JP4999550B2 - Rfidタグ - Google Patents
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Description
ダイポールアンテナは,エレメントに直交する二次元方向(平面内)において,エレメントを中心とする360°の範囲でほぼ均一な利得が得られることから,電波計測用の標準アンテナや,テレビ放送用或いはラジオ放送用のアンテナ等として広く採用されている。
また,特許文献1の図1には,パッチアンテナを備えたRFIDタグが示されている。特許文献1に示されるRFIDタグのパッチアンテナは,板状の誘電体の表裏両面に金属板が設けられ,また,表面側の約半波長の長さの金属板及び誘電体には四角形の穴が形成され,その穴の中に設けられた金属板と裏面側の金属板とがスルーホール接続されている。また,RFIDタグ用の半導体チップが,四角形の穴の部分に実装される。
一方,特許文献1に示されるパッチアンテナは,近傍に金属が存在する場合,例えば,製品の金属筐体に貼り付けられたような場合でも,アンテナ利得の低減が生じにくい。しかしながら,特許文献1に示されるパッチアンテナは,その製造の際に,誘電体及びその表面の金属板に対する穴あけ加工工程やスルーホール鍍金工程が必要となり,また,金属板とスルーホールとの位置決めを高い精度で行う必要があることから,低コストでの量産が難しいという問題点があった。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,二次元方向の広角範囲において均一で高い利得が得られ,近傍に存在する金属や誘電体による利得悪化が生じず,低コストでの量産に適したアンテナ装置及びそれを備えたRFIDタグを提供することにある。
(1−1)略均一な厚みで形成された導電体からなる第一の導電部。
(1−2)前記第一の導電部の一の面に略均一な厚みで形成された誘電体からなる誘電部。
(1−3)前記誘電部における前記第一の導電部に対し反対側の面に,所定の給電位置を中心として一の直線方向の両側それぞれに対称に略均一な厚みで形成された導電体からなる2つの第二の導電部。
(1)(1−1)〜(1−3)を有し,前記一の直線方向に沿って前記給電位置を挟んで隣接して配置された2つのパッチアンテナ。
(2)前記誘電部の前記2つの第二の導電部が配置された面における前記給電位置に配置され,前記2つの第二の導電部それぞれに電気的に接続された半導体素子。
(3)前記半導体素子が,差動信号により駆動する。
本発明に係るRFIDタグは,前記給電位置を中心とする前記一の直線方向における両側それぞれにパッチアンテナが形成されたものである。このようなアンテナ装置は,前記一の直線方向に直交する平面内で,前記給電位置を中心とする広角範囲においてほぼ均一で高い利得が得られる。また,本発明に係るRFIDタグは,近傍に金属や誘電体が存在しても,利得悪化が生じない。さらに,本発明に係るRFIDタグは,その製造においてスルーホール接続を行う工程を必要とせず,低コストでの量産に適している。
(4)前記第一の導電部と前記第二の導電部とが電気的に絶縁されていること。
また,前記第一の導電部,前記第二の導電部及び前記誘電部が,平板状に形成されたものであれば,ごく簡易な構成で,広角範囲においてほぼ均一で高い利得が得られる。
一方,前記第一の導電部,前記第二の導電部及び前記誘電部が,前記一の直線方向の軸
の周りに前記第一の導電部を内側として湾曲した板状に形成されたものであれば,ほぼ均
一かつ高い利得が得られる角度範囲をより広げることができる。また,湾曲形状の調整に
より,利得分布のさらなる均一化を図ることができる。
また,前記第一の導電部,前記第二の導電部及び前記誘電部が,前記一の直線方向の軸
の周りに前記第一の導電部を内側として筒状(例えば,円筒状)に形成されたものであれ
ば,前記給電位置を中心とするほぼ360°の範囲においてほぼ均一で高い利得が得られ
る。
ここに,図1は本発明の第一実施形態に係るRFIDタグA1の概略構成を表す三面図,図2はRFIDタグA1の三次元の利得分布のシミュレーション結果を表す図,図3は本発明の第二実施形態に係るRFIDタグA2の概略構成を表す三面図,図4はRFIDタグA2の三次元の利得分布のシミュレーション結果を表す図,図5は本発明の第三実施形態に係るRFIDタグA3の概略構成を表す三面図,図6はRFIDタグA3の三次元の利得分布のシミュレーション結果を表す図,図7は本発明の第四実施形態に係るRFIDタグA5の概略構成を表す三面図,図8はRFIDタグA5の三次元の利得分布のシミュレーション結果を表す図,図9は本発明の第五実施形態に係るRFIDタグA6の概略構成を表す三面図,図10はRFIDタグA6の三次元の利得分布のシミュレーション結果を表す図である。
図1に示すように,RFIDタグA1は,第一の導電部1及び2つの第二の導電部2a,2bと,誘電部3と,半導体素子4とを有している。
前記第一の導電部1は,約1mm程度の均一な厚みで形成された板状の導電体(鉄,銅,アルミニウム,ステンレス等の金属)からなる部材である。
前記誘電部3は,前記第一の導電部1の一の面(図1では上面)に,約5mm程度の均一な厚みで形成された誘電体(例えば,高発泡ポリエチレン等)からなる部材である。前記誘電部3の比誘電率は1.0である。
前記半導体素子4は,RFIDタグにおける信号処理を実行するものであり,前記誘電部3における前記第一の導電部1に対し反対側の面(図1では上面)に配置されている。この半導体素子4の部分が給電位置となる。
2つの前記第二の導電部2a,2bは,前記誘電部3における前記半導体素子4の位置が設けられた面(前記第一の導電部1に対し反対側の面)に,その半導体素子4の位置(給電位置)を中心として一の直線方向(図1におけるX軸方向)の両側それぞれに対称に,約1mm程度の均一な厚みで形成された導体(鉄,銅,アルミニウム,ステンレス等の金属)からなる部材である。給電位置に配置された前記半導体素子4は,2つの前記第二の導電部2a,2bそれぞれに電気的に接続されている。また,前記第一の導電部1と前記第二の導電部2a,2bそれぞれとは,電気的に絶縁されている。
また,2つの前記第二の導電部2a,2bは,それぞれX軸方向の長さが伝送波の波長の2分の1より若干短い長さに形成されている。
例えば,伝送波がUHF帯(950MHz帯,波長316mm)の電波である場合,前記第二の導電部2a,2bそれぞれのX軸方向の長さは150mm程度とする。
図1に示すように,前記第一の導電部1,2つの前記第二の導電部2a,2b及び前記誘電部3は,平板状に形成されている。
このように,RFIDタグA1においては,給電位置に設けられた半導体素子4が,2つのパッチアンテナからの電力を差動で受信することができるため,半導体素子4を前記第一の導電部1に接続する必要がない。その結果,RFIDタグA1における差動パッチアンテナ(前記半導体素子4を除く部分)は,特許文献1に示されるパッチアンテナのように,半導体素子4を前記第一の導電部1に対してスルーホール接続する構造を設ける必要がなく,シンプルな三層構造を有するのみであるので,低コストでの量産に適している。
また,半導体素子4が,2つのパッチアンテナからの電力を差動で受信するため,単一のパッチアンテナに比べ2倍の電力を得ることができる。即ち,RFIDタグA1における半導体素子4を除くアンテナ部分の利得は,単一のパッチアンテナに比べ3dB高くなる。
シミュレーションの条件は,伝送波が950MHz帯(波長316mm)の電波,前記第一の導電部1のY軸方向の幅,X軸方向の長さ及び厚みがそれぞれ30mm,450mm及び1mm,前記誘電部3のY軸方向の幅,X軸方向の長さ及び厚みがそれぞれ30mm,286mm及び5mm,前記第二の導電部2a,2bそれぞれのY軸方向の幅,X軸方向の長さ及び厚みがそれぞれ30mm,140mm及び1mmである。また,前記誘電部3の比誘電率が1.0である。
図2からわかるように,RFIDタグA1における差動パッチアンテナの利得は,X軸方向(2つの前記第二の導電部2a,2bの配列方向)においてはほぼゼロであり,X軸方向に直交するY−Z平面内において,給電位置(前記半導体素子4の位置)を中心とする360°の範囲において高い利得が得られる。図2に示すように,RFIDタグA1における差動パッチアンテナの利得分布は,給電位置を中心としてY−Z平面に沿って広がるドーナツ状となり,給電位置を中心としてY−Z平面の方向に指向性を有する。特に,給電位置における誘電部3の表面に垂直なZ軸の正方向における利得が最大(+7.8dBi)となる。なお,Z軸の負方向における利得は,Z軸の正方向における利得よりも若干小さい。
通常,ダイポールアンテナの利得は最大で+2.1dBiであるので,これに比べると,RFIDタグA1における差動パッチアンテナの利得は+5dB以上高い。この利得の差は,RFIDタグの無線信号検知可能距離を約2倍に伸ばせることを意味する。
また,RFIDタグA1における差動パッチアンテナの利得は,従来の単一のパッチアンテナの利得に比べても+3dB程度となり,この利得の差は,RFIDタグの無線信号検知可能距離を約1.4倍に伸ばせることを意味する。
RFIDタグA2は,前記RFIDタグA1の変形例である。以下,RFIDタグA2における前記RFIDタグA1と異なる部分について説明する。なお,図3において,図1における前記RFIDタグA1の各構成要素に相当するものについて同じ符号を付している。
RFIDタグA2が前記RFIDタグA1と異なる点は,2つの前記第二の導電部2a,2bのX軸方向の長さ,前記第一の導電部1のY軸方向の幅,及び,前記誘電部3の比誘電率である。即ち,RFIDタグA2における2つの前記第二の導電部2a,2bは,X軸方向(2つの前記第二の導電部2a,2bの配列方向)の長さが,伝送波の波長の二分の一の長さより若干短い。例えば,伝送波が950MHz帯(波長316mm)である場合,2つの前記第二の導電部2a,2bそれぞれのX軸方向の長さを80mm程度とする。
また,RFIDタグA2における前記第一の導電部1は,Y軸方向の幅が,X軸方向の長さと等しくなるように(正方形となるように)形成されている。
さらに,RFIDタグA2における前記誘電部3は,比誘電率が4.4の樹脂である。
このRFIDタグA2は,前記RFIDタグA1に比べ,前記誘電部3の比誘電率が4倍強であるため,伝送波の見かけ上の波長が実際の波長に対して約半分となる状況となる。このため,RFIDタグA2における差動パッチアンテナは,前記第二の導電部2a,2bそれぞれのX軸方向の長さの4倍強の波長の電波に対して共鳴する。
シミュレーションの条件は,伝送波が950MHz帯(波長316mm)の電波,前記第一の導電部1のY軸方向の幅,X軸方向の長さ及び厚みがそれぞれ300mm,300mm及び0.1mm,前記誘電部3のY軸方向の幅,X軸方向の長さ及び厚みがそれぞれ30mm,300mm及び3.2mm,前記第二の導電部2a,2bそれぞれのY軸方向の幅,X軸方向の長さ及び厚みがそれぞれ30mm,80mm及び0.1mmである。また,前記誘電部3の比誘電率が4.4である。
図4からわかるように,RFIDタグA2における差動パッチアンテナの利得は,Z軸の負の方向においてはほぼゼロであり,Z軸の正の方向を中心に60度の範囲で高い利得が得られる。また,RFIDタグA2における差動パッチアンテナは,その最大利得が+7.5dBiとなる。RFIDタグA2における差動パッチアンテナは,前記RFIDタグA1に対し,前記第二の導電部2a,2bの長さが半分であることによる利得の低減分と,前記第一の導電部1の面積が広いことによる利得の増大分とがほぼ相殺されている。
RFIDタグA3は,前記RFIDタグA1の変形例である。以下,RFIDタグA3における前記RFIDタグA1と異なる部分について説明する。なお,図5において,図1における前記RFIDタグA1の各構成要素に相当するものについて同じ符号を付している。
RFIDタグA3が前記RFIDタグA1と異なる点は,2つの前記第二の導電部2a,2bのY軸方向の幅である。即ち,RFIDタグA3における2つの前記第1の導電部2a,2bは,X軸方向(2つの前記第二の導電部2a,2bの配列方向)の長さ及びY軸方向の幅が等しい正方形の板状であり,その一辺の長さ(長さ及び幅)が伝送波の波長の二分の一の長さより若干短い。例えば,伝送波が950MHz帯(波長316mm)である場合,2つの前記第二の導電部2a,2bそれぞれのX軸方向の長さ及びY軸方向の長さを140mm程度とする。
シミュレーションの条件は,伝送波が950MHz帯(波長316mm)の電波,前記第一の導電部1のY軸方向の幅,X軸方向の長さ及び厚みがそれぞれ140mm,400mm及び1mm,前記誘電部3のY軸方向の幅,X軸方向の長さ及び厚みがそれぞれ140mm,286mm及び5mm,前記第二の導電部2a,2bそれぞれのY軸方向の幅,X軸方向の長さ及び厚みがそれぞれ140mm,140mm及び1mmである。また,前記誘電部3の比誘電率が1.0である。
図6からわかるように,RFIDタグA3における差動パッチアンテナの利得は,X軸方向においてはほぼゼロであり,X軸方向に直交するY−Z平面内において,給電位置(前記半導体素子4の位置)を中心とする360°の範囲において高い利得が得られる。また,図6に示すように,RFIDタグA3における差動パッチアンテナも,前記RFIDタグA1における差動パッチアンテナと同様の指向性(ドーナツ状)を有する。特に,給電位置における誘電部3の表面に垂直なZ軸の正方向における利得が最大となり,その最大利得が概ね+10dBiとなる。なお,Z軸の負方向における利得は,Z軸の正方向における利得よりも若干小さい。
このように,RFIDタグA3は,前記RFIDタグA1よりも,パッチアンテナ部分(前記半導体素子4を除いた残りの部分)の利得がさらに高い。
の構成について説明する。
RFIDタグA5は,前記RFIDタグA1の変形例である。以下,RFIDタグA5
における前記RFIDタグA1と異なる部分について説明する。なお,図7において,図
1における前記RFIDタグA1の各構成要素に相当するものについて同じ符号を付して
いる。
RFIDタグA5が前記RFIDタグA1と異なる点は,前記第一の導電部1,前記第
二の導電部2a,2b及び前記誘電部3が,X軸(前記一の直線方向の軸に相当)の周り
に前記第一の導電部1を内側として湾曲した板状に形成されている点である。図7に示す
例において,前記第一の導電部1,前記第二の導電部2a,2b及び前記誘電部3は,そ
れぞれ半円筒状である。
図7に示すRFIDタグA5における差動パッチアンテナ(前記半導体素子4を除く部
分)においては,湾曲した前記第一の導電部1の内側に金属(例えば,X軸方向に長い金
属)が存在しても,その金属の存在はアンテナの指向性(利得分布)に対してほとんど影
響を与えない。このため,RFIDタグA5或いはRFIDタグA5から半導体素子4を
除いた差動パッチアンテナを保持する金属ポールや給電用の同軸ケーブルを,湾曲した前
記第一の導電部1の内側に配置すれば,アンテナ特性を乱すことなく,その差動パッチア
ンテナを金属ポールの中間部や先端部などに保持することができる。
端子)の三次元の利得分布を三次元電磁界シミュレーションにより求めた結果を表す。
シミュレーションの条件は,伝送波が950MHz帯(波長316mm)の電波,半円
筒状の前記第一の導電部1のY軸方向の外周半径,X軸方向の長さ及び厚みがそれぞれ2
0mm,340mm及び2mm,半円筒状の前記誘電部3の外周半径,X軸方向の長さ及
び厚みがそれぞれ25mm,310mm及び5mm,半円筒状の前記第二の導電部2a,
2bそれぞれの外周半径,X軸方向の長さ及び厚みがそれぞれ26mm,150mm及び
1mmである。また,前記誘電部3の比誘電率が1.0である。
図8からわかるように,RFIDタグA5における差動パッチアンテナの利得は,X
軸方向においてはほぼゼロであり,X軸方向に直交するY−Z平面内において,給電位置
(前記半導体素子4の位置)を中心とする360°の範囲において高い利得が得られる。
図8に示すように,RFIDタグA5における差動パッチアンテナも,前記RFIDタグA1における差動パッチアンテナと同様の指向性(ドーナツ状)を有するが,利得分布がより均一化されている。即ち,給電位置における誘電部3の表面に垂直なZ軸の正方向における利得(最大利得)が5.9dBi,Z軸の負方向における利得(最小利得)が3.4dBiであり,利得差が約2dB程度に収まっている。また,Z軸の負方向における最小利得についても,ダイポールアンテナの利得(2.1dBi)を上回っている。
このように,RFIDタグA5における差動パッチアンテナ(前記半導体素子4を除く
部分)は,ほぼ均一で高い利得が得られる角度範囲をより広げることができる。また,湾
曲形状の調整により,利得分布のさらなる均一化や,所望の利得分布へ調整することが可
能となる。
RFIDタグA6も,前記RFIDタグA1の変形例である。以下,RFIDタグA6
における前記RFIDタグA1と異なる部分について説明する。なお,図9において,図1における前記RFIDタグA1の各構成要素に相当するものについて同じ符号を付し
ている。
RFIDタグA6が前記RFIDタグA1と異なる点は,前記第一の導電部1,前記第二の導電部2a,2b及び前記誘電部3が,X軸(前記一の直線方向の軸に相当)の周りに前記第一の導電部1を内側として筒状に形成されている点である。図9に示す例において,前記第一の導電部1,前記第二の導電部2a,2b及び前記誘電部3は,それぞれ円筒状である。
図9に示すRFIDタグA6における差動パッチアンテナ(前記半導体素子4を除く部分)においても,筒状の前記第一の導電部1の内側に金属(例えば,X軸方向に長い金属)が存在しても,その金属の存在はアンテナの指向性(利得分布)に対してほとんど影響を与えない。このため,RFIDタグA6やRFIDタグA6から前記半導体素子4を除いた作動パッチアンテナを保持する金属ポールや給電用の同軸ケーブルを,筒状の前記第一の導電部1の内側に配置すれば,アンテナ特性を乱すことなくその差動パッチアンテナを金属ポールの中間部や先端部などに保持することができる。また,その金属ポールに,RFIDタグA6から前記半導体素子4を除いた作動パッチアンテナを直列に(X軸方向に)配列して保持させ,給電用の同軸ケーブルや,各差動パッチアンテナの給電位置への信号の分配器なども筒状の前記第一の導電部1の内側に配置すれば,コリニアアレーアンテナを構成することもできる。
端子)の三次元の利得分布を三次元電磁界シミュレーションにより求めた結果を表す。
シミュレーションの条件は,伝送波が950MHz帯(波長316mm)の電波,円筒
状の前記第一の導電部1のY軸方向の外周半径,X軸方向の長さ及び厚みがそれぞれ20
mm,340mm及び2mm,円筒状の前記誘電部3の外周半径,X軸方向の長さ及び厚
みがそれぞれ25mm,310mm及び5mm,円筒状の前記第二の導電部2a,2bそ
れぞれの外周半径,X軸方向の長さ及び厚みがそれぞれ26mm,150mm及び1mm
である。また,前記誘電部3の比誘電率が1.0である。
図10からわかるように,RFIDタグA6における差動パッチアンテナの利得も,X
軸方向においてはほぼゼロであり,X軸方向に直交するY−Z平面内において,給電位置
(前記半導体素子4の位置)を中心とする360°の範囲において高い利得が得られる。
また,図10に示すように,RFIDタグA6における差動パッチアンテナも,前記RF
IDタグA1における差動パッチアンテナと同様の指向性(ドーナツ状)を有するが,利
得分布がより均一化されている。即ち,給電位置における誘電部3の表面に垂直なZ軸の
正方向における利得(最大利得)が5.3dBi,Z軸の負方向における利得(最小利得
)が3.2dBiであり,利得差が2dB程度に収まっている。また,Z軸の負方向にお
ける最小利得についても,ダイポールアンテナの利得(2.1dBi)を上回っている。
このように,RFIDタグA6における差動パッチアンテナ(前記半導体素子4を除く
部分)は,給電位置を中心とするほぼ360°の範囲においてほぼ均一で高い利得が得ら
れる。
1 :第一の導電部
2a,2b:第二の導電部
3 :誘電部
4 :半導体素子(給電位置)
5a,5b:短絡部
Claims (5)
- 略均一な厚みで形成された導電体からなる第一の導電部と,
前記第一の導電部の一の面に略均一な厚みで形成された誘電体からなる誘電部と,
前記誘電部における前記第一の導電部に対し反対側の面に,所定の給電位置を中心として一の直線方向の両側それぞれに対称に略均一な厚みで形成された導電体からなる2つの第二の導電部と,を有し,前記一の直線方向に沿って前記給電位置を挟んで隣接して配置された2つのパッチアンテナと,
前記誘電部の前記2つの第二の導電部が配置された面における前記給電位置に配置され,前記2つの第二の導電部それぞれに電気的に接続された半導体素子とを具備しており,
前記半導体素子が,差動信号により駆動することを特徴とするRFIDタグ。 - 前記第一の導電部と前記第二の導電部とが電気的に絶縁されたものである請求項1に記載のアンテナ装置。
- 前記第一の導電部,前記第二の導電部及び前記誘電部が平板状に形成されてなる請求項1又は2に記載のRFIDタグ。
- 前記第一の導電部,前記第二の導電部及び前記誘電部が,前記一の直線方向の軸の周りに前記第一の導電部を内側として湾曲した板状に形成されてなる請求項1又は2に記載のRFIDタグ。
- 前記第一の導電部,前記第二の導電部及び前記誘電部が,前記一の直線方向の軸の周りに前記第一の導電部を内側として筒状に形成されてなる請求項1又は2に記載のRFIDタグ。
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