上記の実験Aよりも低下していることが確認された。
図12は、実験Dに用いる渦流式流水管1を示す図である。なお、図12には、説明のために、流水管2、接続管8及び下流管30のみを記載している。
本実験では、図12に示すように、流水管2及び接続管8を、以下に示す(1)〜(4)の条件に設計して実験を行った。
(1)流水管2の構成を、立坑部12の内径Daに基づいて、減勢部16の内径Dbが3Daに設計されている構成とする。
(2)接続管8の内径が、立坑部12と同一の内径に形成されている。すなわち、接続管8の内径Dcが、立坑部12のDaと同一に設計されている。
(3)流出口14の下端から減勢部16の底面までの高さHcを、0m,1m,2m,3m,4m,5mの六段階に変化させ、それぞれの条件下で実験を行う。
(4)立坑部12の下端から流出口14の上端までの高さHbが5Daに設計されている。
図13中に示されるように、底板18に作用した最大圧力の分布は、8m〜10mの範囲が約97%と最も多く、約3%を占める10m〜12mの範囲と併せて100%となっている。
また、図14中に示されるように、底板18に作用した圧力変動の振幅は、4m〜6mの範囲が約75%、2m〜4mの範囲が約25%となっている。
したがって、底板18に作用した最大圧力及び圧力変動の振幅が、上記の実験B及びCよりも小さくなっている。
次に、図15及び図16を参照して、流出口14の下端から減勢部16の底面までの高さHcを、上述した値に設定した理由について説明する。
流出口14の下端から減勢部16の底面までの高さHcを、上述した値に設定する際には、流水管2及び接続管8の構成を、以下に示す(1)〜(4)の条件Eに設計し、この条件下において、流水管2内に液体を落下させる実験を行い、実験結果から設定した。
本実験では、流水管2及び接続管8を、以下に示す(1)〜(4)の条件に設計して実験を行った。
(1)流水管2の構成を、立坑部12の内径Daに基づいて、減勢部16の内径Dbが3Daに設計されている構成とする。
(2)接続管8の内径Dcが、立坑部12の内径Daに基づいて、1.5Daに設計されている。
(3)流出口14の下端から減勢部16の底面までの高さHcを、0m,1m,2m,3m,4m,5mの六段階に変化させ、それぞれの条件下で実験を行う。
(4)立坑部12の下端から流出口14の上端までの高さHbが5Daに設計されている。
図15は、流出口14の下端から減勢部16の底面までの高さHcを2m,3m,4mとした場合における、減勢部16の底面、すなわち底板18に作用した最大圧力の分布を示す図であり、図15(a)は、Hcを2mとした場合、図15(b)は、Hcを3mとした場合、図15(c)は、Hcを4mとした場合を示している。
図15(b)中に示されるように、Hcを3mとした場合における底板18に作用した最大圧力の分布は、6m〜8mの範囲が約80%と最も多く、約17%を占める8m〜10mの範囲と併せて約97%となっている。
なお、Hcを1mとした場合における底板18に作用した最大圧力の分布は、偏りが大きいため、図示を省略している。また、特に図示していないが、Hcを5mとした場合における底板18に作用した最大圧力の分布は、6m〜8mの範囲が約70%と最も多く、約30%を占める8m〜10mの範囲と併せて約100%となっている。
図16は、流出口14の下端から減勢部16の底面までの高さHcを2m,3m,4mとした場合における、減勢部16の底面、すなわち底板18に作用した圧力変動の振幅の分布を示す図であり、図16(a)は、Hcを2mとした場合、図16(b)は、Hcを3mとした場合、図16(c)は、Hcを4mとした場合を示している。
図16(b)中に示されるように、Hcを3mとした場合における底板18に作用した圧力変動の振幅の分布は、2m〜4mの範囲が約89%と最も多く、約10%を占める4m〜6mの範囲と併せて約99%となっている。
したがって、底板18に作用した圧力変動の振幅の分布は、Hcを増加させるに従って縮小されるとともに、Hcの上限値が4mとなることが確認された。
したがって、流出口14の下端から減勢部16の底面までの高さHcは、立坑部12の内径Daに基づいて2.2Daに設計した。
また、図4に示す傾斜通路部24から立坑部12の下端までの高さHdは、立坑部12の内径Daに基づいて、10Daに設計されている。これは、傾斜通路部24から立坑部12の下端までの高さHdを10Da未満とした場合と比較して、流水管2内を落下する液体によって形成される渦流が発達するためである。
豪雨時に多量の雨水が降ると、この多量の雨水が分水施設等を経由して、本体通路部20へ流入する。本体通路部20へ流入した雨水は、導入部28によって誘導されて流水管2内へ流入する。
流水管2内へ流入した雨水は、傾斜通路部24が流水管2の接線方向に連結されているため、螺旋状に旋回して渦流を形成する。そして、流水管2内へ流入した雨水は、渦流を形成することにより、立坑部12及び減勢部16の内壁面に接触しながら、落下エネルギーが減勢された状態で流水管2内を落下する。
したがって、本実施形態の渦流式流水管1であれば、流水管2内へ単位時間当たりに流入させる液体の計画流量Qpを設定することにより、この計画流量Qpに基づいて、水理模型実験を必要とせずに、渦流式流水管1が備える各施設諸元の設計を行うことが可能となる。その結果、渦流式流水管1が備える各施設諸元の設計期間の短縮が可能となるとともに、渦流式流水管1の施工コストの低減が可能となる。
(3)立坑部12の内径Daに基づいて、立坑部12の下端から流出口14の上端までの高さHbを5Daとしたため、流水管2内を落下する液体によって流水管2の底面に作用する圧力を減少させることが可能となるとともに、減勢部16において自由水面を確保して流れを安定させることが可能となる。さらに、流水管2内を落下する液体によって流水管2の底面に作用する圧力変動の振幅を縮小させることが可能となる。
(5)立坑部12の内径Daに基づいて、接続管8の内径Dcを1.5Daとしたため、流水管2と接続管8との連結部において発生する負圧を低減させることが可能となり、流水管2と接続管8との連結部に生じる破損を防止することが可能となる。
本実施例では、計画流量Qpを2.00(m3/s)としている。また、実際の設計においては、微小な数値は要求されないため、(Qp/0.137)(2/5)を2.92として、各施設諸元を計算している。
また、本発明の渦流式流水管の設計方法によって設計された渦流式流水管は、減勢機能を有する最小の規模に設計されることが確認された。
2 流水管
4 流水通路
6 接近水路
8 接続管
10 切り欠き
12 立坑部
14 流出口
16 減勢部
18 底板
20 本体通路部
22 傾斜通路部の底面
24 傾斜通路部
26 本体部
28 導入部
30 下流管
32 シールドマシンの発進立抗
CL1 流水管の中心軸線
CL2 接続管の中心軸線
R 負圧発生箇所
θ 傾斜通路部の底面の傾斜角度
Claims (6)
- 軸を上下方向に向けて配置されるとともに底面が閉塞された円筒状の流水管と、当該流水管と連通する流水通路を有する接近水路と、当該接近水路よりも下方で前記流水管と連通する接続管と、を備え、
前記流水管は、前記接近水路が連結されて前記流水通路と前記流水管とを連通させる切り欠きが設けられた立坑部と、前記接続管が連結されて接続管と前記流水管とを連通させる流出口が設けられるとともに前記立坑部の下方に配置される減勢部と、を備え、
前記流水通路は、当該流水通路の長手方向に亘って同一幅に形成された本体通路部と、前記流水管側へ向かうにつれて幅が狭く形成されるとともに底面が流水管側へ向かうにつれて下方へ傾斜する傾斜通路部と、を備え、
前記接近水路は、前記本体通路部を有する本体部と、前記傾斜通路部を有するとともに前記切り欠きに連結されて傾斜通路部を前記流水管の接線方向に連結させる導入部と、を備えた渦流式流水管であって、
前記接続管の軸を、前記流水管の軸と直交する方向に向けて配置し、
前記本体通路部の幅をBとし、前記立坑部の内径をDaとしたときに、
前記本体通路部の長さLcを5B以上とし、
前記減勢部の内径Dbを3Da以上、前記接続管の内径Dcを1.5Da以上とし、
前記立坑部の下端から前記流出口の上端までの高さHbを5Da以上、前記流出口の下端から前記減勢部の底面までの高さHcを2.2Da以上、前記傾斜通路部から前記立坑部の下端までの高さHdを5Da以上とし、
前記流水通路内を流れる液体の水面から前記減勢部の底面までの高さHtを25Da以下としたことを特徴とする渦流式流水管。 - 前記接続管の長さLbを8Da以上としたことを特徴とする請求項1に記載した渦流式流水管。
- 前記傾斜通路部から前記立坑部の下端までの高さHdを10Daとしたことを特徴とする請求項1または2に記載した渦流式流水管。
- 前記本体通路部の長さLcを10B以上としたことを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項に記載した渦流式流水管。
- 軸を上下方向に向けて配置されるとともに底面が閉塞された円筒状の流水管と、当該流水管と連通する流水通路を有する接近水路と、当該接近水路よりも下方で前記流水管と連通する接続管と、を備え、
前記流水管は、前記接近水路が連結されて前記流水通路と前記流水管とを連通させる切り欠きが設けられた立坑部と、前記接続管が連結されて接続管と前記流水管とを連通させる流出口が設けられるとともに前記立坑部の下方に配置される減勢部と、を備え、
前記流水通路は、当該流水通路の長手方向に亘って同一幅に形成された本体通路部と、前記流水管側へ向かうにつれて幅が狭く形成されるとともに底面が流水管側へ向かうにつれて下方へ傾斜する傾斜通路部と、を備え、
前記接近水路は、前記本体通路部を有する本体部と、前記傾斜通路部を有するとともに前記切り欠きに連結されて傾斜通路部を前記流水管の接線方向に連結させる導入部と、を備えた渦流式流水管の設計方法であって、
前記接続管の軸を、前記流水管の軸と直交する方向に向けて配置し、
前記本体通路部の幅をBとし、前記立坑部の内径をDaとしたときに、
前記本体通路部の長さLcを5B以上とし、
前記減勢部の内径Dbを3Da以上、前記接続管の内径Dcを1.5Da以上とし、
前記立坑部の下端から前記流出口の上端までの高さHbを5Da以上、前記流出口の下端から前記減勢部の底面までの高さHcを2.2Da以上、前記傾斜通路部から前記立坑部の下端までの高さHdを5Da以上とし、
前記流水通路内を流れる液体の水面から前記減勢部の底面までの高さHtを25Da以下として設計したことを特徴とする渦流式流水管の設計方法。 - 前記接続管の長さLbを8Da以上としたことを特徴とする請求項5に記載した渦流式流水管の設計方法。
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