JPH07303338A - 氾濫水貯留・圧気電力貯蔵共用システム - Google Patents

氾濫水貯留・圧気電力貯蔵共用システム

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JPH07303338A
JPH07303338A JP6094965A JP9496594A JPH07303338A JP H07303338 A JPH07303338 A JP H07303338A JP 6094965 A JP6094965 A JP 6094965A JP 9496594 A JP9496594 A JP 9496594A JP H07303338 A JPH07303338 A JP H07303338A
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JP
Japan
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water
tank
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storing
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JP6094965A
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Inventor
Masao Hayashi
正夫 林
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TONE CHIKA GIJUTSU KK
Tokai University
Obayashi Corp
Toray Engineering Co Ltd
Sumitomo Construction Co Ltd
Original Assignee
TONE CHIKA GIJUTSU KK
Tokai University
Obayashi Corp
Toyo Construction Co Ltd
Sumitomo Construction Co Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/16Mechanical energy storage, e.g. flywheels or pressurised fluids

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 氾濫水を貯留する機能と圧気電力を貯蔵する
機能を合わせ持つとともに、従来のような複雑な構造を
要することなく地中深部に設けた地下タンク内に氾濫水
を取り入れることを可能にして、地中深部に設けた当該
施設を経済的かつ有効に利用することのできる氾濫水貯
留・圧気電力貯蔵共用システムを提供する。 【構成】 この発明の氾濫水貯留・圧気電力貯蔵共用シ
ステム10は、地中所定深度に設けられた、氾濫水を貯
留し、あるいは圧気を貯蔵するための密閉地下空間とし
ての貯蔵タンク11と、この貯蔵タンク11の天端位置
から地上に向けて上方に立設延長し、地上に設置した、
圧気製造用のコンプレッサや発電タービン等の施設やこ
れらの管理施設を備えた電力処理プラント12と連通す
る給気配管13と、地上に設けた上池としての貯水池1
4に一端が開口するとともに、貯蔵タンク11の天端を
貫通して他端が貯蔵タンク11の底部に開口する送水配
管15と、この送水配管15と氾濫水の遊水池16とを
連通するために配設された連絡水路17とによって構成
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、氾濫水貯留・圧気電
力貯蔵共用システムに関し、特に、豪雨時や洪水時等に
発生する氾濫水を一時貯留する機能を有するとともに、
夜間余剰電力等の電力を圧気として貯蔵する機能を備え
た氾濫水貯留・圧気電力貯蔵共用システムに関する。
【0002】
【従来の技術】最近の都市はコンクリートで覆われ、雨
水が地中に浸透しにくくなっているため、集中豪雨等に
見舞われた場合に、都市が氾濫水によって水没しないよ
うに配慮する必要がある。このため、治水、下水の両面
から、都市部には、地下河川や、地下貯留槽、雨水貯留
トンネル等、かかる氾濫水を収容するための貯留空間を
地下に設ける技術が開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、都市の
水没をもたらすような氾濫水を生じる集中豪雨等は、年
に数える程しか発生しない一方で、かかる氾濫水を収容
するための従来の地下貯留施設は、単独の施設として計
画されてきたため、これらの大規模空間としての貯留施
設を大ががりな工事によって地下に設けることは経済上
難点がある。
【0004】また、かかる地下貯留施設では、雨水等を
施設内に取り込む構造が、雨水等をこれらの施設の上方
から施設内に自由落下させるものとなっているため、特
に地上の環境に影響の少ない地下深部にこれらの施設を
設ける場合には、落下エネルギーの減勢と空気混入防止
を目的として、図7に示すように、取水工としてのドロ
ップシャフト50に螺旋形の水路51や、空気分離室5
2、空気抜き管53等を設ける必要が生じるなど、その
構造が複雑になるという課題があった。
【0005】一方、近年、夜間等に生じる余剰電力を圧
気としてタンク内に貯留し、これを適宜取り出して使用
することにより当該余剰電力を有効に利用することを目
的とした圧気電力貯蔵に関する技術が提案されており、
かかる圧気貯蔵の技術分野では、圧気を貯蔵する施設と
して、地中深部に、地中耐圧構造物により形成される地
下タンクを構築設置する技術が開発されている。
【0006】そして、かかる地中耐圧構造物は、内部に
貯蔵される圧気による内圧に抵抗するための構造物の強
度を、当該構造物を所定の深度に設けることにより得ら
れる、地山等から負荷される相当の土圧や水圧等によっ
て補うことにより、当該構造物の安定化を図るものであ
る。また、かかる地中耐圧構造物により形成される地下
タンクは、当該構造物の上方に貯水池等の上池を設け、
これと地下タンクの底部とを送水配管で連通するととも
に、かかる送水配管内を上池からの圧力水で充填するこ
とにより、上池との圧力ヘッド差に伴う一定の圧力を地
下タンク内に導入することのできる、いわゆる定圧方式
の圧気地下タンクとして構成することができる。
【0007】しかしながら、かかる電力貯蔵用の地下タ
ンクもまた、地中相当深部に設けられるものであるため
大がかりな工事を必要とする一方で、圧気電力貯蔵とい
う単独目的のために設計、設置されているため経済上難
点があった。
【0008】一方、かかる地下に設けられる大規模空間
としての電力貯蔵用の地下タンクを、互いの機能を損な
うことなく、上記氾濫水の貯留施設としても兼用できれ
ば便宜であるとともに、かる地中深部に設けられた地下
タンクに雨水等を取り入れる構造を、従来の地下河川等
のように螺旋形の水路や空気分離室等を設けて複雑にす
ることなく、簡単な構造とすることができれば便宜であ
る。
【0009】そこで、この発明は、かかる課題に着目し
てなされたもので、氾濫水を貯留する機能と圧気電力を
貯蔵する機能を合わせ持つとともに、従来のような複雑
な構造を要することなく地中深部に設けた地下タンク内
に氾濫水を取り入れることを可能にして、地中深部に設
けた当該施設を経済的かつ有効に利用することのできる
氾濫水貯留・圧気電力貯蔵共用システムを提供すること
を目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を
鑑みてなされたものであり、その要旨は、豪雨時等に発
生する氾濫水を一時貯留する機能を有するとともに、日
常的には夜間余剰電力等の電力を圧気として貯蔵する機
能を備えた氾濫水貯留・圧気電力貯蔵共用システムであ
って、地中所定深度において、周囲から土圧あるいは水
圧が付加された状態で構築設置される密閉空間としての
貯蔵タンクと、該タンクに圧縮空気を給送しあるいは該
タンクから圧縮空気を取り出すため、該タンクと地上と
を連通して配設される給気配管と、該タンクの上方に設
けた上池に一端が開口するとともに他端が前記タンクの
底部に開口してこれらを連通する配管であって内部に上
池からの被圧水を充填して前記タンク内に上池とのヘッ
ド差に伴う圧力を付与する送水配管と、豪雨時等におい
て氾濫水を前記送水管に給送すべく前記送水配管と連通
して設置された連絡水路とを備えることを特徴とする氾
濫水貯留・圧気電力貯蔵共用システムにある。
【0011】ここで、前記貯蔵タンクが設置される所定
深度とは、貯蔵タンクの内部に貯蔵される圧気による内
圧に抵抗するためのタンクの強度を補うに十分な土圧、
水圧等を得ることのできる深度をいう。
【0012】また、この発明の氾濫水貯留・圧気電力貯
蔵共用システムは、前記上池を、氾濫水を収容するため
の既設あるいは新設の地下河川、地下雨水貯留槽等の地
下貯留施設とすることが好ましい。
【0013】さらに、この発明の氾濫水貯留・圧気電力
貯蔵共用システムは、前記貯蔵タンクの上方の地中に、
さらに、下水処理施設、ゴミ焼却炉、燃料貯蔵施設、駐
車場等の都市施設を設けることもできる。
【0014】
【作用】この発明の氾濫水貯留・圧気電力貯蔵共用シス
テムによれば、地中所定深度に構築設置された貯蔵タン
クは、氾濫水の生じない通常の状態では、圧気電力貯蔵
用の定圧方式の地下タンクとして機能する。すなわち、
例えばタンク内を上池かからの圧力水で満たした後、深
夜電力等でコンプレッサ等を作動し給気配管を介して圧
気をタンク内に給送することにより、満たされていた圧
力水は送水配管を介して上方に押し上げられる結果、タ
ンク内には、圧力水によって負荷される、上池の水面と
タンク内の水面とのヘッド差に伴う一定の圧力により加
圧された圧気が貯蔵される。そして、かかる貯蔵された
圧気は、必要に応じて取り出され、タービン等により電
力に変換して使用されるとともに、夜間等において余剰
電力が生じた場合には、適宜タンク内に補給される。
【0015】そして、集中豪雨等により氾濫水が生じた
場合には、この共用システムは氾濫水貯留用のタンクと
して機能する。すなわち、氾濫水は、貯蔵タンク内の圧
気を取り出して電力として消費しながら、連絡水路から
送水配管を介して貯蔵タンク内に取り込まれる。ここ
で、氾濫水は、被圧水路としての送水配管を介して圧力
水としてタンク内に取り込まれること及びタンク内の圧
力により、タンク内への落下エネルギーが効果的に減勢
されるとともに、空気の混入が効果的に防止される。ま
た、雨水等の氾濫が収まって貯留した氾濫水をタンクか
ら取り出す際には、圧気を貯蔵タンク内に加圧給送する
ことにより、汲み上げ用のポンプ等を別途用いることな
く、通常の圧気電力貯蔵の一工程として、容易に上池等
に排出することができる。
【0016】また、貯蔵タンクとは別途設けた、氾濫水
を収容するための既設あるいは新設の地下河川、地下雨
水貯留槽等の地下貯留施設を、この発明の共用システム
の上池として用いれば、互いの機能を補完して、付加価
値の高いシステムを構成することができる。
【0017】さらに、貯蔵タンクの上方の地中に、下水
処理施設、ゴミ焼却炉、燃料貯蔵施設、駐車場等の都市
施設を設けることにより、当該共用システムが設けられ
る地中をさらに有効に利用することができる。
【0018】
【実施例】以下この発明の一実施例を図面を用いて詳細
に説明する。この実施例にかかる氾濫水貯留・圧気電力
貯蔵共用システム10は、図1に示すように、主とし
て、地中所定深度に設けられた、氾濫水を貯留し、ある
いは圧気を貯蔵するための密閉地下空間としての貯蔵タ
ンク11と、この貯蔵タンク11の天端位置から地上に
向けて上方に立設延長し、地上に設置した、圧気製造用
のコンプレッサや発電タービン等の施設やこれらの管理
施設を備えた電力処理プラント12と連通する給気配管
13と、地上に設けた上池としての貯水池14に一端が
開口するとともに、貯蔵タンク11の天端を貫通して他
端が貯蔵タンク11の底部に開口する送水配管15と、
この送水配管15と氾濫水の遊水池16とを連通するた
めに配設された連絡水路17とによって構成される。
【0019】貯蔵タンク11は、数万立方メートル程度
の容量を有するとともに、貯蔵される圧気による内圧に
抵抗するに十分な土圧や水圧を得ることのできる所定の
深度、例えば100〜150m程度の深度に、各種の縦
孔掘削工法等の在来の土木技術を用いて構築設置される
ものである。なお、かかる貯蔵タンク11は、圧気貯蔵
の面のみからみれば、大きな土圧等を得ることのできる
300〜400m程度の深度の深い位置に設けることが
好ましいが、氾濫水貯蔵の面からみれば、浅く容量の大
きな貯蔵タンク11を設けることが好ましいため、例え
ば本願出願人の出願に係る特願平5−334554号に
示される、周辺地山の単位体積重量とほぼ等しい比重を
有する重泥水を用いて地中構造物の安定化を図る技術を
採用することにより、上記100〜150m程度の深度
に圧気による内圧に十分耐え得る大容量の貯蔵タンク1
1を構築することとしたものである。
【0020】そして、上記貯蔵タンク11を設けるため
の在来の工法としては、例えば、地中連続壁工法を用い
て周囲の外壁を構築した後に、かかる外壁の内部に貯蔵
タンク11を構築する方法の他、本願出願人の出願に係
る特願平6−44205号に示される、充填液により壁
面を保持しつつ地中に掘削形成した縦穴内に、二重構造
の袋体としての型幕を、これの内外の圧力をバランスさ
せながら型幕間にコンクリートを打設しつつ縦穴内に沈
降させて、貯蔵タンク11を縦穴内に構築する方法等を
用いることもできる。なお、構築された貯蔵タンク11
の外周には、これと外壁あるいは外周地山との間に、上
記重泥水18を充填する。
【0021】また、貯蔵タンク11の天端から電力処理
プラント12まで延長する前記給気配管13は、内部を
流通する圧気の圧力に耐え得る耐圧管からなり、プラン
ト12内のコンプレッサから送られる圧縮空気を圧気と
して耐圧タンク11内に給送し、これをタンク11内に
貯蔵するするとともに、かかる貯蔵した圧気を適宜取り
出してプラント12内の発電タービンに給送することに
より、これを電力に変換させるものである。
【0022】さらに、貯蔵タンク11と地上の貯水池1
4とを連通する送水配管15は、貯水池14内の水中に
一端が開口するとともに他端が貯蔵タンク11の底部に
残留する貯留水中に開口することにより、当該送水配管
15内は常時貯水池14からの圧力水で充填され、これ
によって貯蔵タンク11の底部から上方に向けて、当該
貯蔵タンク11内には、これの底部に残留する貯留水の
水面を介して、当該水面と貯水池14の水面とのヘッド
差に伴う一定の圧力が負荷されることになる。また、こ
の送水配管15は、電力処理プラント12から送られる
圧気のタンク11内における貯蔵空間を確保すべく、か
かる圧気の供給に伴って、貯蔵タンク11内の貯留水を
貯水池14に返送する。
【0023】そして、この送水配管15には、豪雨時等
における氾濫水を集積するための遊水池16と連通する
連絡水路17が接続されている。すなわち、かかる連絡
水路17を介することにより、氾濫水は、送水配管15
を経て貯蔵タンク11内に取り込まれることになる。ま
た、この連絡水路17には、送水配管15との接続部分
に開閉弁が設けられるとともに、適宜箇所に開閉扉が設
けられ、これによって送水配管15への流路を遮断する
ことができるとともに、送水配管15に送られる氾濫水
の流量を調整することができるようになっている。
【0024】そして、かかる構成を有するこの実施例の
氾濫水貯留・圧気電力貯蔵共用システム10は、氾濫水
の生じない通常の状態では、圧気電力貯蔵用の定圧方式
の地下タンクとして機能するとともに、集中豪雨等によ
り氾濫水が生じた場合には、氾濫水貯留用の貯留タンク
として機能する。すなわち、氾濫水は、貯蔵タンク11
内の圧気を取り出して電力として消費しながら、連絡水
路17から送水配管15を介して貯蔵タンク11内に取
り込まれる。ここで、氾濫水は、被圧水路としての送水
配管15を介して圧力水としてタンク11内に流下する
とともに、タンク11の内部には圧力が生じているた
め、氾濫水のタンク11内への落下エネルギーが効果的
に減勢されるとともに、空気の混入が効果的に防止され
る。そして、雨水等の氾濫が収まって貯留した氾濫水を
タンク11から取り出す際には、前記開閉弁を閉じて連
絡水路17と送水配管15との接続を遮断するととも
に、圧気を貯蔵タンク11内に加圧給送することによ
り、通常の圧気電力貯蔵の一工程として、送水配管15
を介して氾濫水を容易に貯水池14に排出することがで
きる。
【0025】なお、この実施例では、貯蔵タンク11の
上方の地中に、下水処理施設としてのディーブシャフト
19が設けられており、これによって、貯蔵タンク11
が設置される地中が、都市施設としてさらに有効に利用
されることになる。また、かかるディープシャフト19
の他、ゴミ焼却炉、燃料貯蔵施設、駐車場等のその他の
種々の都市施設を設けることもできる。
【0026】また、図2〜図5はこの発明の他の実施例
を示すものである。すなわち、この実施例の氾濫水貯留
・圧気電力貯蔵共用システム20は、地中の浅い部分に
設けられた、既設あるいは新設の氾濫水を収容するため
の地下貯留施設としての地下河川21を、当該共用シス
テム20の上池として利用したものである。すなわち、
この地下河川21を、連絡水路22を介して、貯蔵タン
ク11から立設延長する送水配管15と連通することに
より上池として利用する。したがって、この共用システ
ム20では、連絡水路22は、送水配管15の一部をも
兼ねることになる。
【0027】そして、この実施例にかかる氾濫水貯留・
圧気電力貯蔵共用システム20によれば、例えば晴天時
の日常的な昼間において、貯蔵タンク11内の圧気を給
気配管13により取り出して電力利用した場合には、図
3に示すように、地下河川21から給送される圧力水に
より、貯蔵タンク11内は当該圧力水によって略満たさ
れた状態ある。一方夜間等において余剰電力を圧気とし
て貯蔵タンク11内に貯蔵するには、図4に示すよう
に、電力処理プラント12から給気配管13を介して給
送される圧気により、貯蔵タンク11内の貯留水を送水
配管15及び連絡水路22を介して地下河川21に押し
出して、当該圧気を貯蔵タンク11内に貯蔵する。そし
て、豪雨時等において氾濫水を貯留するには、図5に示
すように、貯蔵タンク11内の圧気を給気配管13によ
り取り出して電力利用しつつ、遊水池23に集積した氾
濫水を地下河川21、連絡水路22及び送水配管15を
介して貯蔵タンク11内に取り込むとともに、地下河川
21内にも氾濫水を貯留する。すなわち、地下河川21
を、圧気電力貯蔵のための施設として、平常時にも有効
利用することができるとともに、地下河川21の存在に
より、貯蔵タンク11への貯留に加えて、より多量の氾
濫水を当該共用システム20内に貯留することができる
ことになる。
【0028】図6は、この発明のさらに他の実施例を示
すものである。すなわち、この実施例の氾濫水貯留・圧
気電力貯蔵共用システム30は、貯蔵タンク31を、水
平トンネル32内に設置した円筒状の鉄筋コンクリート
構造物によって構成したものである。そして、この共用
システム30においても、上述の共用システム10,2
0の場合と同様に、圧力水で充填された送水配管33
は、貯蔵タンク31の底部に開口してタンク31内に圧
気貯蔵のための圧力を付与するとともに、この送水配管
33には氾濫水の遊水池34からの連絡水路35が接続
している。また、貯蔵タンク31の天端位置からは給気
配管36が立設延長するとともに、貯蔵タンク31の上
方の地中には、例えば、下水処理施設としてのディーブ
シャフト37等の都市施設を設けることができる。な
お、水平トンネル32を形成する際に使用した立坑38
には、重泥水39を充填することにより貯蔵タンク31
の周囲に重泥水圧を付与することができるとともに、当
該立坑38内に、例えば、超深層曝気管、汚泥消化タン
クなどの下水処理施設等を設けることこともできる。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の氾濫水
貯留・圧気電力貯蔵共用システムは、地中所定深度に構
築設置された貯蔵タンクと、このタンクと地上とを連通
して配設される給気配管と、タンクの上方に設けた上池
に一端が開口するとともに他端がタンクの底部に開口す
る送水配管と、氾濫水をこの送水管に給送すべく送水配
管と連通して設置された連絡水路とによって構成される
ので、日常的には圧気電力貯蔵用の定圧方式の地下タン
クとして機能するとともに、集中豪雨等により氾濫水が
生じた場合には、氾濫水を、連絡水路から送水配管を介
して貯蔵タンク内に取り込むことにより、落下エネルギ
ーの減勢及び空気の混入防止を効果的に行うことがで
き、かつ貯留した氾濫水を送水配管を介して容易に上池
等に排出することができる。したがって、この発明の共
用システムは、氾濫水を貯留する機能と圧気電力を貯蔵
する機能を合わせ持つとともに、従来のような複雑な構
造を要することなく地中深部に設けた貯蔵タンク内に氾
濫水を取り入れることができるので、地中深部に設けた
当該共用システムを経済的かつ有効に利用することを可
能にする。
【0030】また、この発明の共用システムは、貯蔵タ
ンクとは別途設けた、氾濫水を収容するための既設ある
いは新設の地下河川、地下雨水貯留槽等の地下貯留施設
を、当該共用システムの上池として用いれば、互いの機
能を補完して、付加価値の高いシステムを構成すること
ができる。
【0031】さらに、貯蔵タンクの上方の地中に、下水
処理施設、ゴミ焼却炉、燃料貯蔵施設、駐車場等の都市
施設を設ければ、当該共用システムが設けられる地中を
さらに有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の氾濫水貯留・圧気電力貯蔵共用シス
テムの一実施例の構成を示す説明図である。
【図2】この発明の氾濫水貯留・圧気電力貯蔵共用シス
テムの他の一実施例の構成を示す説明図である。
【図3】図2に示す共用システムにおいて、貯蔵タンク
内の圧気を取り出して電力利用する状況を示す説明図で
ある。
【図4】図2に示す共用システムにおいて、余剰電力を
圧気として貯蔵タンク内に貯蔵する状況を示す説明図で
ある。
【図5】図2に示す共用システムにおいて、豪雨時等に
生じる氾濫水をシステム内に貯留する状況を示す説明図
である。
【図6】この発明の氾濫水貯留・圧気電力貯蔵共用シス
テムのさらに他の一実施例の構成を示す説明図である。
【図7】従来の地下貯留施設において、氾濫水を施設内
に取り込む状況を示す説明図である。
【符号の説明】
10,20,30 氾濫水貯留・圧気電力貯蔵共用シス
テム 11,31 貯蔵タンク 12 電力処理プラント 13,36 給気配管 14 貯水池(上池) 15,33 送水配管 16,34 遊水池 17,22,35 連絡水路 19 ディープシャフト(都市施設) 21 地下河川 39 重泥水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 000000549 株式会社大林組 大阪府大阪市中央区北浜東4番33号 (72)発明者 林 正夫 千葉県我孫子市若松131−7番地

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 豪雨時等に発生する氾濫水を一時貯留す
    る機能を有するとともに、日常的には夜間余剰電力等の
    電力を圧気として貯蔵する機能を備えた氾濫水貯留・圧
    気電力貯蔵共用システムであって、 地中所定深度において、周囲から土圧あるいは水圧が付
    加された状態で構築設置される密閉空間としての貯蔵タ
    ンクと、該タンクに圧縮空気を給送しあるいは該タンク
    から圧縮空気を取り出すため、該タンクと地上とを連通
    して配設される給気配管と、該タンクの上方に設けた上
    池に一端が開口するとともに他端が前記タンクの底部に
    開口してこれらを連通する配管であって内部に上池から
    の被圧水を充填して前記タンク内に上池とのヘッド差に
    伴う圧力を付与する送水配管と、豪雨時等において氾濫
    水を前記送水管に給送すべく前記送水配管と連通して設
    置された連絡水路とを備えることを特徴とする氾濫水貯
    留・圧気電力貯蔵共用システム。
  2. 【請求項2】 前記上池が、氾濫水を収容するための既
    設あるいは新設の地下河川、地下雨水貯留槽等の地下貯
    留施設であることを特徴とする請求項1に記載の氾濫水
    貯留・圧気電力貯蔵共用システム。
  3. 【請求項3】 前記貯蔵タンクの上方の地中には、下水
    処理施設、ゴミ焼却炉、燃料貯蔵施設、駐車場等の都市
    施設を設けることを特徴とする請求項1または2に記載
    の氾濫水貯留・圧気電力貯蔵共用システム。
JP6094965A 1994-05-09 1994-05-09 氾濫水貯留・圧気電力貯蔵共用システム Pending JPH07303338A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6094965A JPH07303338A (ja) 1994-05-09 1994-05-09 氾濫水貯留・圧気電力貯蔵共用システム

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007255144A (ja) * 2006-03-24 2007-10-04 Cti Engineering Co Ltd 渦流式流水管及びその設計方法
JP2012149560A (ja) * 2011-01-18 2012-08-09 Mitsubishi Heavy Industries Bridge & Steel Structures Engineering Co Ltd 蓄圧式発電設備および蓄圧式発電設備における高気密ゲート

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