JP4999776B2 - 長尺部材の欠陥評価方法及び長尺部材の欠陥評価装置 - Google Patents

長尺部材の欠陥評価方法及び長尺部材の欠陥評価装置 Download PDF

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Description

本発明は、長尺部材の欠陥評価方法及び長尺部材の欠陥評価装置に関する。さらに詳しくは、長尺部材の端面に探触子を載置して超音波を送信し、長尺部材からの受信信号により減肉等の欠陥を評価する長尺部材の欠陥評価方法及び長尺部材の欠陥評価装置に関する。
従来、例えば長さの大部分がコンクリートやグラウト等に埋め込まれた基礎ボルトの検査として打診検査が行われていた。しかし、打診検査では周囲の環境及び検査員の個人差の影響を受けるため、減肉を定量的に測定することが困難であった。
このような制約から超音波を用いた検査方法として、例えば特許文献1に記載の如き検査方法が知られている。この方法では、フェーズドアレイ探触子を用いてネジ部からの反射信号により減肉を検出している。しかし、減肉部から直接反射して得られる信号は、微弱な場合が多く、減肉の有無を判断することが困難であった。また、超音波を電子的に走査し、減肉部に超音波を集束させても、減肉部からの画像を直接得られないことも多かった。
また、減肉部からの画像が得られた場合でも、その画像がノイズによるものか減肉によるものかの識別が困難となっていた。さらに、ネジ部からの反射信号を用いるため、探触子の接触面の影響で感度が低下しネジ部からの信号が消失した場合に減肉を判断することが困難であり、ネジ部のない円筒部の減肉を検出することを想定していない。
一方、超音波探傷試験を使用した減肉部の厚さ測定方法として、特許文献2に記載の方法が知られている。この方法では、超音波反射法による底面エコーと遅れエコーとの時間差、あるいは超音波透過法による透過エコーと遅れエコーとの時間差から減肉厚さを求めている。しかし、底面エコーあるいは透過エコーが得られない上述の如き基礎ボルトでは、この方法を直接利用することが困難となっていた。
さらに、上述の特許文献1,2のいずれの方法においても、受信信号から画像を生成し、その画面上で簡便に減肉を評価する方法について開示されていない。
特開2007−132908号公報 特開2002−202116号公報
かかる従来の実情に鑑みて、本発明は、評価部位の形状に拘わらず減肉等の欠陥を簡便に精度よく評価することの可能な長尺部材の欠陥評価方法及び欠陥評価装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る長尺部材の欠陥評価方法の特徴は、長尺部材の端面に探触子を載置して超音波を送信し、長尺部材からの受信信号により欠陥を評価する方法において、前記探触子がフェーズドアレイ探触子であり、前記長尺部材の一端に前記フェーズドアレイ探触子を前記端面に直交する軸に対し回転可能に取り付け、前記フェーズドアレイ探触子を前記端面上で前記軸を中心に回転させると共に、各回転位置において超音波を所定の送信角度範囲で送受信し、得られた受信信号からS−scan画像を生成すると共に、前記各回転位置で得られた各受信信号から各々等しい角度の送信角度における受信信号を抽出し、それらを前記長尺部材の周方向に並び重ねてB−scan画像を生成し、これら画像に表示される遅れ信号から前記欠陥を評価することにある。
上記構成により、生成されるS−scan画像やB−scan画像には、図7に示す如く、減肉等の欠陥に起因する遅れ信号が明瞭に現れる。この遅れ信号に着目することで、減肉を確実に検出し、その減肉を精度よく評価することができる。
また、前記フェーズドアレイ探触子における送受信の中心と前記端面の中心を一致させて前記フェーズドアレイ探触子を前記一端に取り付けると共に、これら一致した中心を基準に前記フェーズドアレイ探触子を回転させるとよい。これにより、長尺部材の周面には均等に超音波を送信することができ、画像上の遅れ信号の評価がより容易となる。
前記回転位置の異なる複数のS−scan画像における前記遅れ信号の位置の変化により前記欠陥の種別を特定することも可能である。回転位置の異なる複数のS−scan画像上での遅れ信号の挙動を観察することで、周方向の周面の一部での部分減肉か周面全体にわたる全周減肉かを素早く判定することができる。
前記S−scan画像において、遅れ信号及び前記フェーズドアレイ探触子による送受信の中心を結ぶ直線と前記長尺部材の周面からの信号位置との交点により前記欠陥の位置を特定するようにしてもよい。また、前記S−scan画像と前記B−scan画像とは連動して表示するとよい。S−scan画像やB−scan画像上で減肉の位置や寸法等を容易且つ精度よく評価することができる。
上記各構成の減肉評価方法が適用される長尺部材は、前記端面が外部に露出した基礎ボルトであり、この基礎ボルトはネジ部と円筒部とを有する。このような構成の基礎ボルトにおいても、減肉を確実に検出し、精度よく評価可能である。
また、上記目的を達成するため、本発明に係る長尺部材の欠陥評価装置の特徴は、長尺部材の一端に探触子を載置して超音波を送信し、長尺部材からの受信信号により欠陥を評価する構成において、前記探触子がフェーズドアレイ探触子であり、前記フェーズドアレイ探触子を前記長尺部材の一端に前記端面に直交する軸に対し回転可能に取り付けると共に前記端面上で前記軸を中心に回転走査させるスキャナと、各回転位置において所定の送信角度範囲での超音波の送受信を制御する制御装置と、得られた受信信号からS−scan画像を生成すると共に、前記各回転位置で得られた各受信信号から各々等しい角度の送信角度における受信信号を抽出し、それらを前記長尺部材の周方向に並び重ねてB−scan画像を生成する画像処理装置と、生成された画像を表示する表示装置とを備えたことにある。
上記本発明に係る長尺部材の欠陥評価方法及び欠陥評価装置の特徴によれば、評価部位の形状に拘わらず減肉等の欠陥を簡便に精度よく評価することが可能となった。
本発明の他の目的、構成及び効果については、以下の発明の実施の形態の項から明らかになるであろう。
次に、適宜添付図面を参照しながら、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明に係る減肉評価方法の評価対象となる長尺部材としては、例えば、図1に示す如き化学プラント、石油プラントや発電プラント等の構造体100における基礎ボルト101が該当する。この基礎ボルト101の構造を例に以下説明する。
この基礎ボルト101は、図1,2に示すように、略円柱形を呈し、ネジ山を有するネジ部101bとネジ山を有しない円筒部101cとからなる。基礎ボルト101は、基礎台102に設けたスリーブ103を貫通し、グラウト104を介して基礎ボルト101の一端が露出するように設置される。そして、ベースプレート105及び座板106を取り付け、ナット107によりグラウト104に固定する。減肉評価は、外部に露出した基礎ボルト101の端面101aより超音波を送受信し、グラウト104に埋設したネジ部101b及び円筒部101cに形成された欠陥としての減肉B1,B2を対象に行う。
図3に示すように、本発明に係る欠陥評価装置1は、大略、フェーズドアレイ探触子2、制御装置3、画像処理装置4、表示装置5及び入力装置6を備える。フェーズドアレイ探触子2はスキャナ10に取り付けられ、基礎ボルト101の端面101aに対して回転可能である。
制御装置3は、制御部3aとパルサーレシーバー3b及びカウンタ3cよりなる。制御部3aは、パルサーレシーバー3bを制御し、パルサーレシーバー3bを介してフェーズドアレイ探触子2から所定の送信角度範囲内で超音波を送受信する。また、カウンタ3cはフェーズドアレイ探触子2の回転位置情報をエンコーダ13aより受信する。画像処理装置4は、パルサーレシーバー3b及びカウンタ3cから入力される受信信号を処理し、例えば図7に示す如き各画像を生成して、表示装置5に表示する。
図4に示すように、スキャナ10は、大略、第一フレーム11、第二フレーム12、回転抽出機構13及び保持機構14よりなる。第一、第二フレーム11,12は、略円筒形を呈し、互いに相対回転可能に嵌め合わされる。第一フレーム11には貫通孔15aが設けられてあり、この貫通孔15aを介して一対の固定用ノブ15,15をナット107側面に押し当てて第一フレーム11を回転不能に固定する。また、第二フレーム12には長孔16bが軸方向に設けられてあり、長孔16bを介して一対の調整用ノブ16,16により第二フレーム12の内側に保持フレーム14aが固定される。
回転抽出機構13は、エンコーダ13aとピニオンギア13b及び円環状のラック13cよりなる。エンコーダ13aは、第一フレーム11の側面に取り付けてあり、ピニオンギア13bが接続されている。円環状のラック13cは、第二フレーム12の下端に歯列を外面に向けて設けてあり、ピニオンギア13bと噛合する。第二フレーム12の回転はラック13cからピニオンギア13bに伝達し、エンコーダ13aに回転を与える。これにより、探触子の回転位置情報が得られる。
保持機構14は、大略、保持フレーム14aと弾性部材14b及び保持部材14cよりなる。保持フレーム14aは円板状を呈し、弾性部材としてバネ14bを巻設した保持部材14cが適宜間隔をおいて環状に設けられている。保持部材14cの下端には、フェーズドアレイ探触子2周部を押圧するリング状の押圧部14dが設けられている。第二フレーム12の長孔16bにより、保持フレーム14aは高さ調整が可能であり、基礎ボルト101の端面101aにフェーズドアレイ探触子2を確実に接触させることができる。
図4に示すように、フェーズドアレイ探触子2は、スキャナ10により超音波の送受信の中心O1と端面101aの中心O2とを一致させて、端面101aに取り付けられる。これにより、図5,6に示す如く基礎ボルト101に対して均一に超音波を伝搬させることができ、減肉評価がより容易となる。
このフェーズドアレイ探触子2は、図5に示すように、探触子の各回転位置において、所定の送信角度、例えば軸心Aに対し+θ°〜−θ°の角度範囲内で基礎ボルトの直径方向に電子的に走査を行う。フェーズドアレイ探触子2の回転は、図6に示すように、所定位置からスキャナ10を例えばφ°の間隔で中心O1及び中心O2が一致した中心となる基礎ボルト101の軸心Aを基準に回転させて、360°回転走査を行う。
上記の電子的走査及び回転走査により得られた受信信号は、制御装置3を介して画像処理装置4に出力される。そして、画像処理装置4において画像処理がなされ、例えば図7に示す如き、S−scan(Sectorial scan)画像I1、B−scan(Bearing scan)画像I2及びA−scan (Amplitude scan)画像I3として表示装置5に表示される。
このS−scan(Sectorial scan)画像I1は、探触子の回転位置における送信角度範囲内の各角度毎の受信信号の振幅をカラースケールに置き換えて扇状に並べて表示したものである。A−scan (Amplitude scan)画像I3は、探触子の各回転位置における任意の超音波送信角度の受信信号の振幅を表示したものであり、B−scan(Bearing scan)画像I2は、そのA−scan (Amplitude scan)画像をその振幅をカラースケールに置き換え基礎ボルトの周方向に並び重ねて表示したものである。
画像処理装置4は、特定の探触子回転位置における超音波を所定角度範囲内の各受信信号の振幅をカラースケールに置換すると共に各送信角度毎に扇状に並べてS−scan画像を生成する。また、画像処理装置4は、得られた受信信号から各探触子位置毎に特定の送信角度での受信信号を抽出し、その振幅をA−scan画像として生成すると共に、そのA−scan画像をカラースケールに置換して周方向に並び重ねてB−scan画像を生成する。特定の送信角度は後述のS−scan画像上の第二カーソルC2により設定される。また、特定の探触子回転位置は、後述のB−scan画像上の第一カーソルC1により設定可能である。このように、各画像は互いに連動して表示され、減肉評価が画像上で迅速に行うことができる。
これらの各画像には、減肉部からの遅れ信号Fが現れ、その遅れ信号Fから減肉部の位置、寸法等を評価する。減肉部の寸法としては、基礎ボルトの周方向の減肉範囲とする減肉幅W、ボルトの軸方向の減肉範囲とする減肉長さL、ボルトの径方向の減肉範囲とする減肉深さDとして測定することができる。
ここで、図8〜11を参照しながら、遅れ信号について説明する。
遅れ信号とは、同一原因(減肉部B1)からの信号のうち伝搬経路が異なるため又は縦波から横波にモード変換して通常の伝搬時間から遅れて得られる信号をいう。図8に示すように、点Oから点Pの方向に入射した超音波X1は、例えば点Pで反射し、OPSの伝搬経路となる。OPSの経路のうちOP間は縦波で伝搬し、PS間は横波で伝搬する。また、点Oから点Qの方向に入射した超音波X2は、点Qで反射しQR又はQTの間を横波で伝搬する。このように、減肉部B1での反射位置により、入射した超音波は様々な伝搬経路となる。
しかし、S−scan画像上の遅れ信号の表示位置は、基礎ボルト101のR,S,Tに対応する位置に表示されるのではなく、OPやOQを延長した直線上のU点やV点の位置である。S−scan画像は、それぞれの探触子の回転角度位置で得られた各送信角度(+θ°〜−θ°)のA−scan画像の振幅をカラースケールに置き換えて扇型に並べて表示するものであり、点Pで反射して得られた遅れ信号は、線分OPの延長線上に表示されることとなる。従って、同図に示すように、点Uに遅れ信号が表示されると、線分OU上に反射源となる減肉が存在していることが分かる。よって、S−scan画像上の遅れ信号の略中心位置とフェーズドアレイ探触子2による送受信の中心O1である点Oとを結ぶ直線と基礎ボルトの周面からの信号位置との交点近傍に減肉が存在していることが分かる。
ここで、図9〜11にS−scan画像例を示す。図9に減肉のない健全な試験体の例を示す。また、図10に部分減肉が存在する試験体の例、図11に部分減肉及び全周減肉が存在する試験体の例を示す。ここで、部分減肉は試験体周面の一部の減肉をいい、全周減肉は試験体周面全体にわたる減肉をいう。なお、図9〜11において、(a)は探触子2の回転角度位置が0°の場合を示し、(b)は45°、(c)は90°、(d)は135°、(e)は180°、それぞれ(a)の状態から回転させた位置でのS−scan画像を示す。
図9に示す健全な試験体では遅れ信号は現れていない。図10では、フェーズドアレイ探触子2の回転に伴い、遅れ信号F1が移動している。また、図11では、図10の例と同様に、フェーズドアレイ探触子2の回転に伴い移動する遅れ信号F2が現れた。このように、部分減肉に起因する遅れ信号は、フェーズドアレイ探触子2の回転位置の異なる複数のS−scan画像上で位置が変化するので、容易に部分減肉と判定することができる。
また、図11では、遅れ信号F2の他に、探触子2の各回転位置の画像全てで信号F3がほぼ同位置に現れている。この信号F3は、フェーズドアレイ探触子2の回転に伴った移動はなく、ほぼ同位置で絶えず現れている。全周減肉に起因する遅れ信号は、フェーズドアレイ探触子2の回転位置の異なる複数のS−scan画像上で位置にほとんど変化が見られないので、容易に全周減肉と判定することができる。
このように、遅れ信号に着目することにより、容易に且つ確実に基礎ボルト101の減肉Bの有無を判断できることが判明した。また、ネジ部101b又はネジ山を有さない円筒部101cのいずれにおいても、減肉の有無が容易に判定できる。しかも、遅れ信号の位置の変化に着目することで、部分減肉であるか全周減肉であるかの減肉の種別の判定も可能である。そして、上述した図7に示す如く、減肉部Bの状況は、遅れ信号Fにより検出され、減肉幅W、減肉長さL、減肉深さDとして測定することができる。
次に、図12〜14を参照しながら、減肉部の評価手順について説明する。なお、以下の図において、左の画像はS−scan画像、右下段の画像はB−scan画像、右上段の画像はA−scan画像を示す。
まず、スキャナ10をナット107に嵌合させて固定用ノブ15により回転不能に固定し、フェーズドアレイ探触子2を基礎ボルト101の端面101aに取り付ける。この際、あらかじめ基礎ボルト101の端面101aをグラインダーなどで平滑にしておき、超音波をフェーズドアレイ探触子2から基礎ボルトに伝搬させるための接触媒質(グリセリンペースト等)を塗布しておく。調整用ノブ16によりバネ14bの押圧力を調整し、押圧部14dによりフェーズドアレイ探触子2を端面101aに接触させる。
次に、フェーズドアレイ探触子2より超音波を所定角度範囲内で送信して電子的に走査し、その位置における受信信号を得ると共に、画像処理装置4がS−scan画像を生成する。そして、スキャナ10によりフェーズドアレイ探触子2を適宜角度で機械的に360°回転走査して、探触子の各回転位置でのS−scan画像を順次生成する。この回転走査による探触子の位置情報は、エンコーダ13aの信号をカウンタ3cによりカウントすることで得られる。このエンコーダ13aの信号は、スキャナ10の回転がその探触子の位置情報を伝えるためにピニオンギア13b、円環状のラック13cを介してエンコーダ13aに回転を与えることで生じる。このようにして生成したS−scan画像から、選定した任意の超音波送信角度におけるA−scan画像の振幅をカラースケールに置き換えて、円周方向に並び重ね展開したB−scan画像を生成する。そして、これら生成した各画像を例えば図12に示す如く表示する。
次に、図13に示すように、得られたデータのB−scan画像上の第一カーソルC1をマウス等の入力装置6で移動させて、基礎ボルトの周方向の各探触子位置におけるS−scan画像を観察する。ここで、第一カーソルC1とは、探触子の周方向の回転位置を示すものである。画像処理装置4は、入力装置6から信号により、第一カーソルC1に対応する探触子の回転位置でのS−scan画像を生成、表示させる。そして、例えば基礎ボルトの減肉部B4からの信号をS−scan画像上に表示させる。減肉部B4からの直接反射信号の画像が得られていない場合、減肉部からの遅れ信号がないかを観察する。この遅れ信号F4は第一カーソルC1の移動に連動するので容易に識別でき、微細な信号であっても、減肉の有無を容易に確認できる。
そして、図14に示すように、S−scan画像上で例えば減肉部B5からの遅れ信号F5が最も強く表示される探触子位置の画像をS−scan画像に表示させ、第二カーソルC2を遅れ信号F5の上にセットする。ここで、第二カーソルC2とは、超音波の送受信の中心O1と遅れ信号の略中心とを結ぶ線分であり、表示されるS−scan画像における探触子回転位置での超音波の特定の送信角度θ’となる。このセットした第二カーソルC2とネジ部からの信号を延長させた線Sとの交点K近傍が減肉部の位置を示す。画像処理装置4は、入力装置6から信号により、第二カーソルC2に対応する特定の送信角度θ’での受信信号を抽出し周方向に並べてB−scan画像を生成、表示する。そして、表示されたS−scan画像及びB−scan画像から減肉の位置の評価や、減肉幅W、減肉長さL、減肉深さDの測定を行う。
発明者らは、基礎ボルト101の端面101aから模擬減肉中心までの距離を70mm、90mm、100mm、120mm及び140mmとし、模擬減肉の深さを5mm及び10mmとした試験体を製作し、これら試験体を用いて本手法の有効性を確認した。
図15に、端面101aから模擬減肉中心までの距離を70mm、模擬減肉の深さを10mmとした試験体における検出結果を示す。図16に、同距離90mm、同深さ5mmとした試験体における検出結果を示す。図17に、同距離100mm、同深さ10mmとした試験体における検出結果を示す。同図に示すように、いずれの試験体においても、全ての減肉が簡単に誤判断なく検出、評価することが可能であることが確認できた。また、他の試験体においても同様の結果が得られた。
このように、基礎ボルト等の長尺部材の腐食検査を行う場合において、従来方法に比べて短時間の検査時間で確実に減肉の有無が判断でき、減肉部分が他の部材で覆われている場合でも減肉の幅、深さ、長さが測定可能である。しかも、本検査方法によれば、ネジ部の減肉もネジ部以外の円筒部の減肉も評価可能である。
次に、本発明の他の実施形態の可能性について言及する。なお、上述の実施形態と同様の部材には同一の符号を附してある。
上記実施形態において、フェーズドアレイ探触子2における送受信の中心O1及び端面101aの中心O2を基礎ボルト101の軸心Aと一致させて走査した。しかし、中心O1,O2を一致させる場合の他、例えば中心O1,O2を一致させずに端面101aの中心O2と異なる点を基準に回転走査することも可能である。ただし、基礎ボルトの周面へ均等に超音波を伝搬させることが困難となり、画像処理が複雑となるため、上記実施形態が優れている。
上記実施形態において、保持機構及び回転抽出機構は一例に過ぎず、探触子を端面に押圧し確実に接触させると共に回転走査可能な構成であれば特に限定されるものではない。また、長尺部材は埋設している基礎ボルトに限られるものではなく、一端側から超音波を入射可能なものであれば適用可能である。
本発明は、長尺部材の端面に探触子を載置して超音波を送信し、長尺部材からの受信信号により減肉等の欠陥を評価する長尺部材の欠陥評価方法及び欠陥評価装置として利用することができる。略円筒形の基礎ボルトの他、角形や楕円形状等の長尺部材においても適用可能である。
本発明に係る欠陥評価方法の評価対象となる基礎ボルト全体の概略図である。 基礎ボルトの頭部近傍の部分拡大図である。 本発明に係る欠陥評価装置のブロック図である。 スキャナの概略図である。 フェーズドアレイ探触子の電子的走査を説明する図である。 フェーズドアレイ探触子の回転走査を説明する図である。 受信信号を画像表示した一例を示す図である。 遅れ信号の原理を説明する図である。 減肉なしの試験体におけるS−scan画像の一例を示す図である。 部分減肉を有する試験体におけるS−scan画像の一例を示す図である。 部分減肉及び全周減肉を有する試験体におけるS−scan画像の一例を示す図である。 受信信号の画像表示の一例を示す図である。 画像表示された受信信号から減肉状況を把握する手順を説明する図である。 画像表示された受信信号から減肉状況を評価する手順を説明する図である。 基礎ボルト端面から70mm位置、10mm減肉の検出例を示す図である。 基礎ボルト端面から90mm位置、5mm減肉の検出例を示す図である。 基礎ボルト端面から100mm位置、10mm減肉の検出例を示す図である。
符号の説明
1:欠陥評価装置、2:フェーズドアレイ探触子、3:制御装置、3a:制御部、3b:パルサーレシーバー、3c:カウンタ、4:画像処理装置(PC)、5:表示装置、6:入力装置(マウス)、10:スキャナ、11:第一フレーム、12:第二フレーム、13:回転抽出機構、13a:エンコーダ、13b:ピニオンギア、13c:ラック、14:保持機構、14a:保持フレーム、14b:弾性部材、14c:保持部材、14d:押圧部、15:固定用ノブ、15a:貫通孔、16:調整用ノブ、16a:貫通孔、16b:長孔、100:構造体、101:基礎ボルト(長尺部材)、101a:端面、101b:ネジ部、101c:円筒部、102:基礎台、103:スリーブ、104:グラウト、105:ベースプレート、106:座板、107:ナット、A:軸心、B,B1〜5:減肉部、C1:第一カーソル、C2:第二カーソル、D:減肉深さ、F,F1〜5:遅れ信号、I1:S−scan画像、I2:B−scan画像、I3:A−scan画像、K:交点、L:減肉長さ、O1:送受信中心、O2:端面中心、W:減肉幅、

Claims (7)

  1. 長尺部材の端面に探触子を載置して超音波を送信し、長尺部材からの受信信号により欠陥を評価する長尺部材の欠陥評価方法であって、
    前記探触子がフェーズドアレイ探触子であり、前記長尺部材の一端に前記フェーズドアレイ探触子を前記端面に直交する軸に対し回転可能に取り付け、前記フェーズドアレイ探触子を前記端面上で前記軸を中心に回転させると共に、各回転位置において超音波を所定の送信角度範囲で送受信し、得られた受信信号からS−scan画像を生成すると共に、前記各回転位置で得られた各受信信号から各々等しい角度の送信角度における受信信号を抽出し、それらを前記長尺部材の周方向に並び重ねてB−scan画像を生成し、これら画像に表示される遅れ信号から前記欠陥を評価する長尺部材の欠陥評価方法。
  2. 前記フェーズドアレイ探触子における送受信の中心と前記端面の中心を一致させて前記フェーズドアレイ探触子を前記一端に取り付けると共に、これら一致した中心を基準に前記フェーズドアレイ探触子を回転させる請求項1記載の長尺部材の欠陥評価方法。
  3. 前記回転位置の異なる複数のS−scan画像における前記遅れ信号の位置の変化により前記欠陥の種別を特定する請求項1又は2記載の長尺部材の欠陥評価方法。
  4. 前記S−scan画像において、遅れ信号及び前記フェーズドアレイ探触子による送受信の中心を結ぶ直線と前記長尺部材の周面からの信号位置との交点により前記欠陥の位置を特定する請求項1〜3のいずれかに記載の長尺部材の欠陥評価方法。
  5. 前記S−scan画像と前記B−scan画像とは連動して表示される請求項1〜4のいずれかに記載の長尺部材の欠陥評価方法。
  6. 前記長尺部材は前記端面が外部に露出した基礎ボルトであり、この基礎ボルトはネジ部と円筒部とを有する請求項1〜5のいずれかに記載の長尺部材の欠陥評価方法。
  7. 長尺部材の一端に探触子を載置して超音波を送信し、長尺部材からの受信信号により欠陥を評価する長尺部材の欠陥評価装置であって、
    前記探触子がフェーズドアレイ探触子であり、前記フェーズドアレイ探触子を前記長尺部材の一端に前記端面に直交する軸に対し回転可能に取り付けると共に前記端面上で前記軸を中心に回転走査させるスキャナと、各回転位置において所定の送信角度範囲での超音波の送受信を制御する制御装置と、得られた受信信号からS−scan画像を生成すると共に、前記各回転位置で得られた各受信信号から各々等しい角度の送信角度における受信信号を抽出し、それらを前記長尺部材の周方向に並び重ねてB−scan画像を生成する画像処理装置と、生成された画像を表示する表示装置とを備えた長尺部材の欠陥評価装置。
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